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野球殿堂 (日本)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
野球殿堂(2010年)

野球殿堂(やきゅうでんどう)は、日本のプロ野球などで顕著な活躍をした選手や監督コーチ、また野球の発展に大きく寄与した人物に対して、その功績を称え顕彰するために創設された殿堂である。アメリカ野球殿堂に範をとった殿堂で、殿堂ホールは東京都文京区東京ドームに併設されている野球殿堂博物館内にあり、肖像のレリーフが展示してある。

表彰規程

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現在の表彰規程

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2024年1月現在の表彰規程[1]を以下に記す。 2007年の表彰規程改正[2]により、2008年以降の競技者表彰は「プレーヤー表彰」と「エキスパート表彰」の2部門で選考している。

競技者表彰

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プレーヤー表彰
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表彰の対象者
プロ選手で、引退後5年を経過してその後15年間の者(つまり、引退後20年以内の者)。ただし、故人は経過期間を要しない。
表彰委員
野球報道に関して15年以上の経験を持つ者(2024年では358人[3])。
選出方法
競技者表彰委員会幹事会が作成した30名以内の候補者名簿から、表彰委員1名につき7人以内の連記で投票し、委員全員の3分の2以上の有効投票があれば75%以上の得票者が選出される。
表彰の対象者から除外されるケース
得票率が有効投票数の3%未満だった場合。引退後21年以上経過することで、エキスパート表彰で再び資格を得られる。
エキスパート表彰
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表彰の対象者
  1. 監督、コーチを退任後6ヶ月以上経過している者。
  2. 21年以上前にプロ野球の現役を引退した者。

なお、故人や65歳以上の者は6ヶ月の経過期間を要しない。

表彰委員
野球殿堂入りした者、競技者表彰委員会幹事、野球報道に関して30年以上の経験を持つ者(2023年では158人[4])。
選出方法
競技者表彰委員会幹事会が作成した25名以内の候補者名簿から、表彰委員1名につき6人以内の連記で投票し、委員全員の3分の2以上の有効投票があれば75%以上の得票者が選出される。

特別表彰

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表彰の対象者
  1. アマチュア野球の競技者を対象に、選手は引退後5年、指導者は退任後6ヶ月を経過している者。なお、故人や65歳以上の者は経過期間を要しない。
  2. プロ野球及びアマチュア野球の審判員を引退後6ヶ月を経過している者。なお、故人や65歳以上の者は経過期間を要しない。
  3. プロ及びアマチュア野球の組織や管理に貢献した者、又はしている者。
  4. 野球に関する文芸・学術・美術・音楽等の著作物を有する者や、報道関係者としての実績がある者。

現役を引退したプロ選手・コーチ・監督であっても、上記条件のいずれかに該当していれば、特別表彰の対象者となる。 なお、2002年度と2003年度は、新世紀特別表彰として、20世紀の日本野球界の基礎作りに大きく貢献した野球に縁のある著名人に対する表彰も行われた。

表彰委員
プロ野球役員および元役員、アマチュア野球役員、野球関係学識経験者、計14名
選出方法
特別表彰候補者選考委員が作成した10名の候補者名簿から、表彰委員1名につき3名以内の連記で投票し、75%以上の得票者が選出される。

表彰者特典

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野球殿堂歴代競技者表彰者

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年度がない年は該当者なし。ただし、1975年は規則改正のため表彰者はいない。

若林忠志(1947年頃)
川上哲治(1952年以前)
大下弘(1946年)
三原脩(1951年)
長嶋茂雄(1958年)
立浪和義(2009年)

競技者表彰

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年度 表彰者
1960年 ヴィクトル・スタルヒン*
1962年 池田豊
1963年 中島治康
1964年 若林忠志
1965年 川上哲治鶴岡一人
1969年 苅田久徳
1970年 天知俊一二出川延明
1972年 石本秀一
1974年 藤本定義藤村富美男
1976年 中上英雄
1977年 水原茂西沢道夫
1978年 松木謙治郎浜崎真二
1979年 別所毅彦
1980年 大下弘小鶴誠
1981年 飯田徳治岩本義行
1983年 三原脩
1985年 杉下茂白石勝巳荒巻淳
1988年 長嶋茂雄別当薫西本幸雄金田正一
1989年 島秀之助野村克也野口二郎
1990年 真田重蔵張本勲
1991年 牧野茂筒井修島岡吉郎
1992年[5] 廣岡達朗[5]坪内道則吉田義男
1993年 稲尾和久村山実
1994年 王貞治*、与那嶺要
1995年 杉浦忠石井藤吉郎
1996年 藤田元司衣笠祥雄
1997年 大杉勝男
1999年 中西太広瀬叔功古葉竹識近藤貞雄
2000年 米田哲也
2001年 根本陸夫小山正明
2002年 山内一弘鈴木啓示福本豊田宮謙次郎
2003年 上田利治関根潤三
2004年 仰木彬
2005年[注 1][6] 村田兆治森祇晶
2006年[注 2][7] 門田博光高木守道山田久志
2007年[注 3][8] 梶本隆夫
年度 プレーヤー表彰者
2008年 山本浩二堀内恒夫
2009年[注 4][9] 若松勉
2010年[注 5][10] 東尾修
2011年[注 6][11] 落合博満
2012年[注 7][12] 北別府学津田恒実
2013年[注 8][13] 大野豊
2014年[注 9][14] 野茂英雄*、秋山幸二佐々木主浩
2015年[注 10][15] 古田敦也[16][17]
2016年[注 11][18] 斎藤雅樹工藤公康*[19]
2017年[注 12][20] 伊東勤[21]
2018年[注 13][22] 松井秀喜*、金本知憲*[23]
2019年[注 14][24] 立浪和義[25]
2022年[注 15][26] 高津臣吾山本昌
2023年[注 16][27] アレックス・ラミレス
2024年 黒田博樹谷繁元信

*は候補1年目の受賞者[28][29]

斜体はプロ野球に関与しなかった受賞者

野球殿堂歴代競技者表彰者 (エキスパート表彰者)

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原辰徳(2015年)
年度 エキスパート表彰者
2009年[注 17][9] 青田昇
2010年[注 18][10] 江藤慎一
2011年[注 19][11] 皆川睦雄
2013年[注 20][13] 外木場義郎
2016年[注 21][18] 榎本喜八[19]
2017年[注 22][20] 星野仙一平松政次[21]
2018年[注 23][22] 原辰徳[23]
2019年[注 24][24] 権藤博[25]
2020年[注 25][30] 田淵幸一
2023年[注 26][31] ランディ・バース

野球殿堂歴代特別表彰者

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沢村栄治(1943年)
年度 表彰者
1959年 正力松太郎平岡凞青井鉞男安部磯雄橋戸信押川清久慈次郎澤村榮治小野三千麿
1960年 飛田忠順河野安通志櫻井彌一郎
1962年 市岡忠男
1964年 宮原清
1965年 井上登宮武三郎景浦將
1966年 守山恒太郎
1967年 腰本寿
1968年 鈴木惣太郎田邊宗英小林一三
1969年 三宅大輔田部武雄森岡二朗島田善介有馬頼寧
1970年 田村駒治郎直木松太郎中馬庚
1971年 小西得郎水野利八
1972年 中野武二太田茂
1973年 内海弘蔵天野貞祐広瀬謙三
1974年 野田誠三
1976年 小泉信三
1977年 森茂雄西村幸生
1978年 伊丹安広吉原正喜岡田源三郎
1979年 平沼亮三谷口五郎
1980年 千葉茂
1981年 佐伯達夫小川正太郎
1982年 鈴木龍二外岡茂十郎
1983年 内村祐之
1984年 桐原眞二
1985年 田中勝雄山内以九士
1986年 中河美芳松方正雄
1987年 藤田信男山下実
1988年 横沢三郎芥田武夫永田雅一
1989年 池田恒雄伊達正男
1990年 佐伯勇
1991年 中澤良夫
1992年 吉田正男
1994年 廣岡知男
1995年 呉昌征村上實
1996年 牧野直隆保坂誠
1997年 山本英一郎
1998年 中尾碩志井口新次郎
1999年 吉國一郎
2000年 福島慎太郎
2001年 武田孟長谷川良平
2002年 中澤不二雄生原昭宏
2003年 松田耕平
2004年 秋山登
2005年 志村正順
2006年 川島廣守豊田泰光
2007年 松永怜一
2008年 嶋清一
2009年 大社義規君島一郎
2010年 古田昌幸
2012年 長船騏郎大本修
2013年 福嶋一雄
2014年 相田暢一
2015年 林和男村山龍平
2016年 松本瀧藏山中正竹[19]
2017年 郷司裕鈴木美嶺[21]
2018年 瀧正男[23]
2019年 脇村春夫[25]
2020年 前田祐吉石井連蔵
2021年 川島勝司佐山和夫
2022年 松前重義
2023年 古関裕而
2024年 谷村友一
年度 新世紀特別表彰者
2002年 フランク・オドール正岡子規
2003年 ホーレス・ウィルソン鈴鹿栄

備考

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  • プレイヤー表彰は2008年から2013年までは初年度、2014年からは毎年の得票率が'''有効投票数の3%未満'''だった場合。引退後21年以上経過することで、エキスパート表彰で再び資格を得られる。
  • 2007年以前は有効投票数の3%未満だった場合でも次年度の候補者から除外されることはなかったが、得票率の低い候補者は競技者表彰委員会による候補者選びの段階で除外される傾向にあった[32]。 
  • 2007年の表彰規程改正により、選手を引退して5年経過すれば現役の監督・コーチでも殿堂入りが可能となっている。
  • 有罪判決やスポーツマンシップに欠ける行為等によって競技者表彰委員会の協議により不適切と判断された場合、表彰の対象者から除外される。

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 第45回表彰委員総数は291名。
  2. ^ 第46回表彰委員総数は298名。
  3. ^ 第47回表彰委員総数は313名。
  4. ^ 第49回プレーヤー部門表彰委員総数は316名。
  5. ^ 第50回プレーヤー部門表彰委員総数は317名。
  6. ^ 第51回プレーヤー部門表彰委員総数は333名。
  7. ^ 第52回プレーヤー表彰委員総数は331名。
  8. ^ 第53回プレーヤー表彰委員総数は327名。
  9. ^ 第54回プレーヤー表彰委員総数は329名。
  10. ^ 第55回プレーヤー表彰委員総数は348名。
  11. ^ 第56回プレーヤー表彰委員総数は351名。
  12. ^ 第57回プレーヤー表彰委員総数は345名。
  13. ^ 第58回プレーヤー表彰委員総数は376名。
  14. ^ 第59回プレーヤー表彰委員総数は381名。
  15. ^ 第62回プレーヤー表彰委員総数は363名。
  16. ^ 第63回プレーヤー表彰委員総数は363名。
  17. ^ 第49回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は46名。
  18. ^ 第50回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は48名。
  19. ^ 第51回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は47名。
  20. ^ 第53回エキスパート表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は48名。
  21. ^ 第56回エキスパート表彰委員総数は119名。
  22. ^ 第57回エキスパート表彰委員総数は120名。
  23. ^ 第58回エキスパート表彰委員総数は127名。
  24. ^ 第59回エキスパート表彰委員総数は140名。
  25. ^ 第60回エキスパート表彰委員総数は138名。
  26. ^ 第63回エキスパート表彰委員総数は158名。

出典

[編集]
  1. ^ 野球殿堂博物館 表彰委員会規程”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年5月21日). 2023年8月8日閲覧。
  2. ^ 野球殿堂博物館 Newsletter 第17巻 第3号”. 財団法人野球体育博物館 (2007年10月25日). 2024年5月5日閲覧。
  3. ^ 第64回競技者表彰委員会 プレイヤー表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2024年1月9日). 2024年5月5日閲覧。
  4. ^ 第63回競技者表彰委員会 エキスパート表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年1月13日). 2023年8月8日閲覧。
  5. ^ a b 川上哲治さんにまつわる美談。プロというのはプライドの塊である/廣岡達朗コラム”. 週刊ベースボールONLINE (2021年10月15日). 2021年10月19日閲覧。
  6. ^ 野球体育博物館 Newsletter 第14巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2005年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  7. ^ 野球体育博物館 Newsletter 第15巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2006年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  8. ^ 野球体育博物館 Newsletter 第16巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2007年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  9. ^ a b 野球体育博物館 Newsletter 第18巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2009年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  10. ^ a b 野球体育博物館 Newsletter 第19巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2010年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  11. ^ a b 野球体育博物館 Newsletter 第20巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2011年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  12. ^ 野球体育博物館 Newsletter 第21巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2012年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
  13. ^ a b 野球体育博物館 Newsletter 第22巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2013年1月24日). 2024年5月5日閲覧。
  14. ^ 野球殿堂博物館 Newsletter 第23巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2014年2月4日). 2024年5月5日閲覧。
  15. ^ 野球殿堂博物館 Newsletter 第24巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2015年2月10日). 2024年5月5日閲覧。
  16. ^ 古田敦也氏が殿堂入り ヤクルト一筋18年、黄金期支えた名捕手
  17. ^ 古田氏の殿堂入りを野茂氏がユーモアで祝福 「アマ時代はバントしかしていなかった人が」。
  18. ^ a b 野球殿堂博物館 Newsletter 第25巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2016年2月5日). 2024年5月5日閲覧。
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  22. ^ a b 野球殿堂博物館 Newsletter 第27巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2018年2月6日). 2024年5月5日閲覧。
  23. ^ a b c 平成30年 野球殿堂入り発表 松井氏、金本氏、原氏、瀧氏が殿堂入り 野球殿堂博物館ニュース 2018年1月15日付
  24. ^ a b 野球殿堂博物館 Newsletter 第28巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2019年2月5日). 2024年5月5日閲覧。
  25. ^ a b c 2019年 野球殿堂入り発表立浪氏、権藤氏、脇村氏が殿堂入り 野球殿堂博物館ニュース 2019年1月15日付
  26. ^ 第62回競技者表彰委員会 プレイヤー表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2022年1月6日). 2024年5月5日閲覧。
  27. ^ 第63回競技者表彰委員会 プレイヤー表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年1月13日). 2023年8月8日閲覧。
  28. ^ 野球殿堂入り候補発表 新たに松井・金本・小久保各氏ら”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2017年11月28日). 2018年1月18日閲覧。
  29. ^ 野球殿堂に松井秀喜氏ら4人”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2018年1月15日). 2018年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月18日閲覧。
  30. ^ 野球殿堂博物館 Newsletter 第29巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2020年2月13日). 2024年5月5日閲覧。
  31. ^ 第63回競技者表彰委員会 エキスパート表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年1月13日). 2023年8月8日閲覧。
  32. ^ 「江川卓は?」なぜ“ミスタータイガース”掛布雅之氏はわずか2票届かずに殿堂入りを逃したのか?」『RONSPO』スポーツタイムズ通信社、2024年1月19日。2024年2月2日閲覧

関連項目

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外部リンク

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