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「みんなでつくる党」の版間の差分

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所属議員が増えたことで,問い合わせが増えたことなどを理由にNHK集金人対応などを案内する2019年5月から受信料不払いコールセンターを統一地方選後に開設をし、同年6月26日から固定電話を引いて5回線でコールセンター用の部屋を借り体制を強化している。
所属議員が増えたことで,問い合わせが増えたことなどを理由にNHK集金人対応などを案内する2019年5月から受信料不払いコールセンターを統一地方選後に開設をし、同年6月26日から固定電話を引いて5回線でコールセンター用の部屋を借り体制を強化している。


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2019年6月には[[2019年堺市長選挙|堺市長選]]に立花が出馬した(このため葛飾区議を失職)が落選した。
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2020年11月1日 (日) 10:45時点における版

日本の旗 日本政党
NHKから国民を守る党
党首 立花孝志
副党首 丸山穂高
大橋昌信
幹事長 上杉隆
成立年月日 2013年6月17日
本部所在地
〒273-0005
千葉県船橋市本町1-11-29[1]
衆議院議席数
1 / 465   (0%)
(2019年7月29日現在)
参議院議席数
1 / 245   (0%)
(2020年10月12日現在)
都道府県議数
0 / 2,668   (0%)
(2019年12月31日現在[2]
市区町村議数
32 / 29,762   (0%)
(2020年8月現在[2]
政治的思想・立場 NHKの不正撤廃
放送法の改正(NHKのスクランブル放送の実施)
直接民主主義[3]
ポピュリズム[4]
既得権益打破
2040005020525 ウィキデータを編集
公式サイト NHKをぶっ壊す! NHKから国民を守る党 公式サイト
テンプレートを表示

NHKから国民を守る党(エヌエイチケイからこくみんをまもるとう)は、日本の政党である[5]

概要

2013年に発足。第25回参院選において届け出た略称はN国党(エヌこくとう)[6][7][8]で、この他報道においてはN国[9]の略称も用いられる。第25回参院選全国比例で党首の立花孝志が当選し国政に進出した[10][11]

英語表記について公式の発表はないが、ジャパンタイムズ毎日新聞英語版はThe Party to Protect the People from NHKと表記している[12][13]。 なお、2016年9月号の党通信の表紙では「Gurd the national from the NHK」[注釈 1]と記載されたことがある[14]

党史

結党

日本放送協会(NHK)職員でインターネットテレビ「立花孝志ひとり放送局」代表取締役社長の立花孝志2013年6月17日に「NHK受信料不払い党」の設立を届出、7月23日に現在の党名に変更した[15]。同年9月の大阪府摂津市議会議員選挙を皮切りに各種地方自治体選挙に候補者を擁立[16]

地方議会に進出

2015年4月に立花が千葉県船橋市議会に当選(保守系会派「研政会」に所属[17])したことで議席を得た[18]

2015年12月には朝霞市議選でもともと船橋市在住だった大橋昌信が住所を朝霞市に移して、二人目の同党所属議員として当選。2016年4月には志木市議選で3人目の当選者を出した。

2016年7月の第24回参議院議員通常選挙では三宅博おおさか維新の会)を支持した[19]

2016年東京都知事選挙に立花が立候補[20](これにより船橋市議を失職)し、NHK放送センターで収録された政見放送でNHKの現状を批判、「NHKをぶっ壊す!」と連呼し注目を呼ぶが落選した[18]。その後、立花は2017年1月の茨木市議選に立候補したが落選。同年6月に尼崎市議選で4人目の当選者を出す。その後同年7月に実施された東京都議選葛飾区選挙区からの立候補を経て、2017年11月葛飾区議選で当選。

その後、町田市、春日部市、立川市、川西市、松戸市、八千代市、西東京市、台東区で同党所属議員を当選させている。

東京や大阪など大都市圏のベッドタウンといった住民の流入や流出が激しい自治体を中心に候補者を擁立する傾向にあり、立花は新聞の取材において、NHKからの集金に困っている一人暮らしの学生や社会人が多そうな自治体や、『浮動票』の確保を目的として過去にみんなの党が議席を持っていた選挙区を、立候補者擁立の指標にしていると説明している[21]

街頭演説の場や郵送により立花代表や候補者の携帯電話番号を記載したNHK撃退シールを頒布し、玄関先などに貼ることを奨励し、多くの候補者自らがNHK集金人対応をすることをうたい、YouTube上に立花代表がNHK集金人の撃退方法やNHK営業センターへの訪問動画や政党の活動計画などを継続的に動画を投稿し、多くの登録者数を集め活動している。

また、集合住宅を中心に受信料の不払い方法などを記載したビラをポスティングをするなどの活動を行っている。

2019年統一地方選挙においては首都圏・関西のベッドタウンを中心として47人が立候補し、26人が当選[22]。そのうち特別区議会は行われた20区議会全員に候補を出し17人を当選させている[23]。同年の4月下旬から5月上旬にかけて、「『NHKは朝鮮人帰化人に支配されており、そのため偏向報道が行われている』(杉並区議・佐々木千夏の発言)など党の政策にそぐわない偏った思想を主張するようになった」とした5名の地方議員(具体的には、グロービートジャパン・らあめん花月嵐・日本平和神軍などの中杉弘の人脈)を、「参院選への選挙資金として課せられた130万円を支払う意思がない」として、除名処分とした[24]

所属議員が増えたことで,問い合わせが増えたことなどを理由にNHK集金人対応などを案内する2019年5月から受信料不払いコールセンターを統一地方選後に開設をし、同年6月26日から固定電話を引いて5回線でコールセンター用の部屋を借り体制を強化している。

NHKから国民を守る党所属議員がいる議会はすべて議会内に会派制があり、NHKから国民を守る党所属議員は無会派及び「NHKから国民を守る党」または他の名称の一人会派を届け出て活動している事例[注釈 2]と、自由民主党及び保守系の議員による会派に参加して活動している事例が見られたが、2019年4月の第19回統一地方選挙で当選した地方議員から立憲民主党社会民主党系・元日本共産党などの左派・革新系・リベラル系の議員、あたらしい党日本維新の会・元みんなの党・元日本創新党・元国民民主党などの右派・第三極系の議員、その他無党派系などの議員と会派を組む事例も出ている。

2019年6月には堺市長選に立花が出馬した(このため葛飾区議を失職)が落選した。

第25回参院選とその後の動き

第25回参議院議員通常選挙については2019年4月26日、東京都庁記者会見を行い党公認候補者を擁立することを発表した。当初発表では比例区に立花孝志と他1名、東京都選挙区に大橋昌信と他6名[25][注釈 3]埼玉県選挙区に1名の計10名だったが、その後公認候補者を大きく増やし、比例区4名、選挙区37名[注釈 4]の計41名が立候補することとなった。比例区においては支持政党なし佐野秀光も立候補することで合意をしていたが、実現には至らなかった[27](佐野は安楽死制度を考える会より独自に立候補)。立花と大橋以外の地方議会議員経験者としては、元江戸川区議会議員の田中健茨城県選挙区より[28]、元富士見市議会議員の石川新一郎が徳島県・高知県選挙区より立候補した[29]。開票の結果、NHKから国民を守る党は比例区において1議席を獲得し、党代表の立花が当選した。選挙区においては37名全員が与野党候補に遠く及ばず落選[注釈 5]したものの、選挙区においての得票率2%を達成したことにより、公職選挙法政党助成法上における政党要件を満たした[30]

なお、NHKの選挙報道でも党名(略称の「N国」含む)と候補者名をテロップとアナウンスで紹介、受信料制度や放送法批判を含む演説内容もVTR放映されていた[31]

参院選後は、5名以上の国会議員を集めることにより国会内での活動範囲の拡大やNHK『日曜討論』などのテレビ討論への出演が可能となるとして、党勢拡大に向け無所属議員らの入党を呼びかける意向を示しており[3][32]、こうした議員に関しては「NHK問題以外は特に党議拘束をかけないので自由に行動してもらってかまわない」としている。このうち北方領土をめぐる戦争発言で日本維新の会除名された丸山穂高衆議院議員とは7月25日に会談を行い、29日に丸山から入党の意向を表明した[33]。また、翌30日には元・みんなの党代表の渡辺喜美参議院議員と渡辺を代表とする参議院会派「みんなの党」を結成したことを発表した。立花によると、渡辺にも入党を打診したものの断られたという[34]

立花は自身の議員会館にテレビを設置し、NHKと受信契約を締結した上で不払いすることを宣言した[35]。あえて受信契約を締結することについては、法律上NHKとの契約の義務があることや、契約後の不払いであれば5年で時効となり、申し立てにより過去の受信料は消滅する[36]他、時効分は裁判でも請求できないことから、立花は受信契約を締結し、インターネット等の受信料窓口から振込用紙による支払いへ変更手続きを行った上で不払いをすることを推奨しており、議員会館についても同様に契約して不払いをするという[37]。その後、大阪市長松井一郎(日本維新の会代表)が「現職国会議員の受信料未払いをNHKが認めるなら、大阪市もやめさせてもらう」と語り、また大阪府知事の吉村洋文も「現職議員が受信料を踏み倒すというのが許されるなら府も払わない」、堺市市長も「国会議員の受信料不払いを黙認するなら市民も払うのがばかばかしくなる」と同調した[38]。これに対しNHKは7月30日に「受信料と公共放送についてご理解いただくために」と題し受信設備があるのに受信料を支払わないのは違法だとする警告文を公式サイトに掲載[39]、8月9日には受信料制度への理解を求める番組を急遽制作し、ゴールデンタイムに3分間放送するなど対応に追われる事態となった[40]

8月10日、臨時総会を開き、幹事長に元ジャーナリストの上杉隆を充てる人事を決定した[41]。同月13日、政党助成法に基づく届け出を総務省に行い、正式に国政政党として発足[42]。16日には上杉が記者会見を行い、政権交代を目指すべく、次回の衆議院議員選挙の289小選挙区全てに候補者を擁立すると発表した[43]。9月4日、上杉の幹事長会見において、丸山穂高が8月15日付で副党首に就任したことを明らかにした[44]

8月25日に投開票が行われた埼玉県知事選挙には、参院選で比例区で立候補し立花に次ぐ得票を得た医師の浜田聡を党公認候補として擁立したが64,182票(得票率3.3%)で落選[45]。立花はこの日会見を開き「(党の)体力がつくまでは比例ブロックに1人ずつ出す」として全小選挙区への擁立方針を撤回した[46]

9月2日、去る4月の新宿区議選に党公認で立候補し当選した松田美樹・新宿区議会議員について、新宿区選挙管理委員会は区内での居住実態がないとして、当選無効を決定した[47]。同月24日、松田は東京都選挙管理委員会に異議を申し立てた。

9月9日、立花が二瓶文徳・中央区議会議員を脅迫した疑いで警視庁から任意での事情聴取を受けた。二瓶は同年4月の統一地方選でNHKから国民を守る党から出馬、当選後離党した経緯から立花から繰り返し批判されており、立花は取材に対し、「街中歩けなくしてやるぞという発言はしたと記憶しています。それが脅迫に当たるということであれば、最終的に裁判官の判断を待つしかない」とコメントした[48][49]。その後も複数回事情聴取を受けている。

10月4日、党所属で千葉県習志野市議会議員の宮城そういちによって、党の公式サイトであるNHKから国民を守る党が大規模にリニューアルされた。

10月10日、党首の立花が参議院埼玉県選挙区補欠選挙に立候補したことにより、参議院議員を失職。23日、第25回参議院議員通常選挙の比例代表選挙において次点の浜田聡の、立花の失職に伴う繰り上げ当選が官報において告示された[50]

25日、上杉が選対委員長を辞任し、立花が選対委員長を兼務するなどの人事を発表した(30日の党総会で承認後、正式就任)[51]

2020年1月31日、立花が4月26日投開票の衆議院静岡4区補欠選挙への出馬を表明[52]。3月27日、立花が立候補取りやめを表明[53]学校法人森友学園前理事長・籠池泰典に公認候補としての立候補を要請[53]。しかし、最終的に出馬を断念し、旧民進党系野党統一候補である元東京都議会議員の田中健と同姓同名の元江戸川区議会議員田中健への差し替えを表明した[54]

3月14日、不正競争防止法違反と威力業務妨害の疑いで警視庁から党の事務所など数カ所の家宅捜索を受けた。前年の9月中旬、立花がNHKの受信料集金スタッフが所持するタブレット端末の画面を撮影し、各世帯の受信契約内容などを不正取得したほか、同11月中旬、NHK放送センター前や当時のNHK会長の上田良一宅前でこれらの情報を念頭に「ネット上に拡散する」と迫り、上田への面会を求めるなどし業務を妨害した疑いが持たれている[55][56]。4月7日に立花が書類送検され [57]、同月9日に在宅起訴された[58]

5月8日、立花が党名を「NHKとコロナの自粛から国民を守る党」に変更する意向を表明。世論の反応を見極め、今月中に変更するかどうかを最終決定するとしたが[59]、同月15日に撤回した[60]

2020年東京都知事選挙では立花が新たに政治団体ホリエモン新党を設立し、立花を含む3人がホリエモン新党公認、N国党推薦で立候補したが、立花の得票は43,912票に留まった。この結果を受け立花は「(昨年参院選より党の)人気が下がったと認めざるを得ない」として、次期衆院選に向け「戦略を見直す」と述べた[61][62]

7月19日投開票の千葉県印西市長選では、同月5日投開票の東京都議補欠選挙でホリエモン新党から立候補し敗れた新藤加菜が、N国から公認を受け立候補するも落選[63]。当選した場合、立花孝志は副市長への就任を表明していた[63]

同年10月には政党批判者に対しての「誹謗中傷示談金ビジネス」を始めたと報道された[64]

結党目的

  1. NHKの受信料制度について、多くの国民及び視聴者が真剣に考える機会を提供すること[65]
  2. 受信料制度に疑問や不満を感じている国民に、同制度に関する法律や条例を制定または改廃する機会を提供すること[65]
  3. 本会の目的を実現するため政治家を志す者に対し、その志を実現するための機会を提供すること[65]
  4. 本会の目的に共感し志を同じくする国民及び視聴者が協力して行動できる機会を提供すること[65]
  5. 強い正義感と責任感から内部告発をした者及び内部告発をしようとする者や、同じく内部告発に関わることによって精神疾患となった者が、その正義感や責任感が正当に評価され、その評価に相応しい職場環境での労働が実現するために最大限の援助をすること[65]
  6. 上記1ないし5の実現を目指すことにより、国政の発展と国民生活の向上を図り、あわせて会員相互の親睦を深めること[65]

政策

  • NHK受信料を払った人だけがNHKを視聴できるようになる「NHK放送のスクランブル化」を最終的な目標とする単一論点政治であり、達成された際には党を解党、自身も議員を引退することを党首の立花は明言している[66][24]
  • NHK問題以外の政策については、インターネットを介して議題ごとに国民による直接民主主義を行い賛否を決める方針を掲げている[3]
  • 憲法改正にについては、国会の発議と国民投票については「究極の直接民主主義」と賛意を示し野党にも賛成を促すも、条文の改定に限っては当面は反対すると動画サイトで発言している。しかし、NHK放送のスクランブル化を条件に自民党案に賛成する方針を公言している[67]。また、改憲そのものへの賛否については「あえて私の思想は公表しない」と述べたほか、NHK改革をめぐり、与党の協力が得られなければ野党連携を突破口にする選択肢もあると言及した[68]
  • 結党初期には生活保護受給者を施設に入れ、保護費を徴収して物資を購入し、現物支給にして生活させるという公約も掲げていた。施設に入所させることで、バランスのとれた食事と医療や介護サービスを24時間受けさせ、体調に応じて施設内のボランティアにも参加させるといった内容であったが、現在は掲げられていない。党のホームページには参院選の直後まで記載が残されていたが、削除漏れであったと釈明している[69]
  • NHKの集金人が来なくなるという「NHK撃退シール」を無料で配布している(立花など党関係者の連絡先が書かれている)[70]。一方NHK側は、このシールについて「シールの有無にかかわらず、NHKは契約・支払をしていただくため、まだ契約をいただけていないお客様や未納となっているお客様のお宅を訪問しています」と述べている[71]

訴訟

党首の立花孝志及び党関係者が短期間に多数の裁判を起こし、また関与している。党の主張に関わる主な訴訟について以下に記す。

帯域除去フィルタ機器「イラネッチケー」をめぐる裁判

2015年6月1日、立花がテレビジョン放送のうちNHKだけを受信しないようにする帯域除去フィルタ機器「イラネッチケー[72]を千葉県船橋市の党事務所兼自宅(当時)のテレビに取り付けた上で、NHKとの受信契約義務が無いことを確認するため、東京地方裁判所債務不存在確認訴訟を起こした。2016年7月20日、東京地方裁判所は「イラネッチケーを設置しても取り外せばNHKは受信できる」として、立花に対し一か月分のNHK受信料の支払いを命じた[73][74]。立花は「イラネッチケー」をテレビに溶接し「取り外しができない」として東京地方裁判所に提訴したが敗訴した[75]

NHK受信料の徴収をめぐる裁判

2015年8月、NHK受信料徴収業務の委託を受けた業者に自宅を訪問された千葉県の人物から電話で相談を受けた立花(当時、船橋市議会議員)が、この人物にNHKに対して慰謝料10万円の支払いを求める裁判を松戸簡易裁判所に起こさせた。この裁判は千葉地方裁判所松戸支部に移送されるも、2016年、敗訴。同年、NHKは立花らが勝訴の見込みがない裁判をこの人物に起こさせたとして、立花らに弁護士費用相当額54万円の損害賠償を求め提訴した。2017年7月19日、東京地方裁判所は立花らが「NHKの業務を妨害するために訴訟に関与しており、裁判制度を不当に利用する目的があった」と指摘。訴権濫用による業務妨害であるとしてNHKの訴えをすべて認め、立花らに54万円の支払いを命じる判決を言い渡した[76]

短期賃貸マンション入居者の受信契約をめぐる裁判

短期賃貸マンションレオパレス21)入居者がNHK受信料を不当に支払わされたと主張し返還を求めた訴訟を立花らが支援、2016年10月27日東京地方裁判所は「テレビを設置したのは物件のオーナーか運営会社であり、入居者には受信料の支払い義務はなかった」とする判決を言い渡した[77]。一審判決を受けNHKは控訴、二審の東京高等裁判所は「受信設備を占有している人も設置者であり、入居者には支払の義務がある」と判断を下した。原告は上告したが、2018年8月29日、最高裁判所は訴えを退け、NHKが勝訴した[78][79]

ワンセグ裁判

テレビを設置しておらずワンセグ機能付き携帯電話のみの所有者にはNHK放送受信契約締結義務がないことの確認を求めて、埼玉県朝霞市議会議員・党副代表(当時)の大橋昌信が提訴(確認訴訟)した。NHKは、自宅のテレビに放送受信契約があれば、受信契約は世帯単位であるのでワンセグ機能付き携帯電話について新たに受信契約を結ぶ必要はないが[80]、ワンセグ機能付き携帯電話も放送法第64条にいう「協会の放送を受信することのできる受信設備」であり、ワンセグ機能付き携帯電話のみの所有者については受信契約の対象となる、と主張しており[81]総務省も同様の見解を示している[82]2016年8月26日さいたま地方裁判所は、ワンセグ機能付き携帯電話を単に所持しているのみでは放送法第64条にいう「放送の受信を目的としない受信設備」に留まるものであり、受信契約を免れる、として大橋の主張を認める判断を示した[83]。NHKは東京高等裁判所控訴[84][85]。同年3月26日、東京高裁はNHK側の主張を認め、大橋敗訴の判決を言い渡した[86]。同年4月、大橋は最高裁判所上告したが[87]2019年3月12日、最高裁は大橋の上告を退け、ワンセグ機能付き携帯電話についても放送受信契約の義務がある、との判断が確定した[88][89][90]。ワンセグ機能付き携帯電話をめぐる確認訴訟は5件起きており(原告はいずれも立花及び党関係者)、うち最高裁での確定はこの裁判が初めてのことであった[91]。この判決により4件の訴訟でも、受信料の支払い義務が確定した[92]

立花が2017年東京地方裁判所に起こした同様の裁判では、ワンセグ機能付き携帯電話を単に所持しているのみでは放送法第64条にいう「設置」にはならず、契約をしなければならない「受信設備を設置した者」には該当しない、と主張するも、同年12月27日、 放送法第64条にいう「設置」とは受信機を所有の上管理する概念であるとして立花の訴えを退け、「ワンセグ携帯も受信契約義務あり」と判断された[93]。立花は東京高等裁判所控訴したが、2018年6月21日、東京高裁は一審判決を支持し控訴を棄却した[94]

公職選挙法をめぐる裁判

2019年の統一地方選挙前半の選挙である兵庫県議会議員選挙にて、伊丹市選挙区で公認した原博義が、投開票日までに引き続き県内のいずれか一つの住所に3カ月以上居住していることという要件を満たしておらず[注釈 6]、被選挙権がないことが判明したため、投じられた2,992票が無効となった[96][97]。この候補は選挙後の同年4月12日、兵庫県を相手取り、没収された供託金60万円の返還を求めて神戸簡易裁判所に提訴した[98]兵庫県選挙管理委員会は一連の対応や判断について、「公職選挙法上の手続き通りに進めた」と述べている。選挙事務関係者が選挙期日前に特定の候補者の被選挙権がないことを公表することは「その候補者の選挙運動を著しく妨害し、選挙の自由公正を害する」という1951年11月の福岡高等裁判所判例(同年4月に執行された長崎県議会議員選挙における北松浦郡選挙区内福島村(現・松浦市選挙管理委員会の選挙事務にかかる当選無効確認請求事件)があり、選管は「投開票日前の周知は選挙妨害に当たる」と判断。また被選挙権がないことが判明しても選管が開票時まで無効にすることができないことについては、その場合に届け出を却下ないし取り下げさせる規定がなく[注釈 7]1961年7月の最高裁判所判例1960年福島県石城郡遠野町(現・いわき市)議会議員選挙の効力に関する訴願裁決取消請求における「公職選挙法の規定によれば、選挙長は、立候補届出および推せん届出の受理に当つては、届出の文書につき形式的な審査をしなければならないが、候補者となる者が被選挙権を有するか否か等実質的な審査をする権限を有せず、被選挙権の有無は、開票に際し、開票会、選挙会において、立会人の意見を聴いて決定すべき事柄であると解するを相当とする」との判例(選管は届け出の形式審査をしなければならないが、被選挙権の実質審査をする権限はなく、開票の際の選挙会で立会人の意見を聞いて決定すべきである」と判断されている)があることから、総務省は、届け出時に被選挙権の要件を満たしていなくても立候補届を不受理にすることはできす、「選管は届け出を受理する以外にない」との見解を示している[95]。なお原は後半で同県宝塚市議会議員選挙にも立候補し落選したが[99]、こちらは居住要件が満たされており有効となった。

同年4月21日投開票の統一地方選挙後半の兵庫県加古郡播磨町議会議員選挙に党公認候補として立候補させた増木重夫[100]にもとより居住実態がなく被選挙権がないとして、投じられた110票が無効となった[101]。増木は住所として実際には住んでいない播磨町内のビジネスホテル所在地を届け出た[注釈 8]。通常の立候補者の場合、住所の確認資料の一つとして住民票(の写し)を提出するが、公職選挙法に定める「届け出に必要な文書」に住民票(の写し)は含まれていないため、町選挙管理委員会の職員が住民票(の写し)の未提出を指摘に対し、増木とその立候補届け出に同行した立花は「提出義務がない。持ってきていない」として応じず、住民票(の写し)を添付しなかった。町選管は増木に居住実態がなく被選挙権を有していない可能性を認識したが、前述の判例をもとに「届け出時は形式審査のみ」として立候補を受け付けた。町選管はその後増木の実際の住所は別の場所(大阪府吹田市)にあり、被選挙権に必要な3カ月以上の町内の居住歴がないことを確認したものの、前述の判例によりこれを公表できないと判断、4月21日の開票後、選管委員長が務める選挙長や立会人らによる選挙会で増木への投票を無効と決定した[102]。なお、増木はポスター掲示は無し、選挙公報掲載も希望せず、選挙運動を全くしなかった。

更に同年5月19日告示の東京都足立区議会議員選挙においても、もとより足立区内に居住実態がなく、被選挙権がない墨田区在住の加陽麻里布(かよう まりの)を党公認候補として立候補させた。加陽は一旦墨田区の現住所を届け出たが、「これは受理できない」と足立区選管に却下されそうになったため、住所として実際には住んでいない足立区内のカプセルホテル所在地を届け出て受理された[注釈 9]。 加陽は他の候補者同様、ポスター掲示、選挙公報掲載、街宣や演説などの選挙運動を行ったが、足立区に住民票を置いていなかったため区選管が調査。投開票後、居住実態がなく被選挙権がないとして、加陽に投じられた5,548票[注釈 10]は無効となった[103][104]。選挙後、加陽は足立区に住んでいないことを認めた上で、住所要件の規定が違憲であるとして異議を申し立てたが、同年6月17日、区選管はこれを棄却する決定を行った[105]。加陽はこれを不服とし、同年9月26日、東京高等裁判所に提訴した。

立花は、兵庫県議会議員選挙と播磨町議会議員選挙の届け出については、候補者が居住の要件を満たしておらず被選挙権がないことを立候補届出時に選管が認識しており、「被選挙権がないのに受理されるのは公職選挙法の不備であり、立候補は問題提起が目的」と主張している[106]。 また足立区議会議員選挙については「選管が形式審査を通しておきながら居住の要件を満たしていないことを知ったことにより立候補届を受理しようとしなかったことは公職選挙法違反である」と主張している。 このほか同年の統一地方選挙後半において千葉県鎌ヶ谷市議会議員選挙に22歳の人物を党公認候補として立候補させるべく届け出たが、同市選挙管理委員会が「被選挙権の年齢要件を満たしていない」としてこれを受理しなかった。この件について同人物は、公職選挙法が日本国憲法第14条の「法の下の平等」に反しているとして、国を相手取って東京簡易裁判所に提訴している[107]

TOKYO MXを提訴の意向

2019年7月29日、コラムニストマツコ・デラックス東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の情報番組5時に夢中!」で、NHKから国民を守る党に対し、「ふざけて(票を)入れている人も相当数いる。気持ち悪い」と発言。これに対し立花は「自分や党に対する批判はいいが投票していただいた一般の有権者への侮辱は許せない」と述べ、マツコ・デラックスが「5時に夢中!」出演する同年8月12日(月曜日)にテレビ局前で抗議活動を行い、警察官が出動する騒動となった[108]。立花はさらに同番組のスポンサーである崎陽軒への不買運動にも言及したが、同月19日に再度テレビ局前で抗議活動を行った際に不買発言を撤回し、謝罪した。一方、マツコの発言に対しては「個人的な攻撃は控える」としつつ、TOKYO MXに対し、放送の中立性に関する見解を求め、回答が得られるまでは毎週月曜日に同社への訪問を続ける意向を示した[109]。同月26日にもTOKYO MXを訪問したが、その後も同社から回答がないことを受け、9月2日、同社を放送法違反の疑いで提訴する方針を明らかにした[110]。ただし9月13日現在までに原告募集をした動画は削除している。

フリージャーナリストとの訴訟

2019年9月19日、久保田学・立川市議会議員がフリージャーナリストによるインターネットサイト上の記事において「立川市に居住実態がない」などと書かれたことについて、これを名誉毀損であるとして慰謝料を求めて提訴、これに対しフリージャーナリストも久保田が経済的な負担を課すことを目的に裁判を起こしたとして慰謝料を求めて反訴した裁判の判決が千葉地裁松戸支部で言い渡された[111]。同判決は久保田の訴えを棄却した上、その提訴自体が不法行為であるとして、反訴していたフリージャーナリスト側の弁護士費用を含む約78万5000円の賠償を久保田に命じた。立花自身がスラップ訴訟と公言していた上、判決でも立花の関与を指摘、スラップ訴訟であることが認定された[112][113]。久保田はこれを不服として東京高等裁判所控訴したが、2020年3月4日、東京高裁は一審判決を支持し、久保田にジャーナリスト側の控訴審の弁護士費用等を含む94万5600円を支払うよう命じた[114]。なお、立花は週刊誌の取材に対し「スラップ訴訟は日本では違法ではない」と正当性を述べている[115]

役職

歴代党首一覧

党首 在任期間
1 立花孝志 2013年(平成25年)6月17日 - (現職)

党役員

代表 副代表 就任年月
立花孝志 2013年6月
大橋昌信
多田光宏
武原正二
2018年1月
塩田和久 2018年11月
(空席) 2019年5月
党首 副党首 幹事長 政策調査
会長
国会対策
委員長
選挙対策
委員長
次期選挙
戦略本部長
就任年月
立花孝志 丸山穂高 上杉隆 上杉隆 2019年8月
浜田聡 上杉隆 立花孝志 2019年10月
大橋昌信 2020年4月

党勢

衆議院

選挙 当選/候補者 定数 得票数(得票率) 備考
選挙区 比例区
第48回総選挙 -/0 465 - - 入党+1

参議院

選挙 当選/候補者 非改選 定数 得票数(得票率) 備考
選挙区 比例代表
第25回通常選挙 1/41 0 245 1,521,344(3.02%) 987,885 (1.97%)

所属議員

国会議員

2019年10月現在、所属国会議員数2名(衆議院議員1名、参議院議員1名)

衆議院議員
丸山穂高
大阪19区、衆3
参議院議員
2025年改選 浜田聡
比例、参1

院内会派所属の党外国会議員

参議院議員(会派「みんなの党」に所属)

地方政治

  • 地方議員:32人
    • 市区町村議会:32人

同一・類似名称の団体

いずれも本項目の「NHKから国民を守る党」とは無関係の団体の候補者である。

NHKから国民を守る党

2019年4月の第19回統一地方選挙では愛知県日進市議会議員選挙に「NHKから国民を守る党[注釈 11]」公認の新人候補が立候補し、落選[119][120]

NHKから国民を守る会渋谷代表

東京都渋谷区議会議員選挙に「NHKから国民を守る会渋谷代表」として元渋谷区議会議員が立候補し、落選[121][注釈 12]

脚注

注釈

  1. ^ 「Gurd」はおそらく「Guard」の誤りとみられる。
  2. ^ 党所属議員が在任する議会の中には葛飾区議会北区議会など一人会派結成を認めていないところもある。
  3. ^ 東京都選挙区の改選数である6を上回る。7人を立候補させる目的としてそれぞれの候補のポスターに「N」「H」「Kを」「ぶ」「っ」「壊」「す!」と大きくデザインしたものを用い、連続で貼ることで1つの大きなポスターとする計画を考えていたものの、東京都選管から公選法違反の可能性があると指摘を受け取りやめ、大橋1人の立候補に切り替えている[26]
  4. ^ 擁立を見送ったのは富山・石川・奈良・和歌山・山口・佐賀・宮崎・鹿児島の8県。
  5. ^ 選挙区候補において票数が供託金没収点を満たし供託金が返還されたものは6人区である東京都選挙区の大橋のみ。
  6. ^ 兵庫県選管の発表では、原は尼崎市に25日居住後、宝塚市に住居を移し投開票の4月7日時点で2ヶ月27日居住が確認されたとしている[95]
  7. ^ 立候補後、公職選挙法第11条に規定されている「禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者」等になった場合は同条により選挙権及び被選挙権を喪失し、届け出を却下される。
  8. ^ 増木が届け出た住所は「エバーホテルはりま加古川」の所在地である。
  9. ^ 加陽が届け出た住所は「グランパーク・イン北千住」の所在地である。
  10. ^ 有効票の場合8位当選相当(定数45)。地方議会選挙に立候補した同党の候補としては最も多く投じられた票数となる。
  11. ^ 本項目の「NHKから国民を守る党」とは別に公式サイト[116]が存在する。同人物は2019年8月の愛知県長久手市長選挙に立候補し落選した[117]が、無所属での出馬となっており、この党派名は称していない[118]
  12. ^ 平成31年4月21日執行 渋谷区議会議員選挙開票速報2019年2月22日 渋谷区役所 開票速報上の党派は「無所属」となっている。この元職候補は「みんなの党渋谷代表」とも称していた。渋谷区議会議員在職中にみんなの党に所属し、同党公認候補として当選した経歴はあるものの、2019年4月現在存在している政治団体のみんなの党とは無関係である。

出典

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関連項目

外部リンク