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アルコール度数は1‐2.5%。そのまま飲用する他、[[トマト]]、[[キュウリ]]、[[タマネギ]]などの[[野菜]]、[[ハム]]やゆで[[卵]]を細かく切ったものに、クワスを加えて混ぜたものを冷たい[[スープ]]としても食べる([[オクローシカ]])。
アルコール度数は1‐2.5%。そのまま飲用する他、[[トマト]]、[[キュウリ]]、[[タマネギ]]などの[[野菜]]、[[ハム]]やゆで[[卵]]を細かく切ったものに、クワスを加えて混ぜたものを冷たい[[スープ]]としても食べる([[オクローシカ]])。


[[ウクライナ]]、[[ベラルーシ]]、[[ロシア]]では伝統的にアルコール飲料ではなく[[ジュース]]として飲まれてきた。[[ソビエト連邦|ソ連]]時代は大規模な工場で生産されるようになり、町中や[[公園]]などでクワスの[[自動販売機]]も設置されていた。[[1991年]]の[[ソ連崩壊]]以降、国外から流入してきた[[コーラ (飲料)|コーラ]]などに押され、一時にクワスは嗜好品としての役目を終えたという説も出るほどであったが、[[2005年]]にはニコーラブランドの[[ペットボトル]]入りクワスが発売されるなど、徐々にクワスの消費量は増加している<ref> 沼野恭子『ロシア文学の食卓』 日本放送出版協会 2009年1月30日発行 (2002ページ)ISBN 978-4-14-091126-6 </ref>。
[[ウクライナ]]、[[ベラルーシ]]、[[ロシア]]では伝統的にアルコール飲料ではなく[[ジュース]]として飲まれてきた。[[ソビエト連邦|ソ連]]時代は大規模な工場で生産されるようになり、町中や[[公園]]などでクワスの[[自動販売機]]も設置されていた。[[1991年]]の[[ソビエト邦の崩壊]]以降、国外から流入してきた[[コーラ (飲料)|コーラ]]などに押され、一時にクワスは嗜好品としての役目を終えたという説も出るほどであったが、[[2005年]]にはニコーラブランドの[[ペットボトル]]入りクワスが発売されるなど、徐々にクワスの消費量は増加している<ref> 沼野恭子『ロシア文学の食卓』 日本放送出版協会 2009年1月30日発行 (2002ページ)ISBN 978-4-14-091126-6 </ref>。


クワスが飲まれる地域では、[[正教会]]の[[修道院]]でも作られ、修道院のクワス({{lang-ru|монастырский квас}})と呼ばれている<ref>[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/kenshu.htm 至聖三者修道院での研修 司祭 マルコ 小池祐幸 神父]</ref><ref>[http://www.solod-opt.com/kvass.html {{lang|ru|Квас. История, виды, способы приготовления}}]</ref><ref>[http://www.zvtur.ru/index.php?option=com_content&view=article&id=11&Itemid=12 {{lang|ru|Монастыри Звенигородского края}}]</ref><ref>レシピ:[http://www.russian-kvass.ru/rec/monk/ {{lang|ru|Всё о квасе / Рецепты приготовления кваса / Монастырский квас}}]</ref>。
クワスが飲まれる地域では、[[正教会]]の[[修道院]]でも作られ、修道院のクワス({{lang-ru|монастырский квас}})と呼ばれている<ref>[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/kenshu.htm 至聖三者修道院での研修 司祭 マルコ 小池祐幸 神父]</ref><ref>[http://www.solod-opt.com/kvass.html {{lang|ru|Квас. История, виды, способы приготовления}}]</ref><ref>[http://www.zvtur.ru/index.php?option=com_content&view=article&id=11&Itemid=12 {{lang|ru|Монастыри Звенигородского края}}]</ref><ref>レシピ:[http://www.russian-kvass.ru/rec/monk/ {{lang|ru|Всё о квасе / Рецепты приготовления кваса / Монастырский квас}}]</ref>。

2020年12月25日 (金) 23:21時点における版

クワス

クワスウクライナ語ベラルーシ語ロシア語квас、[クヴァス];意訳:[酸汁])は、東欧の伝統的な微炭酸の微アルコール性飲料。キエフ大公国時代から知られ、現在はウクライナベラルーシロシアなどで好まれている。

概要

町中のクワスの販売(2005年、キエフ、フレシチャーティク通り)

クワスはライ麦麦芽発酵させて作る。各家庭においてはライ麦パン酵母を原料として手軽に作られる。クワスをパン種として、パン生地を練って、ライ麦パンを焼くこともある。 ロシアではクワスは夏の風物詩とされている。冬にも作られるが、夏と冬ではレシピが異なるため、その風味には明確な違いがある[1]

アルコール度数は1‐2.5%。そのまま飲用する他、トマトキュウリタマネギなどの野菜ハムやゆでを細かく切ったものに、クワスを加えて混ぜたものを冷たいスープとしても食べる(オクローシカ)。

ウクライナベラルーシロシアでは伝統的にアルコール飲料ではなくジュースとして飲まれてきた。ソ連時代は大規模な工場で生産されるようになり、町中や公園などでクワスの自動販売機も設置されていた。1991年ソビエト連邦の崩壊以降、国外から流入してきたコーラなどに押され、一時にクワスは嗜好品としての役目を終えたという説も出るほどであったが、2005年にはニコーラブランドのペットボトル入りクワスが発売されるなど、徐々にクワスの消費量は増加している[2]

クワスが飲まれる地域では、正教会修道院でも作られ、修道院のクワス(ロシア語: монастырский квас)と呼ばれている[3][4][5][6]

歴史

クワスの歴史は古く、古代にまでさかのぼる。原型はビールとクワスの中間のようなものであったとされ、2000年以上前に古代エジプトで出現し、ヒポクラテスヘロドトスプリニウスが自身の著作でクワスに近い飲料について記述している。

ロシアでのクワスの最古の文字記録は、洗礼を終えたウラジーミル大公が、民衆に食べ物とクワスを振る舞うように指示した989年の文書である[1]。当時のクワスは現代のビールよりもアルコール度数が高く、酔っ払いを意味する「クワスの人」という言葉があった。

12世紀頃には酸味の強弱によってクワスを区別するようになり、酸味の強いクワスは「熟成クワス」と呼ばれるようになった。最もアルコール度数が高くなる3月に仕込まれたクワスが最上のものとされた[1]15世紀頃にはクワスのレシピは多様化し、野草やハチミツ、果物、野菜などを加えた約500種類のクワスが作られていた。

19世紀に入ると、モルスレモネードなど他の果汁飲料に押されてクワスの存在感は薄れたが、第一次世界大戦中に施行された禁酒令の例外となったクワスはにわかに脚光を浴びた[1]。また、ロシア国民保健協会は回復期の滋養に効果的な病院食として、軍病院など多くの病院でクワスを醸造した。

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c d マリーナ・コレヴァ、タチヤナ・イヴァシコヴァ、他 『メイド・イン・ソビエト:20世紀ロシアの生活図鑑』 神長英輔、大野斉子訳 水声社 2018年 第1刷 ISBN 9784801003224 pp.76-79.
  2. ^ 沼野恭子『ロシア文学の食卓』 日本放送出版協会 2009年1月30日発行 (2002ページ)ISBN 978-4-14-091126-6
  3. ^ 至聖三者修道院での研修 司祭 マルコ 小池祐幸 神父
  4. ^ Квас. История, виды, способы приготовления
  5. ^ Монастыри Звенигородского края
  6. ^ レシピ:Всё о квасе / Рецепты приготовления кваса / Монастырский квас

参考文献

  • (ウクライナ語) Українські страви. К.: Державне видавництво технічної літератури УРСР, 1961.
  • (ウクライナ語) Абельмас Н.В. Українська кухня: Улюблені страви на святковому столі. K., 2007.
  • (英語) Best of Ukrainian Cuisine (Hippocrene International Cookbook Series). 1998.

関連項目

外部リンク