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「カレーパン」の版間の差分

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{{Infobox prepared food|name=カレーパン|enname=Curry bread|image=Deep fried curry bread.jpg|caption=カレーパンの断面|alternate_name=カレードーナツ|country={{JPN}}|region=東京|national_cuisine=洋食|creator=中田豊治?|year=1927年(昭和2年)?|mintime=|maxtime=|type=[[総菜パン]]|course=|served=|main_ingredient=小麦粉、カレー|minor_ingredient=|variations=|serving_size=100g|calories=302|calories_ref=日本食品標準成分表2020年版(八訂)|protein=6.6|fat=18.3|carbohydrate=32.3|glycemic_index=|similar_dish=ピロシキ、サモサ、ムルタバ、バニーチャウ、エンパナーダ、ダブルスなど|other=|complexity=}}'''カレーパン'''は、[[カレー]]を具([[フィリング]])とする[[調理パン]](惣菜パン)である<ref name=":0">{{Cite book|和書|title=カレーの歴史|date=2013-08-29|year=2013|publisher=株式会社原書房<「食」の図書館>|page=161|author=コリーン・テイラー・セン著}}</ref><ref name=":1">{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|page=215|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。[[パン生地]]でカレーを包み、[[パン粉]]をつけて[[油]]で揚げたものが一般的だが<ref name=":0" /><ref name=":2">{{Cite book|和書|title=基礎からわかる製パン技術|date=2011-03-31|year=2011|publisher=株式会社柴田書店|page=185|author=吉野精一著}}</ref>、油で揚げずに焼いた「'''焼きカレーパン'''」も増えてきている<ref name=":6">{{Cite book|和書|title=パン語辞典|date=2013-10-20|year=2013|publisher=株式会社誠文堂新光社|page=55|author=荻山和也監修・ぱんとたまねぎ著}}</ref><ref name=":7">{{Cite book|和書|title=知識ゼロからのパン入門|date=2010-07-30|year=2010|publisher=株式会社幻冬舎|page=156|author=日本パンコーディネーター協会監修}}</ref>。油で揚げたものは'''カレードーナツ'''とも呼ばれる<ref name=":8">{{Cite book|和書|title=カレーライスの誕生|date=2002-06-10|year=2002|publisher=株式会社講談社|page=125|author=小菅桂子著}}</ref>。[[昭和]]初期に考案された<ref name=":1" /><ref name=":9">{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2019-07-29|year=2019|publisher=株式会社マイナビ出版|page=89|author=ハウス食品株式会社監修}}</ref>[[日本]]生まれの[[西洋料理]]([[洋食]])の一つであるが<ref>{{Cite book|和書|title=外来食文化と日本人|date=2020-09-30|year=2020|publisher=株式会社弦書房|pages=153-154|author=八百啓介編著}}</ref>、カレーとパンなどを組み合わせた料理は世界各地でも見られる<ref>{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|pages=64-65|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。
{{出典の明記|date=2018-01-26}}
{{Infobox prepared food
| name = カレーパン
| enname = Curry bread
| image = Deep fried curry bread.jpg
| caption = カレーパンの断面図
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| type = [[総菜パン]]
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'''カレーパン'''は、[[カレー]]を具とする[[調理パン]]の一種である。


惣菜パンの元祖であり、各種の惣菜パンが考案されるきっかけになったとされている<ref name=":10">{{Cite book|和書|title=なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年|date=2016-10-10|year=2016|publisher=NHK出版<NHK出版新書501>|page=126|author=阿古真理著}}</ref>。さまざまな[[パン屋]]が工夫を凝らしたカレーパンで人気を競っており<ref name=":11">{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|page=47|author=枻出版社編}}</ref><ref name=":12">{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2007-09-07|year=2007|publisher=株式会社旭屋出版|pages=161-162|author=井上好文監修}}</ref>、惣菜パンの定番の一つとなっている<ref name=":7" /><ref name=":13">{{Cite book|和書|title=人気のパン★ヒットパレード 繁盛パン屋さんの菓子パン おかずパン おつまみパン|date=2011-12-30|year=2011|publisher=株式会社柴田書店|page=77|author=柴田書店編}}</ref>。
決まった定義があるわけではないが、ほとんどの市販製品は衣を付けて[[揚げ物|揚げ]]もしくは[[焼き物 (料理)|焼いて]]提供される。揚げたものは'''カレードーナツ'''とも呼ばれるほか、揚げたものをカレーパン、焼いたものを'''焼きカレーパン'''と呼んで区別する店もある。内部に入れる具が[[キーマカレー]]のものもある。[[カレーライス]]のカレーよりは汁気が少なく、喫食時に垂れ落ちないような工夫がされている。


== 特徴 ==
人気のある惣菜パンであり、[[スーパーマーケット]]や[[コンビニエンスストア]]などで大手メーカーの製品が販売されるほか、街の[[パン屋]]の名物商品となっている場合も多い。
[[ファイル:Curry-bun,curry-pan,katori-city,japan.JPG|サムネイル|揚げられたままの状態と断面]]
[[ファイル:Baked_curry_bread.jpg|サムネイル|焼きカレーパン]]
[[カレー]]と[[カツレツ]]をヒントに考案されたとされる<ref name=":2" />。カレーパンが誕生した[[昭和]]初期は、[[明治維新]]以降[[西洋]]の[[技術]]や[[文化]]を積極的に取り入れる中で<ref name=":14">{{Cite book|和書|title=日本人はカレーライスがなぜ好きなのか|date=2000-11-20|year=2000|publisher=株式会社平凡社<平凡社新書066>|page=103|author=井上宏生著}}</ref>[[日本]]に伝来した[[西洋料理]]が日本風にアレンジされて[[洋食]]として定着した時期に当たり<ref name=":15">{{Cite book|和書|title=なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年|date=2016-10-10|year=2016|publisher=NHK出版<NHK出版新書501>|page=127|author=阿古真理著}}</ref>、カレーパンもこうした流れの中で誕生したものである<ref name=":14" />。西洋の[[パン]]に[[インド]]のカレーを入れるという斬新な発想は<ref name=":1" /><ref name=":9" />、他国から受容した食材を独自にうまく組み合わせた、日本ならではのパンと評価されている<ref name=":7" />。

厚い[[小判]]形あるいは潰した[[フットボール]]のような形が基本<ref>{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2007-09-07|year=2007|publisher=株式会社旭屋出版|page=161|author=井上好文監修}}</ref>。[[油]]で揚げたものが多く<ref name=":0" /><ref name=":16">{{Cite book|和書|title=カレー語辞典|date=2016-08-18|year=2016|publisher=株式会社誠文堂新光社|page=79|author=加来翔太郎監修・オカタオカ著}}</ref>、表面のサクッとした食感と<ref name=":17">{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2006-10-06|year=2006|publisher=成美堂出版|page=84|author=成美堂出版編集部編}}</ref><ref name=":18">{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2007-09-07|year=2007|publisher=株式会社旭屋出版|page=162|author=井上好文監修}}</ref>スパイシーな香りとコクが特徴である<ref name=":19">{{Cite book|和書|title=BREAD & SWEETS BOOK vol.2|date=2010-09-28|year=2010|publisher=株式会社旭屋出版<旭屋出版MOOK>|page=52|author=旭屋出版編}}</ref>。カレーフィリングは、[[カレーライス]]のカレーより固めのものを使うのが一般的で<ref name=":1" />、店によって辛さが異なったり<ref name=":12" />、[[キーマカレー]]や[[ビーフカレー]]を用いる、[[ゆで卵]]を入れるなど、多様な[[バリエーション]]がある<ref name=":16" />。

[[テイクアウト]]もでき持ち運びも容易なカレーパンは<ref name=":20">{{Cite book|和書|title=ニッポンカレーカルチャーガイド|date=2022-02-28|year=2022|publisher=株式会社Pヴァイン|page=55|author=松宏彰著}}</ref>、[[昼食]]や[[おやつ]]に適しており<ref name=":18" />、さまざまな[[カレー料理]]の中で最も親しまれているともされる<ref name=":20" />。辛口のカレーパンは、[[ビール]]にも合う<ref name=":18" />。他の惣菜パンと比べて日持ちすることから[[スーパーマーケット]]や[[コンビニエンスストア]]でも人気となっている<ref name=":17" />。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
起源については、[[東京都]][[江東区]]にある「名花堂」(現:カトレア)2代目の中田豊治が[[1927年]]に[[実用新案]]に登録した、'''洋食パン'''が元祖と言われることが多い。同新案は「具の入ったパンを[[カツレツ]]のように揚げる」という主旨であり[[ピロシキ]]をモチーフとしたと考えられている。カレーの言葉はまったく含まれていないが、この開発時にはちょうど[[関東大震災]]が起こり、店の建て直しを急いだ2代目が「洋食の2トップ」であるカレーとカツレツを取り入れたパンを思いつき開発したのだ、と5代目主人は語っている<ref name="menu">[[#あのメニュー|あのメニューが生まれた店]] P.58</ref>。


=== 背景 ===
一方、[[練馬区]]の「デンマークブロート」([[1934年]]創業)では、創業者がカレーパンを発明したとしている。こちらはまずカレーサンドを発売し、後に揚げることを思いついている。このあたりは[[洋食]]が普及しつつあり、あらゆる業者が同時並行的に日本的洋食メニューを工夫していた時代背景とともに解するべきである。
{{See also|パン|日本のカレー}}[[発酵]]させた[[生地]]を焼く西洋風の[[パン]]は、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]に[[ポルトガル人]]によってもたらされ<ref>{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2007-09-07|year=2007|publisher=株式会社旭屋出版|page=274|author=井上好文監修}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=西洋料理がやってきた|date=1983-10-26|year=1983|publisher=東京書籍株式会社|page=56|author=富田仁著}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=パンのはなし|date=1989-02-20|year=1989|publisher=技報堂出版株式会社|page=113|author=根田春子著}}</ref>、[[キリスト教]]とともに普及していった<ref>{{Cite book|和書|title=パンづくりの科学|date=2012-09-26|year=2012|publisher=株式会社誠文堂新光社|page=40|author=吉野精一著}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=パンのはなし|date=1989-02-20|year=1989|publisher=技報堂出版株式会社|page=116|author=根田春子著}}</ref>。しかし、[[江戸幕府]]による[[禁教]]・[[鎖国政策]]によってパン食も禁じられ、忘れ去られていった<ref>{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|page=42|author=枻出版社編}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2007-09-07|year=2007|publisher=株式会社旭屋出版|pages=274-275|author=井上好文監修}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=パンづくりの科学|date=2012-09-26|year=2012|publisher=株式会社誠文堂新光社|page=42|author=吉野精一著}}</ref>。西洋風のパンは、[[江戸時代]]後期に携帯用の[[兵糧]]として注目された後<ref>{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|pages=42-43|author=枻出版社編}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=西洋料理がやってきた|date=1983-10-26|year=1983|publisher=東京書籍株式会社|page=59|author=富田仁著}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=パンのはなし|date=1989-02-20|year=1989|publisher=技報堂出版株式会社|page=119|author=根田春子著}}</ref>、[[明治時代]]に入って一般に広まるようになる<ref name=":21">{{Cite book|和書|title=パンの事典|date=2006-10-06|year=2006|publisher=成美堂出版|page=101|author=成美堂出版編集部編}}</ref>。[[1860年]]([[万延]]元年)に[[横浜]]で内海兵吉がのちに「[[冨田屋]]」となる[[パン屋]]を開業<ref>{{Cite book|和書|title=なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年|date=2016-10-10|year=2016|publisher=NHK出版<NHK出版新書501>|page=107|author=阿古真理著}}</ref>。[[東京]]では[[1868年]]([[明治]]元年)に[[銀座]]「[[風月堂]]」がパンづくりを始め<ref>{{Cite book|和書|title=日本人はカレーがなぜ好きなのか|date=2000-11-20|year=2000|publisher=株式会社平凡社<平凡社新書066>|page=102|author=井上宏生著}}</ref>、翌[[1869年]](明治2年)に[[木村安兵衛]]が「文英堂」(現「[[木村屋總本店]]」)を開業した<ref name=":21" /><ref name=":22">{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|page=44|author=枻出版社編}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=にっぽん洋食物語大全|date=2017-08-10|year=2017|publisher=株式会社筑摩書房|page=246|author=小菅桂子著}}</ref>。


日本でパンは独自の進化を遂げた<ref name=":22" />。[[1874年]](明治7年)、「木村屋」は[[日本酒]]の酒種で生地を発酵させ[[あん]]を包んで焼く「酒種あんぱん」を考案<ref name=":23">{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|page=45|author=枻出版社編}}</ref><ref name=":24">{{Cite book|和書|title=にっぽん洋食物語大全|date=2017-08-10|year=2017|publisher=株式会社筑摩書房|page=254|author=小菅桂子著}}</ref>。[[明治天皇]]に献上する機会に恵まれ<ref name=":23" /><ref name=":24" /><ref>{{Cite book|和書|title=知識ゼロからのパン入門|date=2010-07-30|year=2010|publisher=株式会社幻冬舎|page=153|author=日本パンコーディネーター協会監修}}</ref>、[[チンドン屋]]を使った宣伝も奏功して人気となった<ref>{{Cite book|和書|title=にっぽん洋食物語大全|date=2017-08-10|year=2017|publisher=株式会社筑摩書房|page=257|author=小菅桂子著}}</ref>。[[西洋]]のパンと日本のあんを組み合わせた[[あんパン]]は注目を集め<ref name=":21" /><ref name=":23" />、その後のさまざまな日本独自のパンの発明につながっていった<ref name=":25">{{Cite book|和書|title=なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年|date=2016-10-10|year=2016|publisher=NHK出版<NHK出版新書501>|page=120|author=阿古真理著}}</ref>。[[1900年]](明治33年)には「木村屋」の木村儀四郎によって[[ジャムパン]]が、[[1904年]](明治37年)には[[新宿]]「[[中村屋]]」の[[相馬愛蔵]]によって[[クリームパン]]が考案されている<ref name=":25" /><ref>{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|pages=45-46|author=枻出版社編}}</ref><ref>{{Cite book|和書|title=にっぽん洋食物語大全|date=2017-08-10|year=2017|publisher=株式会社筑摩書房|pages=259-260|author=小菅桂子著}}</ref>。こうしてパンは広く[[日本人]]の生活に浸透していった<ref>{{Cite book|和書|title=パンづくりの科学|date=2012-09-26|year=2012|publisher=株式会社誠文堂新光社|page=43|author=吉野精一著}}</ref>。
また、大正5年(1916年)に[[新宿]][[中村屋]]が迎えたインド独立運動家[[ラス・ビハリ・ボース]]が同店に純インドカレーを伝え、これにヒントを得た[[相馬愛蔵]]によって発明されたという説も存在する。いずれの店も現在まで存在し、その味を伝え続けている。


一方、[[カレー]]が日本にもたらされたのも、江戸時代末期に鎖国が解かれて以降である<ref name=":26">{{Cite book|和書|title=ニッポン定番メニュー事始め|date=2013-09-16|year=2013|publisher=株式会社彩流社|page=12|author=澁川祐子著}}</ref>。[[イギリス]]を通じて持ち込まれたカレーは<ref name=":26" /><ref name=":3">{{Cite book|和書|title=カレーの歴史|date=2013-08-29|year=2013|publisher=株式会社原書房<「食」の図書館>|page=158|author=コリーン・テイラー・セン著}}</ref>、サラサラとした[[インド]]のカレーとは異なり<ref name=":27">{{Cite book|和書|title=外来食文化と日本人|date=2020-09-30|year=2020|publisher=株式会社弦書房|page=151|author=八百啓介編著}}</ref>、[[ルー]]に[[小麦粉]]で[[とろみ]]が付けられたものであった<ref name=":27" /><ref>{{Cite book|和書|title=ニッポン定番メニュー事始め|date=2013-09-16|year=2013|publisher=株式会社彩流社|page=13|author=澁川祐子著}}</ref>。カレーは、日本人になじみの深い[[米]]とともに食する[[西洋料理]]として受け入れられ<ref>{{Cite book|和書|title=ニッポン定番メニュー事始め|date=2013-09-16|year=2013|publisher=株式会社彩流社|page=15|author=澁川祐子著}}</ref>、[[日本軍]]が、体格向上のために[[肉食]]を奨励し、[[肉]]と[[野菜]]と米を一度に取れ安上がりで食べ応えもあるメニューとして取り入れ<ref>{{Cite book|和書|title=カレーの歴史|date=2013-08-29|year=2013|publisher=株式会社原書房<「食」の図書館>|page=159|author=コリーン・テイラー・セン著}}</ref>、[[兵役]]を終えた[[兵士]]がそれぞれの故郷の[[家庭]]に伝えたことで全国に広まった<ref>{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|page=206|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。また、[[大正]]末期から[[昭和]]初期にかけては、新宿「中村屋」や銀座「[[資生堂パーラー]]」といった高級洋食店でも人気のメニューとなった<ref name=":28">{{Cite book|和書|title=ニッポン定番メニュー事始め|date=2013-09-16|year=2013|publisher=株式会社彩流社|page=16|author=澁川祐子著}}</ref>。こうして日本に定着して人気となったカレーは<ref>{{Cite book|和書|title=カレーの歴史|date=2013-08-29|year=2013|publisher=株式会社原書房<「食」の図書館>|pages=158-159|author=コリーン・テイラー・セン著}}</ref>、次第に、[[ニンジン]]や[[ジャガイモ]]、[[タマネギ]]などの[[具材]]を煮込んだ日本独自のカレーとして<ref name=":28" />、インドのものともイギリスのものとも異なるカレーへと進化した<ref>{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|page=208|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。カレーは、[[西洋料理]]が[[米飯]]に合う形にアレンジされた[[洋食]]として世の中に広まっていった洋食ブームの中で<ref name=":29">{{Cite book|和書|title=パンの基礎知識|date=2012-03-10|year=2012|publisher=株式会社枻出版社<食の教科書>|page=46|author=枻出版社編}}</ref>、[[コロッケ]]、[[カツレツ]]と並ぶ三大洋食ともてはやされていった<ref name=":15" /><ref name=":17" /><ref>{{Cite book|和書|title=外来食文化と日本人|date=2020-09-30|year=2020|publisher=株式会社弦書房|page=153|author=八百啓介編著}}</ref>。
== 参考画像 ==

<gallery>
=== 誕生 ===
Curry-bun,curry-pan,katori-city,japan.JPG|揚げられたままの状態と断面図
[[ファイル:Original_curry_bread_bakery_by_ayustety_in_Tokyo.jpg|サムネイル|カレーパン発祥の店とされる「名花堂」(現「カトレア」)]]
Baked curry bread.jpg|焼きカレーパン
カレーパンの起源については諸説あるが<ref name=":1" /><ref name=":30">{{Cite book|和書|title=腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き|date=2017-10-10|year=2017|publisher=株式会社講談社|page=244|author=岡崎大五著}}</ref>、[[昭和]]初期に[[東京]]で考案されたとされている<ref name=":9" />。
</gallery>

一説では、[[深川]][[常盤町]]の「名花堂」が発売した「'''洋食パン'''」が起源とされる<ref name=":6" /><ref name=":14" /><ref name=":31">{{Cite book|和書|title=カレーライスの誕生|date=2002-06-10|year=2002|publisher=株式会社講談社|page=124|author=小菅桂子著}}</ref>。[[1877年]]([[明治]]10年)に創業した同店は<ref name=":10" /><ref name="menu2">[[カレーパン#あのメニュー|あのメニューが生まれた店]] P.58</ref><ref name=":32">{{Cite book|和書|title=地元パン手帖|date=2016-02-25|year=2016|publisher=株式会社グラフィック社|page=6|author=甲斐みのり著}}</ref>、東京でも五指に入る[[老舗]][[パン屋]]として<ref name=":31" />業界で知らない者はいない店であったが<ref name=":33">{{Cite book|和書|title=うっとりカレーパン|date=2014-06-01|year=2014|publisher=株式会社スペースシャワーネットワーク|page=7|author=水野仁輔著}}</ref>、[[1923年]]([[大正]]12年)の[[関東大震災]]で店舗が全焼<ref name=":11" />。2代目の中田豊治は、店の立て直しのための新しいメニューの開発を模索した<ref name="menu2" /><ref>{{Cite book|和書|title=なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年|date=2016-10-10|year=2016|publisher=NHK出版<NHK出版新書501>|pages=126-127|author=阿古真理著}}</ref>。中田は、当時ブームとなっていた[[カレー]]を[[パン]]に使ってみようと考えたものの、水分が多く焼きにくかったため<ref name=":1" /><ref name=":8" /><ref name=":9" />、[[カツレツ]]を参考に、カレーを[[パン生地]]で包み[[パン粉]]を付けて[[油]]で揚げる調理法とした<ref name=":18" /><ref name=":29" /><ref name=":32" />。形が[[小判]]形であるのもこれに由来している<ref name=":29" /><ref name=":32" />。[[1927年]]([[昭和]]2年)に「洋食パン」と名付けて売り出すとともに<ref name=":6" /><ref name=":14" /><ref>{{Cite book|和書|title=にっぽん洋食物語大全|date=2017-08-10|year=2017|publisher=株式会社筑摩書房|page=180|author=小菅桂子著}}</ref>、同年1月に[[実用新案]]を申請し、同年7月に「実用新案出願公示第7824号」として登録された<ref>{{Cite book|和書|title=カレーライスの誕生|date=2002-06-10|year=2002|publisher=株式会社講談社|page=123|author=小菅桂子著}}</ref>。当時の深川周辺は[[工場]]が立ち並んでおり、片手で手軽に食べられ、ボリュームがあって腹持ちの良い「洋食パン」は、[[工員]]たちに歓迎されて大ヒットとなった<ref name=":15" />。いつしか「洋食パン」は、誰からともなく「カレーパン」と呼ばれるようになった<ref name=":8" /><ref name=":34">{{Cite book|和書|title=たべもの起源事典|date=2003-01-30|year=2003|publisher=株式会社東京堂出版|page=117|author=岡田哲編}}</ref>。「名花堂」は、太平洋戦争後に<ref name=":31" />[[江東区]][[森下]]に移転し<ref name=":29" />、店名も「カトレア」に改めているが<ref name=":10" />、辛口と甘口の「元祖カレーパン」は[[2022年]]([[令和]]4年)現在でも看板メニューであり<ref name=":1" /><ref name=":20" />、店内には「洋食パン」の実用新案認定書が掲げられている<ref name=":31" />。

これとは別に、東京都[[練馬区]]にある「デンマークブロート」(現「デンマークベーカリー」)もカレーパン発祥の店と主張している<ref name=":1" />。[[1934年]](昭和9年)創業の同店は、創業者がカレーサンドを発売し、後に油で揚げることを思いついたとしている<ref name=":1" />。2022年(令和4年)現在、同店では、[[ゆで卵]]を入れた「ゆで卵カレーパン」が人気となっている<ref name=":1" />。

また、発案者は不明としているものや<ref name=":2" /><ref name=":35">{{Cite book|和書|title=天晴れカレーパン|date=1984-12-18|year=1984|publisher=株式会社主婦の友社|page=196|author=石坂浩二著}}</ref>、[[ピロシキ]]が原形であるとする説のほか<ref name=":1" /><ref name=":30" /><ref name=":36">{{Cite book|和書|title=日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-|date=2018-05-20|year=2018|publisher=株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>|page=113|author=青木ゆり子著}}</ref>、[[新宿]]「[[中村屋]]」が発祥であるとする説もある<ref name=":1" /><ref name=":30" />。[[1901年]](明治34年)に[[本郷]]の[[東大赤門]]前で創業した同店は、[[クリームパン]]のヒットで新宿に進出し、1927年(昭和2年)に純インド式カリーやピロシキの販売を始めていたが<ref>{{Cite book|和書|title=天晴れカレーパン|date=1984-12-18|year=1984|publisher=株式会社主婦の友社|page=193|author=石坂浩二著}}</ref>、[[1940年]](昭和15年)、[[戦争]]によって十分な[[原材料]]を確保できなくなったため、カリーを少しでも多くの人に味わってもらえるようにと考えて、パンの中に少しずつ入れて提供することを思いついたとされる<ref name=":16" />。ただし、新宿「中村屋」自身は、当時の[[従業員]]から聞いた話として、[[1933年]](昭和8年)に他店が販売していたカレーパンを従業員で食してみたところ美味であったため、[[社長]]の[[相馬愛蔵]]・黒光夫妻に報告して「カリーパン」として作り始めたとしている<ref name=":35" />。

=== 普及と展開 ===
[[ファイル:Curry_bread_at_7-Eleven.jpg|サムネイル|日本のコンビニエンスストアで販売されているカレーパン]]
カレーパンの登場は、それまでの[[パン]]の常識を覆した<ref name=":33" />。[[カレー]]をパンに入れるという斬新なアイデアと<ref name=":1" /><ref name=":9" />、パンを[[油]]で揚げるという[[調理法]]の[[ハイカラ]]さが受けて<ref name=":31" /><ref name=":34" />、カレーパンは瞬く間に人気商品となり<ref name=":9" />、多くの[[パン屋]]が同様のパンを開発して全国に浸透していった<ref name=":17" />。

それぞれのパン屋では、[[キーマカレー]]や[[ビーフカレー]]<ref name=":16" />、[[ドライカレー]]、多種の[[スパイス]]を用いた本格的なカレーを[[フィリング]]としたものや<ref name=":17" />、[[ゆで卵]]を入れたもの<ref name=":16" />、あるいは、世の中の健康志向を受けて<ref name=":6" />油で揚げずに焼いた「焼きカレーパン」など<ref name=":19" /><ref name=":20" />、工夫を凝らした様々なカレーパンが創作されている<ref name=":1" />。カレーパンの成功を受けて様々な[[惣菜パン]]が考案されたが<ref name=":10" />、その中でもカレーパンは、「カレーパングランプリ」が開催されたり、[[コンビニエンスストア]]では店舗で揚げた揚げたてのものが販売されるなど、今日に至るまで不動の人気を獲得している<ref name=":1" />。

また、[[山崎製パン]]は、カレーパンをはじめとする惣菜パンや[[菓子パン]]の製造販売を[[アジア]]各地で展開し、成功を収めている<ref name=":30" />。

== 調理法 ==
[[パン生地]]は[[食パン]]や[[バターロール]]と同じような生地を用いるが<ref name=":18" />、[[カレー]]を包むことから通常より固めの生地とする<ref name=":37">{{Cite book|和書|title=パンの基本大図鑑|date=2003-03-27|year=2003|publisher=株式会社講談社|page=284|author=辻製パン技術専門カレッジ監修・吉野精一著}}</ref>。カレー[[フィリング]]も[[つなぎ]]を多めにして<ref name=":37" />汁気の少ないものを用い<ref name=":1" />、生地に包んでしっかりと閉じる<ref name=":18" /><ref name=":37" />。カレーフィリングが多すぎるとバランスが悪くなるため、生地に対して最大7割程度の量が適当である<ref name=":37" />。

カレーが水分を多く含み[[窯]]で焼くには技術を要するため<ref name=":8" />、揚げることが多い<ref name=":16" />。[[フライ]]と同じように[[パン粉]]を付けて[[油]]で揚げる<ref name=":18" />。上下の生地の厚さが均等になるのが良いとされ<ref name=":2" />、生地がゆるんでから揚げると形よく仕上がる<ref name=":37" />。揚げると生地が急激に膨張するため、カレーフィリングと生地の間には空洞が生じることになる<ref name=":2" />。

通常の[[パン]]とは違う材料の仕入れが必要となり、しかも長時間[[コンロ]]を占領することになるため<ref name=":13" />、[[パン屋]]にとってカレーフィリングの自家製は容易ではない<ref name=":38">{{Cite book|和書|title=うっとりカレーパン|date=2014-06-01|year=2014|publisher=株式会社スペースシャワーネットワーク|page=111|author=水野仁輔著}}</ref>。そのため、カレーパンに自家製のカレーフィリングを用いている店はそれほど多くはない<ref name=":13" /><ref name=":38" />。

揚げたてのうちに食するのが最も美味であるが<ref name=":18" /><ref name=":33" />、冷めた場合は、[[電子レンジ]]で30秒前後温めた後、[[オーブントースター]]で表面がカリッとするまで焼くと良い<ref>{{Cite journal|author=天然生活編集部編|year=2018|date=2018-08-01|title=特集 サンドイッチとカレーパン|journal=天然生活|volume=15|issue=8|page=49}}</ref>。

== 栄養素 ==
[[日本食品標準成分表]]2020年版(八訂)によれば、皮と具を合わせたカレーパンの100gあたりの栄養成分は、[[エネルギー]]302kcal、[[タンパク質]]6.6g、[[脂質]]18.3g、[[炭水化物]]32.3gなどとなっている<ref>{{Cite web |url=https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html |title=日本食品標準成分表2020年版(八訂) |access-date=2022-06-24 |publisher=文部科学省}}</ref>。炭水化物([[糖質]])を含む[[パン生地]]や[[パン粉]]が使われており、[[油]]で揚げているため[[カロリー]]は高めである<ref name=":39">{{Cite web |url=https://39mag.benesse.ne.jp/housework/content/?id=84455 |title=【管理栄養士監修】「カレーパン」は太りやすい?気になるカロリーと炭水化物量まとめ |access-date=2022-06-24 |publisher=株式会社ベネッセコーポレーション |website=サンキュ! |date=2021-09-24}}</ref><ref name=":40">{{Cite web |url=https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/04/post-8070.html |title=【管理栄養士監修】カレーパンのカロリーと栄養素|栄養図鑑 |access-date=2022-06-24 |publisher=株式会社ゼネラルリンク |website=オリーブオイルをひとまわし |date=2022-02-03}}</ref>。一方、カレーに[[肉]]や[[野菜]]などを含むため、様々な[[栄養素]]が含まれている<ref name=":40" />。[[サラダ]]など<ref name=":18" />野菜とともに食べるとバランスが良くなり<ref name=":41">{{Cite web |url=https://macaro-ni.jp/83332 |title=カレーパンのカロリーは高い?ダイエット中におすすめの食べ方を管理栄養士が紹介 |access-date=2022-06-24 |publisher=株式会社トラストリッジ |website=macaroni |date=2019-11-14}}</ref>、カロリーや糖質が気になる場合は、[[朝食]]にしたり温かいものと食べると良いとされる<ref name=":39" /><ref name=":41" />。また、焼きカレーパンであれば摂取カロリーを抑えることができるほか、低糖質のカレーパンも市販されている<ref name=":40" /><ref name=":41" />。

== 類似料理 ==
カレーパンは[[日本]]で生まれた[[惣菜パン]]であるが、[[カレー]]などを[[パン]]などで包んだり挟む料理は世界各地に存在する<ref name=":4">{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|page=64|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。

=== アジア ===
[[ファイル:Kampar_curry_bread_when_open_inside.jpg|サムネイル|カリー・チキン・バン]]
[[ファイル:Karipap_Chiang_Mai.jpg|サムネイル|カリー・パフ]]
[[ファイル:Masala_Dosa,_Saravanaa_Bhavan,_Paris_001.jpg|サムネイル|マサーラー・ドーサ]]

* カリー・チキン・バン (Curry Chicken Bun)
** [[チキンカレー]]を[[紙]]で包み、さらに[[パン生地]]で包んで焼き上げたもの<ref name=":4" />。[[マレーシア]]の[[ペラ州]]カンパ―の[[名物料理]]として知られる<ref name=":4" />。パンをちぎって、中のカレーにつけながら食べる<ref name=":4" />。
* カリー・パフ (Curry Puff)
** カレー風味の[[フィリング]]を入れて半月形にしたもの<ref name=":4" />。[[インドネシア]]、マレーシア、[[シンガポール]]、[[タイ]]など[[東南アジア]]で食されている<ref name=":4" />。[[インド]]のサモサや[[イギリス]]の[[コーニッシュ・パスティ]]の影響を受けているとされる<ref name=":4" />。
* [[サモサ]] (Samosa) ・サンブーセック (Sambousek)
** カレー風味のフィリングをパン生地で包んで油で揚げたもの<ref name=":4" />。[[イラン高原]]が発祥とされ、[[中東]]や[[南アジア]]で良く食べられている<ref name=":4" />。南アジアでは「サモサ」と呼び、[[ジャガイモ]]や[[豆]]などの[[野菜]]を用いて[[三角形]]に成形する<ref name=":4" />。中東では「サンブーセック」と呼び、[[ひき肉]]などを用いて三日月形とする<ref name=":4" />。
* チャイニーズ・ロール (Chinese Rolls)
** カレー風味の野菜や[[魚]]、[[卵]]などを具とする、[[スリランカ]]の[[スナック]]「ショートイーツ」の一種<ref name=":4" />。日本のカレーパンによく似ており<ref name=":4" />、日錫貿易に長年携わる某日本人[[実業家]]が自分が持ち込んだと語っているという話もあるが、真偽は定かではない<ref>{{Cite book|和書|title=腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き|date=2017-10-10|year=2017|publisher=株式会社講談社|page=246|author=岡崎大五著}}</ref>。
* ビスキーミヤ (Bis Keemiya)
** [[モルディブ]]で、[[紅茶]]と食するスナック「ヘディカ」の一種<ref name=":5">{{Cite book|和書|title=世界のカレー図鑑|date=2022-03-29|year=2022|publisher=株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>|page=65|author=地球の歩き方編集室編著}}</ref>。[[カツオ]]を用いる<ref name=":5" />。「モルディブのサモサ」とも言われる<ref name=":5" />。
* マサーラー・ドーサ (Masala Dosa)
** ジャガイモのカレーを包んだ薄焼きパン<ref name=":4" />。インドで[[朝食]]の定番となっている<ref name=":4" />。[[ココナッツ]][[チャツネ]]や[[サーンバール]]が添えられることが多い<ref name=":4" />。
* [[ムルタバ]] (Murtabaq) ・ムタバック (Mutabbak)
** [[スパイス]]のきいたひき肉を生地で包み、折りたたんで焼いたもの<ref name=":4" />。[[サウジアラビア]]や[[イエメン]]で「ムタバック」と呼ばれるものが、インド経由で東南アジアに伝わり「ムルタバ」と呼ばれている<ref name=":4" />。

=== アフリカ ===
[[ファイル:DSCN2542_2_(5580425381).jpg|サムネイル|ドール・プリ―]]
[[ファイル:Vetkoek_with_mince-001.jpg|サムネイル|フェトケック]]

* ドール・プリ― (Dholl Puri)
** [[キマメ]]の生地にカレー風味の豆や[[チャツネ]]を載せて丸めて食べるもの<ref name=":5" />。インド系の住民が[[モーリシャス]]で広めたとされ、ストリートフードとして人気となっている<ref name=":5" />。
* ナイジェリアン・スプリング・ロール (Nigerian Spring Rolls)
** スパイスを効かせたひき肉などを具にして揚げたもの<ref name=":5" />。[[ナイジェリア]]で[[結婚式]]などの[[イベント]]の際に[[前菜]]として提供される<ref name=":5" />。
* [[バニーチャウ]] (Bunny Chow)
** [[食パン]]の中身をくり抜き、[[マトン]]や[[チキン]]のカレーを入れたもの<ref name=":5" />。[[南アフリカ]]で食されている<ref name=":5" />。
* フェトケック (Vetkoek)
** 油で揚げたパンを2つに切り、間にひき肉のカレー炒めを挟んだ[[ハンバーガー]]に似た料理<ref name=":5" />。南アフリカから[[ナミビア]]、[[ボツワナ]]で一般的に食されている<ref name=":5" />。

=== ヨーロッパ ===

* パン・オ・キュルキュマ (Pain au Curcuma)
** [[ターメリック]]を塗り込んだ[[フランスパン]]<ref name=":5" />。[[ナッツ]]類を入れることもある<ref name=":5" />。
* [[ピロシキ]](ベリャーシ)
** パン生地に具を詰めて[[オーブン]]で焼いた[[ロシア料理]]<ref>{{Cite book|和書|title=日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-|date=2018-05-20|year=2018|publisher=株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>|pages=112-113|author=青木ゆり子著}}</ref>。[[ロシア]]ではパイの一種とみなされる<ref>{{Cite book|和書|title=日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-|date=2018-05-20|year=2018|publisher=株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>|page=112|author=青木ゆり子著}}</ref>。日本では[[パン粉]]をつけて油で揚げたものが一般的だが、これはロシアでは「ベリャーシ」と呼ばれる<ref name=":36" />。カレーパンの原形になったとも言われる<ref name=":36" />。

=== 南北アメリカ ===
[[ファイル:FOOD_Aloo_Pie_6.jpg|サムネイル|アルー・パイ]]
[[ファイル:FOOD_Doubles_2.jpg|サムネイル|ダブルス]]

* アルー・パイ (Aloo Pie)
** スパイスを効かせたジャガイモのフィリングを生地で包んで揚げたもの<ref name=":5" />。[[トリニダード・トバゴ]]の定番のストリートフードである<ref name=":5" />。
* [[エンパナーダ]] (Empanada)
** 発祥は[[イベリア半島]]だが、南米のものが有名。スパイスのきいたひき肉などを具材としたもの<ref name=":5" />。
* [[ダブルス]] (Doubles)
** カレー風味の[[ヒヨコ豆]]を[[ロティ]]にのせ、好みのソースをかけて食べるもの<ref name=":5" />。これもトリニダード・トバゴで定番のストリートフードで、国民食と言えるほどの人気を博している<ref name=":5" />

=== オセアニア ===
[[ファイル:Scallop_pie_(cropped).jpg|サムネイル|ホタテパイ]]

* ホタテパイ (Scallops Pie)
** カレー風味の[[ホタテ]]のフィリングをパイ生地に入れて焼いたもの<ref name=":5" />。[[オーストラリア]]の[[タスマニア]]の名物料理<ref name=":5" />。

== 取り上げた作品 ==

* 『[[アンパンマン]]』([[やなせたかし]]作)
*: [[ヒーロー]]のひとりとして、頭がカレーパンの[[カレーパンマン]]が登場する<ref name=":0" />。「カレーパンチ」「カレーキック」を得意技とするほか、口から熱いカレーを相手に吹き付けて攻撃する<ref name=":16" />。
* 『天晴れカレーパン』([[石坂浩二]]著、株式会社[[主婦の友社]]発行)
*: 石坂が[[パーソナリティー]]を務めていた[[FM東京]]の[[ラジオ番組]]「トヨタ・ミュージック・スコープ」で、「カレーパンを食べ[[ビール]]を飲み[[新聞]]を眺めた、このときこそが若い日々での至福のひとときだ」と話したことをきっかけに[[リスナー]]から寄せられた、カレーパンに関する大量の[[手紙]]を基に書かれた本<ref>{{Cite book|和書|title=天晴れカレーパン|date=1984-12-18|year=1984|publisher=株式会社主婦の友社|pages=5-7|author=石坂浩二著}}</ref>。番組宛にカレーパンに関する手紙を出すと、石坂がデザインしたカレーパンバッジがもらえた<ref>{{Cite book|和書|title=天晴れカレーパン|date=1984-12-18|year=1984|publisher=株式会社主婦の友社|page=6|author=石坂浩二著}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

* [[青木ゆり子]]著『日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-』株式会社[[ミネルヴァ書房]]<シリーズ・日本再発見9>、2018年5月。ISBN 978-4-623-08291-9
* [[阿古真理]]著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』[[NHK出版]]<[[NHK出版新書]]501>、2016年10月。ISBN 978-4-14-088501-7
* 旭屋出版編『BREAD & SWEETS BOOK vol.2』株式会社旭屋出版<旭屋出版MOOK>、2010年9月。ISBN 978-4-7511-0887-1
* [[石坂浩二]]著『天晴れカレーパン』株式会社[[主婦の友社]]、1984年12月。ISBN 4-07-921220-8
* 井上宏生著『日本人はカレーライスがなぜ好きなのか』株式会社[[平凡社]]<[[平凡社新書]]066>、2000年11月。ISBN 4-582-85066-9
* 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月。ISBN 978-4-7511-0696-9
* [[枻出版社]]編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月。ISBN 978-4-7779-2274-1
* [[岡崎大五]]著『腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き』株式会社[[講談社]]、2017年10月。ISBN 978-4-06-220791-1
* [[岡田哲]]編『たべもの起源事典』株式会社[[東京堂出版]]、2003年1月。ISBN 4-490-10616-5
* [[甲斐みのり]]著『地元パン手帖』株式会社[[グラフィック社]]、2016年2月。ISBN 978-4-7661-2828-4
* 加来翔太郎監修・オカタオカ著『カレー語辞典』株式会社[[誠文堂新光社]]、2016年8月。ISBN 978-4-416-61675-8
* {{Cite book|和書
* {{Cite book|和書
|author = 菊地武顕
|author = 菊地武顕
63行目: 145行目:
|isbn = 978-4582634860
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|ref = あのメニュー}}
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* [[小菅桂子]]著『カレーライスの誕生』株式会社講談社、2002年6月。ISBN 4-06-258243-0
* 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社[[筑摩書房]]、2017年8月。ISBN 978-4-480-43465-4
* コリーン・テイラー・セン著・竹田円訳『カレーの歴史』株式会社[[原書房]]<「食」の図書館>、2013年8月。ISBN 978-4-562-04938-7
* 根田春子著『パンのはなし』技報堂出版株式会社、1989年2月。ISBN 4-7655-4350-1
* [[柴田書店]]編『人気のパン★ヒットパレード 繁盛パン屋さんの菓子パン おかずパン おつまみパン』株式会社柴田書店、2011年12月。ISBN 978-4-388-06131-0
* 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社[[彩流社]]、2013年9月。ISBN 978-4-7791-1934-7
* [[成美堂出版]]編集部編『パンの事典』成美堂出版、2006年10月。ISBN 4-415-03995-2
* [[地球の歩き方]]編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月。ISBN 978-4-05-801751-7
* 辻製パン技術専門カレッジ監修・吉野精一著『パンの基本大図鑑』株式会社講談社、2003年3月。ISBN 4-06-210994-8
* [[天然生活]]編集部編「特集 サンドイッチとカレーパン」『天然生活』第15巻第8号(通巻165号)、株式会社[[地球丸]]、2018年8月。
* [[富田仁]]著『西洋料理がやってきた』[[東京書籍]]株式会社、1983年10月。
* 日本パンコーディネーター協会監修『知識ゼロからのパン入門』株式会社[[幻冬舎]]、2010年7月。ISBN 978-4-344-90194-0
* [[ハウス食品]]株式会社監修『世界のカレー図鑑』株式会社[[マイナビ出版]]、2019年7月。ISBN 978-4-8399-7013-0
* 荻山和也監修・ぱんとたまねぎ著『パン語辞典』株式会社[[誠文堂新光社]]、2013年10月。ISBN 978-4-416-61328-3
* [[松宏彰]]著『ニッポンカレーカルチャーガイド』株式会社[[Pヴァイン]]、2022年2月。ISBN 978-4-909483-97-3
* [[水野仁輔]]著『うっとりカレーパン』株式会社[[スペースシャワーネットワーク]]、2014年6月。ISBN 978-4-907435-24-0
* 八百啓介編著『外来食文化と日本人』株式会社[[弦書房]]、2020年9月。ISBN 978-4-86329-205-5
* 吉野精一著『基礎からわかる製パン技術』株式会社柴田書店、2011年3月。ISBN 978-4-388-06107-5
* 吉野精一著『パンづくりの科学』株式会社誠文堂新光社、2012年9月。ISBN 978-4-416-81295-2


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

* [[中華まん|カレーまん]] - 中にカレーを包んだ中華まん。
* [[中華まん|カレーまん]] - 中にカレーを包んだ中華まん。
* [[カレーパイ]] - パイ生地でカレーを包んで焼き上げた食品。
* [[カレーパイ]] - パイ生地でカレーを包んで焼き上げた食品。
* [[バニーチャウ]] - [[食パン]]の器にインドカレーを注いだ[[南アフリカ]]の食品。
* [[バニーチャウ]] - [[食パン]]の器にインドカレーを注いだ[[南アフリカ]]の食品。
* [[ピロシキ]]
* [[カレーパンマン]] - カレーパンをモチーフにした『[[アンパンマン]]』シリーズのキャラクターのひとり。
* 『天晴れカレーパン』([[石坂浩二]]、[[主婦の友社]])1984年 ISBN:978-4079212205
*: 当時、石坂がパーソナリティーを務めていた[[FM東京]]のラジオ番組「[[トヨタ・ミュージック・スコープ]]」に届いた、カレーパンに関するリスナーからの大量の手紙が契機となって書かれた本。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Curry breads}}
{{Commonscat|Curry breads}}

* [http://www.currypan.jp/ 日本カレーパン協会]
* [http://www.currypan.jp/ 日本カレーパン協会]
* [http://www.morisita.net/catlea/ 元祖カレーパン カトレア]{{リンク切れ|date=2020年2月}}
* [http://www.morisita.net/catlea/ 元祖カレーパン カトレア]{{リンク切れ|date=2020年2月}}
79行目: 180行目:
* [http://denmarkbakery.jp/index.html デンマークベーカリー(練馬のパン屋)]{{リンク切れ|date=2020年4月}}
* [http://denmarkbakery.jp/index.html デンマークベーカリー(練馬のパン屋)]{{リンク切れ|date=2020年4月}}
* [http://www.nakamuraya.co.jp/pavilion/secret/curry/ 純印度式カリー│おいしさの秘密│新宿中村屋]
* [http://www.nakamuraya.co.jp/pavilion/secret/curry/ 純印度式カリー│おいしさの秘密│新宿中村屋]

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2022年6月28日 (火) 04:48時点における版

パン > 調理パン > カレーパン
カレーパン
カレーパンの断面
別名 カレードーナツ
種類 総菜パン
発祥地 日本の旗 日本
地域 東京
関連食文化 洋食
考案者 中田豊治?
誕生時期 1927年(昭和2年)?
主な材料 小麦粉、カレー
食物エネルギー
(100 gあたり)
302 kcal (1264 kJ)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
栄養素
(100 gあたり)
タンパク質 6.6 g
脂肪 18.3 g
炭水化物 32.3 g
類似料理 ピロシキ、サモサ、ムルタバ、バニーチャウ、エンパナーダ、ダブルスなど
Cookbook ウィキメディア・コモンズ
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カレーパンは、カレーを具(フィリング)とする調理パン(惣菜パン)である[1][2]パン生地でカレーを包み、パン粉をつけてで揚げたものが一般的だが[1][3]、油で揚げずに焼いた「焼きカレーパン」も増えてきている[4][5]。油で揚げたものはカレードーナツとも呼ばれる[6]昭和初期に考案された[2][7]日本生まれの西洋料理洋食)の一つであるが[8]、カレーとパンなどを組み合わせた料理は世界各地でも見られる[9]

惣菜パンの元祖であり、各種の惣菜パンが考案されるきっかけになったとされている[10]。さまざまなパン屋が工夫を凝らしたカレーパンで人気を競っており[11][12]、惣菜パンの定番の一つとなっている[5][13]

特徴

揚げられたままの状態と断面
焼きカレーパン

カレーカツレツをヒントに考案されたとされる[3]。カレーパンが誕生した昭和初期は、明治維新以降西洋技術文化を積極的に取り入れる中で[14]日本に伝来した西洋料理が日本風にアレンジされて洋食として定着した時期に当たり[15]、カレーパンもこうした流れの中で誕生したものである[14]。西洋のパンインドのカレーを入れるという斬新な発想は[2][7]、他国から受容した食材を独自にうまく組み合わせた、日本ならではのパンと評価されている[5]

厚い小判形あるいは潰したフットボールのような形が基本[16]で揚げたものが多く[1][17]、表面のサクッとした食感と[18][19]スパイシーな香りとコクが特徴である[20]。カレーフィリングは、カレーライスのカレーより固めのものを使うのが一般的で[2]、店によって辛さが異なったり[12]キーマカレービーフカレーを用いる、ゆで卵を入れるなど、多様なバリエーションがある[17]

テイクアウトもでき持ち運びも容易なカレーパンは[21]昼食おやつに適しており[19]、さまざまなカレー料理の中で最も親しまれているともされる[21]。辛口のカレーパンは、ビールにも合う[19]。他の惣菜パンと比べて日持ちすることからスーパーマーケットコンビニエンスストアでも人気となっている[18]

歴史

背景

発酵させた生地を焼く西洋風のパンは、戦国時代ポルトガル人によってもたらされ[22][23][24]キリスト教とともに普及していった[25][26]。しかし、江戸幕府による禁教鎖国政策によってパン食も禁じられ、忘れ去られていった[27][28][29]。西洋風のパンは、江戸時代後期に携帯用の兵糧として注目された後[30][31][32]明治時代に入って一般に広まるようになる[33]1860年万延元年)に横浜で内海兵吉がのちに「冨田屋」となるパン屋を開業[34]東京では1868年明治元年)に銀座風月堂」がパンづくりを始め[35]、翌1869年(明治2年)に木村安兵衛が「文英堂」(現「木村屋總本店」)を開業した[33][36][37]

日本でパンは独自の進化を遂げた[36]1874年(明治7年)、「木村屋」は日本酒の酒種で生地を発酵させあんを包んで焼く「酒種あんぱん」を考案[38][39]明治天皇に献上する機会に恵まれ[38][39][40]チンドン屋を使った宣伝も奏功して人気となった[41]西洋のパンと日本のあんを組み合わせたあんパンは注目を集め[33][38]、その後のさまざまな日本独自のパンの発明につながっていった[42]1900年(明治33年)には「木村屋」の木村儀四郎によってジャムパンが、1904年(明治37年)には新宿中村屋」の相馬愛蔵によってクリームパンが考案されている[42][43][44]。こうしてパンは広く日本人の生活に浸透していった[45]

一方、カレーが日本にもたらされたのも、江戸時代末期に鎖国が解かれて以降である[46]イギリスを通じて持ち込まれたカレーは[46][47]、サラサラとしたインドのカレーとは異なり[48]ルー小麦粉とろみが付けられたものであった[48][49]。カレーは、日本人になじみの深いとともに食する西洋料理として受け入れられ[50]日本軍が、体格向上のために肉食を奨励し、野菜と米を一度に取れ安上がりで食べ応えもあるメニューとして取り入れ[51]兵役を終えた兵士がそれぞれの故郷の家庭に伝えたことで全国に広まった[52]。また、大正末期から昭和初期にかけては、新宿「中村屋」や銀座「資生堂パーラー」といった高級洋食店でも人気のメニューとなった[53]。こうして日本に定着して人気となったカレーは[54]、次第に、ニンジンジャガイモタマネギなどの具材を煮込んだ日本独自のカレーとして[53]、インドのものともイギリスのものとも異なるカレーへと進化した[55]。カレーは、西洋料理米飯に合う形にアレンジされた洋食として世の中に広まっていった洋食ブームの中で[56]コロッケカツレツと並ぶ三大洋食ともてはやされていった[15][18][57]

誕生

カレーパン発祥の店とされる「名花堂」(現「カトレア」)

カレーパンの起源については諸説あるが[2][58]昭和初期に東京で考案されたとされている[7]

一説では、深川常盤町の「名花堂」が発売した「洋食パン」が起源とされる[4][14][59]1877年明治10年)に創業した同店は[10][60][61]、東京でも五指に入る老舗パン屋として[59]業界で知らない者はいない店であったが[62]1923年大正12年)の関東大震災で店舗が全焼[11]。2代目の中田豊治は、店の立て直しのための新しいメニューの開発を模索した[60][63]。中田は、当時ブームとなっていたカレーパンに使ってみようと考えたものの、水分が多く焼きにくかったため[2][6][7]カツレツを参考に、カレーをパン生地で包みパン粉を付けてで揚げる調理法とした[19][56][61]。形が小判形であるのもこれに由来している[56][61]1927年昭和2年)に「洋食パン」と名付けて売り出すとともに[4][14][64]、同年1月に実用新案を申請し、同年7月に「実用新案出願公示第7824号」として登録された[65]。当時の深川周辺は工場が立ち並んでおり、片手で手軽に食べられ、ボリュームがあって腹持ちの良い「洋食パン」は、工員たちに歓迎されて大ヒットとなった[15]。いつしか「洋食パン」は、誰からともなく「カレーパン」と呼ばれるようになった[6][66]。「名花堂」は、太平洋戦争後に[59]江東区森下に移転し[56]、店名も「カトレア」に改めているが[10]、辛口と甘口の「元祖カレーパン」は2022年令和4年)現在でも看板メニューであり[2][21]、店内には「洋食パン」の実用新案認定書が掲げられている[59]

これとは別に、東京都練馬区にある「デンマークブロート」(現「デンマークベーカリー」)もカレーパン発祥の店と主張している[2]1934年(昭和9年)創業の同店は、創業者がカレーサンドを発売し、後に油で揚げることを思いついたとしている[2]。2022年(令和4年)現在、同店では、ゆで卵を入れた「ゆで卵カレーパン」が人気となっている[2]

また、発案者は不明としているものや[3][67]ピロシキが原形であるとする説のほか[2][58][68]新宿中村屋」が発祥であるとする説もある[2][58]1901年(明治34年)に本郷東大赤門前で創業した同店は、クリームパンのヒットで新宿に進出し、1927年(昭和2年)に純インド式カリーやピロシキの販売を始めていたが[69]1940年(昭和15年)、戦争によって十分な原材料を確保できなくなったため、カリーを少しでも多くの人に味わってもらえるようにと考えて、パンの中に少しずつ入れて提供することを思いついたとされる[17]。ただし、新宿「中村屋」自身は、当時の従業員から聞いた話として、1933年(昭和8年)に他店が販売していたカレーパンを従業員で食してみたところ美味であったため、社長相馬愛蔵・黒光夫妻に報告して「カリーパン」として作り始めたとしている[67]

普及と展開

日本のコンビニエンスストアで販売されているカレーパン

カレーパンの登場は、それまでのパンの常識を覆した[62]カレーをパンに入れるという斬新なアイデアと[2][7]、パンをで揚げるという調理法ハイカラさが受けて[59][66]、カレーパンは瞬く間に人気商品となり[7]、多くのパン屋が同様のパンを開発して全国に浸透していった[18]

それぞれのパン屋では、キーマカレービーフカレー[17]ドライカレー、多種のスパイスを用いた本格的なカレーをフィリングとしたものや[18]ゆで卵を入れたもの[17]、あるいは、世の中の健康志向を受けて[4]油で揚げずに焼いた「焼きカレーパン」など[20][21]、工夫を凝らした様々なカレーパンが創作されている[2]。カレーパンの成功を受けて様々な惣菜パンが考案されたが[10]、その中でもカレーパンは、「カレーパングランプリ」が開催されたり、コンビニエンスストアでは店舗で揚げた揚げたてのものが販売されるなど、今日に至るまで不動の人気を獲得している[2]

また、山崎製パンは、カレーパンをはじめとする惣菜パンや菓子パンの製造販売をアジア各地で展開し、成功を収めている[58]

調理法

パン生地食パンバターロールと同じような生地を用いるが[19]カレーを包むことから通常より固めの生地とする[70]。カレーフィリングつなぎを多めにして[70]汁気の少ないものを用い[2]、生地に包んでしっかりと閉じる[19][70]。カレーフィリングが多すぎるとバランスが悪くなるため、生地に対して最大7割程度の量が適当である[70]

カレーが水分を多く含みで焼くには技術を要するため[6]、揚げることが多い[17]フライと同じようにパン粉を付けてで揚げる[19]。上下の生地の厚さが均等になるのが良いとされ[3]、生地がゆるんでから揚げると形よく仕上がる[70]。揚げると生地が急激に膨張するため、カレーフィリングと生地の間には空洞が生じることになる[3]

通常のパンとは違う材料の仕入れが必要となり、しかも長時間コンロを占領することになるため[13]パン屋にとってカレーフィリングの自家製は容易ではない[71]。そのため、カレーパンに自家製のカレーフィリングを用いている店はそれほど多くはない[13][71]

揚げたてのうちに食するのが最も美味であるが[19][62]、冷めた場合は、電子レンジで30秒前後温めた後、オーブントースターで表面がカリッとするまで焼くと良い[72]

栄養素

日本食品標準成分表2020年版(八訂)によれば、皮と具を合わせたカレーパンの100gあたりの栄養成分は、エネルギー302kcal、タンパク質6.6g、脂質18.3g、炭水化物32.3gなどとなっている[73]。炭水化物(糖質)を含むパン生地パン粉が使われており、で揚げているためカロリーは高めである[74][75]。一方、カレーに野菜などを含むため、様々な栄養素が含まれている[75]サラダなど[19]野菜とともに食べるとバランスが良くなり[76]、カロリーや糖質が気になる場合は、朝食にしたり温かいものと食べると良いとされる[74][76]。また、焼きカレーパンであれば摂取カロリーを抑えることができるほか、低糖質のカレーパンも市販されている[75][76]

類似料理

カレーパンは日本で生まれた惣菜パンであるが、カレーなどをパンなどで包んだり挟む料理は世界各地に存在する[77]

アジア

カリー・チキン・バン
カリー・パフ
マサーラー・ドーサ

アフリカ

ドール・プリ―
フェトケック

ヨーロッパ

南北アメリカ

アルー・パイ
ダブルス
  • アルー・パイ (Aloo Pie)
  • エンパナーダ (Empanada)
    • 発祥はイベリア半島だが、南米のものが有名。スパイスのきいたひき肉などを具材としたもの[79]
  • ダブルス (Doubles)
    • カレー風味のヒヨコ豆ロティにのせ、好みのソースをかけて食べるもの[79]。これもトリニダード・トバゴで定番のストリートフードで、国民食と言えるほどの人気を博している[79]

オセアニア

ホタテパイ

取り上げた作品

脚注

出典

  1. ^ a b c d コリーン・テイラー・セン著『カレーの歴史』株式会社原書房<「食」の図書館>、2013年8月29日、161頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月29日、215頁。 
  3. ^ a b c d e 吉野精一著『基礎からわかる製パン技術』株式会社柴田書店、2011年3月31日、185頁。 
  4. ^ a b c d 荻山和也監修・ぱんとたまねぎ著『パン語辞典』株式会社誠文堂新光社、2013年10月20日、55頁。 
  5. ^ a b c 日本パンコーディネーター協会監修『知識ゼロからのパン入門』株式会社幻冬舎、2010年7月30日、156頁。 
  6. ^ a b c d 小菅桂子著『カレーライスの誕生』株式会社講談社、2002年6月10日、125頁。 
  7. ^ a b c d e f ハウス食品株式会社監修『世界のカレー図鑑』株式会社マイナビ出版、2019年7月29日、89頁。 
  8. ^ 八百啓介編著『外来食文化と日本人』株式会社弦書房、2020年9月30日、153-154頁。 
  9. ^ 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月29日、64-65頁。 
  10. ^ a b c d 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月10日、126頁。 
  11. ^ a b 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、47頁。 
  12. ^ a b 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月7日、161-162頁。 
  13. ^ a b c 柴田書店編『人気のパン★ヒットパレード 繁盛パン屋さんの菓子パン おかずパン おつまみパン』株式会社柴田書店、2011年12月30日、77頁。 
  14. ^ a b c d 井上宏生著『日本人はカレーライスがなぜ好きなのか』株式会社平凡社<平凡社新書066>、2000年11月20日、103頁。 
  15. ^ a b c 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月10日、127頁。 
  16. ^ 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月7日、161頁。 
  17. ^ a b c d e f g 加来翔太郎監修・オカタオカ著『カレー語辞典』株式会社誠文堂新光社、2016年8月18日、79頁。 
  18. ^ a b c d e 成美堂出版編集部編『パンの事典』成美堂出版、2006年10月6日、84頁。 
  19. ^ a b c d e f g h i 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月7日、162頁。 
  20. ^ a b 旭屋出版編『BREAD & SWEETS BOOK vol.2』株式会社旭屋出版<旭屋出版MOOK>、2010年9月28日、52頁。 
  21. ^ a b c d 松宏彰著『ニッポンカレーカルチャーガイド』株式会社Pヴァイン、2022年2月28日、55頁。 
  22. ^ 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月7日、274頁。 
  23. ^ 富田仁著『西洋料理がやってきた』東京書籍株式会社、1983年10月26日、56頁。 
  24. ^ 根田春子著『パンのはなし』技報堂出版株式会社、1989年2月20日、113頁。 
  25. ^ 吉野精一著『パンづくりの科学』株式会社誠文堂新光社、2012年9月26日、40頁。 
  26. ^ 根田春子著『パンのはなし』技報堂出版株式会社、1989年2月20日、116頁。 
  27. ^ 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、42頁。 
  28. ^ 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月7日、274-275頁。 
  29. ^ 吉野精一著『パンづくりの科学』株式会社誠文堂新光社、2012年9月26日、42頁。 
  30. ^ 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、42-43頁。 
  31. ^ 富田仁著『西洋料理がやってきた』東京書籍株式会社、1983年10月26日、59頁。 
  32. ^ 根田春子著『パンのはなし』技報堂出版株式会社、1989年2月20日、119頁。 
  33. ^ a b c 成美堂出版編集部編『パンの事典』成美堂出版、2006年10月6日、101頁。 
  34. ^ 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月10日、107頁。 
  35. ^ 井上宏生著『日本人はカレーがなぜ好きなのか』株式会社平凡社<平凡社新書066>、2000年11月20日、102頁。 
  36. ^ a b 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、44頁。 
  37. ^ 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月10日、246頁。 
  38. ^ a b c 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、45頁。 
  39. ^ a b 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月10日、254頁。 
  40. ^ 日本パンコーディネーター協会監修『知識ゼロからのパン入門』株式会社幻冬舎、2010年7月30日、153頁。 
  41. ^ 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月10日、257頁。 
  42. ^ a b 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月10日、120頁。 
  43. ^ 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、45-46頁。 
  44. ^ 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月10日、259-260頁。 
  45. ^ 吉野精一著『パンづくりの科学』株式会社誠文堂新光社、2012年9月26日、43頁。 
  46. ^ a b 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社彩流社、2013年9月16日、12頁。 
  47. ^ コリーン・テイラー・セン著『カレーの歴史』株式会社原書房<「食」の図書館>、2013年8月29日、158頁。 
  48. ^ a b 八百啓介編著『外来食文化と日本人』株式会社弦書房、2020年9月30日、151頁。 
  49. ^ 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社彩流社、2013年9月16日、13頁。 
  50. ^ 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社彩流社、2013年9月16日、15頁。 
  51. ^ コリーン・テイラー・セン著『カレーの歴史』株式会社原書房<「食」の図書館>、2013年8月29日、159頁。 
  52. ^ 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月29日、206頁。 
  53. ^ a b 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社彩流社、2013年9月16日、16頁。 
  54. ^ コリーン・テイラー・セン著『カレーの歴史』株式会社原書房<「食」の図書館>、2013年8月29日、158-159頁。 
  55. ^ 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月29日、208頁。 
  56. ^ a b c d 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月10日、46頁。 
  57. ^ 八百啓介編著『外来食文化と日本人』株式会社弦書房、2020年9月30日、153頁。 
  58. ^ a b c d 岡崎大五著『腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き』株式会社講談社、2017年10月10日、244頁。 
  59. ^ a b c d e 小菅桂子著『カレーライスの誕生』株式会社講談社、2002年6月10日、124頁。 
  60. ^ a b あのメニューが生まれた店 P.58
  61. ^ a b c 甲斐みのり著『地元パン手帖』株式会社グラフィック社、2016年2月25日、6頁。 
  62. ^ a b c 水野仁輔著『うっとりカレーパン』株式会社スペースシャワーネットワーク、2014年6月1日、7頁。 
  63. ^ 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月10日、126-127頁。 
  64. ^ 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月10日、180頁。 
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  69. ^ 石坂浩二著『天晴れカレーパン』株式会社主婦の友社、1984年12月18日、193頁。 
  70. ^ a b c d e 辻製パン技術専門カレッジ監修・吉野精一著『パンの基本大図鑑』株式会社講談社、2003年3月27日、284頁。 
  71. ^ a b 水野仁輔著『うっとりカレーパン』株式会社スペースシャワーネットワーク、2014年6月1日、111頁。 
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  79. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月29日、65頁。 
  80. ^ 青木ゆり子著『日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-』株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>、2018年5月20日、112-113頁。 
  81. ^ 青木ゆり子著『日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-』株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>、2018年5月20日、112頁。 
  82. ^ 石坂浩二著『天晴れカレーパン』株式会社主婦の友社、1984年12月18日、5-7頁。 
  83. ^ 石坂浩二著『天晴れカレーパン』株式会社主婦の友社、1984年12月18日、6頁。 

参考文献

  • 青木ゆり子著『日本の洋食-洋食から紐解く日本の歴史と文化-』株式会社ミネルヴァ書房<シリーズ・日本再発見9>、2018年5月。ISBN 978-4-623-08291-9
  • 阿古真理著『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』NHK出版<NHK出版新書501>、2016年10月。ISBN 978-4-14-088501-7
  • 旭屋出版編『BREAD & SWEETS BOOK vol.2』株式会社旭屋出版<旭屋出版MOOK>、2010年9月。ISBN 978-4-7511-0887-1
  • 石坂浩二著『天晴れカレーパン』株式会社主婦の友社、1984年12月。ISBN 4-07-921220-8
  • 井上宏生著『日本人はカレーライスがなぜ好きなのか』株式会社平凡社<平凡社新書066>、2000年11月。ISBN 4-582-85066-9
  • 井上好文監修『パンの事典』株式会社旭屋出版、2007年9月。ISBN 978-4-7511-0696-9
  • 枻出版社編『パンの基礎知識』株式会社枻出版社<食の教科書>、2012年3月。ISBN 978-4-7779-2274-1
  • 岡崎大五著『腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き』株式会社講談社、2017年10月。ISBN 978-4-06-220791-1
  • 岡田哲編『たべもの起源事典』株式会社東京堂出版、2003年1月。ISBN 4-490-10616-5
  • 甲斐みのり著『地元パン手帖』株式会社グラフィック社、2016年2月。ISBN 978-4-7661-2828-4
  • 加来翔太郎監修・オカタオカ著『カレー語辞典』株式会社誠文堂新光社、2016年8月。ISBN 978-4-416-61675-8
  • 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』平凡社、2013年11月。ISBN 978-4582634860 
  • 小菅桂子著『カレーライスの誕生』株式会社講談社、2002年6月。ISBN 4-06-258243-0
  • 小菅桂子著『にっぽん洋食物語大全』株式会社筑摩書房、2017年8月。ISBN 978-4-480-43465-4
  • コリーン・テイラー・セン著・竹田円訳『カレーの歴史』株式会社原書房<「食」の図書館>、2013年8月。ISBN 978-4-562-04938-7
  • 根田春子著『パンのはなし』技報堂出版株式会社、1989年2月。ISBN 4-7655-4350-1
  • 柴田書店編『人気のパン★ヒットパレード 繁盛パン屋さんの菓子パン おかずパン おつまみパン』株式会社柴田書店、2011年12月。ISBN 978-4-388-06131-0
  • 澁川祐子著『ニッポン定番メニュー事始め』株式会社彩流社、2013年9月。ISBN 978-4-7791-1934-7
  • 成美堂出版編集部編『パンの事典』成美堂出版、2006年10月。ISBN 4-415-03995-2
  • 地球の歩き方編集室編著『世界のカレー図鑑』株式会社地球の歩き方<地球の歩き方BOOKS W12>、2022年3月。ISBN 978-4-05-801751-7
  • 辻製パン技術専門カレッジ監修・吉野精一著『パンの基本大図鑑』株式会社講談社、2003年3月。ISBN 4-06-210994-8
  • 天然生活編集部編「特集 サンドイッチとカレーパン」『天然生活』第15巻第8号(通巻165号)、株式会社地球丸、2018年8月。
  • 富田仁著『西洋料理がやってきた』東京書籍株式会社、1983年10月。
  • 日本パンコーディネーター協会監修『知識ゼロからのパン入門』株式会社幻冬舎、2010年7月。ISBN 978-4-344-90194-0
  • ハウス食品株式会社監修『世界のカレー図鑑』株式会社マイナビ出版、2019年7月。ISBN 978-4-8399-7013-0
  • 荻山和也監修・ぱんとたまねぎ著『パン語辞典』株式会社誠文堂新光社、2013年10月。ISBN 978-4-416-61328-3
  • 松宏彰著『ニッポンカレーカルチャーガイド』株式会社Pヴァイン、2022年2月。ISBN 978-4-909483-97-3
  • 水野仁輔著『うっとりカレーパン』株式会社スペースシャワーネットワーク、2014年6月。ISBN 978-4-907435-24-0
  • 八百啓介編著『外来食文化と日本人』株式会社弦書房、2020年9月。ISBN 978-4-86329-205-5
  • 吉野精一著『基礎からわかる製パン技術』株式会社柴田書店、2011年3月。ISBN 978-4-388-06107-5
  • 吉野精一著『パンづくりの科学』株式会社誠文堂新光社、2012年9月。ISBN 978-4-416-81295-2

関連項目

外部リンク