西塚泰美
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西塚 泰美 にしづか やすとみ | |
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生誕 |
1932年7月12日 兵庫県芦屋市 |
死没 |
2004年11月4日(72歳没) 兵庫県神戸市 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 医学 |
研究機関 |
京都大学 神戸大学 |
出身校 | 京都大学大学院医学研究科博士課程修了 |
博士課程 指導教員 | 早石修 |
博士課程 指導学生 | 本庶佑 |
他の指導学生 | 山中伸弥 |
主な業績 | ホルモンおよび神経伝達物質の受容機構に関する研究 |
主な受賞歴 |
日本学士院賞(1986年) 朝日賞(1986年) ガードナー国際賞(1988年) アルバート・ラスカー基礎医学研究賞(1989年) 京都賞基礎科学部門(1992年) ウルフ賞医学部門(1994年) |
プロジェクト:人物伝 |
西塚 泰美(にしづか やすとみ、1932年(昭和7年)7月12日 - 2004年(平成16年)11月4日)は、日本の医学者、生化学者。神戸大学名誉教授、同学長。医学博士(京都大学、1963年)。日本学士院会員。文化勲章受章者。
兵庫県芦屋市生まれ、愛知県名古屋市育ち。愛知県立瑞陵高等学校、京都大学医学部卒業。
アルバート・ラスカー医学研究賞や、ガードナー国際賞、ウルフ賞医学部門など世界的に権威ある医学賞を受賞している。
業績
[編集]牛の脳細胞から、タンパク質リン酸化酵素であるプロテインキナーゼCを取り出すことに成功し、その機能を解析した。これにより、新たな細胞内の情報伝達系が解明され、癌化機構をはじめとする様々な生命調節機構が明らかになった。この業績は、1991年に米国科学情報研究所 (ISI) 発表の論文引用頻度で7位に挙げられるほど高く評価され、その後の生命科学の進展に多大な影響を与えた。
略歴
[編集]学歴
[編集]- 1951年3月 - 愛知県立瑞陵高等学校卒業
- 1957年3月 - 京都大学医学部卒業
- 1963年3月 - 京都大学大学院医学研究科博士課程修了
職歴
[編集]- 1962年4月 - 京都大学医学部助手
- 1964年
- 1968年1月 - 神戸大学医学部教授
- 1980年11月 -生物科学総合研究機構基礎生物学研究所教授併任(1981年4月まで)
- 1981年4月 - 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所教授併任(1985年3月まで)
- 1984年11月 -ハーバード大学医学部客員教授
- 1989年4月 - 神戸大学理学部教授併任(1992年3月まで)
- 1990年6月 - スタンフォード大学客員教授
- 1991年8月 - バレンシア細胞研究所(スペイン)客員研究員
- 1992年
- 1994年4月 - 京都大学ウイルス研究所教授併任(1995年2月まで)
- 1995年2月 - 神戸大学学長(2001年2月まで、医療技術短期大学部学長兼務(1998年3月まで))
- 2001年
- 2月 - 神戸大学名誉教授
- 4月 - 兵庫県成人病センター総長
受賞歴
[編集]- 1975年 - 松永賞(「ホルモンによる代謝の調節機構に関する研究」)
- 1982年度 - 武田医学賞(「ホルモン及び神経伝達物質の受容機構に関する研究」)[1]
- 1986年
- 1988年
- スローン賞(米国)
- アルフレッド賞
- ガードナー国際賞
- 1989年 - アルバート・ラスカー基礎医学研究賞
- 1992年
- 1994年
- ウルフ賞医学部門
- デールメダル(英国内分泌学会)
- 1995年
- ディアズ賞(スペイン)
- エルンスト・シエーリング賞
- 1996年 - バナジーメダル(インド・カルカッタ大学学術賞)
- 2003年 - 2004年 - トムソン・ロイター引用栄誉賞
栄誉
[編集]論文・講演要旨・寄稿文
[編集]- 西塚泰美「Enzymic formation of lactobionic acid from lactose」京都大学 博士論文、[報告番号不明]、1963年、NAID 500000460484
- 早石修, 西塚泰美「14.DPN生合成におけるトリプトファンとナヤシンの意義(第144回会議研究発表要旨)」『ビタミン』第28巻第2号、日本ビタミン学会、1963年、200-201頁、doi:10.20632/vso.28.2_200_2、ISSN 0006-386X、NAID 110002863970。
- 西塚泰美「GTPとポリペプチド形成反応」『蛋白質核酸酵素』第11巻第10号、共立出版、1966年9月、807-817頁、ISSN 00399450、NAID 40018022912。
- 西塚泰美、上田国寛、中沢欽哉、REEDER R. H., 本庶佑、早石修「POLY ADENOSINE DIPHOSPHATE RIBOSE SYNTHESIS AND NICOTINAMIDE ADENINE DINUCLEOTIDE TRANSGLYCOSIDASES」『THE JOURNAL OF VITAMINOLOGY』第14巻、日本ビタミン学会、1968年、143-152頁、doi:10.5925/jnsv1954.14.Supplement_143、ISSN 0022-5398、NAID 130001749169。
- 西塚泰美「トリプトファンからNADおよびセロトニンの生合成に関する研究 (アミノ酸代謝異常(特集))」『小児科診療』第31巻第8号、診断と治療社、1968年8月、1103-1113頁、ISSN 03869806、NAID 40017893373。
- 西塚泰美「代謝調節機構とガン細胞にみられるその異常 (ガン 分子生物学の立場から(特集))」『蛋白質核酸酵素』第15巻第5号、共立出版、1970年4月、370-388頁、ISSN 00399450、NAID 40018023790。
- 西塚泰美「むすびcycicAMPの諸問題 (CyclicAMPその後)」『代謝』第9巻第8号、中山書店、1972年8月、821-826頁、ISSN 03721566、NAID 40018017559。
- 西塚泰美「ホルモンの作用と環状ヌクレオチド」『日本内分泌学会雑誌』第52巻第11号、日本内分泌学会、1976年、1126-1140頁、doi:10.1507/endocrine1927.52.11_1126、ISSN 0029-0661、NAID 130001938547。
- 西塚泰美「ホルモンへの応答とその異常 (ホルモン不応症<特集>)」『代謝』第14巻第7号、中山書店、1977年7月、p1149-1152、ISSN 03721566、NAID 40002286088。
- 西塚泰美「2.チロシンアミノ転移酵素の誘導現象と環状ヌクレオチド(ビタミンB研究委員会 : 第242回会議研究発表要旨)」『ビタミン』第52巻第3号、日本ビタミン学会、1978年、150-151頁、doi:10.20632/vso.52.3_150、ISSN 0006-386X、NAID 110002844695。
- 箸本英吉, 山村博平, 西塚泰美「生体における受容機構とその伝達」『生物物理化学』第23巻第1号、日本電気泳動学会、1979年、9-13頁、doi:10.2198/sbk.23.9、ISSN 0031-9082、NAID 130003606537。
- 西塚泰美「糖代謝とホルモン」『大阪医科大学雑誌』第38巻第1号、大阪医科大学医学会、1979年6月、1-10頁、ISSN 00306118、NAID 40000289064。
- 西塚泰美「血小板活性化反応とイノシトール-リン脂質 : 第283回会議研究発表要旨」『ビタミン』第59巻第2号、日本ビタミン学会、1985年、76-77頁、doi:10.20632/vso.59.2_76、ISSN 0006-386X、NAID 110002846923。
- 井村裕夫, 岸本忠三, 西塚泰美「レセプタ-と疾患」『代謝』第23巻、中山書店、1986年4月、p1-362,巻頭2p,巻頭図4p、ISSN 03721566、NAID 40002288138。
- 「西塚泰美教授日本学士院賞を受賞」『神戸大学医学部神緑会学術誌』第2号、神緑会、1986年6月、70-72頁、doi:10.24546/81007021、ISSN 0914-9120、NAID 110007043973。
- 西塚泰美「細胞情報の受容と伝達のしくみ」『化学』第41巻第7号、化学同人、1986年7月、p416-422、ISSN 04511964、NAID 40000390350。
- 西塚泰美「プロテインキナ-ゼCの研究と展望」『科学』第57巻第3号、岩波書店、1987年3月、p132-140、ISSN 00227625、NAID 40000394825。
- 西塚泰美「癌の成り立ち (新春学術講演)」『神戸大学医学部神緑会学術誌』第12号、神緑会、1996年8月、52-53頁、doi:10.24546/81007461、ISSN 0914-9120、NAID 110006661133。
- 西塚泰美「脂質の科学--過去から未来への伝承」『蛋白質核酸酵素』第44巻第8号、共立出版、1999年6月、943-946頁、ISSN 00399450、NAID 40002333174。
- 西塚泰美「細胞内シグナル伝達の仕組み : その研究と展望」『日本ハンセン病学会雑誌』第72巻第2号、2003年6月、84-85頁、ISSN 13423681、NAID 10011052749。
- 宇井理生「西塚泰美先生を偲んで」『ファルマシア』第41巻第3号、日本薬学会、2005年、259頁、doi:10.14894/faruawpsj.41.3_259_2、ISSN 0014-8601、NAID 110009894433。
出典
[編集]- ^ “武田医学賞受賞者”. 武田科学振興財団. 2009年10月18日閲覧。
- ^ “朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年9月1日閲覧。
- ^ “年度別 受賞者一覧”. 京都賞. 2022年9月1日閲覧。
- ^ "Nishizuka; Yasutomi (1932 - 2004)". Record (英語). The Royal Society. 2012年3月27日閲覧。
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