「幹事長」の版間の差分
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2020年11月1日 (日) 11:11時点における版
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幹事長(かんじちょう)は、組織の役職名の一つで、幹事集団(幹事会、常任幹事会)の長。組織内に関わる職務を行なう役職のうち最高位。実質的に、「代表幹事」「事務総長」「事務長」「事務局長」「秘書長」「書記長」「総書記」「第一書記」「筆頭書記」と同等。いずれの呼称も英語では「secretary-general」に相当する。組織のナンバーワンを示す場合とナンバーツーを示す場合とあり、そのいずれかはその組織により異なる。
概説
もともと、おおよそ2000年頃までに結党された政党では、政党内に「中央執行委員会」「常任幹事会」のような最高意思決定の常設機関があり、幹事長はその組織の長、あるいは事務長であるという位置づけになっているのが通例であった。古い大政党でそのようになっていないのは、自由民主党幹事長である。同職は、特定機関に付属するという位置付けではない。また、小政党では最高意思決定の常設機関自体がそもそも存在しないので、幹事長は独立した党内役職となっている。2000年以降に結成された諸政党も同様である。
幹事長職がナンバーツーである場合は、「総裁を補佐し、党務を執行する。」(自由民主党党則8条1項)、「代表を補佐し、党務を統括する。」(公明党規約35条1項)、「代表を補佐して党務執行全般を統括する。」(立憲民主党規約16条2項)と、各党の規則にある通り、党首の職務執行を補佐し、かつ党務を掌握する。党務の中には、党の膨大な資金配分や、選挙の総指揮も含むことが多い。つまり「カネ」と「人事」を握っている。そのため、「副総裁」「副代表」「副委員長」「副党首」など一見ナンバーツーを想起させる役職よりも権限が大きく、真のナンバーツーであるといえる。とりわけ、政府与党で党首が内閣総理大臣に選出されている場合は、多忙な首相兼党首に代わり、党の全権を掌握することとなる。
また、党本部だけではなく地方組織、すなわち党県連・地方議会会派等にも「幹事長」の役職が設置されている。自由民主党、立憲民主党、国民民主党など大政党においては、都道府県連の代表には国会議員が就くのに対し、幹事長には地方議員が就任する事が多い。
外国語からの翻訳では、おおむね社会主義政党や革命志向政党については書記長、保守政党については幹事長と訳し分けることが多い。日本では1980年代以前に革新政党や中道政党が、幹事長に相当する役職名として「書記長」(おおむね「中央執行委員会」付き)を置き、対して自民党やその源流あるいは派生の保守政党は幹事長を置いていた。1990年代以降は、かつて書記長を置いていた党の直系の後継政党が書記長の代わりに幹事長を置く例が続いた(社会民主党・公明党など)。現在、政党要件を満たす党では日本共産党が書記局長を置く他は、幹事長または代表幹事を置くか、共同代表制などを取っている。
これまで与党第一党の幹事長は首相と同様全員衆議院議員で占められていた。しかし、2011年9月には民主党の幹事長に参議院議員会長の輿石東が就任(兼任)した。
副幹事長
幹事長の下に副幹事長を置く場合がある。大政党では通常、複数名任命する。経験の浅い政治家を、党務の下働き経験を積ませるために任命することも多い。幹事長の筆頭補佐職の職名は幹事長代理であることが一般的である。
whip
英米系諸国の議会にはホイップ(whip)という役職があり(参照: 内閣 (イギリス)#院内幹事)、日本語では「院内幹事」と訳されている。この職は、自党に属する議員が投票行動において党の決定に反さないように督励や調整を行う仕事である。会派の役職でありながら、かつ議会における公的な地位でもある点が、日本の政党の「党参院議員会長」「党参議院幹事長」などとは異なる。
その他の意味での幹事長
大学、学生活動において組織されるサークルの長など。特に早稲田大学では体育会等を除き、雄弁会などからオールラウンドサークルまで大部分のサークル活動の長は幹事長を名乗っている。但し長とはいっても公認サークルにおいては、あくまで現役の学生の長に過ぎない。早稲田大学においては最高責任者である会長が早稲田大学の専任教員のみ就任可能な職とされているためである。また、暴力団の組内部の役職名としても幹事長を置く場合がある。
各政党の幹事長の地位と名称
地位 | ナンバーワン | ナンバーツー | 国名 | 政党・組織名 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ナンバーワン | 書記長 | - | ソ連 | ソ連共産党 | |
書記長 | 日本 | 日本共産党中央委員会 | 1970年まで | ||
第一書記 | ソ連 | ソ連共産党 | フルシチョフ時代 | ||
総書記 | 中国 | 中国共産党 | |||
第一書記 | 北朝鮮 | 朝鮮労働党 | |||
事務総長 | - | 国際連合 | |||
ナンバーツー | 中央委員会主席 | 秘書長 | 台湾 | 中国国民党 | |
党中央委員会 幹部会委員長 (委員長) |
党中央委員会 書記局長 (書記局長) |
日本 | 日本共産党中央委員会[1] | 1970年から | |
中央執行委員会 委員長 (委員長) |
中央執行委員会 書記長 (書記長) |
日本 | 日本社会党 | 1996年まで | |
沖縄社会大衆党 | |||||
民社党 | |||||
公明党 | 1994年まで | ||||
新社会党 | |||||
代表 | 書記長 | 日本 | 社会民主連合 | ||
代表 | 代表幹事 | 日本 | 日本新党 | ||
新党さきがけ | 1996年まで | ||||
太陽の党 | 2014年9月から11月まで | ||||
党首 | 代表幹事 | 日本 | 新生党 | ||
日本創新党 | |||||
総裁 | 幹事長 | 日本 | 立憲民政党 | ||
日本自由党 | 吉田茂 | ||||
民主自由党 | |||||
自由党 | 吉田自由党 | ||||
日本自由党 | 鳩山自由党 | ||||
日本民主党 | 鳩山一郎 | ||||
自由民主党 | |||||
党首 | 幹事長 | 日本 | 新進党 | ||
太陽党 | |||||
社会民主党 | |||||
自由党 | 小沢一郎 | ||||
保守党 | 小沢自由党から分派、後の保守新党 | ||||
次世代の党 | |||||
NHKから国民を守る党 | |||||
代表 | 幹事長 | 日本 | 新自由クラブ | ||
新党さきがけ | 1996年から | ||||
民政党 | 羽田孜 | ||||
民主党_(日本 1996-1998) | |||||
民主党 (日本 1998-2016) | |||||
民進党 | |||||
国民民主党 (日本 2018-) | |||||
国民民主党 (日本 2020-) | |||||
公明党 | 1998年から | ||||
保守新党 | |||||
国民新党 | |||||
新党日本 | |||||
改革クラブ | 後の新党改革 | ||||
みんなの党 | |||||
たちあがれ日本 | |||||
新党改革 | |||||
政党そうぞう | |||||
女性党 | |||||
維新政党・新風 | |||||
新党大地・真民主 | |||||
日本のこころ | |||||
希望の党 | |||||
立憲民主党 (日本 2017) | |||||
立憲民主党 (日本 2020) | |||||
日本維新の会 |
現代日本の主要政党の幹事長・書記局長
与党
野党
- 幹事長 - 榛葉賀津也
- 社会民主党全国連合
- 幹事長 - 吉田忠智
- 幹事長 - 上杉隆
地域政党・政治団体
- 大阪維新の会拡大執行役委員
- 都民ファーストの会執行部
- 沖縄社会大衆党中央執行委員会
- 書記長 - 平良識子(那覇市議会議員)
- 副書記長 - 上原快佐(那覇市議会議員)
- 減税日本執行部
- 幹事長 - 田山宏之(名古屋市議会議員)
- 副幹事長 - 大村光子(名古屋市議会議員)
- 幹事長 - 高橋元気(中央区議会議員)
- 幹事長 - (空席)
- 政党そうぞう執行役員
- 幹事長 - (空席)
- 新社会党中央執行委員会
- 書記長 - 長南博邦(前野田市議会議員)
- 副書記長 - 石河康国、宮川敏一(いずれも非議員)
- 前田剛志 - (津市議会議員)
- 龍馬プロジェクト全国会事務局
- 幸福実現党役員会
- 幹事長 - 江夏正敏(非議員)