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「日本の国立公園」の版間の差分

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2020年7月13日 (月) 20:22時点における版

日本の国立公園(にほんのこくりつこうえん)では、日本における国立公園について記述する。

日本における狭義の国立公園は、自然公園法に基づき、日本を代表する自然の風景地を保護し利用の促進を図る目的で、環境大臣が指定する自然公園の一種である。国定公園都道府県に管理を委託されるのに対し、国立公園は国(環境省)自らが管理する。日本の国立公園の面積の約60%が国有地である[1]

歴史

日本では1931年自然公園法の前身である国立公園法が施行され、1934年3月16日に瀬戸内海国立公園、雲仙国立公園、霧島国立公園の3か所が最初の指定を受けた。第二次世界大戦前の台湾朝鮮半島でも国立公園指定の動きがあり、実際、1937年12月27日に台湾の大屯山新高阿里山次高タロコの3箇所が日本の国立公園に設定された経緯がある。 下記の一覧表に記載された通り、1934年12月4日に5箇所、1936年に3箇所、1946年に2箇所、1949年に2箇所、1950年に2箇所、1955年に2箇所、1957年国立公園法が全面的に改定されて自然公園法が制定されるまでに合計19箇所(台湾を除く)が指定された。

2017年3月7日までに37箇所の国立公園が指定されてきたが、前記の台湾の3箇所の国立公園が日本の統治権放棄により消滅したために、現在は34箇所の国立公園が存在している。

最近の動向

2007年8月1日、西表国立公園の区域を拡大して沖縄県石垣島の一部を編入し、同国立公園の名称を西表石垣国立公園に変更した。これは、1964年富士箱根伊豆国立公園以来43年ぶりの大規模な拡張である。この拡張により、新空港問題などで有名となった白保地区等が海中公園地区に指定され、同国立公園の海中公園の面積は日本の国立公園中で最大となった。

また、同年8月30日に日光国立公園から尾瀬地域を分離し、周囲を新たに編入する形で尾瀬国立公園が新設された。これは釧路湿原国立公園以来20年ぶりの国立公園の新設である。

2010年11月、環境省は霧島屋久国立公園を霧島地域と屋久島地域に分割して別々の国立公園とする方針を決め[2]2011年12月22日には同省の中央環境審議会自然環境部会が答申した[3]。霧島地域は従来の霧島山錦江湾地域に加えて姶良カルデラ地域を加え「霧島錦江湾国立公園」と名称を変更し、独立する屋久島地域は屋久島国立公園となる。2012年3月16日、正式に両国立公園が指定されて『官報』への公示が行われ、両国立公園が発足した。

2011年5月、環境省は東日本大震災からの復興支援と震災の様子を後世に伝えることを目的に、陸中海岸国立公園と南三陸金華山国定公園に1つの青森県立自然公園種差海岸階上岳県立自然公園)、3つの宮城県立自然公園(県立自然公園気仙沼、硯上山万石浦県立自然公園、県立自然公園松島)を加えて(仮称)三陸復興国立公園に再編する構想を明らかにした[4]。2013年5月24日に、ひとまず、青森県の種差海岸階上岳県立自然公園を編入して三陸復興国立公園に改称した。

2014年3月5日、沖縄県の慶良間諸島周辺が沖縄海岸国定公園から削除されるとともに新たに区域を指定され、新設の慶良間諸島国立公園となった。国立公園の新規指定は屋久島国立公園以来であるが、屋久島国立公園やその前に指定された尾瀬国立公園はその多くの地域が既に既存国立公園に指定されており、事実上の分離指定である。完全な新設国立公園の誕生は釧路湿原国立公園(1987年)以来27年ぶりとなる。

2015年3月27日、上信越高原国立公園のうち、新潟県長野県県境に位置する、妙高山を代表とする妙高火山群と、戸隠山を代表とする戸隠連峰などを分離する形で、妙高戸隠連山国立公園が新設された。

2015年3月31日、かねてから予定されていた南三陸金華山国定公園の三陸復興国立公園への編入が行われた。これにより三陸復興国立公園は青森県から牡鹿半島(宮城県)の先まで広がることになった。

2016年3月23日、環境省は西表石垣国立公園の西表地域を西表島全域に広げ、イリオモテヤマネコの保護の強化につなげることを決定した。3月には『官報』告示の見込みである。引き続き2016年2月27日、環境省は沖縄本島北部の山原(やんばる)地域を国立公園に指定する方針を明らかにした。そして2016年9月15日、やんばる国立公園の名称で国立公園に指定された[5]奄美大島徳之島、西表島、そしてやんばるを含む4地域を世界自然遺産奄美・琉球」の推薦地域として登録を後押ししたい考えである[6]

2017年3月7日、環境省は奄美群島国立公園を指定した[7]

国立公園の区分

日本の国立公園・国定公園の保護区分は、大きく分けて次の4つがある。

  • 普通地域
    • 制限は最小限だが、基準を超える工作物の建築、広告の表示、土石の採取、地形の変更などには届出が必要。
  • 特別地域
    • 風致の維持に重要な地域が指定され、その重要度により第一種から第三種までの区分がある。
      普通地域で届出が必要な行為に加え、指定動植物の採取や損傷、建物の色の塗り替え、自動車や船の乗り入れなどに「許可」が必要になる。また、本来の生息地でない動物を放すこと、本来の生育地でない植物を植栽したり、その種子をまくことにも「許可」が必要になる。
  • 特別保護地区
    • 特別地域内でも特に重要な地区。特別地域で許可が必要な行為に加え、全ての動植物の捕獲・採取(落葉や枯れ枝も含む)・損傷をすること、植物を植栽し、またはその種子をまくこと、動物を放つこと(家畜放牧を含む)、焚き火をすることなどに許可が必要となる。ただし学術目的や地域住民の生活に必要な行為・各自治体等でなければ許可されることはほとんどなく、実質的に「禁止」と考えてよい。また、これらの地域では盗掘を防ぐため、植生などのマップの公開を禁止される場合や立ち入りが一部禁止される場合もある。
  • 海域公園地区
    • 海域の地形や生物の景観の優れた場所で、指定動植物の採取、地形変更、汚水の排出などに許可が必要。1970年の自然公園法改正で「海中公園」として誕生し、2010年に「海域公園」と改正された。

日本の国立公園一覧

現存する国立公園

一覧
国立公園名 都道府県 指定日 管轄する地方環境事務所 備考
阿寒摩周国立公園 北海道 1934年12月4日 北海道 2017年8月8日付で阿寒国立公園より改称[8]
大雪山国立公園 1934年12月4日
支笏洞爺国立公園 1949年5月16日
知床国立公園 1964年6月1日
利尻礼文サロベツ国立公園 1974年9月20日 利尻礼文国定公園から昇格
釧路湿原国立公園 1987年7月31日
十和田八幡平国立公園 青森県岩手県秋田県 1936年2月1日 東北 指定時は十和田国立公園、後に改称
磐梯朝日国立公園 山形県福島県新潟県 1950年9月5日
三陸復興国立公園 青森県、岩手県、宮城県 1955年5月2日 指定時は陸中海岸国立公園、2013年5月24日に青森県部分を追加して改称
日光国立公園 福島県、栃木県群馬県 1934年12月4日 関東
富士箱根伊豆国立公園 東京都神奈川県山梨県静岡県 1936年2月1日 指定時は富士箱根国立公園、後に改称
秩父多摩甲斐国立公園 埼玉県、東京都、山梨県、長野県 1950年12月4日 指定時は秩父多摩国立公園、後に改称
南アルプス国立公園 山梨県、長野県、静岡県 1964年6月1日
小笠原国立公園 東京都 1972年10月16日
尾瀬国立公園 福島県、栃木県、群馬県、新潟県 2007年8月30日 日光国立公園から尾瀬地域を分離
中部山岳国立公園 新潟県、富山県、長野県、岐阜県 1934年12月4日 中部
伊勢志摩国立公園 三重県 1946年11月20日
上信越高原国立公園 群馬県、新潟県、長野県 1949年9月7日
白山国立公園 富山県石川県福井県、岐阜県 1962年11月12日 白山国定公園から昇格
妙高戸隠連山国立公園 新潟県、長野県 2015年3月27日 上信越高原国立公園から分離
吉野熊野国立公園 三重県、奈良県和歌山県 1936年2月1日 近畿
山陰海岸国立公園 京都府兵庫県鳥取県 1963年7月15日 山陰海岸国定公園から昇格
大山隠岐国立公園 鳥取県、島根県岡山県 1936年2月1日 中国四国 指定時大山国立公園、後に改称
足摺宇和海国立公園 愛媛県高知県 1972年11月10日 足摺国定公園から昇格
雲仙天草国立公園 長崎県熊本県鹿児島県 1934年3月16日 九州 指定時雲仙国立公園、後に改称
霧島錦江湾国立公園 宮崎県、鹿児島県 1934年3月16日 指定時霧島国立公園、後に「霧島屋久国立公園」、2012年3月16日に屋久島国立公園を分離して改称
阿蘇くじゅう国立公園 熊本県、大分県 1934年12月4日 指定時阿蘇国立公園、後に改称
西海国立公園 長崎県 1955年3月16日
屋久島国立公園 鹿児島県 2012年3月16日 霧島屋久国立公園から屋久島地域を分離
奄美群島国立公園 2017年3月7日
西表石垣国立公園 沖縄県 1972年5月15日 西表政府立公園を移管。指定時西表国立公園、後に改称
慶良間諸島国立公園 2014年3月5日[9] 沖縄海岸国定公園から慶良間諸島地域を分離して国立公園に昇格
やんばる国立公園 2016年9月15日[10] 沖縄海岸国定公園から慶良間諸島地域を分離した残存区域から、さらに山原区域北部の森林・海岸地帯を分離して国立公園に昇格。日米両政府が一部返還に合意した北部訓練場は含まれておらず、返還後に扱いを検討する[10]
瀬戸内海国立公園 大阪府、兵庫県、和歌山県、岡山県、広島県山口県徳島県香川県愛媛県福岡県、大分県 1934年3月16日 共同管理(近畿、中国四国、九州)
特徴
国立公園名 特徴(環境省HPより引用[11] 主な名所 写真
阿寒摩周 二つの巨大な複式火山地形、火山と森と湖の原始的景観 阿寒湖雄阿寒岳雌阿寒岳屈斜路湖摩周湖アトサヌプリ
摩周湖
大雪山 日本最大の原始的国立公園 旭岳十勝岳トムラウシ山富良野岳層雲峡
冬の大雪山
支笏洞爺 様々な型式の火山及び火山地形、火山現象 支笏湖樽前山恵庭岳定山渓洞爺湖有珠山昭和新山倶多楽湖羊蹄山登別温泉
洞爺湖と昭和新山
知床 原始的半島景観 知床岬知床五湖知床八景羅臼岳
知床五湖(一湖と五連山)
利尻礼文サロベツ 火山、海蝕景観及び湿原、沼沢、砂丘景観 利尻島利尻山礼文島礼文岳サロベツ原野
サロベツ原野の花園と利尻山
釧路湿原 日本最大の湿原、ラムサール条約登録湿地 釧路湿原
釧路湿原タンチョウヅル
十和田八幡平 湖水美の典型、火山性高原と温泉 十和田湖奥入瀬渓流八甲田山酸ヶ湯温泉岩手山八幡平乳頭山秋田駒ケ岳乳頭温泉
十和田湖畔
磐梯朝日 爆裂式火山と火山性湖沼群、山岳宗教 出羽三山朝日連峰飯豊連峰磐梯山磐梯高原五色沼吾妻山安達太良山猪苗代湖
五色沼の毘沙門沼と磐梯山
三陸復興 日本最大級の海食崖とリアス海岸 三陸海岸:)蕪島種差海岸北山崎鵜ノ巣断崖浄土ヶ浜三貫島碁石海岸高田松原巨釜半造江島金華山
浄土ヶ浜
日光 日本式風景の典型、東照宮等の人文景観 日光白根山男体山那須岳日光東照宮鬼怒沼那須平成の森
男体山と二荒山神社鳥居
富士箱根伊豆 火山景観、火山性湖沼、温泉群、火山列島 富士山富士五湖青木ヶ原白糸ノ滝箱根山芦ノ湖箱根温泉天城山達磨山大室山城ヶ崎海岸伊豆諸島伊豆大島から八丈島まで)
三保の松原と富士山
秩父多摩甲斐 代表的水成岩山地と原生林 金峰山瑞牆山大菩薩嶺雲取山三峰山御岳山西沢渓谷と東沢渓谷御岳昇仙峡
瑞牆山
南アルプス 日本最高標高の構造山地、アルプス的景観 赤石山脈=南アルプス)甲斐駒ケ岳仙丈ヶ岳北岳間ノ岳農鳥岳塩見岳荒川岳赤石岳聖岳
赤石山脈
小笠原 海底火山脈に属する火山列島の島嶼及び海蝕崖景観、亜熱帯地域の海洋島
父島の小湊海岸・コペペ海岸
尾瀬 本州最大の高層湿原と山岳景観 尾瀬ヶ原尾瀬沼大江湿原燧ケ岳至仏山会津駒ケ岳三条の滝
尾瀬ヶ原と至仏山
中部山岳 構造山地のアルプス的景観、渓谷美 白馬岳鹿島槍ヶ岳立山剱岳薬師岳槍ヶ岳穂高岳焼岳乗鞍岳五色ヶ原上高地乗鞍高原白骨温泉黒部峡谷
白馬岳と秋の白馬大雪渓
伊勢志摩 沈降と隆起を繰り返し形成されたリアス式海岸や海蝕崖、伊勢神宮とその背後に広がる宮域林 二見浦鳥羽湾的矢湾英虞湾五ヶ所湾伊勢神宮宮域林神路山島路山高倉山
英虞湾の日の出
上信越高原 火山性高原、構造山地のアルプス的景観、温泉群 谷川岳苗場山岩菅山志賀高原草津白根山浅間山菅平高原草津温泉四万温泉野沢温泉
晩秋の谷川]
白山 自然性の高い火山孤峰、信仰と伝説で古来有名な名山、白山神社の本体 白山白山比め神社奥宮両白山地
白山
妙高戸隠連山 火山非火山が密集する山岳景観 妙高山黒姫山飯縄山戸隠山新潟焼山野尻湖雨飾山赤倉温泉
野尻湖と山々
吉野熊野 水成岩の山地を深くうがつ峡谷、歴史と伝説、山岳宗教 吉野山大峰山熊野古道大台ヶ原瀞峡瀞八丁七里御浜橋杭岩那智山那智滝那智原始林
北山川の瀞峡
山陰海岸 鳥取砂丘を含む日本海側の海岸を代表する景観 久美浜湾城崎温泉玄武洞竹野海岸香住海岸浦富海岸鳥取砂丘
竹野海岸の竹野浜
大山隠岐 中国地方の最高峰、歴史と伝説、外海多島海景観並びに半島景観 大山蒜山蒜山高原三徳山国賀海岸白島海岸浄土ヶ浦地蔵崎加賀の潜戸日御碕三瓶山
白島海岸(隠岐の島町
足摺宇和海 隆起海岸の断崖景観、沈降海岸の海蝕景観 足摺岬白山洞門竜串海岸大堂海岸滑床渓谷宇和海柏島日振島
大堂海岸、柏島と沖の島
雲仙天草 雲仙岳の山岳景観と温泉切支丹遺跡、内海多島海景観 雲仙岳雲仙温泉九十九島天草松島妙見浦羊角湾本渡城富岡城
雲仙温泉・雲仙地獄と雲仙岳
霧島錦江湾 集成火山景観、海域カルデラの錦江湾と活火山桜島の景観 霧島山高千穂峰えびの高原霧島温泉錦江湾桜島開聞岳池田湖鰻池知林ヶ島佐田岬
桜島と噴煙
阿蘇くじゅう カルデラ景観、草原 阿蘇山久住高原九重山飯田高原由布岳鶴見岳城島高原
阿蘇カルデラと阿蘇山
西海 外海多島海景観、切支丹遺跡 九十九島烏帽子岳弓張岳黒子島阿値賀島平戸島生月島五島列島
九十九島南部
屋久島 九州地方の最高峰、顕著な標高差による植生の垂直分布、巨樹が形成する原生的自然景観、多雨な気候 屋久島口永良部島
屋久島の白谷雲水峡
奄美群島 アマミノクロウサギなど希少な動植物が生息、世界北限のサンゴ礁も広がり、波の浸食でできた石灰岩の崖やマングローブ林がある[12] 奄美大島喜界島徳之島沖永良部島与論島
住用地区のマングローブ原生林
西表石垣 亜熱帯常緑広葉樹林と日本最大のサンゴ礁景観、マングローブ林 西表島石西礁湖名蔵アンパル於茂登岳川平湾白保
川平湾
慶良間諸島 海域の多様な生態系、透明度の高い海域、海から陸まで連続した多様な景観
座間味島の古座間味ビーチ
やんばる 亜熱帯・照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナオキナワトゲネズミノグチゲラなど希少な動物が棲息している[10]
やんばるの森
瀬戸内海 世界的な多島海公園、歴史と伝統 六甲山地御崎坂越生島家島諸島淡路島友ヶ島和歌浦雑賀崎日生諸島牛窓鷲羽山渋川海岸芸予諸島厳島神社倉橋島室積海岸虹ヶ浜海岸鳴門海峡小豆島屋島塩飽諸島五色台琴弾公園金刀比羅宮芸予諸島大山祇神社佐田岬両子山高崎山
日生諸島

日本統治時代の台湾にかつて存在した国立公園

国立公園の利用

国立公園は、その地域の自然や景観などの保護だけでなく、「その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資する」ことをも目的としている(自然公園法1条)。現実にも、自然が豊かな国立公園内には多くの旅行者が訪れ、観光産業は地元や日本全体にとって重要になっている。また自然保護に対する国民の理解を得るためもあり、環境省は国立公園をナショナルパークとしてブランド化し、特に訪日外国人観光客に国立公園をもっと訪れてもらう「国立公園満喫プロジェクト」を開始。まずは阿寒から慶良間諸島までの8カ所について「国立公園ステップアッププログラム2020」を適用し、廃屋撤去などの景観改善などに取り組む[13][14]

環境省は2017年7月、国立公園の統一マークを制定した[15]

国立公園は自然公園法に基づき環境省が整備を進め、公園内に公園利用拠点である集団施設地区を指定し、国民休暇村や、環境に配慮したハイキングコースや自然遊歩道、自然観察などを目的としたビジターセンター、エコミュージアムセンター、キャンプ場などが整備されている。公園内の特別保護地区との規制とメリハリをつけ、国立公園の保護と利用の調整が行われている。これらを観光資源とし、公園地区外に宿泊施設などを整備することにより、観光地として整備されている場合が多い。

新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言に伴う自粛要請で疲弊した経済復興対策として、2020年4月30日に成立した補正予算の中に、環境省が国立公園でのワーケーションを推進する予算を盛り込んだ[16]

なお、一部の国立公園の特別保護地区の中には、宮内庁神宮司庁が管理する区域がある。これらの多くは神域として管理されているものであり、管理者もしくはそれらから委託された者以外の入山などの立ち入り行為自体が禁止され、事実上、環境省の特別保護地区同様の規制が加えられている。また、その周囲のほとんどは環境省によって保護されている。

脚注

  1. ^ ようこそ国立公園へArchived 2012年10月24日, at the Wayback Machine.(環境省)
  2. ^ 「霧島」「屋久島」を分割へ=国立公園、計30に―環境省[リンク切れ]朝日新聞
  3. ^ 「世界遺産の屋久島「独立」へ 霧島屋久国立公園から[リンク切れ]『朝日新聞』
  4. ^ 「三陸復興国立公園」を構想 沿岸6自然公園再編へ[リンク切れ]岩手日報
  5. ^ “やんばる国立公園が誕生”. 沖縄タイムス: p. 1. (2016年9月16日) 
  6. ^ 知花徳知; 下地広也 (2016年9月15日). “多様性育む命の森 「やんばる国立公園」誕生へ”. 『沖縄タイムス』: p. 15 
  7. ^ 「奄美群島国立公園」が誕生ロイター
  8. ^ 平成29年環境省告示第61号「阿寒国立公園の公園区域を変更する件」『官報』(平成29年8月8日 第7077号)p.5
  9. ^ 「慶良間諸島国立公園が誕生 きょう指定」『沖縄タイムス』2014年3月5日付(同日閲覧)
  10. ^ a b c 「やんばる国立公園」誕生 沖縄北部、希少生物の宝庫朝日新聞デジタル(2016年9月15日)2020年6月14日閲覧
  11. ^ 自然保護各種データ 国立公園の概要」環境省(2015年3月31日付)2015年7月19日閲覧
  12. ^ 「奄美群島国立公園」が誕生ロイター
  13. ^ 国立公園満喫プロジェクト”. 環境省ホームページ. 2017年7月31日閲覧。
  14. ^ 国立公園整備に本腰/廃屋撤去しイメージ改善”. 『読売新聞』朝刊2017年7月24日(環境面). 2017年7月31日閲覧。
  15. ^ 国立公園のブランド強化に向けた統一マーク等の発表について”. 環境省・報道発表資料(2017年7月25日). 2017年7月31日閲覧。
  16. ^ 「低感染リスクの国立公園でワーケーション 環境省が促進、ツアー企画に助成金」トラベルジャーナル 2020年5月4日

外部リンク