福満しげゆき
福満しげゆき | |
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本名 | 福満茂之[1] |
生誕 |
1976年5月11日(48歳)[要出典] 日本・東京都田無市[要出典] |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 1997年 - |
ジャンル |
青年漫画 エッセイ漫画 4コマ漫画 成年漫画 ガロ系 |
代表作 |
『僕の小規模な失敗』 『僕の小規模な生活』 『うちの妻ってどうでしょう?』 『生活』 |
受賞 | 文化庁メディア芸術祭マンガ部門 |
公式サイト | 福満しげゆきホームページ |
福満 しげゆき(ふくみつ しげゆき)は、日本の漫画家。大学夜間部中退[2](大学名は不明[注 1])。
人物・経歴
[編集]工業高校中退後、定時制高校に入学、同校卒業。指定校推薦で大学夜間部に入学するも中退。
高校時代より漫画を描き始め、『週刊少年ジャンプ』へ投稿するも、何の音沙汰も無く、漫画家になる自信を無くしてしまう。しかし、蛭子能収の漫画を読み、感銘を受けて『月刊漫画ガロ』の読者投稿コーナー「4コマガロ」(白取千夏雄が担当)の常連投稿家となる[3]。その後、『ガロ』に持ち込みを行い、副編集長の白取千夏雄に見出され[4]、1997年2月号掲載の「娘味」(福満茂之名義)が入選作となり、プロデビュー。引き続き『ガロ』に持ち込みを続けたが、青林堂の内紛で同誌が休刊に入ってしまう。新たな投稿先を模索する中、1998年に『週刊ヤングマガジン』に投稿したことをきっかけに、時折『ヤングマガジン増刊青BUTA』などのメジャー誌に掲載される。しかし漫画家を続けていく自信を失ってしまい、一時期、漫画と距離を置く。
その後、再び漫画家としての活動を再開するも、主な執筆活動の場は青林工藝舎の『アックス』や幻堂出版の『何の雑誌』、エロ本などのマイナー誌を中心とした時代がしばらく続く。漫画作品以外でもガイナックスのWEB企画「SF百景」でイラストが掲載されたことがある[5]。この頃に数年間同棲を続けてきた「妻」と結婚。2002年に『アックス』で初連載となった福満自身の半自伝作品でもある「僕の小規模な失敗」が話題となり、徐々にファンを獲得し始める。2003年には初の単行本となる「まだ旅立ってもいないのに」が青林工藝舎より刊行される。
単行本が刊行されてからも、更なる活動の場を獲得するべく『月刊IKKI』の新人賞「イキマン」に投稿し、2005年1月号に受賞作「新世紀僕はどうなる」で掲載を果たす。2005年9月に「僕の小規模な失敗」の単行本が刊行されると、メジャー誌の『モーニング』の編集者に見出され、2006年秋からは「僕の小規模な失敗」の続編でもある「僕の小規模な生活」が同誌で不定期掲載を開始。ここを境に、メジャー誌からも仕事の依頼が頻繁に来るようになり、主な執筆の場はマイナー誌からメジャー誌へと移行する。2007年春には『漫画アクション』において、自身の妻を題材にした“自称”4コマ漫画「うちの妻ってどうでしょう?」の連載を開始。同年7月にはそれまで不定期掲載だった「僕の小規模な生活」が、『モーニング』誌上で週刊連載となる。2009年初春、『週刊少年マガジン』で読み切り作品「東村山あたりの夕日」が掲載され、少年誌にも進出した。2009年5月より、「生活」がWeb配信の形で連載再開されている。2009年8月に一児の父になったことを作品内で発表。2010年、「うちの妻ってどうでしょう?」で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞[6]。
作中では、ホームページを開設する、ネット将棋を楽しむ、BBS上の自著への批判投稿に目を通すなど、福満自身がインターネットを活用する描写が多く見られる。BBS上の自著に対する否定的な意見には、「闇金ウシジマくん」の登場人物・板橋のような破綻した人間の仕業だと思い込むことで、落ち込まないという対処をしているという。
作風
[編集]- 作中でも明言している通り遅筆であり、そのせいで連載が休載になることも多い。
- 『モーニング』の『僕の小規模な生活』は名目上「長期休載」となっているが、福満本人によると「(続きを)『描きたい』ということを(講談社に)伝えたが、反応が無かった」という旨の発言をしている[7]。『うちの妻ってどうでしょう?』上では「『僕の小規模な生活』につきましては完全に終了いたしました、打ち切り?的な?」と発言している[8]。
- 漫画家で同い年のモリタイシと交流があり、『うちの妻ってどうでしょう?』『僕の小規模な生活』に度々登場している[9]。
- デビュー当初から「枠線以外は定規を使用しない作画」「スター・システム」「登場人物には名前を与えない無名の群集劇」などの特徴がある。
作品リスト
[編集]単行本
[編集]コミックス
[編集]- 『まだ旅立ってもいないのに』(青林工藝舎 2003年) ISBN 4-88379-136-X
- 『カワイコちゃんを2度見る』[注 2](青林工藝舎 2003年) ISBN 4-88379-146-7
- 『僕の小規模な失敗』(青林工藝舎 2005年) ISBN 4-88379-195-5
- 『10年たって彼らはまた何故ここにいるのか…―why』(幻堂出版 2006年) ISBN 4-944236-26-3
- 『やっぱり心の旅だよ』(青林工藝舎 2007年) ISBN 978-4-88379-234-4
- 『僕の小規模な生活』(講談社)、既刊6巻
- 『生活』、全1巻
- 『うちの妻ってどうでしょう?』(双葉社)、全7巻
- 『福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ』(エンターブレイン 2012年12月) ISBN 978-4-04-728615-3
- 『就職難!! ゾンビ取りガール』(講談社)、既刊2巻
- 『遠回りまみれの青春のタイプの人』(青林工藝舎 2013年8月)エッセイ ISBN 978-4-88379-388-4
- 『中2の男子と第6感』(講談社)、全4巻
- 『娘味 福満しげゆき初期作品集』[注 3](青林工藝舎 2015年11月) ISBN 978-4-88379-417-1
- 『妻に恋する66の方法』(講談社)、全6巻
- 『終わった漫画家』(講談社)、全3巻
- 2017年12月6日発売、ISBN 978-4-06-510527-6
- 2018年8月6日発売、ISBN 978-4-06-512343-0
- 2019年3月6日発売、ISBN 978-4-06-514745-0
- 『妻と僕の小規模な育児』(講談社)、既刊11巻
- 2020年3月11日発売[10]、ISBN 978-4-06-518214-7
- 2020年7月8日発売[11]、ISBN 978-4-06-520196-1
- 2020年12月9日発売[12]、ISBN 978-4-06-521701-6
- 2021年5月12日発売[13]、ISBN 978-4-06-523316-0
- 2021年10月20日発売[14]、ISBN 978-4-06-525096-9
- 2022年3月18日発売[15]、ISBN 978-4-06-527055-4
- 2022年9月20日発売[16]、ISBN 978-4-06-529065-1
- 2023年3月20日発売[17]、ISBN 978-4-06-531064-9
- 2023年10月19日発売[18]、ISBN 978-4-06-533396-9
- 2024年4月18日発売[19]、ISBN 978-4-06-535272-4
- 2024年10月18日発売[20]、ISBN 978-4-06-537272-2
- 『ひとくい家族』(双葉社 2021年6月)、既刊1巻、ISBN 978-4-57-585607-1
- 『妻観察日記』(小学館)、全4巻
- 2021年6月30日発売、ISBN 978-4-09-861059-4
- 2022年4月28日発売、ISBN 978-4-09-861296-3
- 2023年3月20日発売、ISBN 978-4-09-861675-6
- 2023年12月27日発売、ISBN 978-4-09-862650-2
書籍
[編集]- グラグラな社会とグラグラな僕のまんが道(フィルムアート社 2010年5月) ISBN 978-4-8459-1048-9
- 僕の小規模な経済学(朝日新聞出版 2013年2月)ISBN 978-4-02-331163-3
- 僕の小規模なコラム集(イースト・プレス 2013年6月)ISBN 978-4-7816-1002-3
漫画
[編集]連載作品
[編集]連載中
- 妻と僕の小規模な育児[注 4](『コミックDAYS』、2019年3月 - )
- 答えのない問い(ウェブ『UOMO』、2023年7月24日 - )[22]
- 僕の最後の失敗(『月刊ビッグガンガン』2024年Vol.12[23] - )
連載終了
- 僕の小規模な失敗(『アックス』、2002年 - 2005年)
- 生活(『アックス』→『モーニングWEB』、2005年 - 2010年)
- 僕の小規模な生活(『モーニング』、2006年 - 2012年9月)
- うちの妻ってどうでしょう?(『漫画アクション』、2007年 - 2015年)
- 福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ(『ファミ通』、2008年 - )
- 就職難!! ゾンビ取りガール(『モーニング』→『週刊Dモーニング』、2012年9月 - 2014年6月)
- 中2の男子と第6感(『週刊ヤングマガジン』、2014年 - 2016年)
- 妻に恋する66の方法(『イブニング』、2016年7号 - 2019年23号)
- 終わった漫画家(『週刊ヤングマガジン』、2017年13号 - 2019年9号)
- ひとくい家族(『webアクション』、2020年4月 - 2021年4月)
- 洋楽は知らない!!かと言って邦楽もテレビで流れてるていどのものしか知らない!そんな僕のバンド講座(snoozer)
- あの頃キミは半勃ちだった(『Hot SPA!』)
- 福満しげゆきのANIZO(『ジャンプスクエア』)
- ゲームラボ(カットイラストを毎号掲載)
- 妻観察日記(『ビッグコミックスペリオール』、2020年17号 - 2024年1号)
読み切り作品
[編集]- 東村山あたりの夕日
- 日本のアルバイト(『モーニング』)
- 秘密基地くん(『ビッグコミックスペリオール』)
- 『ビッグコミックスペリオール』(小学館)2011年12号に競作シリーズ「hi mi tsu ki chi 2nd season」のゲストとして掲載。アンソロジー単行本「短篇集 hi mi tsu ki chi」に収録。
エッセイ
[編集]- 僕のはきだめ劇場(実話BUNKAタブー、文章エッセイ)
- 小規模な感想文(SPA!、不定期、文章エッセイ)
その他
[編集]- 北尾トロ『危ないお仕事!』新潮文庫、マンガ
- 前田司郎『グレート生活アドベンチャー』新潮文庫版表紙イラスト、解説
- 矢部嵩『紗央里ちゃんの家』角川ホラー文庫、表紙イラスト
- オードリー『オードリーの悪いようにはしませんよ。』ぴあ、表紙イラスト
出演
[編集]- 橋口幸生による配信イベント「言葉最前線」第4回(2021年9月28日[24]) - ゲスト出演[24]
- マンガのラジオ(2021年10月3日[25] - 10月24日、ニッポン放送のPodcast、全4回[25]) - ゲスト出演[25]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『漫画アクション』2010年3月16日号(3月2日発売)「うちの妻ってどうでしょう?」第77回より。Wikipedia上では彼の経歴として長らく「明治学院大学夜間部中退」と記載されていたが、作中で否定した。
- ^ 本書に収録された「景色のキレイなトコに行こう」は、 2008年にテレビ東京にて放送された深夜ドラマ『週刊真木よう子』第6話にて映像化された。福満にとっては初の映像化作品である。
- ^ 「娘味」は福満茂之名義で『ガロ』1997年2月号に掲載されたデビュー作。ほか初期作品「10年たって彼らはまた何故ここにいるのか…」も収録。2013年には『フリーキッチン』のタイトルで「娘味」が映画化された(劇場公開は2015年11月)
- ^ 『診断の多い育児マンガ』より改題[21]。
出典
[編集]- ^ 僕の小規模な生活第五巻86ページ
- ^ 『僕の小規模なコラム集』カバー著者紹介
- ^ 4コマガロ・「長井イズム」のこと - 白取特急検車場 2007年3月29日付
- ^ グラグラな社会とグラグラな僕のまんが道 34-35頁
- ^ ガイナックスの新企画「SF百景」、第1回は今日マチ子
- ^ “平成22年度[第14回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品”. 文化庁. 2013年7月20日閲覧。
- ^ 荻上チキ・Session-22 2014年6月30日放送
- ^ 「うちの妻ってどうでしょう?」7巻 174話
- ^ 「うちの妻ってどうでしょう?」ドラマCDのインタビュー
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(1)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(2)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(3)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(4)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(5)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(6)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(7)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(8)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(9)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年10月19日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(10)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2024年4月18日閲覧。
- ^ “『妻と僕の小規模な育児(11)』(福満 しげゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2024年10月18日閲覧。
- ^ “妻と僕の小規模な育児”. ヤングマガジン公式サイト. 2020年11月29日閲覧。 “『診断の多い育児マンガ』から『妻と僕の小規模な育児』へタイトルが変更になりました。”
- ^ @UOMOshueisha (2023年7月19日). "【UOMOマンガ】福満しげゆき『答えのない問い』7月24日(月)連載スタート!". X(旧Twitter)より2023年10月14日閲覧。
- ^ “福満しげゆきの新連載「僕の最後の失敗」がBGで開幕、人生振り返り少しだけ前向きに”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年11月25日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “福満しげゆきが橋口幸生の配信イベントに出演、福満作品の魅力に“言葉”から迫る”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年9月11日) 2021年9月11日閲覧。
- ^ a b c “Podcast番組「マンガのラジオ」に福満しげゆき出演、吉田尚記がその素顔に迫る”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年10月3日) 2021年10月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- 福満しげゆき (@fukumitsuu) - X(旧Twitter)
- 福満しげゆき妻インタビュー
- 福満しげゆきホームページ(公式)