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「Open Enterprise Server」の版間の差分

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2020年12月23日 (水) 22:13時点における版

Open Enterprise Server
OSの系統 Unix系, NetWare
ソースモデル オープンソース / クローズドソース
最新安定版 OES 2018 SP1 / 2019年2月9日 (5年前) (2019-02-09)
対象市場
パッケージ管理 RPM Package Manager
先行品 NetWare 6.5
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Open Enterprise Server (OES) はサーバオペレーティングシステムである。2005年3月にノベル (企業)よりNetWareの後継として発表された[1]

OESはNetWareとは違いLinuxディストリビューションベースである。具体的に言うとOESはSUSE Linux Enterprise Serverベースである。Open Enterprise Serverの最初とその次までのメジャーリリースでは、Linuxカーネル(NetWare互換レイヤーと併用)とノベルのNetWareカーネル(Linux互換レイヤーと併用)のどちらでも起動可能であった[1]が、ノベルはOES 11のリリースからNetWareカーネル版を廃止した。

OES 1とOES 2

ノベルはOESの最初のバージョンとして、OES 1を2005年3月にリリースした[1]。一部のユーザーはNetWareと後方互換であることを望んでいたため、ノベルはOES-NetWareおよびOES-Linuxの2つのインストールオプションを提供した。OES-NetWareおよびOES-Linuxは、それぞれ異なるカーネルとユーザーランドを搭載した、別々のオペレーティングシステムである。

OES-NetWareは、様々なノベルのサービス(NetWare Core ProtocolNovell eDirectoryNovell Storage ServiceiPrint英語版など)やオープンソースソフトウェアOpenSSHApache TomcatApache HTTP Serverなど)向けNetWare Loadable Module英語版を搭載したNetWare v6.5である。

OES-LinuxはSUSE Linux Enterprise Server (SLES) にNetWareサービスであるNetWare Core Protocol、Novell eDirectory、Novell Storage Services、iPrintを搭載したバリエーションである。

2007年10月8日にOES 2がリリースされたが、OES-NetWare版は残された。OES 2のOES-NetWare版オペレーティングシステムであるNetWare 6.5 SP7は、Xenハイパーバイザの内部で準仮想化ゲストとして実行可能であった。OES 2のOES-Linux版のSLESは、SLES 10にアップデートされた。

OES 2が搭載した機能は以下の通りである[2]:

OES 11

2011年12月13日、SLES 11 SP1 64-bitベースのOES 11がリリースされた。OES 11はOESで初めて64ビット版 (x86_64) およびSLESベース版のみのリリースとなった(32ビット版とNetWareベース版はリリースされなくなった)。

  • Macクライアント向けNovell Kanakaの導入
  • OES2より100倍高速でパッチを当てるZypperツールの採用
  • OES2からの自動/無人アップグレードの追加
  • より簡単なストレージ管理を提供する新型Novell Linux Volume Manager (NLVM)

2014年1月28日、ノベルはサービスパックとしてOES 11 SP2をリリースした。

OES 2015

  • OES 2015には新しい機能が追加され、パフォーマンスが改善された[3]
  • OES 2015 SP1は2016年にリリースされた[3]

OES 2018

  • 2017年12月にリリースされたOES 2018はSLES 12 SP2ベースである。

リリース概要

  • 2005年3月にOESがリリース。NetWare 6.5 SP3ベース・SLES 9 SP1ベース。
    • OES SP1、2005年9月リリース。NetWare 6.5 SP4ベース・SLES 9 SP2ベース。
    • OES SP2、2006年1月リリース。NetWare 6.5 SP5ベース・SLES 9 SP3ベース。。
  • 2007年10月8日、OES 2がリリース。NetWare 6.5 SP7ベース・SLES 10 SP1ベース。
    • 2008年12月1日、OES 2 SP1がリリース[4]。NetWare 6.5 SP8ベース・SLES 10 SP2ベース。
    • 2009年11月11日、OES 2 SP2がリリース[4]。SLES 10 SP3ベース。
    • 2010年12月22日、OES 2 SP3がリリース[4]。SLES 10 SP3ベース。
  • 2011年12月13日、OES 11がリリース。SLES 11 SP1ベース(64ビット版のみ)。
    • 2012年8月28日、OES 11 SP1がリリース[4]。SLES 11 SP2ベース。
    • 2014年1月28日、OES 11 SP2がリリース[4]。SLES 11 SP3ベース。
    • 2016年8月、OES 11 SP3がリリース。SLES 11 SP4ベース。
  • 2015年8月、OES 2015がリリース[3]
    • 2016年6月、OES 2015 SP1がリリース。SLES 11 SP2ベース。
  • 2017年12月、OES 2018がリリース。SLES 12 SP2ベース。
    • 2019年2月、OES 2018 SP1がリリース。SLES 12 SP3ベース。

End-Of-Supportスケジュール

OESバージョン リリース日 サポート終了日[5] LTSS終了日
サポート終了:1 2005-03-01 ? ?
サポート終了:2 2007-10-08 2013-07-31 ?
サポート終了:11 2011-12-13 2017-06-13 ?
サポート中:2015 2015-08-31 2019-03-31 ?
現行バージョン:2018 2018-12-06 2022-12-28 ?
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

コンポーネント

  • Client for Open Enterprise Server

Client for Open Enterprise Server (Client for OES) は OES2 以降の Windows 用クライアントソフトウェアである。かつては Novell Client for Windows と呼ばれていた。[6]

Client for OES は Windows とOESとの通信を NetWare Core Protocol (NCP ポート 524)によって実現する、唯一の手段である。 OES のサブスクリプションに含まれ、OES ユーザは、OES サポートポリシーにより、サポートを受けられる。 Windows ワークステーションのログインスクリプトを処理し、ローカルアカウントとネットワークアカウントの管理を行う。また Windows Explorer のシェルをOESのために拡張する。通信は NCP、ポート 524を使い、ログイン、ファイルトラスティ、ボリューム、SLPによるネットワークリソース検索などを NCP プロトコルによって管理する。

Windows が更新される都度、Windows 側の仕様変更に対応できるよう、ACUと呼ばれる自動クライアントアップデート機能がある。

  • Automatic Client Upgrade (ACU) - 既存のワークステーション上におけるノベルクライアントソフトウェアのアップグレードを自動化する[7]

マーケティング

ベンダーの動機

ノベルの幹部達は大半のアナリスト達[誰?]と同様に、人気上昇中のOSにサービスを移植し、ハードウェアとソフトウェアベンダーのサポートを強化すれば、ノベルはビジネス効果を高める機会を得られるだろうと期待した。

OESは、以下の2つに対するノベルの反応である:

  • 企業戦略と業界全般におけるLinuxとオープンソースの重要性の増大。
  • ノベルが市場シェアの多くを失ったという事実。これは、顧客がネットワーキングサービスの品質に不満を持っていたからではなく、ネットワーキングサービスが初期設計において狭義に特化されたOS上で独占的に実行されることがほとんどで、さらに大半の競合他社のようにISVの強力なサポートを得られなかったことが理由の大半であった。

ライセンスコスト

ライセンスコストはプラットフォームに関係なく同一であり、同一ライセンスの下ではプラットフォームを混在させてもよい。OESはノベルの他の製品と同様に、サーバの数に関係なく、ユーザー毎にライセンスが与えられる。価格設定は通常、物理CPUてあってもハードウェア仮想化技術(例えばVMwareXen)の使用であっても変わることはない。NetWareとOESには、共にNovell Cluster Services用の2ノードライセンスが含まれているため、追加のライセンス料金なしで基本的なクラスタ環境を作成できる。

OESと比べると、Microsoft Windowsはサーバごとやクライアントごとに課金され、大きなSMPサポートとクラスタリングには追加料金がかかる。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c Prickett Morgan, Timothy (13 December 2011). “NetWare-Linux Love Child Turned Up to 11”. The Register. 2017年2月7日閲覧。
  2. ^ Upgrading to OES2: Planning & Implementation Guide”. 2018年6月30日閲覧。
  3. ^ a b c Manage File & Print Networks - Open Enterprise Server”. 20 November 2015閲覧。
  4. ^ a b c d e Product Support Lifecycle”. 2018年6月30日閲覧。
  5. ^ Product Support Lifecycle
  6. ^ https://www.novell.com/documentation/windows_client/windows_client_admin/data/h4rudg93.html
  7. ^ Harris, Jeffrey (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, NetWare Edition. Novell Press. Pearson Education. ISBN 9780672332784. https://books.google.com/books?id=2-69VwrqOwIC 2015年2月15日閲覧. "Automatic Client Upgrade[:] Although the Client Upgrade Agent has largely replaced this functionality, Novell still offers the ACU feature to automate the upgrade of multiple existing workstations to the latest Novell client." 

外部リンク

参考文献