西武園競輪場
西武園競輪場 | |
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西武園競輪場・正面出入口 西武園競輪場・外観 | |
基本情報 | |
所在地 | 埼玉県所沢市荒幡1215 |
座標 | 北緯35度46分11.4秒 東経139度26分48.7秒 / 北緯35.769833度 東経139.446861度座標: 北緯35度46分11.4秒 東経139度26分48.7秒 / 北緯35.769833度 東経139.446861度 |
電話投票 | 26# |
開設 | 1950年(昭和25年)5月22日 |
所有者 | 西武鉄道株式会社 |
民間委託 | 日本トーター [1] |
施行者 | 埼玉県 |
走路 | 400m |
重勝式投票 | Kドリームス |
マスコット | 「さい☆ボーグ」 |
公式サイト | 西武園けいりん |
実況 | |
担当 |
坂巻勇気 西山栄一 藤崎俊明など |
ナイター競走 | |
愛称 |
ブルーウイングナイトレース ミッドナイト競輪 |
開催期間 | 2017年1月8日から |
記念競輪 | |
名称 | ゴールド・ウイング賞 |
開催月 | 4月(次回は2025年8月) |
2024年6月25日 更新 |
西武園競輪場(せいぶえんけいりんじょう)は、埼玉県所沢市荒幡にある競輪場。施設の所有者は西武鉄道。主催は埼玉県(過去については後述)。競技実施はJKA東日本地区本部関東支部。電話投票での競輪場コードは26#。
概要
[編集]1950年5月22日に開設。開設当初は村山競輪場であったが、施設所有者である西武鉄道が競輪場周辺一帯の開発を進め、西武園遊園地などを建設・整備したことに伴い、1954年5月から西武園競輪場に名称を変更した[2]。
1960年9月13日には、第10レースA級(KPK導入前)決勝戦で発走直後に白鳥伸雄が後輪タイヤがパンクしたため競走を中止したことに端を発する一部の観客による暴動事件「西武園競輪騒擾事件」が起きている[3]。
西武ドームと同じように丘陵地に掘り下げて造成されたため、最寄駅である西武園駅から正面出入口にかけて上り坂となっているほか、正面出入口のフロアはスタンド上段の位置にある。正面出入口直下には600名が収容できる大型ホール「サイクルシアター」が設けられており、開催期間中はここで表彰式などが行われることがある[注 1]ほか、非開催日では一般向けにイベントスペースとして貸し出しも行っている[4]。
1992年6月から大規模な施設改修工事が開始され、1997年10月に完成[5]。客席がすべて屋根で覆われた。客席は一般席でも全席が個席となっている。ただ、現在は入場者数の減少等でグレードレースの開催時でも、3コーナーから4コーナーにかけての客席は閉鎖しており立ち入れなくなっている(特にビッグレースとなると応援用の選手横断幕が掲げられている)。
メインスタンドは全面ガラス張りで、下層は特別観覧席、上層はさらにグレードの高いロイヤルルームとなっている。バックスタンド側には貸し切り専用のクイーンルームがあったが、近年は使用されていない。
敢闘門が1コーナー下にあり、選手はメインスタンド下を通ってバンクに入場する。そのため発走地点付近の屋外に観客が立ち入れるスペースは設置されていない。
開設から特別競輪が多数開催されているが、全面改修以降は1998年に日本選手権競輪、2004年と2022年[注 2][6]と2023年にオールスター競輪、2008年に読売新聞社杯全日本選抜競輪が開催された。
記念競輪(GIII)は毎年4月下旬に「ゴールド・ウイング賞」が開催されるのが恒例となっている。なお2011年4月の記念競輪は、当初東日本大震災による計画停電の影響を考慮し中止が発表されたが、直後に計画停電の終了が決まったため、改めて被災者支援競輪「がんばろう日本(GIII)in 西武園」として開催された。また2012年は6月に、2019年と2025年[注 3]は8月に開催された。なお2020年は、COVID-19の流行と緊急事態宣言の対象地区に入っている関係で開催中止になった。
2010年8月9日より重勝式投票にあたるKドリームスの発売を開始した。ただし本場や競輪場外車券売場では購入できず、会員制のネット販売に限定される。
場内に照明設備が設置されたことにより、2017年1月8日の開催よりミッドナイト競輪が実施されている[7]。2018年10月31日よりナイター競輪も開催されている[8]。
実況は東京電設工業で、2011年度までは綿貫弘が担当していたが勇退し、2012年度からは綿貫が後継に指名した坂巻勇気が担当し、綿貫は不定期担当となっていた。2023年度からは坂巻に加えて、川崎競輪場で実況を担当している西山栄一や、松戸競輪場で実況を担当している藤崎俊明など同社所属のアナウンサーが交代で実況を担当している[注 4]。
バンク特徴
[編集]元々500mバンクで始まっており、施設改修工事に伴って1994年8月より400mへと改修され現在に至っている[9]。旧バンクを基にしてあるためカントが緩くなっている。このため1周400mの標準的なバンクだが、カントの緩さと直線の短さからか333mバンクのような性格を持つ。また、逃げ・先行タイプの選手が有利といわれている。
建物全体が高い位置から全周囲でバンクを包む一体型建築構造となっており、また走路の全周外側にポリカーボネート(透明板)が設置されているものの走路内側が数mほど大きく窪んでいるため風が内側に落ち込みやすい。
周辺
[編集]アクセス
[編集]- 西武鉄道西武園線西武園駅下車、徒歩1分。
- 駅(北口)から正面出入口までの通路には屋根が掛けられており、雨天時でも傘を差さずに競輪場に向かうことができる。
- 多摩湖線多摩湖駅下車、徒歩10分ほど。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)武蔵野線新秋津駅より無料送迎バスを運行(2020年度以降はCOVID-19対策で運転せず)。
- 2022年の第65回オールスター競輪以降、グレードレース開催時は所沢駅から臨時無料送迎バスが運行されている。
場外車券売場
[編集]歴代記念競輪優勝者
[編集]年 | 優勝者 | 登録地 |
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2002年 | 神山雄一郎 | 栃木 |
2003年 | 有坂直樹 | 秋田 |
2005年 | 武田豊樹 | 茨城 |
2006年 | 大塚健一郎 | 大分 |
2007年 | 手島慶介 | 群馬 |
2009年 | 平原康多 | 埼玉 |
2010年 | ||
2011年 | 長塚智広 | 茨城 |
2012年 | 武田豊樹 | |
2013年 | 萩原孝之 | 静岡 |
2014年 | 山崎芳仁 | 福島 |
2015年 | 武田豊樹 | 茨城 |
2016年 | 藤田竜矢 | 埼玉 |
2017年 | 松谷秀幸 | 神奈川 |
2018年 | 和田圭 | 宮城 |
2019年 | 平原康多 | 埼玉 |
2020年 | 開催中止[注 5] | |
2021年 | 野口裕史 | 千葉 |
2024年 | 眞杉匠 | 栃木 |
2025年 |
- ※1節4日間制開催となった、2002年4月以降の歴代記念競輪優勝者を列記。
マスコットキャラクター
[編集]- マスコットキャラクターは「さい☆ボーグ」。動物のサイがモデル。
エピソード
[編集]- 1950年6月、放火される事件が発生している(村山競輪事件)[12]。
- 埼玉県、所沢市、川越市、行田市、秩父市が主催していたが、市主催での赤字が拡大しているため、秩父市が2005年度をもって撤退した。その後、所沢市、行田市、川越市も撤退を表明。このため、埼玉県は大宮競輪場同様、2007年度より県単独の開催とし、当場のトータリゼータシステムを担当する日本トーターに運営を民間委託した(川越市は当初2007年度は撤退とせず開催中止としていたが、民間委託が決まったことを受けて正式に撤退を表明した)。
- 田中誠作の競輪漫画「ギャンブルレーサー」では、主人公である競輪選手関優勝(せき まさかつ)のホームバンクという設定であった。そのため記念競輪の2日目優秀競走を「ギャンブルレーサー関優勝牌(せき まさかつ はい)」として開催していた[注 6][注 7]。
- 西武園競輪場の敷地内南側に都県境があることから、当場をホームバンクとする選手は、埼玉支部所属と東京支部所属がいる。上記の「ギャンブルレーサー」でも、主人公の関優勝は東京都東大和市(所沢市に隣接)在住という設定であり、その弟子たちも含めて東京支部所属という設定であった。
- かつてプロ野球の埼玉西武ライオンズは、コーチとして所属していた大迫幸一の発案により、シーズンオフの新人合同自主トレーニングの一環として自転車タイムトライアルを2002年から2011年まで行ない、新人以外の選手も自己志願すれば参加できた。
テレビ中継
[編集]- 2010年5月まではスカパー!・SPEEDチャンネルで放送されていたが、同年6月より2014年3月まではEXエンタテイメント→寄席チャンネル(スカパー!プレミアムサービスCh.542/275)、同年4月から2015年3月まではEXライブ(スカパー!プレミアムサービスCh.541/288)、同年4月~2019年3月まではたちかわ・西武園競輪チャンネル(スカパー!プレミアムサービスCh.531)の枠を借りて無料放送していた。
- この期間のSPEEDチャンネルは、グレードレースとミッドナイト競輪のみ放送していた。なお、ミッドナイト競輪についてはたちかわ・西武園競輪チャンネルでの放送は無かった。
- なおたちかわ・西武園競輪チャンネルは2019年3月31日(日)をもって閉局となった。この関係で、同年4月からは再びSPEEDチャンネルで一部の開催を除いて中継するようになった。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 近年はCOVID-19の影響で使われていなかった事もあったが、2022年と2023年に開催されたオールスター競輪では、ここで開会式や、ドリームレースやオリオン賞レース1着選手、ガールズケイリンコレクション優勝者などの表彰式が行われた。
- ^ この年以降はナイター開催。また、COVID-19の影響で入場制限を行った上で開催されたほか、台風接近により5日目が中止順延となった。
- ^ ナイター開催。
- ^ 同年に行われたオールスター競輪では、三日目迄を西山・四日目以降を藤崎が担当した。
- ^ COVID-19の影響と緊急事態宣言の対象地区に入っているため
- ^ ただしかつては、田中誠自身の意向により読み方は「せきゆうしょうはい」とされていた。2015年度については「せきまさかつはい」が使用されている。
- ^ 関の引退後はギャンブルレーサー.comにて、ホームレスとなり、西武園競輪場施設に無許可で住み着いてるという設定になっている。
出典
[編集]- ^ 以前は日本ベンダーネットだった。
- ^ 西武園競輪のあゆみ 西武園競輪場
- ^ 『競輪三十年史』p439 - 442(日本自転車振興会)
- ^ サイクルシアター - 西武鉄道ウェブサイト
- ^ 施設案内 - 西武園競輪場 旧サイト
- ^ “地元・平原康多や脇本雄太らトップスターが集結!西武園G1オールスター8・9開幕/来社PR”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年8月1日) 2022年8月1日閲覧。
- ^ 西武園競輪におけるミッドナイト競輪の開催について - KEIRIN.JP - 2016年10月26日
- ^ 西武園競輪におけるナイター競輪の開催について - KEIRIN.JP - 2018年8月13日
- ^ バンクガイド 西武園競輪場
- ^ 競輪を楽しむ >> さい☆ボーグ紹介 西武園けいりん(2005年9月9日)
- ^ トップページ 西武園けいりん(2004年10月10日)
- ^ 「留置中の男 放火を自供す」『日本経済新聞』昭和25年7月1日4面
- ^ ずれやまズレ子と楽しむガールズケイリンツアー - 朝日新聞デジタル
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 西武園けいりん
- 大宮・西武園けいりん【公式】 (@KEIRIN_SAITAMA) - X(旧Twitter)
- 西武園競輪公式YouTubeチャンネル - YouTubeチャンネル