野球殿堂 (日本)
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野球殿堂(やきゅうでんどう)は、日本のプロ野球などで顕著な活躍をした選手や監督・コーチ、また野球の発展に大きく寄与した人物に対して、その功績を称え顕彰するために創設された殿堂である。アメリカ野球殿堂に範をとった殿堂で、殿堂ホールは東京都文京区の東京ドームに併設されている野球殿堂博物館内にあり、肖像のレリーフが展示してある。
表彰規程
[編集]現在の表彰規程
[編集]2024年1月現在の表彰規程[1]を以下に記す。 2007年の表彰規程改正[2]により、2008年以降の競技者表彰は「プレーヤー表彰」と「エキスパート表彰」の2部門で選考している。
競技者表彰
[編集]プレーヤー表彰
[編集]- 表彰の対象者
- プロ選手で、引退後5年を経過してその後15年間の者(つまり、引退後20年以内の者)。ただし、故人は経過期間を要しない。
- 表彰委員
- 野球報道に関して15年以上の経験を持つ者(2024年では358人[3])。
- 選出方法
- 競技者表彰委員会幹事会が作成した30名以内の候補者名簿から、表彰委員1名につき7人以内の連記で投票し、委員全員の3分の2以上の有効投票があれば75%以上の得票者が選出される。
- 表彰の対象者から除外されるケース
- 得票率が有効投票数の3%未満だった場合。引退後21年以上経過することで、エキスパート表彰で再び資格を得られる。
エキスパート表彰
[編集]- 表彰の対象者
- 監督、コーチを退任後6ヶ月以上経過している者。
- 21年以上前にプロ野球の現役を引退した者。
なお、故人や65歳以上の者は6ヶ月の経過期間を要しない。
- 表彰委員
- 野球殿堂入りした者、競技者表彰委員会幹事、野球報道に関して30年以上の経験を持つ者(2023年では158人[4])。
- 選出方法
- 競技者表彰委員会幹事会が作成した25名以内の候補者名簿から、表彰委員1名につき6人以内の連記で投票し、委員全員の3分の2以上の有効投票があれば75%以上の得票者が選出される。
特別表彰
[編集]- 表彰の対象者
- アマチュア野球の競技者を対象に、選手は引退後5年、指導者は退任後6ヶ月を経過している者。なお、故人や65歳以上の者は経過期間を要しない。
- プロ野球及びアマチュア野球の審判員を引退後6ヶ月を経過している者。なお、故人や65歳以上の者は経過期間を要しない。
- プロ及びアマチュア野球の組織や管理に貢献した者、又はしている者。
- 野球に関する文芸・学術・美術・音楽等の著作物を有する者や、報道関係者としての実績がある者。
現役を引退したプロ選手・コーチ・監督であっても、上記条件のいずれかに該当していれば、特別表彰の対象者となる。 なお、2002年度と2003年度は、新世紀特別表彰として、20世紀の日本野球界の基礎作りに大きく貢献した野球に縁のある著名人に対する表彰も行われた。
- 表彰委員
- プロ野球役員および元役員、アマチュア野球役員、野球関係学識経験者、計14名
- 選出方法
- 特別表彰候補者選考委員が作成した10名の候補者名簿から、表彰委員1名につき3名以内の連記で投票し、75%以上の得票者が選出される。
表彰者特典
[編集]- 表彰者は、毎年オールスターゲームのうちの1試合に招待され、試合を中断して表彰式を開催する。アマチュア関係者の場合、全国高等学校野球選手権大会、都市対抗野球大会や東京六大学野球リーグ戦の最終節(早慶戦)などの際に表彰式を行う場合もある。なお物故者など、やむを得ない事情により参加できない場合は家族(遺族)ら代理人が参列する。
- 表彰者には賞金100万円と、野球殿堂博物館に掲げられるレリーフ(銅製胸像額)のレプリカが贈呈される。
野球殿堂歴代競技者表彰者
[編集]年度がない年は該当者なし。ただし、1975年は規則改正のため表彰者はいない。
競技者表彰
[編集]斜体はプロ野球に関与しなかった受賞者
野球殿堂歴代競技者表彰者 (エキスパート表彰者)
[編集]野球殿堂歴代特別表彰者
[編集]年度 | 新世紀特別表彰者 |
---|---|
2002年 | フランク・オドール、正岡子規 |
2003年 | ホーレス・ウィルソン、鈴鹿栄 |
備考
[編集]- プレイヤー表彰は2008年から2013年までは初年度、2014年からは毎年の得票率が'''有効投票数の3%未満'''だった場合。引退後21年以上経過することで、エキスパート表彰で再び資格を得られる。
- 2007年以前は有効投票数の3%未満だった場合でも次年度の候補者から除外されることはなかったが、得票率の低い候補者は競技者表彰委員会による候補者選びの段階で除外される傾向にあった[32]。
- 2007年の表彰規程改正により、選手を引退して5年経過すれば現役の監督・コーチでも殿堂入りが可能となっている。
- 有罪判決やスポーツマンシップに欠ける行為等によって競技者表彰委員会の協議により不適切と判断された場合、表彰の対象者から除外される。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 第45回表彰委員総数は291名。
- ^ 第46回表彰委員総数は298名。
- ^ 第47回表彰委員総数は313名。
- ^ 第49回プレーヤー部門表彰委員総数は316名。
- ^ 第50回プレーヤー部門表彰委員総数は317名。
- ^ 第51回プレーヤー部門表彰委員総数は333名。
- ^ 第52回プレーヤー表彰委員総数は331名。
- ^ 第53回プレーヤー表彰委員総数は327名。
- ^ 第54回プレーヤー表彰委員総数は329名。
- ^ 第55回プレーヤー表彰委員総数は348名。
- ^ 第56回プレーヤー表彰委員総数は351名。
- ^ 第57回プレーヤー表彰委員総数は345名。
- ^ 第58回プレーヤー表彰委員総数は376名。
- ^ 第59回プレーヤー表彰委員総数は381名。
- ^ 第62回プレーヤー表彰委員総数は363名。
- ^ 第63回プレーヤー表彰委員総数は363名。
- ^ 第49回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は46名。
- ^ 第50回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は48名。
- ^ 第51回エキスパート部門表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は47名。
- ^ 第53回エキスパート表彰委員(当時は、競技者表彰幹事と殿堂入り競技者)総数は48名。
- ^ 第56回エキスパート表彰委員総数は119名。
- ^ 第57回エキスパート表彰委員総数は120名。
- ^ 第58回エキスパート表彰委員総数は127名。
- ^ 第59回エキスパート表彰委員総数は140名。
- ^ 第60回エキスパート表彰委員総数は138名。
- ^ 第63回エキスパート表彰委員総数は158名。
出典
[編集]- ^ “野球殿堂博物館 表彰委員会規程”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年5月21日). 2023年8月8日閲覧。
- ^ “野球殿堂博物館 Newsletter 第17巻 第3号”. 財団法人野球体育博物館 (2007年10月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ “第64回競技者表彰委員会 プレイヤー表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2024年1月9日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ “第63回競技者表彰委員会 エキスパート表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年1月13日). 2023年8月8日閲覧。
- ^ a b “川上哲治さんにまつわる美談。プロというのはプライドの塊である/廣岡達朗コラム”. 週刊ベースボールONLINE (2021年10月15日). 2021年10月19日閲覧。
- ^ “野球体育博物館 Newsletter 第14巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2005年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ “野球体育博物館 Newsletter 第15巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2006年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ “野球体育博物館 Newsletter 第16巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2007年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ a b “野球体育博物館 Newsletter 第18巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2009年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ a b “野球体育博物館 Newsletter 第19巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2010年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ a b “野球体育博物館 Newsletter 第20巻 第4号”. 財団法人野球体育博物館 (2011年1月25日). 2024年5月5日閲覧。
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- ^ 古田敦也氏が殿堂入り ヤクルト一筋18年、黄金期支えた名捕手
- ^ 古田氏の殿堂入りを野茂氏がユーモアで祝福 「アマ時代はバントしかしていなかった人が」。
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- ^ “野球殿堂入り候補発表 新たに松井・金本・小久保各氏ら”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2017年11月28日). 2018年1月18日閲覧。
- ^ “野球殿堂に松井秀喜氏ら4人”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2018年1月15日). 2018年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月18日閲覧。
- ^ “野球殿堂博物館 Newsletter 第29巻 第4号”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2020年2月13日). 2024年5月5日閲覧。
- ^ “第63回競技者表彰委員会 エキスパート表彰開票結果”. 公益財団法人野球殿堂博物館 (2023年1月13日). 2023年8月8日閲覧。
- ^ 「「江川卓は?」なぜ“ミスタータイガース”掛布雅之氏はわずか2票届かずに殿堂入りを逃したのか?」『RONSPO』スポーツタイムズ通信社、2024年1月19日。2024年2月2日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 公益財団法人野球殿堂博物館
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