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[[Image:The Young Queen Victoria.jpg|thumb|200px|初代ウェリントン公爵[[アーサー・ウェルズリー (初代ウェリントン公爵)|アーサー・ウェルズリー]]に警衛を命じたイギリス女王[[ヴィクトリア (イギリス女王)|ヴィクトリア]]]] |
2020年8月30日 (日) 23:13時点における版
黒博物館 | |
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ジャンル | 青年漫画 アクション漫画 クライム・サスペンス ロー・ファンタジー |
漫画:黒博物館スプリンガルド The Black Museum Springald | |
作者 | 藤田和日郎 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | モーニング |
レーベル | モーニングKC |
発売日 | 2007年9月21日 |
発表号 | 2007年23号 - 28号 |
発表期間 | 2007年5月10日 - 6月14日 |
巻数 | 全1巻 |
話数 | 全6話 |
漫画:黒博物館スプリンガルド異聞 マザア・グウス | |
作者 | 藤田和日郎 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | モーニング |
発表号 | 2007年33号 - 35・36合併号 |
発表期間 | 2007年7月19日 - 8月2日 |
話数 | 全3話 |
その他 | 単行本『黒博物館スプリンガルド』に 収録 |
漫画:黒博物館ゴースト アンド レディ The Black Museum Ghost & Lady | |
作者 | 藤田和日郎 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | モーニング |
レーベル | モーニングKC |
発表号 | 2014年52号 - 2015年30号 |
発表期間 | 2014年11月27日 - 2015年6月25日 |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全28話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『黒博物館』(くろはくぶつかん)は、藤田和日郎による短編または中編漫画のシリーズ。
『黒博物館スプリンガルド』(くろはくぶつかんスプリンガルド、英題名The Black Museum Springald)は、「モーニング」(講談社)に2007年23号から28号まで連載された。
また、上記作品の続編『黒博物館スプリンガルド異聞マザア・グウス』(くろはくぶつかんスプリンガルドいぶんマザア・グウス、英題名The Black Museum Springald)が『モーニング』2007年34号から3話掲載され、続いて『黒博物館ゴースト アンド レディ』(くろはくぶつかんゴーストアンドレディ、英題名The Black Museum Ghost & Lady)が2014年52号から2015年30号まで連載された。
本記事では、その各々について記述する。
概要
19世紀のイギリス帝国を舞台に、ヴィクトリア朝の典雅で重厚な雰囲気の下、実在の人物や実際の事件といった史実を織り交ぜつつ、メカやアクションを描いたダーク・ファンタジー作品。デビュー以来、藤田は一貫して小学館の雑誌に作品を掲載しており、本作は藤田にとって初の講談社媒体への連載である。連載中、『モーニング』において仁賀克雄の『黒博物館館報――閲覧の手引き』が連載されていた。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
- スプリンガルド
- 1837年、大英帝国の首都ロンドンに、女性ばかりを狙って悪戯をする犯罪者が現れた。脚に「バネ足」を仕込み高く跳び上がり、目と口を光らせ、奇怪な声で笑う怪人物は、イギリス国民から「バネ足ジャック」と呼ばれ恐れられた。しかし、1838年春、犯人は逮捕されることなくその姿を消した。それから3年後の1841年、「バネ足ジャック」は悪戯ばかりでなく女性を殺害する殺人鬼となって再び現れた。
- マザア・グウス
- ゴースト アンド レディ
- 黒博物館に一人の老人が訪れる。彼の求める品は1856年、ドルーリー・レーン王立劇場に遺されていたという「<灰色の服の男>のかち合い弾」。その由来を語る代わりに頼みを一つ聞いてもらいたいという老人の言葉に学芸員が応えると、老人の体から<灰色の服の男>が現れる。そして彼はかつて出会っためんどくさい女、フロレンス・ナイチンゲールとの物語を語り始めた。
登場人物
- 学芸員(キュレーター)
- ロンドン警視庁黒博物館学芸員。黒色のドレスを身に纏い、顔にかかった金髪により左目が隠れている。
- 本作は語り手の回想を学芸員に対し聞かせる形式を採っており、基本的に各話の冒頭は語り手と彼女のやり取りから始まる。
スプリンガルド
- ジェイムズ・ロッケンフィールド
- ロンドン警視庁警部。3年前の「バネ足ジャック」事件では捜査主任を務め、ウォルターが犯人ではないかとを疑うが、逮捕には至らなかったため、3年ぶりに再来した「バネ足ジャック」の捜査に執念を燃やす。葉巻を愛用するヘビースモーカー。トレードマークの葉巻を左耳に挟む姿から、「スコットランドヤードの機関車男」との異名を持つ。
- ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド
- 侯爵。オックスフォード大学出身。アイルランドやイングランドに広大な領地を持ち、大きな館に居住している。幼くして愛情を注いでくれた母親が亡くなり、冷厳な父親・うわべだけの愛情を注ぐ継母・家庭教師・メイドに囲まれて育っていった。青年期からは社交界で活躍し、蒸気機関車同士を正面衝突させたり、パブで喧嘩や放火騒ぎを起こしたりと、放蕩の限りを尽くす。
- フランシス・ボーモン
- 准男爵の長男。オックスフォード大学出身。「卿」と呼ばれているが爵位などは不明。「機械工学の天才」と謳われ、「バネ足ジャック」のバネ足も開発した。ハートフォードシャーにあるカントリーハウスに自身の研究室を構えている。研究室にはウォルターは招き入れるが、メイドには立ち入りを禁じている。眼鏡を愛用している。
- マーガレット・スケールズ
- ストレイド家客間メイド。ツーティング・ベック・コモンの牧師の家に生まれるも、両親が病死、14歳のとき収容された救貧院で病に侵され、その後遺症で足が不自由となる。3年前、ウォルターが扮した「バネ足ジャック」に遭遇するが、臆せず平手打ちを喰らわせ、他者を脅かすのをやめるよう諭す。その後、偶然、ストレイド家に雑役メイドとして雇われる。ヘンリーと婚姻する。
- ヘンリー・シェルビー
- 弁護士。ウォルターの引き起こす騒動に伴いストレイド家に出入りするうちにマーガレットを見初める。
- ダニエル・カバナー
- ロンドン警視庁巡査部長。3年ぶりに発生した「バネ足ジャック」事件では、上司のジェイムズとともに捜査に従事する。「バネ足ジャック」に遭遇したアーサーの身を案じ庇う。
- ロンドン警視庁警視総監
- 3年前の「バネ足ジャック」事件の捜査では、貴族であるウォルターが有力被疑者と知り、ジェイムズに捜査中止を命じた。また、ジェイムズ、ダニエルにアーサーの身辺警護を命ずる。
- アーサー・ウェルズリー
- ウェリントン公爵。元首相。ワーテルローの戦いではイギリス陸軍、オランダ陸軍を指揮し、フランス皇帝ナポレオン1世率いるフランス陸軍を撃破した。その存在は民衆からも「イギリスの伝説」と称えられ、「国の重要人物」と見なされている。「バネ足ジャック」事件では、犯人を逮捕できないロンドン警視庁に業を煮やし、自ら乗馬姿で兵を率い、警衛に従事する。なお、警衛の際は兵士以外にも、拳銃を携帯したアーサー専属の護衛が侍っている。その老いた威容はパブに屯する酔客にまで安心感を与えていた。ウォルターからの告発に基づき、フランシスを逮捕するべく邸宅を包囲した。
- ヴィクトリア
- イギリス女王。22歳の若き君主だが、アーサーに「バネ足ジャック」への警衛を命じるなど、その手腕には民衆からも一目置かれている。
- マーチ
- ストレイド家の家政婦。主人であるウォルターの突飛な行動にはいちいち驚かず、若干諦めの色が見える。
- ポリー・アダムズ
- ホテル「グリーンマン・イン」ウェイトレス。1837年10月11日、17歳のポリーは、ホワイトフィールド・マウントにて「バネ足ジャック」に遭遇し、両乳房を露出させられ、「バネ足ジャック」事件の最初の被害者となった。
- メリー・スティーブンス
- 21歳の女性。親戚宅からの帰路、「バネ足ジャック」により左肩から右脇腹を切り裂かれ殺害される。
- ドーソン
- トミー一家に所属するゴロツキ。売春婦にショバ代をせびっていたところをジェイムズに殴られる。
マザア・グウス
- ジュリエット
- 侯爵令嬢。オスカーとベアトリスの娘。ウォルターの姪。口癖は「あっ、きれた〜(呆れた)」。表面的には権威に対する意識が高いため、アーサーに階級の自覚を説くが、侯爵令嬢と知られて敬語を使われたときに、寂しげな表情を見せた。
- ウィリアムによって催眠術を掛けられたため自ら服を脱ぎ、ウィリアムに裸体を写真に撮らせてしまう。そのため、ウィリアムに対する復讐と他の幼女の救出を企て、ウォルターの遺したトランクを探しにシェルビー家を訪れる。
- アーサー・シェルビー
- ヘンリーとマーガレットの息子。普段は気弱ないじめられっ子だが、科学を悪用する者には毅然とした態度をとる。科学に関する関心と知識は人一倍で、写真や催眠術の原理を諳んじることが出来る。
- ジュリエットに対しては、当初はタメ口を利いていたが、侯爵令嬢と知ってからは敬語で話しかけるようになる。最終的には「お願い」されてタメ口に戻す。
- ウィリアム・ホルム
- 大学教授。ウイーンにてフランツ・アントン・メスマーより催眠術の手ほどきを受ける。また、写真術も体得している。芸術的な写真を撮るとの触れ込みで貴族たちの子女の撮影を申し入れ、受諾した多数の幼女を自宅に招き、屋敷最上階のガラス張りのスタジオで撮影していた。しかし、自宅を訪れた幼女に対し催眠術を掛け幼女の衣服を脱がし、その裸体を写真に収めることを趣味としている。また、自宅の周りには用心棒代わりのならず者を多数配している。
- オスカー・ピーポディ
- ロンドンの侯爵。ジュリエットの父で、ベアトリスの夫。ジュリエット曰く「けっこう俗っぽくって『芸術』ってコトバに弱い」。また、娘の恩人ともいうべきアーサーに対しても、「シェルビー家」が聞いたことの無い家名ということで、通り一遍の礼しか述べなかった。
- ベアトリス・デ・ラ・ボア・ストレイド
- 侯爵夫人。ウォルターの妹。ジュリエットの母で、オスカーの妻。夫同様に、アーサーには通り一遍の礼しか述べず、別れを惜しむジュリエットを「はしたない」と戒める。
- スミス
- シェルビー家園丁。アーサーらと親しげに会話をする。
ゴースト アンド レディ
この節の加筆が望まれています。 |
- マイク=ロフト
- 「ゴースト アンド レディ」最終話に登場。『エンバーミング』の長期連載が終了した事や同時期を舞台にしていたことからゲスト出演した。なお、元の漫画での正体はマイクロフト・ホームズ。
書籍情報
この節の加筆が望まれています。 |
関連文献
- マザー・グース第1巻(谷川俊太郎訳、講談社、1981年)ISBN 4061331485 - 本作にて引用されている。
- マザー・グース第2巻(谷川俊太郎訳、講談社、1981年)ISBN 4061331493 - 本作にて引用されている。
- ロンドンの怪奇伝説(仁賀克雄著、メディアファクトリーダヴィンチ編集部、2002年)ISBN 9784840106467 - 藤田は同書を読み本作の執筆を思い立った[1]。
脚注
関連項目
- シュルレアリスム
- からくりサーカス
- 谷川俊太郎
- マザー・グース
- エンバーミング (漫画) - 和月伸宏の漫画。最終話にロンドン警視庁黒博物館が登場し、和月の作画による学芸員(キュレーター)も登場した。
外部リンク
- モーニング | 連載マンガの部屋 - 講談社が運営する本作品の公式ウェブサイト。
- モーニング|黒博物館 館報 - 『黒博物館館報――閲覧の手引き』の公式ウェブサイト。
- Metropolitan Police Service - Homepage - ロンドン警視庁の公式ウェブサイト。
- Metropolitan Police Service - History of the Metropolitan Police Service - ロンドン警視庁の博物館に関するページ。