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谷口耕太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
谷口 耕太郎 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム たにぐち こうたろう
ラテン文字 Kotaro Taniguchi
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 100m, 200m
所属 凸版印刷
大学 中央大学
生年月日 (1994-11-03) 1994年11月3日(30歳)
出身地 神奈川県綾瀬市
身長 184cm
体重 76kg
引退 2023年11月
成績
世界選手権 4x100mR : 予選1組4着 (2015年)
地域大会決勝 アジア選手権
200m : 4位 (2015年)
国内大会決勝 日本選手権
200m : 6位 (2015年)
4x100mR : 4位 (2016年)
自己ベスト
100m 10秒37 (2015年)
200m 20秒45 (2014年)
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
世界リレー
2015 ナッソー 4x100mR
ユニバーシアード
2015 光州 4x100mR
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谷口 耕太郎(たにぐち こうたろう、1994年11月3日 - )は、神奈川県綾瀬市出身の陸上競技選手。専門は短距離走。100mで10秒37、200mで20秒45の自己ベストを持つ。2015年北京世界選手権男子4×100mリレー日本代表、2015年世界リレー男子4×100mの銅メダリストである。

経歴

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神奈川県綾瀬市出身[1]。綾瀬市立北の台中学校、神奈川県立弥栄高等学校中央大学卒業。凸版印刷在籍。

高校生時代まで

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かつてはエースで4番の野球少年だった[2]

陸上競技は中学2年時に陸上部の監督から誘われて始め、入部した当初は走幅跳に取り組んでいたが、途中から短距離に転向した[2]。中学3年時には全日本中学校選手権の200mで8位、ジュニアオリンピックの200mで6位入賞を果たしている。

2010年、立弥栄高校に進学。1年時の沖縄インターハイは4×400mリレー、2年時の北上インターハイは4×100mリレーで出場を果たすも、ともに準決勝で敗退した。3年時の新潟インターハイは200m決勝で21秒10(-0.5)の自己ベスト(当時)をマークして橋元晃志(20秒81)と大瀬戸一馬(21秒02)に次ぐ3位に入り、個人種目初出場ながら決勝に進出して表彰台に上った。日本ジュニア選手権の200mは3位と0秒04差の4位に入った。

大学生時代(2013年 - 2014年)

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2013年、中央大学に進学。5月に関東インカレの4×100リレー(2走)で優勝に貢献し、リレー種目ながらインカレ初タイトルを獲得した。6月に日本学生個人選手権の200mで2位(1位と0秒06差)に入り、全国タイトル獲得まであと一歩に迫ると、7月7日に神奈川選手権の200mでジュニア日本歴代7位タイ(当時)の記録となる20秒63(+1.8)をマークした。

2014年、1月に肺気胸の手術をした影響で調整が遅れたものの、5月3日に静岡国際の200mB決勝を日本学生歴代10位(当時)の記録となる20秒45(+0.6)で制した[3]。関東インカレでは4×100リレー(4走)と4×400リレー(3走)のリレー種目2冠を達成。9月にはコンチネンタルカップの4×100mリレーにアジア太平洋選抜(日本学生選抜)として出場し、主要国際大会を初めて経験した。日本インカレでは4×100mリレー(2走)で2連覇に貢献し、リレー種目ながら初の全国タイトルを獲得した。

大学生時代(2015年)

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  • 4月18日、世界リレー の日本代表選考会となった織田記念国際の200mで4位に入り、日本陸上競技連盟から世界リレー日本代表入りを打診をされたが、専門外である4×400mリレーのメンバーとしてだった。そのため、当初は世界リレーと同じ日に行われる静岡国際の200mで2015年北京世界選手権の参加標準記録を突破したいと思い代表入りを断ったが、その後4×100mリレーのメンバーとして日本代表入りの連絡を受けたため、アピールのチャンスだと思い出場することに決めた[4]
  • 5月、世界リレーの4×100mで日本代表と世界大会を初めて経験すると、日本チーム(大瀬戸一馬藤光謙司桐生祥秀、谷口)のアンカー英語版を務め、決勝では日本歴代パフォーマンス4位の記録となる38秒20で3位に入った。シニアの世界大会では2008年北京オリンピックの4×100mリレー(銅メダル獲得)以来、日本チーム7年ぶりのメダルとなる銅メダル獲得に貢献した。関東インカレは4×100mリレー(2走)で3連覇に貢献したが、200mは長田拓也に次ぐ2位でインカレ個人初タイトルを逃した。
  • 6月、アジア選手権の200mで国際大会の個人種目に初出場を果たしたが、3位と0秒03差の4位で惜しくもメダルは逃した。2度目の出場となった日本選手権は初めて決勝に進出して6位に入り、日本陸上競技連盟から2015年北京世界選手権の4×100mリレー日本代表に選出された[注 1]
  • 7月、ユニバーシアードで再び世界大会を経験。200mは7位に終わったが、4×100mリレーでは日本チーム(大瀬戸一馬、長田拓也、諏訪達郎、谷口)のアンカーを務め、この種目12年ぶりとなる金メダル獲得に貢献した。トワイライト・ゲームスの100mでは自身初の10秒3台となる10秒37(+1.3)をマークした。
  • 8月29日、北京世界選手権の4×100mリレー予選で日本チーム(大瀬戸一馬、藤光謙司、長田拓也、谷口)のアンカーを務めた。日本は谷口にバトンが渡る直前まで決勝に着順で進出できる3位争いをしていたが、3走の長田拓也とのバトンパスが上手くいかず5位に転落した。最後は追い上げてウクライナを抜き、ドイツにもあとわずかと迫ったものの0秒03差の4位に終わり、タイムでも拾われず決勝進出を逃した[注 2]
  • 9月、日本インカレは4×100mリレー(2走)で昨年に続く優勝に貢献。200mは準決勝を全体1位のタイムで通過したものの、決勝は長田拓也に次ぐ2位(0秒14差)に終わり、個人種目初の全国タイトル獲得はならなかった。
  • 12月16日、世界リレーの4×100m銅メダル獲得が評価され、他のリレーメンバーとともにアスレティック・アワード(日本陸上競技連盟の年間表彰)の優秀選手賞を受賞した[7]

社会人時代

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2017年4月、凸版印刷に入社[8]

2020年9月の練習中に左アキレス腱断裂の重傷を負った[9]

2023年11月3日、29歳の誕生日に現役引退を表明した[9]

人物・エピソード

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  • 大学の入学式では新入生を代表して入学の辞を[2]、地元の綾瀬市で行われた成人式では新成人を代表して抱負を述べた[10]。その後、世界リレーで初の日本代表と世界大会を経験したが、世界リレーの決勝よりも成人式のほうが緊張したという。
  • 座右の銘・好きな言葉は「自分全力」[11]

自己ベスト

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  • 記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。
種目 記録 年月日 場所 備考
100m 10秒37 (+1.3) 2015年7月26日 日本の旗 東京都
200m 20秒45 (+0.6) 2014年5月3日 日本の旗 袋井市

主な成績

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  • 備考欄の記録は当時のもの

国際大会

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2014 (大2) コンチネンタルカップ (en モロッコの旗 マラケシュ 4x100mR 4位 39秒50 (2走)
2015 (大3) 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x100mR 3位 38秒20 (4走)
アジア選手権 中華人民共和国の旗 武漢 200m 4位 20秒69 (+1.0)
ユニバーシアード (en 大韓民国の旗 光州 200m 7位 21秒17 (-2.5)
4x100mR 優勝 39秒08 (4走)
世界選手権 中華人民共和国の旗 北京 4x100mR 予選 38秒60 (4走)
2016 (大4) 日中韓3カ国交流陸上 大韓民国の旗 金泉 4x100mR 優勝 38秒77 (2走)
2017 (大4) ニトロアスレチックス オーストラリアの旗 メルボルン 4x100mR 2位 42秒36 (4走) 男女混合
2x300mR 5位 75秒29 (2走) 男女混合
4x100mR 4位 42秒54 (4走) 男女混合
2x300mR 4位 74秒08 (1走) 男女混合
150m 6位 16秒05 (-0.9)
4x100mR 4位 42秒38 (2走) 男女混合
2017 (社1) アジア選手権 (en インドの旗 ブバネーシュワル 200m 6位 21秒01 (0.0)

日本選手権

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2014 (大2) 第98回 福島市 200m 予選 20秒92 (+1.5)
2015 (大3) 第99回 新潟市 200m 6位 20秒89 (+0.8)
2016 (大4) 第100回 名古屋市 100m 準決勝 10秒60 (-1.4)
200m 7位 20秒81 (+1.8)
横浜市 4x100mR 4位 39秒31 (2走)
2017 (社1) 第101回 大阪市 200m 予選 20秒97 (+0.2)

その他

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  • 主要大会を記載
大会 場所 種目 結果 記録 備考
2009 (中3) 全日本中学校選手権 大分市 100m 予選 11秒34 (0.0)
200m 8位 22秒64 (0.0)
ジュニアオリンピック 横浜市 200m 6位 22秒64 (-0.2)
4x100mR 4位 43秒34 (4走)
2010 (高1) インターハイ 沖縄市 4x400mR 準決勝 3分27秒41 (1走)
2011 (高2) インターハイ 北上市 4x100mR 準決勝 41秒33 (4走)
日本ユース選手権 名古屋市 200m 準決勝 21秒81 (+1.6)
4x100mR 予選 42秒03 (2走)
2012 (高3) インターハイ 新潟市 200m 3位 21秒10 (-0.5) 自己ベスト
4x400mR 準決勝 3分13秒72 (4走)
国民体育大会 岐阜市 100m 準決勝 10秒73 (-1.6)
4x100mR 3位 39秒77 (2走)
日本ジュニア選手権 名古屋市 100m 予選 10秒84 (-1.6)
200m 4位 21秒49 (+0.2)
2013 (大1) 静岡国際 袋井市 200m 決勝 21秒04 (-0.5)
関東インカレ (1部) 東京都
横浜市
100m 準決勝 11秒04 (-4.2)
200m 4位 20秒87 (-0.5)
4x100mR 優勝 38秒75 (2走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 6位 10秒53 (+1.4)
200m 2位 20秒86 (+1.2)
トワイライト・ゲームス 東京都 4x100mR 優勝 39秒18 (2走) 大会記録
4x400mR 優勝 3分06秒81 (1走) 大会記録
日本ジュニア選手権 名古屋市 100m 準決勝 DNS
200m 準決勝 21秒59 (+0.7)
2014 (大2) 静岡国際 袋井市 200m B決勝 20秒45 (+0.6) 日本学生歴代10位
関東インカレ (1部) 東京都
横浜市
200m 4位 20秒96 (-0.6)
4x100mR 優勝 39秒12 (4走)
4x400mR 優勝 3分07秒02 (3走)
ナイトオブアスレチックス ヒュースデン=ゾルダー 200m 5位 20秒92 (-0.1)
トワイライト・ゲームス 東京都 100m 6位 10秒51 (-0.1)
4x100mR 2位 39秒48 (2走)
日本インカレ 熊谷市 200m 5位 21秒02 (-0.1)
4x100mR 優勝 39秒03 (2走)
4x400mR 5位 3分06秒25 (4走)
国民体育大会 諫早市 4x100mR 8位 40秒15 (2走)
2015 (大3) 織田記念 広島市 200m 4位 20秒93 (+1.5)
関東インカレ (1部) 横浜市 200m 2位 20秒90 (+0.8)
4x100mR 優勝 39秒04 (2走)
トワイライト・ゲームス 東京都 100m 3位 10秒37 (+1.3) 自己ベスト
4x100mR 優勝 38秒95 (2走) 大会記録
日本インカレ 大阪市 200m 2位 20秒71 (-0.6)
4x100mR 優勝 39秒15 (2走)
国民体育大会 和歌山市 100m 準決勝 10秒56 (+0.2)
4x100mR 4位 40秒11 (2走)
2016 (大4) 静岡国際 袋井市 200m 予選 21秒37 (-1.0)
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 200m 8位 21秒16 (-0.6)
関東インカレ (1部) 横浜市 200m 5位 21秒03 (+0.6)
4x100mR 2位 39秒35 (2走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 5位 10秒45 (-0.3)
日本インカレ 熊谷市 200m 7位 21秒30 (-0.1)
4x100mR 優勝 38秒92 (2走)
国民体育大会 北上市 4x100mR 6位 40秒64 (2走)
2017 (社1) 静岡国際 袋井市 200m 3位 20秒99 (+0.2)
東日本実業団選手権 秋田市 100m 予選 14秒61 (+0.2)
200m 3位 21秒39 (-2.1)
全日本実業団選手権 大阪市 100m 準決勝 10秒70 (+0.5)
200m 予選 21秒81 (-1.1)
2018 (社2) 静岡国際 袋井市 200m 予選 21秒66 (-0.4)
東日本実業団選手権 熊谷市 100m 準決勝 10秒72 (+2.1)
200m B決勝 21秒40 (+2.8)

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 日本陸上競技連盟としては男子4×100mリレーのメンバーを固定したいと考え、世界リレーのメンバーをそのまま世界選手権のメンバーにしたいと考えていた[5]。そのため、日本選手権の結果は上位ではなかったものの、200mで6位の谷口と100mで8位の大瀬戸は世界選手権のリレーメンバーに選出された。
  2. ^ 長田とのバトンの受け渡しのミスについては、スタートを切った谷口に長田が追いつけないと思い「待って」と声を掛けたのが原因だったが、これは谷口のスタートが早かったのではなく、谷口のダッシュが現地でいきなりよくなったからだという声が短距離スタッフやスタンドで見ていた選手から出ている[6]。谷口はバトンを受け取る際にスピードを緩めることになったにもかかわらず、100mで10秒38の自己ベストを持つウクライナのヴィタリー・コルシュ英語版を抜き、10秒19の自己ベストを持つドイツのアレイショ=プラティニ・メンガに追いつきそうな快走を見せた。

出典

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  1. ^ 競歩50キロ 谷井、こん身の「銅」 世界大会で日本初表彰台”. 東京新聞. 2015年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月7日閲覧。
  2. ^ a b c HAKUMON Chuo【2015年秋号】 【クローズアップ】THE SPRINTER 中大 谷口&諏訪両選手 突っ走る”. 読売新聞 (2015年). 2015年12月2日閲覧。
  3. ^ 「2014日本GPシリーズ第4戦 静岡国際」『月刊陸上競技』第48巻第7号、講談社、2014年6月号、59頁。 
  4. ^ 世界リレー「銅」の真実(上) 4継でメダルを勝ち取るために(2/6ページ)”. 産経ニュース (2015年8月23日). 2015年11月24日閲覧。
  5. ^ 「世界リレー」『月刊陸上競技』第49巻第7号、講談社、2015年6月号、8-9頁。 
  6. ^ 「北京世界選手権 種目別検証 男子4×100mR」『陸上競技マガジン』第65巻第16号、ベースボール・マガジン社、2015年10月号、87頁。 
  7. ^ 「日本陸連アスレティック・アワード2015」を開催! 各賞の受賞者を発表いたしました”. 日本陸上競技連盟 (2015年12月16日). 2015年12月17日閲覧。
  8. ^ 陸上競技部・全日本インカレ4連覇記念特別連載(谷口耕太郎)”. 中央大学・「中大スポーツ」新聞部 (2016年11月2日). 2016年9月16日閲覧。
  9. ^ a b 15年北京世界選手権リレー代表の谷口耕太郎が現役引退 アキレス腱断裂が響く ユニバ金などリレーで存在感”. 月刊陸上競技 (2023年11月4日). 2023年11月11日閲覧。
  10. ^ 平成27年1月14日発信”. 綾瀬市ホームページ (2015年1月14日). 2015年11月24日閲覧。
  11. ^ 第15回世界陸上競技選手権 選手からのメッセージ”. 日本陸上競技連盟 (2015年). 2015年11月24日閲覧。

外部リンク

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