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'''溝口 雄三'''(みぞぐち ゆうぞう、[[1932年]]([[昭和]]7年)[[7月30日]] - [[2010年]]([[平成]]22年)[[7月13日]] )は、[[日本]]の[[中国学]]者・[[思想史家]]・[[中国哲学|中国思想史]][[研究者]]。専門は、[[明]]末[[清]]初の思想史([[宋明理学]])・[[精神史]]([[近代化]]論)。[[東京大学]]・[[大東文化大学]]・[[中国社会科学院]]名誉教授<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.iwanami.co.jp/book/b260292.html|title=『異と同のあいだ』著者略歴|accessdate=2020年5月8日|publisher=[[岩波書店]]Webサイト}}</ref>。


== 歴 ==
== 歴 ==
;出生から修学期
* [[1958年]](昭和33年) - [[東京大学文学部]]中国文学科卒業
1932年、[[愛知県]][[名古屋市]]で生まれた。[[東京大学大学院人文社会系研究科・文学部|東京大学文学部]]中国文学科で学び、1958年に卒業。卒業後は、郷里の名古屋に戻って一時的に家業を継ぎ、その活躍ぶりは新聞に掲載されるほどの業績であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.iwanami.co.jp/book/b260292.html|title=『異と同のあいだ』編者からのメッセージ|accessdate=2020年5月8日|publisher=[[岩波書店]]Webサイト|author=[[伊東貴之]]}}</ref>{{Full citation needed|date=2020年5月}}。
* [[名古屋大学]][[大学院]]文学研究科中国文学専攻[[修士課程]]修了
*東京大学文学部中国文学研究室助手。
* [[埼玉大学]][[教養学部]][[助教授]]
* 埼玉大学教養学部[[教授]]
* [[1978年]](昭和53年)- [[一橋大学社会学部]]教授
* [[1981年]](昭和56年) - 東京大学文学部中国哲学科教授
* [[1993年]](平成5年) - [[定年]] [[大東文化大学]]文学部教授


その後[[名古屋大学大学院人文学研究科・文学部|名古屋大学大学院文学研究科]]中国文学専攻に入学し、[[入矢義高]]に師事。同大学大学院[[大学院#修士課程・博士前期課程|修士課程]]を修了。
== 著書 ==
*『中国前近代思想の屈折と展開』東京大学出版会, 1980
*『中国の人と思想10 [[李卓吾]]』集英社, 1985
*『方法としての中国』東京大学出版会, 1989
*『中国の思想』放送大学教育振興会, 1991
*『中国の公と私』研文出版, 1995
*『公私 一語の辞典』三省堂, 1996
*『中国の衝撃』東京大学出版会, 2004
*『〈中国思想〉再発見』左右社, 2010(放送大学叢書)
*『中国思想のエッセンスⅠ 異と同のあいだ』岩波書店, 2011
*『中国思想のエッセンスⅡ 東往西来』同上。[[伊東貴之]]解説


;中国思想史研究者として
== 共編著 ==
1967年、[[東京大学文学部]]中国文学研究室助手に採用された。しかし東京大学は[[東大紛争]]の渦中にあり、その中で研究を進めた<ref>{{Cite web|和書|url=http://blog.livedoor.jp/nobukuni_koyasu/archives/35065145.html|title=二つとない交友であったー溝口回想|accessdate=2020年5月8日|publisher=子安宣邦本人のブログ、『東方学』第130輯の掲載文と同内容|author=[[子安宣邦]]}}</ref>。
* 儒教ルネッサンスを考える [[中嶋嶺雄]]共編 大修館書店, 1991
* 中国という視座 伊東貴之・[[村田雄二郎]]共著 平凡社, 1995 (これからの世界史)
* 中国思想文化事典 [[丸山松幸]]・[[池田知久]]共編 東京大学出版会, 2001
* 中国思想史 池田知久・[[小島毅]]共著 東京大学出版会、2007


その後、[[埼玉大学]][[教養学部]]助教授に就いた。その後、同大学教授に昇進。1978年、[[一橋大学大学院社会学研究科・社会学部|一橋大学社会学部]]教授に転じた。1981年、学位論文『中国前近代思想の屈折と展開』を[[九州大学]]に提出して[[博士(文学)|文学博士]]号を取得<ref>1980年度 博士論文『中国前近代思想の屈折と展開』([[hdl:2324/447108|九州大学付属図書館 九大コレクション]])</ref><ref>[https://ci.nii.ac.jp/naid/500002171168 CiNii(学位論文)]</ref>。
== 翻訳 ==

*『続 [[世界の名著]]4 [[朱熹|朱子]] [[王陽明]]』 中央公論社, 1974、中公バックス, 1978。[[荒木見悟]]責任編集
同1981年、[[戸川芳郎]]の招きで東京大学文学部教授となり、中国哲学研究室を担当した。1993年、東京大学を定年退官し、名誉教授となった。その後は[[大東文化大学]]文学部教授として教鞭をとり、退任後は同大学名誉教授となった。2010年に死去。
**王陽明『[[伝習録]]』[[中公クラシックス]], 2005

*『[[朱子語類]] 巻一~三』 [[汲古書院]], 2007。監修・訳注
==研究内容・業績==
専門は[[明]]末[[清]]初の思想史で、[[宋明理学]]や[[精神史]]。[[近代化]]論に関連する著作もある。

== 著作 ==
=== 著書===
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*『中国前近代思想の屈折と展開』[[東京大学出版会]] 1980<ref>出版後、[[荒木見悟]]に勧められ博士論文として提出した。</ref>
*『[[李卓吾]]』(中国の人と思想 10) [[集英社]] 1985
*『方法としての中国』[[東京大学出版会]] 1989
*『中国の思想』[[放送大学教育振興会]] 1991
*『中国の公と私』[[研文出版]] 1995
*『公私:一語の辞典』[[三省堂]] 1996
*『中国の衝撃』東京大学出版会 2004
*『〈中国思想〉再発見』[[左右社]](放送大学叢書) 2010
*『中国思想のエッセンスI 異と同のあいだ』[[岩波書店]] 2011<ref>[[相良亨]]との対談「異と同の瀬踏み 日本・中国の概念比較」(初出: [[岩波書店]]『文学』1987年1月号)を収録</ref>
*『中国思想のエッセンスII 東往西来』[[岩波書店]] 2011<ref>[[伊東貴之]]が解説を担当している。</ref>
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=== 共編著 ===
*『[[儒教]]ルネッサンスを考える』[[中嶋嶺雄]]共編、[[大修館書店]] 1991
*『アジアから考える』(全7巻) [[東京大学出版会]] 1993-1994
*『中国という視座』伊東貴之・[[村田雄二郎]]共著、[[平凡社]](これからの世界史) 1995
*『中国思想文化事典』[[丸山松幸]]・[[池田知久]]共編、東京大学出版会 2001
*『中国思想史』池田知久・[[小島毅]]共著、東京大学出版会 2007

=== 翻訳・校注 ===
*『焚書』[[李卓吾]]著、抄訳
**収録『[[中国古典文学大系]]55 近世随筆集』入矢義高編、平凡社 1971
*『[[伝習録]]』[[王陽明]]著<ref>現代語訳のみ</ref>
**収録『[[朱熹|朱子]]・王陽明』([[世界の名著]] 続4) 中央公論社 1974
**選書化 [[荒木見悟]]責任編集、中公バックス 1978
**改訂版 [[中央公論新社]]([[中公クラシックス]]) 2005
*『[[佐藤一斎]]』([[日本思想大系]] 46) 岩波書店 1980
:「[[言志四録]]」[[相良亨]]共校注
*『[[中江兆民]]全集』(全18巻) [[松永昌三]]・[[松本三之介]]・[[松沢弘陽]]・[[井田進也]]共編、岩波書店 1983-86
:入矢義高・[[島田虔次]]との鼎談が[[月報]]に収録されている<ref>{{Cite journal|和書|author=[[狭間直樹]]|year=2013|title=中江兆民『民約訳解』の歴史的意義について --「近代東アジア文明圈」形成史 : 思想篇 |url=https://hdl.handle.net/2433/246484 |journal=近代東アジアにおける翻訳概念の展開 [[京都大学人文科学研究所]]附属現代中国研究センター研究報告|page=14}}</ref>。
*『[[碧巌録]]』(全3巻) 入矢義高・[[末木文美士]]・伊藤文生共訳注、[[岩波文庫]] 1992-1996
**ワイド版1997
*『[[朱子語類]] 巻一~巻三』監修・訳注、[[汲古書院]] 2007

== 参考文献 ==
*「溝口雄三博士追悼」[[小島毅]]・[[戸川芳郎]]共著,『東方学』121, [[東方学会]], 2011年.
*「座談会 先学を語る 溝口雄三先生」[[岸本美緒]]・小島毅・戸川芳郎・[[葭森健介]]・[[渡邉義浩]]・(紙上参加)[[子安宣邦]], 『東方学』130, 東方学会, 2015年.

== 脚注 ==
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溝口 雄三
人物情報
生誕 (1932-07-30) 1932年7月30日
日本の旗 日本愛知県名古屋市
死没 2010年7月13日(2010-07-13)(77歳没)
出身校 東京大学名古屋大学
学問
研究分野 中国哲学
研究機関 埼玉大学一橋大学東京大学大東文化大学
学位 文学博士
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溝口 雄三(みぞぐち ゆうぞう、1932年昭和7年)7月30日 - 2010年平成22年)7月13日 )は、日本中国学者・思想史家中国思想史研究者。専門は、初の思想史(宋明理学)・精神史近代化論)。東京大学大東文化大学中国社会科学院名誉教授[1]

経歴

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出生から修学期

1932年、愛知県名古屋市で生まれた。東京大学文学部中国文学科で学び、1958年に卒業。卒業後は、郷里の名古屋に戻って一時的に家業を継ぎ、その活躍ぶりは新聞に掲載されるほどの業績であった[2][要文献特定詳細情報]

その後名古屋大学大学院文学研究科中国文学専攻に入学し、入矢義高に師事。同大学大学院修士課程を修了。

中国思想史研究者として

1967年、東京大学文学部中国文学研究室助手に採用された。しかし東京大学は東大紛争の渦中にあり、その中で研究を進めた[3]

その後、埼玉大学教養学部助教授に就いた。その後、同大学教授に昇進。1978年、一橋大学社会学部教授に転じた。1981年、学位論文『中国前近代思想の屈折と展開』を九州大学に提出して文学博士号を取得[4][5]

同1981年、戸川芳郎の招きで東京大学文学部教授となり、中国哲学研究室を担当した。1993年、東京大学を定年退官し、名誉教授となった。その後は大東文化大学文学部教授として教鞭をとり、退任後は同大学名誉教授となった。2010年に死去。

研究内容・業績

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専門は初の思想史で、宋明理学精神史近代化論に関連する著作もある。

著作

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著書

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共編著

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翻訳・校注

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言志四録相良亨共校注
入矢義高・島田虔次との鼎談が月報に収録されている[10]

参考文献

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脚注

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  1. ^ 『異と同のあいだ』著者略歴”. 岩波書店Webサイト. 2020年5月8日閲覧。
  2. ^ 伊東貴之. “『異と同のあいだ』編者からのメッセージ”. 岩波書店Webサイト. 2020年5月8日閲覧。
  3. ^ 子安宣邦. “二つとない交友であったー溝口回想”. 子安宣邦本人のブログ、『東方学』第130輯の掲載文と同内容. 2020年5月8日閲覧。
  4. ^ 1980年度 博士論文『中国前近代思想の屈折と展開』(九州大学付属図書館 九大コレクション
  5. ^ CiNii(学位論文)
  6. ^ 出版後、荒木見悟に勧められ博士論文として提出した。
  7. ^ 相良亨との対談「異と同の瀬踏み 日本・中国の概念比較」(初出: 岩波書店『文学』1987年1月号)を収録
  8. ^ 伊東貴之が解説を担当している。
  9. ^ 現代語訳のみ
  10. ^ 狭間直樹中江兆民『民約訳解』の歴史的意義について --「近代東アジア文明圈」形成史 : 思想篇」『近代東アジアにおける翻訳概念の展開 京都大学人文科学研究所附属現代中国研究センター研究報告』2013年、14頁。