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「西武001系電車」の版間の差分

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2021年11月11日 (木) 01:13時点における版

西武001系電車
Laview
西武001系
(2019年9月11日 吾野 - 東吾野間)
基本情報
運用者 西武鉄道
製造所 日立製作所
製造年 2018年 - 2020年
製造数 7編成56両
(2021年3月31日現在)[1]
運用開始 2019年3月16日[2]
投入先 池袋線西武秩父線
主要諸元
編成 8両編成
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度 105 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 422人
編成重量 283.2 t
全長 先頭車:20,470 mm
(連結器使用状態)
中間車:20,000 mm
車体長 先頭車:20,050 mm
中間車:19,500 mm
全幅 2,814 mm(側灯幅)
車体幅 2,800 mm
全高 4,040 mm(空調,パンタ同寸)
車体高 3,752 mm
床面高さ 1,135 mm
車体 アルミ合金 (A-train)
台車 軸梁式ボルスタレス台車
主電動機 全閉式三相かご形誘導電動機
主電動機出力 170 kW
歯車比 87:14 (1:6.21)
編成出力 170×16 = 2720 kW
制御方式 三菱電機フルSiC-MOSFET素子VVVFインバーター制御
制御装置 MAP-178-15V322
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(純電気ブレーキ付)
保安装置 西武形ATS ATC装置 ATO装置
第63回(2020年
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西武001系電車(せいぶ001けいでんしゃ)は、2019年3月16日に運行を開始した西武鉄道特急形電車である[2]。愛称は「Laview(ラビュー)[3]

8両編成7本計56両が導入され、2019年にはキッズデザイン賞[4]グッドデザイン金賞[5]を受賞し、2020年には鉄道友の会ブルーリボン賞[6][7]iFデザインアワード2020[8][9]を受賞した。

本項では個別の編成について、「車両番号のローマ字部分+編成」(例:A編成)の表記とする。

概要

老朽化した10000系「ニューレッドアロー」の後継車両として製造された。西武独特の「X01系(X01形)」という形式付番方法は、1981年に701系の改造で登場した新501系以来37年ぶりの採用となる。

「いままでに見たことのない新しい車両」をコンセプトに掲げ、以下のデザインコンセプトをもとに設計された[10][11]

  • 都市自然のなかでやわらかく風景に溶け込む特急
  • みんながくつろげるリビングのような特急
  • 新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急

デザインは以下の人物が担当、監修した[11][12]

愛称の「Laview」は以下の頭文字に由来する[10]

  • L - 贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間
  • a - (arrow)のような速達性
  • view - 大きな窓から移りゆく眺望(view)

仕様

外観

球面形状の前面デザインを採用し、前面窓は曲線半径 1,500 mm三次元の曲面ガラス、客室窓は縦 1,350 mm×横 1,580 mmの大型窓ガラスを使用している。

車体はアルミニウム合金製車体を採用し、周りの風景が溶け込むようシルバーメタリックの塗装が施されている[10][11][12]。塗料は大日本塗料の「スーパーブライト No.2000」を採用した[13]。同製品はこれまで自動車アルミホイールやホイールカバーなどに使用されてきたが、鉄道車両の外板塗装への採用は初めてである[13]

前面には貫通扉を有し、地下鉄直通が考慮されている[14]。また、前照灯の周囲にはイベント時などに「スマイル」を演出するために環状のLEDが取り付けられている[15]。笑い顔を模した表示など4種類の点灯パターンが用意されており、乗務員室内にあるスイッチを操作することで切り替えることができる[16]

車内

大きな窓のある白を基調とした明るい客室には、暖かみのある黄色を基調としたシートが配置されている。シートは身体をやわらかく包み込むソファのようなデザインになっており、背もたれの枕は背丈に合わせて手動で調節できるようになっている[11]肘掛には小型のインアームテーブルが設置されている[17]

照明はシンプルな曲面天井からの間接照明になっており、時間帯によって光の色を変えられるようになっている[11]

エントランスは黄色を基調としており、床にはダークグレーの人造大理石が敷き詰められている。また、一部の壁には曲面デザインを採用し、壁面に寄りかかれる余裕のある空間となっている[11]

車内自動放送日本語久野知美[18]英語を松代有生[19]が担当している。また、車内チャイム福嶋尚哉が作曲したオリジナルのものを使用している[20]

車内案内表示装置には三菱電機が開発した大型液晶2画面一体型トレインビジョンシステムを採用している[21]

主要機器

制御装置三菱電機製のSiC-MOSFET素子適用パワーモジュールを用いたPGセンサレスベクトル制御(純電気ブレーキ対応)の2レベルVVVFインバータ制御装置を採用した。1台の制御装置に主電動機の4台並列接続を1ユニットとし、これを2ユニット並列接続した1C4M2群構成としている。形式はMAP-178-15V-322[15]

補助電源装置はIGBT素子を使用した東洋電機製造[22]の待機2重系静止形インバータ(SIV・定格出力260 kVA)を編成で2台搭載している[22]。形式はRA4085-A-M[22]

台車は川崎重工業ボルスタレス台車が採用された。軸ダンパ付きの軸梁式で、T車がKW-218T、M車がKW-217Mを使用している。両先頭車には動揺防止装置を取付け、中間車も準備工事がされている[15]

主電動機は三菱電機製の全密閉式三相かご形誘導電動機(MB-5160-A)を使用している[15]

集電装置は電磁カギ外し装置と下降検知器を装備した東洋電機製のPT7116-DをM1・T1・M5車の飯能方に搭載している[15]

電動空気圧縮機は三菱電機製MBU1600Y-3BをM2・M6車に搭載している(T1・T3車にも準備工事がされている)[15]

空調装置は48.8kW(42,000kcal/h)のHRB354-1[23]を各車1台装備している。

先頭部の密着連結器は伸縮機能を備えるCSD105形で、格納状態と使用状態のストロークは400mmとなっている[15]

編成表

 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8
形式[15]  
クハ001-01-00
(Tc1)
<  
モハ001-02-00
(M1)
 
モハ001-03-00
(M2)
<  
サハ001-04-00
(T1)
 
サハ001-05-00
(T3)
<  
モハ001-06-00
(M5)
 
モハ001-07-00
(M6)
 
クハ001-08-00
(Tc2)
搭載機器
車内設備
トイレ,洗面台,
車椅子スペース
VVVF SIV,CP BT,(CP) (CP),トイレ,AED,
パウダールーム
VVVF SIV,CP  
車両重量 32.8 t 39.0 t 38.3 t 31.5 t 32.1 t 39.0 t 38.3 t 32.2 t
定員 26 60 60 60 48 60 60 48
車両番号 001-A1

001-G1
001-A2

001-G2
001-A3

001-G3
001-A4

001-G4
001-A5

001-G5
001-A6

001-G6
001-A7

001-G7
001-A8

001-G8
2021年4月現在、A - G編成の7編成56両が在籍する[24]

運用

池袋線系統の特急「ちちぶ」「むさし」として運用されている。2019年3月16日のダイヤ改正より定期列車としての運行を開始し[2]、2020年3月14日のダイヤ改正をもって池袋線・西武秩父線の特急は本系列で統一された[25]。他社線への乗り入れは予定されていない。

新宿線での定期運用は予定されていないが、2019年4月には臨時列車として初の営業運転を行った。

沿革

脚注

  1. ^ 001系(ラビュー) - 主要諸元”. 西武鉄道 (2021年3月31日). 2021年10月29日閲覧。
  2. ^ a b c d "運行開始日・運転時刻が決定! 2019年3月16日(土)からラビュー新型特急車両「Laview」運行開始!" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 29 January 2019. 2019年10月14日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月8日閲覧
  3. ^ 西武鉄道の登録商標(第6083279号)
  4. ^ "001系Laviewが「第13回キッズデザイン賞」「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」を受賞!! 〜30000系・40000系に引き続いて受賞となりました〜" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 23 August 2019. 2020年7月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月7日閲覧
  5. ^ "2019 年度グッドデザイン賞において001系Laview が 「グッドデザイン金賞」(経済産業大臣賞)を受賞!! グッドデザイン・ベスト100に続き、受賞しました" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 1 November 2019. 2020年5月25日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月7日閲覧
  6. ^ a b "鉄道友の会 選定 2020年ブルーリボン賞・ローレル賞決定" (PDF) (Press release). 鉄道友の会. 5 June 2020. 2020年6月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月9日閲覧
  7. ^ "西武鉄道の車両としては50年ぶり「001系Laview」がブルーリボン賞を受賞 ー「現代の鉄道車両としての完成度が極めて高く、魅力あふれる車両である」と評価―" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 5 June 2020. 2020年6月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月9日閲覧
  8. ^ a b "半世紀以上の歴史を持つ、世界的に権威のあるデザイン賞 001系Laview が「iFデザインアワード2020」を受賞! 国内の鉄道車両では、13年ぶりの受賞" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 14 February 2020. 2020年5月24日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月7日閲覧
  9. ^ iFデザインアワード2020公式サイト内「Laview / Express train」”. 2021年5月2日閲覧。
  10. ^ a b c d "『いままでに見たことのない新しい車両』 新型特急車両「Laview」2019年3月デビュー!" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 29 October 2018. 2019年6月1日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月8日閲覧
  11. ^ a b c d e f Laviewカタログ(西武鉄道Laview特設サイト内)
  12. ^ a b 西武鉄道 Laview特設Webサイト
  13. ^ a b "2019年3月にデビューする西武鉄道の新特急「Laview(ラビュー)」の車体外装用塗料に、大日本塗料の「スーパーブライトNo.2000」が採用されました。" (PDF) (Press release). 大日本塗料. 26 February 2019. 2020年3月28日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月8日閲覧
  14. ^ レイルマガジン2019年5月号pp.126
  15. ^ a b c d e f g h 「とれいん」2019年4月号(通巻532号) MODELERS FILE
  16. ^ 西武鉄道 Laview 公式Twitterアカウントによるツイート
  17. ^ 大きな窓とリビングのような空間 西武の新型特急Laviewに乗車しました”. 鉄道コム (2019-02-22JST18:00:00). 2020年8月5日閲覧。
  18. ^ 鉄道ダイヤ情報 2019年6月号、26頁「ラビューの魅力を語る」
  19. ^ 松代有生 Matsushiro Yuhki”. オフィスサッキー. 2021年6月28日閲覧。
  20. ^ NexTone作品検索データベース(NexTone 2019年9月16日閲覧)
  21. ^ 三菱電機技報 2018年1月号特集「技術の進歩」 (PDF)
  22. ^ a b c 西武鉄道株式会社001系特急車用電機品(PDF) - 東洋電機製造『東洋電機技報』No.140(2019年発行)
  23. ^ 「鉄道ピクトリアル」2019年5月号(通巻959号)西武鉄道001系"Laview" p.120 - p.128
  24. ^ 交友社『鉄道ファン』2021年8月号(通巻724号)付録「大手私鉄車両ファイル」
  25. ^ a b "2020年3月14日(土)ダイヤ改正を実施します" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 29 January 2020. 2020年2月29日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月9日閲覧
  26. ^ "四半世紀ぶりに新型特急車両が登場! 〜これからの100年に向けたフラッグシップトレイン〜 2018年度、新型特急車両が走り出します!" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 14 March 2016. 2019年3月21日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月8日閲覧
  27. ^ "『いままでに見たことのない新しい車両』〜2018年度末より営業運転を開始します〜 新型特急車両の基本デザインが決定しました!" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 13 June 2017. 2020年6月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月9日閲覧
  28. ^ “風景に溶け込む銀一色 25年ぶり西武新型特急お目見え”. 朝日新聞. (2019年2月14日). オリジナルの2020年8月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200807015334/https://www.asahi.com/articles/ASM2F7QT2M2FUTIL07G.html 2020年8月7日閲覧。 
  29. ^ "2019年3月2日(土)・3日(日)「新型特急車両『Laview』お披露目イベント」を開催します!" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 14 February 2019. 2019年2月15日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月8日閲覧
  30. ^ “デビュー前の西武新型特急「ラビュー」に、ひとあし早く乗車! 福袋試乗会行われる”. excite. (2019年3月12日). https://www.excite.co.jp/news/article/Trafficnews_84320/ 2020年10月11日閲覧。 
  31. ^ "001系Laviewが「第13回キッズデザイン賞」「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」を受賞!! 〜30000系・40000系に引き続いて受賞となりました〜" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 23 August 2019. 2020年7月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月7日閲覧
  32. ^ "2019 年度グッドデザイン賞において001系Laview が 「グッドデザイン金賞」(経済産業大臣賞)を受賞!! グッドデザイン・ベスト100に続き、受賞しました" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 1 November 2019. 2020年5月25日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月7日閲覧
  33. ^ "西武鉄道の車両としては50年ぶり「001系Laview」がブルーリボン賞を受賞 ー「現代の鉄道車両としての完成度が極めて高く、魅力あふれる車両である」と評価―" (PDF) (Press release). 西武鉄道. 5 June 2020. 2020年6月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月9日閲覧

外部リンク