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遊城十代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
遊城十代
遊☆戯☆王デュエルモンスターズGXのキャラクター
登場(最初) TURN-1「遊戯を継ぐ者」
作者 高橋和希
声優 KENN
長浜満里子(幼少期)
プロフィール
愛称 アニキ
別名 覇王十代
性別
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遊城 十代(ゆうき じゅうだい)は、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』およびその派生作品である漫画『遊☆戯☆王GX』に登場する架空の人物。担当声優はKENN(幼少時は長浜満里子)。

人物

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『デュエルモンスターズGX』の主人公。「E・HERO」(エレメンタルヒーロー)と「ネオスペーシアン」の融合デッキを使用する。2004年[1]から三年間オシリス・レッドに在籍したデュエルアカデミアの学生。『遊☆戯☆王』シリーズの原作者である高橋和希による命名であり、由来は「友情」(「遊城」の音読みが「ユウジョウ」)、そして「十代の子供たちに見てもらえるように」という意味が込められている。

決め台詞である「ガッチャ、楽しいデュエルだったぜ」が示すように勝敗よりも純粋に楽しいデュエルを好む、極めて陽気で前向きな性格の持ち主。彼を慕い、同級生の丸藤翔や後輩のティラノ剣山が舎弟となるなど、ある種のカリスマ性も備えている。自分や仲間の命が懸かっている局面でもデュエルを楽しむ胆力は相手を瞠目させるが、時にデュエルに大きな物を懸けて挑む者にも主張してしまうので、反感を抱かれることもある。夢は憧れのデュエリストである武藤遊戯のようなデュエルキングになることで、彼から直に譲り受けた「ハネクリボー」を「相棒」と呼んでいる。子どもの頃は「宇宙を救うヒーローになる」という夢を抱いており、デュエルを始めるきっかけにもなった。実技に関しては天才的な能力を発揮するが、筆記試験は苦手で、授業中はよく居眠りをしている。デュエル以外ではスポーツも得意で、劇中終盤ではモーターボードやオートバイなどの操縦もこなす。好物はエビフライ

十代は幼い頃からカードに宿る精霊の姿を見ることができ、それ故に世界の命運を左右する重大な局面に幾度も対峙している。仲間であるネオスペーシアン達からは「正しきの力を持つ者」と呼ばれている。

子供の頃の十代の切り札はユベル。対戦相手を昏睡状態にしてしまうこのカードのせいで、知人達から仲間外れにされ孤独に過ごしてきた。その後、両親の手によってユベルに関する記憶を消去されている。

一人称は「俺」。二人称は誰に対しても「お前」である。周囲からの呼称集は「十代(味方の大抵から。天上院明日香万丈目準三沢大地など)」、「アニキ(丸藤翔ティラノ剣山)」、「十代君(天上院吹雪・教員関係者など)」、「十代様(早乙女レイ)」と呼ばれている。

「覇王十代」

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十代が心の闇に堕ちた状態であり、同時に十代の心の闇が作り出した幻影かつ心の壁。性格は冷酷で非情。傭兵として数々の死線を潜り抜けたオースチン・オブライエンの戦意を喪失させる程の威圧感とデュエルタクティクスを持つ。キーカードは「E-HERO(イービルヒーロー)」、切り札は「超融合」である。

仲間を失った十代の精神世界に現れ、十代に「超融合を完成させ異世界を力で支配しろ」と語りかける。やがて超融合を完成させ、その圧倒的な力で異世界の完全支配まであと一歩のところまで勢力を広げる。しかし、オブライエンとの死闘の果てに相打ちとなり消滅する。その後、ユベルを倒すために十代によって甦らせられ、ユベルと死闘を繰り広げた。

使用カード

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E・HERO

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E・HERO(エレメンタルヒーロー)。アメコミ風のカードデザインが特徴的。大半は戦士族で占められている。融合を行うことによって様々なモンスターに変化する。初期は「マイフェイバリット・カード」と呼ぶ「E・HEROフレイム・ウイングマン」を中心に構成されていたが、2期からは、後述のネオスペーシアンたちとの融合で力を発揮する新たなHERO、「E・HERO ネオス」が中心となった。

ネオスペーシアン

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「E・HERO ネオス」と「コンタクト融合」を行える「N」と名のついたカード。カードの属性一つにつき、一体ずつ存在する宇宙人。幼少の十代が全てを創作し、海馬コーポレーションによってカード化され宇宙の波動を取り込んで完成した。作中では十代と話をするなど、一体一体が意思を持っている。「C」と名のついたコクーン(繭)といわれるカードはネオスペーシアン召喚の補助として使われる。「NEX(ネオスペーシアンエクステント)」により「N・アクア・ドルフィン」は「N・マリン・ドルフィン」に、「N・グロー・モス」は「N・ティンクル・モス」に進化する。

E-HERO

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E-HERO(イービルヒーロー)。覇王十代が用いていたカード。E・HEROの多くが戦士族なのに対して、こちらは全て悪魔族である。専用の融合カード「ダーク・フュージョン」により、更に凶悪なモンスターとなる。

その他の重要カード

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ハネクリボー
第一話で武藤遊戯から譲り受けたカード。作中では精霊が宿っており、十代は「相棒」と呼んで信頼している。武藤遊戯の使っていた「クリボー」に羽がついたデザインで、クリボーの悪魔族とは対照的に天使族である。「進化する翼」で「ハネクリボーLv10」に進化することができる。アニメでのデュエル時使用率は極端に少ない。
アニメでは登場しないがハネクリボーLv9も存在する。
ユベル
幼少の頃の十代のフェイバリットカード。詳しくはユベルを参照。
超融合
異世界において、暗黒界の狂王ブロンが十代の仲間達を生贄にして完成させようとしていた魔法カード。ブロンが倒れた後、孤立した十代が拾い、覇王十代となった後に完成させた。デュエル中の場のモンスターだけでなく、あらゆるものをカードで融合できる異世界では、このカードは重要な意味を持っており、第3期のキーカードとなった。カード分類は速攻魔法で手札1枚をコストに発動する。自分、または相手の場のモンスターをも融合素材とすることができ、このカードの発動に対してカウンター罠も含む一切のカードは効果を発動できない。速攻魔法であるため、相手ターンやバトルフェイズ中にも使用できる。なお、相手の場のモンスターを1体リリース素材にできる「クロス・ソウル」とは異なり、素材が全て相手の場のモンスターでも構わない。

劇中の動向

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1期目(1年生)

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入学試験に電車の事故で遅れてしまい、デュエル・アカデミア入学のためにクロノス教諭とデュエルし入学を果たす。実技最高顧問のクロノスを制したことで学園の名だたるデュエリストから一目置かれるが、学力が110位と最低クラスなため、アカデミアで最も地位の低いオシリスレッド寮に配属される。クロノスから一方的に目の敵にされ、学園の強豪たちを差し向けられるが、当の本人はそんな冷遇を気にすることなくマイペースに学園生活を送ってゆく。万丈目準との戦いでラーイエローに昇格する権利を得たが「俺はここが気に入っている」と自らの意思でオシリスレッドに残留している。そして、次々に襲い掛かってくるセブンスターズや三幻魔の危機から世界を救うことに成功した。

2期目(2年生)

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無事に2年生へと進級し、新たに入学した一学年下のエド・フェニックスやティラノ剣山とのデュエルにも勝利し(ただしエドは売店で無造作に買ったカードで組んだ寄せ集めのデッキを使っていた)、剣山からは翔同様にアニキと呼ばれ慕われるようになる。しかし本気を出したエドとの再戦で完敗した影響により、カードの絵柄が見えなくなってしまいデュエルすることが不可能となってしまう。そのショックから気落ちした状態となり1人で島全体を放浪していた。その際に十代は亜空間にさまよい新たなる切り札「E・HEROネオス」や宇宙の戦士「ネオスペーシアン」たちのカードを手に入れたことによってデュエルができる状態へと復活し、ネオス達の協力を得てエドとの3回目のデュエルにも勝利した。自身が放浪していた時に暗躍してきた斎王琢磨によって洗脳され光の結社の幹部となった万丈目と天上院明日香をはじめ、多くのデュエリストを次々に倒し、ついには斎王に取り付いていた「破滅の光」をも打ち破った。

3期目(3年生前半)

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精霊が見える少年・ヨハン・アンデルセンと出会い、親友となる。デスデュエルや、異次元での命懸けの決闘を続けていくうちに、戦うことの重圧や仲間を守ることへの責任感に苦しみ、デュエルを純粋に楽しめなくなってしまう。

物語中盤の異世界編では、デスデュエルを取り巻く騒動の黒幕が精霊ユベルであることに驚愕、さらにヨハンが自らを犠牲に十代達を元の世界に戻してくれたものの、ユベルを歪ませてしまったのは自分のせいだと暫く失意に暮れていた。ハネクリボーから、異世界への特異点が開いたのを聞くと、単身ヨハンを救うために出発、途中で追い付いた万丈目達に最初は巻き込みたくないと拒絶するも彼らの説得を受け、共にヨハンを救出しに仲間とともに異世界へ向かった。デュエルで敗北すると消滅してしまう異世界の中、生死を賭けたデュエルに仲間を巻き込まないよう、自らデュエルを受け続けた。しかしヨハンの救出を最優先にし過ぎるあまり、単独行動を繰り返しては仲間を危機にさらしたことで仲間との間に亀裂が走り、さらに暗黒界の狂王ブロンが治める砦では、目的優先のあまり仲間を蔑ろにするような言動をとったばかりか「他の仲間を連れてくるまで待つ」というオブライエンとジムの約束を破って砦に侵入、ブロンとのデュエルで万丈目、剣山、明日香、吹雪を失ってしまい、唯一生き残った翔からは「十代は自分が満足するためだけにデュエルをしており、目的のためなら誰が犠牲になろうが構わない」と激しく非難され、更にその場を去った翔を追ってジムやオブライエンを離れてしまい、たった1人で取り残されてしまう。「自分の何がいけなかったのか」と苦悩する中、自らの心の闇が生み出したもう一つの人格である覇王から「悪を倒すためなら悪にでもなり、この弱肉強食の世界を力により支配しなければならない」「その手にある「超融合」のカードを、抗う精霊たちを倒し、その命を吹き込んで完成させるのだ」と吹き込まれたことで、冷酷な性格の覇王十代へと変貌してしまった。

オブライエンが覇王と引き分けたことで、その呪縛から解放されるが、覇王十代として人々を虐殺していた時の記憶が蘇って「融合」が使えなくなるなど、傷心しきっていた。しかし、亮や三沢、E・HEROたちに励まされ、復活を果たす。そしてユベルとの二度の決闘の末にヨハンを救い出し、ユベルとは和解の末に融合を果たした。

4期目(3年生後半)

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融合により、その身に精霊ユベルの魂を宿しており、決闘以外でも精霊の力を用いてモンスターを実体化させるなど、自在に力を使えるようになった。この能力を発動する際には、目の色がユベルのように変色している。前編までと比べると子供のような軟らかい表情が減り、顔つきも凛々しくなり精神的にも大きく成長を遂げた。この時点ですでに学園最強と称されるようになっている。

ユベルとの事件から1ヶ月間自室に篭っていたが、精霊界と人間界とを結ぶ新たな異変を感じ取る。責任の一端を感じ、皆に迷惑をかけまいとアカデミア校の退学を決意するが、藤原優介とオネストの一件を経て仲間たちと再び行動をともにすることを誓う。

異世界での一連の出来事が尾を引き、デュエルを楽しむことを忘れていたが明日香や剣山、早乙女レイとのペアデュエルを経て本来の熱い心を取り戻していき、翔のサイコ流との決闘や万丈目のプロデュエリストの騒動などで陰ながら協力し支えるなど蟠りを解消していったが、1~3期の頃のように他の友人と行動をともにすることは少なくなり、大徳寺(の魂)のみが日常時の会話相手になっていた。また、3期で指摘された勉学の不真面目さは相変わらず(1ヶ月間自室に籠るなど以前に比べ寧ろ悪化している)である。

物語後半からはオブライエンからの連絡により卒業デュエルを抜け出してヨハンと合流し、藤原と戦い、さらに元凶であるダークネスを打ち倒し、無事卒業式を迎える。 祝賀会で一行が盛り上がる中、一人静かにアカデミアを去ろうとするが、ハネクリボーにより遊戯デッキの展示室へと連れて行かれ、そこで遊戯と再会する。遊戯によって、バトルシティ直後の闇遊戯の元へと導かれ、「真の卒業デュエル」を行い、純粋にデュエルを楽しむ気持ちを思い出した。

アカデミア卒業後はカードの精霊を見える力を役立てる道を探す事にしている。

劇場版 遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜

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主人公の一人として登場。本編終了後の設定であり、最終回以降もオシリスレッドの制服を着用しており、精霊ユベルやファラオ(と大徳寺の魂)と行動をともにしている。ヨハンや丸藤亮のカードを奪ったパラドックスを追う。

未来からやってきた不動遊星とともに、過去へタイムスリップし、ペガサス抹殺を目論むパラドックスの野望を阻止すべく対決する。デュエルではネオスと融合と言う十代が得意とする2種類の戦術を披露して、パラドックスの猛攻を凌ぐなどサポート役に徹していた。戦いを終えると遊戯、遊星と再び会う約束を交わした。

外見や制服のデザインは4期の頃のものだが、最終回でデュエルを楽しむ心を取り戻したことと、憧れの遊戯(とアテム)に出会えたことにより1期や2期の頃のような明るい性格に戻っているため、3人の主人公の中ではムードメーカー的な存在となっている。『GX』第180話(最終回)ではアテムから「十代君」と呼ばれていたが、本作では呼び捨てされている。

漫画版における遊城十代

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8月31日生まれ。身長165cm、体重53kg。[2]

主人公。オシリス・レッド所属の一年生。デュエル・キングになることを目指している。プロデュエリストの響紅葉との出会いがデュエルを始めるきっかけになった。彼から譲り受けたE・HEROデッキを主力としている。カードに宿る「精霊」を見る事ができ、精霊を宿したカード「ハネクリボー」を「相棒」と呼び大事にしている。アニメとは違うE・HEROのカードを使用し、プラネット・シリーズの1枚「E・HERO ジ・アース」を切り札にしている。精霊のカードとジ・アースを持つことから、アメリカ・デュエルアカデミアの生徒に狙われる立場にある。

第2章のレジー戦後に「やはり紅葉が使ったほうがいい」と思いE・HEROデッキを封印し、第3章より新たにM・HERO(マスクド・ヒーロー)という新たなHEROデッキを使用している。

洗脳された天上院吹雪との闇のデュエルに敗北し、ハネクリボーとジ・アースを奪われ闇に囚われるが、ハネクリボーの力によりその呪縛から解き放たれた。その後、駆けつけた万丈目とタッグを組み、紅葉の力を借りるべくE・HEROデッキを再び使い、完全復活を果たしたトラゴエディアとの2対1の闇のデュエルに挑む。「The supremacy SUN」の蘇生コンボに押されるが、トラゴエディアから取り返したハネクリボーと万丈目の「光と闇の竜」を融合した「マアト」によってトラゴエディアに勝利した。

アカデミアを卒業した後はプロ・デュエリストとなり、念願だった響紅葉との再戦を果たすところで物語は幕を下ろす。

脚注

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  1. ^ 第156話 鮫島校長の見ている行方不明書から
  2. ^ 9巻のプロフィールより。