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== 沿革 ==
== 沿革 ==
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[[1863年]]に[[エルネスト・ソルベイ]]とその親族が、[[ソルベイ法]]を用いた[[炭酸ナトリウム]]の生産を目的として創業した<ref name="history">{{cite news|url=https://www.solvay.com/en/our-company/history|title=Our History|publisher=Solvay S.A.|language=英語|accessdate=2020-10-07}}</ref>。[[1881年]]には[[アメリカ合衆国]]に工場を開設し、19世紀末までに西はミシガン州から東はウラル山脈地域まで工場を保有する多国籍企業に成長した<ref name="history"/>。ソルベイは[[:en:Sucreries Raffineries Bulgares|Sucreries Raffineries Bulgares]](1867年~1916年)の大株主となっていたことがあり、[[ブルガリア公国]](1908年からは[[ブルガリア王国 (近代)|ブルガリア王国]])最大の企業になっていた<ref>{{cite book | last = Костов | first = Александър | year = 2004 | title = България и Белгия. Икономически, политически и културни връзки (1879-1914) | publisher = Арт Медиа Комюникейшънс | location = София | isbn= 978-954-91634-1-4}}</ref>。[[第一次世界大戦]]と[[ソビエト連邦]]成立の影響による経営悪化を受けて[[1920年]]にアメリカ事業を一時売却、[[第二次世界大戦]]中は[[ナチス・ドイツ]]支配下で資産接収に抵抗し、会社を存続させた<ref name="history"/>。第二次大戦中、後に[[教皇|ローマ教皇]]になる[[ヨハネ・パウロ2世 (ローマ教皇)|ヨハネ・パウロ2世]]がナチス・ドイツからの迫害を避けるために働いていた<ref>{{cite web |url=http://www.vatican.va/news_services/press/documentazione/documents/santopadre_biografie/giovanni_paolo_ii_biografia_breve_en.html | author=Holy See Press Office | publisher=Holy See Press Office | title="His Holiness John Paul II: Short Biography" | accessdate=2007-01-14}}</ref>。


戦後は[[過酸化物]]・[[ポリ塩化ビニル]]・プラスチック加工など消費財の原料分野へと事業範囲を拡大、[[1967年]]には株式公開企業となり、創業者の子孫が経営幹部を独占する体制が終了した<ref name="history"/>。[[1974年]]にアメリカ再進出を果たし、[[オイルショック]]後は医薬品分野への投資を進めた<ref name="history"/>。冷戦終了後はアジア地域への進出が本格化し、[[重合体]]・[[フッ素樹脂]]分野への投資が行われた<ref name="history"/>。2000年代に入るとソルベイの事業の再構築が行われ、[[2009年]]9月、[[アボット・ラボラトリーズ]]に製薬部門を売却し<ref>{{cite news|url=http://www.reuters.com/article/mnaNewsIndustryMaterialsAndUtilities/idUSLS42647120090928?sp=true|title=Abbott buys Solvay's drugs unit for 4.5 bln euros|last=Gray-Block|first=Aaron|coauthors=Blenkinsop, Philip|date=28 September 2009|work=[[Reuters]]|accessdate=2009-09-28}}</ref>、その資金を活用する形で[[2011年]]4月、フランスの特殊化学品メーカーであるローディアの買収を発表し、特殊化学分野およびアジア地域におけるビジネスが強化された<ref>{{cite web |url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2011-04-04/LJ44AT6TTDS501|title=ベルギー化学会社ソルベイ:仏ローディア買収で合意-34億ユーロ|publisher=ブルームバーグ|date=2011-04-04|accessdate=2020-10-07}}</ref>。
戦後は[[過酸化物]]・[[ポリ塩化ビニル]]・プラスチック加工など消費財の原料分野へと事業範囲を拡大、[[1967年]]には株式公開企業となり、創業者の子孫が経営幹部を独占する体制が終了した<ref name="history"/>。[[1974年]]にアメリカ再進出を果たし、[[オイルショック]]後は医薬品分野への投資を進めた<ref name="history"/>。冷戦終了後はアジア地域への進出が本格化し、[[重合体]]・[[フッ素樹脂]]分野への投資が行われた<ref name="history"/>。2000年代に入るとソルベイの事業の再構築が行われ、[[2009年]]9月、[[アボット・ラボラトリーズ]]に製薬部門を売却し<ref>{{cite news|url=http://www.reuters.com/article/mnaNewsIndustryMaterialsAndUtilities/idUSLS42647120090928?sp=true|title=Abbott buys Solvay's drugs unit for 4.5 bln euros|last=Gray-Block|first=Aaron|coauthors=Blenkinsop, Philip|date=28 September 2009|work=[[Reuters]]|accessdate=2009-09-28}}</ref>、その資金を活用する形で[[2011年]]4月、フランスの特殊化学品メーカーであるローディアの買収を発表し、特殊化学分野およびアジア地域におけるビジネスが強化された<ref>{{cite web |url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2011-04-04/LJ44AT6TTDS501|title=ベルギー化学会社ソルベイ:仏ローディア買収で合意-34億ユーロ|publisher=ブルームバーグ|date=2011-04-04|accessdate=2020-10-07}}</ref>。

2021年9月17日 (金) 22:26時点における版

ソルベイ
Solvay S.A.
種類 株式会社
市場情報 EuronextSOLB
本社所在地 ベルギーの旗 ベルギー
1120
Rue de Ransbeek, 310, ブリュッセル
設立 1863年 (161年前) (1863)
業種 化学
代表者 イルハム・カドリ(CEO
外部リンク コーポレートサイト
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ソルベイ: Solvay S.A.)は、ベルギーブリュッセルに本拠を置き、世界50カ国以上に事業を展開する大手化学メーカーユーロネクスト・ブリュッセルおよびユーロネクスト・パリに株式を上場している(EuronextSOLB )。

沿革

創業者のエルネスト・ソルベー 1913年発行の創業50周年メダル
1913年発行の創業50周年メダル

1863年エルネスト・ソルベイとその親族が、ソルベイ法を用いた炭酸ナトリウムの生産を目的として創業した[1]1881年にはアメリカ合衆国に工場を開設し、19世紀末までに西はミシガン州から東はウラル山脈地域まで工場を保有する多国籍企業に成長した[1]。ソルベイはSucreries Raffineries Bulgares(1867年~1916年)の大株主となっていたことがあり、ブルガリア公国(1908年からはブルガリア王国)最大の企業になっていた[2]第一次世界大戦ソビエト連邦成立の影響による経営悪化を受けて1920年にアメリカ事業を一時売却、第二次世界大戦中はナチス・ドイツ支配下で資産接収に抵抗し、会社を存続させた[1]。第二次大戦中、後にローマ教皇になるヨハネ・パウロ2世がナチス・ドイツからの迫害を避けるために働いていた[3]

戦後は過酸化物ポリ塩化ビニル・プラスチック加工など消費財の原料分野へと事業範囲を拡大、1967年には株式公開企業となり、創業者の子孫が経営幹部を独占する体制が終了した[1]1974年にアメリカ再進出を果たし、オイルショック後は医薬品分野への投資を進めた[1]。冷戦終了後はアジア地域への進出が本格化し、重合体フッ素樹脂分野への投資が行われた[1]。2000年代に入るとソルベイの事業の再構築が行われ、2009年9月、アボット・ラボラトリーズに製薬部門を売却し[4]、その資金を活用する形で2011年4月、フランスの特殊化学品メーカーであるローディアの買収を発表し、特殊化学分野およびアジア地域におけるビジネスが強化された[5]

創業者の子孫が1983年に設立した持株会社Solvacフランス語版が、ソルベイの株式の約3割を保有している[6]

日本におけるソルベイ

ソルベイ日本法人のルーツはフランスの化学・製薬企業ローヌ・プーラン1967年に設立された日本法人であるが、1997年に化学部門がローディアとして分離したのに伴いローディアジャパンとなり、その後ソルベイのローディア買収を受け、2014年1月に「ソルベイジャパン株式会社」(Solvay Japan, Ltd.)に社名変更を行い[7]、現在に至っている。このほか特殊化学分野の「日本ソルベイ株式会社」(NIPPON SOLVAY K.K.)および高機能性プラスチック分野に特化した「ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社」(Solvay Specialty Polymers Japan K.K.)がある。本社はいずれも東京(愛宕グリーンヒルズ)にある。

日本企業との合弁として以下の2社がある。

  • ソルベイ日華株式会社(Solvay Nicca, Ltd.日華化学との合弁)- シャンプーなどのパーソナルケア製品や工業製品、農薬製剤を対象とする化学品の販売を行う。
  • ソルベイ・スペシャルケム・ジャパン株式会社(Solvay Special Chem Japan, Ltd.、株式会社三徳との合弁)- 徳島県阿南市に本社・工場を持ち、セラミックス・蛍光灯・ガラスなどを対象とする特殊化学品の製造・販売を行う。

脚注

  1. ^ a b c d e f “Our History” (英語). Solvay S.A.. https://www.solvay.com/en/our-company/history 2020年10月7日閲覧。 
  2. ^ Костов, Александър (2004). България и Белгия. Икономически, политически и културни връзки (1879-1914). София: Арт Медиа Комюникейшънс. ISBN 978-954-91634-1-4 
  3. ^ Holy See Press Office. “"His Holiness John Paul II: Short Biography"”. Holy See Press Office. 2007年1月14日閲覧。
  4. ^ Gray-Block, Aaron (28 September 2009). “Abbott buys Solvay's drugs unit for 4.5 bln euros”. Reuters. http://www.reuters.com/article/mnaNewsIndustryMaterialsAndUtilities/idUSLS42647120090928?sp=true 2009年9月28日閲覧。 
  5. ^ ベルギー化学会社ソルベイ:仏ローディア買収で合意-34億ユーロ”. ブルームバーグ (2011年4月4日). 2020年10月7日閲覧。
  6. ^ Major Shareholders” (英語). Solvay S.A.. 2020年10月7日閲覧。
  7. ^ 社名変更のお知らせ” (pdf). ローディアジャパン株式会社 (2013年11月20日). 2020年10月7日閲覧。

外部リンク