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[[画像:Diode type thermometer.jpg|thumb|ダイオード温度計]]
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定電流ダイオードとダイオードを利用しソースコードはPythonで記述した例。
定電流ダイオードとダイオードを利用しソースコードはPythonで記述した例。
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from microbit import *
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display.scroll("{:.0f}".format(y))
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== 語源 ==
== 語源 ==

2020年7月5日 (日) 22:40時点における版

寒暖計(アルコール式温度計)
赤外放射温度計

温度計(おんどけい)は温度を測定する計器である。温度変化に伴う物性の変化等の物理現象を利用して温度を測定する。一般的に温度を計るものは温度計と呼ばれるが、特定の用途に応じた名前を持つものもある(体温計等)。

使用方法

温度を良好な状態で測定するには周囲から伝熱の影響を少なくし、温度計を測定対象と熱的に平衡状態に近づける。

ガラス製温度計

浸没線に従い部分浸没をする。無い場合は指示値まで測定対象に挿入し全浸没をおこなう。

熱電対・測温抵抗体

液体測定の場合:保護管外径の5 - 10倍を測定対象に挿入する。

気体測定場合:保護管外径の10 - 20倍を挿入する。

数値は目安であり、メーカの取扱説明書に従い設置する。

デジタル温度計

ここではダイオード熱電対を利用例としてあげる。ダイオードは定電流を流すと温度依存のある順方向電圧として使うことができる。順方向電圧を冷接点温度になおしNISTの換算表で電圧Vcjにする。次にK熱電対の電圧Vtcを測定しVtcとVcjを足す。Vsum = Vtc + VcjをNISTの換算表で温度に戻すことで熱電対を温度計として利用することができる。電圧は電圧計や温度センサー用ADCを使って測定し計算は手計算やマイコンなどを利用する。

  • NIST ITS-90 Thermocouple Database (換算表)
ダイオード温度計

定電流ダイオードとダイオードを利用しソースコードはPythonで記述した例。

from microbit import *

while True:
    x = pin0.read_analog()
    a = -1.03
    b = 202
    y = a * x + b
    display.scroll("{:.0f}".format(y))
    sleep(500)

語源

J.ルレション(Jean Leuréchon、1591年頃 - 1670年)が、1626年に“thermomètre”という言葉を使っており、これが英語に翻訳されたのが語源といわれている。

日本では古くは寒暖昇降、寒暖昇降器、験温儀、列氏験器、験温管、験温器、験温子、験温表、寒暑鍼、寒暑針、寒暑表などと訳され[1][2]、1880年代から福沢諭吉物理学に関する著書で採用されたのをきっかけに「寒暖計」[† 1]という訳が定着したが、第二次世界大戦中に「寒暖計は正確には温度を測定する器具である」という理由から「温度計」と訳されるようになった[3]

種類

一次温度計と二次温度計

温度計は大きく分けて一次温度計と二次温度計に分類される。

一次温度計とは、熱力学温度と直接対応する物理量を測定することで温度が決定される温度計のことであり、温度標準の決定に用いられる。例えば、理想気体の状態方程式 pV=nRTにおいて圧力と体積、物質量が求められれば温度は一意に決定される。一次温度計の特徴として、このように物理量の定義から温度が導かれるので校正という概念がない点にある。温度標準(温度目盛)は国際的な取り決めとして温度域ごとに定義式が定められている。

それに対して二次温度計とは温度との対応が明確に関連付けられた別の量、電気抵抗値や液柱の高さ、出力される電圧などを測定することで温度を求める温度計を指す。一般に流通しているほとんどの温度計はこの二次温度計に分類される。二次温度計は一次温度計で決定された温度を基準に温度計に値を付ける校正作業が必要である。

一次温度計を用いて熱力学温度を決定する作業は専門的な設備が備わる研究施設で行われる。そこで温度標準が決定され、それを基準に二次温度計が校正される。

測定原理の違いによる分類

そのほか、簡易な温度計として、温度に応じて色付きの数字が液晶で表示される温度計がある(サーモテープを参照)。

歴史

ガリレオ温度計

温度計の歴史の初期においては、それぞれの温度計で目盛りが異なっていた。

特定の用途に用いる温度計

体温計

気象観測に用いられる温度計

日本では、気象業務法及びその下位法令により、公共的な気象観測には、検定に合格したガラス製温度計(液柱温度計に同じ)、金属製温度計(バイメタル式温度計に同じ)又は電気式温度計(白金抵抗体温度計に同じ)を用いることとされている。

これらは、-50(ガラス製温度計は-30℃でも可)〜50℃において所定の性能を発揮しなければならない。

ガラス製温度計

ガラス製温度計の感温液としては、公的な観測用としては主に純水銀が使われ、一般の用途には赤色に着色した灯油などが用いられる[4]。後者の液の組成としては、ペンタンの異性体やその混合物、ないしトルエンが推奨されている(日本規格協会 1997, §6.c)。特殊な構造のものとしては

  • 二重管温度計:通常の温度計の毛細管及び目盛板を、さらにガラス管に封入して保護したもの
  • 最高温度計:毛細管に感温液の球部への逆流を防止する留点があり、最高温度到達後に温度が下がっても示度を保持するもの(構造的には水銀式体温計に同じ)
  • 最低温度計:水平な毛細管中に感温液の収縮には引き込まれるが逆には動かない指標が置かれており、最低温度到達後に温度が上がっても指標が示度を保持するもの

がある。なお、毛細管に用いられるガラス管は、気象観測に用いることができるほどの精度と経時安定性とを有するものが日本では製造できず、ドイツからの輸入に頼っている。

温度目盛りについては全漬没温度計と漬没線付温度計がある。漬没線付温度計は漬没線以下が測定対象と等温であり、線以上が室温(20℃)であることが前提であり全漬没温度計は球部から液柱先端までが測定対象と等温であることが前提である。前提と異なる測定方法をすると赤液温度計では約5℃近くの補正が必要になる場合がある[5]

金属製温度計

金属製温度計は、感部にバイメタルを用い、その温度変化に伴う変形を指針の動きに変換することによって温度を測定するものである。バイメタルの材料としては主にアンバー黄銅との組合せが使われる。構造が簡単で安価なため、家庭用としても普及している。

指針と目盛板によって気温を直接表示するもののほか、指針の代わりに記録ペンを駆動し、ゼンマイなどの動力で回転するドラムに巻かれた記録紙に温度の時系列を自動的に記録する自記式のものもよく使われる。

使用にあたっては、ガラス製温度計による校正が必要である。

許容される器差は、1.0℃である。

電気式温度計

電気式温度計は、白金の温度による電気抵抗の変化を検出することによって温度を測定するものである。自動・遠隔観測に適するため、現在、気象庁をはじめとする多くの機関で主力となっている。感部に用いられる白金線(抵抗体)は、0℃において抵抗値100オームの「Pt100」規格のものと定められている(同条件で抵抗値50オームの「Pt50」を用いる国もある)。

許容される器差は、0.5℃(感部のみについて0.3℃)である。

電気式温度計には、温度によって誘電率の変化する感温体を誘電体に用いたコンデンサの容量の変化を検出する方式のものもあるが、小型軽量な反面、耐久性や測定精度にやや難があるとされ、現在は、使い捨てが前提のラジオゾンデ用としてのみ認められている(許容される器差は0.5又は1℃(測定範囲により異なる))。

家庭用・教材用としてはサーミスタを用いた簡易な製品もあるが、特に常時観測に使用する場合、通電に伴う自己発熱による誤差を生じやすく、耐久性も実証されていないことから、公共的な気象観測には用いられない。

脚注

注釈

  1. ^ 初出は1843年天保14年)『武江年表[2]

出典

  1. ^ 温度計(読み)おんどけい(英語表記)thermometer コトバンク、2019年7月20日閲覧
  2. ^ a b c 高橋 1976, p. 31.
  3. ^ 高橋 1976, p. 32.
  4. ^ 市川真史 (2002-07-10), “特別展「はかる」特集”, とやまと自然 (富山市科学文化センター) 25 (2): p. 6, http://www.tsm.toyama.toyama.jp/public/nature/scan/nature-098i.html 2009年8月17日閲覧。 
  5. ^ ガラス温度計の正しい使い方” (PDF). 日本硝子計量器工業協同組合. 2009年8月17日閲覧。

参考文献

  • 日本規格協会 編「一般用ガラス製棒状温度計」『日本工業規格』1997年。JIS B 7411:1997http://www.jisc.go.jp 
  • 橋本毅彦梶雅範廣野喜幸監訳『科学大博物館 - 装置・器具の歴史事典』朝倉書店、2005年3月。ISBN 4-254-10186-4 
  • ジノ・セグレ 著、桜井邦朋 訳『温度から見た宇宙・物質・生命 : ビッグバンから絶対零度の世界まで』講談社ブルーバックス〉、2004年10月。ISBN 4-06-257442-X 
  • 高橋浩一郎『気象を見る眼』共立出版〈科学ブックス21〉、1976年。ISBN 978-4-320-00678-2 

関連項目