美しき季節の終焉
『美しき季節の終焉』 | ||||
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マリリオン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | オックスフォードシャー アウトサイド・スタジオ[1] | |||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | EMI | |||
プロデュース | ニック・デイヴィス、マリリオン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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マリリオン アルバム 年表 | ||||
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『美しき季節の終焉』(うつくしきときのしゅうえん[注釈 1]、原題:Seasons End)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、マリリオンが1989年に発表した5作目のスタジオ・アルバム。2代目ボーカリストのスティーヴ・ホガースが初参加した。
背景
[編集]オリジナル・ボーカリストのフィッシュ脱退後、バンドは後任ボーカリストのオーディションを行い、スティーヴ・ロザリーは後年「フィッシュの物真似のボーカリストは要らなかった」「彼はカリスマ性のあるフロントマンで、なおかつ優れた作詞家であり、彼の代役を務めるのは難しいことだとわかっていた」と語っている[9]。なお、本作のリリースと近い時期に、フィッシュのソロ・デビュー・シングル「ステイト・オブ・マインド」も発売されたが、ピート・トレワヴァスは当時の状況に関して「雑誌はスティーヴ(・ホガース)のことを良く書いてくれた覚えがある」と振り返っている[9]。収録曲「イースター」は、1984年の北アイルランド問題およびウィリアム・バトラー・イェイツの詩「Easter, 1916」にインスパイアされた曲で、終盤の変拍子のパートを除けば、実質的にホガースが単独で作った[10]。
バンドはボーカリストと並行して作詞家も募集し、本作よりジョン・ヘルマーが作詞面で協力するようになった[11]。アルバム『旅路の果て』(1987年)でレコーディング・エンジニアを務めたニック・デイヴィスが、本作では共同プロデューサーに起用された[11]。
反響・評価
[編集]全英アルバムチャートでは4週トップ100入りして最高7位を記録し、ライブ・アルバムも含めれば、バンドにとって6作目の全英トップ10アルバムとなった[3]。本作からの先行シングル「フックス・イン・ユー」は全英シングルチャートで30位に達し、その後シングル・カットされた「招かれざるゲスト」は全英53位、「イースター」は全英34位を記録した[3]。
Jeri Montesanoはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「バンドの未来に関する疑念をすべて取っ払った」「ホガースの幅広く美しい表現力が、アルバム全編において光っている」と評している[2]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「やや現実的になった歌詞も含めて、以前よりも多彩でポップに変身した」と評されている[12]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はメンバー5人の共作。下記トラック・リストはCDに準拠しており、LPには「アフター・ミー」を除く8曲が収録された。
- サンセット・タウンの王 - "The King of Sunset Town" (Steve Hogarth, Steve Rothery, Mark Kelly, Pete Trewavas, Ian Mosley, John Helmer) - 8:04
- イースター - "Easter" - 5:58
- 招かれざるゲスト - "The Uninvited Guest" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 3:52
- 美しき季節の終焉 - "Seasons End" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 8:10
- ハロウェイ・ガール - "Holloway Girl" - 4:30
- ベルリン - "Berlin" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 7:48
- アフター・ミー - "After Me" - 3:20
- フックス・イン・ユー - "Hooks in You" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 2:57
- ザ・スペース - "The Space..." - 6:14
1997年リマスターCD (7243 8 57713 2 3)ボーナス・ディスク
[編集]- "The Uninvited Guest (12" Version)" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 5:05
- "The Bell in the Sea" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 4:21
- "The Release" - 3:45
下記6曲は1989年3月録音の「ザ・マッシュルーム・デモズ」より。
- "The King of Sunset Town " (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 5:34
- "Holloway Girl" - 4:48
- "Seasons End" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 8:02
- "The Uninvited Guest" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 3:56
- "Berlin" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 8:03
- "The Bell in the Sea" (S. Hogarth, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, I. Mosley, J. Helmer) - 4:52
参加ミュージシャン
[編集]- スティーヴ・ホガース - ボーカル、バッキング・ボーカル
- スティーヴ・ロザリー - ギター
- マーク・ケリー - キーボード
- ピート・トレワヴァス - ベース、バッキング・ボーカル
- イアン・モズレイ - ドラムス、パーカッション
アディショナル・ミュージシャン
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 日本盤CD (TOCP-5929)の帯に付されたルビに準拠。
出典
[編集]- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Montesano, Jeri. “Marillion - Season's End Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2024年2月11日閲覧。
- ^ a b c MARILLION songs and albums | full Official Chart history
- ^ Marillion - Seasons End - hitparade.ch
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ Marillion - Seasons End - dutchcharts.nl
- ^ norwegiancharts.com - Marillion - Seasons End
- ^ swedishcharts.com - Marillion - Seasons End
- ^ a b Ewing, Jerry (2020年5月27日). “Marillion's Season's End: the inside story”. loudersound.com. Future plc. 2024年2月11日閲覧。
- ^ “Easter by Marillion”. Songfacts. 2024年2月11日閲覧。
- ^ a b Lawson, Dom (2023年8月22日). “"I didn’t have much knowledge of Marillion. A singer who painted his face like Peter Gabriel? It all seemed a little bit derivative…" How Marillion reinvented themselves with Steve Hogarth and Seasons End”. loudersound.com. Future plc. 2024年2月11日閲覧。
- ^ “マリリオン/美しき季節の終焉 (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2024年2月11日閲覧。