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「金開き」の版間の差分

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これはNHKの将棋講座でも取り上げられ、講座をまとめた[[豊川孝弘]]著「パワーアップ戦法塾」(2004年、日本放送出版協会発行)にも掲載されているほか、2016年8月の講座「ハメ手」特集でも採り上げられた。豊川の同書では、図3-1から、後手が△8四歩と居飛車の場合には▲3六飛△8五歩で、先手▲3四飛であると△8六歩があるため、△8五歩以下は▲9六歩△8四飛▲9七角△6二銀▲7五角△7四飛▲6六角の順を紹介している。以下△2二銀なら▲3三角成△同銀▲8二角があるので、△6六同角▲同飛△8四飛▲2六飛△4四角▲2八飛と戻っておき、以下後手が△8六歩▲同歩△同飛ならば▲8八飛とぶつけていく順がある。
これはNHKの将棋講座でも取り上げられ、講座をまとめた[[豊川孝弘]]著「パワーアップ戦法塾」(2004年、日本放送出版協会発行)にも掲載されているほか、2016年8月の講座「ハメ手」特集でも採り上げられた。豊川の同書では、図3-1から、後手が△8四歩と居飛車の場合には▲3六飛△8五歩で、先手▲3四飛であると△8六歩があるため、△8五歩以下は▲9六歩△8四飛▲9七角△6二銀▲7五角△7四飛▲6六角の順を紹介している。以下△2二銀なら▲3三角成△同銀▲8二角があるので、△6六同角▲同飛△8四飛▲2六飛△4四角▲2八飛と戻っておき、以下後手が△8六歩▲同歩△同飛ならば▲8八飛とぶつけていく順がある。


[[将棋世界]]2007年9月号「イメージと読みの将棋観」では、[[渡辺明]]は同戦法を子供時代に振り飛車党相手に指していたという。またプロで指すなら振り飛車党相手しかなく、そう簡単に咎められないとしている。一方[[谷川浩司]]はこの飛車浮きは悪手であるとしている。なお、プロの実践では▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角で後手側が△8四飛とした例が1987年の順位戦A級で[[森けい二]]が[[青野照市]]に対して採用した1局など、3例あるとするが、いずれも後手が破れている。
[[将棋世界]]2007年9月号「イメージと読みの将棋観」では、[[渡辺明]]は同戦法を子供時代に振り飛車党相手に指していたという。またプロで指すなら振り飛車党相手しかなく、そう簡単に咎められないとしている。一方[[谷川浩司]]はこの飛車浮きは悪手であるとしている。なお、プロの実践では▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角で後手側が△8四飛とした例が1987年の順位戦A級で[[森二]]が[[青野照市]]に対して採用した1局など、3例あるとするが、いずれも後手が破れている。


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2020年7月16日 (木) 23:39時点における版

△持ち駒 
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金開き(きんひらき)とは、将棋陣形囲いの一つ。中住まい陣形の一種。図の例のように金が左右に開くのでこの名がある。

解説

陣形の進展は単純で、先手の場合左金を7八金、右銀を3八金と動かすだけである。玉は5八の地点に構える。このような構えは横歩取り青野流で頻繁に生じる。図1はその一例。

△持ち駒 歩2
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対振り飛車の戦法としては滅多にみられないが、図2-1から図2-2にかけてのような展開は知られている。図2-1は下記のうきうき飛車から後手が△2二飛とし、以下先手が9筋を突きこしている。先手は9七角ののぞきから▲7五角と出る筋がある。△2四歩▲同歩△同角の素抜き狙いには▲2七歩、△7四歩は▲6六角から5五や4六の角打ち、△9一玉は▲9六飛~▲9七桂~▲8五桂などの順がある。

△持ち駒 なし
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△持ち駒 なし
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図2-3のような局面もある。これを△9五同歩ならば▲同角とし、以下△同香▲同香となれば2枚の香と左桂、飛車の9筋急襲がある。▲同角に放置して△2四歩ならば▲3六飛△2五歩▲3四飛△2六歩▲2八銀(図2-4)から▲9三歩~▲8六角~3五飛からの9筋攻めがやはり生じる。

また、図2-5のような左銀が前戦に繰り出す滝下流と呼ばれる金開き戦法もある。狙いは上記の金開きと一緒であり、▲9五同銀から飛車を9六に展開していく。

△持ち駒 なし
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うきうき飛車

△持ち駒 なし
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△持ち駒 なし
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金開きやアヒル囲いへの出だしで、初手▲2六歩から 振り飛車党の△3四歩として、以下▲2五歩△3三角▲2六飛は「浮き浮き飛車」と呼ばれる嵌め手(図3-1)。△8四歩ならば▲9六歩で△8五歩以下、金開きやアヒル囲いを目指せば構わない。一方、振り飛車党であって△3二飛とすると、すかさず▲7六歩とされる。以下△4二銀ならば角交換から▲6五角等や△4二銀にかえて△4四歩ならば▲4六飛△4二飛▲3六飛で後手3筋の歩が捕獲できる(図3-2)。振り飛車側がこの順を避けたい場合は▲2六飛の浮きに△2二飛とする。それでも▲3六飛であれば△2四歩がある。以下▲3四飛は△2五歩▲4四飛△4二銀▲4六飛△2六歩の展開である。このほか△3二飛▲7六歩には△8八角成▲同銀△4四角▲2八飛と浮き飛車を回避させる順もある。 △3二飛にこの順を避ける▲7八金ならば以下△6二玉▲7六歩△7二玉▲3六飛に、△4四角には▲4四同角△同歩▲2四歩に△同歩ならば▲2三角△3一飛に▲4一角成△同飛▲3二金、△2二飛とすると▲3四飛△2四歩▲2三歩△1二飛▲2四飛△3二金に▲3四角が利き、以下△7二銀▲2二歩成△同飛▲同飛成△同金▲6一角成△同銀▲4一飛△5一角▲2三歩から▲5一角成△同銀▲2二歩成を狙うなどの展開である。戻って△4四角に代えて△4四歩▲3四飛△4二銀に▲5八玉としておき、△4三銀であると▲3三飛成△同桂▲2一角△4二飛▲2二歩成で、△3二歩ならば▲1一と~▲1二角成、△5四銀ならば▲2三と△4五桂▲3三と△5二飛▲4四角と捌いていく順がある。▲5八玉に他の指し手であっても、図3-3の展開などがその一例。

これはNHKの将棋講座でも取り上げられ、講座をまとめた豊川孝弘著「パワーアップ戦法塾」(2004年、日本放送出版協会発行)にも掲載されているほか、2016年8月の講座「ハメ手」特集でも採り上げられた。豊川の同書では、図3-1から、後手が△8四歩と居飛車の場合には▲3六飛△8五歩で、先手▲3四飛であると△8六歩があるため、△8五歩以下は▲9六歩△8四飛▲9七角△6二銀▲7五角△7四飛▲6六角の順を紹介している。以下△2二銀なら▲3三角成△同銀▲8二角があるので、△6六同角▲同飛△8四飛▲2六飛△4四角▲2八飛と戻っておき、以下後手が△8六歩▲同歩△同飛ならば▲8八飛とぶつけていく順がある。

将棋世界2007年9月号「イメージと読みの将棋観」では、渡辺明は同戦法を子供時代に振り飛車党相手に指していたという。またプロで指すなら振り飛車党相手しかなく、そう簡単に咎められないとしている。一方谷川浩司はこの飛車浮きは悪手であるとしている。なお、プロの実践では▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角で後手側が△8四飛とした例が1987年の順位戦A級で森雞二青野照市に対して採用した1局など、3例あるとするが、いずれも後手が破れている。

△持ち駒 なし
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後手番であると、図3-4のように▲4八玉が先に入るので、△3二金では▲7八玉が入り、△6四飛に悠々と▲6八銀があり、△6六飛は▲同角△同角▲7七桂のあとに△4五角はない。

関連項目

参考文献

  • 大和久彪『奇襲戦法―鬼殺し・石田・捻り飛車・穴熊戦法・金開き』野口書店〈将棋新書〈第10〉〉、1952年。全国書誌番号:52005384 
  • 湯川博士 著、森けい二監修, 週刊将棋編集 編『奇襲大全』毎日コミュニケーションズ〈マイナビ将棋文庫〉、1999年。ISBN 4839901775 
  • 豊川孝弘『パワーアップ戦法塾』NHK出版〈NHK将棋シリーズ〉、2004年。ISBN 4140161221 
  • 島本亮『神戸発 珍戦法で行こう』毎日コミュニケーションズ〈MYCOM将棋ブックス〉、2006年。ISBN 4839921571 
  • 鈴木輝彦『将棋戦法小辞典』木本書店、1992年。