「ジュノー (小惑星)」の版間の差分
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{{天体 基本 |
{{天体 基本 |
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| 色 = 小惑星 |
| 色 = 小惑星 |
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| 和名 = ジュノー[[ファイル:Juno symbol.svg| |
| 和名 = ジュノー [[ファイル:Juno symbol (fixed width).svg|24px|⚵]]<br/>(ユノー) |
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| 英名 = 3 Juno |
| 英名 = 3 Juno |
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| 画像ファイル = Juno |
| 画像ファイル = Juno orbit 2018.png |
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| 画像サイズ = |
| 画像サイズ = 250px |
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| 画像説明 = |
| 画像説明 = ジュノーの軌道は楕円軌道であり、軽度の[[軌道傾斜角]]を持つ。軌道は火星と木星間にある。 |
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| 分類 = [[小惑星]] |
| 分類 = [[小惑星]] |
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| 軌道の種類 = [[小惑星帯]]<br/>([[ジュノー族]]) |
| 軌道の種類 = [[小惑星帯]]<br/>([[ジュノー族]]) |
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{{天体 発見 |
{{天体 発見 |
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| 色 = 小惑星 |
| 色 = 小惑星 |
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| 発見日 = [[1804年]][[9月1日]] |
| 発見日 = [[1804年]][[9月1日]]{{R|jpldata}} |
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| 発見者 = [[カール |
| 発見者 = [[カール・ハーディング|K. ハーディング]]{{R|jpldata}} |
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}} |
}} |
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{{天体 軌道 |
{{天体 軌道 |
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| 色 = 小惑星 |
| 色 = 小惑星 |
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| 元期 = |
| 元期 = 2019年4月27日 ([[ユリウス通日|JD]] 2458600.5) |
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| 軌道長半径 = 2. |
| 軌道長半径 = 2.6691495 [[天文単位|au]]{{R|jpldata}} |
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| 近日点距離 = 1. |
| 近日点距離 = 1.9833321 au{{R|jpldata}} |
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| 遠日点距離 = 3. |
| 遠日点距離 = 3.3549670 au{{R|jpldata}} |
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| 離心率 = 0. |
| 離心率 = 0.2569423{{R|jpldata}} |
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| 公転周期 = 4.36 [[ユリウス年|年]] |
| 公転周期 = 1593日<br />4.36 [[ユリウス年|年]]{{R|jpldata}} |
||
| 平均軌道速度 = 18.24 km/s- |
| 平均軌道速度 = 18.24 km/s{{要出典|date=2020-01}} |
||
| 軌道傾斜角 = 12. |
| 軌道傾斜角 = {{0}}12.98892 [[度 (角度)|度]]{{R|jpldata}} |
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| 近日点引数 = 248. |
| 近日点引数 = 248.13863 度{{R|jpldata}} |
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| 昇交点黄経 = 169. |
| 昇交点黄経 = 169.85276 度{{R|jpldata}} |
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| 平均近点角 = |
| 平均近点角 = 34.92502 度{{R|jpldata}} |
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| 前回近日点通過 = 2018年11月23日{{R|jpldata}} |
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| 次回近日点通過 = 2023年4月4日{{R|jpldata}}<ref group=注>JPLのデータにあるt<sub>p</sub>(前回近日点通過)にperiod(公転周期)を加えて計算(小数点第二位以下切り捨て)。計算式は<br />2458446.0 + 1592.8 = 2460038.8([[ユリウス通日|JD]])</ref> |
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}} |
}} |
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{{天体 項目|平均運動 (''n'')|0.2260189 度毎日{{R|jpldata}}}} |
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{{天体 項目|[[最小交差距離]](地球)|1.03454 au{{R|jpldata}}}} |
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{{天体 項目|最小交差距離(木星)|2.18657 au{{R|jpldata}}}} |
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{{天体 物理 |
{{天体 物理 |
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| 色 = 小惑星 |
| 色 = 小惑星 |
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| |
| 三軸径 = 320[[キロメートル|km]] × 267km × 200km{{R|Baer}} |
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| 直径 = 246.596 ± 10.596km{{R|jpldata}} |
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| 質量 = 2.824 {{e|19}} [[キログラム|kg]] |
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| 表面積 = 86万km<sup>2</sup><ref name=calculate group=注>三軸径の情報により計算。</ref> |
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| 平均密度 = 4.2 [[グラム毎立方メートル|g/cm<sup>3</sup>]] |
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| 体積 = 7160万km<sup>3</sup><ref name=calculate group=注/> |
|||
| 表面重力 = 0.13 [[メートル毎秒毎秒|m/s<sup>2</sup>]] |
|||
| 質量 = 2.86 ± 0.46 {{e|19}} [[キログラム|kg]]{{R|Baer2011}}<ref group=注>1.44 ± 0.23 × {{e|-11}}[[太陽質量|''M''<sub>☉</sub>]]から計算。</ref> |
|||
| 脱出速度 = 0.18 [[メートル毎秒|km/s]] |
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| 平均密度 = 3.20 ± 0.56[[グラム毎立方メートル|g/cm<sup>3</sup>]]{{R|Baer2011}} |
|||
| 自転周期 = 7.210 時間<!--7h 12m--> |
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| 表面重力 = 0.13 [[メートル毎秒毎秒|m/s<sup>2</sup>]]{{要出典|date=2020-01}} |
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| スペクトル分類 = S / Sk |
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| 脱出速度 = 0.18 [[メートル毎秒|km/s]]{{要出典|date=2020-01}} |
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| 絶対等級 = 5.33 |
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| 自転周期 = 7.21 時間{{R|jpldata|lc}} |
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| 光度係数 = 0.32 |
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| アルベド = 0. |
| アルベド = 0.214{{R|jpldata}}<br />0.21{{R|lc}} |
||
| スペクトル分類 = トーレン:S{{R|jpldata}}<br />SMASS:Sk{{R|jpldata}} |
|||
| 絶対等級 = 5.33{{R|jpldata}} |
|||
| 光度係数 = 0.32{{R|jpldata}} |
|||
| 赤道傾斜角 = |
| 赤道傾斜角 = |
||
| 表面温度 = ~ |
| 表面温度 = ~301 [[絶対温度|K]]{{R|lim2005}} |
||
| 色指数_BV = 0.824 |
| 色指数_BV = 0.824{{R|jpldata}} |
||
| 色指数_UB = 0.433 |
| 色指数_UB = 0.433{{R|jpldata}} |
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}} |
}} |
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{{天体 項目|[[衝]]の際の[[視等級]]|7.5{{R|AstDys-Juno}}}} |
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{{天体 終了 |
{{天体 終了 |
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| 色 = 小惑星 |
| 色 = 小惑星 |
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}} |
}} |
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'''ジュノー'''<ref>{{ |
'''ジュノー'''<ref>{{Cite web|和書|publisher=[[日本惑星協会]]|url=http://planetary.jp/show/show_file/asteroid_1-50.html |accessdate=2019-03-09|title=小惑星日本語表記索引 : 1 - 50}}</ref> または'''ユノー'''<ref>{{Cite book|和書|title = 藤井 旭の天文年鑑 2018年版:スターウォッチング完全ガイド|page=90|ISBN=978-4416717097}}</ref><!--これだけでは同定できないが、https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10253_ph181122 と併せると同定できる-->または'''ユノ'''<ref>{{Cite book|和書|title = オックスフォード天文学辞典|edition = 初版第1刷|publisher = 朝倉書店|page = 416|isbn = 4-254-15017-2}}</ref> (3 Juno) は[[太陽系]]の[[小惑星帯]]にある[[小惑星]]の1つ。[[1804年]][[9月1日]]に[[ドイツ]]の天文家[[カール・ハーディング]]が[[ニーダーザクセン州]]のリリエンタールで発見した{{R|jpldata}}。小惑星帯の中では11番目に大きい天体であり、[[S型小惑星]]の中では[[エウノミア (小惑星)|エウノミア]]に次いで大きい。ジュノーは小惑星帯の質量の1%を占めていると推定されている{{R|Pitjeva05}}。 |
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== 歴史 == |
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[[小惑星帯]](メインベルト)に位置し、[[ケレス (準惑星)|ケレス]](2006年以降は[[準惑星]])、[[パラス (小惑星)|パラス]]に次いで3番目に発見された小惑星である。[[ローマ神話]]の[[女神]][[ユーノー]]にちなんで命名された。 |
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=== 発見 === |
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ジュノーは1804年9月1日、カール・ハンディングにより発見された{{R|jpldata}}。ジュノーは3番目に発見された小惑星であるが、当初は惑星だと考えられていた。1850年代になると小惑星に分類された{{R|Hilton}}。 |
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=== 名称 === |
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ジュノーは[[ローマ神話]]の最大の女神、[[ユーノー]]にちなんで名付けられた。名称には一部国によって例外がある。一つは言語の違いによるもので、[[イタリア]]では''Giunone''、[[フランス]]では''Junon''、[[ロシア]]では''Yunona''という。もう一つの例外は国の違いによる神の立場によるものであり、ギリシアの場合は[[ヘーラー]]にちなんでHera(3 Ήρα)、[[中国語]]では同じ結婚の神として婚神星 (''hūnshénxīng'')と呼ばれる。 |
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惑星の記号としては③が使われるが、古くは⚵([[ファイル:Juno symbol.svg|30x20px]])の文字が用いられ、現在もまれに見られる。 |
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== 特徴 == |
== 特徴 == |
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ジュノーは10番目に大きい小惑星(準惑星除く)であり、質量は[[小惑星帯]]全体の1%を占める{{R|Pitjeva05}}。しかしケレスとジュノーの質量比は100:3の違いがある{{R|Baer}}。公転周期は約4.36年である{{R|jpldata}}。また、ジュノーは小惑星帯中の[[ジュノー族]]に属する。 |
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[[ファイル:AnimatedOrbitOf3Juno.gif|thumb|left|235px|ジュノー(青色)の軌道。赤色の軌道は惑星で、一番外側の軌道は木星。]] |
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ジュノーは直径約234kmと、メインベルト小惑星のなかでは最大の部類に属する。ケレス、パラス、[[ベスタ (小惑星)|ベスタ]]とともに、四大小惑星と呼ばれることもある。ただし、現在では、これら以外にジュノーより大きい小惑星がメインベルト中にもいくつか発見されているため、ジュノーはメインベルト中の「大きいほうから数えて4番目の天体」というわけではない。 |
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[[ファイル:Moon and Asteroids 1 to 10.svg|thumb|right|小惑星番号が1から10の小惑星と月の大きさの比較。ジュノーは左から3番目。]] |
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スペクトルはS型であり、[[鉄]]と[[マグネシウム]]の[[ケイ酸塩]]に[[ニッケル]]と鉄が混合した組成になっていると考えられている。 |
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ジュノーはS型小惑星の中でも異常なアルベドを持ち、これは表面の特性がかなり異なっていることを示している。この高いアルベドにより小惑星帯より太陽側にないにもかかわらず、高い[[視等級]]を持つ原因が説明できる。ジュノーは好都合な条件では[[衝]]の際に視等級7.5にまで到達し、[[海王星]]や[[タイタン (衛星)|タイタン]]よりも明るくなったため、[[ヒギエア (小惑星)|ヒギエア]]、[[エウロパ (小惑星)|エウロパ]]、[[ダビダ (小惑星)|ダビダ]]、[[インテラムニア (小惑星)|インテラムニア]]などより早く発見された。ジュノーは衝の時なら[[双眼鏡]]でも見える範囲にあり、[[離角]]が少しあっても、3インチ望遠鏡で確認できる{{R|telescope}}。 |
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{| class="wikitable" align=right |
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|+ 1807年から1845年の惑星 |
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! 順番 !! 名称(英語) !! 名称(日本語) !! 記号 |
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|- |
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| 1 || Mercury || [[水星]] || [[ファイル:Mercury symbol (fixed width).svg|16px|☿]] |
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|- |
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| 2 || Venus || [[金星]] || [[ファイル:Venus symbol (fixed width).svg|16px|♀]] |
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|- |
|||
| 3 || Earth || [[地球]] || [[ファイル:Earth symbol (fixed width).svg|16px|🜨]] |
|||
|- |
|||
| 4 || Mars || [[火星]] || [[ファイル:Mars symbol (fixed width).svg|16px|♂]] |
|||
|- |
|||
| 5 || Vesta || [[ベスタ (小惑星)|ベスタ]] || [[ファイル:Vesta symbol (fixed width).svg|16px|⚶]] |
|||
|- |
|||
| 6 || Juno || '''ジュノー''' || [[ファイル:Juno symbol (fixed width).svg|16px|⚵]] |
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|- |
|||
| 7 || Ceres || [[ケレス (準惑星)|ケレス]] || [[ファイル:Ceres symbol (fixed width).svg|16px|⚳]] |
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|- |
|||
| 8 || Pallas || [[パラス (小惑星)|パラス]] || [[ファイル:Pallas symbol (fixed width).svg|16px|⚴]] |
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|- |
|||
| 9 || Jupiter || [[木星]] || [[ファイル:Jupiter symbol (fixed width).svg|16px|♃]] |
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|- |
|||
| 10 || Saturn || [[土星]] || [[ファイル:Saturn symbol (fixed width).svg|16px|♄]] |
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|- |
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| 11 || Uranus || [[天王星]] || [[ファイル:Uranus symbol (fixed width).svg|16px|⛢]] |
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|} |
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ジュノーは元々、ケレス、パラス、ベスタと共に惑星とみなされていた{{R|Hilton}}。1811年に[[ヨハン・シュレーター]]はジュノーの直径を2290kmと推定してしまった{{R|Hilton}}。これら4つは分類し直され、小惑星に追加された。ジュノーは小さく、球体ではなかったので[[準惑星]]に分類されることはなかった。 |
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[[1958年]][[2月19日]]、[[SAO 112328]] という暗い星をジュノーが[[掩蔽]]する恒星食が観測された。小惑星による掩蔽が観測されたのはこれが初めてである。以来、ジュノーによる掩蔽は何度か観測されている。 |
|||
ジュノーの太陽からの平均距離は太陽とケレスやパラスの平均距離よりわずかに近い。[[軌道傾斜角]]12°の楕円軌道をとっており、[[軌道離心率]]は[[冥王星]]と同じくらいだがわずかに上回っている。軌道離心率の高さにより近日点はベスタよりも近く、遠日点はケレスよりも遠い。ジュノーは1854年に33 [[ポリヒムニア (小惑星)|ポリヒムニア]]が発見されるまでは軌道離心率最大の天体であった。また、直径が200km以上で軌道離心率がジュノーを上回るものは324 [[バンベルガ (小惑星)|バンベルガ]]のみである{{R|ecc}}。 |
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[[2003年]]にジュノーは[[ウィルソン山天文台]]のフッカー反射望遠鏡によって撮影され、その特異な形状が明らかとなった<ref>[https://www.cfa.harvard.edu/news/archive/pr0318image.html Asteroid Juno Has A Bite Out Of It]、[[ハーバード・スミソニアン天体物理学センター]]、[[2003年]][[8月6日]]</ref>。赤外線写真によると、ジュノーは直径 100kmに及ぶ巨大な[[クレーター]]を持つ。このクレーターは比較的最近の衝突によって形成されたと考えられており、この衝突の時にジュノーから飛び出した破片と思われる小さな小惑星からなる[[ジュノー族]] (Juno clump) が存在する。 |
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ジュノーは[[赤道傾斜角]]約50°で[[順行・逆行|順行]]している{{R|kaasalainen2002}}。ジュノーの表面温度は太陽に面しているときに最大になり、2001年10月2日に293Kと測定された。後に太陽からの距離が考慮されて表面温度の最大は301Kとなった{{R|lim2005}}。 |
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また分光学的分析によると、ジュノーの本体は[[カンラン石]]や[[輝石]]など鉄を含むケイ酸塩で構成されたごく普通の[[コンドライト]]で出来ていると考えられる。 |
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ジュノーの分光器による観測でジュノーは[[カンラン石]]や[[輝石]]などの鉄を含有する[[ケイ酸塩]]の[[石質隕石]]である[[コンドライト]]の母天体であることが分かった{{R|gaffey1993}}。赤外線を通した画像によるとジュノーには100kmほどの[[クレーター]]があり、衝突時にできた結果である{{R|harvard-pr0318|baliunas2003}}。 |
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== 観測 == |
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ジュノーは[[小惑星による掩蔽|掩蔽]]がはじめて観測された小惑星である。1958年2月19日に暗い恒星[[SAO 112328]]の前を通過した。それ以来、多くのジュノーによる[[掩蔽]]が確認され、[[SAO 115946]]が掩蔽された1979年12月11日には18人の観測者により観測された{{R|millis1981}}。2013年7月29日には視等級11.3のPPMX 9823370の掩蔽<ref>[https://archive.today/20130729233004/http://www.asteroidoccultation.com/2013_07/0729_3_30531.htm Asteroid Occultation Updates – Jul 29, 2013]</ref>、その翌日には2UCAC 30446947の掩蔽が観測された<ref>[https://archive.today/20130729232944/http://www.asteroidoccultation.com/2013_07/0730_3_29995.htm Asteroid Occultation Updates – Jul 30, 2013].</ref>。 |
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火星の運動によって引き起こされる微小な[[摂動 (天文学)|摂動]]からジュノーの質量を推定するために火星の軌道上を周回する探査機や表面からの探査機による無線探査が行われた{{R|Pitjeva04}}。1839年頃にも小惑星の摂動により軌道がわずかに変化したが、どの小惑星かは分かっていない{{R|usno1999}}。 |
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1996年にジュノーは[[ウィルソン山天文台]]にあるHooker望遠鏡で[[補償光学]]を応用し、実視領域と近赤外線領域からの観測で画像が得られた。この画像によりジュノーの不規則な形やアルベドの小さい地形の詳細が判明した{{R|baliunas2003}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:480px;" |
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|- |
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|valign=top|<center>[[ファイル:Juno 4 wavelengths.jpg|200px]]<br />4種類の波長でから観測したジュノー。暗いところがクレーターである。2003年、Hooker望遠鏡により撮影。</center> |
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|valign=top|<center>'''動画'''<br>[[ファイル:Juno mpl anim.gif|170px]]<br />ジュノーの背景の星に対する動き。</center> |
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|valign=top|<center>'''静止画'''<br>[[ファイル:3Juno-LB1-apmag.jpg|200px]]<br />2009年衝の際に撮影されたジュノー。</center> |
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|valign=top|<center>'''自転の映像'''<br>[[ファイル:Animation of the asteroid Juno as imaged by ALMA.webm|180px]]<br />[[アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計|アルマ望遠鏡]]により撮影されたジュノーの映像。</center> |
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|} |
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[[2014年]][[10月19日]]、[[アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計|アルマ望遠鏡]]は4時間にわたってジュノーの電波観測を行って連続画像を得ることに成功した<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2015/04/08juno/index-j.shtml 自転の様子もハッキリ アルマがとらえた小惑星ジュノー]、[[アストロアーツ]]、[[2015年]][[4月8日]]、同年[[4月9日]]閲覧</ref>。この観測から、ジュノーの不規則な形状が改めて明らかになるとともに、電波の反射の度合いの変化から、表面の[[レゴリス]]が一様ではない可能性があることも判明した。 |
[[2014年]][[10月19日]]、[[アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計|アルマ望遠鏡]]は4時間にわたってジュノーの電波観測を行って連続画像を得ることに成功した<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2015/04/08juno/index-j.shtml 自転の様子もハッキリ アルマがとらえた小惑星ジュノー]、[[アストロアーツ]]、[[2015年]][[4月8日]]、同年[[4月9日]]閲覧</ref>。この観測から、ジュノーの不規則な形状が改めて明らかになるとともに、電波の反射の度合いの変化から、表面の[[レゴリス]]が一様ではない可能性があることも判明した。 |
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==脚注== |
==脚注== |
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<references /> |
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=== 注釈 === |
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{{reflist|group=注}} |
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=== 出典 === |
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{{reflist|refs= |
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<ref name="jpldata">{{cite web |
|||
|type=2019年12月6日に最終観測 |
|||
|title=JPL Small-Body Database Browser: 3 Juno |
|||
|publisher=[[ジェット推進研究所]] |
|||
|url=https://ssd.jpl.nasa.gov/tools/sbdb_lookup.html#/?sstr=3 |
|||
|accessdate=2020-01-01}}</ref> |
|||
<ref name="Baer"> |
|||
{{cite web |
|||
|date=2008 |
|||
|title=Recent Asteroid Mass Determinations |
|||
|publisher=Personal Website |
|||
|author=Jim Baer |
|||
|url=http://home.earthlink.net/~jimbaer1/astmass.txt |
|||
|accessdate=2020-01-01 |
|||
|archive-url=https://web.archive.org/web/20130702212735/http://home.earthlink.net/~jimbaer1/astmass.txt |
|||
|archive-date=2013-07-02 |
|||
|url-status=dead |
|||
}} |
|||
</ref> |
|||
<ref name="Baer2011">{{Cite book |
|||
|author=James Baer, Steven Chesley, Robert Matson |
|||
|date=2011 |
|||
|title=Astrometric masses of 26 asteroids and observations on asteroid porosity |
|||
|work=[[アストロノミカルジャーナル]]141巻5号 |
|||
}}</ref> |
|||
<ref name="lc"> |
|||
{{cite web |
|||
|editor-last=Harris |
|||
|editor-first=A. W. |
|||
|editor2=Warner, B. D. |
|||
|editor3=Pravec, P. |
|||
|title=Asteroid Lightcurve Derived Data. urn:nasa:pds:ast-lightcurve-database::3.0 |
|||
|publisher=NASA Planetary Data System |
|||
|date=2019-12-09 |
|||
|url=http://www.psi.edu/pds/resource/lc.html |
|||
|accessdate=2020-01-01 |
|||
}} |
|||
出典引用元は [http://sbnarchive.psi.edu/pds4/non_mission/ast-lightcurve-database_V3_0.zip このPDF] にある<br />'''lc.summary.csv'''のもの。</ref> |
|||
<ref name="lim2005"> |
|||
{{cite journal |
|||
| last= Lim | first= Lucy F. |
|||
|author2= McConnochie, Timothy H.|author3= Bell, James F.|author4= Hayward, Thomas L. |
|||
| title= Thermal infrared (8–13 µm) spectra of 29 asteroids: the Cornell Mid-Infrared Asteroid Spectroscopy (MIDAS) Survey |
|||
| journal= Icarus | date= 2005 | volume= 173 | issue= 2| pages= 385–408 |
|||
| bibcode= 2005Icar..173..385L |
|||
| doi= 10.1016/j.icarus.2004.08.005}}</ref> |
|||
<ref name="AstDys-Juno">{{cite web |
|||
|title=AstDys (3) Juno Ephemerides |
|||
|publisher=Department of Mathematics, University of Pisa, Italy |
|||
|url=https://newton.spacedys.com/astdys/index.php?pc=1.1.3.1&n=3&oc=500&y0=1983&m0=10&d0=23&h0=00&mi0=00&y1=1983&m1=10&d1=26&h1=00&mi1=00&ti=1.0&tiu=days |
|||
|accessdate=2020-01-01}} |
|||
</ref> |
|||
<ref name="Pitjeva05"> |
|||
{{cite journal |
|||
|last=Pitjeva |
|||
|first=E. V. |
|||
|title=High-Precision Ephemerides of Planets—EPM and Determination of Some Astronomical Constants |
|||
|journal=Solar System Research |
|||
|date=2005 |
|||
|volume=39 |
|||
|issue=3 |
|||
|page=176 |
|||
|url=http://iau-comm4.jpl.nasa.gov/EPM2004.pdf |
|||
|format=PDF |
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|doi=10.1007/s11208-005-0033-2 |
|||
|bibcode=2005SoSyR..39..176P |
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|url-status=dead |
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|archiveurl=https://web.archive.org/web/20081031065523/http://iau-comm4.jpl.nasa.gov/EPM2004.pdf |
|||
|archivedate=2008-10-31 |
|||
|df= |
|||
}} |
|||
</ref> |
|||
<ref name=Hilton>{{cite web | author=Hilton, James L. |title=When did the asteroids become minor planets? |work=U.S. Naval Observatory |url=http://aa.usno.navy.mil/faq/docs/minorplanets.php |accessdate=2020-01-01 |archiveurl = https://web.archive.org/web/20080324182332/http://aa.usno.navy.mil/faq/docs/minorplanets.php |archivedate = 2008-03-24}}</ref> |
|||
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2024年7月13日 (土) 14:13時点における最新版
ジュノー (ユノー) 3 Juno | |
---|---|
ジュノーの軌道は楕円軌道であり、軽度の軌道傾斜角を持つ。軌道は火星と木星間にある。
| |
分類 | 小惑星 |
軌道の種類 | 小惑星帯 (ジュノー族) |
発見 | |
発見日 | 1804年9月1日[1] |
発見者 | K. ハーディング[1] |
軌道要素と性質 元期:2019年4月27日 (JD 2458600.5) | |
軌道長半径 (a) | 2.6691495 au[1] |
近日点距離 (q) | 1.9833321 au[1] |
遠日点距離 (Q) | 3.3549670 au[1] |
離心率 (e) | 0.2569423[1] |
公転周期 (P) | 1593日 4.36 年[1] |
平均軌道速度 | 18.24 km/s[要出典] |
軌道傾斜角 (i) | 度[1] | 12.98892
近日点引数 (ω) | 248.13863 度[1] |
昇交点黄経 (Ω) | 169.85276 度[1] |
平均近点角 (M) | 34.92502 度[1] |
前回近日点通過 | 2018年11月23日[1] |
次回近日点通過 | 2023年4月4日[1][注 1] |
平均運動 (n) | 0.2260189 度毎日[1] |
最小交差距離(地球) | 1.03454 au[1] |
最小交差距離(木星) | 2.18657 au[1] |
物理的性質 | |
三軸径 | 320km × 267km × 200km[2] |
直径 | 246.596 ± 10.596km[1] |
表面積 | 86万km2[注 2] |
体積 | 7160万km3[注 2] |
質量 | 2.86 ± 0.46 ×1019 kg[3][注 3] |
平均密度 | 3.20 ± 0.56g/cm3[3] |
表面重力 | 0.13 m/s2[要出典] |
脱出速度 | 0.18 km/s[要出典] |
自転周期 | 7.21 時間[1][4] |
スペクトル分類 | トーレン:S[1] SMASS:Sk[1] |
絶対等級 (H) | 5.33[1] |
光度係数 (G) | 0.32[1] |
アルベド(反射能) | 0.214[1] 0.21[4] |
表面温度 | ~301 K[5] |
色指数 (B-V) | 0.824[1] |
色指数 (U-B) | 0.433[1] |
衝の際の視等級 | 7.5[6] |
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ジュノー[7] またはユノー[8]またはユノ[9] (3 Juno) は太陽系の小惑星帯にある小惑星の1つ。1804年9月1日にドイツの天文家カール・ハーディングがニーダーザクセン州のリリエンタールで発見した[1]。小惑星帯の中では11番目に大きい天体であり、S型小惑星の中ではエウノミアに次いで大きい。ジュノーは小惑星帯の質量の1%を占めていると推定されている[10]。
歴史
[編集]発見
[編集]ジュノーは1804年9月1日、カール・ハンディングにより発見された[1]。ジュノーは3番目に発見された小惑星であるが、当初は惑星だと考えられていた。1850年代になると小惑星に分類された[11]。
名称
[編集]ジュノーはローマ神話の最大の女神、ユーノーにちなんで名付けられた。名称には一部国によって例外がある。一つは言語の違いによるもので、イタリアではGiunone、フランスではJunon、ロシアではYunonaという。もう一つの例外は国の違いによる神の立場によるものであり、ギリシアの場合はヘーラーにちなんでHera(3 Ήρα)、中国語では同じ結婚の神として婚神星 (hūnshénxīng)と呼ばれる。
惑星の記号としては③が使われるが、古くは⚵()の文字が用いられ、現在もまれに見られる。
特徴
[編集]ジュノーは10番目に大きい小惑星(準惑星除く)であり、質量は小惑星帯全体の1%を占める[10]。しかしケレスとジュノーの質量比は100:3の違いがある[2]。公転周期は約4.36年である[1]。また、ジュノーは小惑星帯中のジュノー族に属する。
ジュノーはS型小惑星の中でも異常なアルベドを持ち、これは表面の特性がかなり異なっていることを示している。この高いアルベドにより小惑星帯より太陽側にないにもかかわらず、高い視等級を持つ原因が説明できる。ジュノーは好都合な条件では衝の際に視等級7.5にまで到達し、海王星やタイタンよりも明るくなったため、ヒギエア、エウロパ、ダビダ、インテラムニアなどより早く発見された。ジュノーは衝の時なら双眼鏡でも見える範囲にあり、離角が少しあっても、3インチ望遠鏡で確認できる[12]。
順番 | 名称(英語) | 名称(日本語) | 記号 |
---|---|---|---|
1 | Mercury | 水星 | |
2 | Venus | 金星 | |
3 | Earth | 地球 | |
4 | Mars | 火星 | |
5 | Vesta | ベスタ | |
6 | Juno | ジュノー | |
7 | Ceres | ケレス | |
8 | Pallas | パラス | |
9 | Jupiter | 木星 | |
10 | Saturn | 土星 | |
11 | Uranus | 天王星 |
ジュノーは元々、ケレス、パラス、ベスタと共に惑星とみなされていた[11]。1811年にヨハン・シュレーターはジュノーの直径を2290kmと推定してしまった[11]。これら4つは分類し直され、小惑星に追加された。ジュノーは小さく、球体ではなかったので準惑星に分類されることはなかった。
ジュノーの太陽からの平均距離は太陽とケレスやパラスの平均距離よりわずかに近い。軌道傾斜角12°の楕円軌道をとっており、軌道離心率は冥王星と同じくらいだがわずかに上回っている。軌道離心率の高さにより近日点はベスタよりも近く、遠日点はケレスよりも遠い。ジュノーは1854年に33 ポリヒムニアが発見されるまでは軌道離心率最大の天体であった。また、直径が200km以上で軌道離心率がジュノーを上回るものは324 バンベルガのみである[13]。
ジュノーは赤道傾斜角約50°で順行している[14]。ジュノーの表面温度は太陽に面しているときに最大になり、2001年10月2日に293Kと測定された。後に太陽からの距離が考慮されて表面温度の最大は301Kとなった[5]。
ジュノーの分光器による観測でジュノーはカンラン石や輝石などの鉄を含有するケイ酸塩の石質隕石であるコンドライトの母天体であることが分かった[15]。赤外線を通した画像によるとジュノーには100kmほどのクレーターがあり、衝突時にできた結果である[16][17]。
観測
[編集]ジュノーは掩蔽がはじめて観測された小惑星である。1958年2月19日に暗い恒星SAO 112328の前を通過した。それ以来、多くのジュノーによる掩蔽が確認され、SAO 115946が掩蔽された1979年12月11日には18人の観測者により観測された[18]。2013年7月29日には視等級11.3のPPMX 9823370の掩蔽[19]、その翌日には2UCAC 30446947の掩蔽が観測された[20]。
火星の運動によって引き起こされる微小な摂動からジュノーの質量を推定するために火星の軌道上を周回する探査機や表面からの探査機による無線探査が行われた[21]。1839年頃にも小惑星の摂動により軌道がわずかに変化したが、どの小惑星かは分かっていない[22]。
1996年にジュノーはウィルソン山天文台にあるHooker望遠鏡で補償光学を応用し、実視領域と近赤外線領域からの観測で画像が得られた。この画像によりジュノーの不規則な形やアルベドの小さい地形の詳細が判明した[17]。
4種類の波長でから観測したジュノー。暗いところがクレーターである。2003年、Hooker望遠鏡により撮影。 |
ジュノーの背景の星に対する動き。 |
2009年衝の際に撮影されたジュノー。 |
アルマ望遠鏡により撮影されたジュノーの映像。 |
2014年10月19日、アルマ望遠鏡は4時間にわたってジュノーの電波観測を行って連続画像を得ることに成功した[23]。この観測から、ジュノーの不規則な形状が改めて明らかになるとともに、電波の反射の度合いの変化から、表面のレゴリスが一様ではない可能性があることも判明した。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab “JPL Small-Body Database Browser: 3 Juno”. ジェット推進研究所. 2020年1月1日閲覧。
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関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ジュノー - JPL Small-Body Database
- ライトカーブ観測によるジュノーの形状(英語、PDF)
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