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石井てる美

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
石井 てる美
ヒラリー・クリントンのものまねの時の石井てる美(2016年11月)
生年月日 (1983-07-04) 1983年7月4日(41歳)
出身地 日本の旗 日本・東京都
血液型 O型
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石井 てる美(いしい てるみ、1983年7月4日[1] - )は、日本お笑いタレントワタナベエンターテインメント所属[2]

略歴

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東京都出身。4歳から6歳までをカナダアメリカで過ごす[3]。中学受験をして白百合学園中学校・高等学校に入学[3]。中2から高2まで学園祭実行委員を務める。(高2のときは実行委員長[4][5]。)同校卒業後、2002年、東京大学文科三類に入学。当初は外交官への憧れもあったが、入学後に日本国外での活動を志して理系に転向。工学部社会基盤学科土木工学を専門とする学科[3])に新設された『国際プロジェクトコース』に魅力を感じ、同学科へ進学。発展途上国インフラ整備について学ぶ[6]ODAも含め途上国のインフラ整備関連の研究のため、3年次はタイ王国に1か月半ほど、4年次はデンマークに2か月滞在するインターンを経験し[3]、2006年同大学工学部卒業、2008年同大学院修士課程修了。

学生時代はサークル活動としてビートルズコピーした音楽バンドベースボーカルを担当(ジョン・レノン・ミュージアム アマチュアバンドコンテストでは入賞[7])などしていた[8]。また、大学・大学院在学中を通じて、タイ[9]デンマークフィリピンと3カ国でのインターンシップや交換留学を経験した[10]。また、大学院在学中の2007年2月には、「成長と環境」をテーマにした論文で、アジア開発銀行による『アジア・太平洋論文コンテスト』に入賞している。さらに、専攻した社会基盤学においては論文「フィリピンにおける政治過程分析を用いた大気汚染対策導入の実現可能性の検討」に2008年3月に学内賞(古市賞)を授与される[11][12]

お笑い芸人に

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アリーナ・ザギトワのものまねの時の石井てる美(2018年4月)

大学院修了後の2008年外資系コンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、本人いわく「42.195kmのマラソンを100m走の速さで走るような」多忙な日々を送る[13]。シビアな評価に過度なプレッシャーとストレスで週末には過呼吸になったり、うつのような状況も経験。「死んだ方が楽」と感じるまで追い詰められたときに「どうせいつか死ぬんだったらその前に本当にやってみたかったことをやろう」という境地に至った[5]。そのとき、脳裏に浮かんだのが高校時代の学園祭で友人たちが喜んでくれた顔で「芸人に挑戦しよう」という思いを強め、約1年4カ月の勤務[14]の後に退社を決意した[5]。退社時にはマッキンゼー全社員にお笑い養成所合格通知を添付した挨拶メールを送付した[15][16]。なお、同期入社組だけには、これとはまた別内容のメールを送付していた[17]

退職前の有給休暇を利用して養成学校を受験[3]、退社後の2009年10月、芸能事務所・ワタナベエンターテインメントによるタレント養成学校「ワタナベコメディスクール」に11期生として入学し、翌年9月に卒業した。しかし卒業の際に受けたワタナベエンターテインメントの審査で不合格となり所属はかなわなかった[18]。この時にダメならもう仕方ないなどと思って一度は再就職活動も始めたが、そんな時にマッキンゼー時代のメンターだった先輩に背中を押されるような声をかけられ、芸人になることに挑戦し続けることを決める[18]。後に出演したお笑いライブに、元マッキンゼー日本支社長の平野正雄も石井を観に来ていた[19]

2010年には雑誌 『アエラ』(朝日新聞出版)に、新進のお笑い芸人として取り上げられた[20]2011年10月には、クイズタイムショックテレビ朝日)に出演して準決勝に進出している。これをきっかけにワタナベエンターテインメント所属も決まる[18]2013年には韓国アイドルのモノマネネタで初めて事務所ライブで優勝を果たし、テレビのネタ番組への出演も叶う[18]

ネタは英単語ネタ[21]、ベースを弾きながらの東大あるあるネタ[22]少女時代のパロディーの一人コント「短足時代」[23]、土偶コスプレキャラの「土偶ちゃん」[24]ヒラリー・クリントンのモノマネコント[25]、「言いづらい言葉を英語っぽく言うネタ[26]」などがある。2016年アメリカ合衆国大統領選挙の際には自費でニューヨーク入りし、ヒラリーのモノマネの格好をしてタイムズスクエアなどでその行方を見守っていた[27][28]。2016年アメリカ合衆国大統領選挙でドナルド・トランプの当選後は、イヴァンカ・トランプのモノマネも行うようになり、ドナルド・トランプのモノマネをするレイザーラモンRGと共演することもある[29]2018年平昌オリンピック以降はアリーナ・ザギトワの物真似も始めている[30]。なお、ザギトワとは2018年4月8日横浜アリーナで開催されたスターズ・オン・アイスの終演後に初対面している[31]

2022年サントリー食品インターナショナルボス」の商品「クラフトボス ミルキープレッソ ダブルホワイトラテ」「クラフトボス ミルキープレッソビターラテ」の「ニューニューな朝」篇(出演:杉咲花神木隆之介役所広司)などのテレビCMの中で発せられている「ニューニュー語」の監修を務めている。前述の「言いづらい言葉を英語っぽく言う」のネタを買われての起用とのことである[32]

人物

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特技は英語モノマネ(インド人イギリス人、映画『タイタニック』のセリフ再現[7])、書道(「あきつ会」で五段の二段上に当たる「推薦」取得の他、書道大会での入選歴多数[7])、ベース弾き語り[2]三点倒立(ヒラリー・クリントンのモノマネのネタ中でも披露している[33])。

少女時代は親戚同士で集まっていた中では落語家の真似をしたり踊ったりしていつもその中心で場をにぎやかす存在で、自分自身を「ひょうきんな子供」だったと振り返っている[18]。大学院生時代にはインターンシップで各国から集まった学生の前でモノマネを披露するなど「アフターファイブ要員、宴会要員」だったとしている(しかしまだこの頃はお笑い芸人を目指していたわけではなかった)[18]

趣味は一人カラオケ[1]フィギュアスケート観戦[34]。フィギュアスケートでは、2006年2月に実際に現地までトリノオリンピックを観に行き、荒川静香の優勝の瞬間に観客として立ち会うことができたという[35]。また、2014年2月ソチオリンピックにもフィギュアスケートの観戦と応援に行っていた[36]。ここにおいて、浅田真央の競技開始前のそのときに「真央ちゃんなら出来る!」と叫んだのが石井である[37](この時は声が開場中に響き渡り、テレビ中継の解説者もこの声を拾って言及したことがあった[26])。ビートルズデイヴィッド・フォスタージャーニーなど80年代洋楽、SHINee少女時代などK-POP[38]accessのファン[39]

TOEIC990点[2]英語検定1級も取得。「インテリ三頭身」と自称している[40]

身長は150 cm[41]

出演

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テレビ

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ラジオ

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イベント

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  • 講演「マッキンゼー出身の女性お笑いタレントが語る、人生一度きりをどう生きるか?」(Goodfind主催、2011年11月19日、2012年12月7日)
  • 大学生向けイベント「Turning Point」登壇(2012年1月7日)
  • 出版記念トークライブ 「石井てる美×ラリー遠田【お笑い東大対談】東大生って結局どうなの?」(2013年8月4日)

掲載

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新聞

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  • 朝日新聞(2012年2月11日「元気のひみつ」、4月3日「リレーおぴにおん -たかがシューカツ-」)
  • 日刊ゲンダイ(2013年12月28日、新春特別号)
  • 朝日中高生新聞(2015年8月9日、「英検1級を持つ東大卒お笑い芸人 石井てる美さんに聞く」)
  • 朝日新聞デジタル(2015年12月25日、「センター試験中鼻血どばーっ!お笑い芸人石井てる美さん」)
  • 日本経済新聞(2016年9月28日、「さぁ準備会社デビュー 先輩からアドバイス」)

雑誌

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著書

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脚注

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  1. ^ a b 石井てる美プロフィール 芸人名鑑 2010年7月7日開催 お笑いライブ「TEPPEN」、平成23年10月28日閲覧
  2. ^ a b c 石井てる美[リンク切れ] ワタナベエンターテインメント、平成23年10月28日閲覧
  3. ^ a b c d e “お笑い”の世界で自分の壁を破りたい | MY CHOICE | ページ 2”. 2021年1月21日閲覧。
  4. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」138ページ
  5. ^ a b c 東大卒の「女芸人」 就活生憧れの企業で学んだ挫折」『NIKKEIリスキリング』日本経済新聞社、2018年3月13日。2021年1月21日閲覧。
  6. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」125ページ
  7. ^ a b c ワタナベエンターテインメント オフィシャルサイト「特技一覧」
  8. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」84ページ
  9. ^ Exchange students from Tokyo University SIIT News, Sep-2004
  10. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」131~133ページ
  11. ^ 古市賞・田辺賞 平成20年3月受賞者 東大土木同窓会、平成23年10月28日閲覧
  12. ^ 堀井秀之 国際プロジェクト研究室 東京大学社会基盤学科
  13. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」28ページ
  14. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」3ページ
  15. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」16~18ページ
  16. ^ 石井てる美(インタビュアー:佐々木洋輔)「センター試験中鼻血どばーっ!お笑い芸人石井てる美さん」『朝日新聞』、2015年12月25日https://www.asahi.com/articles/ASHDM0RK8HDLUEHF015.html2023年6月24日閲覧 
  17. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」117~119ページ
  18. ^ a b c d e f 自分のワクワクよりも周りの期待に合わせなきゃ、なんてない。石井てる美”. LIFULL (2022年4月26日). 2022年4月28日閲覧。
  19. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」156ページ
  20. ^ AERA Mook『読んでから笑え!』2010年6月17日 朝日新聞出版
  21. ^ “東大卒の女芸人・石井てる美「一度きりの人生」を謳歌”. オリコン. (2012年2月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2007342/full/ 2015年6月2日閲覧。 
  22. ^ “TVでた蔵「2012年12月11日放送 たけしのコマネチ大学数学科」”. ワイヤーアクション. (2012年12月11日). http://datazoo.jp/tv/%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%97%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%81%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%95%B0%E5%AD%A6%E7%A7%91/609494 2015年6月2日閲覧。 
  23. ^ 昌谷大介「東大卒、マッキンゼー出身の女芸人・石井てる美「東大で私よりおもしろい人間はいない!って思ってました」」『週刊プレイボーイ』2014年4月22日。2023年6月25日閲覧。
  24. ^ “土偶ちゃんです”. てるてる日記. (2013年11月16日). https://terumi-tellme.hatenablog.com/entry/20131116/1384618447 2015年6月2日閲覧。 
  25. ^ “2015年5月30日「憤る人をなだめる「まぁまぁマイク」&働く女を徹底取材「なぜ?そこ?」2本立てSP」”. gooテレビ. (2015年5月30日). http://tvtopic.goo.ne.jp/program/info/861144/index.html 2015年6月2日閲覧。 
  26. ^ a b 「フィギュアスケート ぴあ」p.44 - 45 石井てる美コラム より。
  27. ^ “ヒラリー芸人の石井てる美 自腹渡米もガックリ「続けてやっていいのか」”. スポーツニッポン. (2016年11月9日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/11/09/kiji/K20161109013692120.html 2016年11月10日閲覧。 
  28. ^ “ヒラリー芸人・石井てる美、自腹でNYへ トランプ氏当選に「絶句…」”. withnews. (2016年11月9日). https://withnews.jp/article/f0161109004qq000000000000000W00h10501qq000014280A 2016年11月10日閲覧。 
  29. ^ レイザーラモンRG twitter 2017年11月3日
  30. ^ “ザギトワ誕生”. てるてる日記. (2018年3月14日). https://terumi-tellme.hatenablog.com/entry/20180314/1521046858 2018年3月18日閲覧。 
  31. ^ 石井てる美 Terumi Ishii twitter 2018年4月8日
  32. ^ サントリークラフトボス「ミルキープレッソ」、謎の「ニューニュー語」のCM公開”. AduerTimes(アドタイ). 宣伝会議 (2022年4月18日). 2022年4月30日閲覧。
  33. ^ Youtube『石井てる美「ヒラリークリントン」』(石井本人がアップしている)
  34. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」95ページ
  35. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」128~129ページ
  36. ^ 自身のツイッターでの自己紹介より(2014年4月1日閲覧)。
  37. ^ 週刊プレイボーイ集英社)2014年4月28日号(No.17)71ページ『「かわいすぎる女芸人」が急増中!!』より。
  38. ^ ワタナベエンターテインメント オフィシャルサイト「得意トーク」
  39. ^ 「私がマッキンゼーを辞めた理由」123ページ
  40. ^ ブログ「てるてる日記」での自己紹介
  41. ^ https://www.watanabepro.co.jp/mypage/40000073/
  42. ^ 冬が~はじまるよ~♪”. てるてる日記 (2016年12月3日). 2016年12月4日閲覧。
  43. ^ フィギュアGPシリーズ アメリカ大会 <男子ショート> | 無料のインターネットテレビは【AbemaTV(アベマTV)】”. AbemaTV. 2018年10月20日閲覧。
  44. ^ フィギュアGPシリーズ アメリカ大会 <男子フリー&女子ショート> | 無料のインターネットテレビは【AbemaTV(アベマTV)】”. AbemaTV. 2018年10月20日閲覧。
  45. ^ フィギュアGPシリーズ アメリカ大会 <女子フリー> | 無料のインターネットテレビは【AbemaTV(アベマTV)】”. AbemaTV. 2018年10月20日閲覧。
  46. ^ 番組タイトル変更と放送時間を30分から60分に拡大。

外部リンク

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