「AK-74」の版間の差分
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AK-74MはAKS-74やAKS-74Uの様に、銃床右側の本体付近にスリングスイベルが存在する。 |
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同盟国にも供与やライセンス生産が認められたAK-74やAKS-74と異なり、AK-74Mは[[ソビエト連邦|ソ連]]で配備が開始された直後に[[ソ連崩壊]]が発生したため、[[ロシア連邦]]でのみ生産が継続された。 |
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輸出用に西側標準の[[5.56x45mm NATO弾]]や旧式の[[7.62x39mm弾]]を使用可能なように設計された[[AK-100]]シリーズは、このAK-74Mをベースにしている。[[AK-105]]([[5.45x39mm弾]]使用のカービンモデル)に対応するフルサイズモデル(例えば[[:en:AK-102|AK-102]]に対する[[AK-101]])がAK-74Mともいえる。 |
輸出用に西側標準の[[5.56x45mm NATO弾]]や旧式の[[7.62x39mm弾]]を使用可能なように設計された[[AK-100]]シリーズは、このAK-74Mをベースにしている。[[AK-105]]([[5.45x39mm弾]]使用のカービンモデル)に対応するフルサイズモデル(例えば[[:en:AK-102|AK-102]]に対する[[AK-101]])がAK-74Mともいえる。 |
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このシリーズは本質的にはAK-74Mの[[口径]]変更型またはカービンモデルであり、AK-74Mと同世代の小銃である。 |
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[[ソ連崩壊]]後、[[ロシア]]のAK生産拠点は民営化され、[[イジェフスク機械製作工場|イズマッシュ]]社として再出発、銃器の他に、[[オートバイ]]や[[自動車]]を生産する機械メーカーとして活動したが、[[イジェフスク機械製作工場|イズマッシュ]]社はその後経営破綻、2013年他社と経営統合のうえ[[カラシニコフ・コンツェルン]]社として再興されている。現在もAKシリーズの生産、改良を続けており、様々なバリエーションが発表されている。 |
[[ソビエト連邦の崩壊]]後、[[ロシア]]のAK生産拠点は民営化され、[[イジェフスク機械製作工場|イズマッシュ]]社として再出発、銃器の他に、[[オートバイ]]や[[自動車]]を生産する機械メーカーとして活動したが、[[イジェフスク機械製作工場|イズマッシュ]]社はその後経営破綻、2013年他社と経営統合のうえ[[カラシニコフ・コンツェルン]]社として再興されている。現在もAKシリーズの生産、改良を続けており、様々なバリエーションが発表されている。 |
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輸出を意識しており、[[口径]]も西側NATO弾に対応するものなどがある。そのため、プライベートオペレーターなどは[[5.56x45mm NATO弾]]の銃器を携行する際にはAK-101やAK-102、AK-108を選択することがある。 |
輸出を意識しており、[[口径]]も西側NATO弾に対応するものなどがある。そのため、プライベートオペレーターなどは[[5.56x45mm NATO弾]]の銃器を携行する際にはAK-101やAK-102、AK-108を選択することがある。 |
2020年12月25日 (金) 23:36時点における版
AK-74(初期型) | |
AK-74 | |
---|---|
種類 | 軍用小銃 |
製造国 |
ソビエト連邦 ロシア |
設計・製造 |
設計 ミハイル・カラシニコフ 製造 カラシニコフ・コンツェルン(旧:イズマッシュ社)、トゥーラ造兵廠など |
仕様 | |
種別 | アサルトライフル |
口径 | 5.45mm |
銃身長 |
415mm 210mm(AKS-74U) |
使用弾薬 | 5.45x39mm |
装弾数 | 30発/45発(箱型弾倉) |
作動方式 | ガス圧、ロテイティングボルト |
全長 |
AK-74 943mm AKS-74 943mm(銃床展開) 690mm(銃床折畳み) AKS-74U 735mm(銃床展開) 490mm(銃床折畳み) AK-74M 943mm(銃床展開) 700mm(銃床折畳み) |
重量 |
3,300g 2,710g(AKS-74U) |
発射速度 |
600-650発/分 650-735発/分(AKS-74U) |
銃口初速 | 900m/秒 |
有効射程 | 500m |
歴史 | |
設計年 | 1974年 |
配備期間 | 1974年-現在 |
AK-74(露:Автомат Калашникова образца 1974 года、ラテン文字転写:Avtomat Kalashnikova-74、「カラシニコフの1974年型自動小銃」の意)は、1974年にソビエト連邦軍が従来のAK-47系列の後継として採用した自動小銃である。AK-74にはGRAUコードで6P20/6П20が付与されている。
本稿では、その派生型についても記述する。
概要
AK-74は1974年にソビエト連邦軍が採用したアサルトライフルで、従来のAK-47系列に替わるものである。
内部構造はAKMを踏襲し、口径を5.45mm(使用弾薬5.45x39mm弾)に小口径化している。ベトナム戦争で、北ベトナム軍および南ベトナム解放民族戦線などは大口径のAK-47系列を使用したのに対し、アメリカ軍などは小口径のM16系列を使用した。AK-47の7.62x39mm弾は接近戦では高いストッピング・パワーを持つものの、連発時の反動が強いために着弾点が安定しにくいというデメリットがあった。また装薬量のわりに弾丸質量が大きいため弾道が安定せず、山なりの軌跡になりやすいという欠点も有していた。これに対しコルトM16の5.56x45mm弾は口径が小さく弾頭が軽量であるため連発時の反動が比較的小さく、さらに弾丸の質量に対して十分な装薬量があり弾道の直進性に優れ、命中精度も安定している。弾丸の径が小さく初速が速いという特徴は、中近距離ではボディアーマーや人体などを貫通しやすくなる利点をもたらす。さらにフルオート機能を有する自動小銃は多量の弾薬を消費するため、小口径化により携行、輸送できる弾薬量の増加(弾数が同じなら軽量化・射手や兵站への負担軽減)の観点からも有利となる。
これらの小口径弾の利点が世界的に波及しており、アメリカの小口径化につづきソビエト連邦も5.45x39mm弾を採用したが、貫通力があまりに高すぎると、人体などのソフトターゲットに銃弾が当たっても弾丸は運動エネルギーをほとんど失わず貫通してしまい、殺傷力はかえって下がってしまう。そこで、5.45x39mmの弾頭の内部に空洞を作り、ソフトターゲット命中時に弾頭の横転を引き起こす構造を採った。横転した弾頭はソフトターゲット内で回転運動を伴いながら進み、その運動エネルギーを人体への殺傷力に十分に変換する事ができる。 人体に当たった場合、射入口は小さいが射出口の径が実際の口径と比して大きく、筋肉血管を含む周辺組織に広い体積で損傷を与えるため(とくに衛生環境の悪い前線や医療インフラの貧弱な途上国では)治療が難しく、1978年-1989年のアフガニスタン紛争に投入されたAK-74と5.45x39mm弾はアフガニスタン武装勢力から恐れられた。この技術は西側にも影響を与え、現行の5.56x45mm NATO弾(SS109、M855)では、同様の構造が採用されている。
なお、AK-74を設計したミハイル・カラシニコフ自身は、後年インタビューで「ベトナム戦争時にアメリカがM16を使い始めたために、ソ連軍の上層部が遅れをとってはならないと息巻き、その結果これまでと比較にならないほど大量の銃弾が戦闘につぎ込まれるようになった。7.62mm口径の銃にはまだまだ改良の余地があったのに残念」と答えるなど、小銃弾の小口径化について批判的であった[1]。
AKMからの大きな変更点は小口径化の他、銃口に装着されるマズルブレーキが大型化されたことである。AK-74のマズルブレーキは他国のアサルトライフルと比較し複雑な内部構造を持ち、反動の軽減、発射炎(マズルフラッシュ)の抑制の他、発射音を前方に拡散させる働きをもつ。またAK-47・AKMに比べて、ガスピストンへの発射ガス導入部と銃身との角度が垂直に近くなっている。
AK-74は、旧来のAK-47、AKMと外見が似通っているが使用弾薬は大きく異なるため、弾倉の互換性を持たない。夜間や視界の悪い状況であっても手触りで適合弾薬がすぐ判るように、AK-74ではソリッド形状のストックに溝が入っている。
ソ連製小火器の例にもれず、同盟国にも供与やライセンス生産が認められたが、アフリカや中東、アジア地域にはAK-74の配備によって余剰化したAK-47やAKMを供与したこと、旧式のAK-47やAKMとは弾薬の互換性がないため従来の弾薬の在庫の廃棄や弾薬製造ラインの大幅な改修が必要であったことなどから、AK-74を使用しているのは旧ソ連構成国や旧ワルシャワ条約機構諸国以外ではキューバやアンゴラ、シリア、モンゴル、ベトナムなど比較的少数に留まっており、先代のAK-47シリーズと比べると普及度が低い。旧共産国では改良型を含めて多数のAK-74が現役である。
バリエーション
AK-74
基本型。ソ連オリジナルのものは、全てソ連時代に製造されたものである。
初期に生産されたものは、AKMと同様に合板のストックとハンドガードで、赤茶色のベークライト製グリップと、オレンジ色のベークライト製弾倉(ポーランドやルーマニア、北朝鮮ではAK-47のようなデザインの金属製)を採用していた。1980年代に入って生産された後期型は、ストックとハンドガードは新素材であるポリマー製に改良され、プラスチック部品の成型色が焦げ茶色になった。
銃剣は、当初AKMと兼用する6kh4であったが、AK-74後期型が製造開始されると同時に、AK-74専用の6kh5に生産が切り替わった。
AKS-74
AKS-74(GRAUコード:6P21/6П21)は、銃床を折り畳めるようにし、携行を容易にしたもの。それまでのAKS-47あるいはAKMSの銃床はナチス・ドイツのMP38/MP40と同様に下方へ折り畳む方式だったが、AKS-74では射手から見て左に折り畳む方式に変更されている。 そのため、従来のAKS-47・AKMSでは構造上操作がしにくかった銃床を折り畳んだ状態で銃側面のセレクターレバーを操作することが容易になった。
銃床部のスリングスイベルが射手から見て右側に位置し、銃床を折り畳む際は左側に位置するようになり、携行時の利便性が向上している。
ソ連製のものはAK-74に準じて、生産時期によりハンドガードの素材やプラスチック部品の成型色などが異なっている。
また、アフガニスタン派遣兵などの中には、スケルトンストックであることを利用し、空洞部に応急キットを入れ、止血帯を巻きつけて固定するという現地改造をしている写真もいくつか見られる。戦場での出血は生命に関わることが多いが故のカスタマイズであると考えられるが、ゴムの止血帯を何重にも巻くことで頬当ての代わりにもなる副次効果も得られる。
2001年12月22日に発生した九州南西海域工作船事件で、北朝鮮の工作船の乗組員が海上保安庁の巡視船への射撃に用いた銃は北朝鮮製のAKS-74である。
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AKS-74初期型
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九州南西海域工作船事件で使用された88-1式自動歩銃(北朝鮮製AKS-74)
AKS-74U
AKS-74U(GRAUコード:6P26/6П26)は、AKS-74の銃身を切り詰めたショートカービンで、バレルが極端に短いため、建物内部など、狭い場所での近距離戦闘に向き、空挺部隊や特殊部隊などで用いられている。また、取り回しの良さや軽量なことから、車両搭乗員や砲兵の携行武器としても用いられている。短くなった銃身に合わせ、ライフリングのピッチはAKS-74の200mm/1回転から160mm/1回転に変更されている。銃口には独特な形状のフラッシュハイダーが装着されており、可能な限りマズルフラッシュを減らそうとしているが、効果は限定的である。短い銃身でもガスシステムの作動に十分なガス圧を得るため、フラッシュハイダー内部はガス室が設けられている。
1985年頃に、レシーバー左側面に暗視スコープを装備できるマウントレールを備えたAKS-74UNが採用された。同じ頃に、ロシアの特殊部隊(アルファ部隊など)向けモデルとして、"PBS-3"または"PBS-4"サプレッサーを装着し、専用の微調整可能なリアサイトなどを備えたAKSB-74U(GRAUコード:6P27/6П27、AKS-74UBとも呼ばれる)が採用され、AKSB-74Uに暗視装置が搭載可能なマウントレールを備えたモデルはAKSB-74UN (AKS-74UBN)と呼ばれる。また、AKSB-74Uに"BS-1M(BS-1の改良型)"と呼ばれる専用の30mm消音グレネードランチャーとグレネードサイトを取り付けたモデルは「SGK Kanarejka(カナリィエィカ)」(露:5,45/30-мм Специальный Стрелково-Гранатометный Комплекс <<Канарейка>>、「5.45/30mm 特殊小銃-グレネードランチャー複合体 <<カナリア>>」の意、GRAUコード:6S1/6С1)と呼ばれる。ただし、5.45x39mm弾はサプレッサーとの相性が悪いため、高い消音効果は期待できない。
ウサーマ・ビン・ラーディンやアイマン・ザワーヒリーがメディアに登場する際、側に立てかけてあるのが本銃である。
AKS-74Uを含む、短銃身化されたAKライフル/ピストルの愛称として、クリンコフ(Krinkov)がよく知られている。クリンコフなる語句はロシア語には存在せず、マイルズ・ヴァイニング(Miles Vining)によれば、1980年代のアフガン紛争中にムジャーヒディーンが使用したパシュトー語での表現に由来するという。当時のソ連軍において、AKS-74Uは主に車両やヘリコプターの乗員に支給されていた。ムジャーヒディーンの兵士にとって、この銃を手にすることは車両や攻撃ヘリコプターのような強力な兵器を撃破した証であり、一種のステータスシンボルと見做されていた。また、クリンコフのほか、シリンコフ(Shrinkov)、シェスコフ(Sheskov)という愛称もあった。クリンコフなる言葉の正確な由来は不明だが、パシュトー語で「ロシア風のもの」を示す際に-ovという語尾を付ける風習があったことと、アフガニスタン東部方言でカラシニコフ銃を指して使われたクリシニコフ(Krishnikov)なる表現が関係しているとヴァイニングは予想している。この言葉は1980年代中頃から雑誌等を通じてアメリカ合衆国に伝わり、1990年代初頭にポール・マホニー(Paul Mahoney)が、短銃身のカラシニコフ銃を専門に製造・販売する銃砲店クリンクス(Krinks)を開業したことがきっかけで広く知られるようになった。現在では、AKS-74Uに限らず、フルサイズのAKに比べてガスバイパスを短縮化したモデルは(素体の形状や口径にかかわらず)クリンコフと通称される[2]。アメリカではセミオート限定にしてストックを廃する事でピストルとして登録したもの、逆にガスバイパスを短縮化しながらフラッシュハイダーを省略、バレルを延長して法律上の問題をクリアした変わり種などが存在する。
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AKS-74U
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AKS-74Uを手にするウクライナ海軍歩兵
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インタビューを受けるウサーマ・ビン・ラーディンの背後にAKS-74Uが立てかけてある
RPK-74
RPK-74は、AK-74の分隊支援火器仕様である。銃身やレシーバーを肉厚にする事で耐久力を得つつ、45連のロングマガジンを使用する。
AK-74M
AK-74Mは、1991年からソ連で配備が開始されたAK-74の近代化型である。Mは、ロシア語: Модернизированный、ラテン文字転写 Modernizirovannyj の頭文字で「近代型」を意味する。AK-74Mは、AK-47・AKM・AK-74に次ぎ、AKシリーズの第4世代に相当する。
従来のAK-74は、固定式銃床を備えたAK-74と金属製折りたたみ式銃床を備えたAKS-74の二種類に分かれていた。このAK-74Mは、従来のAK-74と形状は固定銃床の様でありながら、プラスチック製の折りたたみ式銃床を標準装備しているため、自動車化狙撃兵や空挺軍兵士、戦車兵などに支給するアサルトライフルを文字通り一種類に統一することが可能となった。
ハンドガードとグリップの形状はAK-74後期型と同じであるが、プラスチック部品の成型色が、AK-74後期型の焦げ茶色から黒色になった。また、ボルトキャリアーが従来よりも軽量化が図られており、射撃時の衝撃が緩和されている。レシーバカバーについても強化されたため、AKMよりあった補強リブが省略されている。
レシーバー左側面には暗視装置や光学照準器の取り付け用レールが標準装備となった。光学照準器は1P78-1カシュタンを使用する。
AK-74MはAKS-74やAKS-74Uの様に、銃床右側の本体付近にスリングスイベルが存在する。
同盟国にも供与やライセンス生産が認められたAK-74やAKS-74と異なり、AK-74Mはソ連で配備が開始された直後にソビエト連邦の崩壊が発生したため、ロシア連邦でのみ生産が継続された。
輸出用に西側標準の5.56x45mm NATO弾や旧式の7.62x39mm弾を使用可能なように設計されたAK-100シリーズは、このAK-74Mをベースにしている。AK-105(5.45x39mm弾使用のカービンモデル)に対応するフルサイズモデル(例えばAK-102に対するAK-101)がAK-74Mともいえる。
ロシア軍ではAK-74Mの後継銃AN-94を開発したが、従来のAKに比べ構造が複雑でコストも高く、作動不良が多発するため、一部の部隊にしか行き渡らなかった。その後もいくつかの後継銃の試作がされたものの、いずれも採用には至らず、そのためAK-74Mの調達が2011年9月まで続けられた。
ロシア軍による2011年9月のAK-74Mの調達打ち切りについては、ロシア軍が既に必要量の数十倍を所有しており、やや大ぶりであることやピカティニー・レールを備えていないなど、性能的に時代遅れであることが理由とされている。ロシア軍では、より高性能の新型自動小銃が採用されるまでは、新規の調達はしない方針になり[3]、2015年4月にロシア国防相は後継型のAK-12およびA-545の採用、調達を決定することとなる。
なお、1挺当たりの価格は、需給動向によって大きく変動するが、近年では安くても200ドル前後とされている [4]。
その後、新たなデザインのグリップと大型化されたマズルブレーキ、伸縮折り畳み式のストック、ピカティニー・レール付きのレシーバーカバー、フォアグリップ付きのハンドガード等を備えた、アップグレードキットが開発された。このキットは一般部隊、偵察部隊、特殊部隊と、部隊別に3種類用意されている。2015年の対独戦勝パレードにて初めて公開、展示された[5]。 ロシア軍では、予算の関係とAK-74の既保有量から当面、後継型のAK-12の調達と本アップグレードキットによる既存AK-74の改修とを併存させるものと見られる。
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GP-34グレネードランチャーと60発カスケットマガジンを装備したAK-74M
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銃床を折り畳んだ状態のAK-74M(第106親衛空挺師団所有)
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ロシア空挺軍の士官候補生(2005年対独戦勝パレード)
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アップグレードキット(2020年)
AK-100シリーズ
このシリーズは本質的にはAK-74Mの口径変更型またはカービンモデルであり、AK-74Mと同世代の小銃である。
ソビエト連邦の崩壊後、ロシアのAK生産拠点は民営化され、イズマッシュ社として再出発、銃器の他に、オートバイや自動車を生産する機械メーカーとして活動したが、イズマッシュ社はその後経営破綻、2013年他社と経営統合のうえカラシニコフ・コンツェルン社として再興されている。現在もAKシリーズの生産、改良を続けており、様々なバリエーションが発表されている。
輸出を意識しており、口径も西側NATO弾に対応するものなどがある。そのため、プライベートオペレーターなどは5.56x45mm NATO弾の銃器を携行する際にはAK-101やAK-102、AK-108を選択することがある。
- AK-101
- 口径5.56x45mm。銃身長415mm。西側5.56x45mm NATO弾に対応している輸出向けモデル。
- AK-102
- 口径5.56x45mm。銃身長314mm。AK-101のカービンモデル。AKS-74Uのような極端な短縮化ではなく、フロントサイトとガスバイパスの間にあるバレルを短縮化し、ストックもAK-101に準拠したものを装着する。ただし、フラッシュハイダーの形状はAKS-74Uに近い。
- AK-103
- 口径7.62x39mm。銃身長415mm。口径はAK-47と同じだが、あくまでAK-100のバリエーションとして、AK-74Mに準拠した設計。ベネズエラ軍が制式採用した。
- AK-104
- 口径7.62x39mm。銃身長314mm。AK-103のカービンモデル。
- AK-105
- 口径5.45x39mm。銃身長314mm。AK-74Mのカービンモデル。
- AK-107
- 口径5.45x39mm。連射速度が向上し、一分間に850-900発の射撃が可能。3点バーストの追加。AEK-971の設計に準拠したリコイル軽減機構を備える。
- AK-108
- 口径5.56x45mm。性能はAK-107同様。
- サイガM3 EXP-01
- 口径7.62x39mm。イズマッシュ社が民間用に販売している、AK-103のセミオートモデル。
その他、サイガと名が付く、民間向けのハンティングライフルやセミオートオンリーのAKライフルがある。
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5.56x45mm弾仕様のAK-101
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7.62x39mm弾仕様のAK-103。
銃床を折りたたんだ状態 -
AK-105。
AK-102やAK-104も基本形状は同一
OTs-12 Tiss (OC-11 Tiss、OC-12)
OTs-12 Tissは、KBP社がAKS-74Uを9x39mm弾仕様にし、小改良したもの。リアサイトは後方に移動し、フラッシュハイダーの形状を変え、マガジンを独自のデザインにした。
AK-9
AK-9は、イズマッシュ社が開発した9x39mm弾を使用するコマンドアサルトライフル。ベースはクリンコフ(AKS-74U)で、9x39mm弾を使用することからスペツナズ(特殊部隊)用に設計されたと思われる。
PP-19
口径9x18mm。AKS-74を元に開発された短機関銃。「スパイラルマガジン[6]」という特殊なマガジンにより64発もの装弾数を持つ。
AK-200(プロトタイプ)
2010年5月にロシアで公開されたAKシリーズの近代化型プロトタイプ。AK-74Mを原型にレールシステム付きハンドガードの追加や軽量化などの改良が加えられたもの。2011年からロシア軍で試験された結果[7]、ロシア軍はプロトタイプAK-200の採用を見送り、今後AK-74Mのピカティニー・レール付きアップグレード型を継続使用すると発表した。
AK-200シリーズ
AK-100シリーズのパーツを交換し現代化改修を施したもの。改良点はガスチューブ及びダストカバー、ハンドガードをピカティニー・レール付きの物に交換した他、フラッシュハイダーをSVDの物に似た形状の物に交換、グリップ及びストックをAK-12の初期量産型と同じものに、またセレクターレバーをグリップを握ったままをでも人差し指で素早く操作できるように中央下部にも出っ張りが追加されたものに変更されている。 2018年6月以前はAK-100M及びAK-74M3という名称であったが、輸出向けに判りやすくする為、200番台の数字に変更された。
- AK-200
- 口径5.45x39mm、フルサイズモデル。旧名称AK-74M3。
- AK-201
- 口径5.56x45mm、フルサイズモデル。旧名称AK-101M。
- AK-202
- 口径5.56x45mm、ショートバレルモデル。旧名称AK-102M。
- AK-203
- 口径7.62x39mm、フルサイズモデル。旧名称AK-103M。
- AK-204
- 口径7.62x39mm、ショートバレルモデル。旧名称AK-104M。
- AK-205
- 口径5.45x39mm、ショートバレルモデル。旧名称AK-105M。
AK-12
2012年1月にロシアで発表された次世代AK小銃(プロトタイプ名:AK-400)。プロトタイプAK-200の様に現代化を意識しつつシルエットは本来のAKに近づけられている。レシーバーは今までのAKとはかなり異なり、リアサイトはレシーバー後方に設置され、セレクターレバーは小型のものがレシーバー両面に設けられた。ストックは伸縮折り畳み式になっている。使用弾は5.45x39、5.56x45、7.62x39、7.62x51が計画されている。
AK-12は、AK-47・AKM・AK-74・AK-74Mに次ぎ、AKシリーズの第5世代に相当する(AK-100シリーズはAK-74Mの口径変更型であり、AK-74Mと同世代)。
2015年4月、ロシア国防省はRatnik歩兵近代化計画の標準火器として、カラシニコフ・コンツェルン(旧:イズマッシュ)社が製造する2種類のアサルトライフルを選定したことを公表した。選定されたのは、5.45x39mm弾を使用するAK-12と7.62x39mm弾を使用するAK-15である[8]。
- →詳細は「AK-12」を参照
各国で生産されたAK-74
AK-74とその直系派生品がベースになった銃のみを記載。
国名 | 名称 | 相当品、備考 |
---|---|---|
ポーランド | Kbk wz. 1988 タンタル Skbk wz.1989 オニキス Kbs wz. 1996 ベリル Kbk wz.1996 ミニベリル Kbk wz.1997 ボゾ Kbk wz.2002 ビン Kbk wz.2004 ベリル Kbk wz.2005 ジャンター |
AKS-74 AKS-74U AKS-74、近代化モデル、5.56x45mm弾仕様 wz.1996短縮(クリンコフ)型、5.56x45mm弾仕様 wz.1996ブルパップ仕様、5.56x45mm弾仕様 wz.1997 ボゾ改良型、5.56x45mm弾仕様 wz.1996近代化モデル、5.56x45mm弾仕様 wz.2002近代化モデル、5.56x45mm弾仕様 |
ルーマニア | AIMS-74 | AKS-74、フォアグリップ付属 |
ブルガリア | アーセナル AR-M1 アーセナル AR-M1F アーセナル AR-SF アーセナル AR-M4SF アーセナル M9 アーセナル M9F アーセナル SLR-100シリーズ |
AK-74 AKS-74 AKS-74U、5.56x45mm弾仕様、下面折畳銃床 AKS-74U、5.56x45mm弾仕様、側面折畳銃床 AK-74、5.56x45mm弾仕様 AKS-74、5.56x45mm弾仕様、側面折畳銃床 上記のAKのレシーバーは、全てAK-47タイプの切削加工 AK-100シリーズに相当 |
東ドイツ | MPi-AK-74N MPi-AKS-74N MPi-AKS-74NK Wieger STG941 Wieger STG942 Wieger STG943 Wieger K500 |
AK-74 AKS-74、側面折畳銃床 AKS-74U、側面折畳銃床 ロングハンドガード、5.56x45mm弾仕様 STG941、側面折畳銃床 STG942カービン RPK-74 |
ユーゴスラビア連邦共和国 セルビア |
M85SMG(en) M92SMG M21 |
AKS-74U、5.56x45mm弾仕様 AKS-74U、7.62x39mm弾仕様 M80、近代化カービン、側面折畳銃床 |
ウクライナ | Vepr | AK-74ブルパップ仕様 |
北朝鮮 | 88式歩銃 98式歩銃 |
AK-74 88式のプラ部品を金属製に換装 |
中国 | 88-S式自動歩槍 AK-2000P |
AK-74コピー、5.56x45弾仕様、セミオートのみ 56式自動歩槍2型と共通の側面折畳銃床を装備。AK-101に相当 |
日本 | ナーディー | オウム真理教が製造 |
AK-74の遊戯銃
日本では、AK-74の遊戯銃はエルエスが製品化した組み立て式モデルガン、コッキング式エアガン、外部ソース式ガスガンが最初といわれている。AKMも同時に製品化され、更に別売のプラスチック組み立て式のAK用銃剣も販売され、その製品の完成度から人気が高い製品であった。エルエス倒産後は、AK-74を出す国内メーカーは一時期消滅し、後にエスコートが発売したガスブローバックガンしか存在せず、東京マルイ製電動ガンAK-47を74にするコンバージョンキットや、海外製の電動ガンを購入するほか無かった。
エルエス倒産後、金型を引き継いだアリイがエアコッキング式のAK-74とプラスチック組み立て式の銃剣を販売していたが、アリイもまた、エアガン産業から撤退した。以後日本ではエアコッキング式のAK-74は中古市場以外ではほぼ入手不能となった。
アリイの持っていたAK-74の金型は、更に韓国のトイガンメーカーであるトイスターに受け継がれ細部が改良されたAK-74のエアコッキング式トイガンが近年、韓国で発売されており、一部の輸入代行業者、輸入販売業者を通して入手することが可能である。 2007年12月20日には、東京マルイがリコイルショック発生装置とボルトのブローバック機構を搭載した次世代電動ガン第一号として、AK-74MN(AK-74M)を発売した。AK-74MNに関しては一時期生産が中止されていたが、2018年に生産が再開された。 現在のAKシリーズは、AK74MN、AKS-74U、AK-102、AKS-74、AK-47、AKS-47が次世代電動ガンシリーズとしてラインナップされている。
また、近年では香港や台湾の遊戯銃メーカーから大量にバリエーションが展開されている。
2012年10月31日に国内初であるGBB式AK-74MをKSCが発売した。また、翌年2013年7月にはGBB式AKS-74Uを発売している。
登場作品
映画
- 『007シリーズ』
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- 『007 ゴールデンアイ』
- 冒頭にて、主人公のジェームズ・ボンドがソ連の化学工場に潜入した際に敵からAKS-74Uを奪って使用。また、ゼニア・オナトップがゼヴェルナヤのコントロールルームでAKS-74Uを使用するほか、冒頭のソ連軍やロシア軍の将兵がAK-74とAKS-74・AKS-74U・AK-74風に改造された56式自動歩槍を使用する。
- 『007 ダイ・アナザー・デイ』
- 冒頭の戦闘にて、ザオと北朝鮮軍兵士がAKS-74Uを使用。
- 『REDリターンズ』
- カーチャ・ペトロコヴィッチとその護衛がAKS-74Uを所持する。
- 『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』
- 太田莉菜演じるカーシャがAK-74を使用する。ケースにはFSBの紋章がついているが、日本においては銃砲等不法所持に抵触し得る危険な代物である。
- 『ブラックホーク・ダウン』
- ソマリア民兵の前線指揮官であるモアリムが、AKS-74Uを使用する。
- 『ミッドナイト・イーグル』
- 日本アルプスに墜落したステルス爆撃機に搭載されていた核兵器を爆破しようとする、某国工作員たちがAK-74を使用する。
- 『ランボー3/怒りのアフガン』
- 主人公のジョン・ランボーが、AK-74にM203 グレネードランチャーを装着した物を使用するほか、ソ連軍兵士とムジャーヒディーンの双方もAK-74を使用している。
- 『ザ・ラストシップ』
- シーズン1にてロシア海軍の兵士が使用。
ゲーム
- 『バトルフィールドシリーズ』
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- 『Project Reality(BF2)』
- ハマースや自由シリア軍、ターリバーンなどの民兵用装備として登場。登場バリエーションはAK-74、AKS-74、AKS-74U。また、ロシア連邦軍の正規兵の装備としてAK-74Mが1P29スコープを装備して登場する。
- 『BF3』
- 突撃兵のメインウェポンとして、AK74Mが登場。様々なカスタマイズが可能。
- 『BF4』
- 突撃兵の最初のメインウェポンとしてAK-12が登場。初期状態ではカスタムパーツとしてKOBRA(RDS)、エルゴノミック フォアグリップ、レーザーサイトが装着されている。様々なカスタマイズが可能。
- 『ハードライン』
- オペレータークラスのメインウェポンとしてAKS-74Uが登場。
- 『Alliance of Valiant Arms』
- ライフルマンのメインウェポンとして AK-74M、AKS-74U、AK-200などが登場。ショップ内で購入可能な通常タイプのほか、ガチャ景品として入手可能な、特別な装飾やカスタマイズが施されたタイプがある。
- 『メトロ2033』
- 小説版、ゲーム版ともに登場。ゲーム版では「Karash」という名称で、続編である『メトロ ラストライト』、『メトロ エクソダス』にも登場している。
- 『Escape from Tarkov』
- AK-74、AKS-74U、AK-74M、AK-101など、数多くのバリエーションが登場する。それぞれグリップをはじめ、ハンドガード、レシーバー、マズルなど細部に至るまでカスタマイズが可能。
脚注
- ^ 撃つためのデザイン「AK-47」(2005年ヒストリーチャンネル製作・放映、原題:Tales of the Gun)
- ^ Miles Vining. ““Krinkov”: The Soviet AKS74U”. smallarmsreview.com. 2020年10月15日閲覧。
- ^ サンスポ2012年1月22日 【軍事のツボ】カラシニコフとずさんな武器管理 (2/4ページ) - 2014年1月10日閲覧
- ^ サンスポ2012年1月22日 【軍事のツボ】カラシニコフとずさんな武器管理 (3/4ページ) - 2014年1月10日閲覧
- ^ “Rostec :: News :: An improved Kalashnikov rifle will be on display at the Victory Day Parade”. Rotec. (2015年5月6日) 2017年6月5日閲覧。
- ^ 発想はキャリコM100のヘリカルマガジンに近い
- ^ Russia to test new model of Kalashnikov assault rifle in 2011(銃を構えているのはミハイル・カラシニコフ)
- ^ Зампред ВПК: Минобороны вооружится и АК-12, и автоматом Дегтярева
関連項目
- 小銃・自動小銃等一覧
- AK-47
- AK-12
- AK系アサルトライフルの銃剣
- AN-94
- AO-63
- 80.002
- GP-25/GP-30 - AK-74用のアンダーバレル式グレネードランチャー
- 自動小銃密造事件 - オウム真理教がAK-74と5.45x39mm弾を大量に密造しようとした事件
- 九州南西海域工作船事件 - 工作船の乗員が北朝鮮製のAKS-74(88-1式自動歩銃)で発砲を行い、後に4挺が回収された事件