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*[[密航]]者が中に詰め込まれて不法入国する<ref group="注">ただし、[[熱中症]]死や密閉されたコンテナでの[[窒息死]]などのリスクを伴うので、コンテナによる不法入国はまさに命懸けである。</ref><ref>[http://www.47news.jp/CN/200301/CN2003011601000188.html コンテナから集団密航か 福井県の敦賀港 2003/01/16 03:09 【共同通信】]</ref>。 |
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|titlestyle = background-color:#ffffff;|title='''短所【密入国や密輸品の摘発事例】''' 【 '''関連する写真集''' 】 |
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File:Portal VACIS x-ray.JPG|ポータル VACIS [[ガンマ線]]撮影装置によりコンテナ内部を検査する。<br />※VACIS:Vehicle and Cargo Inspection System |
File:Portal VACIS x-ray.JPG|ポータル VACIS [[ガンマ線]]撮影装置によりコンテナ内部を検査する。<br />※VACIS:Vehicle and Cargo Inspection System |
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=== トレーラで運ぶ場合 === |
=== トレーラで運ぶ場合 === |
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[[File:Ladungsverschiebung.jpg|thumb|コンテナではないが、箱型トラックの荷台で重量物の荷崩れにより、車体が右側に大きく傾いた事例。<ref group="続き">画像の様にトラックの荷台では大抵の場合は中身が確認できるが、海上コンテナでは万国共通の専用封印の為、中身は極一部の特例の場合を除き、基本的に確認できない。</ref>]] |
2020年10月25日 (日) 02:52時点における版
コンテナ (英: container)とは、内部に物を納めるための容器のことである。コンテナーとも呼ばれる[注 1]。 さらに、何も積載されていないコンテナを空コンテナ (から-) と呼ぶ[注 2]。
本項では、輸送に長期反復使用される容器について取り扱う。また、以下ではフィートをft、インチをinと略すことがある。
概要
一般的には、鋼鉄・アルミニウムなどで製造され、規格化された形状の箱で、その中に輸送物を積み込み航空機・鉄道・トラック・船舶などで輸送を行う。多くが直方体の形状であるが、丸みを帯びた筒状の円筒形や、機体に合わせた逆台形の航空貨物用などの例外的な形状もある。
コンテナは用途に応じて規格化されているため、規格に対応した船や鉄道、トレーラーなど異なる輸送手段間で積み替えが簡便に行なえ、工場で荷を詰めたコンテナをそのままトレーラーで運びコンテナ船や貨物列車に載せて、再度トレーラに載せて倉庫や店舗へ配達することができる(複合一貫輸送)。コンテナ荷役は機械化されているため、荷役の手間、コスト、時間を大幅に削減でき、また盗難や汚損の危険も小さくなる。
歴史
コンテナが普及したのは1960年代からのことであり、コンテナの登場は物流の一大革命であった(コンテナライゼーション)。当初は58個のコンテナからスタートした。そこからコンテナ船は年をおうごとに大きくなり続け、2014年には19,000 TEU、2017年には20,000 TEUを超え、超大型コンテナ船が続々と記録を伸ばし就航している。さらにガントリークレーンと呼ばれるコンテナ専用のクレーンの設置が進行するなど、コンテナは世界の貿易や物流に大きな影響を与えている。
長所
- 貨物コンテナ共通
- 輸送中の水濡れなどの事故が少ない。
- 梱包材をほとんど必要としないので、低コストであり環境にやさしい。
- 寸法が規格化されており、内容物によらず同じ手順で荷役作業が行える。
- 輸送機関同士での積み替えが簡便かつ迅速に行えるため、時間と費用の両面で従来手法に対して圧倒的に有利となる。
- 海上用・陸上用のコンテナの場合
- 丈夫な金属製の箱は長年にわたり繰り返し使用できるため、梱包コストが削減できる。
- コンテナ自体の強度が高いため積み重ねでき、搭載や保管のための場所が節約できる。
- 貨物をコンテナに入れたまま保管でき、屋根付き倉庫などを必要としない。
- 海上輸送で従来、甲板積みができなかった貨物も輸送可能となる。
- 輸送中の盗難や不正輸出入のリスクが少ない。
- ドア・ツー・ドアの一貫輸送が可能となる。
- コンテナ自身の素材である鉄・アルミニウムも再利用が可能で、環境にやさしい。
短所
- 貨物コンテナ共通
- コンテナ自身の重量を運ぶエネルギー消費が無駄になり、コストに加算される。
- 小口の輸送ではコンテナ1つを埋められず、費用空隙の効率を求めれば多種類または複数の荷主もしくはその両方の荷物を混載する手間がかかる。
- 海上用・陸上用のコンテナの場合
- 港湾に専用のガントリークレーンや、規格に適合したトレーラーなどの大型の荷役機械の整備が必要となり、莫大な投資が必要となる。
- コンテナの出発地や到着地に近い港でも荷役設備がなかったり、たとえその設備があっても使用するコンテナ船の寄港ができる港湾内の航路の水深が十分でなければ、遠くても設備や条件の整った港まで運ばなければならない。
- 貨物を抜き取る小規模な窃盗が減った反面、コンテナごとトレーラーなどで運び去る大規模な窃盗被害はありうる[5]。
- 銃器等や麻薬など、特に輸出入を禁止している物の臨検が、コンテナの床や柱を巧に利用し隠されてすり抜けられ、不正輸出入を摘発できないことがある。
- 密航者が中に詰め込まれて不法入国する[注 3][6]。
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検問所のカーゴスキャニングシステムの画像。
画像中央の積荷に潜む2人の密航者(直立姿と座り込み姿)が映し出されている。 -
ポータル VACIS ガンマ線撮影装置によりコンテナ内部を検査する。
※VACIS:Vehicle and Cargo Inspection System
トレーラで運ぶ場合
- 貨物の偏り
- 一般のトラックと異なり、海上コンテナ輸送にかかわる各国において、現行の国際条約下では輸送途中にコンテナの封印を開封して中身を確認することは、特別検査等の極希なケース以外は一切できない。このため配達するトレーラー運転手には、受け渡し書類等で積荷の品目や注意事項を多少は把握できるが、それはあくまでも書類上での参考程度にしか過ぎず、運転手には実際の中身の状態や、積まれ方が全くわからない。
- このため、重い荷物が均等に積み込まれず、車体が傾いた状態や、重心が高くなる状態になり、横転事故を起こしやすくなる。
- 急ブレーキの反動
- ドライコンテナ等を輸送中のトレーラーが何らかの理由で急ブレーキを掛けた場合に、複合的に起こりうる重大事故としては、急ブレーキの反動で積荷によっては(例:石材・鉄骨・各種ロール状の物、機械類など)、荷崩れを起しコンテナ内でスケート状態となり、前方向の妻壁へ激突、突き破り、運転席を潰してしまうケースもある。
- 時に見受けられる事例として、トンネルの様に両妻側に積み込み口がある特殊なコンテナや、何らかの理由で原則としてトレーラー後尾側に向くはずの積み込み口が逆向きで、運転席側に向いていて、妻壁より構造的に弱い観音式ドア部分を突き破る等の人災的事故がある。
- 危険物
- 夏場などでは、特に完全密閉状態となるドライ・コンテナなどに積載された、スプレー缶製品類や密閉された容器に入っている薬品・化成品等がコンテナ内部の高温で花火の様に連鎖的に突然、爆発・炎上という予測不可能な事故も多々起こっている[7]。
- コンテナロック作業の手間
- コンテナターミナル構内等で特に注意する事案として、「コンテナ底面4箇所」と「トレーラー荷台」を繋ぐツイストロック装置を、確実に切る、あるいは繋ぐ操作をすることである。
- これを怠るとガントリークレーンやトランスファーテナーによってトレーラーごと吊り上げられたり、逆に繋がったまま発進した挙句に吊りワイヤーが張ってしまい急ブレーキ以上の衝撃を受け大事故になる怖れがある。特に風雨のときや、荷役作業が大幅に遅れて作業者が混乱しているときなどに起こりやすい。また走行時にコンテナロックが外れているとコンテナが落下し大事故になりかねない。[8]
陸上で保管するとき
空コンテナ専用のコンテナデポや、コンテナ製造メーカーの製品保管ヤードでは、現在の空コンテナ荷役専用のトップリフターの荷役能力の関係で、積上げ限界目安の8段に野積みされた光景は世界中で見られる。限られた敷地を有効に使える半面、強風や地震には非常に弱く倒壊しやすい。そこで積み上げたコンテナ群の外側から内側に向かって3 - 5列を使い、倒壊防止に階段積みにして外壁代わりにしたり、ワイヤー等で縛ったりして厳重な補強が必要である。
なお、日本国内では、近年の台風や地震などによる自然災害の多発を受けて、業界内での申し合わせた安全基準として、いずれのコンテナの場合でも最大積み上げ数は、5段積みまでとされており、さらに5段に積み上げられたものの中長期に渡ってコンテナの出し入れが無い場合には、ワイヤー等でコンテナの最上部と、別コンテナの最下位部とをタスキ掛けする様に推奨されている。また使用している空コン用のトップリフターも、5段対応までと制限されている。
流出時
海面すれすれまでに水没して海上を漂うコンテナは、大きさは無論、本体の材質の他、コンテナが漂流している体位の状況は、内部の積荷の有無や積載状態、あるいは室内の空気の抜け方により常に豆腐を浮かべたような水平に安定した状態になる事はあまり考えにくく、むしろ尖った氷山が水没したようであったりとその時々の体位にもよるが、レーダー等には映りにくい。また事前に漂流情報を受けて肉眼での意識した警戒見張りでも、夜間は無論、日中でもコンテナのカラーリングによっては、非常に発見しにくい場合も多々ある。たとえば肉眼時での一例として、コンテナ全体が白系統や光が反射しやすいアルミ表面露出の多い固体は昼夜を問わず比較的見つけやすいが、日中では海面と同化しやすい青系統や、真っ暗闇の夜間では黒系統は無論、闇と同化しやすい赤系統や茶色系統などが特に脅威になりやすい。
また景色と同化しやすいカラーリングで一番厄介なのは、一色塗装されて社名表示もほぼなく、ごく小さな帯状の固体番号が表記だけの屋根部位又は、防錆処理の関係でほぼ黒一色状態の底面が、時としてまるでベニヤ板切れのように安定した水没状態で水面を漂っている事態を回避する事は、ほぼ絶望的である。しかもコンテナは、最大で30数 t余りもの総重量状態で船倉などでは九段積みが常態化している現代において、コンテナ製造時の合格検査では上部四隅への垂直加重試験で、固体総重量の倍弱程度の加重に耐えられる強度が要求されている。これらを加味すると、最大数百トンもの荷重に耐えうるように強固な造りとなった四隅が尖っているため、衝突すれば例え大型船でも最悪時には沈没を招く恐れがあり、コンテナの海上漂流は航海上での大きな脅威となっている。
この様なコンテナの漂流事故を扱った作品の一つに、 オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜がある。
海上コンテナ
ISO規格コンテナの仕様
ISO規格での海上コンテナの長さは、主に20 ft (6,058 mm)、40 ft (12,192 mm) の2種類がある。幅は8 ft (2,438 mm)、高さは8 ft6インチ (2,591 mm) だが、9 ft6インチ (2,896 mm) のハイ・キューブ・コンテナ(背高コンテナ、クンロクとも呼ばれる)も普及している。
[[:File:Matoson containers being loaded.jpg|長さが45 ftタイプのコンテナも近年[いつ?]では新たにISO規格化され、欧米などで普及しつつある]]が、それを積載したシャーシは極一部の例外(別記、ボーイング社部品輸送、物流改善研究の試験輸送)等を除き、現在の道交法下では日本国内の公道を走れない。このために日本で見かけるのは、港に海外から寄港したコンテナ船上での積載状態の風景か、これ等のコンテナ船が接岸中にコンテナ荷役作業の都合で、一時的に船上から降ろし隣接するヤード内で仮置しているなど、ごく限られた条件下の場合に限られる。
海上コンテナの最大総重量(自重も含めたコンテナ全体の制限重量)は、20 ftタイプでは17,950 - 24,000 kg、40 ftタイプでは26,770 - 30,480 kg[注 4]であるが、世界的な物流環境の変化に伴い下記の積載規格表示画像例の表記にもあるように、近年製作されている20 ftタイプでは、30,480 kgでも対応可能になってきている。ただし、実際に最大総重量30,480 kgで輸送する場合は、20 ft又は、40 ftのいずれの場合でもコンテナの四面に目立つように、黄色地に黒色太字の三角線で囲んだ「Super heavy」(黒色文字)又は、白色地に赤色太字の三角線で囲んだ「Super heavy」(赤色文字)のいずれかの警告シール貼り付けが必要となる。
海上コンテナの自重 (Tare Weight) は、ドライ・コンテナで20 ftタイプが約2,300 kg、40 ftタイプが約3,800 kg。リーファー・コンテナで、20 ftタイプが約2,800 kg、40 ftタイプが約4,200 kgである。なお、これらを含むコンテナ個々のコンテナの詳細な情報は、外壁の在る場合は妻側の開閉できるドア表面、ドアのない又はタンク等の外壁のない場合は、片妻側のメインとなる妻側面の見やすい適切な場所への記載がISO規格での登録と、管理されている統一のコンテナには義務付けられている。 ただし海上コンテナの自重やその他の詳細は、製作するメーカー及び、付属する備品や装置・機器類の他、材質や製作年代等により若干異なる。
海上コンテナの旅
コンテナ詰めされた一般貨物は基本的に以下のように流れる。ただし特殊貨物や、工場へ空コンテナを運んで直接コンテナに詰める、工場バン詰め貨物などについてはこの限りではない。
- 荷主から持ち込みまたは集荷した輸出貨物を、通関業者などの保税蔵置場に搬入し、各種手続きにより通関する。
- 使用するコンテナ所有会社のバンプールから、コンテナ専用シャーシで空コンテナを引き取る。このときコンテナ専用シャーシ牽引のドライバーは、荷主(トラック業者)とターミナルオペレータとの間でコンテナの状態を確認するために使うEIR(Equipment Interchange Receipt=機器受渡証の略)と呼ばれる書類などを受け取る。
- 通関手続きが完了次第、保税蔵置場にてコンテナに貨物を詰める(バンニング)。詰め終わったコンテナのドア口には、防犯用に船会社から配布される、管理番号が書かれた「シール」という封印をかける。
- 輸出貨物の入ったコンテナ(実入り)を、ふたたび専用シャーシで船会社のコンテナヤードに搬入し、荷役日まで一旦蔵置される。
- 前項の輸出貨物の荷造り計画に沿って、提出されている輸出関連書類に基づき、荷役プランナー(コンテナプランナー)が個々のコンテナの向け地や重量などを勘案して、本船上における積載位置などを計画する。同時にコンテナ・ヤード内においても、積載プランに応じて関連する各種コンテナの配置替えを行う。
- 荷役当日、ストラドルキャリアまたはトランスファーテナーなどによって、ヤード内から順番にコンテナが搬出され、そのまま直接ストラドルキャリアで船側(せんそく)に運ばれるか、または大規模なコンテナターミナルでは、本船荷役専用の特殊シャーシーに載せ換えられ、船側へと運ばれる。
- ガントリークレーンにより、コンテナ荷役専用のスプレッダ装置を付けて日本国内では、20 ftコンテナの荷役の場合には、単独1個または、2個を横並び一組で40 ft扱いとして、また40 ftでは単独で1個ずつ吊り上げて本船に積み込まれる。ただし、愛知県/飛島コンテナターミナル等の極一部のスーパー港湾施設や諸外国の大規模施設では、日本の国内方式を更に真横に平行2列にして、最大で20 ftコンテナを4本同時に扱う事が出来る。なお対応するガントリークレーンは、吊り荷役時に掛かる上下時の加重等の安全性を含めて、軽く百数十トンの取り扱い能力を必要とする。
- 船倉内はたいていセルガイドという横ずれ防止用のレールがあるので特に固定する必要はないが、甲板上に積む際には上下のコンテナ同士を「ツイストロック」「オートロック」などの器具で固定するほか、波での横揺れや強風でも荷崩れしないよう更には、1段目 - 3段目までのコンテナを「ラッシングバー」又は、「ターンバックル」などで固定する。なおこの作業は基本的に人力である。このとき、チェッカーが積載プラン通りに積み込まれたか、積載プランと違う場合は、どこのポジションに積まれたかを確認する。
- 到着地では船積みとは逆の順序でヤードに蔵置され、貨物はコンテナに入った状態で輸入者に委託された各々の通関業者によって通関される。コンテナそのものも輸入品であるが、国際コンテナ条約により船会社がまとめて簡易通関する(コンテナ通関)。なお、コンテナを船から揚げる際、チェッカーはコンテナにダメージがないか、ドア口にかけられた封印シールの管理番号が正しいかを確認し、ダメージ(ヘコミ・亀裂・破損)や管理番号が違う場合は荷役担当会社に報告をする。
- 専用シャーシにて封印されたコンテナを引き取り、配達先の倉庫や工場へ運ばれ、中身を出す(デバンニング)。そして空になったコンテナは、そのまま専用のトラクターに牽引されて、コンテナ所有会社指定の空バンプールへ回送返却]]されて一連の流れが終わる。
-
内容物によっては、害虫駆除のために青酸ガス等で厳重に燻蒸消毒される。
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コンテナのドア口に掛けられたシール(封印)
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着地港のガントリークレーンで船倉から引き上げられ、出港地同様に一時保管の上、各種手続きが進められる。
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空コンテナの出し入れをするデポ。内陸地にあるものはインランド・デポと呼ばれる[9]。
コンテナリース
海運事業者が海上コンテナによる円滑な物流サイクルを行うために必要とされているコンテナ個数は、取り扱う貨物量や区域のほか、コンテナを実際に所有し提供する事業者の規模やコンテナ管理能力にもよるが、おおむね輸送貨物を搭載するために必要個数の約3倍程度の総個数のコンテナが必要とされている[10]。
例えば、ウィキペディア汽船(説明のための架空海運業者。以下同じ)というコンテナ専門海運会社が、国際航路のA地区にある自社専用コンテナターミナルと、B地区の自社専用コンテナターミナル間を往復輸送する定期航路で、20 ft換算で2万個積載のコンテナ船一隻で『ウィキペディア汽船』マーク入りコンテナだけを専用輸送する場合には、ある意味で約6万個規模の『ウィキペディア汽船』コンテナを用意する必要がある。むろん、この『ウィキペディア汽船』が複数の航路を持っていれば用意するコンテナの必要数は、軽く見積もっても何十万個に膨れ上がる事も珍しくない。当然ながら、コンテナを調達する資金だけでも軽く何百億円を超える等の天文学的数字となる。前記の『ウィキペディア汽船』の事例を粗い計算の一例として、コンテナ船1定期航路あたり6万個を、中国産20 ftドライコンテナ1個の新品価格、約20万円(1$=100円で計算)[11]で用意するとして金額を計算すると、1定期航路につき、20万円 × 6万個 で約120億円となる。
更に、自社の所有物として手に入れたこれ等のコンテナ全ては、コンテナの宿命として日々、流通の過程で錆びたり破損したりするので、当然のことながら所有コンテナを維持管理する管理費も発生し、この金額も利益を左右する大きな要因となってくる。また物流の致命的な欠点は、限定された固定容量貨物の定期サイクル輸送等のごく一部の例外を除けばほぼ物流量が一定する事はなく、季節柄・地域柄・時として想定外の有事もありうるので、これらの事情により必要とするコンテナ所有数を確定させるのは至難の技となる。これらの諸問題を解決したり、緩和するために必然的に生まれ発展してきたのが、コンテナリースである。
コンテナリースのメリットとして、以下の点が上げられる。
- コンテナを購入するための莫大な一時的資金を必要とせず、場合によってはその資金を別の投資へ回せるなど、有効な資金管理が出来る。また、金融機関からの借り入れ資金で購入する場合は、そのコンテナを担保物件として、運用上に制約が掛かる場合もある。
- ある意味、最低必要個数程度を自社で保有して、物量事情によるコンテナ稼動需要の増減に対しては、リースの活用で機敏に対応できる。また、物流全体の同時繁忙期では、不足しがちのリースコンテナ自体を、途切れないように優先的に供給を受けられる契約(#拘束条件付契約参照)も可能である。
- 不要時には無駄な遊休コンテナが発生するが、リース会社は大量の遊休コンテナが発生するような状況下でも、多彩なネットワークを駆使したり、リース料を減額等の策(#ワンウェイ・リース参照)で借り手を手当てしやすい。しかし、自社保有ではある意味無駄な『休車状態』の在庫となってしまう。
- コンテナの所有者はリース会社なので、事務上でのコンテナ減価償却年数処理も不要で、リース料は経費で計上できる。また破損時の修理や、定期検査等のメンテナンス管理は特約条項が無い限り、リース会社の管理事項となる。
- 頑丈なコンテナであっても年数が経てば、多かれ少なかれいわゆる、設備が古くなる的な現象は避けられないが、リースでは例えば、スマホを2 - 3年毎に機種変更するように、コンテナも数年毎に新しいコンテナと入れ替える契約が出来る。(#長期リース参照)
- 荷主によっては、製品や企業イメージ等を保つために輸送コンテナを新品にするよう要求されることもあり、または積載制限重量限度いっぱいの積荷の大量のコンテナを扱うヤードによっては、コンテナ自体の安全性担保等の事情により、製造後間もないコンテナを搬入するように求めることがある。こうした場合に対応するために、該当するコンテナをリースにより調達できる。
- 自社所有を少なくしても、最低限度のコンテナデポ等の保管地は必要であるが、リースを受ける契約事項によっては、リース会社が国内あるいは世界各地の広範囲に配置しているデポ自体を、あたかも自社のコンテナデポ代理店のように(#リース料率協定契約参照)流通管理計画に組み込めるため、空コンテナの回送輸送費等の節約にも直結する。
以下に、主なリース契約スタイルを記す。
長期リース
その名の通り、長期間にわたって借り受けるリース方式で、借受期間は、短い例では1年から始まり、最長ではいわゆる「使えなくなる」までと、借主とリース会社のそれぞれの思惑が色濃く反映される契約となり、通常は3〜5年程度の契約が多い[12]。なお、数年程度の契約終了後に、同じコンテナを引き続き使うために、再契約もできる。これらの事からある意味、リース期間中は占有的に使用が出来るために、「分割払い」(ファイナンス・リース)要素の強いリースとなる。
また長期間の場合は、借受年数やリース会社の営業方針にもよるが、借受者のロゴマークや社名等も表示できる場合も多々ある。これにより、あたかも借主の自己所有感覚でも使えるので、資金力が弱い小規模な会社は無論、世界的に事業を行う巨大会社でも自己保有による購入資金への投資の抑止策として、ある意味での企業規模を問わず盛んに利用されている。ただし契約期間中での途中解約は原則的に認められず、場合によっては違約金等のペナルティーが課せられる。
購入前提リース
前記の#長期リースを進化させて、契約期間終了後にリースを受けていたコンテナの所有権を借主に変更し、自社所有のコンテナとなる契約で、実質的には「必要とするコンテナ」を分割払いで購入する金融的なリースとなる。契約期間にもよるが、当然の事ながらリース期間が短い場合には、中古品としての残存価格に応じた追加金が発生したり、逆に長期間使用した契約では無償譲渡もされたりする。
ワンウェイ・リース
リースで調達したコンテナでの貨物輸送上において大きな障害となる事例として、一方通行的な片道のみの輸送でしかコンテナを利用しない、ワンウェイ・リースと呼ばれる事例も多々ある。
例えば輸出国であるA国から、輸入国となるB国宛てに利用する事例で、着地のB国では特にこれと言った輸出ができる貨物が無い場合、当然ながら輸入で使われていたコンテナが、空コンテナ状態でどんどんB国内のデポに溜まり続けるという、いわゆる不均等な現象が起こる。また特殊コンテナの代表格であるタンクコンテナなどは、ある意味での使い捨て的に利用される率も高い。このために当然のことながらリース会社としては、デポ管理上も、また流通管理上いずれにしても出来るだけ避けたい事案となる。このような場合には、リース料以外に追加で割増金を徴収し、使用者になるべく往復で借りてもらうように促したり、リース会社が身銭を切って需要地区へ回送したりもする。そうしたリース会社にとっては頭の痛い事案の中で、逆に溜まり続けるデポから借り出してくれる「ありがたい使用者」には、リース契約期間中での数日分の料金を無料(実質的な値引き)にしたり、数が纏まる大口契約では「おまけのコンテナ」を付けたりと、出来るだけ過剰在庫とならないように努めている。このような事例として、分野は違うが小型トラックなども扱うレンタカー店で、飛び込み客が箱形の2 t車を希望するも、在籍する箱形車が全て出払っていたが、たまたま残っていたあまり借り手の無い高額設定の2 t冷凍車を、『冷凍機を切ればただの箱車なので、料金値引きますよ。』と勧めて、特殊車両の稼働率を上げる事情と同じ理屈である。
しかし、それでも空コンテナ在庫が溢れる場合には、最終の手段として#貿易摩擦等での想定外事例でも見受けられるように、そのまま不良在庫として維持し続ける場合の管理費や、再度需要のある他地区を調査して回送するための手続きに伴う手間暇や、輸送コストと比べつつ、不良在庫となってしまった空コンテナを、中古品としての売却値段にもよるが、売却処分することもある。その一例として、日本国内のある中古コンテナ業者の営業用うたい文句には、『新品コンテナは、生産国(中国)から一度だけ貨物を入れて輸送されたワンウェイ輸送コンテナ』などの記述がある[13]。つまり、この中古業者はリース業者が高額売却を狙って、状態の良い不要在庫となったコンテナを仕入れて販売しているが、「不要在庫」がいつ発生するかは中古業者側で把握できず、入荷するかはどうかは全く目処が立たないという、ジレンマも抱えている。
コンテナ貨物輸送に大きな不均衡がある状態においてはある意味、リースコンテナとしての在庫管理が難しいものの、貨物がある限り片道使用の需要は途切れることはないので、絶対的に必要とされているリース形態のために、中古業者までもが複雑にかかわって、ワンウェイ・リースという特殊な形態で発展してきている。
ラウンド・リース
前記の#ワンウェイ・リースとは反対に、貸し手側・借り受側共にメリットの大きい、往復の輸送需要がある場合に使われる契約スタイルである。ただし、最大の制約事項は、最初にリースコンテナを借り出したデポから始まり、使用後の返却も「元あった場所へ返しましょう」的な意味合いで、最初に借り出したデポへ返却して一連の契約は終了する契約である。しかし、最初の借り出し地域や実際の複雑な貨物輸送の流れで、どうしても最初の借り出しデポへの返却が難しくなったり、返却すること自体が足かせになって思うような貨物輸送が結果的に達成できない等の、多彩な問題ケースも発生してきた。
そこで最近の流れとして、例えばAリース社の品川埠頭デポ発であっても、返却は近隣の大黒埠頭デポへの返却は無論、反対側の千葉県・船橋港デポでも可能とするなど、返却可能地域も拡大されてより一層のリースコンテナの便利性を高める契約内容へと、変化してきている。この理由は、Aリース社が管理する東京湾の品川埠頭地区のデポからリースが始まったが、荷主や借主の事情でどうしても同じAリース社が管理する近隣の横浜港の大黒埠頭地区のデポへ返却しないと円滑な貨物輸送が出来なくなる、という事態があったとする。その時に従来の『必ず貸し出しデポへの返却』契約では、こうした事態が生じると借主は次回の利用では、融通のきく別のリース会社を検討せざる得なくなる。これでは自社管理のデポにコンテナを返却してもらったにもかかわらず、大事な固定客をみすみす逃がしてしまうことになりかねなくなるからである。またラウンドリースの最大の特徴は、一往復だけでなく、続けて何度でも往復利用が連続して可能である。往復利用が連続してあることから、コンテナのリース期間が半年くらいにも及ぶ[14]こともありうる。
これらの取り扱い現状から、ラウンドリースは返却地域こそある程度の範囲を決められてはいるが、それ以外は特段の「縛り」的なこともないので、ある意味、一種の#長期リース的な意味合いも含まれているリース契約とも言える。
スポット・リース
別名、トリップ・リースとも呼ばれている。ある意味、単発的に借り受ける契約となるのでほぼレンタル的な内容であり、借主はレンタカーを借りるように、必要な時に・必要個数を・必要期間だけ借り受けたいという条件で利用する。またリース会社も、借主の要求に適合する条件のコンテナ在庫があれば貸し出すが、なければ断るという非常に単純な内容となっている。スポット・リースの場合、借主は持ち出したコンテナを原則として、「元の場所へ返却」することが条件となる。
マスター・リース
このリース契約の最大の特徴は、#長期リースと、前記の#スポット・リースを組み合わせて、例えば大量のコンテナを必要とし世界中で頻繁に運用する借主には、大変便利な契約方式である。
マスター・リース料金設定の仕組みには以下の方法がある。
リース料率協定契約
例えば、前もって包括的に 20 ft ドライコンテナの貸し出し料金が、1個に付き1日$●●でリースすると契約した場合、契約リース会社の関係する世界中のどこのデポで借り出しても同一の料金で提供される。つまり、例えアフリカ内陸奥深くの僻地的なデポであろうとも、シベリア地区の雪深い極寒のデポでも一切関係なく、最初に契約した「1個につき1日$●●」の定額で借り受けられるので、いわゆる大口契約者としては非常に経費予算の立てやすい便利な契約であり、リース会社としても大口かつ継続性のあるお得意様を獲得しやすくなるので、このリース料率協定契約の運用は、リース会社の経営手腕が問われる分野でも有る。
また、借主・リース会社双方はこの定額以外の条件(例えば、返却地・リース期間・個数等)は、その都度の契約となる。なお、それ以外に、活発にコンテナが貸し出されているデポから借り受ける場合は、別途プレミアム的な料金が追加される。また逆に#ワンウェイ・リースと同様に、空コンテナ在庫がどんどん積みあがる不良デポへの返却には、抑制料金が追加されるので借主はそれらの経費と、輸送収支のバランスを検討する必要も出てくる。
拘束条件付契約
前記の#リース料率協定契約には特段の拘束条件はないが、この拘束条件付契約では、前記の契約条件に加えて、借主とリース会社双方へ何らかの拘束条件(遂行する義務を負う条項)を付け加えた、ある意味、縛りのあるリース契約となる。例えば、借主は契約期間中には常に決められた、一定の最低借受個数を使用し続ける義務を負うこととなる。
- 借受人である『ウィキペディア汽船』は、半年のマスター・リース期間中、例えその内の二ヶ月間だけが閑散期となりあまり輸送需要が無く暇であっても種類を問わず、常に最低 50本のコンテナを借り受け続けなければならない、という契約である。無論、50本を越えるて借り受けることは何ら問題は無い。
逆にリース会社側は、需要増加時にはあらかじめ決められた月間供給最低個数を、例え同業他社から身銭を切って調達してでも、途切れることなく供給保障する義務を負うこととなる。
- リース会社は、契約期間中のある日、「繁忙期なので、月間供給最低個数として決めた枠の残り分、コンテナ100個を来月から追加を」と『ウィキペディア汽船』から要求されるも、在庫が50個不足していた。で、しかたなくリース同業者から50個を身銭を切って調達して、約束どおり残り枠分のコンテナ100個を確保した。
時代と共に進化するタンクコンテナの現状
タンクコンテナはその性質から同一荷主が使い回すことがほとんどのため、荷主の所有物 (S.O.C.=shipper's own container) であることが多い。しかし、積荷の性質に派生する修理・点検やタンク内外の洗浄メンテナンスの他、各国の法制度等の事情による検査手続きの複雑化など、膨大な維持・管理コストがかかるため、その節約・効率化が課題となる場合もある。こういったニーズに対応し、タンクコンテナを専門にリースする会社も多数存在する。
一例として、タンクコンテナリースを取り扱っている日本の代表的なリース専門会社には、日本コンセプト(ニチコン)、日陸 、日本石油輸送 などがある。
空コンテナ
この節の加筆が望まれています。 |
基本的に海上コンテナは船会社や物流輸送専門会社、リース専門会社の所有物であることがほとんどのため、輸出のコンテナ詰めをする際には使用する空コンテナの所有会社などから引き取り、また輸入貨物を出して空になったコンテナは所有会社などに返却する。
海上コンテナの種類
ドライ・コンテナ
ドライ・コンテナ (dry container) は、身近な生活物資から工業製品・産業物資まで、大多数の一般貨物に幅広く利用され、日本語では有蓋コンテナとも呼ばれる。ただし、ドライ・コンテナ輸送ができない例外品としては、#ドライ・コンテナの万能改造技等の特殊な場合を除き、液体・粉体・気体類などの状態で、それらの貨物を輸送する時の情況や事情で、事前に小型容器(数十キロ単位の袋 ・ フレコンバック ・ ガスボンベ ・ ドラム缶 ・ 小型タンク類)などに小口分割して準備することのできない貨物の他、専用の管理設備・機器が必要な要温度管理品、大物品、生物などがあげられる。
ドライ・コンテナの形状は箱型トラックの荷台部分のような細長い箱型で、コンテナの基本タイプとして世界で流通しているコンテナの中では、圧倒的多数を占める。大きさのサイズとしては多岐に渡るが、当然ながら流通するその国々の事情に見合ったサイズが主流となる。
日本では主要先進国に比べて、道路事情や各種規制により、運用制限が多々あるために、長さ20 ft、40 ftタイプがほとんどであるが、稀に10 ftおよび、日韓・日中間の輸送用として、近年では12 ftタイプも流通している。また、原則的に公道は走行できないが、神戸・名古屋などの特定地区の港では、超背高コンテナも存在している。(詳しくはハイ・キューブ・コンテナを参照)
積み込み口は、後部片妻一方開きタイプが基本であるが、片側タイプまたは、両側面が全面折戸式に開くタイプや、方妻と片側の全面が開くいわゆるL字二方開きタイプの他、変り種として両妻側が開いて貫通状態になるタイプや、片側または両側の一部分に開口戸があるタイプなど、積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。
更に2015年に入ってからは、これまでのドライコンテナの常識を破る新タイプとして、新たに開発された折り畳み式4FOLDコンテナ - YouTubeが、2015年3月24日から26日まで中国上海で開催された、インターモーダルアジア展示会で登場した。その名の通り、ドライコンテナ四側面をコンテナの内側に倒して、最終的には薄い一枚の床板状に折りたたみ、後記の折りたたみ型のフラット・ラック・コンテナや、フラット・ベッド・コンテナの様に重ねて積み上げ、一個の40 ftドライコンテナ状に仕立てて、空コンテナの返送料金を節約すると言う、ユニークなコンテナまでもが登場している。
活用事例
ドライコンテナは、一言で言えば『 所詮はただの鉄の箱 』に過ぎないが、近年の発達した世の中の小道具や、荷役機器などを少し工夫した応用技や、簡単な改造をほんの少し加えたり、あるいはちょっとした創意工夫で、各種の規制緩和や制度利用により、割り増し運賃なしで片道だけ運べたりする。またある時は、カー・ラック・コンテナの代わりに車を安価に輸送したり、専用のホッパコンテナ顔まけの簡易バラ積みホッパコンテナへと、積荷の種類や個々の条件にもよるが、それらの問題が解決されれば、態々高価な専用コンテナを配備する為の、大規模投資を抑える事が可能である。
ちなみに、ホッパコンテナへの積み込みは、通常は天井部(屋根部分)にある専用のハッチから落とし込むが、前記の改造した簡易ホッパコンテナでは、当然ながらその様な専用の設備はないので、正面ドアを開けた上部の袋と、天井との横長の隙間より、水道ホースでバケツに水を流し込む要領で、大口径の専用ホースや、キリンが首を伸ばした様なベルトコンベアを使用して、粒状や粉末状の積荷をコンテナ内部へ流し込む。
更に専用特殊コンテナ故に、運用航路や時間が限定されたり又、宿命的に付き纏う片道運用が比較的多く、本来なら不必要な空荷状態で返却するために発生する損金を蒙るリスクが付き纏うが、このドライコンテナの応用事例により、無駄な返回送費用を圧縮できる。
密閉型
基本的には、床以外には内張りも簡易な通風孔も全くないために、外気温の影響を受けやすく、外気との温度差により積荷に水滴などが付き変質したり、特に夏場などは内部の温度がかなり高温になるなど、輸送中の気温変化に対する充分な対策と、配慮が必要となる。また、簡易的な通風孔がないことが、構造区分コードにより明確に区分されており、別項ハイ・キューブ・ドライコンテナでも同様である。
更に特記事項として、台風や津波などの自然災害のほか、コンテナ船の海難事故で海上や運河へ流出したコンテナが、長時間にわたり海面に浮かんでいる光景がよく見られるが、これらの中には、この密閉型コンテナ庫内の空気が抜けずに、ブイの様な状態で漂流する率が非常に高くなる。
簡易ベンチレーターが付いたコンテナ
用途としては、ドライ・コンテナとほとんど変わりはないが、コンテナの側面上部の端に小さな縦長型の簡易通風孔が、複数個取り付けられたタイプのコンテナである。しかし、その能力はベンチレーター・コンテナと比べて非常に低いため、前項のドライ・コンテナ同様、輸送中の温度変化に対する充分な対策と、配慮が必要となる。また、通常型のドライ・コンテナとは構造区分コードにより、明確に区分されており、後記のベンチレーター・コンテナでも同様である。
なお、いずれのタイプにも共通して、簡易通風孔からの異物・密輸品等の投入防止の保安対策規定として、コンテナ製作時や修理時において、簡易通風孔の網目口径・網目の材質・強度および、取り付け加工方法などが別途、厳格に定められている。
元々の通風孔本体は金属製だった為に、流通過程で必ず受ける擦れや、接触による凹み等のダメージを受けると、その修理には板金で叩き直したり酷い時には、ガスバーナーで焼き切って、新たに溶接し直すなど手間隙や維持費管理の負担増は元より、見た目も継ぎ接ぎだらけと、デメリットが多かった。しかし、その後の部材の開発で通風孔本体は金属でなく、強化プラスチック製のはめ込み式の為に、専用の加工用具さえあれば、溶接設備や溶接・板金等の高度な技術などもさほど必要なくても、何処でも取り付け加工や、破損時の交換修理が比較的簡単に出来る。この為に、近年の簡易通風タイプコンテナでは、標準的に幅広く使われている。
本体の外周及び、本体上部の左右2箇所と、下部中央一箇所の取り付けねじは、密輸品や異物投入等の不正防止のために内外共に、特殊なコーキング剤で固められているので、コーキング剤を剥がす専用の溶剤や、専用の工具類が無いと、容易に取り外しが出来ないようになっている。
簡易通風孔付ドライコンテナは、通常片側面の上部左右いずれかの端付近に一ヶ所のみ単独取り付け又は、上部左右端付近の各、一ヶ所(片側面合計、2箇所)付が標準であるが、このハンブルク・スード社(ドイツ)コンテナの特徴は、2箇所取り付けでワンセット(片側面合計、4箇所)が基本となって、簡易通風構造タイプのコンテナとしては比較的高性能の自然換気が出来ている。しかし、タイプコードは G1 と変わっていない。
ハイ・キューブ・コンテナ
ハイ・キューブ・コンテナ (high cube container) とは、標準的な高さである各種8 ft 6 inコンテナより更に背の高さが1 ft (30 cm) 高い、9 ft 6 inコンテナのことである。一般的には背高コンテナとも呼ばれているが、日本語圏の荷役従事関係者では、9 ft 6 inにちなみ、「クンロク」とも呼ばれている(これに対し、通常型の8 ft 6 inコンテナは「ハチロク」と呼ばれている)。したがって荷役中や一般道での輸送中に高さへの注意喚起のために、側面やドアへの注意書き表示のほか、コンテナの上部に黒と黄色の警告色による横長状の警告ステッカーが貼られている。
生まれた背景
このハイ・キューブ・コンテナが生まれ、世界中では無論、道路の高さ制限が多い日本でもこのコンテナが全国規模で輸送できるように、莫大な国費を費やして日々道路整備をしている背景には、今日の流通経費の削減等の根強い要望があるためである。例えば、軽量品貨物を従来の8 ft 6 inコンテナへ一杯に詰めても最大積載重量を大幅に下回ることが多いことから、少しでも多くの貨物を合法的に積載するために開発された。
積み込み口は後部片妻一方開きタイプが基本であるが、片側または両側面が全面折戸式に開くタイプや、片側面の一部分に開口戸があるタイプなど、積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。
日本国外では早くから広範囲に普及していたが、日本国内では道路交通法による高さ制限等の問題で普及していなかった。しかし、法令改正による道路環境整備や運搬シャーシ及び牽引トラクタ等の規制緩和で急速に増え、ドライ・コンテナ、冷凍コンテナに多く見られる。また、日本国内に流通している各種のハイ・キューブ・コンテナは流通コストの関係で、ほとんどが40 ft型であり、20 ft型はまれである。 背高コンテナに関しては、
ボーイング社部品輸送
特殊な事例として、ボーイング777の翼などの部材をワシントン州の同社工場へ輸送するための高さが約17 ftと通常の2倍に相当する超巨大コンテナがある。これは米ボーイングに部材を納入している川崎重工業・三菱重工業各社との間で、地区限定で運用されている。これらの輸送はウエストウッド・シッピングラインが担当する。
リーファー・コンテナ
リーファー・コンテナ (Reefer container) は冷凍コンテナとも呼ばれ、生鮮食品・冷凍食品・生花や低温輸送が必要な化学製品、医薬品、電子部品、フィルム、美術品などの輸送のためのコンテナであり、特殊コンテナでありながら一般貨物用のドライコンテナに次いで数が多いコンテナである。
冷凍と名前が付いているが、実際にはコンテナ本体付随のコントロールパネルによって、内部温度が積荷に最適な温度帯となるよう設定されている。例えば、肉や魚などの冷凍食品は-20℃位、野菜や果物などのチルド品は0℃前後を維持しながら通風を行い、産業用の製品で高温に弱いものは適切な温度で保持される。さらに一部の冷凍コンテナでは、野菜や果物から発生するエチレンガスを除去したり、送風による乾燥を防ぐ為に適度な湿度を自動的に散布する機能を備えていたり、天井部に肉をまるごと吊るすミートレールが備わっているものもある。
コンテナ内壁は発泡ポリウレタン製の高性能断熱材やステンレスで覆われ、内部には冷風を適切に循環させるためのダクトや、床全面にはアルミ製の細いレール状の溝が多数ある。
外部給電方式
コンテナ内部に220ボルトまたは440ボルトの外部電力給電で稼動する冷却・保温ユニットを備え、+20℃から-25℃程度(機種によっては、-35℃から-60℃位[15])までの冷却と保温が可能であり、荷役用ドアは基本的には短辺(妻壁)片側に1つだけ設けられているタイプがほとんどである。積荷の特性や使用者の意向により、少数ながら補助的なサイドドアを設けたものなども運用されている。この他にはドライコンテナ同様に、背高(ハイキューブ)タイプもドライコンテナに次ぐ量で、世界中で大量に流通している。
日本国内での運用には、長さ20 ft級コンテナでは大多数が高さ8 ft 6 in型で、9 ft 6in背高タイプはごく稀である。しかし、近年の道路交通法の規制緩和から、長さ40 ft級コンテナでは9 ft 6 in背高タイプがその経済性も相まって多用されている。
背高コンテナに関しては、
デュアルモード(併用)方式
輸送先での外部電力供給が困難などの事情に合わせ、コンテナ本体に取り付けたディーゼルエンジン発電機と外部給電を併用するもので、ごく少数に留まる。ただし、軍用リーファーコンテナでは展開先で電源が確保できない状況を想定して、デュアルモード型が多用されている。また、海上コンテナでは圧倒的多数を占める外部給電方式では、給電する側に安定した高電圧の設備が必要だが、これらの設備がない、または確保しにくい紛争地域や発展途上国、インフラ未整備地区でも非常に重宝される。
例えば、せっかくの給電型高性能リーファーコンテナが有っても、外部給電網が無い又は、有っても常に安定した電圧や連続給電性が確保できなければ、むしろそのリーファーコンテナに対する信頼度が低下し、現場は混乱してしまう。しかし、デュアルモード型は、コンテナ本体にディーゼル発電機を搭載しているので、燃料や多少の冷却水・オイル等さえあれば、安定して自己発電が継続して出来る。本来、電気の元は火力発電所では、石炭の他に重油も使って発電し、船舶やトレーラーで輸送中の電源も元々は、ディーゼル発電機で造った電力を給電している。これらの事から陸地での長期運用時には、デュアルモード型が重宝されている。
ポートホール型
ニュージーランドやオーストラリアからの欧州への輸送では、特殊な機構を備えたポートホール型の冷凍コンテナも使われている。この冷凍コンテナは、断熱材を全体に配した立方体の本体と、前扉部分とは反対側奥の妻壁部分上下に、穴(ポートホール)が2つあるのみで、冷凍ユニットは備わっていない。ISO規格で定まった位置の穴に、船から冷却風を供給・排出し循環させて冷却する仕組みになっており、コンテナ船側に専用の設備が必要である。またこの専用船では、船艙全体を断熱構造にすることが多い。このポートホール型コンテナを、船に積載する前や陸揚げ後は、岸壁近くに冷気供給装置を備えた専用の施設で管理しているが、そういった装置を備えない港や、トラック又は鉄道で輸送中では、「ランドセル」とよばれるポートホール型コンテナ専用の大型冷却ユニットを、金具を使って取り付けて管理している。
このシステムは、特にコンテナ船側に専用の設備を設置するために、建造費用や設備の維持管理に多大なランニングコストが掛かる上、運用にも制約が多いために、現代の運用効率の向上や経費節約の流れから見れば、今後は縮小され、やがては消滅していくのではないかという観測がある。
リーファーコンテナで大多数を占める外部給電式の最大の弱点は、常に電源に繋がって給電を受けていなければ、意味がないと言う点である。特に鉄道輸送や、トレーラーなどでの輸送中には、船舶とは違って輸送車両から直接の安定した給電は、ほぼ望めない。このような場合には、ディーゼル発電機を内蔵した小型の給電機器を、トレーラーやコンテナ本体に取り付け、安定した電源を提供している。また鉄道で輸送する場合は、前記の個々のコンテナに取り付けるほか、コンテナの個数が多い場合には、コンテナ自体が大型の発電機となった専用の、『Power Generation Container(発電コンテナ)』を搭載し、一括して多数のコンテナの冷凍機器を集中管理して対応している。
しかし、そもそもコンテナ本体には冷凍機自体がなく、強力なエアコンからの冷気を常にパイプから噴出して、周りを冷やしているスポットクーラーの原理と同じポートホール型では、冷気自体を常に生み出す機能を備えた、ディーゼル発電機付の外付け冷凍機が必要となり、必然的に機器も大型となる。
ダブル(ツイン)ユニット型
2組の完全に独立した冷却装置を、両妻壁側又は、近年新しく採用されている片妻側に備えて、長時間での連続使用に対しても信頼性を高めた「ダブルユニット型」または、「ツインユニット型」と呼ばれるタイプである。この2組搭載型は万一、片方の冷却装置が故障しても、もう一組の冷却装置がバックアップし、化成品・特殊原料・精密機器など、積み込みから積み出しまでの間も、一貫して常に一定温度に保つ必要性が特に高い、特別な積載貨物に用いられる。なお、このコンテナの積み込み口は基本的に、冷却装置が両妻壁側タイプの場合は長手方向の片側面または、両側面に設置してあり、近年登場した2台の冷却装置を片妻側に纏めたタイプでは、通常のコンテナ同様に、冷却装置設置側とは反対側の片妻側に付いている。また海外の20 ftタイプでは、片妻面と片側面のいわゆる、L字二方向に冷却装置設を取り付けた非常に稀なケースも存在している。
※右側写真のコンテナは、外部給電方式の他、ディーゼル発電機も搭載している『デュアルモード(併用)方式』なので、複数の駆動方式 ・ 冷凍機の二重系統化などと、リーファーコンテナの中では最強のバックアップ性能を誇るタイプとなっている。
冷却装置は、中央の丸型ファン部位の左側に "1" 及び、右側に "2" と記載された、四角形の小型冷却装置が組み込んである。
サーマル・コンテナ
サーマル・コンテナ (Thermal container) は、日本語では冷蔵コンテナ・保温コンテナ・断熱コンテナとも呼ばれている。断熱材で覆われたコンテナ本体には、臨時に取り付けられる事はあるものの、常設された冷却又は加温装置等の機械的装置が一切なく、コンテナの内部温度に関しては特に規定がない。このために、通常はすでに予冷や加温された貨物をそのまま積み込み使用したり、事情によっては寒冷地で凍結を嫌う貨物を輸送する場合などにも利用される。
また、保温での変わった使用事例では、アスファルトの輸出入で、アスファルトが冷えて固まらないように、外付け的な加温装置で品質の維持を図る事例もある。
その他、ドライアイスを詰め込み冷蔵状態にしたり、特殊な事例として、コンテナの妻側壁に設置された特殊な注入バルブより、外部 (タンクローリー等) からホースを繋ぎ、炭酸ガス(二酸化炭素)の冷媒をコンテナ内部全体に充填して、約-50℃の超低温冷凍状態に冷却する特殊なタイプもある。この超低温冷凍状態に冷却した日本国内での代表的な一例として、輸入冷凍マグロ輸送に長さ40 ft・9 ft 6 in背高タイプの運用が、静岡県清水港や東京湾岸の埠頭で確認されている。しかしこの方式では、大量に扱う二酸化炭素からの環境問題及び、-50℃の超低温冷凍状態を維持できる、新型の冷凍コンテナの登場により、国内では使われなくなった。
ハンガー・コンテナ
ハンガー・コンテナ (hangar container) は、衣類を輸送するためのコンテナである。ドライ・コンテナと同じ外形をしたコンテナの内部にハンガーをかけられる取り外し可能なパイプ状のラックが多数備わっており、コンテナ内部が絨毯で保護されている場合もある。このため空になった後にコンテナの有効活用と、空コンテナをわざわざ回送割引運賃が適用されない正規の運賃を払って送り返すという諸経費の無駄を省くための工夫が必要となる。
例えば、空回送冷凍コンテナなどでよく使われる輸送方法である、雑貨物資を帰り荷物として詰め込むことが考えられるが、内部が絨毯で保護されているなどの場合、多大な手間隙かけてコンテナ内部にビニールシート類を敷き詰めて、荷物の汚れが直接付かないようにするなどの、ある意味で使用用途が限定されるコンテナである。
しかし衣類を畳まずに吊るした状態で輸送することができるので、商品の折れ傷み防止や積載品数の増加、梱包資材の節約、更には出荷時に納品先の店舗仕様にあらかじめ札付けの準備をしておけば、流通中間で一切の手を加えることなくあたかも製造工場から直輸入したようになるので、これにより商品流通側から見れば経済性向上や荷役労働環境の改善、流行ものの衣類もスピーディーに仕入れることができる。
なお、コンテナの外観上からは特にhangar container、または、日本の鉄道コンテナで見られるハンガーコンテナなどと特段の表記や、一部の船主会社のようにハンガーの絵をデザイン的にペインティングをしていない限り、通常は見分けることが非常に難しい。また、1995改定のISO規格コンテナ構造区分コードでは直接該当するタイプコードがないため、通常的に割り当てられているドライ貨物用の「 G0 又は G1 」が付与されたり、割り当て不能時に便宜的に総括付与する「G9」が使われる場合がある。
- ※太字2桁部分の一例。
- 長さ40 ft・高さ8 ft 6 inの一例⇒43G9
- 長さ40 ft・高さ9 ft6インチの一例⇒45G9
ベンチレーター・コンテナ
ベンチレーター・コンテナは、ドライ・コンテナにベンチレーター(通風装置)を取り付け、コンテナ内部の空気が常に換気されるように工夫されたコンテナで、日本語では通風コンテナとも呼ばれる。野菜や果物・植木等の樹木など、輸送中に換気が必要な物資の輸送に使用される。換気方法としては、コンテナ側面へ無数の網目状の通風孔を全面的又は、帯状に上下に取り付けた「自然換気型」と、強制的に換気する「機械式換気型」のタイプに、コンテナ構造区分コード上でも区別されている。
なお、いずれのタイプにも共通して通風孔からの異物・密輸品等の投入防止の保安対策規定として、コンテナ製作時や修理時において通風孔の網目口径・網目の材質・強度および、取り付け加工方法などが別途、厳格に定められている。
タンク・コンテナ
タンク・コンテナ (tank container) は、油類、化成品、各種ガス、濃縮果汁、原酒、食品原料などの液体や気体を輸送するためのタンクを備えたコンテナである。洗浄技術の向上によりさまざまな用途に転用でき効率的な運用を図ることができることからISO規格長さ20 ftのものの普及が急速に進んでいるが、特殊化成品や各種ガスの小ロット輸送用の長さ10 ft型および、ヘリウムガスなどの各種軽量ガス輸送用の40 ft型も存在し、日本国内でも化学工業地帯を主体として運用されている。特に近年の医療機器で重要視されている画像診断装置の一種であるMRI装置の冷却に欠かせないヘリウムガスは、全量を輸入に頼っている為に、この専用コンテナでの輸入事例が年々活発に行われている。
積荷の性質や用途により、「危険物用」と「非危険物《普通品》用」の2種類に大きく区別され、さらに構造面から完全液体用と、液化気体および気体の両用となるいわゆる「ガス類」用のタンクコンテナに分類される。このため、様々なコンテナ外観・タンクの高さ・口径種類がある他、積荷により加温・保温機能や、逆に冷凍コンテナと同様に専用の給電コンセントから送電を受けたるものや外付けの発電機と接続する給電式の冷却用外機設備を片妻側に備えて、積荷の品質管理を行うタイプなどがある。変り種としては、主にアスファルトや特殊なオイル類用に運用されているドライコンテナと同じ完全な箱型の外観のものがある。これは、箱型構造ゆえに圧力には弱いが、積載容量を最大限に引き出せるというメリットがある。
なお、粉末状または粒状の穀物・化成品・鉱物・食品などを運ぶタンク形状のコンテナも存在するが、積荷が乾燥粉末や粒状の場合はコンテナ構造区分コードでバルク・コンテナ(ホッパ・コンテナともいう)となる。
危険物用
この節の加筆が望まれています。 |
海上輸送上の危険物用タンク・コンテナへ積荷を充填する際の注意点は、原則として充填率80 %以上、95 %以内に収める規定[16]として、国連機関で定めている危険物輸送の規則(IMDG = International Maritime Dangerous Goods Code)がある。
非危険物用
この節の加筆が望まれています。 |
フラット・ラック・コンテナ
フラット・ラック・コンテナ (flat rack container) は、ドライ・コンテナに積載できない大型機械、円筒形工場用設備、木材、石材、鋼材、工作物、インゴット、大型タイヤ、各種車両、小型ボート、各種ケーブルドラムやロール状の鉄板などを積載するため、天井・両側壁がなく土台となる床のほかに両妻壁(トラックの荷台で言う前後の壁の部分)または、四隅の柱だけの開放型コンテナである。なお、コンテナ構造区分コード上は、これらの妻壁や柱構造が固定された完全固定型と、折倒し可能な可変型などに区分される。これらのコンテナは固定型であれ可変型であれ、基本構成は両端にある四隅の柱が主体となるために、関係者の間では単にラックコンテナと呼ばれている。
通常は海損防止のため船倉内に積載されるが、コンテナ本体より一回り大きな貨物を積載する場合も多々あり、上に他のコンテナを積み重ねられなかったり、周りに他のコンテナを密着して並べられないことがある。この場合、船倉スペースが消費される分だけ輸送運賃は高くなる。
日本
日本の長さ12 ft鉄道コンテナを3個積載して、1個の長さ40 ft・9 ft 6 in背高海上コンテナとして輸送できる、ラック貨物コンテナも存在する。元々、日本の12 ft鉄道コンテナの貨車・トラックへの固定は日本独自規格である半自動式中央緊締方式で行われており、国際海上ISO規格のツイストロック方式とは互換性がない。このため、鉄道コンテナ単体での国際輸送は、トラック積載状態での日韓フェリー輸送などのごく一部の事例を除き事実上不可能であった。これに対し、日本国内の規格を変更することなく鉄道コンテナを国際物流に乗せるため、ラックコンテナに鉄道コンテナを載せるという発想が生まれた。このラック貨物コンテナ床面には、収納可変式の半自動式中央緊締装置とツイストロックが3組分備えてあり、返送時に積載する鉄道コンテナがなくとも、通常の汎用ラックコンテナと同様に他の貨物を積むことができるので、片荷によるコストアップなく運用できる。なお、このコンテナは両端の4本柱が固定式になっている。
この他、コンテナ製作費が安かった時代には、中国や韓国から12 ft鉄道コンテナを逆輸入するために、12 ftコンテナを1個積み付けるための四角形の骨組みだけを設けた、20 ft型ラックコンテナも存在した。ただし、積載効率が非常に悪く輸送コストもかかるので、運用されるのは試作品や冷凍コンテナのユニットなし本体のみなど、特殊な事情がある場合に限られる。
フラット・ベッド・コンテナ
別名、プラットホームベースともいう。基本的には、前項のフラット・ラック・コンテナのような四隅柱すらない土台となる床だけの変わった床板タイプのコンテナで、関係者の間では単にフラットコンテナと呼ばれているが、長手方向の両側に簡易差込式のいくつかの補助柱を備えたタイプも多く存在する。しかし、コンテナ自体が土台となる床だけのタイプゆえに、基本的には取り外した複数の補助柱をコンテナ本体内に収納できないため、これらの付属品管理が難しいのが難点である。
貨物を積載した場合には、仮に補助柱を使用している状態でもこのコンテナの上に他のコンテナは、補助柱の強度やあらゆる安全性の観点により一切段積みができないために、必ずデッドスペースが発生してヤードでの保管時は無論、特に船舶に積載しての輸送時には積み込み場所が制限や限定されるリスクが有る。例えば、コンテナ6個分の建設用機械類を輸送する場合に、前項のフラット・ラック・コンテナを使用しその機械の寸法が全てコンテナからはみ出ていないのであれば、ヤード保管時でも密着して蔵置きができたり、段積みもできるために、占有床面積はコンテナ2 - 3個分で済む。また船舶輸送時であればさらに多段積みができるので、占有床面積は1 - 2個分で澄む計算となり、この場合は他のコンテナと同等の効率の良い運用が可能で、運賃面でもデッドスペースの割り増し料金が付きにくい。
これに対して、このフラットコンテナは元々、段積みできる四隅の柱がないので貨物を積載した場合は、コンテナの段積み自体が全くできないために、輸送運賃や保管料の面で割増料金を課せられ、更に運用ルートおよび使用方法が大幅に限定される。構造的には非常にシンプルながらある意味、運用コストのかかる特殊なコンテナである。
前項の折倒し型および、この床だけのタイプは積載物なしの場合に数段の積重ねが出来るが、この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送(トラック・鉄道利用時)はごく一部のものを除き、構造安全上できない。ただし、参考事例として国際的な輸送は出来ないが、日本国内専用のJR貨物指定の同様構造コンテナの一部には、数個をまとめて段積み回送輸送ができるタイプのものもある。
オープン・トップ・コンテナ
コンテナ本体の高さを完全に超えた積荷に柔軟に対応出来る、オープン・トップ・コンテナの積載例。
茶色いコンテナ上部全体の青いシートで覆われた表面が盛り上がっているので、他のコンテナをこの上に段積みする事は一切できない。
オープン・トップ・コンテナ (open top container) は、屋根部分が通常の固定された強固な天板の代わりに幌や防水シート類が張ってあり、これらを取り外しクレーンにより開いた上部開口部からの荷役ができるため、ドライ・コンテナに積載できない高さのある貨物や、コンテナ壁面のドアからの搬出入作業が困難な重量物・長尺・異形貨物を主に積載する。日本語では無蓋(むがい)コンテナとも呼ばれている。なお、コンテナ本体より更に高さのある貨物を積載する場合も多々あるので、天井シートを駆使して盛り上がっている部分を包んでいるが、特に北九州市門司港の太刀浦埠頭地区でよく観られる輸出品である、鉱山用巨大ダンプに使われている大口径のタイヤは、背丈が高過ぎる為に天井シートが使えないので、あえて丸裸状態でトレーラー輸送したり、コンテナ船等の船舶に積載することとなる。
尚、積載する時等の荷役作業時は、ジブ・クレーン等で直接ワイヤーロープを使い、コンテナ上部四隅のツイストロック用ホールでの4点吊り上げ作業以外では、ガントリークレーンを使った通常のスプレッダ装置での直接吊り上げは出来ない。この場合は、フラット・ラック・コンテナの荷役でも多用されている足長4本足テーブル形の専用アタッチメントを取り付けて吊り上げる。この様に天井シートが盛り上がる場合や丸裸状態では、フラット・ラック・コンテナ同様に船倉内及び、船上では大きなデッドスペースが生じるため、積載位置が大幅に制限されたり場合によっては割り増し運賃となるので、輸送運賃は高くなるリスクが付きまとう。また積載する船舶や航路によっても、受け入れスペースに余裕が無かったり、スペースを確保出来ても積載個数が限られて輸送プランが計画通りに進まず、商取引にも大きな影響を及ぼす恐れも多々ある。
その他、少数ながら高さが4 - 6 ft程度のハーフ型も、積荷を限定された専用貨物輸送用として存在する。
ハード・トップ・コンテナ
コンテナ構造区分コードでは別タイプとなるが、外観はドライ・コンテナと変わりはないものの、屋根の天板部分全体をクレーンまたは、フォークリフトで吊り上げて開閉するタイプで、少数ながら日本でも流通している。ただし、このタイプは、重い屋根の天板部分全体を吊り上げて開閉するために、荷役作業前後に多少の手間が掛かる。
従来のオープン・トップ・コンテナでは、ほとんどに採用されている布張りの幌や、防水ビニールシート類が張ってあるために、積載貨物の情況に応じて天井が盛り上がるように貨物を積載したりするような柔軟性に優れているが、このコンテナは屋根全体が一枚又は、2枚の鉄板蓋でできているので、コンテナ本体内寸の高さより背の高い貨物は全く積載できない。しかしその反面、このコンテナの上には他のコンテナを何段にも積み上げできるため、船倉内でのデッドスペースは全く発生しないので、割り増し料金などのコストが節減できる。
カー・ラック・コンテナ
自動車輸送専用のコンテナで、大きく分けて固定ラック型と、折畳ラック型に分かれる。
固定ラック型
イメージとしては例えが悪いが、通常のドライ・コンテナタイプの鉄骨作り2階建て倉庫が火事で全焼して、底床と中間床の付いた完全な骨組み状態で焼け残った様な、文字通りただのラック型コンテナである。多くの場合では、最上部に固定された屋根が付いている。このコンテナは、構造自体が鉄の骨組みだけと言うシンプルな構造の為に、製作コストや後のメンテナンス費用が安く付く。しかしその反面、2階床が固定されている為に、2階部分への出し入れには専用の高所型スロープ又は、飛行機に貨物を積み込む様な高所リフト等が必要であり、車高の高いトラック又は、バス等は積載できない。更に全体が固定型の為に、帰り荷の無い返回送時には無駄な運送コストが掛かる。
また一部には、トラックやバス等の背高車種専用として、中央で区切っている部位が無く、車両を一台のみ貸切状態で積載する専用のタイプもあるが、もともと乗用車より需要の少ない限られた車種を輸送する為に、滅多に見かける事は無いある意味、レア物的なコンテナといえる。
折畳ラック型
このタイプは、上下を仕切る床部位の高さを自動車輸送用のキャリアカーと同様に、自由に変えることが出来る。このために、前項の固定型の様に、背高車種の2段積みができない等の積載制限も、基本的にはコンテナ本来の最大高または、輸送地域の最大地上高を超えない限り受けない。さらに、積荷が無く不要になったとき(いわゆる、空コン状態)は、人力で折りたためば、#フラット・ベッド・コンテナの様な薄い1枚の板状になるので、複数個で輸送して返送する場合は、これらを折りたたんでまとめて一個のドライコンテナの様な状態で返送出来るので、返送コストが大きく節約できる利点も備わっている。またコンテナヤードでは、輸送時のような高さ制限を殆ど受けないので、多段積みすれば実質的な占有敷地面積も大幅に抑えることが出来る。 難点は、構造が複雑ゆえに輸送中に必ず受ける衝撃や、接触リスクにより故障が発生しやすい事が避けられず、維持管理費が比較的掛かるほか、組み立てや折りたたみ時に、人手と作業時間が多少かかる。
変り種としては、いわゆる折りたたみ式の#フラット・ラック・コンテナを応用した事例もある。通常の2段積みでは、構造も複雑で、積載台数も殆どの場合が縦列駐車状態で、4台程度が限界であるが、フラット・ラックタイプでは、発想の転換で横向きに積載するために、常時6台を積載できる。コンテナ自体の構造も比較的簡易なので、損傷も受けにくく、作業も比較的簡単である。また2段積みタイプと同様に、両妻壁側が倒れるので、段積みでまとめて返送も出来る。 ただし、最大の欠点として真横に積載するために、輸送中で4 m強の車幅を必要とするので、当然ながらこの状態で輸送できる道路環境が必須条件となる。また積荷の特性上、コンテナ船での積み込み場所は、波しぶき等を受けにくい船倉にほぼ限定される。このために、たとえば2個を輸送する場合には、ベースとなる下部のコンテナスペースとして、5個分の積載スペースを必要とするので、当然ながら積載効率も悪くなるので、これに対する割増料金の課金は免れない。このように積荷自体が特殊なものなので、カー・ラック・コンテナの利用できる航路も地域も限られてくる。
ペン・コンテナ
牛、馬、羊等の生きた動物を輸送するためのコンテナ。屋根、通風窓、掃除口、排水口、餌箱等に独特の工夫がされている。[17] この様ないわゆる、動物コンテナを国際輸送する場合には、専用の付き添い人が乗船して世話をする場合と、コンテナ船の船員に委託する場合の2通りの方法があるが、どちらの場合でも生きた動物を輸送する為に、特別の配慮とこまめな世話が欠かせない。
ハイド・コンテナ
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獣皮の輸送に使われるコンテナ。獣皮からはハイド・ジュースと呼ばれる汁や臭気が出るため、特別な対策がなされている。
バルク・コンテナ
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穀類や粉状・粒状の貨物の専用輸送に用いられるコンテナ。基本的には、「箱型」と「丸型」に分かれている。
箱型
コンテナの上部に開口部があり、貨物を流し込むことができる。
丸型
いわゆる、液体用タンクコンテナを「粉物」用に置き換えて使用する。
ジェネレーター・コンテナ
主に冷凍コンテナの冷凍機や、外部の機器等に安定した電源を送電する為にディーゼル発電機やガスタービン発電機を搭載した、いわゆる 「電源コンテナ」 を指す。
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海上コンテナ取扱量
世界の海上貨物コンテナの取扱量を港湾ごとに見ると、2008年の統計では中国の港が20位までに8港も入っている。上位の8位まではすべてアジアの港である。日本の港は2008年で東京が24位で横浜が30位となっている。1970年代は神戸とロッテルダムが世界のトップであったことを考えれば、産業構造の変化が進んでいることがわかる。中国でも、特に上海港の伸びが著しく、後背地での生産や消費の激増と洋山深水港の開港などにより取扱量が増え、シンガポールや香港を抜いて1位となった。
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海上コンテナのISO規格
制定された経緯
世界で最も一般的な貨物コンテナは、大きさなどの規格がISOによって国際的に統一されている「国際海上貨物用コンテナ」(Shipping containers または、Isotainers)と呼ばれるものである。最初に登場した規格は、1964年7月にハンブルクで開かれた第3回総会によって、現在の国際海上貨物用コンテナの基礎となる数値が決定された後、1968年に「 ISO 668 」の初代規制値として確立する。国際海上貨物用コンテナでは、複数の長さがあるが主に長さが20 ft (6,058 mm)、40 ft (12,192 mm) の2種類が用いられており、コンテナの取扱量を示す単位TEUは、20 ftコンテナ1個分を1TEUとしている。なお、制定当時のコンテナ横幅及び高さでは、この2種類を含む全ての長さのタイプで、横幅8 ft (2,438 mm)、高さ8 ftと正方形となっていた。[21]
その後の世界的な物流事情の変化に伴う「重量の軽い貨物をもう少し積み込めるようにしたい」との要望により、少し背高となる8 ft 6 in (2,591 mm)タイプのコンテナを、新たにISO 668の基準値へ盛り込む要望が出てきた。しかし、既にコンテナを陸送する為の専用のシャーシーは、世界で共通して円滑に輸送できるとの趣旨で、日本を含む地上高が低く抑えられている国々でも、コンテナを積載した状態での地上高が3.8mと決定されていた。これを元に最初のコンテナの高さが8 ftと決定されていた事から、当時のコンテナ積載用のシャーシはトラクターとの連結部分と、最後尾部位までが一直線状体の水平シャーシとなっていたので、既に限界までに低床化されていた。これらの現状での規制値内で、牽引するトラクター本体の更なる低車高化は構造的に無理があり、また牽引トラクターと40 ftコンテナを合わせた全長は、当時の世界共通的に通用する最長値が現代のように長大ではなかった。
このために、20 ftタイプのシャーシでは連結部位より後側の全体を少し下げて、8 ft 6 in型を輸送する事は可能であったが、40 ftのコンテナ用シャーシーでは、連結部位の構造上の理由と前記のように連結時での最長値の制限により、更にシャーシ全長を均等に低床にすることが出来ない状態となっていた。そこで考案されたのが、元々コンテナの底部位(いわゆる、コンテナの床下)には、保管時で地面に置いた時に雨天時の床下の水はけ事情等を考慮した設計及び、フォークリフトによる荷役の為に設けられた『フォークポケット[注 7]』を設置する為に、タンクコンテナなどの一部を除く殆どのコンテナにはフォークポケットの有無は関係なく、十数センチ程の空間がコンテナの構造上、存在している。この床下空間を利用して、畳一枚をイメージをした6インチ (153 mm)の深さとなるくぼみ『グースネックトンネルと言う』を、積み込み口とは反対側の床下に設けてシャーシーの連結部分をすっぽりと床下へ収納するように工夫し、連結部位より後の殆どの部位となるシャーシー床面全体を6インチ分下げる事となった。
これらの経緯をへて、1969年10月にニューヨークで開かれた第6回総会にて、まずは40 ftタイプに新しく高さ8 ft 6 inタイプが、ISOコンテナに認定された。その後、遅れる事5年後の1974年10月に東京で開催された第8回総会にて、30 ftタイプに新しく、高さ8 ft 6 inタイプが【区分 1BB】コンテナとして、更に20 ftタイプに新しく、高さ8 ft 6 inタイプが【区分 1CC】コンテナとして、それぞれISOコンテナに認定された。続く1976年5月にワシントンで開かれた第9回総会にて、旧シーランド社が独自規格として使用し続けていた35 ftタイプは、コンテナ船のセル構造や20または、40 ftコンテナとの積み併せや、保管時に組み合わせの悪さから発生する無駄なスペース等の汎用性がない事などを理由として、申請されていたISO規格への承認を認めなかった。またこの件とは別に、ヨーロッパでのUIC (国際鉄道連合)からの申請されていた、20 ftタイプの中で【区分 1C】及び【区分 1CC】タイプに対して、コンテナ本体を含む最大総重量を24tに認める事となった。[22]
これらの各種規制緩和やある意味、苦肉の策で編み出した8 ft 6 inタイプのコンテナを積載しても、改善前と変わらぬ世界共通の地上高が3.8mを維持する事となり、40 ftコンテナはグースネックトンネルを備えた8 ft 6 inタイプ[注 8]と、また40 ftコンテナ積載用のシャーシーは6インチ段差のあるタイプーへと全世界へ一気に広り[注 9]、近代のコンテナの土台となる各種の規格が完成した事となった。
また、航空機での運搬用には、海上輸送用のコンテナとは別規格で国際的に統一されている『航空貨物用コンテナ(「#航空貨物用コンテナ」も参照。)』がある。国際的に使用されるコンテナは、その発祥時点で海上用、航空用ともヤード・ポンド法を尺度とするアメリカ合衆国で実用化された経緯から、ヤード・ポンド法に基づくフィート単位で規格化されたものが主流を占める。
なお従来から日本国内で使われているのは、旧、日本国有鉄道時代から鉄道貨物の輸送用に10 - 12 ft形の『鉄道用コンテナ』として採用され、「戸口から戸口へ」のキャッチフレーズで宣伝していた鉄道貨物用コンテナであるが、これはトラックやコンテナ貨車等のいわゆる鉄道コンテナ積載車両とコンテナを接続固定する緊締装置を含めて、日本の独自規格である。
大きさ
以下に海上貨物コンテナに関するISO規格と、ISO規格には含まれないものの、世界的な流通過程に影響を与えている特定船社による独自規格を示す。なお、背景色が変わっている部分が主に流通しているコンテナである。
区分 | 長さ | 幅 | 高さ | 最大総重量 |
---|---|---|---|---|
13,716 mm (45 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,896 mm (9 ft 6 in) | 30,480 kg (67,200 lb) | |
[1AAA] | 12,192 mm (40 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,896 mm (9 ft 6 in) | 30,480 kg (67,200 lb) |
[1AA] | 12,192 mm (40 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,591 mm (8 ft 6 in) | 30,480 kg (67,200 lb) |
1A | 12,192 mm (40 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 30,480 kg (67,200 lb) |
[1AX] | 12,192 mm (40 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm以下 (8 ft以下) | 30,480 kg (67,200 lb) |
1BBB | 9,125 mm (29 ft 11-1/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,896 mm (9 ft 6 in) | 25,400 kg (56,000 lb) |
1BB | 9,125 mm (29 ft 11-1/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,591 mm (8 ft 6 in) | 25,400 kg (56,000 lb) |
1B | 9,125 mm (29 ft 11-1/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 25,400 kg (56,000 lb) |
1BX | 9,125 mm (29 ft 11-1/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm以下 (8 ft以下) | 25,400 kg (56,000 lb) |
1CC | 6,058 mm (19 ft 10-1/2 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,591 mm (8 ft 6in) | 20,320 kg (44,800 lb) |
[1C] | 6,058 mm (19 ft 10-1/2 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 20,320 kg (44,800 lb) |
[1CX] | 6,058 mm (19 ft 10-1/2 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm以下 (8 ft以下) | 20,320 kg (44,800 lb) |
[1D] | 2,991 mm (9 ft 9-3/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 10,160 kg (22,400 lb) |
1DX | 2,991 mm (9 ft 9-3/4 in) | 2,438 mm (8 ft) | 2,438 mm以下 (8 ft以下) | 10,160 kg (22,400 lb) |
区分 | 長さ | 幅 | 高さ | 最大総重量 |
---|---|---|---|---|
アメリカ国内規格 | 14,630 mm (48 ft) | 2,591 mm (8 ft 6 in) | 2,908 mm (9 ft 6 in) | なし |
APL | 13,716 mm (45 ft) | 2,438mm (8 ft) | 2,908mm (9 ft 6 in) | なし |
マトソン | 7,315 mm (24 ft) | 2,438 mm (8f t) | 2,603 mm (8 ft 6-1/2 in) | 22,680 kg (50,000 lb) |
シーランド | 10,688 mm (35 ft) | 2,438 mm (8 ft) | 2,603 mm (8 ft 6-1/2 in) | 22,680 kg (50,000 lb) |
構造区分コード
構造区分コードとは、ISO 6346国際規格に定めるコンテナ個々の国籍や種類および、形式を識別するためにアルファベットと数字から構成され、4桁 - 6桁でコンテナに記載されている共通識別記号である。大きく分けて、1987年改定のコードと1995年改定のコードが存在する。また1995年改定コード以降、主にタンクコンテナを含む一部のコードでは、さらに幾つかに細かく派生した改定コードも存在している。なお、特にタンクコンテナにおいて派生した改定事例では、近年一段とその内容が複雑化して来ている。
国籍コード
国籍コードはISO 3166に従い、アルファベット2文字が付与される。
航空貨物用コンテナ
航空貨物用コンテナの定義と現状
航空貨物用コンテナは別名、ULD (Unit Load Device) と呼ばれる。飛行機のメーカーや機種、運航する航空会社に応じて作られている。飛行機内部の限られた貨物スペースに搭載する関係から1辺が1 - 2 m程度、長くても6 m程度で、海上用や鉄道用に比べると非常に小さい。円筒形をした飛行機の断面に合わせるため、直方体の箱のほか、その一辺を欠いたような5角柱形状のものも多い。航空機の積載荷重制限は船舶や鉄道より厳しいことから、軽量化のためジュラルミン製のものが多い。小型軽量のため、専用のローラーコンベア上では人力で移動可能である等ハンドリングは比較的容易である。反面、材質が軽く脆弱なため、鉄道用や海運用のコンテナに比較すると強度が弱く、損傷しやすい面もある。
航空機用コンテナを、空港と航空貨物会社の市内営業所や航空郵便受渡郵便局などの間で輸送する場合、コンテナ自体は基本的に防水構造(一部の規格を除く)[注 10]であるため、通常は平荷台トラックが使用される。荷台上での内容物の積卸が容易となるよう、あおり戸を低くした専用仕様車もある。事業者によってはコンテナの損傷防止のためウィング車などを使用する例もある。
航空貨物用コンテナの種類
他のコンテナ同様、保冷機能を有したものもある。変わったものでは競走馬専用のコンテナや貨客兼用機(コンビ型)用の客室乗務員休憩室コンテナ、一部機体では燃料タンク代わりに搭載出来るコンテナ型追加燃料タンクがある。アルミ合金製の軽量ISO20 ft規格コンテナもあり、貨物機の上部デッキに搭載される。
航空貨物用コンテナの規格
タイプ | 容量 | 寸法 (底幅 / 全幅 × 奥行 × 高さ) |
自重 | 最大総重量 | |
---|---|---|---|---|---|
LD-1 | 5.0 m3 (175 ft3) | 156.2 / 233.7 × 153.4 × 162.6 cm (61.5 / 92 × 60.4 × 64 in) |
70 - 170 kg (155 - 375 lb) |
1,588 kg (3,501 lb) | ドアは帆布か固い板 747, 767, 777, 787, MD-11 の床下貨物室 |
LD-2 | 3.5 m3 (124 ft3) | 119.4 / 156.2 × 153.4 × 162.6 cm (47 / 61.5 × 60.4 × 64 in) |
92 kg (203 lb) | 1,225 kg (2,700 lb) | 747, 767, 777, 787 の床下貨物室 |
LD-3 | 4.5 m3 (160 ft3) | 156.2 / 200.7 × 153.4 × 162.6 cm (61.5 / 79 × 60.4 × 64 in) |
82 kg (181 lb) | 1,588 kg (3,500 lb) | 747, 767, 777, 787, DC-10, MD-11 の床下貨物室 |
LD-6 | 8.9 m3 (316 ft3) | 317.5 / 406.4 × 153.4 × 162.6 cm (125 / 160 × 60.4 × 64 in) |
230 kg (507 lb) | 3,175 kg (7,000 lb) | LD-3の2倍の大きさ, ドアはストラップ入りの帆布 747, 777, 787, DC-10, MD-11 の床下貨物室 |
LD-8 | 6.9 m3 (245 ft3) | 243.8 / 317.5 × 153.4 × 162.6 cm (96 / 125 × 60.4 × 64 in) |
127 kg (280 lb) | 2,450 kg (5,401 lb) | LD-2の2倍の大きさ, ドアはストラップ入りの帆布 767, 787 の床下貨物室 |
非貨物用途
コンテナの本来の目的は、貨物を運ぶ事である。 しかし、近年の産業構造の大きな変化や、日々生まれ続ける革新的技術等を組み合わせて現代ではコンテナとは貨物を運ぶ容器では事足りなくなり、以前では想像もつかなかった使われ方もしている。その代表事例が、従来の貨物ではなく、設備そのものを運ぶあるいは、コンテナを利用した二次的加工設備などである。
災害時の活動
各種設備機器類での応用事例
- 2000年代後半からは通信技術の飛躍的な発展で、いわゆるパソコンが日々欠かせない存在となり、それに伴いコンテナベースのデータセンターも現れている(詳細はデータセンター#コンテナ型データセンターを参照)。Googleは、自社のコンピューティング環境の効率やコストに敏感といわれてきたが、2009年4月に同社は、1AAAタイプのコンテナに1160台の自前サーバを搭載してモジュール化し、これらを多数組み合わせてデータセンターを構築していることを公表した[25]。
- 従来から世界中に張り巡らされている固定電話をはじめ、今世紀に入り世界中で急速に普及した携帯電話やインターネットなどの通信機器のほか、テレビ・ラジオなどのインフラ通信網においては、山間部やへき地での中継設備設置用や、近年の温暖化による気候変動に伴い世界規模で多発する災害時のバックアップ用、また災害地での仮設通信設備などにも、新品・中古を問わず多彩なコンテナが活躍している。
- 今日、全世界的に日々問題が深刻化している環境分野においても、環境循環型設備として、各種の廃棄物を利用した発電システムや、水質・大気などの各種の改善プラントの設置や、制御設備用にコンテナが二次利用されている。また大気汚染関連の観測システムの収納にも使用されている。さらに大規模な事例として、環境型発電所での変電設備のほか、特に天候に左右される太陽光発電や、風力発電システムなどでは、24時間連続して常に安定した規模の発電が困難な設備で発電された電力を、発電が出来ない時間帯などに供給する為の一時的に溜め込む各種の大型バッテリーを、コンテナに大量に収納して、巨大な蓄電池設備としても利用される。
有事での応用事例
- 1991年の湾岸戦争で、コンテナは当初の予定にない様々な使われ方をした。多国籍軍の物資を運ぶだけでなく、換気のために穴を空けることによって、間に合わせの居住空間や捕虜の移送用としてもコンテナは使われた。コンテナは敵の攻撃に備える遮蔽物としても使われ、壁面に土嚢を積むことで対戦車ロケット弾 (RPG) にも耐えうる簡易要塞を構築することが可能であった。
- 20数年前に日本国内で起きて世界中の注目を集めた、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件を始め、アメリカでの世界貿易センタービルの崩壊事件他、各地で絶える事のない戦争などの経験を生かして、コンテナを応用した診療所・仮設ベット・手術室等の各種高度医療設備や、入浴や仮設トイレ・調理設備、更には避難シェルターなどと、いわゆるライフライン設備を備えた機動性に富むコンテナが開発され続けている。
- ドイツ連邦軍によってコンテナ化された、緊急医療施設を設営するデモ動画[26]
コンテナを使った居住・貯蔵空間
コンテナの強度は新しい素材の登場や、近年の溶接や塗装を含め目覚しい製造技術の向上と共に、20世紀と比較して格段に強度が増してきている。例えば1個当たり30数トンのコンテナが船倉で9段積みされて、静止状態時での最下位にあるコンテナ本体の上部四隅部位には、30数トン×8個=300トン弱の荷重が既に掛かっている。更に航海中で大しけに遭遇し、船体が上下に激しく揺れた場合には、静止状態の2倍弱の数百トンもの加圧される垂直荷重に絶えうる強固な強度が製造時に規定されている。
このためにコンテナの耐久性も非常に高くなっている。さらにコンテナには、規格化され、積み上げたり横に連結することや逆に切断することができ、移動が比較的簡易に可能で世界中にあふれているという特長もあるため、特に比較的安く汎用性の高いドライコンテナは理想的な建築材料とも言える。
建築関連での応用事例
コンテナを買い取って物置代わりに使う家庭や、建築現場やイベント会場での仮設オフィス、空き地でのカラオケボックスに使う会社などは以前からあったが、コンテナを多数組み合わせて家屋や各種の店舗や屋台、オフィス、アパート、寮、学校、アトリエ、ほか仮設住宅などを作っている個人や会社や政府関連機関、あるいは建築家も世界各地に多く現れている。
日本国内での現状としても、海上コンテナをベースにしたコンテナハウスなど、改造コンテナの使用事例も多い。しかしこのように建築材料として優れた面をもつ一方で、比較的手軽に利用・設置が可能であることから、建築確認申請等の手続きを経ずに(あるいはそれを要することを知らない一般市民により)設置され、違反建築物として取り締まりの対象とされる例が全国で後を絶たない。このような違反においては、コンテナ同士の結合や基礎への緊結も十分になされていない例も多い。
こうしたことから実際に利用する場合には、建築士や特定行政庁に相談する等、十分注意する必要がある。
またコンテナは、通常、外から扉を閉めると、中から開けることは困難であり、コンテナをそのまま倉庫に転用する際には、閉じ込め事故防止に留意する必要がある。実際に起きた事件として、風の子学園事件が上げられる。
娯楽・芸術での応用事例
- キルギスタンなど中央アジアでは、ドルドイ(Dordoi、дордои)と呼ばれる巨大迷路のようなバザールがISOコンテナを積み上げて形成されている。ドルドイは首都ビシュケクをはじめ大きな町で、あらゆる商品、特に衣服などを扱う市場として設置され、市民以外にもカザフスタンをはじめ多くの遠来の客や商人を呼び込んでいる。
- レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは世界各地に臨時の管制塔を設営するため、コンテナの側面に窓を開けた移動可能な管制塔を利用している。
- 世界各地では、例えばコンテナをアーチ状に組んだりした大規模な芸術祭や、コンテナを巧みに取り入れたオブジェなどの展示も盛んに行われている。
貿易摩擦等での想定外事例
1990年代以降、北アメリカには、貿易赤字に伴って比較的安いコンテナが大量にあふれることになった。工業製品はアジアから、一部はヨーロッパから、コンテナに積載されて北アメリカに来るが、北アメリカから輸出する製品は少なく、船会社はそれなりの費用をかけて空コンテナを大量に送り返す必要があった。空コンテナの返送費より新品のコンテナを中国などで買う費用の方が安い場合もあるため、コンテナを一方的にアジアからアメリカに送り、不要になった中古コンテナのアメリカでの新たな使い道を見つける必要が生じていた。
脚注
注釈
- ^ JIS Z 8301 では最後を伸ばさないが国語表記の基準(文化庁)では伸ばす。
- ^ 荷役施設内の区分表記や各種の関係書類等で幅広く認知されている業界用語であり、文字通り「空っぽのコンテナ」の略語である。
- ^ ただし、熱中症死や密閉されたコンテナでの窒息死などのリスクを伴うので、コンテナによる不法入国はまさに命懸けである。
- ^ 近年、日本国内で流通しているコンテナによっては海外の事業者名義又は、日本の事業者名義の20 ft又は40 ftを問わず、34,000 kgとの記載された事例も目立って来ている。
しかし、日本国内で流通させる場合は、30,480 kg以下に減量させている。 - ^ 青いコンテナの真下の特殊シャーシには、ツイストロック等の固定装置は無く、代わりにシャーシ前後左右から斜め上向きに飛び出している爪状の受け枠で、ズレない様に支える。
- ^ 2013年順位。1位上海3362 TEU、2位シンガポール3224、3位深圳2328、4位香港2235、5位釜山1769、6位寧波1735、7位青島1552、8位広州1531、7位ドバイ1364、8位天津1301、9位ロッテルダム1162、10位大連1086、11位ポート・クラン(マレーシア)1035、12位高雄994、13位ハンブルク930。28位東京486、横浜289
- ^ 但し、20 ftタイプのタンクコンテナ及び、40 ftタイプの殆どのタイプ(ラック型等を除く)には、フォークポケットはごく稀なケースを除き付いていない。
- ^ 但し、諸般の事情により一部の20 ftタイプでもグースネックトンネルを備える事例があり、この場合は#1987年改定表にもある様に専用のタイプコードが割り当てられていた。
- ^ 但し、地上高規制の数値に余裕のある国々ではこの限りではなく、従来からの段差のない全長が均一に一直線状のシャーシも使われ続けていた。
- ^ コンテナ開口部の蝶番部の構造が単純なため内容物の濡損する可能性はある。
説明文の続き
- ^ なお、コンテナの右端側上部付近にある11桁の固有番号 DFIU 410693 0 の真下にある種別を表す4桁番号 42R1 は、ISO 6346による四桁の管理コードであり、本コンテナは全長が40 ftサイズで、冷凍コンテナである事が明確にわかる。
- ^ 画像の様にトラックの荷台では大抵の場合は中身が確認できるが、海上コンテナでは万国共通の専用封印の為、中身は極一部の特例の場合を除き、基本的に確認できない。
- ^ このような場合では、積荷右端側の最上段部位の荷物が不安定になっている為に、不用意にコンテナのドアを開くと落下して受傷事故の元となる。
事故を防止する為には、出荷元で積み込んだ最後に開閉口の全面に落下防止用のネットや、木枠を設置するのが理想である。 - ^ コンテナの海上漂流は船舶事故以外にも、陸上での事故からも多々発生する。
- ^ また水没する可能性が高く、浅い水域では水没したコンテナが海底の脅威になる。
- ^ 45 ft以上のコンテナ上下部分には、本来の吊り上げや固定に使われる両端部のツイストロック用ホール以外に、世界的に共通の規格で統一された当時から今日まで広く普及している、40 ftサイズ対応での荷役機器を有効に活用し、更に近年普及してきた長大サイズに合わせた新規投資負担を回避する為に設置された、側面部の各長手方向一辺梁の途中部位に、40 ftサイズに合わせたツイストロック用ホールが必ず設置してある。
このためにコンテナ1個当りのツイストロック用ホール数は、40 ftタイプ迄では8個、45 ftタイプ以上では16個となる。 - ^ 運転手にも容易に高さがわかりやくするための警告シール。
- ^ ※屋根上に登るハシゴ付近に必ず表示を義務付けられている。
- ^ 国際輸送される海上コンテナ全てには、コンテナが製作され完成した時点でこの様な厳格な検査が義務付けられている。
- ^ 特にタンクコンテナで表示されている。
- ^ 輸送車両の規格が大きい海外では、トレーラー自体が大陸間弾道ミサイルを発射する様なイメージで立てたり、シャーシと一体で掴み建てる専用の設備もある。
またコンテナのドアも、ほぼ自動で閉じることが出来る。 - ^ 粒状化学樹脂原料を大量に輸送している事例。
- ^ 更にコンテナ内部には反復使用が出来るシート状のインナーバック(簡易大型袋)を吊り下げ、簡易ホッパコンテナに仕立てている。
- ^ a b ※中の小型タンクは、コンテナ内部に元々仕込んであるフック等を利用し、厳重にベルトで固定している。
- ^ カー・コンテナに早代わりする。
しかもホコリや海水が付着しない等の付加価値が高い密閉型となる。 - ^ 但し、パワーショベルやクレーン車等のアームを積む場合は、重量バランスを十分考慮しないと、輸送トレーラーの横転事故を招く事になる。
また燃料の抜き取りを怠ると、暑さで爆発する事もある。 - ^ ある意味での使い捨て的な片道輸送として安価に使える一方で、衝撃等での擦り傷や、荷崩れのリスクが付きまとう。
- ^ 専用パレットの設備投資や回収問題も絡むが、輸送品目が限定されたり、コンテナの制作費や返送コストのかかる車専用のカーラック・コンテナよりは、経費を節約できる。
- ^ この様なある意味、絡みやすい貨物でも、使い捨て板等の材料を工夫して徹底的に積み込まれる。
但し、ベニヤ板等の木材は、防虫処理をしていないと、最悪の場合は輸入国での検疫に引っかかってしまう。 - ^ この様な小サイズの箱を大量に積んでいる場合は、特にトラック輸送時の振動や急ブレーキ等の影響で荷崩れを起こしている事が多々ある。
これらの影響でドアを開けた際に崩れ落ちて受傷事故や爆発事故を防ぐ為に、出荷元で間口全体に木枠で防護壁を組み付けている事例。 - ^ 一個の大型コンテナを単独の荷主で満たすのが基本だが、少量で荷主が全く違う荷物を複数寄せ集めていわゆる、相乗り輸送貨物 (混載貨物とも言われる) としても利用されている。
- ^ ※奥の妻壁上部左右には、ハイキューブ型を示す警戒色シールが張られている。
- ^ コンテナの上部に背高を示す警告色のシールが、入り口全幅に張られている。
※ 右側の空っぽコンテナは従来の8 ft 6 inコンテナ。 - ^ 軽量品ゆえに、例え一台でも多くとの思いで見事な組合わせ技で積み込まれた、日本製中古電化製品の輸出前の光景。
- ^ ツイストロックホール部位と同じ高さに調整された支持脚が二箇所設けられている。
この工夫で、10 ftと20 ftコンテナを兼用積載する為の高額なシャーシーが無くても、既存の20 ft以上の単独積載シャーシでの積載が可能となるので、効率よく配車が出来る。
但し、画像の積載例のように、この場合ではコンテナを固定している下部ツイストロックが、車体後部側左右の二箇所のみのロックとなるので、特に貨物を積載している場合では、コンテナ総重量が10tを超えるために、ツイストロックやコンテナに極端な部分的負荷が掛かり、事故の元となるので注意が必要である。
また悪路や、埠頭等の路面段差により車体がバウンドした場合は、ツイストロックのない冷凍機側下部と、シャーシー間に生まれる隙間との突き上げ衝撃により冷凍機の故障にも繋がりやすいリスクがある。) - ^ コンテナ用、タイプコードは、旧式区分でポートホール・コンテナ専用割り当てとなる、 (2040) を使用。
- ^ コンテナ用、タイプコードは、旧式区分でポートホール・コンテナ専用割り当てとなる、 (2040) を使用。
- ^ 画像の左側と中央の設備は、厚みのある旧式設備。
右端の設備は、薄型の新しい設備である。
中央の白っぽいコンテナには、旧式区分のタイプコードで、20 ft型ポートホール・コンテナ専用割り当てとなる、 (2040) を使用。 - ^ このコンテナのタイプコードは、新区分により通常の冷凍コンテナとは区別無く、コード (22R1) が使用されている。
【参考】 タイプコードの詳細は、#1995年改定表を参照。 - ^ コンテナ用、タイプコードは、旧式区分でポートホール・コンテナ専用割り当てとなる、 (2040) を使用。
- ^
これにより、冷凍機のない保温コンテナが、-50℃の超低温冷凍状態になる。 - ^
これにより、冷凍機のない保温コンテナが、-50℃の超低温冷凍状態になる。
尚、注入したガス圧力は、同じ妻壁上部にある銀色の通風孔より抜ける。 - ^ この蒸気を作り出す専用の蒸気発生装置を、タンク右側のシャーシーと、トラクターを連結している部位に搭載している。
コンテナ区分のタイプコードは、( 12T6 ) - ^ この蒸気を作り出す専用の蒸気発生装置を、タンク左側のシャーシーと、トラクターを連結している部位に搭載している。
コンテナ区分のタイプコードは、( 12T6 ) - ^ 本来のコンテナ高さサイズをオーバーした場合は、青色ラック・コンテナと吊り上げ車両(リーチスタッカー)の黒色スプレッダーの間に、横長のテーブルイメージの赤色4本足状アタッチメントを介して、全ての吊り上げ荷役作業をする。
アタッチメントの足の長さや色・他、多少の構造等は、コンテナヤードによって多種多様である。
※ラック・コンテナ以外に、オープン・トップ・コンテナでも多用される。 - ^ 車体寸法規格の大きい諸国では、積載シャーシー自体にコンテナ荷役用の簡易クレーンが付いているので、作業効率が優れている。
- ^ 多連装ロケット砲にセットされる為のユニット化された多連装ロケット弾。
- ^ 纏めてラッシングバーで固定し、一個体のコンテナ状態に仕立てて運賃を節約している事例。
- ^ 画像上部中央に写っている巨大な木箱の真下に、薄い灰色の40 ftタイプのフラット・ラックコンテナが2個横並びで、台座として使われている。
- ^ 棒状の長い積荷の真下に、40 ftタイプのフラット・ラックコンテナが2個縦並びで、台座として使われている。
デッドスペースを回避し、波しぶきに出来るだけ晒されぬ様に最上段に積み、且つ周りを他のコンテナで囲っている。 - ^ (通称:クラブ K システム)
- ^ (通称:クラブ K システム)
- ^ 更にこのコンテナは、開口した上部の横向きの一本梁が、片端を支点として180度水平に横撥ねして高さ制限を無くしてしまう、特殊なカラクリ構造を備えている。
- ^ 使われている青色コンテナは、両側(長手方向)に強硬な屋根蓋を固定するロックバーが、各4本づつある。本来ならば、強硬な屋根蓋仕様用のタイプコード、U6が割り当てられるが、この輸送では屋根に弾力のあるシート類仕様に割り当てのタイプコード、U1を使用している。
- ^ 屋根ブタを外し、あたかもダンプカーの様に天井が完全に開いたハード・トップ・コンテナへ、重機で瓦礫を掴んでダンプカーに土砂を真上から投入する要領で積み込んでいる風景。
茨城県/2016年1月29日、平成27年9月、関東・東北豪雨により被災した常総市における災害廃棄物。 - ^ 画像では現代規格の最高値の、9 ft 6 in (#ハイキューブコンテナ参照。)を積載しているが、この状態で日本国内を走行する(日韓の取り決めにより、画像の韓国ナンバー付きでも輸送は可能である。)ためには、海上コンテナ輸送の特例認可としての上限地上高である4.1mを超えるために、特殊車両通行許可を輸送の都度取らないと違法となる。
この規制により、私有地となるコンテナヤード内での移動用に使用するか、撮影された山口県/下関岬之町CT埠頭から出航している釜関フェリーへ積載して、韓国内の輸送などに限られる。
ただし、現在の標準である8 ft 6 inの国内輸送は、ハイキューブコンテナ扱いとして合法となる。 - ^ 中央下部床から突き出ている、矢印台形状の装置がコンテナと、シャーシーを固定するツイストロック。
- ^ この方式は、30 ft以上のコンテナと専用シャーシに夫々装備されているのが、世界共通の基本事項。
- ^ コンテナ積載時には、この横長6 ic幅部位がコンテナの床下に隠れる。
出典
- ^ 世界最大規模のバナナ輸送専用冷蔵コンテナ船団を「ドール」が自社で所有しているわけとは? - GIGAZINE
- ^ 毎週2回、私たちのバナナ船が日本の港に着きます。- ユニフルーティージャパン
- ^ 巨大コンテナ船が初入港 横浜・南本牧ふ頭で荷役作業 2019年3月5日 【神奈川新聞】
- ^ “OOCL Hong Kong Achieves Guinness World Record” (英語). The Maritime Executive 2018年1月23日閲覧。
- ^ チーズ20トンどこへ? 舞鶴港でコンテナごと盗難 2003/01/09 【共同通信】
- ^ コンテナから集団密航か 福井県の敦賀港 2003/01/16 03:09 【共同通信】
- ^ 【画像と記事】ドライコンテナで建設機械類を輸送中に大爆発を起こし、コンテナの後部観音扉が吹き飛ぶ
- ^ ※40ftコンテナの後部右側一点の切り忘れ要因による事故事例 - YouTube
- ^ “インランド・デポ|ロジスティクス用語集|日本通運”. 日本通運. 2020年10月25日閲覧。
- ^ 『コンテナ物流の理論と実際』 平成22年1月28日、成山堂書店初版発行 (ISBN 978-4-425-92711-1) p.266
- ^ 『新型コロナウイルスによる経済ダメージとコンテナ業界への影響、日本の課題 / テレワークによる会社の変化 | コンテナ市況レポート 2020年5月』 EFインターナショナル社 2020年5月11日配信。2020年5月15日閲覧。
- ^ 『コンテナ物流の理論と実際』 平成22年1月28日、成山堂書店初版発行 (ISBN 978-4-425-92711-1) p.269
- ^ 『入荷待ち20F新品コンテナ先行予約受付中(ブルー色・ダークグレー色・アイボリー色・ライトブルー色・グリーン色・アミーグリーン色)』ロニーメディカル社 販売コンテナの一例より。2020年5月15日閲覧。
- ^ 『コンテナ物流の理論と実際』 平成22年1月28日、成山堂書店初版発行 (ISBN 978-4-425-92711-1) p.270
- ^ SuperFreezer(スーパーフリーザー)- リーファーコンテナ用超低温冷凍ユニット
- ^ ※注意点 タンク内充填数量について 【株式会社・日新】
- ^ 横浜市港湾局 港湾業務用語集
- ^ [Top 50 World Container Ports World Shipping Council]2018年8月30日閲覧
- ^ 1995年順位 1位香港1254、2位シンガポール1185、3位ロッテルダム479、4位高雄523、5位釜山450、6位ハンブルク289、7位横浜276
- ^ 「海上物流、主役は中国」日本経済新聞2015年4月27日朝刊9面。出典は「世界のコンテナ輸送と就航状況 2014年版」(日本郵船編。日本海運集会所発行)
- ^ 『コンテナ物流の理論と実際』 平成22年1月28日、成山堂書店初版発行 (ISBN 978-4-425-92711-1) p.20
- ^ 『コンテナ物流の理論と実際』 平成22年1月28日、成山堂書店初版発行 (ISBN 978-4-425-92711-1) p.21
- ^ 吉識恒夫『造船技術の進展』(初版)成山堂書店、2007年10月8日。ISBN 9784425303212。
- ^ Boeing Cargo (PDF)
- ^ グーグル、自社設計のサーバを初公開 -データセンターにみる効率化へのこだわり 文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル 2009年4月6日
- ^ 映像 - YouTube
- (資料1) https://www.matts-place.com/intermodal/part1/sea_containers1.htm
- (資料2) http://62.195.114.122/index2.html [リンク切れ]
- (資料3) http://photos.yahoo.co.jp/ph/gazouya1/rlst?.dir=/&.src=ph&.done=http3a//photos.yahoo.co.jp/ph/gazouya1/lst%3f%26.dir=/%26.src=ph%26.view=t gazouya1 (※フリー画像アルバム) [リンク切れ]
関連項目
- 物流、ロジスティクス
- メガターミナルオペレーター
- コンテナ荷票
- モーダルシフト
- JR貨物のコンテナ形式
- ばら積み貨物、ブレイクバルク貨物
- 事業者:フォワーダー、乙仲
- 荷役:フォークリフト、トップリフター、リーチスタッカー、ストラドルキャリア
- LVS (軍用車両)
- 日本のコンテナ輸送#コンテナのJIS規格
外部リンク
- 横浜市港湾局 - 海上コンテナの種類
- 旭運輸株式会社 - 海上コンテナの種類
- 板橋商事 - 海上コンテナ用語関連
- BIC国際コード所有者検索 - 海上コンテナ所有者検索用、国際登録機関公認サイト(英文)
- コンテナの絵本 - コンテナファンのページ (日本語⇒海上コンテナ・国内内航コンテナ・国内鉄道コンテナ各種総合画像サイト)
- MATT'S PLACE-Intermodal Container Web Page - コンテナファンのページ、海上コンテナ専門画像サイト(英文)
- 海上コンテナ図鑑 Freight containers in Japan - ウェイバックマシン(2002年12月2日アーカイブ分) - 海上コンテナの画像サイト
- NCA - 日本貨物航空 - 航空貨物用コンテナの種類