曾我佳城シリーズ
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(花火と銃声から転送)
『曾我佳城シリーズ』(そがかじょうシリーズ)は、泡坂妻夫による推理小説のシリーズ。
概要
[編集]若くして引退した美貌の女流奇術師・曾我佳城[1]が探偵役となり、事件を解決していく。
小説家でありながら、マジシャンという顔も持つ作者だからこそ成しえたシリーズである。シリーズ全22作は、1980年から20年にわたって執筆され、2000年に完結した。
2000年に出版された『奇術探偵 曾我佳城全集』は『このミステリーがすごい!2001年版』国内部門第1位、2001年版「本格ミステリベスト10」第1位を獲得した。
単行本『奇術探偵 曾我佳城全集』は既刊分と新作をあわせた一冊本で刊行されたが、講談社文庫版は配列を変えて2冊に再編集されたため、『天井のとらんぷ』『花火と銃声』に続く作品を重複なしで入手することはできない。2020年発売の創元推理文庫版(全2冊)は講談社文庫版を底本にしているが、発表順に戻されている。
作品一覧
[編集]- 数字は、その短編集の収録順番。
題名 | 初出誌 | 天井のとらんぷ | 花火と銃声 | 奇術探偵 曾我佳城全集 |
奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻 |
奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻 |
奇術探偵 曾我佳城全集 上 |
奇術探偵 曾我佳城全集 下 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
収録話数 | 8 | 7 | 22 | 11 | 11 | 11 | 11 | ||
出版社 | 講談社 | 東京創元社 | |||||||
天井のとらんぷ | 小説現代 1980年5月号 |
1 | - | 1 | - | 2 | 1 | - | |
シンブルの味 | 小説現代 1980年8月号 |
2 | - | 2 | - | 6 | 2 | - | |
空中朝顔 | 小説現代 1980年11月号 |
3 | - | 3 | 1 | - | 3 | - | |
白いハンカチーフ[2] | 小説現代 1981年4月号 |
4 | - | 4 | - | 4 | 4 | - | |
バースデイロープ | 小説現代 1981年11月号 |
5 | - | 5 | 4 | - | 5 | - | |
ビルチューブ | 小説現代 1982年3月号 |
6 | - | 6 | 7 | - | 6 | - | |
消える銃弾 | 小説現代 1982年11月号 |
7 | - | 7 | 3 | - | 7 | - | |
カップと玉[3] | 小説現代 1983年4月号 |
8 | - | 8 | 6 | - | 8 | - | |
石になった人形 | 小説現代 1983年8月号 |
- | 1 | 9 | - | 3 | 9 | - | |
七羽の銀鳩 | 小説現代 1984年5月号 |
- | 2 | 10 | 8 | - | 10 | - | |
剣の舞 | 小説現代 1984年12月号 |
- | 3 | 11 | 9 | - | 11 | - | |
虚像実像 | 小説現代 1985年7月号 |
- | 4 | 12 | 10 | - | - | 1 | |
花火と銃声 | 小説現代 1986年1月号 |
- | 5 | 13 | 2 | - | - | 2 | |
ジグザグ | 小説現代 1986年12月号 |
- | 6 | 14 | 5 | - | - | 3 | |
だるまさんがころした | 小説現代 1988年7月号 |
- | 7 | 15 | - | 8 | - | 4 | |
ミダス王の奇跡 | 小説現代 1990年11月号 |
- | - | 16 | - | 1 | - | 5 | |
浮気な鍵 | 小説現代 1991年7月号 |
- | - | 17 | - | 5 | - | 6 | |
真珠夫人 | 小説現代 1992年6月号 |
- | - | 18 | 11 | - | - | 7 | |
とらんぷの歌 | 小説現代 1993年3月号 |
- | - | 19 | - | 7 | - | 8 | |
百魔術 | メフィスト 2000年1月号増刊 |
- | - | 20 | - | 9 | - | 9 | |
おしゃべり鏡 | - | - | 21 | - | 10 | - | 10 | ||
魔術城落成 | - | - | 22 | - | 11 | - | 11 |
書籍
出版年 | タイトル | 出版社 | 文庫名等 | 巻末 | ページ数 | ISBNコード | カバーデザイン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1983年 6月5日 |
天井のとらんぷ 曾我佳城の名推理 |
講談社 | 講談社ノベルス(新書判) アE-01 |
214 | ISBN 4061810685 | 山田維史 | ||
1986年 8月8日 |
天井のとらんぷ | 講談社 | 講談社文庫 | 解説:山本秀樹 | 318 | ISBN 978-4-06-183807-9 | 装丁:菊地信義、 装画:高井研一郎 |
[4] |
1988年 6月1日 |
花火と銃声 トリックの名人が放つ読者への罠 |
講談社 | 講談社ノベルス(新書判) | 258 | ISBN 978-4-06-181364-9 | 装丁:熊谷博人、 装画:大西洋介 |
||
1992年 8月11日 |
花火と銃声 | 講談社 | 講談社文庫 | 解説:繩田一男 | 312 | ISBN 978-4-06-185114-6 | 装丁:岸顯樹郎、 装画:高井研一郎 |
|
2000年 6月30日 |
奇術探偵 曾我佳城全集 | 講談社 | 単行本(四六判) | 560 | ISBN 978-4-06-210189-9 | 前2集の収録作品と未刊行作品との合本 | ||
2003年 6月13日 |
奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻 |
講談社 | 講談社文庫 あ22-7 |
解説ートリック坂をいつまでも:松田道弘 | 512 | ISBN 978-4-06-273760-9 | 紋章匠:泡坂妻夫、 カバーデザイン:祖父江慎+阿部聡(cozfish) |
|
2003年 6月13日 |
奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻 |
講談社 | 講談社文庫 あ22-8 |
あとがき:泡坂妻夫、 解説:長谷部史親 |
544 | ISBN 978-4-06-273761-6 | 紋章匠:泡坂妻夫、 カバーデザイン:祖父江慎+阿部聡(cozfish) |
|
2020年 1月22日 |
奇術探偵 曾我佳城全集 上 |
東京創元社 | 創元推理文庫 M-あ-1-14 |
464 | ISBN 978-4-488-40224-2 | 装画:早川洋貴、 装幀:柳川貴代 |
||
2020年 1月22日 |
奇術探偵 曾我佳城全集 下 |
東京創元社 | 創元推理文庫 M-あ-1-15 |
あとがき:泡坂妻夫、 解説:米澤穂信 |
506 | ISBN 978-4-488-40225-9 | 装画:早川洋貴、 装幀:柳川貴代 |
登場人物
[編集]曾我 佳城(そが かじょう)
若くして引退した美貌の女流奇術師。
竹梨 警部(たけなし けいぶ)
警視庁捜査一課の刑事。
串目 匡一(くしめ きょういち)
奇術師志望の少年。
社家 宏(しゃけ ひろし)
奇術材料店「機巧堂」の経営者。
時田 道定(ときた みちさだ)
世話好きな奇術関係者。
艮 三郎(うしとら さぶろう)
新進気鋭の奇術師。鳩使いの名手。
ジャグ 小沼田(じゃぐ こぬまた)
奇術師。艮三郎の弟子。
脚注
[編集]- ^ エッセイ集『ミステリーでも奇術でも』に、エッセイ「曾我佳城の誕生」が収録されている。
- ^ 初出時の表題は「藤形少女歌劇団附属音楽学校寮集団中毒事件の真相!?」
- ^ 初出時の表題は「曾我佳城の大暗号」
- ^ エッセイ集『ミステリーでも奇術でも』に、『天井のとらんぷ』文庫化に関するエッセイ「名探偵は女奇術師」が収録されている。