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'''民主王国'''(みんしゅおうこく)は、[[日本]]の[[国政選挙]]や地方選挙において旧[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]](現:[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党]]、[[国民民主党 (日本 2018-)|国民民主党]])系の候補が強い[[都道府県]]や[[選挙区]]である。かつての[[日本社会党]]や[[民社党]]の地盤を引き継ぐものが多い。関連語に[[保守王国]]。 |
'''民主王国'''(みんしゅおうこく)は、[[日本]]の[[国政選挙]]や地方選挙において旧[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]](現:[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]、[[国民民主党 (日本 2018-)|国民民主党]])系の候補が強い[[都道府県]]や[[選挙区]]である。かつての[[日本社会党]]や[[民社党]]の地盤を引き継ぐものが多い。関連語に[[保守王国]]。 |
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2016年の[[第24回参議院議員通常選挙]]では民進党と名を変え共産党などとの候補の一本化により福島県・新潟県・山梨県・長野県・三重県・大分県などで議席を維持し北海道・東京都・愛知県では二議席確保するなど善戦した一方、滋賀県・奈良県では現職が議席を失い長崎県では議席の確保ができなかった、特に滋賀県は民主党時代から数えて結党以来初の県連所属の選挙区選出議員がいなくなった。また三重県に関しても共産党など非自民左派系の票を前選挙・前々選挙から引くと自民候補に負けている。このため、民進党単独での票の維持は困難な情勢が続いている。また同年12月に行なわれた四日市市市長選挙にて民進党の推薦する新人が自民党市議団などが支持する新人に敗れており地方選挙クラスでも退潮が顕著になっている。 |
2016年の[[第24回参議院議員通常選挙]]では民進党と名を変え共産党などとの候補の一本化により福島県・新潟県・山梨県・長野県・三重県・大分県などで議席を維持し北海道・東京都・愛知県では二議席確保するなど善戦した一方、滋賀県・奈良県では現職が議席を失い長崎県では議席の確保ができなかった、特に滋賀県は民主党時代から数えて結党以来初の県連所属の選挙区選出議員がいなくなった。また三重県に関しても共産党など非自民左派系の票を前選挙・前々選挙から引くと自民候補に負けている。このため、民進党単独での票の維持は困難な情勢が続いている。また同年12月に行なわれた四日市市市長選挙にて民進党の推薦する新人が自民党市議団などが支持する新人に敗れており地方選挙クラスでも退潮が顕著になっている。 |
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2017年の[[第48回衆議院議員総選挙]]では民進党が事実上の解体となり、[[小池百合子]]東京都知事率いる保守系野党を標榜した[[希望の党]]と[[枝野幸男]]率いるリベラル派系野党である[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党]]、どちらにも属さない無所属候補に分かれた。結果的には北海道・福島県・新潟県では立憲民主党やリベラル系無所属が議席を増やした一方で、希望の党に付いた議員の多くは、長野県・長崎県で善戦したとはいえ多くの都道府県で苦戦を強いられた。特にリベラルの牙城であり2012年の総選挙でも民主党現職が議席を守った[[千葉県第1区|千葉1区]]・[[茨城県第5区|茨城5区]]・[[京都府第6区|京都6区]]・[[奈良県第1区|奈良1区]]でも議席を失っている。山梨県と大分県は前回敗れた自民党議員がそれぞれ[[山梨県第2区|山梨2区]]と[[大分県第1区|大分1区]]で議席を獲得したため議席を減らしている。また滋賀県と奈良県は全選挙区で自民党候補に敗れた上、野党候補は比例復活もできなかったことから、衆参すべての議員を自民党議員が独占する状況となった。岩手県・静岡県・愛知県・三重県は全選挙区で与野党ともに現職が議席を守ったため、小選挙区の議席の変動はなかった。 |
2017年の[[第48回衆議院議員総選挙]]では民進党が事実上の解体となり、[[小池百合子]]東京都知事率いる保守系野党を標榜した[[希望の党]]と[[枝野幸男]]率いるリベラル派系野党である[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]、どちらにも属さない無所属候補に分かれた。結果的には北海道・福島県・新潟県では立憲民主党やリベラル系無所属が議席を増やした一方で、希望の党に付いた議員の多くは、長野県・長崎県で善戦したとはいえ多くの都道府県で苦戦を強いられた。特にリベラルの牙城であり2012年の総選挙でも民主党現職が議席を守った[[千葉県第1区|千葉1区]]・[[茨城県第5区|茨城5区]]・[[京都府第6区|京都6区]]・[[奈良県第1区|奈良1区]]でも議席を失っている。山梨県と大分県は前回敗れた自民党議員がそれぞれ[[山梨県第2区|山梨2区]]と[[大分県第1区|大分1区]]で議席を獲得したため議席を減らしている。また滋賀県と奈良県は全選挙区で自民党候補に敗れた上、野党候補は比例復活もできなかったことから、衆参すべての議員を自民党議員が独占する状況となった。岩手県・静岡県・愛知県・三重県は全選挙区で与野党ともに現職が議席を守ったため、小選挙区の議席の変動はなかった。 |
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=== 北海道 === |
=== 北海道 === |
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かつての北海道は全国で最も[[日本社会党]]の地盤が強固であった。これは北海道は本州以南と異なり地縁等のしがらみが少ないことや、主要産業が公務員・炭鉱・国鉄であり、[[全日本自治団体労働組合|自治労]]や[[日本炭鉱労働組合|炭労]]、[[国鉄労働組合|国労]]など[[日本労働組合総評議会|総評]]系の労組が強かったことに起因する。全国的に社会党が長期低迷傾向を示す中、[[1983年]]に北海道知事に就任した[[横路孝弘]]の下で社会党組織が温存ないし強化された。1996年の社会党3分裂においても社会党北海道は足並みを揃えて[[民主党 (日本 1996-1998)|民主党]]に参加した。このため民主党組織も本州以南のそれと比較して左派色の強い形態となった。 |
かつての北海道は全国で最も[[日本社会党]]の地盤が強固であった。これは北海道は本州以南と異なり地縁等のしがらみが少ないことや、主要産業が公務員・炭鉱・国鉄であり、[[全日本自治団体労働組合|自治労]]や[[日本炭鉱労働組合|炭労]]、[[国鉄労働組合|国労]]など[[日本労働組合総評議会|総評]]系の労組が強かったことに起因する。全国的に社会党が長期低迷傾向を示す中、[[1983年]]に北海道知事に就任した[[横路孝弘]]の下で社会党組織が温存ないし強化された。1996年の社会党3分裂においても社会党北海道は足並みを揃えて[[民主党 (日本 1996-1998)|民主党]]に参加した。このため民主党組織も本州以南のそれと比較して左派色の強い形態となった。 |
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2017年の[[第48回衆議院議員総選挙]]直前の[[民進党]]と[[希望の党]]の合流騒動においても自治労の組織内議員でもある[[逢坂誠二]]が全国の民進党議員の中でも最初に希望の党への不参加を表明した。また、他の多くの北海道選出議員や民進党公認予定だった候補も希望の党ではなく立憲民主党への参加を表明し、立憲民主党に参加した小選挙区立候補者全員が比例復活を含めて当選した。市区町村別の比例代表得票数でも、一部の地域で自由民主党を上回り、得票数トップになるところもあった。一方で希望の党に参加した候補者で当選したのは[[山岡達丸]]一人にとどまった。社会党北海道の系譜は民主党、民進党を経て[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党]]にも引き継がれたと言える。しかし、[[2019年北海道知事選挙]]では立憲民主党や国民民主党など左派が擁立した[[石川知裕]]が自由民主党・[[公明党]]・[[日本維新の会]]が擁立した[[鈴木直道]]に大敗を喫している。また北海道道議会選挙でも自民党に単独過半数を取られており、さらに同年の参院選では自民党候補の二人当選を許すなど退潮傾向にある。 |
2017年の[[第48回衆議院議員総選挙]]直前の[[民進党]]と[[希望の党]]の合流騒動においても自治労の組織内議員でもある[[逢坂誠二]]が全国の民進党議員の中でも最初に希望の党への不参加を表明した。また、他の多くの北海道選出議員や民進党公認予定だった候補も希望の党ではなく立憲民主党への参加を表明し、立憲民主党に参加した小選挙区立候補者全員が比例復活を含めて当選した。市区町村別の比例代表得票数でも、一部の地域で自由民主党を上回り、得票数トップになるところもあった。一方で希望の党に参加した候補者で当選したのは[[山岡達丸]]一人にとどまった。社会党北海道の系譜は民主党、民進党を経て[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]にも引き継がれたと言える。しかし、[[2019年北海道知事選挙]]では立憲民主党や国民民主党など左派が擁立した[[石川知裕]]が自由民主党・[[公明党]]・[[日本維新の会]]が擁立した[[鈴木直道]]に大敗を喫している。また北海道道議会選挙でも自民党に単独過半数を取られており、さらに同年の参院選では自民党候補の二人当選を許すなど退潮傾向にある。 |
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=== 岩手県 === |
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この状態は[[2010年]]に行われた[[第22回参議院議員通常選挙]]でも輿石東が当選したことで維持されたが、[[2012年]]に行われた[[第46回衆議院議員総選挙]]において小沢鋭仁が離党し[[日本維新の会]]から出馬。民主党は対抗馬として[[斎藤勁]]を擁立するが、民主票が分裂したことで自民党の[[宮川典子]]に敗れることで[[2000年]]から維持していた民主党の地盤を喪失(小沢は比例重複による当選、斎藤は落選)。また[[山梨県第2区]]も現職の坂口岳洋が保守系2候補([[長崎幸太郎]]、[[堀内詔子]])の争いに隠れてしまい、比例重複による当選もできなかった。[[山梨県第3区]]では現職の[[後藤斎]]が自民党新人の[[中谷真一]]に勝利したもののその差はわずか172票(中谷真一は比例重複による当選)と民主党惨敗の煽りを受ける形で独占状態は終焉。[[2013年]]に行われた[[第23回参議院議員通常選挙]]では米長晴信が離党し[[みんなの党]]から出馬したため無所属で立候補した坂口岳洋を推薦したが自民党新人に敗れ、この時点で衆議院の比例重複当選者を含めると民主2に対し自民4と逆転されてしまった。2016年に行われた[[第24回参議院議員通常選挙]]では輿石が引退したものの[[日本共産党]]が候補を取り下げ野党統一候補となった[[民進党]]公認の[[宮沢由佳]](のちに無所属を経て[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党]]に移籍)が当選し、参議院での地盤喪失を回避している。2019年に行われた[[第25回参議院議員通常選挙]]では立憲民主党が[[杉並区議会]]議員の市来伴子を擁立することを発表したが、同氏は次期区議選の[[社会民主党 (日本 1996-)|社民党]]公認候補だったため、同党の[[又市征治]]党首や山田厚県連代表は立憲民主党に市来は野党統一候補に不適格と非難した<ref>[https://www.asahi.com/sp/articles/ASM3V5GFJM3VUTFK01J.html 立憲、社民・国民からも擁立 浴びる反発「引き抜きだ」]朝日新聞2019年3月27日付</ref><ref>[https://www.jiji.com/sp/article?k=2019040101138&g=pol 参院山梨、立憲は候補撤回を=杉並区議は「資質欠如」-社民県連]時事ドットコム2019年4月1日付</ref>。その後市来が立憲民主党の公認を取り下げ無所属出馬することで候補者の一本化には成功したものの、立民、国民、共産3党の推薦を取り付けた市来は社民党からは「支持」留まりとなった。こうした野党共闘の不調もあり市来は自民党現職の[[森屋宏]]に完敗し、参議院山梨の野党独占には至らなかった<ref>[https://www.sankei.com/smp/politics/news/190721/plt1907210100-s1.html 元杉並区議が山梨選挙区で敗れる 野党間のしこり響く]産経新聞2019年7月22日付</ref>。 |
この状態は[[2010年]]に行われた[[第22回参議院議員通常選挙]]でも輿石東が当選したことで維持されたが、[[2012年]]に行われた[[第46回衆議院議員総選挙]]において小沢鋭仁が離党し[[日本維新の会]]から出馬。民主党は対抗馬として[[斎藤勁]]を擁立するが、民主票が分裂したことで自民党の[[宮川典子]]に敗れることで[[2000年]]から維持していた民主党の地盤を喪失(小沢は比例重複による当選、斎藤は落選)。また[[山梨県第2区]]も現職の坂口岳洋が保守系2候補([[長崎幸太郎]]、[[堀内詔子]])の争いに隠れてしまい、比例重複による当選もできなかった。[[山梨県第3区]]では現職の[[後藤斎]]が自民党新人の[[中谷真一]]に勝利したもののその差はわずか172票(中谷真一は比例重複による当選)と民主党惨敗の煽りを受ける形で独占状態は終焉。[[2013年]]に行われた[[第23回参議院議員通常選挙]]では米長晴信が離党し[[みんなの党]]から出馬したため無所属で立候補した坂口岳洋を推薦したが自民党新人に敗れ、この時点で衆議院の比例重複当選者を含めると民主2に対し自民4と逆転されてしまった。2016年に行われた[[第24回参議院議員通常選挙]]では輿石が引退したものの[[日本共産党]]が候補を取り下げ野党統一候補となった[[民進党]]公認の[[宮沢由佳]](のちに無所属を経て[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]に移籍)が当選し、参議院での地盤喪失を回避している。2019年に行われた[[第25回参議院議員通常選挙]]では立憲民主党が[[杉並区議会]]議員の市来伴子を擁立することを発表したが、同氏は次期区議選の[[社会民主党 (日本 1996-)|社民党]]公認候補だったため、同党の[[又市征治]]党首や山田厚県連代表は立憲民主党に市来は野党統一候補に不適格と非難した<ref>[https://www.asahi.com/sp/articles/ASM3V5GFJM3VUTFK01J.html 立憲、社民・国民からも擁立 浴びる反発「引き抜きだ」]朝日新聞2019年3月27日付</ref><ref>[https://www.jiji.com/sp/article?k=2019040101138&g=pol 参院山梨、立憲は候補撤回を=杉並区議は「資質欠如」-社民県連]時事ドットコム2019年4月1日付</ref>。その後市来が立憲民主党の公認を取り下げ無所属出馬することで候補者の一本化には成功したものの、立民、国民、共産3党の推薦を取り付けた市来は社民党からは「支持」留まりとなった。こうした野党共闘の不調もあり市来は自民党現職の[[森屋宏]]に完敗し、参議院山梨の野党独占には至らなかった<ref>[https://www.sankei.com/smp/politics/news/190721/plt1907210100-s1.html 元杉並区議が山梨選挙区で敗れる 野党間のしこり響く]産経新聞2019年7月22日付</ref>。 |
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山梨県第3区が廃止された[[第47回衆議院議員総選挙]]で[[みんなの党]]から移籍した[[中島克仁]]が山梨県第1区で宮川に勝利したことで議席を奪回。[[第48回衆議院議員総選挙]]では無所属から出馬したが中谷に勝利したことで議席を維持している。一方、山梨県第2区では第47回は党公認候補者の擁立を断念せざるを得ない状態となり、第48回は[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党]]から出馬した小林弘幸を民進党山梨県連が推薦したが、堀内と長崎の争いに割り込むこともできず大差で敗れている。 |
山梨県第3区が廃止された[[第47回衆議院議員総選挙]]で[[みんなの党]]から移籍した[[中島克仁]]が山梨県第1区で宮川に勝利したことで議席を奪回。[[第48回衆議院議員総選挙]]では無所属から出馬したが中谷に勝利したことで議席を維持している。一方、山梨県第2区では第47回は党公認候補者の擁立を断念せざるを得ない状態となり、第48回は[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]から出馬した小林弘幸を民進党山梨県連が推薦したが、堀内と長崎の争いに割り込むこともできず大差で敗れている。 |
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知事では[[2003年山梨県知事選挙]]にて民主党から支持を受けた[[山本栄彦]]前甲府市長が保守系国会議員であった[[横内正明]]を破り、民主党系知事が誕生した。しかし[[山梨県議会]]が自民党所属の議員が多数である状況でねじれが発生し、また輿石東の支持母体である[[日本教職員組合#山梨県の事例|山梨県教職員組合の政治運動問題]]の発覚や、国との交渉が欠如した状態で[[山梨県立博物館]]や[[中部横断自動車道]]の[[新直轄方式]]化による県負担増など県の負債が増加するなどの問題が発生し、[[2007年山梨県知事選挙]]では前回破ったものの山本県政に反発する団体や国会議員から擁立された横内正明に敗れ、1期で明け渡す結果となった。[[2015年山梨県知事選挙]]では民主党に所属していた後藤斎が候補者の調整がつかなかった自民党と公明党の相乗り推薦を受ける形で出馬を表明し、共産党候補などを破り再度民主党系知事が誕生するが、公約の修正や撤回が相次ぎ(原因として山本同様国との交渉が不足していることが県議会や自民党の検討委員会で指摘されている。)、[[2019年山梨県知事選挙]]では自民党の推薦を受けた長崎幸太郎との「自民対元民主」対決に敗れ、再び1期で明け渡している。 |
知事では[[2003年山梨県知事選挙]]にて民主党から支持を受けた[[山本栄彦]]前甲府市長が保守系国会議員であった[[横内正明]]を破り、民主党系知事が誕生した。しかし[[山梨県議会]]が自民党所属の議員が多数である状況でねじれが発生し、また輿石東の支持母体である[[日本教職員組合#山梨県の事例|山梨県教職員組合の政治運動問題]]の発覚や、国との交渉が欠如した状態で[[山梨県立博物館]]や[[中部横断自動車道]]の[[新直轄方式]]化による県負担増など県の負債が増加するなどの問題が発生し、[[2007年山梨県知事選挙]]では前回破ったものの山本県政に反発する団体や国会議員から擁立された横内正明に敗れ、1期で明け渡す結果となった。[[2015年山梨県知事選挙]]では民主党に所属していた後藤斎が候補者の調整がつかなかった自民党と公明党の相乗り推薦を受ける形で出馬を表明し、共産党候補などを破り再度民主党系知事が誕生するが、公約の修正や撤回が相次ぎ(原因として山本同様国との交渉が不足していることが県議会や自民党の検討委員会で指摘されている。)、[[2019年山梨県知事選挙]]では自民党の推薦を受けた長崎幸太郎との「自民対元民主」対決に敗れ、再び1期で明け渡している。 |
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|[[岩手県第4区]]||新進党→自由党→民主党→[[国民の生活が第一]]→[[日本未来の党]]→生活の党→生活の党と山本太郎となかまたち→[[自由党 (日本 2016-2019)|自由党]] |
|[[岩手県第4区]]||新進党→自由党→民主党→[[国民の生活が第一]]→[[日本未来の党]]→生活の党→生活の党と山本太郎となかまたち→[[自由党 (日本 2016-2019)|自由党]] |
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|[[宮城県第5区]]||[[安住淳]]||[[民主党 (日本 1996-1998)|民主党(旧)]]→民主党→民進党→無所属→[[立憲民主党 (日本)|立憲民主党(旧)]]→立憲民主党 |
|[[宮城県第5区]]||[[安住淳]]||[[民主党 (日本 1996-1998)|民主党(旧)]]→民主党→民進党→無所属→[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党(旧)]]→立憲民主党 |
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|rowspan="3"|[[神奈川県第8区]]||[[中田宏]]||新進党→[[無所属の会]] |
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2020年11月1日 (日) 10:04時点における版
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民主王国(みんしゅおうこく)は、日本の国政選挙や地方選挙において旧民主党(現:立憲民主党、国民民主党)系の候補が強い都道府県や選挙区である。かつての日本社会党や民社党の地盤を引き継ぐものが多い。関連語に保守王国。
概説
主に民主党の地盤が強い選挙区のことを指し、大都市圏や大企業の工場が立地する地域に多い。これは民主党の支持母体が、大企業の労組が多数加盟している連合であるからである。一方で個人人気頼みの選挙区も多く、こうした選挙区では候補者が離党し新党結成・無所属出馬すると代わって党が公認した候補が大敗し「王国」を喪失することも少なくない。
複数の民主党系議員を選出し続けてきた北海道・岩手県・福島県・新潟県・山梨県・長野県・静岡県・愛知県・三重県などは民主王国と呼ばれていた。
北海道・岩手県・新潟県・山梨県は自民党が圧勝した2005年の第44回衆議院議員総選挙でも小選挙区で自民党を上回る議席数を獲得し、強さを発揮した。ただし、東京都は菅直人の地元である18区以外すべての小選挙区の議席を失い、愛知県・三重県・福島県・長野県では小選挙区での獲得議席数が自民党を下回った。
政権与党としての初めての国政選挙である2010年の第22回参議院議員通常選挙では改選2人以上の選挙区の多くで複数候補を擁立したが、東京都と愛知県を除き軒並み1名のみの当選に留まった。
2011年の第17回統一地方選挙においては、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の対応における批判や内紛もあり、全体的に苦戦した。特に三重県知事選挙では初めて民主党の擁立した候補が自民党が単独で推薦した候補に敗れており、さらに民主党の強い北部の大票田である鈴鹿市と四日市市においても得票数で負けるなど退潮の傾向を見せた。
与党としての3年間の政権運営の成果が問われた2012年の第46回衆議院議員総選挙では北海道[1]・新潟県・滋賀県・長崎県において、自民党・公明党の候補にすべての小選挙区で敗北した。福島県・東京都・長野県・愛知県・三重県でも小選挙区の議席は1議席ないし2議席にとどまった。岩手県では民主党が4選挙区中2議席を獲得し、民主党を離れた小沢一郎も議席を獲得しているがすべての選挙区で自民党候補者の復活当選を許した。三重県では民主党候補者が当選した選挙区では自民党候補者の比例復活を許す一方で、自民党候補者が当選した選挙区では民主党候補者が比例復活できなかった。
2013年の第23回参議院議員通常選挙では「民主離れ」の傾向が一層鮮明になった。東京都では改選議席をすべて失い愛知県では2人擁立を断念した(それでも自民党候補に100万票当選を許している)。福島県[2]・三重県・滋賀県・長崎県[3]で現職が落選するなど1人区で全敗し、結党以来最低の議席数となった。
2014年の第47回衆議院議員総選挙においては北海道・愛知県・新潟県・大分県においては小選挙区の議席を微増させた一方、比例での獲得議席は北海道を始めとして大きな変化は見られなかった。東京都では小選挙区での獲得議席は1議席(長妻昭の7区)と減少させさらには選挙時の代表であった海江田万里が比例復活もできず落選した。滋賀県・長崎県では前回同様小選挙区において全敗し長野県では羽田孜の地盤であった長野3区において民主党候補が維新の党の候補に議席を明け渡した上比例復活もできず落選するなど復調には至っていない。
2015年の第18回統一地方選挙で愛知県議会議員選挙や名古屋市会議員選挙で議席を増やしたものの、代表となった岡田克也の地元三重県の知事選において独自候補の擁立ができず自主投票になるなど自民党系候補への不戦敗・相乗りが相次いだ。また大分市長選挙では椋野美智子を擁立したが与党が推薦した佐藤樹一郎に敗れ40年以上維持していた非自民の市長の座を明け渡すことになった。さらに同年9月に行われた山形市長選挙でも維新の党・次世代の党などを除く野党とともに元防衛省職員の梅津庸成を擁立したが与党が推薦した佐藤孝弘に敗れ50年以上維持してきた非自民の市長も明け渡すことになった。
2016年の第24回参議院議員通常選挙では民進党と名を変え共産党などとの候補の一本化により福島県・新潟県・山梨県・長野県・三重県・大分県などで議席を維持し北海道・東京都・愛知県では二議席確保するなど善戦した一方、滋賀県・奈良県では現職が議席を失い長崎県では議席の確保ができなかった、特に滋賀県は民主党時代から数えて結党以来初の県連所属の選挙区選出議員がいなくなった。また三重県に関しても共産党など非自民左派系の票を前選挙・前々選挙から引くと自民候補に負けている。このため、民進党単独での票の維持は困難な情勢が続いている。また同年12月に行なわれた四日市市市長選挙にて民進党の推薦する新人が自民党市議団などが支持する新人に敗れており地方選挙クラスでも退潮が顕著になっている。
2017年の第48回衆議院議員総選挙では民進党が事実上の解体となり、小池百合子東京都知事率いる保守系野党を標榜した希望の党と枝野幸男率いるリベラル派系野党である立憲民主党、どちらにも属さない無所属候補に分かれた。結果的には北海道・福島県・新潟県では立憲民主党やリベラル系無所属が議席を増やした一方で、希望の党に付いた議員の多くは、長野県・長崎県で善戦したとはいえ多くの都道府県で苦戦を強いられた。特にリベラルの牙城であり2012年の総選挙でも民主党現職が議席を守った千葉1区・茨城5区・京都6区・奈良1区でも議席を失っている。山梨県と大分県は前回敗れた自民党議員がそれぞれ山梨2区と大分1区で議席を獲得したため議席を減らしている。また滋賀県と奈良県は全選挙区で自民党候補に敗れた上、野党候補は比例復活もできなかったことから、衆参すべての議員を自民党議員が独占する状況となった。岩手県・静岡県・愛知県・三重県は全選挙区で与野党ともに現職が議席を守ったため、小選挙区の議席の変動はなかった。
北海道
かつての北海道は全国で最も日本社会党の地盤が強固であった。これは北海道は本州以南と異なり地縁等のしがらみが少ないことや、主要産業が公務員・炭鉱・国鉄であり、自治労や炭労、国労など総評系の労組が強かったことに起因する。全国的に社会党が長期低迷傾向を示す中、1983年に北海道知事に就任した横路孝弘の下で社会党組織が温存ないし強化された。1996年の社会党3分裂においても社会党北海道は足並みを揃えて民主党に参加した。このため民主党組織も本州以南のそれと比較して左派色の強い形態となった。
2017年の第48回衆議院議員総選挙直前の民進党と希望の党の合流騒動においても自治労の組織内議員でもある逢坂誠二が全国の民進党議員の中でも最初に希望の党への不参加を表明した。また、他の多くの北海道選出議員や民進党公認予定だった候補も希望の党ではなく立憲民主党への参加を表明し、立憲民主党に参加した小選挙区立候補者全員が比例復活を含めて当選した。市区町村別の比例代表得票数でも、一部の地域で自由民主党を上回り、得票数トップになるところもあった。一方で希望の党に参加した候補者で当選したのは山岡達丸一人にとどまった。社会党北海道の系譜は民主党、民進党を経て立憲民主党にも引き継がれたと言える。しかし、2019年北海道知事選挙では立憲民主党や国民民主党など左派が擁立した石川知裕が自由民主党・公明党・日本維新の会が擁立した鈴木直道に大敗を喫している。また北海道道議会選挙でも自民党に単独過半数を取られており、さらに同年の参院選では自民党候補の二人当選を許すなど退潮傾向にある。
岩手県
俗に民主王国と言われる各県でも、特に岩手県は新進党・自由党を渡り歩いてきた小沢一郎系議員の当選が多く、特に「小沢王国」と呼称されてきた。
もっとも、この俗称を用いる場合において、「小沢王国」=「民主王国」とは必ずしも言えない。例えば第41回衆議院議員総選挙総選挙においては1区・3区・4区の選出議員は全員が新進党、現行の民主党が既に成立していた第42回衆議院議員総選挙では全員が自由党所属の議員であり、2003年の民由合併で初めて民主党所属の議席が誕生した形となる。すなわち、小沢一郎が渡り歩いてきた政党に所属する候補が多数当選する選挙区の多い都道府県が「小沢王国」である。しかし新進党の解党以後、小沢系が安定して大量当選をしている都道府県は岩手県のみであったため、事実上岩手県=「小沢王国」の図式となっていた。
なおこの定義から、小沢の民主党離党後に行われた第46回衆議院議員総選挙・第23回参議院議員通常選挙では、当時の小沢の在籍政党である日本未来の党→生活の党の候補者が多数当選した都道府県を小沢王国と呼称することとなるが、後述の通り2つの選挙では小沢を除く党所属者の落選が相次いだ。
岩手県の4選挙区のうち、2区のみ、自民党の鈴木俊一が地盤としており、第41回以降、45回を除く総選挙で勝利している。
2000年の第42回衆議院議員総選挙では、選挙前の自由党と保守党の分裂に伴い、元々小沢系であったが保守党に移ることで小沢と対立した佐々木洋平と、小沢系の新候補である黄川田徹が3区にて激突したが、黄川田が危なげなく勝利。同じく小沢系である1区の達増拓也が岩手県知事選挙出馬に伴い議員辞職した際も、補欠選挙(第21回参議院議員通常選挙と同時実施)において後継となった階猛が自民党候補にダブルスコアに近い大差をつけて圧勝しているなど、その地盤はゆるぎないものがあった。民主党が惨敗した第44回総選挙でも3選挙区の選出者は変わらず、また第45回総選挙では、元々鈴木俊一の地盤であった2区すら小沢系の畑浩治が制し、県内の衆議院小選挙区の議席をすべて獲得するほどの強さを見せていた。
しかし、2011年の東日本大震災の発生後、1区の階、3区の黄川田の二人は震災後の対応など様々な要因から小沢と袂を分かち、小沢は2012年に民主党を離党して国民の生活が第一を立ち上げるが二人は民主党に残留する。このことで、第46回総選挙において小沢は二人の選挙区に刺客の対立候補を日本未来の党(国民の生活が第一が合流)から送り込むこととなる。結果としては、民主党に残った階と黄川田は議席を守り、小沢が新たに擁立した未来候補はいずれも比例復活すら成されなかった。2区の畑は小沢につき未来の党の候補としてともに戦ったが、鈴木に議席を奪還された。畑は比例復活したものの得票率は45回の鈴木のそれを下回り、4区の小沢自身も自民党の新人候補の比例復活を許す形となった。
結果的には、他都道府県でも民主党や民主党離党組の惨敗とも言える状況に陥る中で、岩手県では(得票率こそ落ち、上述のように全選挙区で自民党議員の当選または比例復活を許したものの)民主党及び民主党離党組(岩手県においては4区の小沢と2区の畑)の戦績は3勝1敗と善戦しており、また第46回総選挙における県内小選挙区選出者は、第44回補欠選挙以降における選出者とまったく同じである。皮肉にも小沢が育て上げた候補の勝利により、この選挙においては事実上全国で唯一「民主王国」の面目が保たれたとは言える。
しかしながらこの選挙を経て「小沢王国」は崩壊したと言える。これまで小沢は県内選挙区に意中の候補を送り込み、前任者が小沢に対立しようものならそれが現職候補でも落選させてきたことこそが同県が「小沢王国」であった所以である。表面上の当選者は変わらずとも、各候補が「小沢の言うことを聞く候補」でなくなったこと、またそれに対し小沢が送り込んだ新候補が歯牙にもかからず惨敗したことが、「崩壊」の理由として挙げられる。
また、続く第23回参議院議員通常選挙の岩手県選挙区でも、かつて小沢系であったが、民主党を離党し無所属で戦った平野達男が3選した。小沢はやはり対立候補を生活の党(日本未来の党から非小沢系議員が離党後改称)から出したが、平野はおろか自民党候補にすら7万票差をつけられた3位で敗北している。参議院では小沢の自民党離党以前から選出方法は変わっていないため、「小沢の渡り歩いた政党の候補または支援候補」が当選し続けている様相がより分かる選挙結果が続いていたが、こちらも「小沢の推す候補」としての票が「現職」票にシフトしていった結果を如実に現しており、「小沢王国」の崩壊を助長する選挙となった[4]。この参院選では、民主党からも候補者が出ていたが生活の党候補者の票数すら下回り、「民主王国」としての立場も危うくしているが、衆院選に引き続き現職候補が勝利しており、民主党出身者は他党に移っても敗北することが多かった他都道府県とは一線を画していると言える。
2015年では知事選で達増が無投票当選を果たした一方、盛岡市長選挙では現職で自公が推薦する谷藤裕明が民主および生活が推薦する内舘茂を破り4選を果たしており小沢および民主党の影響力の低下をさらに裏付けるものとなった。しかしながら2016年の第24回参議院議員通常選挙では、岩手県選挙区において生活の党所属の木戸口英司(主濱了の後継)が当選している。
2016年参院選直後に平野達男が自民党に入党しており結果的に岩手県選挙区における左派の議席独占は一時的に崩壊したが、小沢率いる自由党(生活の党と山本太郎となかまたちから改称)が横澤高徳の擁立を主導し、横澤は2019年の第25回参議院議員通常選挙で平野を破り小沢王国の面目を保った[5]。
山梨県
民主党の重鎮である輿石東の地元、山梨県も民主党が強い地域である。
第44回衆議院議員総選挙では郵政選挙により自民党が圧勝したのに対し山梨県では民主党が自民党に勝利(3選挙区で民主1、自民0、無所属2)した数少ない地域であるほか、第45回衆議院議員総選挙においては3選挙区すべてで当選を果たしただけでなく自民党をはじめとする他の候補者の比例復活当選も許さず、これまで参議院を独占していた議席を合わせ5議席すべてが民主党議員となり、かつ民主党以外の政党および無所属の国会議員がゼロになる「民主党独占」現象が起きた。
議院 | 選挙区 | 議員 | 当該選挙区での当選回数 | 別選挙区での当選、または比例復活当選等 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
衆議院 | 山梨県第1区 | 小沢鋭仁 | 4回(2000年、2003年、2005年、2009年) | 山梨県全県区1回(1993年) 比例南関東ブロック1回(1996年) |
|
山梨県第2区 | 坂口岳洋 | 1回(2009年) | |||
山梨県第3区 | 後藤斎 | 1回(2009年) | 比例南関東ブロック2回(2000年、2005年) | 2000年、2005年は選挙区では落選(比例並立) | |
参議院 | 山梨県選挙区 | 輿石東 | 2回(1997年、2004年) | 衆議院山梨県全県区2回(1990年、1993年) | |
米長晴信 | 1回(2007年) |
この状態は2010年に行われた第22回参議院議員通常選挙でも輿石東が当選したことで維持されたが、2012年に行われた第46回衆議院議員総選挙において小沢鋭仁が離党し日本維新の会から出馬。民主党は対抗馬として斎藤勁を擁立するが、民主票が分裂したことで自民党の宮川典子に敗れることで2000年から維持していた民主党の地盤を喪失(小沢は比例重複による当選、斎藤は落選)。また山梨県第2区も現職の坂口岳洋が保守系2候補(長崎幸太郎、堀内詔子)の争いに隠れてしまい、比例重複による当選もできなかった。山梨県第3区では現職の後藤斎が自民党新人の中谷真一に勝利したもののその差はわずか172票(中谷真一は比例重複による当選)と民主党惨敗の煽りを受ける形で独占状態は終焉。2013年に行われた第23回参議院議員通常選挙では米長晴信が離党しみんなの党から出馬したため無所属で立候補した坂口岳洋を推薦したが自民党新人に敗れ、この時点で衆議院の比例重複当選者を含めると民主2に対し自民4と逆転されてしまった。2016年に行われた第24回参議院議員通常選挙では輿石が引退したものの日本共産党が候補を取り下げ野党統一候補となった民進党公認の宮沢由佳(のちに無所属を経て立憲民主党に移籍)が当選し、参議院での地盤喪失を回避している。2019年に行われた第25回参議院議員通常選挙では立憲民主党が杉並区議会議員の市来伴子を擁立することを発表したが、同氏は次期区議選の社民党公認候補だったため、同党の又市征治党首や山田厚県連代表は立憲民主党に市来は野党統一候補に不適格と非難した[6][7]。その後市来が立憲民主党の公認を取り下げ無所属出馬することで候補者の一本化には成功したものの、立民、国民、共産3党の推薦を取り付けた市来は社民党からは「支持」留まりとなった。こうした野党共闘の不調もあり市来は自民党現職の森屋宏に完敗し、参議院山梨の野党独占には至らなかった[8]。
山梨県第3区が廃止された第47回衆議院議員総選挙でみんなの党から移籍した中島克仁が山梨県第1区で宮川に勝利したことで議席を奪回。第48回衆議院議員総選挙では無所属から出馬したが中谷に勝利したことで議席を維持している。一方、山梨県第2区では第47回は党公認候補者の擁立を断念せざるを得ない状態となり、第48回は立憲民主党から出馬した小林弘幸を民進党山梨県連が推薦したが、堀内と長崎の争いに割り込むこともできず大差で敗れている。
知事では2003年山梨県知事選挙にて民主党から支持を受けた山本栄彦前甲府市長が保守系国会議員であった横内正明を破り、民主党系知事が誕生した。しかし山梨県議会が自民党所属の議員が多数である状況でねじれが発生し、また輿石東の支持母体である山梨県教職員組合の政治運動問題の発覚や、国との交渉が欠如した状態で山梨県立博物館や中部横断自動車道の新直轄方式化による県負担増など県の負債が増加するなどの問題が発生し、2007年山梨県知事選挙では前回破ったものの山本県政に反発する団体や国会議員から擁立された横内正明に敗れ、1期で明け渡す結果となった。2015年山梨県知事選挙では民主党に所属していた後藤斎が候補者の調整がつかなかった自民党と公明党の相乗り推薦を受ける形で出馬を表明し、共産党候補などを破り再度民主党系知事が誕生するが、公約の修正や撤回が相次ぎ(原因として山本同様国との交渉が不足していることが県議会や自民党の検討委員会で指摘されている。)、2019年山梨県知事選挙では自民党の推薦を受けた長崎幸太郎との「自民対元民主」対決に敗れ、再び1期で明け渡している。
民主党が躍進している理由として県庁所在地である甲府市が挙げられ、旧社会系の1988年(昭和63年)から30年以上に渡り民主党系の首長であり(但し、2003年から2015年まで市長を務めた宮島雅展は元々自民党所属の県議であり、2003年の市長選では自民党が別の候補を推薦したことから民主党の推薦を受けている。)、市議会も民主党が自民党を上回っている。2003年山梨県知事選挙でも甲府市を除けば山本より横内が上回っていたが甲府市にて2万票の差がつき勝利するなど、甲府市の票が民主王国を支えているといえる。
但し山梨県全体からみると初めから民主(旧社会)が強かったわけではなく、1980年代までは自民党の重鎮であった金丸信をはじめ中尾栄一、堀内光雄(上述の堀内詔子の義父)、田邊圀男ら大臣経験者を輩出する保守王国であった。衆議院選挙では、当時の山梨県全県区(定数5)で、自民党の公認候補が4議席獲得することも珍しくなく、小選挙区移行後も第41回衆議院議員総選挙で輿石東が建設大臣(現・国土交通大臣)であった中尾に敗れるほどであった。しかし、1990年代に金丸と中尾が相次いで逮捕されると保守王国の地盤は揺らぎ始め、2005年には第45回衆議院議員総選挙(所謂郵政解散)における「郵政造反組」(堀内光雄と保坂武)と「小泉チルドレン」の扱いについて自民党山梨県連が自民党本部の意向に反し造反組を支援したこと、さらに郵政造反組復党問題では山梨県第2区において候補者の調整失敗による保守分裂が起き、自民党山梨県連の2県議会派が対立して上述の通り国政選挙や首長選挙で独自候補を擁立することすら困難な状況となっていた。ただ県民の保守色は未だ強く、2019年山梨県知事選挙のNHKによる出口調査での政党別支持は自民が46%に対し立憲民主党と国民民主党が合わせて14%と大きく水をあけられている[9]。
主な選挙区
衆議院選挙区
小選挙区制を導入以後、民進党系候補(前身の野党系候補を含む)が独占している選挙区を以下に列挙する。
選挙区 | 小選挙区当選者 | 党派 |
---|---|---|
岩手県第1区 | 達増拓也 | 新進党→自由党→民主党 |
階猛 | 民主党→民進党→希望の党→国民民主党(旧)→無所属→立憲民主党 | |
岩手県第3区 | 佐々木洋平 | 新進党 |
黄川田徹 | 自由党→民主党→民進党 | |
小沢一郎 | 無所属→自由党→国民民主党(旧)→立憲民主党 | |
岩手県第4区 | 新進党→自由党→民主党→国民の生活が第一→日本未来の党→生活の党→生活の党と山本太郎となかまたち→自由党 | |
宮城県第5区 | 安住淳 | 民主党(旧)→民主党→民進党→無所属→立憲民主党(旧)→立憲民主党 |
神奈川県第8区 | 中田宏 | 新進党→無所属の会 |
岩國哲人 | 民主党 | |
江田憲司 | 無所属→みんなの党→維新の党→民進党→無所属→立憲民主党 | |
静岡県第6区 | 渡辺周 | 民主党(旧)→民主党→民進党→希望の党→国民民主党(旧)→立憲民主党 |
愛知県第2区 | 青木宏之 | 新進党 |
古川元久 | 民主党(旧)→民主党→民進党→希望の党→国民民主党(旧)→国民民主党 | |
愛知県第11区 | 伊藤英成 | 新進党→民主党 |
古本伸一郎 | 民主党→民進党→希望の党→国民民主党(旧)→無所属 | |
三重県第2区 | 中川正春 | 新進党→民主党→民進党→無所属→立憲民主党(旧)→立憲民主党 |
三重県第3区 | 岡田克也 | 新進党→民主党→民進党→無所属→立憲民主党 |
参議院選挙区
民進党系(及び野党系含む)議員が2人独占している1人区と少なくとも1回の改選あたり2人以上選出している複数人区を以下に列挙する。
選挙区 | 選出議員 | 党派 |
---|---|---|
北海道選挙区(6) | 徳永エリ、鉢呂吉雄、勝部賢志 | 立憲民主党 |
岩手県選挙区(2) | 木戸口英司、横澤高徳 | 立憲民主党 |
山形県選挙区(2) | 舟山康江、芳賀道也 | 国民民主党、無所属[10] |
東京都選挙区(12) | 蓮舫、小川敏夫、塩村文夏 | 立憲民主党 |
愛知県選挙区(8) | 斎藤嘉隆、伊藤孝恵、大塚耕平、田島麻衣子 | 立憲民主党、国民民主党[11] |
新潟県選挙区(2) | 森裕子、打越さく良 | 立憲民主党 |
長野県選挙区(2) | 杉尾秀哉、羽田雄一郎 | 立憲民主党 |
大分県選挙区(2) | 足立信也、安達澄 | 国民民主党、無所属[12] |
沖縄県選挙区(2) | 伊波洋一、高良鉄美 | 沖縄の風[13] |
脚注
- ^ 北海道においてこの選挙以前までに自民党が獲得した最高議席数は7議席であったが今回はそれの倍の14議席であり民主党が獲得できたのは2議席と過去最低であった。
- ^ 2人から1人に見直し
- ^ 長崎県は民主党県連に属する選挙区選出の国会議員がいなくなった。
- ^ 『【参院選】「小沢王国」はなぜ崩壊したのか - MSN産経ニュース』産経デジタル、2013年7月22日。[リンク切れ]
- ^ <参院選岩手>「小沢流」と労組が呼応 横沢氏、最終盤に逆転成功河北新報2019年7月22日付
- ^ 立憲、社民・国民からも擁立 浴びる反発「引き抜きだ」朝日新聞2019年3月27日付
- ^ 参院山梨、立憲は候補撤回を=杉並区議は「資質欠如」-社民県連時事ドットコム2019年4月1日付
- ^ 元杉並区議が山梨選挙区で敗れる 野党間のしこり響く産経新聞2019年7月22日付
- ^ “県知事選 NHKの出口調査から”. NHK. (2019年1月27日). オリジナルの2019年1月30日時点におけるアーカイブ。 2019年1月27日閲覧。
- ^ 舟山は国民民主党、芳賀は国民民主党・新緑風会所属
- ^ 斎藤・田島は立憲民主党、大塚・伊藤は国民民主党
- ^ 足立は国民民主党、安達は無所属
- ^ 高良は沖縄社会大衆党、伊波は無所属。2人でオール沖縄の参議院会派として結成。