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2020年8月24日 (月) 11:55時点における版
李完九 이완구 Lee Wan-koo | |
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生年月日 | 1950年6月2日(74歳) |
出生地 | 韓国 忠清南道青陽郡 |
所属政党 |
(新韓国党→) (自由民主連合→) (セヌリ党→) 自由韓国党 |
在任期間 | 2015年2月17日 - 2015年4月27日 |
大統領 | 朴槿恵 |
李完九(イ・ワング) | |
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各種表記 | |
ハングル: | 이완구 |
漢字: | 李完九 |
発音: | イワング |
日本語読み: | り かんく |
ローマ字: | I Wangu |
英語表記: | Lee Wan-koo |
李 完九(イ・ワング、이완구、1950年6月2日 - )は、韓国の政治家。元国務総理(首相に相当)。朴槿恵大統領の側近。元セヌリ党院内代表。
経歴
1950年6月2日、忠清南道青陽郡出身[1]。1974年に行政高等試験に合格し、1975年に経済企画院(現在の企画財政部)事務官となる。徴兵身体検査の際に舟状骨の副骨の障害を理由として補充役招集を受け、1976年5月に入営し1977年4月に満期で服務を満了した[2]。忠北地方警察庁、忠南地方警察庁長などを歴任し、経済や治安分野において能力を認められた[3]。1996年に新韓国党から第15代総選挙に出馬し初当選。2004年までの8年間、国会議員を2期(第15・16代)務めた。
2006年には第35代忠清南道知事に当選するが、行政中心複合都市として建設が進んでいた世宗特別自治市について、当時の李明博大統領が計画の縮小を行ったことに反発し、2009年に道知事を辞任。このことで当時、ハンナラ党内で李明博と争っていた朴槿恵の信頼を勝ち得たとされている。2012年の大統領選挙では朴槿恵陣営の忠清南道誉選挙対策委員長を務め、朴の当選に貢献。2013年に補欠選挙に当選して国政復帰を果たし、2014年5月8日にセヌリ党院内代表に選出された。忠清道出身議員がセヌリ党の院内代表となるのはこれが初だった[4]。親朴槿恵派に分類されるが野党との関係も円満で、広い人脈を持つ人物と評価されている[5]。
2015年1月23日、辞任を表明していた鄭烘原国務総理の後継となることが青瓦台(大統領府)より発表された[3]。李は指名を受け、大統領に苦言と直言をする国務総理になると抱負を述べた[5]。後述するような疑惑が浮上し、2月16日の任命同意案の採決では与党側から7人以上の造反を出しながらも賛成148、反対128、無効5票で可決[6]、2月17日に就任式が執り行われて就任した[7]。
しかし、新たに発生した建設会社会長成完鍾の不正資金提供疑惑を受けて、就任から2ヶ月あまりで国務総理を辞任した[8]。贈収賄事件については2017年に無罪が確定しており、その後は政治的な再起を図っているとされる[9]。
疑惑
土地投機疑惑など
先述のとおり舟状骨の副骨の障害のために軍隊生活を1年1ヶ月で終えているが、国務総理就任が内定すると、一部報道機関から肺疾患を理由に早期転役したのではないかという疑惑が報じられた。また李の次男が留学中にサッカーの試合で前十字靭帯が破裂する大怪我を負ったことで入営延期対象となったことにも疑惑の目が向けられた[2][10]。李が所属するセヌリ党はこうした声に対して疑念を完全に否定している。またこれらの疑惑が真実であったとしても、兵役を免除された経験を持つ人物の国務総理就任を疑問視する声もあがった[11]。このほか、土地投機に関する疑惑[6]や、高級マンションの財産記載漏れ、論文盗用[12]、さらには報道機関に圧力をかけ自らに不利な報道をやめさせようとした疑惑も浮上した[13]。2015年2月10日より国会で開始された人事聴聞会では、李完九が報道機関に圧力をかけたとされる音声テープを野党・新政治民主連合が公開するなど波乱の展開となり、李自身も謝罪に追い込まれた[14]。
また李の忠清南道知事在任中に実弟が贈収賄事件を起こしていたことが2011年に発覚したが、李自身は関与していないとされている[2]。
不正資金疑惑
前述の疑惑とは別に、ソウル地検が前任の大統領だった李明博政権時の資源開発不正疑惑を捜査する中で、建設会社会長の成完鍾が捜査線上に浮上したが、成完鍾は自殺体となって発見された。この成完鍾の遺体の着衣のポケットの中に自身が不正資金を提供したとみられる人物の実名と金額などが書かれているメモ、通称「成完鍾リスト」が発見され、韓国政界を揺るがす事態となった。具体的には以下のようなことが書いてあった。
- 許泰烈元青瓦台秘書室長 - 7億
- 劉正福仁川市長 - 3億
- 洪文鐘元セヌリ党事務総長 - 2億
- 洪準杓慶尚南道知事 - 1億
- 釜山市長 - 2億
- 金淇春前青瓦台秘書室長 - 「2006年9月26日」「ドイツ・ベルリン」と書かれていた。
- 李完九 - 名前だけが書かれていた。
- 李丙琪現青瓦台秘書室長 - 名前だけが書かれていた。
李完九に関しては名前が記載されているだけで金額は書かれておらず、8人とも金品の授受を否定した[15]。しかし4月14日になって成完鍾の生前の録音が公開され、その中で成完鍾が2013年4月に再選挙に立候補した李完九に3000万ウォン(約330万円)を渡したと証言していたことから、一転して李完九も疑惑の対象となった[16]。李完九は金銭の受け取りを否定したものの、結局4月20日に国務総理を辞任する意向を表明[17]、4月27日に南米歴訪から帰国した朴槿恵がこれを了承し、辞任した[8]。李完九は7月2日に在宅起訴され[18]、2016年1月5日の公判で検察より懲役1年を求刑され[19]、1月29日に懲役8カ月、執行猶予2年の判決がソウル中央地方裁判所で言い渡された[20]。9月27日に、一審判決を破棄し無罪とする控訴審判決がソウル高等裁判所で言い渡された[21]。2017年12月22日、最高裁判所が二審判決を支持し無罪が確定[22]。その後、自らを起訴した文武一検察総長を職権乱用などの容疑で検察に告発している[23]。
日本との関わり
- 2015年4月1日の記者会見で、「日本が竹島と日本軍の慰安婦被害者問題、古代史歪曲に至るまで、厳然たる歴史的真実を否定したり偽りで覆ったりしている」と批判し、「歪曲された教科書を通じて誤った歴史観を植えつけながら、隣国に対する友好と善隣、国際社会の平和に貢献することはできない」「今からでも歴史的事実を直視して韓日両国の新しい未来を開くよう願う」と訴えた[24]。
- 2015年4月9日の記者会見で、日本の文化庁がウェブサイトで日本が所蔵している遺物に「任那時代」という説明を付けていることに対し「日本の歴史歪曲は(韓国の)民族魂を否定するもの」 だと批判し[25]、「歴史的真実を見れば日本の起源は百済」だと強調し、「日本王室の起源が百済という事実が立証されることを恐れて日本が正倉院を意図的に開くことができない」と話した[26]。
出典
- ^ “이완구”. NAVER人物検索. 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b c “韓国次期首相候補、家族めぐる疑惑を全面否定” (日本語). 中央日報. (2015年1月25日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b “新韓国首相に李完九セヌリ党院内代表が内定…「国政の正常運営に寄与」” (日本語). 中央日報. (2015年1月23日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ “与党院内代表に朴大統領側近の李完九氏=韓国” (日本語). 聯合ニュース. (2014年5月8日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b “【社説】李完九首相候補にかける期待=韓国” (日本語). 中央日報. (2015年1月24日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b “韓国新首相に李氏…相次ぐ疑惑、政権浮揚難しく”. 読売新聞. (2015年2月16日) 2015年2月16日閲覧。
- ^ 李完九新首相が就任 「経済活性化に集中する」=韓国 聨合ニュース 2015年2月17日
- ^ a b 朴槿恵大統領、「裏金疑惑」の李首相の辞表を受理 Daily NK 2015年4月27日
- ^ “韓国元首相「日本は政治の職人化、専門家化が進んでいるが…」”. 中央日報. (2018年6月27日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “李完九氏、次男の兵役逃れ疑惑に「公開検証」の用意表明” (日本語). 東亜日報. (2015年1月26日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ “【時視各角】私は李完九首相に共感できない=韓国(2)” (日本語). 中央日報. (2015年1月27日) 2015年1月27日閲覧。
- ^ “韓国首相内定者の人事聴聞会きょうから 今後の政局を左右”. 聯合ニュース. (2015年2月9日) 2015年2月16日閲覧。
- ^ “韓国次期首相の聴聞会 メディアへの圧力疑惑が最大争点に”. 聯合ニュース. (2015年2月10日) 2015年2月16日閲覧。
- ^ “韓国首相候補の発言が追加で公開…広がる波紋”. 中央日報. (2015年2月11日) 2015年2月16日閲覧。
- ^ “自殺の会社会長、メモに8人の名前と金額…朴大統領の元側近2人も”. 中央日報. (2015年4月11日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ “「腐敗なくす」と叫んだ韓国首相…3000万ウォン授受説で捜査対象に”. 中央日報. (2015年4月15日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ “韓国の李首相、辞意表明 不正資金疑惑で 朴政権に痛手”. 朝日新聞. (2015年4月21日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ “<成完鍾リスト波紋>検事13人投入して…拘束ゼロ”. 中央日報. (2015年7月3日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ “<成完鍾リスト波紋>李完九前韓国首相に懲役1年”. 中央日報. (2016年1月6日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ “韓国前首相に有罪判決 政治資金法違反の罪”. 朝鮮日報. (2016年1月29日) 2016年1月30日閲覧。
- ^ 韓国前首相に控訴審で逆転無罪 政治資金法違反事件 聯合ニュース 2016年9月26日付
- ^ “最高裁の無罪宣告で処罰0人に終わった「ソン・ワンジョンリスト」”. ハンギョレ. (2017年12月23日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “地方選挙目前に「洪準杓退陣論」、自由韓国党が内輪も”. 中央日報. (2018年5月31日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ 中央日報日本語版 2015年04月13日14時46分 韓国首相「日本の『歴史時計』、逆回りしている」と批判[1]
- ^ 韓国首相「日本の起源は百済…日本の歴史歪曲、絶対許せない」(1) 中央日報日本語版、2015年4月10日
- ^ 韓国首相「日本の起源は百済…日本の歴史歪曲、絶対許せない」(2) 中央日報日本語版、2015年4月10日
公職 | ||
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先代 鄭烘原 |
大韓民国国務総理 第43代:2015年2月17日-2015年4月27日 |
次代 崔炅煥 (権限代行) |
公職 | ||
先代 兪德濬 知事権限代行 |
忠清南道知事 2006年7月1日-2009年12月13日 |
次代 李仁禾 |
党職 | ||
先代 チェ・ギョンファン |
セヌリ党院内代表 2014年5月-2015年2月 |
次代 劉承旼 |