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リスペリドン

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リスペリドン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能70% (経口)
代謝肝臓 (CYP2D6-mediated)
半減期3.91時間(未変化体)–21.69時間(主代謝物9-ヒドロキシリスペリドン)(経口、錠剤)
排泄尿
データベースID
CAS番号
106266-06-2
ATCコード N05AX08 (WHO)
PubChem CID: 5073
DrugBank APRD00187
KEGG D00426
化学的データ
化学式C23H27FN4O2
分子量410.485 g/mol
テンプレートを表示
リスペリドン1mg錠

リスペリドン(英:Risperidone)は、ベルギー製薬会社ヤンセンファーマが開発したセロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA)と呼ばれる種類の非定型抗精神病薬である。主に統合失調症の治療に用いられる。商品名リスパダールほか、後発医薬品が販売される。

概要

従来の抗精神病薬陽性症状には効果が見られたものの、陰性症状(感情的引きこもり、情動鈍麻など)に対しては満足する効果が挙げられていない上、錐体外路系副作用が高頻度で発現する問題があった。選択的なセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を持つケタンセリンと従来薬を併用したところ、これらの問題が改善されたり、弱まった。単一化合物で錐体外路系の副作用が少なく、陰性症状に対しても有効な新薬として1984年に合成されたのがリスペリドンである。ドーパミンよりセロトニンに強く働きかける特徴をもつ。また、少量でも優れた効果を発揮し、強力な鎮静作用をもつ。

リスペリドンは精神全体の高ぶりを抑える作用がある。日本では1996年4月に統合失調症に用いる治療薬として承認されており、アメリカでは統合失調症に加え、躁病自閉症においてもFDAから承認を受けている。ただし、適応外の処方が頻繁になされる薬剤であり、強い不安感や緊張感、睡眠障害強迫性障害など様々な精神症状に対して処方される。

薬価は1mg錠で1錠あたり40.90円と、他の非定型抗精神病薬より割安であるが、持続性注射剤であるリスパダール・コンスタに限ると、その薬価は約23,000〜38,000円と極端に高額である。また、薬価が更に安い、多くのジェネリック医薬品が発売されている。第二世代抗精神病薬に分類される。

薬理

脳の中枢に直接作用して、ドパミンD2受容体拮抗作用・セロトニン5-HT2受容体拮抗作用により統合失調症の陽性症状及び陰性症状を改善する作用がある。その他様々なドパミン・セロトニン受容体とアドレナリン受容体、ヒスタミン受容体にも作用する。

副作用

副作用が有る為、服用する際は十分に注意である。 発生する可能性のある主な副作用は、

処方されたばかりは血圧低下による作用によって立ちくらみがよくある。

他にも、重い副作用として

悪性症候群では筋肉の引きつり、嚥下困難、頻脈、発汗、発熱などがある。従来の定型と呼ばれる抗精神病薬に比べ、悪性症候群やジスキネジア、錐体外路系症状は少ないとされている。

また併用に注意を要する薬剤がある。(飲み合わせ)

  • パロキセチンとの併用で相互に効力を低下、血中濃度及び副作用を増加させるため併用は避ける必要がある。
  • ドパミンアゴニスト(例:レボドパ、ビ・シフロール)との併用でドパミン拮抗作用の低下や前頭葉でのドパミン機能の不均衡により、場合によっては重篤な気分変調などを引き起こす可能性があるため併用には注意を要する。

種類

ヤンセンファーマが商品名リスパダールで販売し、錠剤、細粒、口腔内崩壊錠、内用液、持続性注射剤がある。他、後発医薬品多数。

訴訟

2012年、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、非定型抗精神病薬リスパダール(リスペリドン)の小児高齢者への適応外用途のマーケティングや、薬が体重増加や糖尿病と相関するというデータの隠ぺい、またほかの薬の違法マーケティングにより係争中であり、15~20億ドルが科されるとみられている[1]。リスパダールを処方するごとに5,000ドルの罰金で係争中である[2]

出典

参考文献

  • 医薬品インタビューフォーム 『リスパダール』 ヤンセンファーマ

関連項目

外部リンク