辻本満丸
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辻本 満丸(つじもと みつまる、1877年(明治10年)12月4日 - 1940年(昭和15年)4月24日)は、日本の応用化学者[1][2]。スクアレンを発見した事で知られている[1][2]。
経歴・人物
[編集]翻訳者の辻本一貫の子として東京に生まれる[1][2]。第一高等学校卒業後[2]、東京帝国大学(現在の東京大学)に入学し応用化学を学んだ[2]。卒業後に農商務省附属の東京工業試験所に入り[1]、主に生物に含まれる油脂成分専門の研究助手となる[2][3]。後に技師に就任し1915年(大正4年)から1930年(昭和5年)の退官まで[3]、同試験所の第二部長となり[3]、多くの生物における油脂化学研究や調査を行った[1][2]。特にフジクジラ、カラスザメ、カスミザメ等サメを中心に油脂成分の研究に没頭した事により[1]、「スクアレン」と呼ばれる新しい化学成分を発見、命名した事で名を馳せた[1][2]。また、魚類に多く含まれるDHAの元となったクルパノドン酸も発見した事でも知られている[4]。応用科学以外にも、試験所に勤務中に全国各地を登山した事や「日本山岳会」の創設者として知られ[2]、赤石山脈に所在する鳳凰山に発見した新しい植物を調査し[2]、その中からキキョウ科の植物「ホウオウシャジン」を命名した事でも知られた[2]。