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「NHK職員によるインサイダー取引事件」の版間の差分

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2019年3月1日 (金) 00:54時点における版

NHK職員によるインサイダー取引事件(エヌエイチケイしょくいんによるインサイダーとりひきじけん)とは、2007年日本放送協会(NHK)の職員が、ニュース原稿を放送前に閲覧し、それをもとに対象企業の株式を売買したインサイダー取引事件である。

概要

2007年3月8日、ゼンショーカッパクリエイトと資本業務提携することが決定し、両社が発表する時間と同じ午後3時のNHKニュースで放送した。[1]この放送原稿を、放送前に原稿システムの端末から知ったNHKの職員が、カッパクリエイト株の不正取引を行っていたことが明らかになった[2]

NHKによると、証券取引等監視委員会の調査を受けたのは、33歳の報道局テレビニュース部制作記者、30歳のNHK岐阜放送局放送部記者、40歳のNHK水戸放送局放送部ディレクター。

NHKの内部調査では、3人の内2人は勤務時間中にも関わらず勤務先から自宅へ戻り、パソコンからのカッパクリエイト株の買い注文を出していた。残る1人は勤務中に携帯電話のサイトを通じて購入していた。

取調べに対して「1回あたり約40万円ほどの儲けがあった」と職員は供述している。後の同局の記者会見では16日午前の証券取引等監視委員会の査察まで気づかなかった上、コンプライアンス担当理事である畠山博治理事の説明によれば、経済部内部では禁止をしていたが、他の部署までの対策が到らず、倫理規定も曖昧だったことを認めた。

また調査対象者が約5000人にのぼり、NHKは内部調査委員会による解明や証券取引等監視委員会への捜査協力を表明した。監督官庁である総務省増田寛也大臣は徹底調査すべきと発言し過去の不祥事から学んでない点に不快感を示した。

顛末

証券取引等監視委員会のその後の調査で3人の取引が当日の市場取引の約3割にも当たり、市場に与えた影響が大きく悪質な行為と見ており徹底追及の方針[3]証券取引等監視委員会金融庁に6万 - 45万円の課徴金勧告、それに従い金融庁は課徴金納付命令を出す方針。

NHKでは第三者委員会の報告まで当面、当該職員の懲戒休職処分としたが、金融庁の課徴金納付命令処分が下った為、処分を早め当該職員全員懲戒免職処分にした。また当時の橋本元一会長は、任期満了となる2008年1月24日に引責辞任した。

原稿システム

NHKニュースの原稿は社内システムで管理されているが、当時はニュース原稿を編集作業に回す時点で、報道関連の職員なら誰でも見られる状態になっていた。今回の事件では社内公開された時間が午後2時38分で、株式取引終了時間の午後3時までの22分間に株取引が行われた。[4]

出典

  1. ^ 「取材先の企業、事前にNHK側に警告」 TBS、2008年1月18日。
  2. ^ NHK広報局 「職員の株取引をめぐる証券取引等監視委員会の調査について」 日本放送協会、2008年1月17日。
  3. ^ 堀文彦 「NHK株不正取引 カッパ株売買、3人で3分の1占める」毎日新聞、2008年1月20日。
  4. ^ NHK記者ら3人株インサイダー取引疑惑(日刊スポーツ、2008年1月18日)

関連項目

外部リンク