「遮断 (水文学)」の版間の差分
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遮断は、森林地域における[[蒸発散]]の原因として、[[蒸散]]の次に主要なものである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=104}}。 |
遮断は、森林地域における[[蒸発散]]の原因として、[[蒸散]]の次に主要なものである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=104}}。 |
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森林への降雨(林外雨)は、{{仮リンク|樹冠通過雨|en|Throughfall}}{{Efn|'''樹冠通過雨'''({{en|throughfall}})とは、滴下雨と直達雨をあわせたものである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=104}}。なお、'''滴下雨'''は、[[林冠]]に捕捉された降水のうち、枝葉や樹皮表面から滴下したもののこと、'''直達雨'''は、林冠の間を通過し |
森林への降雨(林外雨)は、{{仮リンク|樹冠通過雨|en|Throughfall}}{{Efn|'''樹冠通過雨'''({{en|throughfall}})とは、滴下雨と直達雨をあわせたものである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=104}}。なお、'''滴下雨'''は、[[林冠]]に捕捉された降水のうち、枝葉や樹皮表面から滴下したもののこと、'''直達雨'''は、林冠の間を通過し林床面に達する降水のことである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=104}}。}}や{{仮リンク|樹幹流|en|Stemflow}}{{Efn|'''樹幹流'''({{en|stemflow}})とは、樹幹から林床面への水の流れのことである{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=105}}。}}として{{仮リンク|林床面|en|Forest floor}}に到達するものもあれば、[[樹冠]]から蒸発する(遮断損失)ものもある{{Sfn|飯田・濱田|2009|p=103}}。林外雨量を<math>PD</math>、樹幹通過雨量を<math>T_f</math>、樹幹流量を<math>S_f</math>、遮断損失量を<math>L_i</math>とするとき、 |
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== 関連項目 == |
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* {{仮リンク|林冠遮断|en|Canopy interception}} |
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2021年2月2日 (火) 09:11時点における版
遮断(しゃだん、英語: interception)とは、森林への降水の一部が枝葉や樹幹に捕捉されることである[1]。広義にはリターによる遮断や、樹幹の着生植物による遮断なども含めることがある[2]。
降雨遮断
遮断は、森林地域における蒸発散の原因として、蒸散の次に主要なものである[3]。
森林への降雨(林外雨)は、樹冠通過雨[注釈 1]や樹幹流[注釈 2]として林床面に到達するものもあれば、樹冠から蒸発する(遮断損失)ものもある[1]。林外雨量を、樹幹通過雨量を、樹幹流量を、遮断損失量をとするとき、
が成立する[5]。
ここで、林外雨量に対して、樹幹通過雨量の割合は70 - 80%程度、樹幹流量の割合は概して10%以下、遮断損失量の割合は、温帯林や熱帯林では10 - 20%程度である[6]。
遮断損失量は、林外雨量から樹幹通過雨量、樹幹流量を減算することで求められる[7]。また、遮断損失量は降雨強度の増大に伴い大きくなる[8]。
降雪遮断
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脚注
注釈
出典
- ^ a b 飯田・濱田 2009, p. 103.
- ^ 飯田・濱田 2009, p. 106.
- ^ a b c 飯田・濱田 2009, p. 104.
- ^ 飯田・濱田 2009, p. 105.
- ^ 飯田・濱田 2009, pp. 103–104.
- ^ 飯田・濱田 2009, pp. 105–106.
- ^ 村上 2012, p. 86.
- ^ 村上 2012, p. 88.
参考文献
- 飯田真一・濱田洋平 著「地表面を介した降雨の分配」、田中正・杉田倫明 編 編『水文科学』共立出版、2009年、103-131頁。ISBN 978-4-320-04704-4。
- 村上茂樹「樹冠遮断のメカニズムと森林の増雨効果」『水利科学』第56巻第1号、2012年、82-99頁、doi:10.20820/suirikagaku.56.1_82。