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第14回20か国・地域首脳会合

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G20 > 第14回20か国・地域首脳会合
第14回20か国・地域首脳会合
2019年G20サミット首脳会議
G20大阪サミット
2019 G20 Osaka summit
300px
第14回20か国・地域首脳会合に出席した首脳(2019年6月28日
開催国 日本の旗 日本
日程 2019年6月28日 - 6月29日
会場 インテックス大阪
都市 大阪府大阪市
参加者 日本の旗 日本
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
ドイツの旗 ドイツ
イタリアの旗 イタリア
カナダの旗 カナダ
欧州連合の旗 欧州連合
ロシアの旗 ロシア
中華人民共和国の旗 中国
インドの旗 インド
ブラジルの旗 ブラジル
メキシコの旗 メキシコ
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
オーストラリアの旗 オーストラリア
大韓民国の旗 韓国
インドネシアの旗 インドネシア
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
トルコの旗 トルコ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
前回 第13回20か国・地域首脳会合
次回 第15回20か国・地域首脳会合

第14回20か国・地域首脳会合(だい14かい20かこく・ちいきしゅのうかいごう、別名: G20首脳会合G20金融サミット2019年G20サミット首脳会議[1][2]G20大阪サミット英語: 2019 G20 Osaka summit)は、2019年6月28日から6月29日[3]大阪府大阪市で開催された「G20」(主要20か国・地域)の首脳会合[4]。正式名称は「金融世界経済に関する首脳会合」(英語: Summit on Financial Markets and the World Economy)。

日本で初めて開催されたG20首脳会合となった[4]。会場は大阪国際見本市会場(インテックス大阪)[1][2]

開催地選考

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大阪国際見本市会場(インテックス大阪)
各国首脳が集まった記念撮影の様子(2019年6月28日大阪城公園

2017年7月8日のG20首脳会合閉幕時に日本での開催が発表された[5]。開催都市の選定においては、大阪府[6]大阪市[7][注 1]愛知県[8]福岡市[9]の4つの自治体が誘致を目指していた。

日本政府は、立候補都市でのホテルの収容人数や警備面などの実地調査をしていた[4]。一方、「日本を訪れる各国の首脳が天皇陛下と会見することも予想される」として、東京での開催を提案する声もあったが、東京都は首脳会合と同年に開催されるラグビーワールドカップに対する影響を考慮したため、誘致には消極的な立場だった[4]

2018年2月20日、日本政府は首脳会合の開催地を大阪、財務大臣・中央銀行総裁会議の開催地を福岡に決定し、21日内閣官房長官菅義偉が正式に発表した[4][10]。首脳会合の開催地として大阪が選ばれた理由として、ホテルの客室数や警備体制などで総合的に判断したとしている[10]

2018年4月2日、日本政府は首脳会合の開催日程と開催する関連閣僚会合を発表した[11]。関連閣僚会合として以下の8会合が行われた。

閣僚会合 開催地 会場 日程 備考
財務大臣・中央銀行総裁会議[12] 福岡市中央区 ヒルトン福岡シーホーク 06/08-6月8日 - 6月9日
労働雇用大臣会合[13] 愛媛県松山市 ANAクラウンプラザホテル松山[14] 09/01-9月1日 - 9月2日
観光大臣会合[15] 北海道倶知安町 ニセコHANAZONOリゾート 10/25-10月25日 - 10月26日
農業大臣会合[16] 新潟市中央区 朱鷺メッセ 05/11-5月11日 - 5月12日
貿易・デジタル経済大臣会合[17] 茨城県つくば市 つくば国際会議場 06/08-6月8日 - 6月9日
持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合[18] 長野県軽井沢町 軽井沢プリンスホテル 06/15-6月15日 - 6月16日
保健大臣会合[19] 岡山県岡山市 ホテルグランヴィア岡山[20] 10/19-10月19日 - 10月20日
外務大臣会合[21] 愛知県名古屋市 名古屋観光ホテル[22] 11/22-11月22日 - 11月23日

参加国・機関

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参加国・機関の一覧。37の国と機関が参加した[23][1][2]

主要20か国・地域
開催国と議長は太字で示している。
メンバー 首脳 称号
日本の旗 日本 安倍晋三 内閣総理大臣
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ドナルド・トランプ 大統領
イギリスの旗 イギリス テリーザ・メイ 首相
フランスの旗 フランス エマニュエル・マクロン 共和国大統領
ドイツの旗 ドイツ アンゲラ・メルケル 連邦首相
イタリアの旗 イタリア ジュゼッペ・コンテ 閣僚評議会議長
カナダの旗 カナダ ジャスティン・トルドー 首相
欧州連合の旗 欧州連合 ドナルド・トゥスク 欧州理事会議長
ジャン=クロード・ユンケル 欧州委員会委員長
ロシアの旗 ロシア ウラジーミル・プーチン 大統領
中華人民共和国の旗 中国 習近平 国家主席
インドの旗 インド ナレンドラ・モディ 首相
ブラジルの旗 ブラジル ジャイール・ボルソナーロ 大統領
メキシコの旗 メキシコ アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール[24][注 2] 大統領
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 シリル・ラマポーザ 大統領
オーストラリアの旗 オーストラリア スコット・モリソン 首相
大韓民国の旗 韓国 文在寅 大統領
インドネシアの旗 インドネシア ジョコ・ウィドド 大統領
サウジアラビアの旗 サウジアラビア サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ[注 3] 国王
トルコの旗 トルコ レジェップ・タイイップ・エルドアン 大統領
アルゼンチンの旗 アルゼンチン マウリシオ・マクリ 大統領
招待国
招待者 首脳 称号
スペインの旗 スペイン(永久招待国) ペドロ・サンチェス 首相
オランダの旗 オランダ マルク・ルッテ 首相
シンガポールの旗 シンガポール リー・シェンロン 首相
ベトナムの旗 ベトナム グエン・スアン・フック 首相
タイ王国の旗 タイASEAN議長国) プラユット・チャンオチャ 首相
エジプトの旗 エジプトAU議長国) アブドルファッターフ・アッ=シーシー 大統領
チリの旗 チリAPEC議長国) セバスティアン・ピニェラ 大統領
セネガルの旗 セネガルNEPAD議長国) マッキー・サル 大統領
国際連合の旗 国際連合 アントニオ・グテーレス 事務総長
  国際通貨基金 クリスティーヌ・ラガルド 専務理事
  世界銀行 デイヴィッド・マルパス 総裁
  世界貿易機関 ロベルト・アゼベド 事務局長
国際労働機関の旗 国際労働機関 ガイ・ライダー 事務局長
  金融安定理事会 ランダル・クォーレス 議長
経済協力開発機構 アンヘル・グリア 事務総長
アジア開発銀行 中尾武彦 総裁
世界保健機関の旗 世界保健機関 テドロス・アダノム 事務局長

また、スイスが財務トラックのみ招待され、ウエリ・マウラー大統領が参加した[25][26]

文化行事・夕食会

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6月28日夜、大阪城天守閣を背景とする記念撮影の後、大阪城公園内の西の丸庭園と大阪迎賓館で各国首脳らが参加する文化行事と晩餐会は開催された[27]。文化行事では狂言師野村萬斎による「三番叟」の演出、ピアニスト辻井伸行による「花は咲く」「ラ・カンパネッラ」の演奏とオペラ歌手中丸三千繪による演唱が披露された[28]。晩餐会のメニューには泉州水ナス但馬牛太閤ごぼうなど関西地方の食材を使った料理があり[29]、飲み物には大阪府・岩手県福島県の地酒、琉球泡盛宮城県紅茶などが含まれる[30]

G20開催結果

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  • G20メンバー国に加え、8つの招待国、9つの国際機関代表が参加し、国内で開催された史上最大規模の首脳会議となった。[31]
  • 自由貿易の推進やイノベーションを通じた世界の経済成長の牽引と格差への対処、環境・地球規模の課題への貢献等、多くの分野でG20としての力強い意志を「大阪首脳宣言」を通じて世界に発信できた。[31]
  • デジタル経済、特にデータ流通や電子商取引に関する国際的なルール作りを進めていくプロセス(大阪トラック)の立上げ[32]、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの共有[33]などを発信できた。

G20開催に伴う影響

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  • 開催日を含む6月27日から30日にかけて、大阪府内を中心に大規模な交通規制が行われた[34]。一般道では大阪駅大阪城周辺などの9つのエリアで一般車やバイクの通行が制限され、阪神高速1号環状線4号湾岸線などでも早朝から深夜まで通行止めとなった[34]。さらに、関空連絡橋咲洲を行き来する全ての車両を対象に検問を実施した[34]
  • 6月27日から29日までの3日間、サミット会場付近の安全を確保するために中ふ頭駅の利用が停止され、利用客の乗降が不可能となった[35]
  • G20大阪サミット開催に伴う交通規制のため、咲洲地区などでは人工透析を必要とする患者が病院までの送迎サービスを利用できなくなり、一部患者は自己負担で入院する事態となった[36]

出来事

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その他

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日本政府の開催関連経費(予算)は合計約484億5000万円(外務省339.8億円、警視庁が124.2億円、消防庁が9.5億円、厚生労働省が11億円)[41]

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 大阪府と大阪市は共同で誘致を目指していた。
  2. ^ 本人は出席しない代わりにマルセロ・エブラルド外相とカルロス・ ウルスア財務相が出席。
  3. ^ 本人は出席しない代わりにムハンマド・ビン・サルマーン王太子が出席。

出典

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  1. ^ a b c “2019年G20サミット首脳会議の大阪開催決定について”. 大阪府. (2018年2月21日). https://web.archive.org/web/20180226213629/http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/g20/index.html 2018年2月24日閲覧。 
  2. ^ a b c “2019年G20サミット首脳会議の大阪開催決定について”. 大阪市. (2018年2月21日). http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000426974.html 2018年2月24日閲覧。 
  3. ^ “2019年G20サミットの開催日程, 開催する関係閣僚会合及びその開催地の決定”. 報道発表 (外務省). (2018年4月2日). https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005876.html 2018年7月21日閲覧。 
  4. ^ a b c d e “来年のG20サミット 大阪開催で決定”. 日本放送協会. (2018年2月20日). オリジナルの2018年2月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180221010118/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180220/k10011336441000.html 2018年2月24日閲覧。 
  5. ^ “G20 19年は日本で初開催”. 毎日新聞. (2017年7月8日). https://mainichi.jp/articles/20170709/k00/00m/020/047000c 2018年2月25日閲覧。 
  6. ^ “2019年G20サミット首脳会議の誘致に向けた応募書類の提出について”. 大阪府. (2017年11月13日). http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=29255 2018年2月24日閲覧。 
  7. ^ “報道発表資料 2019年G20サミット首脳会議の誘致に向けた応募書類を提出しました”. 大阪市. (2017年11月13日). http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/keizaisenryaku/0000416864.html 2018年2月24日閲覧。 
  8. ^ “2019年日本開催のG20サミット及び関係閣僚会議の誘致について”. 愛知県. (2017年11月6日). http://www.pref.aichi.jp/soshiki/kokusai-kanko/g20.html 2018年2月24日閲覧。 
  9. ^ “福岡市、大阪のライバルに G20首脳会合誘致へ名乗り”. 産経WEST (産業経済新聞社). (2017年12月4日). http://www.sankei.com/west/news/171204/wst1712040083-n1.html 2018年2月24日閲覧。 
  10. ^ a b “「来年のG20サミット 大阪で開催決定」官房長官が発表”. 日本放送協会. (2018年2月21日). オリジナルの2018年2月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180224030108/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180221/k10011337231000.html 2018年2月24日閲覧。 
  11. ^ 2019年G20サミットの開催日程,開催する関係閣僚会合及びその開催地の決定”. 外務省 (2018年4月2日). 2018年7月6日閲覧。
  12. ^ 2019年 G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議”. 福岡市役所総務企画局 G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議 福岡市推進本部 (2018年6月29日). 2018年7月6日閲覧。
  13. ^ G20愛媛・松山労働雇用大臣会合の開催日が決定しました”. 愛媛県庁 経済労働部G20労働雇用大臣会合推進室 (2018年6月22日). 2018年7月6日閲覧。
  14. ^ G20愛媛・松山労働雇用大臣会合キックオフフォーラムの開催について”. 新居浜市 (2018年12月28日). 2019年1月12日閲覧。
  15. ^ G20観光大臣会合について”. 北海道庁総合政策部国際局国際課プロモーショングループ (2018年7月6日). 2018年7月6日閲覧。
  16. ^ 2019年G20新潟農業大臣会合の開催日程等が決定しました”. 新潟市役所地域・魅力創造部 2019年G20サミット推進課 (2018年5月15日). 2018年7月6日閲覧。
  17. ^ G20貿易・デジタル経済大臣会合”. 茨城県庁営業戦略部グローバル戦略チーム投資・誘致 (2018年6月25日). 2018年7月6日閲覧。
  18. ^ 「G20貿易・デジタル経済大臣会合」及び「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」の開催日程を決定しました”. 経済産業省 (2018年5月22日). 2018年7月6日閲覧。
  19. ^ G20保健大臣会合の岡山開催について”. 岡山市役所政策局 G20保健大臣会合推進室. 2018年7月6日閲覧。
  20. ^ 岡山の保健相会合に5.2億円”. 山陽新聞 (2018年12月22日). 2019年1月12日閲覧。
  21. ^ 2019年G20外相会合の開催日程の決定”. 外務省 (2018年5月22日). 2018年7月6日閲覧。
  22. ^ 2019年G20愛知・名古屋外務大臣会合の会場の選定”. 外務省. 2018年12月10日閲覧。
  23. ^ G20サミットとは | サミット情報”. G20大阪サミット2019. 2019年6月28日閲覧。
  24. ^ メキシコ大統領、G20首脳会議を欠席へ(写真=ロイター)”. 日本経済新聞 電子版. 2019年6月28日閲覧。
  25. ^ G20福岡会合について”. 財務省国際局. 2019年8月31日閲覧。
  26. ^ ウエリ・マウラー スイス連邦大統領がG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席、安倍晋三首相と会談”. スイス連邦外務省. 2019年8月31日閲覧。
  27. ^ 日本放送協会 (2019年6月28日). “G20 文化行事と夕食会でおもてなし”. NHKニュース. 2019年6月28日閲覧。
  28. ^ 日本放送協会 (2019年6月28日). “G20 野村萬斎さんら 各国首脳におもてなし”. NHKニュース. 2019年6月28日閲覧。
  29. ^ たこ焼き、お好み焼き…G20首脳夕食会は「落選」 会場では無料提供”. 毎日新聞 (2019年6月29日). 2019年6月29日閲覧。
  30. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年6月29日). “泉州水茄子、但馬牛、被災地のお酒も…食材ふんだん 豪華な夕食会メニュー”. 産経ニュース. 2019年6月29日閲覧。
  31. ^ a b G20大阪サミット(結果概要)- 令和元年6月29日外務省 2020年3月29日閲覧。
  32. ^ 大阪トラック・プロセス - 外務省 2020年3月30日閲覧。
  33. ^ 海洋プラスチックごみ - 外務省 2020年3月30日閲覧。
  34. ^ a b c “渋滞必至、G20へ緊張 「交通量50%削減」浸透せず”. 朝日新聞デジタル. (2019年5月29日). https://www.asahi.com/articles/ASM5S52KYM5SPTIL00Z.html 2019年6月8日閲覧。 
  35. ^ “ニュートラムの中ふ頭駅、3日間利用停止に G20開催にあわせて”. 乗りものニュース. (2019年5月29日). https://trafficnews.jp/post/86555 2019年6月10日閲覧。 
  36. ^ “G20 交通規制で人工透析患者が送迎受けられず”. NHK. (2019年6月29日). https://web.archive.org/web/20190628205109/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190629/k10011974241000.html 2019年6月30日閲覧。 
  37. ^ G20要人警護中の警察車両が横転 巡査長が軽傷 大阪府警毎日新聞公式サイト
  38. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年6月28日). “「米・日・中ぎゅうぎゅう」なぜ? 理由は「言えない」”. 産経ニュース. 2019年6月28日閲覧。
  39. ^ 香港民主派ら大阪で中国に抗議集会 G20開催中
  40. ^ J20/Justice20実行委員会
  41. ^ “G20大阪サミット、巨費投じた日本は何を得たのか―中国メディア”. (2019年7月1日). https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190701036/ 2019年7月2日閲覧。 

外部リンク

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