石渡智大
石渡 智大(いしわたともひろ、1978年5月12日 - )は、ジャーナリスト[1][2][3]。千葉県柏市出身。「一緒に面白いことをする株式会社」代表取締役[4]。現在の肩書は「選挙ウォッチャー」。
経歴・人物
[編集]選挙ウォッチャーちだいの名前で、日本各地の選挙を取材し報道する[1]。
2018年6月の千葉県松戸市長選挙をめぐり、「『NHKから国民を守る党』議員が松戸市長選運動中に市民メディアに暴行。その顛末」と題する記事を、扶桑社のニュースサイト『ハーバー・ビジネス・オンライン』に投票日翌日付で寄稿した[5]。この記事で名誉を傷つけられたとして、NHKから国民を守る党(N国党)党首で東京都葛飾区議会議員であった立花孝志が、扶桑社に対し損害賠償を求め提訴したが、一審・二審ともに退けられた[6]。
N国党の立川市議の久保田学が、立川に居住実態がほとんどないとちだいに記事を書かれたことが名誉棄損に当たるとして、2百万円の賠償金を求めて2018年11月に提訴[7]。ちだいが2019年6月に反訴した結果、ちだいの主張がほぼ全面的に認められ、記事の真実相当性を認めた上、同年9月13日に千葉地裁松戸支部が久保田に対して78万5600円の賠償を命じた[7]。N国党の立花代表は訴状や陳述書なども用意したと動画等で語るなど支援していたが、2019年5月12日に久保田が配信した動画で、裁判の勝敗に関係なくちだいの依頼をした弁護士費用はちだいが払わなければならないため、経済的ダメージを与えるためのスラップ訴訟であると明言、これが裁判官の心象を悪化させたともいわれる[7]。判決文には「(久保田の)訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものと認めざるをえない」と記された[7]。久保田は控訴したが、東京高裁で2020年3月4日に一審判決を支持する判決が出て、さらに控訴審にかかった弁護士費用や実費を考慮し、一審よりも16万円多い計95万円の支払いが久保田に命じられた[8]。ちだいの自宅には、これらの過程で何者かからアダルトグッズや果物などが代引きで送られる、大学や専門学校などの案内資料が毎日のように届くといった嫌がらせが続いたという[8]。
2024年東京都知事選挙をめぐり、選挙期間中の同年6月、24人の候補者を擁立したN国党について「反社会的カルト集団」等とX (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やYouTubeで投稿、発言した[3]。これにより名誉を傷つけられたとして、N国党が石渡に対し損害賠償を求め提訴した[2][3]。同年11月27日東京地方裁判所(阿部雅彦裁判長)は、「いずれも原告の社会的評価を低下させる意見あるいは論評の表明であり、原告の名誉を毀損するものであるが、公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあり、その前提としている事実が重要な部分について真実であると認められるものであり、かつ、意見あるいは論評としての域を逸脱したものとはいえないことから、違法性を欠くものと認められる」などとして、訴えを退けた[3]。
著作
[編集]- ちだい 著『食べる? : 食品セシウム測定データ745』新評論、2013年12月
- 選挙ウォッチャーちだい 著『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』新評論、2022年1月
脚注
[編集]- ^ a b “「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?”. 新評論. 2024年12月2日閲覧。
- ^ a b “「NHK党は反社会的カルト集団」名誉毀損に当たらず 投稿のインターネット記者に賠償責任なし 東京地裁判決”. 東京新聞. 中日新聞社 (2024年11月27日). 2024年12月2日閲覧。
- ^ a b c d “「N国党は反社会的カルト集団」とSNS投稿 名誉毀損で訴えられたライター勝訴 東京地裁”. 弁護士ドットコムニュース. 弁護士ドットコム (2024年11月27日). 2024年12月2日閲覧。
- ^ “一緒に面白いことをする株式会社の企業情報(千葉県柏市)”. 全国法人情報データスべース (2018年5月). 2024年12月13日閲覧。
- ^ “「NHKから国民を守る党」議員が松戸市長選運動中に市民メディアに暴行。その顛末”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社 (2018年6月11日). 2024年12月2日閲覧。
- ^ “二審もN国党首の請求棄却 ネット記事巡り、東京高裁”. 産経新聞. 産業経済新聞社 (2020年7月1日). 2024年12月2日閲覧。
- ^ a b c d “N国市議「居住実態ほぼナシ」判決から2週間。今度はスラップ訴訟か否かを巡って延長戦か | ハーバー・ビジネス・オンライン”. HARBOR BUSINESS Online. 株式会社扶桑社. 2024年12月27日閲覧。
- ^ a b “N国市議に勝訴したライター「スラップ訴訟は民主主義をぶっ壊す」”. 弁護士ドットコム. 弁護士ドットコム株式会社. 2024年12月27日閲覧。
外部リンク
[編集]- 選挙ウォッチャーちだい (@chidaisan) - X(旧Twitter)
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