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{{基礎情報 会社
{{基礎情報 会社
|社名 = 株式会社新潮社
| 社名 = 株式会社新潮社
|英文社名 = SHINCHOSHA Publishing Co.,Ltd.
| 英文社名 = SHINCHOSHA Publishing Co.,Ltd.
|ロゴ =
| ロゴ =
|画像 = [[Image:shinchosha_1.jpg|250px]]<br>新潮社本館<br>[[Image:Shinchosha_(annex_1).jpg|250px]]<br>新潮社別館
| 画像 = [[Image:shinchosha_1.jpg|250px]]<br />新潮社本館<br />[[Image:Shinchosha_(annex_1).jpg|250px]]<br />新潮社別館
|画像説明 =
| 画像説明 =
|種類 = [[株式会社]]
| 種類 = [[株式会社 (日本)|株式会社]]
|市場情報 = 非上場
| 市場情報 = <!-- 株式非公開会社において「非上場」などと書く必要はありません -->
|略称 = 新潮
| 略称 = 新潮
|国籍 = {{JPN}}
| 国籍 = {{JPN}}
|郵便番号 = 162-8711
| 本社郵便番号 = 162-8711
|本社所在地 = [[東京都]][[新宿区]][[矢来町]]71<ref name="info">[http://www.shinchosha.co.jp/info/ 会社情報|新潮社]</ref>
| 本社所在地 = [[東京都]][[新宿区]][[矢来町]]71<ref name="info">[https://www.shinchosha.co.jp/info/ 会社情報|新潮社]</ref>
| 本社緯度度 = 35
|設立 = 1896年<ref name="info" />
| 本社緯度分 = 42
|業種 = [[出版業]]
| 本社緯度秒 = 10.6
|事業内容 = 書籍、文庫・雑誌・コミックの制作・出版・販売
| 本社N(北緯)及びS(南緯) = N
|代表者 = [[佐藤隆信]](代表取締役社長)<ref name="info" />
| 本社経度度 = 139
|資本金 = 1億5,000万円
| 本社経度分 = 43
|売上高 =
| 本社経度秒 = 58.9
|従業員数 = 352名(2018年9月1日現在) <ref name="info" />
| 本社E(東経)及びW(西経) = E
|決算期 =
| 座標右上表示 = Yes
|主要株主 =
| 本社地図国コード = JP
|主要子会社 =
| 設立 = 1896年<ref name="info" />
|関係する人物 = [[佐藤義亮]](創業者)
| 業種 = 5250
|外部リンク = https://www.shinchosha.co.jp/
| 事業内容 = 書籍、文庫・雑誌・コミックの制作・出版・販売
|特記事項 = 佐藤一族による、[[同族経営]]である。
| 代表者 = [[佐藤隆信]](代表取締役社長)<ref name="info" />
|}}
| 資本金 = 1億5,000万円
| 売上高 =
| 営業利益 =
| 経常利益 =
| 純利益 = △1億6,100万円<br>(2024年3月期)<ref name="fy2024">[https://catr.jp/companies/9ceb9/99361/settlements/cfe5d/375235 株式会社新潮社 第80期決算公告]{{出典無効|date=2024-08-07|title=「官報決算データベース」の運営者は「会社活動総合研究所」とされていますが、法人等の情報も皆無で個人情報保護法に基づいたプライバシーポリシーなどの情報もなく、信頼できる情報源と言えません。そのため、ウィキペディア出典としては利用できません。}}</ref>
| 純資産 =
| 総資産 = 303億1,100万円<br>(2024年3月期)<ref name="fy2024" />
| 従業員数 = 346名(2020年4月1日現在) <ref name="info" />
| 決算期 =
| 主要株主 =
| 主要子会社 =
| 関係する人物 = [[佐藤義亮]](創業者)
| 外部リンク = https://www.shinchosha.co.jp/
| 特記事項 = 佐藤一族による、[[同族経営]]である。|
}}
'''株式会社新潮社'''(しんちょうしゃ)は、[[日本]]の[[出版社]]。
'''株式会社新潮社'''(しんちょうしゃ)は、[[日本]]の[[出版社]]。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[1896年]]7月<ref>[http://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-121106-3-2-1/ マイナビ(新潮社)]</ref><ref>[http://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/bungakukan/kikaku08.html 仙北市ホームページ(企画展・平成20年度)]</ref>に創業された新聲社<ref group="注">[[新声社]]とは無関係。</ref>が前身。[[田山花袋]]などの[[自然主義]]者の書籍を出版していた。[[1914年]]には[[新潮文庫]]を創刊した。他にも単行本、全集などを多数発行している。
[[1896年]]7月<ref>[https://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-121106-3-2-1/ マイナビ(新潮社)]</ref><ref>[https://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/bungakukan/kikaku08.html 仙北市ホームページ(企画展・平成20年度)]</ref>に創業された[[新聲社]]<ref group="注">[[新声社]]とは無関係。</ref>が前身。[[田山花袋]]などの[[自然主義]]者の[[書籍]]を出版していた。[[1914年]]([[大正]]3年)には[[新潮文庫]]を創刊した。他にも[[単行本]][[全集]]などを多数発行している。


文芸誌は[[1904年]]創刊の[[文芸誌]]『[[新潮]]』<ref>[http://www.shinchosha.co.jp/shincho/100year/ 表紙と目次で見る「新潮」110年|新潮|新潮社]</ref>の他に、[[第二次世界大戦]]後の[[1947年]]に創刊された中間小説誌『[[小説新潮]]』<ref>[http://www.shinchosha.co.jp/shoushin/about/ 小説新潮とは?|小説新潮|新潮社]</ref>などを発行している。週刊誌は[[1956年]]創刊の『[[週刊新潮]]』が初めての出版社系週刊誌として成功を収める<ref>[http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/about/ 週刊新潮とは?|週刊新潮|新潮社]</ref>。
[[文芸誌]]は[[1904年]][[明治]]37年)創刊の『[[新潮]]』<ref>[https://www.shinchosha.co.jp/shincho/100year/ 表紙と目次で見る「新潮」110年|新潮|新潮社]</ref>の他に、[[第二次世界大戦]]後の[[1947年]]([[昭和]]22年)に創刊された[[中間小説]]誌『[[小説新潮]]』<ref>[https://www.shinchosha.co.jp/shoushin/ 小説新潮|新潮社]</ref>などを発行している。[[週刊誌]]は[[1956年]](昭和31年)創刊の『[[週刊新潮]]』が、日本初の出版社系[[週刊誌]]として成功を収める<ref>[https://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/ 週刊新潮|新潮社]</ref>。


[[1981年]]には日本初の[[写真週刊誌]]『[[FOCUS]](フォーカス)』を創刊。『フォーカス』は法廷を隠し撮りした未成年(14歳)の容疑者の写真を掲載したりするなど、過激な編集方針で一時期は発行部数200万部強までになったが、1990年代後半売れ行きが悪化し[[2001年]]に休刊。スポーツ年鑑『ウィナーズ』や、タレント・[[グラビアアイドル]]の[[ムック (出版)|写真ムック]]『月刊~』(不定期)の発行、『[[ニコラ (雑誌)|nicola]]』、『[[週刊コミックバンチ]]』の創刊(2010年8月休刊)、女性誌での『[[旅 (雑誌)|旅]]』の再創刊(2012年3月休刊)に踏み切り、従来の路線から大きく転換された。また新潮文庫も[[サブカルチャー]]面での刊行を多くした。
[[1981年]](昭和56年)には日本初の[[写真週刊誌]]『[[FOCUS]](フォーカス)』を創刊。『フォーカス』は[[法廷]][[隠し撮り]]した[[未成年]](14歳)の[[容疑者]]の写真を掲載したりするなど、過激な編集方針で一時期は発行部数200万部が200万部強までになったが、[[1990年代]]後半から売れ行きが悪化し[[2001年]]([[平成]]13年)[[休刊]]。スポーツ年鑑『ウィナーズ』や、[[タレント]]・[[グラビアアイドル]]の[[ムック (出版)|写真ムック]]『月刊~』(不定期)の発行、『[[ニコラ (雑誌)|nicola]]』、『[[週刊コミックバンチ]]』の創刊([[2010年]]〈平成228月休刊)、『[[旅 (雑誌)|旅]]』は女性誌としての再創刊([[2012年]]〈平成243月休刊)に踏み切り、従来の路線から大きく転換た。また、[[新潮文庫]]も[[サブカルチャー]]の刊行を増やした。


社長職は創業者[[佐藤義亮]]から、代々[[世襲]]によって引き継がれている[[同族企業]]である。第2代[[佐藤義夫 (実業家)|佐藤義夫]](長男)、第3代[[佐藤俊夫 (実業家)|佐藤俊夫]](次男)、第4代 [[佐藤亮一 (実業家)|佐藤亮一]](義夫の息子)を経て、現社長の[[佐藤隆信]](亮一の息子)が第5代目である。なお新潮社相談役の[[佐藤俊一]]は、俊夫の息子にあたる。
社長職は創業者[[佐藤義亮]]から、代々[[世襲]]によって引き継がれている[[同族企業]]である。第2代[[佐藤義夫 (実業家)|佐藤義夫]](長男)、第3代[[佐藤俊夫 (実業家)|佐藤俊夫]](次男)、第4代 [[佐藤亮一 (実業家)|佐藤亮一]](義夫の息子)を経て、現社長の[[佐藤隆信]](亮一の息子)が第5代目である。


[[東京都]][[新宿区]][[矢来町]]に、広大な不動産を持っていることでも知られている。
[[東京都]][[新宿区]][[矢来町]]に、広大な不動産を持ち関連施設が建っている。


=== 特装本 ===
=== 校閲 ===
[[校閲]]部は出版業界でも定評がある。
新潮社では、単行本の発行部数が累計で10万部を突破すると、記念に革装本が4部だけ作られる。4部の内、2部は著者に贈られ、残る2部は新潮社用として、1部は資料室の閉架に、もう1部はガラス戸付き本棚に鍵がかかった状態で保管されている。この10万部突破記念の特装本は新書も含まれる。なお、単行本には[[ヤギ|山羊]]の革が、新書には[[ヒツジ|羊]]の革が使用される。


初代社長の義亮は[[校正|校閲]]に力を入れており、ベストセラーになった『世界文学全集』の月報に読者が投稿した誤植の指摘に対し、校正に手間をかけておりこれが正しいという趣旨の反論を載せるほどであった<ref name=":1">{{Cite web |title=波 2023年8月号 |url=https://www.shinchosha.co.jp/nami/tachiyomi/20230727.html |website=新潮社 |access-date=2024-09-11 |language=ja}}</ref>。
[[1956年]]、[[三島由紀夫]]の『[[金閣寺 (小説)|金閣寺]]』が10万部を突破した際に担当編集者が何か記念になるものを作ろうとスタートした企画から始まった。2009年11月までに作られた特装本は547点に上り、三島由紀夫、[[司馬遼太郎]]、[[松本清張]]、[[遠藤周作]]、[[大江健三郎]]などのほか、[[さくらももこ]]『さくらえび』や『[[鈴井貴之]]編集長 [[大泉洋]]』なども革装本になっている。[[村上春樹]]の『[[1Q84]]』は初版から10万部を超えたが、38刷で特装本化された[[伊坂幸太郎]]の『[[重力ピエロ]]』のように版を重ねての特装本化の例もある。<ref>「新潮社『幻の特装本』の謎に迫る!」『本の雑誌』2010年1月号 p.16-17</ref>


このため校閲部を尊重する社風となった<ref name=":1" />。
== 訴訟 ==
[[2015年]][[10月5日]]、[[橋下徹]][[大阪市長]]の出自に関する[[2011年]]11月3日号に掲載された『[[週刊新潮]]』の記事で精神的苦痛を受けたとして、発行元の新潮社に[[慰謝料]]など1100万円の[[損害賠償]]を求めた訴訟の判決で、[[大阪地裁]]は[[名誉棄損]]があったと認め275万円の支払いを命じた。<ref>[https://www.sankei.com/west/news/151005/wst1510050049-n1.html 橋下氏の出自記事、週刊新潮に賠償命令 大阪地裁] 産経WEST 2015/10/05</ref>週刊新潮編集部は[[控訴]]、[[上告]]したが、2017年6月[[最高裁判所]]で地裁判決が確定した。<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16H9K_W7A610C1000000/ 橋下氏勝訴の判決確定 週刊新潮の記事巡る訴訟] 日本経済新聞 2017/06/16</ref>


=== 装幀 ===
上の1件に限らず、週刊新潮は、訴えられることの大変多い雑誌である。
社内に[[装幀]]部門(新潮社装幀室)を持っており、刊行する文庫・書籍のほとんどを社内装幀している<ref name=":1" />。現在、装幀室を構える出版社は多いが、その先駆けでもあり長い歴史を誇る。当初は出版部の装幀部門として始まったが、現在は独立した部署として存在している。そのため、[https://www.kodansha.co.jp/award/description/60827.html 第1回講談社ブックデザイン賞(昭和45年)は受賞者が新潮社出版部となっている]<ref>{{Cite web |title=ブックデザイン賞 : 講談社 |url=https://www.kodansha.co.jp/award/description/60827.html |website=www.kodansha.co.jp |access-date=2024-11-15}}</ref>[https://www.kodansha.co.jp/award/description/60827.html 。]

過去の装幀者の記載のないもの本も、多くは社内装幀されたともの考えられ、現在は「新潮社装幀室」と記載される。本は会社のさまざまな部署の協力のもと、造り上げるものとの姿勢から、原則装幀担当者の個人名の記載はされていない。

出版社であることから、美術品ではなく読書用として装幀を考えているのが特徴である<ref name=":1" />。

単行本の発行部数が累計で10万部を突破すると、記念に[[皮革|革]]装本が作られる<ref name=":2" />。特装版は社外の専門業者に委託される<ref name=":1" />。2部は著者に贈られ、残る2部は新潮社用として、1部は資料室の閉架に、もう1部はガラス戸付き本棚に鍵がかかった状態で保管されている。この4部限定という都市伝説があったが、実際にはもう1冊作られており、製本会社の会長室に展示されているという<ref name=":1" />。

特装本には[[新書]]も含まれ、単行本には[[ヤギ|山羊]]の革が、新書には[[ヒツジ|羊]]の革が使用される。

[[1956年]](昭和31年)、[[三島由紀夫]]の『[[金閣寺 (小説)|金閣寺]]』が10万部を突破した際、担当編集者が記念になるものを作ろうとの企画から、羊の革表紙や金箔を使い通常版の9倍の価格の豪華版を200部限定で販売した<ref name=":1" />。これを機に10万部を突破した本の特装版を販売する伝統が生まれた。また[[佐藤俊夫 (実業家)|俊夫]]がブックデザインを重視する姿勢だったこともあり、校閲部と並び装幀部も尊重されるようになった<ref name=":1" />。

[[2009年]](平成21年)11月までに作られた特装本は547点に上り、三島由紀夫、[[司馬遼太郎]]、[[松本清張]]、[[遠藤周作]]、[[大江健三郎]]などのほか、[[さくらももこ]]『さくらえび』や『[[鈴井貴之]]編集長 [[大泉洋]]』なども革装本になっている。[[村上春樹]]の『[[1Q84]]』は初版から10万部を超えたが、38刷で特装本化された[[伊坂幸太郎]]の『[[重力ピエロ]]』のように、[[重版|版を重ねて]]特装本化された例もある<ref name=":2">「新潮社『幻の特装本』の謎に迫る!」『本の雑誌』2010年1月号 p.16-17</ref>。

[[三島由紀夫賞]]・[[山本周五郎賞]]の正賞として、限定1部の製本作家による総革装本が作成されており、毎年受賞者に贈呈されている。

=== 新潮社クラブ ===
神楽坂には管理人常駐の2階建て住宅「新潮社クラブ」があり、作家は無料で利用できる<ref name=":0">{{Cite web |title=第5回 カンヅメ部屋とエレベーターとカレー {{!}} みちことまりこ、 新潮社にもぐりこむ。 三國万里子さんの本が出たので あちこち見学させてもらいました。 |url=https://www.1101.com/n/s/shinchosha/2022-11-27.html |website=ほぼ日刊イトイ新聞 |access-date=2024-09-11 |language=ja}}</ref>。庭園を有する日本家屋であるが、Wi-Fiが使えるなど設備は整っている<ref name=":0" />。

[[缶詰#比喩表現としての「缶詰」|缶詰]]用と言われているが出入りは自由であり、地方在住の作家の宿泊施設や対談などにも利用されている<ref name=":3">{{Cite web |title=「新潮社クラブ」カンヅメ体験記|霜月透子 |url=https://note.com/toko_shimotsuki/n/n1031c3b98225 |website=note(ノート) |date=2024-04-04 |access-date=2024-09-11 |language=ja}}</ref><ref name=":0" />。

予約制であり、ほとんどが埋まっているという<ref name=":0" /><ref name=":3" />。

かつて缶詰になっていた川端康成や三島由紀夫の幽霊が出るという噂がある<ref name=":0" /><ref>https://x.com/MasudaToshinari/status/1833069584120725714</ref>。

== ギャラリー ==
<gallery widths="160" heights="200">
File:Sato Toshio.JPG|<small>[[佐藤俊夫 (実業家)|佐藤俊夫]](第3代社長)</small>
File:Sato Ryoichi.JPG|<small>[[佐藤亮一 (実業家)|佐藤亮一]](第4代社長)</small>
File:Shōsetsu Shinchō first issue.jpg|<small>『[[小説新潮]]』1947年9月創刊号</small>
File:Chunichi1964-02-03-1.jpg|<small>『[[週刊新潮]]』1964年2月10日号</small>
</gallery>

== 不祥事 ==
[[2015年]][[10月5日]]、[[橋下徹]][[大阪市長]](当時)が出自に関する[[2011年]]11月3日号に掲載された『[[週刊新潮]]』の記事で精神的苦痛を受けたとして、発行元の新潮社に[[慰謝料]]など1100万円の[[損害賠償]]を求めた[[訴訟]]の判決で、[[大阪地裁]]は[[名誉棄損]]があったと認め275万円の支払いを命じた<ref>[https://www.sankei.com/article/20151005-IPOBALVQKNNRXK35F56DBBJKNM/ 橋下氏の出自記事、週刊新潮に賠償命令 大阪地裁] 産経WEST 2015/10/05</ref>。新潮社は[[控訴]]、[[上告]]したが、2017年6月14日付けで[[最高裁判所]]は、新潮社の上告を退ける決定を下し、橋下勝訴の二審判決が確定した<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16H9K_W7A610C1000000/ 橋下氏勝訴の判決確定 週刊新潮の記事巡る訴訟] 日本経済新聞 2017/06/16</ref>。


== 刊行物 ==
== 刊行物 ==
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=== 文庫 ===
=== 文庫 ===
* [[新潮文庫]] - 哲学古典から[[サブ・カルチャー]]や[[タレント]]本まで、文庫レーベルで最も多彩で刊行数も多いが、[[初版]]のみで品切れとなるタイトルも多い。
* [[新潮文庫]] - [[哲学]]、[[古典]]から[[サブ・カルチャー]]や[[タレント]]本まで、文庫レーベルで最も多彩で刊行数も多いが、[[初版]]のみで[[絶版]]となるタイトルも多い。
** 新潮文庫nex - 新潮文庫創刊100周年の節目に、2014年8月28日刊行開始<ref>[http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1406/25/news085.html 新潮文庫創刊100周年で新レーベル「新潮文庫nex」が誕生]</ref>。
** 新潮文庫nex - 新潮文庫創刊100周年の節目に、2014年8月28日刊行開始<ref>[https://www.itmedia.co.jp/ebook/articles/1406/25/news085.html 新潮文庫創刊100周年で新レーベル「新潮文庫nex」が誕生]</ref>。
* 新潮pico文庫 - [[1996年]]、短期間発行していた手のひらサイズの小冊子。なお、同様のコンセプトのレーベルとして[[角川mini文庫]]がある。
* 新潮pico文庫 - [[1996年]]、短期間発行していた手のひらサイズの小冊子。なお、同様のコンセプトのレーベルとして[[角川mini文庫]]がある。
* 新潮OH!文庫 - 実用・雑学分野を扱う。[[2003年]]以降新刊は発行されていないが、一部[[重版]]は続けられている。また、新潮文庫から刊行しなおすものもある。
* 新潮OH!文庫 - [[実用]][[雑学]]分野を扱う。[[2003年]](平成15年)以降新刊はないが、一部[[重版]]は続けられている。新潮文庫で新版刊行もある。


== 雑誌 ==
== 雑誌 ==
77行目: 126行目:
* [[小説新潮]] - [[小説誌]]([[1947年]] - )
* [[小説新潮]] - [[小説誌]]([[1947年]] - )
* [[芸術新潮]] - 総合アート誌([[1950年]] - )
* [[芸術新潮]] - 総合アート誌([[1950年]] - )
* [[波 (雑誌)|波]] - [[PR]]([[1967年]] - )
* [[波 (雑誌)|波]] - 読書情報誌([[1967年]] - )
* [[ニコラ (雑誌)|nicola]](ニコラ) - ローティーン向け女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[1997年]] - )
* [[ニコラ (雑誌)|nicola]](ニコラ) - ローティーン向け女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[1997年]] - )
* [[エンジン_(雑誌)|ENGINE]](エンジン) - [[自動車雑誌]]([[2000年]] - )
* [[エンジン_(雑誌)|ENGINE]](エンジン) - [[自動車雑誌]]([[2000年]] - )
* [[月刊コミック@バンチ|月刊コミックバンチ]] - [[漫画雑誌|コミック誌]]([[2011年]] - )


=== 隔月刊 ===
=== 隔月刊 ===
* [[ニコ☆プチ]] - 小学生向け<!-- 対象年齢は新潮社のサイトから "http://www.shinchosha.co.jp/magazines/" -->女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[2006年]] - )
* [[ニコ☆プチ]] - 小学生向け<!-- 対象年齢は新潮社のサイトから "https://www.shinchosha.co.jp/magazines/" -->女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[2006年]] - )
* ニコ☆プチKiDS<!-- 「i」のみ小文字 --> - 小学1・2・3年生向け<!-- 対象年齢は新潮社のサイトから "http://www.shinchosha.co.jp/magazines/" -->女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[2014年]]<!-- 定期刊行物としては2014年から。 --> - )
* ニコ☆プチKiDS<!-- 「i」のみ小文字 --> - 小学1・2・3年生向け<!-- 対象年齢は新潮社のサイトから "https://www.shinchosha.co.jp/magazines/" -->女性[[ファッション雑誌|ファッション誌]]([[2014年]]<!-- 定期刊行物としては2014年から。 --> - )


<!-- === 季刊 ===
<!-- === 季刊 ===

-->
-->
=== ウェブマガジン ===
=== ウェブメディア ===
*Foresight([[フォーサイト (雑誌)|フォーサイト]]) - 国際情報誌
* Foresight([[フォーサイト (雑誌)|フォーサイト]]) - 国際情報誌(2010年 - )
* yomyom pocket - [[文芸雑誌|文芸誌]]([[2013]]<!-- 1月21日 --> - [[2015年]]
* yomyom pocket - [[文芸雑誌|文芸誌]](20131月<!-- 21日 --> - 2015年)
* くらげバンチ - [[漫画雑誌|コミック誌]]([[2013]]<!-- 10月25日 --> - )
* くらげバンチ - [[漫画雑誌|コミック誌]](201310月<!--25日 --> - )
* デイリー新潮 - 総合ニュースサイト(2015年12月 - )<ref>{{Cite web|和書| url=https://www.shinchosha.co.jp/info/saiyo/work/episode03/page01.html |date= |title=新潮社初の総合ニュースサイト、「デイリー新潮」誕生の舞台裏 |website=新潮社 |access-date=2021-02-03 }}</ref>
* Bバンチ - コミック誌([[2017年]]<!-- 7月21日 --> - ) - コミックバンチweb内
* Bバンチ - コミック誌(2017年7月<!-- 21日 --> - ) - コミックバンチweb内
* コミックバンチKai - [[漫画雑誌|コミック誌]](2024年4月<!--26日 --> - )


=== かつて発行・発売していた雑誌 ===
=== かつて発行・発売していた雑誌 ===
104行目: 153行目:
* [[週刊コミックバンチ]]([[2001年]]5月 - [[2010年]]8月) - 編集は[[コアミックス]]
* [[週刊コミックバンチ]]([[2001年]]5月 - [[2010年]]8月) - 編集は[[コアミックス]]
* フォーサイト(月刊、[[1990年]][[3月]] - [[2010年]][[3月]]) - [[2010年]][[9月]]にウェブマガジンとして復活。
* フォーサイト(月刊、[[1990年]][[3月]] - [[2010年]][[3月]]) - [[2010年]][[9月]]にウェブマガジンとして復活。
* [[旅 (雑誌)|旅]](月刊(途中から隔月刊)、[[2004年]] - [[2012年]]3月)[[JTBパブリッシング|JTB]]が発行していたものを譲り受けたもの。休刊中。
* [[旅 (雑誌)|旅]](月刊(途中から隔月刊)、[[2004年]] - [[2012年]]3月) - [[JTBパブリッシング|JTB]]が発行していたものを譲り受けたもの。休刊中。
* [[「月刊」シリーズ]] - [[グラビア雑誌|グラビア誌]]
* [[「月刊」シリーズ]] - [[グラビア雑誌|グラビア誌]]
* [[考える人 (雑誌)|考える人]] - 総合誌([[2002年]] - [[2017年]]) - 休刊中
* [[考える人 (雑誌)|考える人]] - 総合誌([[2002年]] - [[2017年]]) - 休刊中
111行目: 160行目:
* [[ゴーゴーバンチ]]<!-- 新潮社やバンチの公式サイトでの表記は、「GoGoバンチ」ではなく「ゴーゴーバンチ」 --> - [[漫画雑誌|コミック誌]]([[2013年]]<!-- 10月9日 http://www.comicbunch.com/blog/gogo-bunch/2013/10/ --> - [[2018年]])
* [[ゴーゴーバンチ]]<!-- 新潮社やバンチの公式サイトでの表記は、「GoGoバンチ」ではなく「ゴーゴーバンチ」 --> - [[漫画雑誌|コミック誌]]([[2013年]]<!-- 10月9日 http://www.comicbunch.com/blog/gogo-bunch/2013/10/ --> - [[2018年]])
* [[新潮45]] - 総合誌([[1982年]](「新潮45+」として創刊) - 2018年) - 休刊中
* [[新潮45]] - 総合誌([[1982年]](「新潮45+」として創刊) - 2018年) - 休刊中
* [[月刊コミックバンチ]] - [[漫画雑誌|コミック誌]]([[2011年]] - [[2024年]])


== 賞 ==
== 賞 ==
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* [[小林秀雄賞]]
* [[小林秀雄賞]]
* [[新潮ドキュメント賞]]
* [[新潮ドキュメント賞]]
以上の4賞'''新潮四賞'''」と呼ばれる。
;以上の4賞「新潮四賞」と呼ばれる。

* [[新潮学芸賞]]
* [[新潮学芸賞]]
*:小林秀雄賞と新潮ドキュメント賞の原型となった賞。かつてこの賞と日本芸術大賞、三島賞・山本賞で新潮四賞だった。なお、[[日本文学大賞]]の文学部門は純文学を対象とした三島賞と大衆文学を対象にした山本賞にそれぞれ分離し、新潮学芸賞は日本文学大賞の学芸部門から改名した。
*: 小林秀雄賞と新潮ドキュメント賞の原型となった賞。かつてこの賞と日本芸術大賞、三島賞・山本賞で新潮四賞だった。なお、[[日本文学大賞]]の文学部門は純文学を対象とした三島賞と大衆文学を対象にした山本賞にそれぞれ分離し、新潮学芸賞は日本文学大賞の学芸部門から改名した。
* [[川端康成文学賞]]
* [[川端康成文学賞]]
* [[新田次郎文学賞]]
* [[新田次郎文学賞]]
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* [[ピコハウス]] - [[1987年]]に新潮社の映像・音楽部門として設立された制作会社。
* [[ピコハウス]] - [[1987年]]に新潮社の映像・音楽部門として設立された制作会社。
* [[コアミックス]] - [[2000年]]に設立された漫画雑誌編集・著作権事業を行う会社。
* [[コアミックス]] - [[2000年]]に設立された漫画雑誌編集・著作権事業を行う会社。

== その他 ==

* 刊行した書籍の宣伝のために、[[日本放送協会|NHK]]を利用したことがある。(例:大森あきこ『最後に「ありがとう」と言えたなら』2021年11月17日刊)<ref>「著者の大森あきこさんが11月10日「NHKジャーナル」に出演決定!」([https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000387.000047877.html 「ウィズコロナの時代だから一層胸を打つ。4000人以上を見送ってきた納棺師による宝石のような実話集『最後に「ありがとう」と言えたなら』(新潮社)11月17日に発売!」]【[[PR_TIMES]]】2021年11月09日付)</ref>
* 社員食堂があり、編集者の案内で作家も利用できるが、メニューは日替わり定食の1種類のみである<ref>{{Cite web |title=「新潮社クラブ」カンヅメ体験記|霜月透子 |url=https://note.com/toko_shimotsuki/n/n1031c3b98225 |website=note(ノート) |date=2024-04-04 |access-date=2024-09-11 |language=ja}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* [[紀田順一郎]]監修 『新潮社一〇〇年図書総目録』(別冊索引付で2冊組)、新潮社、[[1996年]]10月。
* [[紀田順一郎]]監修 『新潮社一〇〇年図書総目録』(別冊索引付で2冊組)、新潮社、[[1996年]]10月。
*:『八十年図書総目録』(1976年)、『九十年図書総目録』(1986年)も出されている、各[[小田切進]]監修。
*: 『八十年図書総目録』(1976年)、『九十年図書総目録』(1986年)も出されている、各[[小田切進]]監修。
* [[百目鬼恭三郎]] 『新潮社八十年小史』、新潮社、[[1976年]]。『九十年小史』、1986年。(各非売品)
* [[百目鬼恭三郎]] 『新潮社八十年小史』、新潮社、[[1976年]]。『九十年小史』、1986年。(各非売品)
* 『新潮社七十年』 佐藤俊夫編、新潮社(非売品)、[[1966年]]10月。
* 『新潮社七十年』 佐藤俊夫編、新潮社(非売品)、[[1966年]]10月。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[コミック出版社の会]]
* [[コミック出版社の会]]
*[[デジタルコミック協議会]]
* [[デジタルコミック協議会]]


== 外部リンク ==
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{{Commonscat|Shinchosha}}
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* [https://www.shinchosha.co.jp/ 新潮社]
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* {{kotobank|新潮社(株)|2=日本大百科全書(ニッポニカ)}}
* [https://www.shincho-shop.jp/shincho/index.html 新潮オンラインショップ]
*{{ニコニコチャンネル|shinchosha|新潮社チャンネル}}
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* {{kotobank|新潮社(株)|2=日本大百科全書(ニッポニカ)}}
* {{kotobank|新潮社|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}
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2024年11月19日 (火) 14:13時点における最新版

株式会社新潮社
SHINCHOSHA Publishing Co.,Ltd.

新潮社本館

新潮社別館
種類 株式会社
略称 新潮
本社所在地 日本の旗 日本
162-8711
東京都新宿区矢来町71[1]
北緯35度42分10.6秒 東経139度43分58.9秒 / 北緯35.702944度 東経139.733028度 / 35.702944; 139.733028座標: 北緯35度42分10.6秒 東経139度43分58.9秒 / 北緯35.702944度 東経139.733028度 / 35.702944; 139.733028
設立 1896年[1]
業種 情報・通信業
法人番号 1011101009060 ウィキデータを編集
事業内容 書籍、文庫・雑誌・コミックの制作・出版・販売
代表者 佐藤隆信(代表取締役社長)[1]
資本金 1億5,000万円
純利益 △1億6,100万円
(2024年3月期)[2]
総資産 303億1,100万円
(2024年3月期)[2]
従業員数 346名(2020年4月1日現在) [1]
関係する人物 佐藤義亮(創業者)
外部リンク https://www.shinchosha.co.jp/
特記事項:佐藤一族による、同族経営である。
テンプレートを表示

株式会社新潮社(しんちょうしゃ)は、日本出版社

概要

[編集]

1896年7月[3][4]に創業された新聲社[注 1]が前身。田山花袋などの自然主義者の書籍を出版していた。1914年大正3年)には新潮文庫を創刊した。他にも単行本全集などを多数発行している。

文芸誌1904年明治37年)創刊の『新潮[5]の他に、第二次世界大戦後の1947年昭和22年)に創刊された中間小説誌『小説新潮[6]などを発行している。週刊誌1956年(昭和31年)創刊の『週刊新潮』が、日本初の出版社系週刊誌として成功を収める[7]

1981年(昭和56年)には日本初の写真週刊誌FOCUS(フォーカス)』を創刊。『フォーカス』は法廷隠し撮りした未成年(14歳)の容疑者の写真を掲載したりするなど、過激な編集方針で一時期は発行部数200万部が200万部強までになったが、1990年代後半から売れ行きが悪化し、2001年平成13年)に休刊。スポーツ年鑑『ウィナーズ』や、タレントグラビアアイドル写真ムック『月刊~』(不定期刊)の発行、『nicola』、『週刊コミックバンチ』の創刊(2010年〈平成22年〉8月休刊)、『』は女性誌としての再創刊(2012年〈平成24年〉3月休刊)に踏み切り、従来の路線から大きく転換した。また、新潮文庫サブ・カルチャー系の刊行を増やした。

社長職は創業者佐藤義亮から、代々世襲によって引き継がれている同族企業である。第2代佐藤義夫(長男)、第3代佐藤俊夫(次男)、第4代 佐藤亮一(義夫の息子)を経て、現社長の佐藤隆信(亮一の息子)が第5代目である。

東京都新宿区矢来町に、広大な不動産を持ち関連施設が建っている。

校閲

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校閲部は出版業界でも定評がある。

初代社長の義亮は校閲に力を入れており、ベストセラーになった『世界文学全集』の月報に読者が投稿した誤植の指摘に対し、校正に手間をかけておりこれが正しいという趣旨の反論を載せるほどであった[8]

このため校閲部を尊重する社風となった[8]

装幀

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社内に装幀部門(新潮社装幀室)を持っており、刊行する文庫・書籍のほとんどを社内装幀している[8]。現在、装幀室を構える出版社は多いが、その先駆けでもあり長い歴史を誇る。当初は出版部の装幀部門として始まったが、現在は独立した部署として存在している。そのため、第1回講談社ブックデザイン賞(昭和45年)は受賞者が新潮社出版部となっている[9]

過去の装幀者の記載のないもの本も、多くは社内装幀されたともの考えられ、現在は「新潮社装幀室」と記載される。本は会社のさまざまな部署の協力のもと、造り上げるものとの姿勢から、原則装幀担当者の個人名の記載はされていない。

出版社であることから、美術品ではなく読書用として装幀を考えているのが特徴である[8]

単行本の発行部数が累計で10万部を突破すると、記念に装本が作られる[10]。特装版は社外の専門業者に委託される[8]。2部は著者に贈られ、残る2部は新潮社用として、1部は資料室の閉架に、もう1部はガラス戸付き本棚に鍵がかかった状態で保管されている。この4部限定という都市伝説があったが、実際にはもう1冊作られており、製本会社の会長室に展示されているという[8]

特装本には新書も含まれ、単行本には山羊の革が、新書にはの革が使用される。

1956年(昭和31年)、三島由紀夫の『金閣寺』が10万部を突破した際、担当編集者が記念になるものを作ろうとの企画から、羊の革表紙や金箔を使い通常版の9倍の価格の豪華版を200部限定で販売した[8]。これを機に10万部を突破した本の特装版を販売する伝統が生まれた。また俊夫がブックデザインを重視する姿勢だったこともあり、校閲部と並び装幀部も尊重されるようになった[8]

2009年(平成21年)11月までに作られた特装本は547点に上り、三島由紀夫、司馬遼太郎松本清張遠藤周作大江健三郎などのほか、さくらももこ『さくらえび』や『鈴井貴之編集長 大泉洋』なども革装本になっている。村上春樹の『1Q84』は初版から10万部を超えたが、38刷で特装本化された伊坂幸太郎の『重力ピエロ』のように、版を重ねて特装本化された例もある[10]

三島由紀夫賞山本周五郎賞の正賞として、限定1部の製本作家による総革装本が作成されており、毎年受賞者に贈呈されている。

新潮社クラブ

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神楽坂には管理人常駐の2階建て住宅「新潮社クラブ」があり、作家は無料で利用できる[11]。庭園を有する日本家屋であるが、Wi-Fiが使えるなど設備は整っている[11]

缶詰用と言われているが出入りは自由であり、地方在住の作家の宿泊施設や対談などにも利用されている[12][11]

予約制であり、ほとんどが埋まっているという[11][12]

かつて缶詰になっていた川端康成や三島由紀夫の幽霊が出るという噂がある[11][13]

ギャラリー

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不祥事

[編集]

2015年10月5日橋下徹大阪市長(当時)が出自に関する2011年11月3日号に掲載された『週刊新潮』の記事で精神的苦痛を受けたとして、発行元の新潮社に慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁名誉棄損があったと認め275万円の支払いを命じた[14]。新潮社は控訴上告したが、2017年6月14日付けで最高裁判所は、新潮社の上告を退ける決定を下し、橋下勝訴の二審判決が確定した[15]

刊行物

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選書

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叢書

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新書

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文庫

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  • 新潮文庫 - 哲学古典から、サブ・カルチャータレント本まで、文庫レーベルで最も多彩で刊行数も多いが、初版のみで絶版となるタイトルも多い。
    • 新潮文庫nex - 新潮文庫創刊100周年の節目に、2014年8月28日刊行開始[16]
  • 新潮pico文庫 - 1996年、短期間発行していた手のひらサイズの小冊子。なお、同様のコンセプトのレーベルとして角川mini文庫がある。
  • 新潮OH!文庫 - 実用雑学分野を扱う。2003年(平成15年)以降新刊はないが、一部の重版は続けられている。新潮文庫で新版刊行もある。

雑誌

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週刊

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月刊

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隔月刊

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ウェブメディア

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  • Foresight(フォーサイト) - 国際情報誌(2010年 - )
  • yomyom pocket - 文芸誌(2013年1月 - 2015年)
  • くらげバンチ - コミック誌(2013年10月 - )
  • デイリー新潮 - 総合ニュースサイト(2015年12月 - )[17]
  • Bバンチ - コミック誌(2017年7月 - ) - コミックバンチweb内
  • コミックバンチKai - コミック誌(2024年4月 - )

かつて発行・発売していた雑誌

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以上の4賞で「新潮四賞」と呼ばれる。

関連人物

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関連会社

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その他

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  • 刊行した書籍の宣伝のために、NHKを利用したことがある。(例:大森あきこ『最後に「ありがとう」と言えたなら』2021年11月17日刊)[18]
  • 社員食堂があり、編集者の案内で作家も利用できるが、メニューは日替わり定食の1種類のみである[19]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 新声社とは無関係。
  2. ^ 2014年9月号までは「ROLa」

出典

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  1. ^ a b c d 会社情報|新潮社
  2. ^ a b 株式会社新潮社 第80期決算公告[出典無効]
  3. ^ マイナビ(新潮社)
  4. ^ 仙北市ホームページ(企画展・平成20年度)
  5. ^ 表紙と目次で見る「新潮」110年|新潮|新潮社
  6. ^ 小説新潮|新潮社
  7. ^ 週刊新潮|新潮社
  8. ^ a b c d e f g h 波 2023年8月号”. 新潮社. 2024年9月11日閲覧。
  9. ^ ブックデザイン賞 : 講談社”. www.kodansha.co.jp. 2024年11月15日閲覧。
  10. ^ a b 「新潮社『幻の特装本』の謎に迫る!」『本の雑誌』2010年1月号 p.16-17
  11. ^ a b c d e 第5回 カンヅメ部屋とエレベーターとカレー | みちことまりこ、 新潮社にもぐりこむ。 三國万里子さんの本が出たので あちこち見学させてもらいました。”. ほぼ日刊イトイ新聞. 2024年9月11日閲覧。
  12. ^ a b 「新潮社クラブ」カンヅメ体験記|霜月透子”. note(ノート) (2024年4月4日). 2024年9月11日閲覧。
  13. ^ https://x.com/MasudaToshinari/status/1833069584120725714
  14. ^ 橋下氏の出自記事、週刊新潮に賠償命令 大阪地裁 産経WEST 2015/10/05
  15. ^ 橋下氏勝訴の判決確定 週刊新潮の記事巡る訴訟 日本経済新聞 2017/06/16
  16. ^ 新潮文庫創刊100周年で新レーベル「新潮文庫nex」が誕生
  17. ^ 新潮社初の総合ニュースサイト、「デイリー新潮」誕生の舞台裏”. 新潮社. 2021年2月3日閲覧。
  18. ^ 「著者の大森あきこさんが11月10日「NHKジャーナル」に出演決定!」(「ウィズコロナの時代だから一層胸を打つ。4000人以上を見送ってきた納棺師による宝石のような実話集『最後に「ありがとう」と言えたなら』(新潮社)11月17日に発売!」PR_TIMES】2021年11月09日付)
  19. ^ 「新潮社クラブ」カンヅメ体験記|霜月透子”. note(ノート) (2024年4月4日). 2024年9月11日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 紀田順一郎監修 『新潮社一〇〇年図書総目録』(別冊索引付で2冊組)、新潮社、1996年10月。
    『八十年図書総目録』(1976年)、『九十年図書総目録』(1986年)も出されている、各小田切進監修。
  • 百目鬼恭三郎 『新潮社八十年小史』、新潮社、1976年。『九十年小史』、1986年。(各非売品)
  • 『新潮社七十年』 佐藤俊夫編、新潮社(非売品)、1966年10月。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]