第3回大日本吹奏樂大会
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第3回大日本吹奏樂大会は、1942年(昭和17年)に開かれた大日本吹奏樂連盟(現全日本吹奏楽連盟)・朝日新聞社主催の「大日本吹奏樂大会(現全日本吹奏楽コンクール)」の第3回大会である。関門トンネル開通記念として開催された。太平洋戦争で中断する前の最後の大会であり、翌年以降の大会は戦争の激化のため中止となった。この記事では、大会の概要と結果について記す。
概要
[編集]- 開催会場
- 開催日 1942年11月23日
- 開催部門
- 吹奏楽
- 学生部
- 一般部
- 喇叭鼓隊
- 学生部
- 一般部
- 喇叭隊
- 学生部
- 一般部
- 鼓笛隊
- 学生部
- 一般部
- 吹奏楽
- 表賞
- 順位制(1位・2位・3位)
- 特選団体制度[注 2]
- 課題曲
- 審査員
結果
[編集]- 吹奏楽 学生部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 東北中学校 | 行進曲「大東亜戦争海軍の歌」 (酒井弘作曲) |
白鳥奥郎 | |
2 | 東京府立化学工業学校 | 行進曲「大東亜戦争海軍の歌」 (酒井弘作曲) |
高木正夫 | 2位 |
3 | 東邦商業学校 | 行進曲「連隊」 | 神納照美 | 1位 |
4 | 天理中学校養徳報国団 | 行進曲「千代田城を仰いで」 (江口夜詩作曲) |
森川晴三郎 | 3位 |
5 | 広島県松本商業学校 | 序曲「栄光」 | 三宅健二郎 | |
6 | 小倉陸軍造兵廠技能者養成所学校 | 行進曲「大東亜戦争海軍の歌」 (酒井弘作曲) |
大塚斗喜太 |
- 吹奏楽 一般部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京鉄道局大宮工機部 | 意想曲「攻撃」 (陸軍軍楽隊作曲) |
岡本末蔵 | 3位 |
2 | 岡本工業株式会社 | 序曲「ピックダム」[注 4] (スッペ作曲) |
赤坂幸蔵 | 1位 |
3 | 松下電器産業報国会歩一会 | 行進曲「大東亜戦争海軍の歌」 (海軍軍楽隊作曲) |
斎藤兼司 | 2位 |
4 | 広島鉄道局奉公会本部 | 序曲「ルストシュピール」 (ケラ・ベラ[注 5]作曲) |
藤沢善七 | |
5 | 日立製作所戸畑工場青年学校 | 行進曲「太平洋」 (海軍軍楽隊作曲) |
日野正 |
- 喇叭鼓隊 学生部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 専修商業学校 | 「剛健」 (ガデンヌ作曲) |
太田黒渉 | 1位 |
2 | 大垣市東国民学校 | 「青年マーチ」 (戸山学校作曲) |
安田正一 | 3位 |
3 | 神戸村野工業学校 | 行進曲「精鋭」 (大沼哲作曲) |
中村勇 | 2位 |
4 | 下関中学校 | 意想曲「非常時日本」 (和田小太郎作曲) |
和田方義 | |
5 | 川越商業学校 | 意想曲「襲撃」 (大沼哲作曲) |
吉野勇 | 特選 |
- 喇叭鼓隊 一般部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 神戸喇叭習得団 | 意想曲「襲撃」 (大沼哲作曲) |
諸田義雄 | 特選 |
- 喇叭隊 学生部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 一ノ宮中学校 | 「戦捷行進」 (和田小太郎作曲) |
伊藤義郎 | 2位 |
2 | 浪華商業学校 | 行進曲「分列」 (永井建子作曲) |
尾崎信夫 | 1位 |
- 喇叭隊 一般部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 神戸塚本六喇叭隊 | 「連隊行進曲」 (陸軍軍楽隊作曲) |
奥晴之 | 1位 |
- 鼓笛隊 学生部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京商業実践女学校 | 「進軍」 (井上繁隆作曲) |
永田和子 | 1位 |
2 | 四條畷高等女学校 | 「愉快なる行進」 (四條畷高等女学校編曲) |
嵯峨山緑 | 3位 |
3 | 福岡県立門司高等女学校 | 「軍艦行進曲」 (瀬戸口藤吉作曲/平井淳衛編曲) |
杉山年代 | 2位 |
- 鼓笛隊 一般部
順 | 団体名 | 自由曲 | 指揮者 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1 | 荒川ノーシン千種工場 | 行進曲「希望に燃えて」 (丸山和一編曲) |
早川猛 | 1位 |
2 | 株式会社丸永商店 | 「海国日本」 (明石丈夫編曲) |
森恵美子 | 2位 |
東邦商業学校と神戸塚本六喇叭隊は、2年間連続優勝賞団体となったため、翌年は招待演奏とし「特選」が授与される予定であったが、東京で開催予定の第4回大会は太平洋戦争激化のため中止となった。
参考文献
[編集]- 秋山紀夫『吹奏楽の歴史 〜学問として吹奏楽を知るために〜』(初)ミュージックエイト、2013年、78-80頁。ISBN 978-4-87164-313-9。
- 秋山紀夫『吹奏楽「昭和の資料集」~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~』(初)ロケットミュージック、2022年、9-16頁。ISBN 978-4-86679-882-0。
- 天理高等学校吹奏楽部史 第1編第2章『天理中学校音楽部「吹奏楽班」誕生』第5節全日本吹奏楽コンクール初出場
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 天理高等学校吹奏楽部史 第1編第2章『天理中学校音楽部「吹奏楽班」誕生』第5節全日本吹奏楽コンクール初出場