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「4四歩パックマン」の版間の差分

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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
*湯川博士、[[森けい二|森雞二]]『奇襲大全』毎日コミュニケーションズ、1999年 ISBN 978-4-8399-0177-6
*湯川博士、[[森雞二]]『奇襲大全』毎日コミュニケーションズ、1999年 ISBN 978-4-8399-0177-6
*週刊将棋編『我が道を行く定跡の裏街道』毎日コミュニケーションズ、2004年 ISBN 978-4-8399-1641-1
*週刊将棋編『我が道を行く定跡の裏街道』毎日コミュニケーションズ、2004年 ISBN 978-4-8399-1641-1



2020年7月16日 (木) 23:07時点における版

将棋 > 将棋の戦法 > 奇襲戦法 > 4四歩パックマン
△持駒 なし
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4四歩パックマン(よんよんふパックマン)[1]将棋戦法のひとつ。後手が用いる奇襲戦法であり、先手の初手▲7六歩に対して、△4四歩(第1図)とする戦法をいう。この歩は無条件に取れるように見えるが、取ってしまうと非常に激しい戦いに突入し、双方とも油断すると一気に敗勢に陥る局面となる。

概要

将棋の入門書にときどき紹介される。変化が豊富であり、手順中に気付きにくい好手もあるため、研究していない相手には奇襲が成功する公算が大きい。先手としては、挑発に乗らずに▲4六歩または▲2六歩とすれば、普通の駒組みが予想されるが、プロの意見では▲4四同角と取って先手が有利である[2]

第1図以下、▲4四同角とすれば、△4二飛▲5三角成までは必然である。ここで、単に△4七飛成とするのは、▲6三馬(桂取り)△7二銀▲3六馬で局面をおさめてしまえば、歩得で先手が指しやすくなる。そこで、△4七飛成に代えて△3四歩が狙いの一手である。ここは先手の手が広いところであるが、以下▲4二馬△同銀と清算してから▲8八銀(第2図)と守る変化と、単に▲8八銀(第6図)とする変化を見る。

プロの実戦としては、上述の定型の駒組ではないが1筋の端歩を突き合った上で△3二銀も入った形が現れており、2020年に山崎隆之が棋聖戦予選で久保利明(ただし先後逆)、NHK杯本選で西川和宏相手に採用し、どちらも勝利を収めている。なお、棋聖戦予選では「4四歩」(先後逆であったため、実際は「6六歩」)は取られなかったため、「4四歩」が取られて力戦となった例はNHK杯の1戦のみである。

変化その1

第2図からは、△9五角が後手の勝負手となる。この王手に対し、▲6八金や▲4八玉は飛車の横利きが無くなって、△8八角成と銀を取られる。▲7七銀と上がるのも、△7七同角右成▲同桂△同角成▲6八金△9九馬(第3図)となっては後手勝勢である。

△持駒 角
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△持駒 銀桂香
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よって、△9五角には▲7七飛と打つのが最強の受けである。これに対し、すぐに△7七同角右成▲同銀と清算するのでは大したことがないので、△3三桂(第4図)と力をためる。ここで▲9六歩と催促するのは、△7七角成▲同銀△4五桂▲4八銀△7七角成▲同桂△8九飛▲7八角△9九飛成(第5図)と進み、後手優勢となる。よって、第4図では▲6八玉と体勢を整えておくべきで、これなら先手も指せる。

△持駒 なし
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△持駒 銀香
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変化その2

戻って、単に▲8八銀と上がった第6図からの変化を見る。後手は△4七飛成と成り込む。ここでの先手の手も広いが、▲7七銀では△5七龍(王手馬取り)▲5八飛△5六歩と食い付かれる。▲6三馬では△7二銀▲3六馬△5八歩▲同金右△3六龍▲同歩△8八角成(第7図)と進んで後手勝勢。

△持駒 なし
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△持駒 角銀
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よって、△4七飛成に対しては、馬を安定させる▲7五馬が有力な手である。後手の継続手段としては、馬を浮かせるための△7四歩があり、▲6五馬の両取りで困るように見えるが、△5八歩▲同金右△4五龍▲2一馬△8八角成▲4三桂(第8図)と進んで形勢不明。以下、一例として△6二玉▲3一桂成△5二金左▲4八飛△同龍▲同金△9九馬(第9図)が考えられる。

△持駒 銀
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△持駒 飛銀香
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脚注

  1. ^ カタカナでの「パックマン」という表現はタカラトミー(第1424717号)、バンダイナムコエンターテインメント(第1766151号)などから商標を登録されているので、2016年8月7日に放送した将棋フォーカスでは「4四歩パックリ」と紹介されたことがある。
  2. ^ 将棋世界』2007年6月号「イメージと読みの将棋観」pp. 84 - 85。羽生善治佐藤康光森内俊之谷川浩司渡辺明藤井猛の六棋士の意見は、▲4四同角と取って先手が有利ということで一致した。六棋士の先手勝率のイメージは、60パーセントから80パーセントまでと幅がある。プロの公式戦では▲7六歩△4四歩の出だしは一例もない。

参考文献