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田村眞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
田村 眞[1]
たむら まこと[1]
生年月日 (1954-06-08) 1954年6月8日(70歳)[1]
出生地 日本の旗 日本埼玉県[1]
国籍 日本の旗 日本
出身校 中央大学法学部[2]

任期 2017年9月7日[3] - 2019年3月22日(依願退官[3]
前任者 大須賀滋
後任者 永野圧彦

任期 2015年1月28日[3] - 2017年9月6日
前任者 深見敏正
後任者 大島眞一
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田村 眞(たむら まこと、1954年6月8日 - )は、日本の元裁判官[1]公証人[4]横浜地方裁判所部総括判事や、徳島地方裁判所所長を経て、岐阜地方裁判所所長を務めた[1]

人物・経歴

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埼玉県出身[1]テレビドラマなどの影響で弁護士を志し、中央大学法学部を卒業すると、1980年(昭和55年)に司法試験に合格したが、司法修習中に裁判官を目指すことを決め[2]、1983年4月12日に裁判官浦和地方裁判所判事補)として任官された(第35期)[3]

着任後、主に刑事事件を担当し[1]函館地方裁判所判事補、青森地方裁判所弘前支部判事補、弘前簡易裁判所判事などを経て[3]、1994年東京地方裁判所判事。1997年釧路地方裁判所部総括判事。1999年東京地方裁判所判事[1]。2002年秋田地方裁判所部総括判事。2005年東京高等裁判所判事[3]。2008年さいたま地方裁判所部総括判事。2013年横浜地方裁判所部総括判事[1]

2015年から徳島地方裁判所徳島家庭裁判所の所長を務めた[2]。その後、2017年から岐阜地方裁判所岐阜家庭裁判所の所長を務めた[1]。2018年には裁判所法上の職務義務に反し、判決文が未完成のまま判決言い渡しを行っていた岐阜地裁の山崎秀尚裁判官に対し、裁判官分限法に基づいて名古屋高等裁判所懲戒申立てを行った[5]

2019年3月22日付で依願退官[3]、同年4月23日付で浜松町公証役場東京法務局所属)の公証人となった[4]。趣味は登山クラシック音楽鑑賞[1]

裁判

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  • さいたま地裁時代の2010年(平成22年)3月には、偽造判決書などを使い、神戸法務局供託金遺産などの現金を騙し取っていた、京都大学法学部出身の元京都家庭裁判所書記官に対し、詐欺罪を適用して懲役11年を言い渡した[6][7]
  • 横浜地裁時代の2014年(平成26年)9月11日には、横浜市の自宅で、2人の娘の胸を触ったとして強制わいせつ罪に問われた被告人の父親に対し、2人の証言の信用性を補強する客観的事実が見当たらないとして、無罪を言い渡すとともに、捜査報告書に虚偽記載をしていた鶴見警察署に対し、「公文書に対する社会的信頼の回復に努めることを希望する」と述べた[8]
  • さいたま地裁時代には、2011年(平成23年)11月 - 12月に埼玉県三郷市千葉県松戸市で相次いで少女2人を刺し、重傷を負わせたとして、殺人未遂罪銃刀法違反容疑などで起訴されていた少年(事件当時16歳)の裁判員裁判を、裁判長として担当[9]。被告人の少年は検察官から、懲役5年以上10年以下の不定期刑求刑されていたが、さいたま地裁第1刑事部(裁判長:田村)[注 1]2013年(平成25年)3月12日[9]、「現状のままでは再犯する可能性は高いが、生まれつきの広汎性発達障害や生育環境が動機に直結しており、被告人に不利に扱うのは相当ではない。個別的治療や矯正教育を施すことが再犯防止のための最良手段だ」として、刑事処分ではなく、さいたま家庭裁判所に送致する決定を出した[注 2][11]。田村は決定文の朗読後、被告人に対し「罰を受けずに済んだわけではありません。君は変わる必要があります。変わらなければいけません」[13]「被害者が厳しい処分を求める感情も無理からぬこと。その上で医療少年院に入れるとしたのは君に社会に害を及ぼさないような人に変わってもらいたいからだ。社会に受け入れられる人間になって戻ってくることを願っています」と説諭していた[11]が、元少年は医療少年院を仮退院後[14]2021年令和3年)5月7日に茨城一家殺傷事件(2019年9月23日に茨城県猿島郡境町で発生)の被疑者として、殺人容疑で逮捕されている[15]

脚注

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注釈

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  1. ^ 陪席裁判官は松岡幹生・湯浅雄士[9][10]
  2. ^ 同決定に対し、被告人の弁護人(柴野和善弁護士)は「少年にとっては一番いい決定で、少年が受け入れてくれることを期待する。裁判員は被害者の言葉の重みや少年の将来を十分に考えてくれた。ありがとうと言いたい」と述べていた[11]。その後、さいたま家裁(山崎雄大裁判官)が同月21日に、少年を23歳になるまでの相当長期間にわたり、医療少年院に収容することを決定している[12]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 岐阜地方・家庭裁判所長”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所 (2013年3月1日). 2017年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月25日閲覧。 “さいたま地方裁判所第1刑事部の担当裁判官一覧”
  2. ^ a b c 徳島地方・家庭裁判所長になった田村眞(たむらまこと)さん」『徳島新聞』一般社団法人徳島新聞社、2015年2月11日。オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 裁判官情報 田村 眞”. 新日本法規WEBサイト. 新日本法規. 2021年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  4. ^ a b 2 指定公証人一覧”. 法務省. 2021年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月25日閲覧。 “浜松町公証役場 田村 眞 平成31年4月23日”
  5. ^ 判決文未完のまま言い渡し 岐阜地裁裁判官、懲戒へ」『日本経済新聞日本経済新聞社共同)、2018年6月13日。オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  6. ^ MSN産経ニュース』2010年3月25日「元家裁書記官詐欺事件で懲役11年の判決 さいたま地裁」(産業経済新聞社
  7. ^ 中国新聞』2010年3月25日「<貧しい生活、仕事に失望 反省繰り返した元書記官>」(中国新聞社
  8. ^ 「娘2人にわいせつ行為」父親に無罪判決 横浜地裁「鶴見署は信頼回復を」」『産経ニュース産業経済新聞社、2014年9月12日。オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  9. ^ a b c さいたま地方裁判所第1刑事部決定 2013年(平成25年)3月12日 LLI/DB 判例秘書登載 (ID番号:06850194)、平成24年(わ)第1112号、『動物の愛護及び管理に関する法律違反、器物損壊、殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反、非現住建造物等放火被告事件』。
    • 主文:本件をさいたま家庭裁判所に移送する。
    • 裁判官:田村眞(裁判長)・松岡幹生・湯浅雄士
  10. ^ さいたま家庭裁判所 担当裁判官一覧(平成25年3月1日現在)”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所 (2013年3月1日). 2013年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月25日閲覧。 “さいたま地方裁判所第1刑事部の担当裁判官一覧”
  11. ^ a b c 読売新聞』2013年3月13日東京朝刊埼玉南版33頁「連続切りつけ 「害及ぼさない人に」 裁判長、少年を諭す=埼玉」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
  12. ^ 『読売新聞』2013年3月22日東京朝刊第二社会面38頁「連続少女刺傷の少年 医療少年院送致決定 さいたま家裁」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
  13. ^ 東京新聞』2013年3月13日朝刊埼玉版24頁「少女連続刺傷 家裁送致決定 「医療少年院が最良」 地裁 刑事処分退け治療優先」(中日新聞東京本社・さいたま支局)
  14. ^ 「文春オンライン」特集班「《茨城一家殺傷》O容疑者(26)は10年前に「連続通り魔」を起こした“猫殺し少年”だった」『文春オンライン』文藝春秋、2021年5月7日、3面。オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  15. ^ 茨城の一家4人殺傷、殺人容疑で26歳男を逮捕」『読売新聞オンライン読売新聞社、2021年5月8日。オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。2021年6月25日閲覧。

関連項目

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先代
深見敏正
徳島地方裁判所長
2015年 - 2017年
次代
大島眞一
先代
大須賀滋
岐阜地方裁判所長
2017年 - 2019年
次代
永野圧彦