コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「太陽系」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m 角括弧の位置修正
m編集の要約なし
(3人の利用者による、間の7版が非表示)
1行目: 1行目:
{{翻訳直後|[https://en-two.iwiki.icu/wiki/Solar_System en:Solar System]|date=2018年6月}}
[[ファイル:Solar sys8.jpg|thumb|300px|わかりやすく緊密配置で描かれた太陽系。実際の天体同士はとても離れている。天体直径比も圧縮され描かれている。]]
{{天体 基本
| 色 = #000000
| 幅 = 400px
| 和名 = 太陽系
| 英名 = Solar System
| 画像ファイル = Planets2013.svg
| 画像サイズ = 320px
| 画像説明 = 太陽系の惑星(距離は実際の比率ではない)
{{天体 項目|総質量|1.0014 [[太陽質量|''M''<sub>☉</sub>]]<ref group="注">太陽が太陽系の99.86%の質量を占めているとして計算。</ref>}}
{{天体 項目|最も遠い惑星|[[海王星]]<small>(30.10 [[天文単位|au]])</small>}}
{{天体 項目|最も近い[[恒星]]|[[プロキシマ・ケンタウリ]]<small>(4.22 [[光年]])</small>}}
{{天体 項目|最も近い[[惑星系]]|[[プロキシマ・ケンタウリ]]系<small>(4.22 光年)</small>}}
{{天体 項目|恒星数|1<small>([[太陽]])</small>}}
{{天体 項目|[[惑星]]数|8<small>([[水星]]・[[金星]]・[[地球]]・[[火星]]・[[木星]]・[[土星]]・[[天王星]]・[[海王星]])}}
{{天体 項目|[[準惑星]]数|5<ref>{{cite web|url=http://www.mikebrownsplanets.com/2011/08/free-dwarf-planets.html|author=[[マイク・ブラウン|Mike Brown]]|title=Free the dwarf planets!|date=23 August 2011|work=Mike Brown's Planets|accessdate=2018-06-17}}</ref><small>([[ケレス (小惑星)|ケレス]]・[[冥王星]]・[[ハウメア (準惑星)|ハウメア]]・[[マケマケ (準惑星)|マケマケ]]・[[エリス (準惑星)|エリス]])</small>}}
{{天体 項目|既知の[[衛星]]数|525<br><small>(惑星: 178<ref>{{cite web|url=https://www.nao.ac.jp/new-info/satellite.html|title=惑星の衛星数・衛星一覧|work=[[国立天文台]]|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite web|title=How Many Solar System Bodies|publisher=NASA/JPL Solar System Dynamics|url=http://ssd.jpl.nasa.gov/?body_count |accessdate=2018-06-17}}</ref>、小惑星: 348<ref>{{cite web|title=Asteroids with Satellites|publisher=Johnston's Archive|author=Wm. Robert Johnston |url=http://www.johnstonsarchive.net/astro/asteroidmoons.html|date=2018-04-12|accessdate=2018-06-25}}</ref>)</small>}}
{{天体 項目|既知の[[小惑星]]数|783,757{{R|MinorPlanetCenter}}}}
{{天体 項目|既知の[[彗星]]数|4,021{{R|MinorPlanetCenter}}}}
{{天体 項目|[[ハビタブルゾーン]](HZ)の範囲|0.95 - 2.4 au{{R|Ramirez17}}}}
{{天体 項目|[[凍結線]]の範囲|2.7 au<ref>{{cite web|url=http://phl.upr.edu/projects/habitable-exoplanets-catalog/calculators|title=HEC: Exoplanets Calculator|work=[[プエルトリコ大学アレシボ校|University of Puerto Rico at Arecibo]]|publisher=Planetary Habitability Laboratory|accessdate=2018-06-17}}</ref><br>~5 au {{R|Muuma03}}}}
{{天体 項目|[[ヘリオポーズ]]の範囲|~120 au{{R|NASA20120614}}}}
{{天体 項目|年齢|約45億6800万年}}
}}
{{天体 見出し
| 色 = #000000
| 見出し = 銀河系における軌道要素
}}
{{天体 項目|位置|[[オリオン腕]]}}
{{天体 項目|中心からの距離|25,000 - 28,000 光年{{R|Eisenhauer03}}}}
{{天体 項目|公転速度|220 km/s}}
{{天体 項目|[[公転周期]]|2億2500万 - 2億5000万年{{R|hypertextbook}}}}
{{天体 終了
| 色 = #000000
}}
{{Solar System sidebar}}
{{Solar System sidebar}}
'''太陽系'''(たいようけい、[[英語]]:Solar System<ref>この世に「太陽系」はひとつしかないので、[[固有名詞]]的な扱いをされ、その場合、英語では名詞それぞれを大文字にする。</ref>、[[ラテン語]]:systema solare シュステーマ・ソーラーレ)とは、[[太陽]]および太陽の周囲を[[公転]]する[[天体]]([[惑星系]])と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主要因となる空間から構成される領域をいう。


'''太陽系'''(たいようけい、{{Lang-en|Solar System}}<ref group="注">この世に「太陽系」はひとつしかないので、[[固有名詞]]的な扱いをされ、その場合、英語では名詞それぞれを大文字にする。</ref>、[[ラテン語]]:systema solare シュステーマ・ソーラーレ)とは、[[太陽]]および、その[[重力]]で周囲を直接的、あるいは間接的に[[公転]]する[[天体]]<ref group="注">惑星を公転する衛星は、後者に当てはまる</ref>から構成される構造である。主に、現在確認されている8個の'''[[惑星]]'''<ref group="注">歴史上では、1930年に発見された[[冥王星]]などの天体が惑星に分類されていた事もあった。[[惑星の定義]]も参照。</ref>、5個の'''[[準惑星]]'''、それを公転する'''[[衛星]]'''、そして多数の'''[[太陽系小天体]]'''などから成る<ref name=Newton09-pp18.19>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、1章 太陽系とは、pp.18-19 太陽のまわりには八つの惑星が存在する]]</ref>。間接的に太陽を公転している天体のうち衛星2つは、惑星では最も小さい[[水星]]よりも大きい<ref group="注">太陽と惑星以外で、水星よりも大きいのは木星の衛星[[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]と土星の衛星[[タイタン (衛星)|タイタン]]である。</ref>。
太陽の周囲を公転する天体には、現在確認されているだけで8個の[[惑星]]、5個の[[準惑星]]、多数の[[太陽系小天体]]がある。太陽系のうち、[[地球型惑星]]である[[火星]]が位置するまでの領域を'''内太陽系'''、それより外側の領域を'''外太陽系'''と呼称する場合がある。


太陽系は約46億年前、[[分子雲|星間分子雲]]の[[重力崩壊]]によって形成されたとされている。総質量のうち、ほとんどは太陽が占めており、残りの質量も大部分は[[木星]]が占めている。内側を公転している小型な[[水星]]、[[金星]]、[[地球]]、[[火星]]は、主に[[岩石]]から成る[[地球型惑星]](岩石惑星)で、[[木星]]と[[土星]]は、主に[[水素]]と[[ヘリウム]]から成る[[木星型惑星]](巨大ガス惑星)で、[[天王星]]と[[海王星]]は、[[メタン]]や[[アンモニア]]、[[氷]]などの[[揮発性物質]]といった、水素やヘリウムよりも[[融点]]の高い物質から成る[[天王星型惑星]](巨大氷惑星)である。8個の惑星はほぼ同一平面上にあり、この平面を[[黄道|黄道面]]と呼ぶ。
太陽系小天体には[[小惑星]]、[[太陽系外縁天体]](ただし外縁天体のうちの[[冥王星型天体]]は準惑星に含まれる)、[[彗星]]、[[惑星間塵]]などがある。惑星や準惑星、太陽系小天体にはその周囲を公転する[[衛星]]や[[環 (天体)|環]]を持つものもある。


他にも、太陽系には多数の小天体を含んでいる{{Refnest|group="注"|name=a|According to [[国際天文学連合による惑星の定義|IAU definitions]], objects orbiting the Sun are classified dynamically and physically into three categories: ''planets'', ''dwarf planets'', and ''small Solar System bodies''.
== 太陽系の位置・軌道 ==
*A [[惑星|planet]] is any body orbiting the Sun whose [[質量|mass]] is sufficient for [[重力|gravity]] to have pulled it into a (near-)[[球面|spherical]] shape and that has [[Clearing the neighbourhood|cleared its immediate neighbourhood]] of all smaller objects. By this definition, the Solar System has eight planets: Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, and Neptune. Because it has not cleared its neighbourhood of other [[エッジワース・カイパーベルト|Kuiper belt]] objects, Pluto does not fit this definition.{{R|FinalResolution}}
太陽は、約10万[[光年]]の直径を持つ[[銀河系]](天の川銀河)と呼ばれる[[銀河]]を構成する、約2000億個の[[恒星]]の一つである。銀河系の中では[[オリオン腕]]に位置する。
*A [[準惑星|dwarf planet]] is a body orbiting the Sun that is massive enough to be made near-spherical by its own gravity but that has not cleared [[微惑星|planetesimal]]s from its neighbourhood and is also not a satellite.{{R|FinalResolution}} Pluto is a dwarf planet and the [[国際天文学連合|IAU]] has recognized four other dwarf planets in the Solar System: [[ケレス (小惑星)|Ceres]], [[ハウメア (準惑星)|Haumea]], [[マケマケ (準惑星)|Makemake]], and [[エリス (準惑星)|Eris]].{{R|name}} Other objects commonly (but not officially) treated as dwarf planets include {{mpl|2007 OR|10}}, [[セドナ (小惑星)|Sedna]], [[オルクス (小惑星)|Orcus]], and [[クワオアー|Quaoar]].<ref>{{cite web|title=IAU Planet Definition Committee|author=Ron Ekers|publisher=[[国際天文学連合|International Astronomical Union]]|url=http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0601/newspaper/|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090603001603/http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0601/newspaper/|archivedate=3 June 2009}}</ref> In a reference to Pluto, other dwarf planets orbiting in the trans-Neptunian region are sometimes called "[[冥王星型天体|plutoid]]s".<ref>{{cite news|date=11 June 2008 |title=Plutoid chosen as name for Solar System objects like Pluto|publisher=International Astronomical Union|url=http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0804|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080613121232/http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0804/|archivedate=13 June 2008}}</ref>
*The remaining objects orbiting the Sun are known as [[太陽系小天体|small Solar System bodies]].{{R|FinalResolution}} }}。火星と木星の間にある[[小惑星帯]]は、地球型惑星と同様に岩石や[[金属]]などから構成されている小天体が多い。それに対して、海王星の軌道の外側に広がる、主に氷から成る[[太陽系外縁天体]]が密集している、[[エッジワース・カイパーベルト]]や[[散乱円盤天体]]がある。そして、そのさらに外側には{{仮リンク|セドノイド|en|Sednoid}}と呼ばれる、新たな小惑星の集団も発見されてきている。これらの小天体のうち、数十個から数千個は自身の[[重力]]で、球体の形状をしているものもある<ref>{{cite web|url=http://pluto.jhuapl.edu/overview/piPerspective.php?page=piPerspective_08_24_2012|title=The PI's Perspective|date=2012-08-24|quote=Today we know of more than a dozen dwarf planets in the solar system|deadurl=yes|archive-url=https://web.archive.org/web/20141113225430/http://pluto.jhuapl.edu/overview/piPerspective.php?page=piPerspective_08_24_2012|archive-date=2014-11-13|accessdate=2018-06-17}}</ref>。そのような天体は[[準惑星]]に分類される事がある。現在、準惑星には小惑星帯の[[ケレス (小惑星)|ケレス]]と、太陽系外縁天体の冥王星、[[ハウメア (準惑星)|ハウメア]]、[[マケマケ (準惑星)|マケマケ]]、[[エリス (準惑星)|エリス]]が分類されている。これらの2つの分類以外にも、[[彗星]]、[[ケンタウルス族 (小惑星)|ケンタウルス族]]、[[惑星間塵]]など、様々な小天体が太陽系内を往来している。惑星のうち6個が、準惑星では4個が自然に形成された[[衛星]]を持っており、慣用的に「[[月]]」と表現される事がある<ref group="注">8つの惑星と5つの準惑星の自然衛星の一覧については[[太陽系の衛星の一覧]]を参照。</ref>。木星以遠の惑星には、周囲を公転する小天体から成る[[環 (天体)|環]]を持っている。


太陽から外部に向かって放出されている[[太陽風]]は、[[太陽圏]](ヘリオスフィア)と呼ばれる、[[星間物質]]中に泡状の構造を形成している。境界である[[ヘリオポーズ]]では太陽風による圧力と星間物質による圧力が釣り合っている。[[長周期彗星]]の源と考えられている[[オールトの雲]]は太陽圏の1,000倍離れた位置にあるとされている。[[銀河系]](天の川銀河)の中心から約26,000[[光年]]離れており、[[オリオン腕]]に位置している。
太陽系とは、太陽の[[重力]]の影響によって構成される天体の集団のことであり、太陽はその中央に位置している。銀河系の中で太陽は典型的な恒星の一つであると考えられている。


== 発見と探査 ==
太陽系は[[銀河系]]の中心から26100±1600光年ほどの位置にあると考えられている。太陽系は240±14km/sの速度で銀河系内を周回しており、約2億2600万年で銀河系内を1[[公転]]する。
{{See also|天動説|地動説}}
[[ファイル:Heliocentric.jpg|250px|サムネイル|左|[[アンドレアス・セラリウス]]が''Harmonia Macrocosmica''(1660)に記した地動説のモデル]]
歴史上の大部分において、人類は太陽系に対して正しい概念を持っていなかった。[[中世]]の末期まで、[[ルネサンス]]では、地球を中心に全ての天体が公転しているという[[天動説]]の概念が主流であった。そんな中、[[ギリシャ]]の哲学者は[[アリスタルコス]]は、現在の太陽系に近いモデルを推測し、[[ニコラウス・コペルニクス]]が初めてそのモデルを[[地動説]]として体系化した<ref>{{cite magazine|title=The astronomical system of Copernicus|author=WC Rufus|magazine=[[ポピュラー・アストロノミー|Popular Astronomy]]|volume=31|page=510|year=1923|bibcode=1923PA.....31..510R}}</ref><ref>{{cite book|title=Copernicus, Darwin, & Freud: revolutions in the history and philosophy of science|first=Friedel|last=Weinert|publisher=[[Wiley-Blackwell]]|year=2009|page=21|isbn=978-1-4051-8183-9}}</ref>。[[17世紀]]には、[[ガリレオ・ガリレイ]]、[[ヨハネス・ケプラー]]、[[アイザック・ニュートン]]は[[物理学]]的観点から地動説を発展させ、惑星が地球と同じ物理法則に従っているという考え方は徐々に受け入れられるようになっていった。この頃に発明された[[望遠鏡]]は、月や他の惑星に関する多数の発見に繋がり、そして望遠鏡の改良や[[無人探査機]]による探査で、[[山]]や[[クレーター]]といった地質的特徴や、[[砂嵐]]、[[雲]]、[[氷帽|氷冠]]などの気象的特徴も知られるようになった。


== 太陽系対す認識の変化 ==
=== 望遠鏡観測 ===
[[ファイル:NewtonsTelescopeReplica.jpg|250px|サムネイル|右|ニュートンが観測に用いた望遠鏡のレプリカ。]]
[[地球]]が宇宙の中心ではなく、他の惑星と同様に[[太陽]]の周りを公転しているという[[地動説]]が受け入れられるようになったのは16世紀から17世紀にかけてのことである。太陽系を構成する天体のうち、当時知られていたのは太陽と6個の惑星([[水星]]、[[金星]]、[[地球]]、[[火星]]、[[木星]]、[[土星]])、地球の[[衛星]]である[[月]]、そして[[木星]]の4個の衛星([[ガリレオ衛星]])のみだった。
初期の太陽系の科学的観測は望遠鏡によって行われ、[[天文学者]]は、肉眼では観測しにくい天体を[[星図]]に書き記すようになった。太陽系の個々の天体について、初めて詳細な物理的観測を行ったのは[[ガリレオ・ガリレイ]]で、月の表面にあるクレーターや、太陽の[[太陽黒点|黒点]]、木星を公転する4つの衛星を発見した<ref>{{cite web|title=Galileo Galilei (1564–1642)|author=Eric W. Weisstein|work=Wolfram Research|year=2006|url=http://scienceworld.wolfram.com/biography/Galileo.html|accessdate=2018-06-25}}</ref>。ガリレオの発見に続いて、[[クリスティアーン・ホイヘンス]]は、[[土星の環]]と衛星[[タイタン (衛星)|タイタン]]を発見し<ref>{{cite web|title=Discoverer of Titan: Christiaan Huygens|work=ESA Space Science|year=2005|url=http://www.esa.int/esaSC/SEMJRT57ESD_index_0.html|accessdate=2018-06-25}}</ref>、[[ジョヴァンニ・カッシーニ]]は4つの土星の衛星と、環の中にある[[カッシーニの間隙]]を発見した<ref>{{cite web|title=Giovanni Domenico Cassini (June 8, 1625–September 14, 1712)|work=SEDS.org|url=http://messier.seds.org/xtra/Bios/cassini.html|accessdate=2018-06-25}}</ref>。


[[エドモンド・ハレー]]は1705年に、[[彗星]]を繰り返し観測した結果、75~76年の周期で同じ彗星が回帰している事を発見し、太陽を公転する惑星以外の天体の存在を示す証拠となった<ref>{{cite web|title=Comet Halley|work=University of Tennessee|url=http://csep10.phys.utk.edu/astr161/lect/comets/halley.html|accessdate=2018-06-25}}</ref>。また、前年の1704年には、初めて英語で「Solar System」という単語が用いられるようになった<ref>{{cite web|title=Etymonline: Solar System|url=http://www.etymonline.com/index.php?search=solar+system&searchmode=none|accessdate=2018-06-25}}</ref>。
それから300年ほどの間に、2個の惑星([[天王星]]、[[海王星]])、約20個の衛星、数百個の[[小惑星]]が発見された。天王星と海王星の軌道が計算と一致しないことから「[[惑星X]]」の存在が予想され、捜索が始まった。[[1930年]]に[[冥王星]]が発見され、第9番目の惑星とされたが、海王星の[[摂動 (天文学)|摂動]]を説明するには冥王星の質量が小さすぎる事(後に海王星自体の質量推定を間違えたための計算ミスであったと判明)から「惑星X」の捜索は尚も続けられた。


1781年、[[ウィリアム・ハーシェル]]が[[おうし座]]の方向で[[連星]]系を探索していた際、彗星とおぼしき天体を発見したと発表したが、後の軌道計算の結果、新惑星の天王星である事が判明した<ref>{{cite web|title=Herschel, Sir William (1738–1822)|work=enotes.com|url=http://science.enotes.com/earth-science/herschel-sir-william|accessdate=2018-06-25|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20060509151843/http://science.enotes.com/earth-science/herschel-sir-william|archivedate=2006-05-09}}</ref>。
20世紀終盤からは海王星より外側の[[エッジワース・カイパーベルト]]と呼ばれる領域で、かつて想定されていた惑星Xほどではないが比較的大きな天体が続々と発見され始めた。冥王星もそれらの天体の一つであるという認識が学界で定説となってきたことから、逆に冥王星を惑星から除外すべきだという提案もされたが、1999年に[[国際天文学連合]] (IAU) は歴史的な重みを考慮して、「惑星の地位から格下げは行わない」ことを発表した。この間、更に数十個の衛星、一万個以上の小惑星が発見され、エッジワース・カイパーベルトより外側に[[彗星]]の巣とも言うべき[[オールトの雲]]の存在が予想されるようになった。


1801年に[[ジュゼッペ・ピアッツィ]]が、火星と木星の間を公転する小さな天体[[ケレス (準惑星)|ケレス]]を発見した。発見当初は、新たな惑星とされていたが、その後の観測で、付近に数千個もの似たような小天体が発見されるようになり、ケレスもこうした小天体に再分類された<ref>{{cite web|title=Discovery of Ceres: 2nd Centenary, January 1, 1801–January 1, 2001 |work=astropa.unipa.it|year=2000|url=http://www.astropa.unipa.it/Asteroids2001/|accessdate=2018-06-25}}</ref>。
21世紀に入ってから発見された[[クワオワー]]や[[セドナ (小惑星)|セドナ]]などは第10番惑星として報道された事もあるが、いずれも冥王星より小さかったり極端な楕円軌道だったりするため正式に惑星としては認められなかった。しかし2005年1月に至って、ついに冥王星より大きい[[エリス (準惑星)|エリス]](仮符号:{{mp|2003 UB|313}})が発見された。


{{Main|海王星の発見}}
2006年8月24日のIAU総会で、[[惑星の定義]]を確定することが議題となった。当初の定義案では[[ケレス (準惑星)|ケレス]]、[[カロン (衛星)|カロン]]、{{mp|2003 UB|313}}が新たに惑星とされる可能性があったが、反対意見が多かったことから定義案が改定され、これが採択された結果として冥王星が惑星という分類からはずれ、新しく定義された[[準惑星]]に含まれることとなった(詳細は[[惑星]]、[[冥王星]]を参照)。


1846年には、天王星の軌道が実際の計算と一致しない事から、外側から影響を与えている新たな惑星があると考えた[[ユルバン・ルヴェリエ]]による計算を基に観測を行った、[[ヨハン・ゴットフリート・ガレ]]と[[ハインリヒ・ダレスト]]が新惑星、海王星を発見した<ref>{{cite web|url=http://www.astroarts.co.jp/news/2011/07/12neptune/index-j.shtml|title=発見から“一周”年、海王星の歴史を振り返る|work=AstroArts|date=2011-07-12|accessdate=2018-06-25}}</ref><ref name=planets>{{cite web|title=Mathematical discovery of planets|author=J. J. O'Connor and E. F. Robertson|work=St. Andrews University|year=1996|url=http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/HistTopics/Neptune_and_Pluto.html|accessdate=2018-06-25}}</ref>。
[[日本学術会議]]は、[[2007年]][[4月9日]]の[http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t35-1.pdf 対外報告(第一報告)]において前年のIAU総会で決まった新たな分類の日本語名称を提言し、同[[6月21日]]の[http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t39-3.pdf 第二報告]で新しい太陽系の全体像を示した(詳細は[[惑星#日本学術会議の対外報告]]を参照)。


しかし、海王星の発見後も、他の惑星や海王星自身の軌道に依然として誤差が生じていたため、海王星の外側にさらに惑星が存在すると考えられ、[[パーシヴァル・ローウェル]]は仮説上の天体を[[惑星X]]と呼んだ<ref>{{cite journal|last=Tombaugh|first=Clyde W.|year=1946|title=The Search for the Ninth Planet, Pluto|journal=Astronomical Society of the Pacific Leaflets|volume=5|pages=73–80|bibcode=1946ASPL....5...73T}}</ref>。彼の死後、ローウェルの予想を基に[[ローウェル天文台]]で観測を行っていた[[クライド・トンボー]]が新惑星、冥王星を発見した。しかし、その後の観測で、冥王星は他の惑星の軌道に影響を及ぼすには小さすぎる事が判明したため、その発見は偶然であった。ケレスのように、当初は惑星であるとされていたが、周辺に同じような天体が発見されるようになったため、2006年に[[国際天文学連合]]によって準惑星に再分類された{{R|planets}}。
== 太陽系の構成 ==
<imagemap>
ファイル:Solar System XXX.png|


1992年、[[ハワイ大学]]の[[デビッド・C・ジューイット]]と[[マサチューセッツ工科大学]]の[[ジェーン・ルー]]は冥王星軌道の周辺を公転する小天体[[アルビオン (小惑星)|アルビオン]]を発見した。アルビオンは、太陽系外縁天体としては初めて発見された天体である。この発見により、冥王星のような天体は、氷から成る小天体の群れを成していると考えられるようになった<ref>{{cite web|title=KUIPER BELT OBJECTS: Relics from the Accretion Disk of the Sun |author=Jane X. Luu and David C. Jewitt|work=Massachusetts Institute of Technology, University of Hawaii|year=2002|url=http://arjournals.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev.astro.40.060401.093818|accessdate=2018-06-25}}</ref><ref>{{cite web|title=List of Trans-Neptunian Objects|author=Minor Planet Center|url=http://www.minorplanetcenter.org/iau/lists/TNOs.html |accessdate=2018-06-25|deadurl=yes|archiveurl=https://archive.is/20101027133511/http://www.minorplanetcenter.org/iau/lists/TNOs.html|archivedate=2010-10-27}}</ref>。
rect 0 0 74 34 [[太陽]]
circle 113 17 10 [[水星]]
circle 152 16 10 [[金星]]
circle 194 19 10 [[地球]]
circle 202 8 10 [[月]]
circle 232 17 10 [[火星]]
circle 271 17 5 [[ケレス (準惑星)|ケレス]]
circle 271 19 20 [[小惑星帯]]
circle 316 18 20 [[木星]]
circle 372 19 20 [[土星]]
circle 418 17 10 [[天王星]]
circle 462 18 10 [[海王星]]
circle 504 18 5 [[冥王星]]
circle 534 17 5 [[ハウメア (準惑星)|ハウメア]]
circle 566 16 5 [[マケマケ (準惑星)|マケマケ]]
circle 596 16 5 [[エリス (準惑星)|エリス]]
rect 488 0 552 35 [[エッジワース・カイパーベルト]]
rect 552 0 626 35 [[太陽系外縁天体]]
rect 626 0 640 36 [[ヘリオポーズ|ヘリオスフィア]]


2005年、[[マイク・ブラウン]]と[[チャドウィック・トルヒージョ]]、[[デイヴィッド・ラビノウィッツ]]は散乱円盤天体のエリスを発見し、当初は冥王星よりも大きく、海王星以遠にある天体では最大と考えられていた<ref>{{cite web|title=Eris (2003 UB313)|work=Solstation.com|year=2006|url=http://www.solstation.com/stars/ub313.htm|accessdate=2018-06-25}}</ref>。しかし、2015年7月に冥王星を探査した探査機[[ニュー・ホライズンズ]]による観測で、現在は冥王星よりもわずか小さく、質量はやや大きいとされている。
desc bottom-left
</imagemap>


=== 主要天体 ===
=== 探査機による探査 ===
[[File:europa g1 true.jpg|サムネイル|右|探査機''[[ガリレオ (探査機)|ガリレオ]]''が撮影した木星の衛星[[エウロパ (衛星)|エウロパ]]の表面]]
[[File:Timeline of Solar System exploration.jpg|サムネイル|right|太陽系探査の年表]]
[[File:Pioneer10-11.jpg|サムネイル|右|1983年に冥王星軌道を通過した''[[パイオニア10号]]''の想像図。2003年1月に82au彼方から送信された電波を最後に、電波通信は途絶している。何らかの衝撃などを受けていない場合、43,400km/h (27,000 mph)を超える速度で現在も太陽から遠ざかっている<ref>{{cite web|author=Donald Savage; Michael Mewhinney|date=2003-02-25|url=http://solarsystem.nasa.gov/news/display.cfm?News_ID=4618|title=Farewell Pioneer 10|publisher=NASA|accessdate=2018-06-25}}</ref>。]]

{{仮リンク|宇宙時代|en|Space Age}}が始まって以来、様々な宇宙機関が[[宇宙ロボット]]によるミッションが計画され、多くの探査が行わてきた。

宇宙に送られた最初の人工物は、1957年に打ち上げられた[[ソビエト連邦]]の''[[スプートニク1号]]''で、翌年1月4日まで地球を周回する事に成功した<ref>{{cite web|title=Sputnik 1|work=NASA|url=http://nssdc.gsfc.nasa.gov/nmc/spacecraftDisplay.do?id=1957-001B|accessdate=2018-06-25}}</ref>。1959年に打ち上げられた[[アメリカ]]の''[[エクスプローラー6号]]''は、初めて宇宙から地球の画像を撮影した。

=== フライバイによる探査 ===
初めて地球以外の探査に成功した探査機は、1959年に打ち上げられた''[[ルナ1号]]''だった。当初は、月の表面に衝突させる予定だったが、[[太陽周回軌道]]を公転する初めての人工物になった。初めて金星を[[フライバイ]]したのは1962年に打ち上げられた''[[マリナー2号]]''で、火星は1965年に打ち上げられた''[[マリナー4号]]''、水星は1974年に打ち上げられた''[[マリナー10号]]''であった。

外太陽系の惑星を探査した初めての探査機は''[[パイオニア10号]]''で、1973年に木星に到着した。また、1979年には''[[パイオニア11号]]''が初めて土星を探査した。[[ボイジャー計画]]では、''[[ボイジャー1号]]''と''[[ボイジャー2号|2号]]''が1977年に打ち上げられ、そのうち2号は、1986年に天王星を、1989年に海王星を初めて探査した。ボイジャーは現在、海王星の軌道を超えて、惑星探査のミッションを終了し、ヘリオシースやヘリオポーズ、バウショックの調査を進めている。[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]によると、ボイジャーの両探査機は、太陽から約93au離れた領域で、termination shock{{訳語疑問点|date=2018-06}}の影響を受け始めている<ref>{{cite web|year=2002|title=Time Line of Space Exploration|author=Randy Culp|url=http://my.execpc.com/~culp/space/timeline.html|accessdate=2018-06-25|deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20060828211027/http://my.execpc.com/~culp/space/timeline.html|archivedate=2006-08-28}}</ref>。

2006年1月19日に打ち上げられた探査機''[[ニュー・ホライズンズ]]''は、カイパーベルトを探査する初めての探査機である。2015年7月に、冥王星をフライバイして、詳細な観測を行った。このニュー・ホライズンズの延長ミッションとして、2019年1月1日に[[2014 MU69|2014 MU<sub>69</sub>]]を含むいくつかの太陽系外縁天体をフライバイする事が予定されている<ref>{{cite web|year=2006|title=New Horizons NASA's Pluto-Kuiper Belt Mission|url=http://pluto.jhuapl.edu/ |accessdate=2018-06-25}}</ref>。

== 構造と組成 ==
太陽系の主成分は全質量の99.86%を占める太陽で、太陽系内の全ての天体を重力的に留めている<ref>{{cite journal|author=M Woolfson|title=The origin and evolution of the solar system|doi=10.1046/j.1468-4004.2000.00012.x|year=2000|journal=[[Astronomy and Geophysics]]|volume=41|issue=1|pages=1.12|bibcode=2000A&G....41a..12W}}</ref>。残りの質量のうち、99%は4つの巨大惑星が占めている。残りの天体(4つの岩石惑星、衛星、小惑星、彗星など)は全体の0.002%未満に満たない{{Refnest|group="注"|name=b|The mass of the Solar System excluding the Sun, Jupiter and Saturn can be determined by adding together all the calculated masses for its largest objects and using rough calculations for the masses of the Oort cloud (estimated at roughly 3 Earth masses),<ref>{{cite arxiv|title=Origin and dynamical evolution of comets and their reservoirs |author=Alessandro Morbidelli |date=2005 |eprint=astro-ph/0512256 |class=astro-ph}}</ref> the Kuiper belt (estimated at roughly 0.1 Earth mass){{R|Delsanti-Beyond_The_Planets}} and the asteroid belt (estimated to be 0.0005 Earth mass){{R|Krasinsky02}} for a total, rounded upwards, of ~37 Earth masses, or 8.1% of the mass in orbit around the Sun. With the combined masses of Uranus and Neptune (~31 Earth masses) subtracted, the remaining ~6 Earth masses of material comprise 1.3% of the total orbiting mass.}}。

太陽を公転する天体の多くは、地球と同じ軌道平面上(黄道)を公転している。惑星の公転面は黄道に非常に近いが、彗星や太陽系外縁天体は、黄道に対して大きく傾いた軌道を描く事が多い<ref>{{cite journal|last=Levison|first=H. F.|author2=Morbidelli, A.|title=The formation of the Kuiper belt by the outward transport of bodies during Neptune's migration|journal=[[ネイチャー|Nature]]|volume=426|pages=419–421|date=27 November 2003|url=http://www.nature.com/nature/journal/v426/n6965/abs/nature02120.html|doi=10.1038/nature02120|pmid=14647375|issue=6965|bibcode=2003Natur.426..419L}}</ref><ref>{{cite journal|title=From the Kuiper Belt to Jupiter-Family Comets: The Spatial Distribution of Ecliptic Comets|author1=Harold F. Levison |author2=Martin J Duncan |journal=[[Icarus]]|date=1997|pages=13–32|doi=10.1006/icar.1996.5637|issue=1|volume=127|bibcode=1997Icar..127...13L}}</ref>。ほぼ全ての天体は、[[北極]]から見て反時計回りで公転しているが<ref>{{cite web|last=Grossman|first=Lisa|title=Planet found orbiting its star backwards for first time|publisher=New Scientist|date=2009-08-13|url=https://www.newscientist.com/article/dn17603-planet-found-orbiting-its-star-backwards-for-first-time.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>、[[ハレー彗星]]のような例外もある。

太陽系の全体構造は時折、小惑星帯以内の4つの岩石惑星が公転している領域と、カイパーベルト以内の4つの巨大惑星が公転している領域に区別される事があり、岩石惑星と小惑星帯を含む領域は'''内太陽系'''({{Lang-en|The inner Solar System}})、小惑星帯を超えた、4つの巨大惑星を含む領域は'''外太陽系'''({{Lang-en|The outer Solar System}})と呼ばれる<ref>{{cite web|title=An Overview of the Solar System|work=nineplanets.org|url=http://www.nineplanets.org/overview.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>。カイパーベルトが発見されるようになってからは、カイパーベルトはそれらとは異なる、新たな領域として区分されるようになった<ref>{{cite web|title=New Horizons Set to Launch on 9-Year Voyage to Pluto and the Kuiper Belt|author=Amir Alexander|work=The Planetary Society|year=2006|url=http://www.planetary.org/news/2006/0116_New_Horizons_Set_to_Launch_on_9_Year.html|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20060222080327/http://www.planetary.org/news/2006/0116_New_Horizons_Set_to_Launch_on_9_Year.html|archivedate=22 February 2006}}</ref>。

[[File:Size planets comparison.jpg|275px|サムネイル|右|太陽系の8つの惑星の大きさを比較したイラスト。]]

太陽系内の多くの惑星は、周囲を公転している衛星を持ち、太陽系において二次的な構造を成している。また、4つの巨大惑星は周囲を公転する小天体から成る環を持っている。大きな衛星のほとんどは[[自転と公転の同期|自転と公転が同期]](潮汐固定)しており、片方の面を常に惑星に向けている。

{{multiple image
| align = right
| direction = horizontal
| width1 = 140
| width2 = 137
| image1 = Ecliptic plane 3d view.gif
| image2 = Solarsystem3DJupiter.gif
| footer = 太陽系の惑星はほぼ黄道面上を公転している。太陽に近いほど、公転速度は速くなる。<br><small>(左は内太陽系、右は海王星を除く全ての惑星)</small>
}}

[[ケプラーの法則]]には、太陽を公転する物体の軌道について示されている。この法則によると、太陽を公転している物体は太陽を一つの[[焦点]]として、[[楕円]]で公転している。太陽に近い([[軌道長半径]]が小さい)物体は、より太陽の[[重力]]の影響を受けるため、高速で公転するようになる。楕円軌道では、公転する度に軌道が変化し、太陽に最も接近する位置は'''[[近点・遠点|近日点]]'''、最も離れる位置は'''遠日点'''と呼ばれる。惑星の軌道はほぼ円形だが、小惑星や彗星、太陽系外縁天体は極端な楕円軌道になっている事が多い{{R|Newton09-pp18.19}}。こうした天体の軌道は[[数値モデル]]を用いて予測する事が出来る。

太陽は太陽系全体の質量のほとんどを占めているが、[[角運動量]]については約2%しか占めていない{{R|Marochnik95}}<ref>{{cite journal|last1=Bi|first1=S. L.|last2=Li|first2=T. D.|last3=Li|first3=L. H.|last4=Yang|first4=W. M.|title=Solar Models with Revised Abundance|doi=10.1088/2041-8205/731/2/L42|journal=The Astrophysical Journal|volume=731|issue=2|pages=L42|year=2011|arxiv=1104.1032|bibcode=2011ApJ...731L..42B}}</ref>。木星を始めとする惑星の質量、軌道、太陽からの距離の組み合わせが、太陽系全体の角運動量の大部分を占め、彗星もそれに貢献しているとされている{{R|Marochnik95}}。

太陽系のほぼ全体を構成する太陽は、約98%が水素とヘリウムから出来ている<ref>{{cite web|title=The Sun's Vital Statistics|url=http://solar-center.stanford.edu/vitalstats.html|publisher=Stanford Solar Center|accessdate=2018-06-17}}, citing {{cite book|last=Eddy|first=J.|title=A New Sun: The Solar Results From Skylab|url=https://history.nasa.gov/SP-402/contents.htm|publisher=NASA|year=1979|page=37|id=NASA SP-402}}</ref>。それ以外の構成のほとんどを占めている木星と土星も、主に水素とヘリウムから出来ている{{R|Newton09-pp18.19|JupiterFact|SaturnFact}}。太陽系内では、太陽からの熱と[[光圧]]によって組成に差が生しており、原則、太陽に近い天体は融点の高い元素、遠い天体は融点が低い元素から構成されている<ref>{{cite book|title= Encyclopedia of the solar system|author1=Paul Robert Weissman|author2=Torrence V. Johnson|date=2007|page=615|isbn=0-12-088589-1|publisher=Academic Press}}</ref>。これらの揮発性物質が凝固する可能性のある境界線を[[凍結線]](フロストライン)といい、太陽系では火星軌道と木星軌道の間に位置している{{R|Muuma03}}。

内太陽系の天体は、先述の通り、主に岩石で構成されており{{R|Weizman95}}、主成分は[[ケイ素]]、[[鉄]]、[[ニッケル]]などの[[原始惑星系円盤]]内でも、固体として存在していた高融点化合物である。木星型惑星の木星と土星は、原始惑星系円盤内では気体として存在していた水素、ヘリウム、[[ネオン]]などの低融点で[[蒸気圧]]の高い物質で構成されている。よって現在では、太陽系内の位置によって、物質の形態が固体か液体か気体かは変化するが、原始惑星系円盤が存在していた頃は、固体と気体の物質しか存在しなかったとされている{{R|Podolak2000}}。それに対して、多くの衛星や天王星、海王星、そして太陽系外縁天体には氷が多く含まれている{{R|Weizman95}}<ref>{{cite book|page=240|author=Michael Zellik|title=Astronomy: The Evolving Universe|edition=9th|year=2002|publisher=[[ケンブリッジ大学|Cambridge University Press]]|isbn=0-521-80090-0|oclc=223304585}}</ref>。この氷と気体が混ざったものを{{仮リンク|揮発性物質|en|Volatiles}}と呼ぶ<ref>{{cite book|last=Placxo|first=Kevin W.|author2=Gross, Michael |title=Astrobiology: a brief introduction|year=2006|publisher=[[JHU Press]]|page=66|isbn=978-0-8018-8367-5|url=https://books.google.com/?id=2JuGDL144BEC&pg=PA66&dq=inventory+volatiles+hydrogen&q=inventory%20volatiles%20hydrogen}}</ref>。

=== 距離とスケール ===
地球から太陽までの距離を基準とした単位を'''[[天文単位]]'''({{Lang-en|astronomical unit}}、au)と呼び、1auは約1億5000万kmに相当し、太陽の半径は0.0047au(70万km)となる。<!-- For comparison, the radius of the Sun is {{convert|0.0047|AU|km|abbr=on|sigfig=1}}. Thus, the Sun occupies 0.00001% (10<sup>−5</sup> %) of the volume of a sphere with a radius the size of Earth's orbit, whereas Earth's volume is roughly one millionth (10<sup>−6</sup>) that of the Sun. -->最大の惑星である木星は5.2au(7億8000万km)離れており、最も遠い海王星は30au(45億km)離れている。

いくつか例外はあるが、太陽から離れるに従って、惑星同士の間隔は広くなっていく。例えば、水星と金星は0.33au離れているが、木星と土星は4.3au、天王星と海王星は10.5au離れている。こうした惑星の太陽からの距離の関係を数式化する試みがなされ、代表的なものとして[[ティティウス・ボーデの法則]]がある<ref>{{cite web|title=Dawn: A Journey to the Beginning of the Solar System|work=Space Physics Center: UCLA|url=http://www-ssc.igpp.ucla.edu/dawn/background.html|year=2005|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://archive.is/20120524184638/http://www-ssc.igpp.ucla.edu/dawn/background.html|archivedate=24 May 2012}}</ref>。しかし、こうした説は科学的根拠は示されておらず、現在では受け入れられていない。

太陽系の相対的なスケールを人間規模で示そうとするモデルもあり、規模が小さなものは[[太陽系儀]]などがあるが、複数の都市や地域にまたがっている巨大なものもある<ref>{{cite web|url=http://www.noao.edu/education/peppercorn/pcmain.html|title=The Thousand-Yard Model &#124;subtitle Earth as a Peppercorn|author=Guy Ottewell|year=1989|work=NOAO Educational Outreach Office|accessdate=2018-06-17}}</ref>。このような太陽系のモデル最も大規模な[[スウェーデン・ソーラー・システム]]は、[[ストックホルム]]にある直径110mの[[ストックホルム・グローブ・アリーナ]]を太陽に見立てており、例えば木星は、このスケールに従うと、直径7.5mの球体で、約40km離れた[[ストックホルム・アーランダ国際空港]]内にそのオブジェが設置されている。現時点で設置されている最も遠いオブジェは、直径10cmの球である[[セドナ (小惑星)|セドナ]]で、約912km離れている<ref>{{cite web|url=http://www.kuriren.nu/arkiv/2005/11/17/Lokalt/1510647/Lule%C3%A5-%C3%A4r-Sedna.aspx|title=Luleå är Sedna. I alla fall om vår sol motsvaras av Globen i Stockholm.|publisher=Norrbotten Kuriren (in Swedish)|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20100715074955/http://www.kuriren.nu/arkiv/2005/11/17/Lokalt/1510647/Lule%C3%A5-%C3%A4r-Sedna.aspx|archivedate=15 July 2010}}</ref><ref>{{cite web|url=http://ttt.astro.su.se/swesolsyst/stationer.html|title=Sweden Solar System: Stationer|language=Swedish|publisher=Sweden Solar System|accessdate=2018-06-17}}</ref>。

太陽から海王星までの距離を100mとすると、太陽の直径は3cmになり、巨大惑星はいずれも3mm以下の大きさになる。地球を含めた岩石惑星は、この縮尺に従うと、0.3mm以下の大きさにしかならない<ref>{{cite web|date=9 July 2004|url=http://www.nasa.gov/audience/foreducators/5-8/features/F_Solar_System_Scale.html|title=Solar System Scale|work=NASA Educator Features|author=Office of Space Science|accessdate=2018-06-17}}</ref>。一方で、太陽の直径を1mとすると、地球は107m、海王星は3.2km離れている事になる<ref>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、1章 太陽系とは、pp.26-27 太陽系のスケールを実感してみよう]]</ref>。

{{wide image|Solarsystemobjectsinscale.jpg|5000px|{{center|実際の距離比率で描かれた太陽系の主な天体(大きさは実際の比率ではない)}}}}

== 起源と進化 ==
{{Main|太陽系の形成と進化}}
[[銀河系]]には、水素やヘリウム、そして少量の重元素から成る岩石質や有機質の微小な塵([[宇宙塵|星間塵]])を含む[[星間ガス]]がある。このような星間ガスが{{e|3}}個/cm<sup>3</sup>(以下、単位は同じ)を超える[[数密度]]となる場合を[[星間雲]]といい、内部で[[水素分子]]が形成されるようになる。通常、星間雲はごくゆっくりと回転している。星間雲は均質ではなく、密度の偏りがある。この偏りが大きくなって数密度が{{e|10}}個程度を超える部分ができることがあり、そうなると[[一酸化炭素]]、[[シアン化水素]]、[[アンモニア]]などの様々な分子が形成される。これを[[分子雲]]と呼ぶ。太陽系は約45億6800万年前に、この分子雲の[[重力崩壊]]によって形成された<ref>{{cite conference|author=W. M. Irvine|title=The chemical composition of the pre-solar nebula|booktitle=Cometary Exploration|year=1983|volume=1|editor=T. I. Gombosi (ed.)|pages=3–12|url=http://adsabs.harvard.edu/abs/1983coex....1....3I}}</ref>{{Refnest|group="注"|name=c|この年齢の値は、現在までに発見されている最も古い[[隕石]]に含まれていた含有物から算出された「45億6820万{{+-|20万|40万}}年」という値に基づいており、収縮する分子雲の中で初めて固体物質が形成された頃とされている<ref>{{cite journal|last1=Bouvier|first1=A.|last2=Wadhwa|first2=M.|year=2010|title=The age of the Solar System redefined by the oldest Pb–Pb age of a meteoritic inclusion|url=|journal=Nature Geoscience|volume=3|issue=9|pages=637–641|doi=10.1038/NGEO941|bibcode=2010NatGe...3..637B}}</ref>}}。この分子雲は数光年ほどの大きさを持ち、太陽と同時にいくつもの恒星を形成した可能性がある{{R|Arizona}}。現在の太陽系が形成される領域で、{{仮リンク|pre-Solar nebula|en|solar nebula}}と呼ばれる星雲が形成される<ref>{{cite conference|title=The chemical composition of the pre-solar nebula |author=Irvine, W. M.|booktitle=Cometary exploration; Proceedings of the International Conference|volume=1|pages=3|date=1983|bibcode=1983coex....1....3I}}</ref> 。そして、[[角運動量保存の法則]]によって、分子雲は収縮時より速く自転するようになり、原子が頻繁に衝突による[[運動エネルギー]]が[[熱]]に変換されて、温度が高くなる{{R|Arizona}}。自転の加速によって、中心に'''原始太陽'''が誕生し、当時の[[光度]]は現在の10倍、表面温度は約4,000[[ケルビン|K]]であったとされている<ref>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.122-123 ガス円盤の中心で原始太陽が産声をあげた]]</ref>。その周囲には、直径約200au{{R|Arizona}}にも渡る'''[[原始惑星系円盤]]'''(もしくは原始惑星系星雲、特に太陽系の場合は'''原始太陽系円盤'''とも呼ばれる)が形成され始めた<ref>{{cite journal|last=Greaves|first=Jane S.|date=7 January 2005|title=Disks Around Stars and the Growth of Planetary Systems|journal=[[サイエンス|Science]]|volume=307|issue=5706|pages=68–71|doi=10.1126/science.1101979|pmid=15637266|bibcode=2005Sci...307...68G}}</ref><ref>{{cite web|date=5 April 2000|url=http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=1732&page=21|title=Present Understanding of the Origin of Planetary Systems|publisher=National Academy of Sciences|accessdate=2018-06-16}}</ref><ref>[[#natgeo|日経ナショナル ジオグラフィック、2.地球に近い仲間たち、pp.50-51 太陽系の形成]]</ref>。そこで形成された、惑星の元となる[[微惑星]]が約100億個形成され<ref>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.124-125 100億個もの惑星の卵がつくられた]]</ref>、塵やガスが合体を繰り返し、より大きな[[原始惑星]]へと成長していく<ref>{{cite journal|doi=10.1086/429160|title=Chondrule-forming Shock Fronts in the Solar Nebula: A Possible Unified Scenario for Planet and Chondrite Formation|year=2005|author=Boss, A. P.|journal=[[アストロフィジカルジャーナル|The Astrophysical Journal]]|volume=621|issue= 2|pages=L137|last2=Durisen|first2=R. H.|bibcode=2005ApJ...621L.137B|arxiv=astro-ph/0501592}}</ref>。初期の太陽系には、こうした原始惑星が何百個も存在していたとされているが、合体や破壊を繰り返して、現在の惑星や準惑星、小惑星などが形成された。

[[ファイル:Solarnebula.jpg|サムネイル|原始太陽系の想像図]]

太陽周辺の温度の高い領域では、沸点が高い金属や[[ケイ酸塩]]のみが固体として存在でき、このような物質が地球型惑星の水星、金星、地球、火星を形成した。金属元素は、原始惑星系円盤の中でも一部しか存在していないため、地球型惑星は大きく成長する事が出来なかった。地球のような[[地球型惑星|固体惑星]]がいつ形成されたかについては、星雲ガスがある時か、消失後か、議論の余地がある。ここでは、星雲ガス消失後に形成されたというシナリオを紹介する。星雲ガスがなくなると、[[ガス抵抗]]がなくなるため、原始惑星の軌道が乱れるとその乱れを抑えるものがなくなる。すると、原始惑星は互いの重力相互作用により接近し、軌道が乱されるようになる。微惑星同士の衝突があったように、原始惑星同士も衝突するようになる。星雲ガスがないので衝突は激しいものになり、破壊も合体もいずれも起こるようになる。巨大衝突である。このような衝突の繰り返しで、金星、地球が形成されたと考えられる。水星と火星は原始惑星の生き残りか、成長がわずかであったものであろう。地球の[[月]]は、地球形成末期に起きた巨大衝突の産物であるとする説([[ジャイアント・インパクト説]])が有力である。

巨大惑星(木星型惑星と天王星型惑星)は、現在の火星軌道と木星軌道にある凍結線の外側で形成された。これらの惑星を形作っている、氷結した揮発性の化合物は、地球型惑星を形成している金属元素やケイ酸塩よりも豊富に存在していたため、これらの惑星は水素とヘリウムから成る分厚い大気を取り込むのに十分な、地球の10倍の質量を持った大きな原始惑星にまで成長する事が出来た<ref>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.128-129 円盤のガスはだんだんなくなっていった]]</ref>。木星と土星の質量が異なるのは、土星形成の後期に、何らかの理由で星雲ガスが消失し、材料となるガスそのものがなくなったためであり、天王星、海王星の質量が小さい段階にとどまったのも、この2つの惑星は星雲終末期にガスの取り込みが始まったため、あまり成長できずに終わったためであると考えられている。小惑星帯、カイパーベルト、オールトの雲は、惑星になりきれなかった残骸となった小天体が密集したものとされている。{{仮リンク|ニースモデル|en|Nice model}}では、これらの領域の形成と、巨大惑星が形成された位置、様々な重力による作用を介して、どのように今の軌道に落ち着いたかを示している。

[[ファイル:Sun Life.png|320px|サムネイル|左|太陽の進化を簡潔にまとめた時系列。]]

形成から5,000万年までに、原始太陽の中心にある水素の圧力と密度が[[熱核融合]]を起こすのに、十分大きくなったとされている<ref>{{cite journal|author1=Sukyoung Yi|author2=Pierre Demarque|author3=Yong-Cheol Kim|author4=Young-Wook Lee|author5=Chang H. Ree |author6=Thibault Lejeune|author7=Sydney Barnes|title=Toward Better Age Estimates for Stellar Populations: The ''Y''<sup>2</sup> Isochrones for Solar Mixture|journal=Astrophysical Journal Supplement|arxiv=astro-ph/0104292|year=2001|volume=136|issue=2|pages=417–437|doi=10.1086/321795|bibcode=2001ApJS..136..417Y}}</ref>。温度や反応速度、圧力、密度は太陽が[[静水圧平衡]]を満たすまで上昇し、やがて熱の圧力と自身の重力が等しくなり、太陽は[[主系列星]]となった<ref>{{cite journal|author1=A. Chrysostomou|author2=P. W. Lucas|title=The Formation of Stars|journal=Contemporary Physics|year=2005|volume=46|issue=1|pages=29–40|bibcode=2005ConPh..46...29C|doi=10.1080/0010751042000275277}}</ref>。この主系列星の段階は約100億年続くとされている{{R|Schröder08}}。やがて、太陽から放出した[[太陽風]]が太陽圏(ヘリオスフィア)を形成し、周囲の原始惑星系円盤が強い[[紫外線]]によって宇宙空間に放出されたか、原始太陽に落下していった事により、惑星の成長はほぼ落ち着いたとされている。主系列星になった頃の太陽の[[光度]]は、現在の約70%で、徐々に増光して今に至っている<ref>{{cite journal|title=Towards a Solution to the Early Faint Sun Paradox: A Lower Cosmic Ray Flux from a Stronger Solar Wind|author=Nir J. Shaviv|journal=Journal of Geophysical Research|doi=10.1029/2003JA009997|arxiv=astroph/0306477|date=2003|volume=108|issue=A12|page=1437|bibcode=2003JGRA..108.1437S}}</ref>。

[[ファイル:Red Giant Earth warm.jpg|250px|サムネイル|左|赤色巨星となった太陽と、高温のため、水や大気を失った地球の想像図。]]

太陽系は、太陽の中心核にある水素が、全て[[核融合反応]]によってヘリウムになる約50億年後{{R|Schröder08}}までは、現在とほとんど変わらない構造を維持するとされている。ヘリウムによる核融合反応は主系列星の段階を終えた事を意味している。この時、太陽の中心核の内部では、内部に形成されたヘリウムの周囲に沿って分布している水素が核融合反応を起こしており、それによって中心核は収縮していき、放出されるエネルギーは現在よりもはるかに大きくなるとされている<ref name=Newton09-pp140.141>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、7章 太陽系の最期、pp.140-141 太陽は超巨大な赤い星に変化するという]]</ref>。そして、太陽の外層が膨張を始め、直径は現在の256倍にまで膨れ上がり、[[赤色巨星]]へ進化する{{R|Schröder08}}。表面積が大きくなるため、表面温度は低下していき、最低で2,600Kまで低下する可能性がある。この頃には、地球上の水は全て蒸発し、生物が存在する事は出来なくなっている。中心核では、収縮が続くため温度が上昇し、その結果、ヘリウムによる核融合反応が始まる。それにより、太陽は一時的に安定し、直径も現在の11~19倍にまで小さくなる{{R|Newton09-pp140.141}}。しかし、太陽はより重い元素で核融合反応を起こすほどの十分な大きさを持っていないため、核融合反応は徐々に弱くなり、この安定期間は1億3000万年しか持続されないと考えられている{{R|Newton09-pp140.141}}。最終的に外層は吹き飛ばされ、中心核は地球ほどの大きさと、現在の太陽の半分の質量を持った[[白色矮星]]となって残される<ref>{{cite web|author=Pogge, Richard W.|year=1997|url=http://www.astronomy.ohio-state.edu/~pogge/Lectures/vistas97.html|title=The Once & Future Sun|work=New Vistas in Astronomy|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20050527094435/http://www-astronomy.mps.ohio-state.edu/Vistas/|archivedate=27 May 2005|deadurl=yes}}</ref>。放出された外層は、太陽を形成していた物質の一部と、核融合反応によって新たに合成された、[[炭素]]などの重元素を含んでおり、やがて[[惑星状星雲]]となる。

== 太陽 ==
{{Main|太陽}}
[[ファイル:The Sun by the Atmospheric Imaging Assembly of NASA's Solar Dynamics Observatory - 20100819.jpg|150px|サムネイル|右|太陽]]

'''[[太陽]]'''({{Lang-en|Sun}})は、太陽系における唯一の恒星で、最も質量の大きな天体である。太陽系の全質量の99.86%([[地球質量]]の33万2900倍<ref>{{cite web|title=Sun: Facts & Figures|publisher=NASA|url=http://solarsystem.nasa.gov/planets/profile.cfm?Object=Sun&Display=Facts&System=Metric|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080102034758/http://solarsystem.nasa.gov/planets/profile.cfm?Object=Sun&Display=Facts&System=Metric|archivedate=2 January 2008}}</ref>)を占めており、中心核で水素がヘリウムに返還する核融合反応を起こしている[[G型主系列星]]である<ref>{{Cite journal|last=Woolfson|first=M.|year=2000|title=The origin and evolution of the solar system|journal=Astronomy & Geophysics|volume=41|issue=1|page=12|bibcode=2000A&G....41a..12W|doi=10.1046/j.1468-4004.2000.00012.x}}</ref>。多くのエネルギーを放出しているが、[[電磁波]]の中では、[[可視光]]を一番、宇宙空間に放射している<ref>{{cite web|title=Why is visible light visible, but not other parts of the spectrum?|publisher=The Straight Dome|date=2003|url=http://www.straightdope.com/columns/read/2085/why-is-visible-light-visible-but-not-other-parts-of-the-spectrum|accessdate=2018-06-17}}</ref>。

[[スペクトル型]]はG2型で、[[G型主系列星]]に分類される。原則、主系列星は表面温度が高いほど光度を増すが、太陽は主系列星の中でも、ほぼ中間の規模を持っている。ちなみに、太陽より明るい恒星は少ないが、とても暗く、温度も低い[[赤色矮星]](M型主系列星)は、銀河系では恒星全体の約85%を占めている<ref>{{cite web|first=Ker|last=Than|title=Astronomers Had it Wrong: Most Stars are Single |publisher=Space.com|date=30 January 2006|url=http://www.space.com/scienceastronomy/060130_mm_single_stars.html|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite conference|year=2001|pages=119|author1=Smart, R. L.|author2=Carollo, D.|author3=Lattanzi, M. G.|author4=McLean, B.|author5=Spagna, A.|booktitle=Ultracool Dwarfs: New Spectral Types L and T|editor1=Hugh R. A. Jones |editor2=Iain A. Steele|publisher=Springer|title=The Second Guide Star Catalogue and Cool Stars|bibcode=2001udns.conf..119S}}</ref>。

[[星の種族]]において、太陽は、重元素に富んだ種族Iの恒星に分類される<ref>{{cite journal|author1=T. S. van Albada|author2=Norman Baker|title=On the Two Oosterhoff Groups of Globular Clusters|journal=The Astrophysical Journal|volume=185|date=1973|pages=477–498|doi=10.1086/152434|bibcode=1973ApJ...185..477V}}</ref>。 <!-- Elements heavier than hydrogen and helium were formed in the cores of ancient and exploding stars, so the first generation of stars had to die before the Universe could be enriched with these atoms. The oldest stars contain few metals, whereas stars born later have more.-->豊富に含まれている重元素は、惑星を形成するのに必要不可欠な材料であったとされている<ref>{{cite journal |title=An Estimate of the Age Distribution of Terrestrial Planets in the Universe: Quantifying Metallicity as a Selection Effect|author=Charles H. Lineweaver|journal=Icarus|date=9 March 2001|arxiv=astro-ph/0012399|doi=10.1006/icar.2001.6607|volume=151|issue=2|pages=307–313|bibcode=2001Icar..151..307L}}</ref>

== 惑星間物質 ==
{{Main|惑星間物質|太陽風}}
[[ファイル:Heliospheric-current-sheet.gif|サムネイル|左|[[太陽圏電流シート]]]]
太陽系内の大部分の空間は、'''[[惑星間物質]]'''({{Lang-en|Interplanetary medium}})と呼ばれる物質で満たされているが、ほぼ[[真空]]に近い状態である。主なものとして、[[太陽風]]と呼ばれる、太陽が光と共に放出している荷電粒子([[プラズマ]])を帯びた物質の流れがある。この粒子は時速150万kmの速度で広がっていき<ref>{{cite web|title=Solar Physics: The Solar Wind|work=Marshall Space Flight Center|date=16 July 2006|url=http://solarscience.msfc.nasa.gov/SolarWind.shtml|accessdate=2018-06-16}}</ref>、少なくとも直径100auに及ぶ{{R|Voyager}}太陽圏内を満たしている。[[太陽フレア]]や[[コロナ質量放出]](CME)のような、太陽の表面上で発生する恒星活動は、{{仮リンク|宇宙天気|en|Space weather}}や[[磁気嵐]]を発生させる場合もある<ref>{{cite web|url=https://science.nasa.gov/headlines/y2001/ast15feb_1.htm|title=The Sun Does a Flip|accessdate=2018-06-17|last=Phillips|first=Tony|date=15 February 2001|work=NASA–Science News|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090512121817/https://science.nasa.gov/headlines/y2001/ast15feb_1.htm|archivedate=2009-05-12}}</ref>。太陽圏内で最も大きな構造は、太陽の磁場が自転によって回転する事により、螺旋状に生成される惑星間物質の構造で、[[太陽圏電流シート]]と呼ばれる<ref>{{cite web|url=https://science.nasa.gov/headlines/y2003/22apr_currentsheet.htm|title=A Star with two North Poles|date=22 April 2003|work=NASA–Science News|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090718014855/https://science.nasa.gov/headlines/y2003/22apr_currentsheet.htm|archivedate=2009-07-18|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite journal|last1=Riley|bibcode=2002JGRA.107g.SSH8R|first1=Pete|title=Modeling the heliospheric current sheet: Solar cycle variations|doi=10.1029/2001JA000299|date=2002|volume=107|journal=Journal of Geophysical Research|url=http://ulysses.jpl.nasa.gov/science/monthly_highlights/2002-July-2001JA000299.pdf|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090814052347/http://ulysses.jpl.nasa.gov/science/monthly_highlights/2002-July-2001JA000299.pdf|archivedate=2009-08-14}}</ref>。

地球の磁場は、太陽風から大気が剥ぎ取られるのを防ぐ役割を果たしている<ref>{{cite web|url=https://science.nasa.gov/science-news/science-at-nasa/1998/ast08dec98_1/|title=Solar Wind blows some of Earth's atmosphere into space|date=8 December 1998|work=Science@NASA Headline News|accessdate=2018-06-17}}</ref>。一方で、金星と火星には磁場が無いため、太陽風によって大気が宇宙空間に剥ぎ取られている<ref>{{cite journal|last=Lundin|first=Richard|year=2001|title=Erosion by the Solar Wind|journal=Science|volume=291|issue=5510|page=1909|doi=10.1126/science.1059763|pmid=11245195}}</ref>。<!-- Coronal mass ejections and similar events blow a magnetic field and huge quantities of material from the surface of the Sun.-->この太陽風は、地球の磁場に沿って、大気上層部に荷電粒子を流入し、極地に[[オーロラ]]を発生させている。

太陽圏と各惑星が持つ地場は、[[宇宙線]]と呼ばれる、星間空間を飛び交う高エネルギー粒子の一部を、太陽系から遮蔽している。星間空間における宇宙線の密度と、太陽の磁場の強さは非常に長い時間スケールで変化するため、太陽系内での宇宙線の密度は変動するが、どれだけ変動するかは分かっていない<ref>{{cite journal|last=Langner|first=U. W.|author2=M. S. Potgieter|year=2005|title=Effects of the position of the solar wind termination shock and the heliopause on the heliospheric modulation of cosmic rays|journal=Advances in Space Research|volume=35|issue=12|pages=2084–2090|doi=10.1016/j.asr.2004.12.005|bibcode=2005AdSpR..35.2084L}}</ref>。

他の惑星間物質として、少なくとも2つの、[[宇宙塵]]で構成された円盤がある。1つ目は[[惑星間塵]]と呼ばれ、[[黄道光]]を引き起こしている。これは、惑星との重力的相互作用で生じた、小惑星帯内での小惑星の衝突などによって生成された可能性が高い<ref>{{cite web|title=Long-term Evolution of the Zodiacal Cloud|url=http://astrobiology.arc.nasa.gov/workshops/1997/zodiac/backman/IIIc.html|year=1998|accessdate=2018-06-16|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20060929030040/http://astrobiology.arc.nasa.gov/workshops/1997/zodiac/backman/IIIc.html|archivedate=29 September 2006}}</ref>。2つ目は、10~40auにかけて分布しており、これはカイパーベルト内の太陽系外縁天体の衝突によって生成されたとされている<ref>{{cite web|title=ESA scientist discovers a way to shortlist stars that might have planets|work=ESA Science and Technology|url=http://sci.esa.int/science-e/www/object/index.cfm?fobjectid=29471|year=2003|accessdate=2018-06-16}}</ref><ref>{{cite journal|last=Landgraf|first=M.|author2=Liou, J.-C.|author3=Zook, H. A.|author4= Grün, E.|date=May 2002|title=Origins of Solar System Dust beyond Jupiter|journal=The Astronomical Journal|volume=123|issue=5|pages=2857–2861|doi=10.1086/339704|url=http://astron.berkeley.edu/~kalas/disksite/library/ladgraf02.pdf|bibcode=2002AJ....123.2857L|arxiv=astro-ph/0201291}}</ref>。

== 内太陽系 ==
[[ファイル:4 Terrestrial Planets Size Comp True Color.png|275px|サムネイル|右|内太陽系の惑星の大きさを比較した図]]
内太陽系は比較的、太陽の近くを公転しており、主にケイ酸塩と金属から成る地球型惑星と、小惑星帯から成る。内太陽系の範囲は、木星軌道と土星軌道の間隔よりも短い。この領域は凍結線より、わずかに内側に位置している。

=== 内惑星系 ===
内太陽系に位置している4つの惑星は、'''内惑星'''({{Lang-en|Inner planet}})と呼ばれている。比較的高密度で、岩石から形成されており、衛星はほとんど、あるいは全く持っておらず、環についてはどの惑星も持っていない。[[地殻]]と[[マントル]]は、主にケイ酸塩から成り、[[核 (天体)|核]]は鉄やニッケルなどの金属から成る。4つの内惑星のうち、水星以外の3つは[[天候]]を発生させるのに十分な大気を持っている。全ての惑星の表面には、[[クレーター]]や[[テクトニクス]]、[[裂谷]]、[[火山]]といった地質的特徴を持っている。ここにおける「内惑星」とは、内太陽系にある4つの惑星の分類を指している。これとは別に、地球より内側を公転している、水星と金星を[[内惑星]]({{Lang-en|'''Inferior planet'''}})と呼ぶ事がある。この場合、地球はどちらにも属さず、火星は対義語の[[外惑星]]に分類される。

==== 水星 ====
{{Main|水星}}
'''水星'''({{Lang-en|Mercury}})は、太陽系の惑星で最も太陽に近い、太陽系第1惑星。また、最も小さく、質量も小さい。天然の衛星は持っていない。表面にはクレーターの他に、形成初期に水星が収集した際に形成された「尾根」や「{{仮リンク|ルぺス|en|Rupes}}」と呼ばれる地形がある<ref>Schenk P., Melosh H. J. (1994), ''Lobate Thrust Scarps and the Thickness of Mercury's Lithosphere'', Abstracts of the 25th Lunar and Planetary Science Conference, 1994LPI....25.1203S</ref>。水星をまとっている非常に薄い大気は、太陽風によって巻き上げられた事などにより形成されていると考えられている<ref>{{cite web|author=Bill Arnett|title=Mercury|work=The Nine Planets|url=http://www.nineplanets.org/mercury.html|year=2006|accessdate=2018-06-16}}</ref>。他の地球型惑星よりも、核が大きく、マントルが薄くなっており、その理由はまだはっきりとは分かっていない。仮説として、ジャイアント・インパクトのような巨大衝突で地殻が剥ぎ取られたり、太陽によって、岩石質の地殻が蒸発した事により、密度が高い惑星になった可能性などが示されている<ref>{{cite journal|last1=Benz|first1=W.|last2=Slattery|first2=W. L.|last3=Cameron|first3=A. G. W.|year=1988|title=Collisional stripping of Mercury's mantle|url=|journal=Icarus|volume=74|issue=3|pages=516–528|doi=10.1016/0019-1035(88)90118-2|bibcode=1988Icar...74..516B}}</ref><ref>{{cite journal|last1=Cameron|first1=A. G. W.|year=1985|title=The partial volatilization of Mercury|url=|journal=Icarus|volume=64|issue=2|pages=285–294|doi=10.1016/0019-1035(85)90091-0|bibcode=1985Icar...64..285C}}</ref><ref>[[#Newton09|ニュートン (別2009)、3章 地球型惑星、pp.58-59 水星の巨大な核はどうやってできた?]]</ref>。

==== 金星 ====
{{Main|金星}}
'''金星'''({{Lang-en|Venus}})は太陽系の第2惑星で、規模は最も地球に近い。地球と同様に、鉄で出来た核と分厚いケイ酸塩のマントル、分厚い大気があり、そして地質活動の痕跡も見られる。しかし、地球よりも非常に乾燥しており、大気圧は地球の90倍にも及ぶ。天然の衛星は持っていない。表面温度は400℃を超えており、これは太陽系の惑星の中では最も高温である。この高い表面温度は、分厚い大気による[[暴走温室効果]]によって引き起こされている<ref>{{cite journal|author=Mark Alan Bullock |title=The Stability of Climate on Venus|publisher=Southwest Research Institute |year=1997|url=http://www.boulder.swri.edu/~bullock/Homedocs/PhDThesis.pdf|format=PDF|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070614202751/http://www.boulder.swri.edu/~bullock/Homedocs/PhDThesis.pdf|archivedate=14 June 2007|df=dmy-all}}</ref>。現在の金星では、地質活動は確認されていないが、大気の流出を防ぐ磁場が無いため、火山活動などによって大気が供給されている可能性が示唆されている<ref>{{cite web|author=Paul Rincon |title=Climate Change as a Regulator of Tectonics on Venus|work=Johnson Space Center Houston, TX, Institute of Meteoritics, University of New Mexico, Albuquerque, NM|url=http://www.boulder.swri.edu/~bullock/Homedocs/Science2_1999.pdf |format=PDF|year=1999|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070614202807/http://www.boulder.swri.edu/~bullock/Homedocs/Science2_1999.pdf|archivedate=14 June 2007|df=dmy-all}}</ref>。

==== 地球 ====
{{Main|地球}}
[[ファイル:Moon, Earth size comparison.jpg|200px|サムネイル|右|地球と月の大きさの比較]]
'''地球'''({{Lang-en|Earth}})は太陽系の第3惑星で、内惑星系の中では最も大きく、高密度な天体である。また、[[プレートテクトニクス]]と[[生命]]の存在が確認されている唯一の天体でもある<ref>{{cite web|title=What are the characteristics of the Solar System that lead to the origins of life?|publisher=NASA Science (Big Questions)|url=https://science.nasa.gov/planetary-science/big-questions/what-are-the-characteristics-of-the-solar-system-that-lead-to-the-origins-of-life-1/|accessdate=2018-06-17}}</ref>。地球の大気は、他の惑星とは大きく異なり、生命活動によって大気の21%が[[酸素]]を占めている<ref>{{cite web|title=Earth's Atmosphere: Composition and Structure|author=Anne E. Egger, M.A./M.S. |work=VisionLearning.com|url=http://www.visionlearning.com/library/module_viewer.php?c3=&mid=107&l=|accessdate=2018-06-17}}</ref>。天然の衛星として、[[月]]を持っており、太陽系の地球型惑星が持つ衛星の中では最も大きい。

==== 火星 ====
{{Main|火星}}
'''火星'''({{Lang-en|Mars}})は太陽系の第4惑星で、地球や金星よりも小さい。大気圧はわずか6.1ミリ[[バール (単位)|バール]](地球の0.6%)で、主に[[二酸化炭素]]から成る<ref>{{cite book|title= Encyclopaedia of the Solar System|editor=Lucy-Ann McFadden|display-editors=etal|chapter=Mars Atmosphere: History and Surface Interactions|author1=David C. Gatling|author2=Conway Leovy|pages=301–314|year=2007}}</ref>。[[オリンポス山]]のような大規模な山や、[[マリネリス渓谷]]のような渓谷などがある表面から、200万年前まで地質活動が起きていた可能性が示されている<ref>{{cite web|title=Modern Martian Marvels: Volcanoes?|author=David Noever|work=NASA Astrobiology Magazine|url=http://www.astrobio.net/news/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=1360&mode=thread&order=0&thold=0|year=2004|accessdate=2018-06-17}}</ref>。表面は[[酸化鉄]](錆)に覆われているため、<ref>{{cite web|title=Mars: A Kid's Eye View|publisher=NASA|url=http://solarsystem.nasa.gov/planets/profile.cfm?Object=Mars&Display=Kids|accessdate=2018-06-17}}</ref>。火星は、小惑星帯から捕獲された小惑星か<ref>{{cite web|year=2004|title=A Survey for Outer Satellites of Mars: Limits to Completeness|author1=Scott S. Sheppard|author2=David Jewitt|author3=Jan Kleyna|last-author-amp=yes|work=Astronomical Journal|url=http://www2.ess.ucla.edu/~jewitt/papers/2004/SJK2004.pdf|format=PDF|accessdate=2018-06-17}}</ref>、火星で起きた巨大衝突によって放出された破片から形成されたとされる<ref>{{cite web|url=http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/890_martian_moons|title=火星の衛星は巨大天体衝突で形成可能、シミュレーションで解明|work=AstroArts|date=2016-07-06|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite journal|author=Pascal Rosenblatt|author2=Sébastien Charnoz|author3=Kevin M. Dunseath|author4=Mariko Terao-Dunseath|author5=Antony Trinh|author6=Ryuki Hyodo|author7=Hidenori Genda|author8=Stéven Toupin|title=Accretion of Phobos and Deimos in an extended debris disc stirred by transient moons|journal=Nature Geoscience|volume=9|pages=581-583|year=2016|doi=10.1038/ngeo2742}}</ref>、2つの小さな衛星([[フォボス (衛星)|フォボス]]・[[ダイモス (衛星)|ダイモス]])を持っている。

=== 小惑星帯 ===
{{Main|小惑星帯}}
[[Image:InnerSolarSystem-en.png|275px|thumb|小惑星帯の小惑星は、火星と木星の間にリング状に分布している。
{| style="width:100%;"
|-
| valign=top |
{{legend2|#FFFF00|border=1px solid #B3B300|太陽}}<br />
{{legend2|#6ad768|border=1px solid #36C133|木星のトロヤ群}}<br />
{{legend2|#007DD6|border=1px solid #00508A|惑星の軌道}}
| valign=top |
{{legend2|#e9e9e9|border=1px solid #999999|小惑星帯}}<br />
{{legend2|#d39300|border=1px solid #855D00|[[ヒルダ群]]}}<br />
{{legend2|#c90000|border=1px solid #940000|[[地球近傍天体]] {{small|(一部)}}}}
|}
]]

'''小惑星帯'''({{Lang-en|Asteroid belt}})または'''メインベルト'''({{Lang-en|Main belt}})は、火星軌道と木星軌道の間にある、[[小惑星]]が密集した領域である。最も大きな[[ケレス (小惑星)|ケレス]]を除く小惑星は、[[太陽系小天体]]に分類されている{{R|group="注"|a}}。小惑星帯の小惑星は主に、熱に強い岩石や金属[[鉱物]]で出来ているが、氷で出来ているものもある<ref>{{cite web|title=IAU Planet Definition Committee|publisher=International Astronomical Union|year=2006|url=http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0601/newspaper/|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090603001603/http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0601/newspaper/|archivedate=3 June 2009}}</ref><ref>{{cite web|title=Are Kuiper Belt Objects asteroids? Are large Kuiper Belt Objects planets?|publisher=[[コーネル大学|Cornell University]]|url=http://curious.astro.cornell.edu/question.php?number=601|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090103110110/http://curious.astro.cornell.edu/question.php?number=601|archivedate=3 January 2009}}</ref>。大きさは数mから数kmと様々だが、1m未満のものは場合によっては、[[流星物質]]や[[流星塵]]と呼ばれる事もある。

太陽から2.3~3.3au離れた領域に分布しており、これらの小惑星は、太陽系形成時に、木星の重力が干渉した事により合体できず、そのまま残った残骸のような天体であるとされている<ref>{{cite journal|author1=Petit, J.-M.|author2=Morbidelli, A.|author3=Chambers, J.|title=The Primordial Excitation and Clearing of the Asteroid Belt|journal=Icarus|year=2001|volume=153|issue=2|pages=338–347|url=http://www.gps.caltech.edu/classes/ge133/reading/asteroids.pdf|format=PDF|doi=10.1006/icar.2001.6702|bibcode=2001Icar..153..338P}}</ref>。直径1km以上のものは、数万から数百万個存在しているが<ref>{{cite web|date=2002|title=New study reveals twice as many asteroids as previously believed|work=[[欧州宇宙機関|ESA]]|url=http://www.esa.int/esaCP/ESAASPF18ZC_index_0.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>、全ての小惑星を集めても、全質量が地球の1,000分の1を超える可能性は低いとされている{{R|Krasinsky02}}。しかし、小惑星は非常にまばらに分布しているため、[[宇宙探査機]]は支障なく通過する事が出来る。

==== ケレス ====
{{Main|ケレス (準惑星)}}
[[File:PIA19562-Ceres-DwarfPlanet-Dawn-RC3-image19-20150506.jpg|180px|サムネイル|左|ケレス]]
'''ケレス'''({{Lang-en|Ceres}})は小惑星帯最大の小惑星で、準惑星に分類されている{{R|group="注"|a}}。直径は1,000km弱で、自身の重力で球形を保つのに十分な質量を持っている。ケレスは1801年に発見され、当時は惑星とみなされていたが、その後に他の小惑星が発見されるようになり、1850年代には、ケレスも小惑星とみなされるようになった<ref>{{cite web|title=History and Discovery of Asteroids|format=DOC|work=NASA|url=http://dawn.jpl.nasa.gov/DawnClassrooms/1_hist_dawn/history_discovery/Development/a_modeling_scale.doc|accessdate=2018-06-17}}</ref>。しかし、2006年に[[惑星の定義]]が決められた際に、準惑星に再分類された。

==== 小惑星の分類 ====
小惑星帯の小惑星は、その{{仮リンク|小惑星グループ|en|Asteroid groups}}と[[小惑星族]]で分類されている。また、[[小惑星の衛星]]は、より大きなものを公転する、小さな小惑星として扱われる。それらの衛星は、惑星の衛星ほど明確に区別されておらず、中には、小惑星[[アンティオペ (小惑星)|アンティオペ]](87.8 km)を公転している衛星S/2000 (90) 1(83.8 km)<ref>{{cite web|url=http://www.johnstonsarchive.net/astro/astmoons/am-00090.html|title=(90) Antiope and S/2000 (90) 1|work=Asteroids with Satellites Database--Johnston's Archive|accessdate=2018-06-17}}</ref>のように、公転している小惑星とほぼ同じ大きさを持つもの([[二重小惑星]])もある。また、小惑星帯には地球に水をもたらしたとされている[[メインベルト彗星]]も含まれている<ref>{{cite web|author=Phil Berardelli|title=Main-Belt Comets May Have Been Source of Earths Water|work=SpaceDaily|url=http://www.spacedaily.com/reports/Main_Belt_Comets_May_Have_Been_Source_Of_Earths_Water.html|year=2006|accessdate=2018-06-16}}</ref>。

木星の軌道上において、重力的に安定して天体が存在出来る[[ラグランジュ点]]L<sub>4</sub>とL<sub>5</sub>付近には、[[木星のトロヤ群|トロヤ群]]と呼ばれる、小惑星のグループがある。また、この「トロヤ」は他の惑星、あるいは衛星の軌道のラグランジュ点に位置している小天体を指す場合もある。[[ヒルダ群]]と呼ばれるグループは、木星と2:3の[[軌道共鳴]]の関係にあり、これはビルダ群の小惑星が軌道を3周する間に、木星が軌道を2周する事を意味している<ref>{{cite book|last=Barucci|first=M. A.|author2=Kruikshank, D.P.|author3=Mottola S.|author4=Lazzarin M.|year=2002|chapter=Physical Properties of Trojan and Centaur Asteroids|title=Asteroids III|publisher=University of Arizona Press|pages=273–87|location=Tucson, Arizona}}</ref>。

内太陽系には、これらの小惑星の他に、[[地球近傍小惑星]]と呼ばれるものも存在しており、その多くは内惑星の軌道を横断している<ref>{{cite journal|url=http://www.boulder.swri.edu/~bottke/Reprints/Morbidelli-etal_2002_AstIII_NEOs.pdf|title=Origin and Evolution of Near-Earth Objects|journal=Asteroids III|editor=W. F. Bottke Jr.|editor2=A. Cellino|editor3=P. Paolicchi|editor4=R. P. Binzel|pages=409–422|date=January 2002|publisher = University of Arizona Press|format=PDF|bibcode=2002aste.conf..409M|first1= A.|last1=Morbidelli|last2=Bottke|first2=W. F.|last3=Froeschlé|first3=Ch.|last4=Michel|first4 = P.}}</ref>。中には、地球と衝突する可能性が示されている[[潜在的に危険な小惑星]]も含まれている。

== 外太陽系 ==
太陽から離れた外太陽系には、[[巨大ガス惑星]]と比較的大きな衛星、そして[[ケンタウルス族]]や[[短周期彗星]]などが存在している。太陽から遠く離れているため、内太陽系よりも水やメタン、アンモニアなどの揮発性物質が多く存在している。

=== 外惑星系 ===
{{Main|木星型惑星|天王星型惑星}}
[[ファイル:Gas Giants & The Sun in 1,000 km.jpg|250px|サムネイル|右|外惑星系の惑星と太陽の大きさの比較]]
外太陽系にある4つの大きな惑星は、'''外惑星'''({{Lang-en|Outer planet}})や'''巨大惑星'''({{Lang-en|Giant planet}})、'''木星型惑星'''({{Lang-en|Jovian planet}})と呼ばれ、太陽を公転する天体の全質量のうち99%を占めている{{R|group="注"|b}}。木星と土星は合わせると、地球の400倍以上の質量を持ち、主に水素とヘリウムから構成されている。一方で、天王星と海王星は共に質量が地球の20倍以下で、木星と土星と比べて、はるかに小さい。そのため、いくつかの天文学者はこの2つの惑星を、'''巨大氷惑星'''({{Lang-en|Ice giant}})として木星・土星とは異なる分類である事を示している<ref>{{cite web|title=Formation of Giant Planets|author1=Jack J. Lissauer|author2=David J. Stevenson|work=NASA Ames Research Center; California Institute of Technology |date=2006 |url=http://www.gps.caltech.edu/uploads/File/People/djs/lissauer&stevenson(PPV).pdf |format=PDF|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090326060004/http://www.gps.caltech.edu/uploads/File/People/djs/lissauer%26stevenson%28PPV%29.pdf|archivedate=26 March 2009}}</ref>。4つの惑星全てが[[環 (天体)|環]]を持っているが、地球から容易に観測出来るのは[[土星の環]]だけである。ここにおける「外惑星」とは、外太陽系にある4つの惑星の分類を指している。これとは別に、地球より外側を公転している、火星以遠の惑星を[[外惑星]]({{Lang-en|'''Superior planet'''}})と呼ぶ事がある。

==== 木星 ====
{{Main|木星}}
'''木星'''({{Lang-en|Jupiter}})は、太陽系の第5惑星で、太陽系で最も大きな惑星である。地球の318倍の質量を持ち、これは他の惑星の全質量の2.5倍にもなる。主に水素とヘリウムから構成されている。木星内部で生じている強い熱は、縞模様の雲や[[大赤斑]]など、大気中に半永久的な構造を成している。木星は[[木星の衛星と環|69個の衛星]]を持つ事が知られており、特に大きな[[イオ (衛星)|イオ]]、[[エウロパ (衛星)|エウロパ]]、[[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]、[[カリスト (衛星)|カリスト]]の4つは[[ガリレオ衛星]]と呼ばれ、火山活動や内部加熱のような地球型惑星に似た地質活動が見られる<ref>{{cite web|title=Geology of the Icy Galilean Satellites: A Framework for Compositional Studies|author=Pappalardo, R T|work=Brown University|year=1999|url=http://www.agu.org/cgi-bin/SFgate/SFgate?&listenv=table&multiple=1&range=1&directget=1&application=fm99&database=%2Fdata%2Fepubs%2Fwais%2Findexes%2Ffm99%2Ffm99&maxhits=200&=%22P11C-10%22|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070930165551/http://www.agu.org/cgi-bin/SFgate/SFgate?&listenv=table&multiple=1&range=1&directget=1&application=fm99&database=%2Fdata%2Fepubs%2Fwais%2Findexes%2Ffm99%2Ffm99&maxhits=200&=%22P11C-10%22|archivedate=30 September 2007}}</ref>。ガニメデは太陽系最大の衛星で、水星よりも大きい。

==== 土星 ====
{{Main|土星}}
'''土星'''({{Lang-en|Saturn}})は、太陽系の第6惑星。大きな環が特徴的だが、大気組成や磁気圏など、木星とよく似ている点が多い。しかし、体積は木星の60%にあたるが、質量は地球の95倍と、木星の3分の1にも満たない。そのため、土星は太陽系の惑星で唯一、水よりも低密度な惑星である<ref>{{cite web|url=http://www.preservearticles.com/201101233659/saturn-the-most-beautiful-planet-of-our-solar-system.html|title=Saturn – The Most Beautiful Planet of our solar system|work=Preserve Articles|date=23 January 2011|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://www.webcitation.org/62D9uTOJ|archivedate=5 October 2011|deadurl=no}}</ref>。土星の環は、主に氷と岩石で出来た小天体から構成されている。土星は、大部分が氷から成る[[土星の衛星と環|62個の衛星]]を持つ事が知られており、このうち、[[タイタン (衛星)|タイタン]]と[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]]の2つでは、地質活動の存在が示されている<ref>{{cite journal|last1=Kargel|first1=J. S.|title=Cryovolcanism on the icy satellites|journal=Earth, Moon, and Planets|volume=67|pages=101–113|date=1994|doi=10.1007/BF00613296|bibcode=1995EM&P...67..101K}}</ref>。タイタンはガニメデに次いで、太陽系内では2番目に大きな衛星で、こちらも水星より大きく、また太陽系内の衛星で唯一、濃い大気を持つ。

==== 天王星 ====
{{Main|天王星}}
'''天王星'''({{Lang-en|Uranus}})は、太陽系の第7惑星。質量は地球の約14倍で、外惑星系の中では最も質量が小さい。太陽系の惑星で唯一、太陽に対して横倒しで[[自転]]しており、その[[赤道傾斜角]]は90度を超えている。中心部の核は、他の巨大惑星よりも温度が冷たく、熱をほとんど放出していないとされている<ref>{{cite journal|title=10 Mysteries of the Solar System|journal=[[Astronomy Now]]|volume=19|page=65|year=2005|bibcode=2005AsNow..19h..65H|last1=Hawksett|first1=David|last2=Longstaff|first2=Alan|last3=Cooper|first3=Keith|last4=Clark|first4=Stuart}}</ref>。[[天王星の衛星と環|27個の衛星]]を持っており、特に[[チタニア (衛星)|チタニア]]、[[オベロン (衛星)|オベロン]]、[[ウンブリエル]]、[[アリエル (衛星)|アリエル]]、[[ミランダ (衛星)|ミランダ]]の5つは比較的大型である。

==== 海王星 ====
{{Main|海王星}}
'''海王星'''({{Lang-en|Neptune}})は、太陽系の第8惑星。大きさは天王星よりもわずかに小さいが、質量はやや大きく(地球の約17倍)、そのため密度も大きくなっている。また、天王星よりも内部から多くの熱を放射しているが、木星や土星ほどではない<ref>{{cite journal|title=Post Voyager comparisons of the interiors of Uranus and Neptune|author1=Podolak, M.|author2=Reynolds, R. T.|author3=Young, R.|year=1990|pages=1737–1740|issue=10|volume=17|doi=10.1029/GL017i010p01737 |bibcode=1990GeoRL..17.1737P|journal=Geophysical Research Letters}}</ref>。[[海王星の衛星と環|14個の衛星]]を持っており、最も大きな[[トリトン (衛星)|トリトン]]では、地質活動が起きており、[[液体窒素]]の[[間欠泉]]が存在する事が確認されている<ref>{{cite web|title=The Plausibility of Boiling Geysers on Triton|author=Duxbury, N. S., Brown, R. H.|work=Beacon eSpace|year=1995|url=http://trs-new.jpl.nasa.gov/dspace/handle/2014/28034?mode=full|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090426005806/http://trs-new.jpl.nasa.gov/dspace/handle/2014/28034?mode=full|archivedate=26 April 2009}}</ref>。また、太陽系の大型衛星では唯一、主惑星の自転方向に対して逆方向に公転している<ref>[[#natgeo|日経ナショナル ジオグラフィック、3.小惑星帯を越えて、pp.174-175 トリトン]]</ref>。海王星は、その外側に位置している太陽系外縁天体の一部を、1:1の軌道共鳴状態にさせている。

=== ケンタウルス族 ===
{{Main|ケンタウルス族}}
ケンタウルス族は、木星軌道と海王星軌道の間にある、彗星のような氷で出来た小天体のグループである。知られている中で最も大きな、ケンタウルス族に属する天体は[[カリクロー (小惑星)|カリクロー]]で、直径は約250kmとされている<ref>{{cite conference|title=Physical Properties of Kuiper Belt and Centaur Objects: Constraints from Spitzer Space Telescope |author1=John Stansberry|author2=Will Grundy|author3=Mike Brown|author4=Dale Cruikshank|author5=John Spencer|author6=David Trilling|author7=Jean-Luc Margot|booktitle=The Solar System Beyond Neptune|arxiv=astro-ph/0702538|pages=161|year=2007|bibcode=2008ssbn.book..161S}}</ref>。ケンタウルス族として初めて発見された、[[キロン (小惑星)|キロン]]は、太陽に接近する際、彗星のような活動が見られるため、彗星(95P)にも分類されている<ref>{{cite web|author=Patrick Vanouplines|title=Chiron biography|work=Vrije Universitiet Brussel|url=http://www.vub.ac.be/STER/www.astro/chibio.htm|year=1995|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090502122306/http://www.vub.ac.be/STER/www.astro/chibio.htm|archivedate=2 May 2009}}</ref>。

== 太陽と惑星のデータ ==
{{Solar System navmap}}
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
|+ style="font-weight:bold;" | 太陽系の主要天体および小天体群
|+ style="font-weight:bold;" | 太陽と太陽系の惑星
|-
|-
! colspan="2" | 名前
! colspan="2" | 名前
! style="white-space:nowrap;" | (km)
! style="white-space:nowrap;" | [[半]]<br>(km)
! style="white-space:nowrap;" | 質量 (kg)
! style="white-space:nowrap;" | [[質量]]<br>(kg)
! style="white-space:nowrap;" | 軌道傾斜角<br/>(度)
! style="white-space:nowrap;" | [[軌道傾斜角]]<br/>(度)
! style="white-space:nowrap;" | [[離心率|軌道離心率]]
! style="white-space:nowrap;" | 離心率<ref name="aprx">1800年~2050年の楕円軌道近似のケプラー要素(J2000分点)から。[http://ssd.jpl.nasa.gov/txt/aprx_pos_planets.pdf Keplerian Elements for Approximate Positions of the Major Planets](PDF)</ref>
! style="white-space:nowrap;" | 軌道長半径<br/>([[天文単位|au]])<sup>(1)</sup><ref name="aprx" />
! style="white-space:nowrap;" | [[軌道長半径]]<br/>([[天文単位|au]])
! style="white-space:nowrap;" | 表面重力<br/> ([[メートル毎秒毎秒|m/s<sup>2</sup>]])
! style="white-space:nowrap;" | 表面[[重力]]<br/> ([[メートル毎秒毎秒|m/s<sup>2</sup>]])
! style="white-space:nowrap;" | 公転周期<br/>(年)
! style="white-space:nowrap;" | [[公転]]周期<br/>(年)
! style="white-space:nowrap;" | 自転周期<br/>(日)
! style="white-space:nowrap;" | [[自転]]周期<br/>(日)
! style="white-space:nowrap;" | 衛星<br/>(個)
! style="white-space:nowrap;" | 衛星<br/>(個)
|- style="background:{{天体 |star}}"
! style="white-space:nowrap;" | 出典
| colspan="2" | [[太陽]] || 1,392,038 || 1.989{{e|30}} || - || - || - || 274 || - || 27.275<sup>(2)</sup> || -
|-style="background:{{天体 色|rocky}}"
| 1 || [[水星]] || 4,879.4 || 3.302{{e|23}} || 7.004 || 0.20563593 || 0.38709927 || 3.70 ||0.241 || 58.65 || 0
|-style="background:{{天体 色|rocky}}"
| 2 || [[金星]] || 12,103.6 || 4.869{{e|24}} || 3.39471 || 0.00677672 || 0.72333566 || 8.87 || 0.615 || 243.0187<sup>(3)</sup> || 0
|-style="background:{{天体 色|rocky}}"
| 3 || [[地球]] || 12,756.3 || 5.974{{e|24}} || 0.00005 || 0.01671123 || 1.00000261 || 9.78 || 1.000 || 0.997271 || 1
|-style="background:{{天体 色|rocky}}"
| 4 || [[火星]] || 6,794.4 || 6.419{{e|23}} || 1.85061 || 0.09339410 || 1.52371034 || 3.71 || 1.881 || 1.02595 || 2
|-style="background:{{天体 色|rocky}}"
| colspan="4" | [[小惑星帯]](メインベルト)<br/>([[ケレス (準惑星)|ケレス]]などを含む) || (0 - 35) || (0 - 0.3) || (1.8 - 4.2) || - || (2.41 - 8.61) || - || -
|-style="background:{{天体 色|gas}}"
| 5 || [[木星]] || 142,984 || 1.899{{e|27}} || 1.30530 || 0.04838624 || 5.20288700 || 24.79 || 11.86 || 0.4135 || 63<sup>(4)</sup>
|-style="background:{{天体 色|gas}}"
| 6 || [[土星]] || 120,536 || 5.688{{e|26}} || 2.48446 || 0.05386179 || 9.53667594 || 8.96 || 29.46 || 0.4264<sup>(2)</sup> || 64<sup>(4)</sup>
|-style="background:{{天体 色|icy}}"
| 7 || [[天王星]] || 51,118 || 8.683{{e|25}} || 0.774 || 0.04725744 || 19.18916464 || 7.77 || 84.01 || 0.7181<sup>(3)</sup> || 27
|-style="background:{{天体 色|icy}}"
| 8 || [[海王星]] || 49,572 || 1.024{{e|26}} || 1.76917 || 0.00859048 || 30.06992276 || 11.0 || 164.79 || 0.6712 || 14
|-style="background:{{天体 色|icy}}"
| colspan="4" | [[エッジワース・カイパーベルト]]<br/>([[冥王星]]などを含む) || (0 - 30) || (0 - 0.4) || (30 - 50) || - || (160 - 350) || - || -
|-style="background:{{天体 色|icy}}"
| colspan="4" | [[散乱円盤天体|散乱円盤]]<br/>([[エリス (準惑星)|エリス]]などを含む) || (0 - 180) || (0.2 - 0.8) || (50 - ) || - || (350 - ) || - || -
|-
|-
| colspan="2" | [[太陽]] || 695,700 || 1.989{{e|30}} || - || - || - || 274.0 || - || 27.275<ref group="注" name="rotation">赤道での値</ref> || - || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/sunfact.html|title=Sun Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|地球型惑星}}"
| 1 || [[水星]] || 2,439.7 || 3.3011{{e|23}} || 7.00 || 0.2056 || 0.387 || 3.70 || 0.241 || 58.65 || 0 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/mercuryfact.html|title=Mercury Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|地球型惑星}}"
| 2 || [[金星]] || 6,051.8 || 4.8675{{e|24}} || 3.39 || 0.0067 || 0.723 || 8.87 || 0.615 || 243.0187(逆行) || 0 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/venusfact.html|title=Venus Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|地球型惑星}}"
| 3 || [[地球]] || 6,378.1 || 5.9723{{e|24}} || 0.00 || 0.0167 || 1.0000 || 9.798 || 1.000 || 0.997271 || 1 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/earthfact.html|title=Earth Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|地球型惑星}}"
| 4 || [[火星]] || 3,396.2 || 6.4171{{e|23}} || 1.850 || 0.0935 || 1.524 || 3.71 || 1.881 || 1.02595 || 2 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/marsfact.html|title=Mars Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|木星型惑星}}"
| 5 || [[木星]] || 71,492 || 1.8982{{e|27}} || 1.304 || 0.0489 || 5.204 || 24.79 || 11.862 || 0.4135 || 67 || {{R|JupiterFact}}
|-style="background:{{天体 色|木星型惑星}}"
| 6 || [[土星]] || 60,268 || 5.6834{{e|26}} || 2.485 || 0.0565 || 9.582 || 10.44 || 29.457 || 0.4264<ref group="注" name="rotation"/> || 62 || {{R|SaturnFact}}
|-style="background:{{天体 色|天王星型惑星}}"
| 7 || [[天王星]] || 25,559 || 8.6813{{e|25}} || 0.774 || 0.0457 || 19.201 || 8.87 || 84.011 || 0.7181(逆行) || 27 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/uranusfact.html|title=Uranus Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|-style="background:{{天体 色|天王星型惑星}}"
| 8 || [[海王星]] || 24,764 || 1.0241{{e|26}} || 1.769 || 0.0113 || 30.047 || 11.15 || 164.79 || 0.6712 || 14 || <ref>{{cite web|author=David R. Williams|url=https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/neptunefact.html|title=Neptune Fact Sheet|work=NASA|accessdate=2018-06-17}}</ref>
|}
|}
* (1):1 [[天文単位|au]] = 149 597 870 700 m (定義値)
* (2):赤道での値
* (3):逆行
* (4):木星の衛星のうち1個、土星の衛星のうち3個は未確認


== 彗星 ==
[[ファイル:Solar system scale-2.jpg|thumb|center|650px|一番左が太陽。太陽から右に[[水星]]、[[金星]]、[[地球]]、[[火星]]、[[木星]]、[[土星]]、[[天王星]]、[[海王星]]の順に並ぶ]]
{{Main|彗星}}
[[ファイル:Lspn comet halley.jpg|250px|サムネイル|右|[[ハレー彗星]](1986年撮影)]]
'''彗星'''({{Lang-en|Comet}})は多くの場合、直径が数km程度で、主に氷などの揮発性物質から出来た[[核 (彗星)|核]]と、2種類の[[彗星#コマと尾|尾]]から成る。楕円軌道で公転しており、近日点は内太陽系、遠日点は冥王星よりも遠方に位置している事が多い。彗星が太陽に接近すると、核の表面にある氷が[[昇華]]して[[イオン化]]し、[[彗星#コマと尾|コマ]]が形成される。そこから尾やガスが放出され、はっきりと観測出来るようになり、中には肉眼で観望出来るほどまでに明るくなるケースもある。


公転周期が200年未満の彗星は[[短周期彗星]]と呼ばれ、一方で[[長周期彗星]]と呼ばれる彗星は、何千年もかけて太陽を公転しているものもある。短周期彗星は、小惑星帯やカイパーベルトを起源にしているものが多いが、[[ヘール・ボップ彗星]]のような長周期彗星は[[オールトの雲]]が起源であるとされている。また、[[クロイツ群]]を始めとする多くの彗星群は、1つの彗星がいくつもの破片に分裂して形成されたと考えられている<ref>{{cite journal|author=Sekanina, Zdeněk|year=2001|title=Kreutz sungrazers: the ultimate case of cometary fragmentation and disintegration?|volume=89|journal=Publications of the Astronomical Institute of the Academy of Sciences of the Czech Republic|pages=78–93|bibcode=2001PAICz..89...78S}}</ref>。[[双曲線]]軌道を持つ[[非周期彗星]]の中には、太陽系外に由来するものもあるとされているが、正確な計算は困難である<ref>{{cite journal|last=Królikowska|first=M.|year=2001|title=A study of the original orbits of ''hyperbolic'' comets|journal=Astronomy and Astrophysics|volume=376|issue=1|pages=316–324|doi=10.1051/0004-6361:20010945|bibcode=2001A&A...376..316K}}</ref>。太陽の熱によって、核表面の揮発性物質がほとんど無くなった古い彗星は、小惑星に分類される事もある<ref>{{cite journal|last1=Whipple|first1=Fred L.|title=The activities of comets related to their aging and origin|journal=Celestial Mechanics and Dynamical Astronomy|volume=54|pages=1–11|year=1992|doi=10.1007/BF00049540|bibcode=1992CeMDA..54....1W}}</ref>。
=== 準惑星 ===
{{太陽系の天体の分類}}
* メインベルトの準惑星
** [[ケレス (準惑星)|ケレス]](セレス)
* 太陽系外縁天体の準惑星([[冥王星型天体]])
** [[冥王星]]([[冥王星族]])
** [[ハウメア (準惑星)|ハウメア]]([[キュビワノ族]])
** [[マケマケ (準惑星)|マケマケ]](キュビワノ族)
** [[エリス (準惑星)|エリス]]([[散乱円盤天体]])


==== 準惑星候補 ====
== 太陽系外縁部 ==
海王星軌道のさらに外側は'''太陽系外縁部'''({{Lang-en|Trans-Neptunian region}})と呼ばれ、エッジワース・カイパーベルトや、冥王星を含むいくつかの準惑星、散乱円盤天体などが存在しているが、ほとんどの領域ではまだ詳しい探査が行われていない。氷と岩石で構成された小天体が数千個存在しているとされているが、最大クラスの天体でも、大きさは地球の5分の1で、質量は月よりもずっと軽いとされている。この領域は、内太陽系、外太陽系に次ぐ、「太陽系の第3の領域」として扱われる事もある<ref>{{cite web|url=http://www.americanscientist.org/issues/feature/2015/1/journey-to-the-solar-systems-third-zone/1|title=Journey to the Solar System's Third Zone|author=[[アラン・スターン|Alan Stern]]|work=American Scientist|year=2015|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
* メインベルト小惑星
** [[パラス (小惑星)|パラス]] - [[ベスタ (小惑星)|ベスタ]](ウェスタ、ヴェスタ) - [[ヒギエア (小惑星)|ヒギエア]]
* 太陽系外縁天体
** 冥王星族
*** <!--[[カロン (衛星)|カロン]] - -->[[イクシオン (小惑星)|イクシオン]] - [[オルクス (小惑星)|オルクス]]
** キュビワノ族
*** [[ヴァルナ (小惑星)|ヴァルナ]] - [[クワオワー]] - [[(55565) 2002 AW197|{{mp|2002 AW|197}}]] - [[(55636) 2002 TX300|{{mp|2002 TX|300}}]] - [[(55637) 2002 UX25|{{mp|2002 UX|25}}]]
** 散乱円盤天体
*** [[セドナ (小惑星)|セドナ]]<!--厳密にはE-SDO(拡大散乱円盤天体?)だが、便宜上ここに置く--> - [[(84522) 2002 TC302|{{mp|2002 TC|302}}]]


=== 太陽系小天体 ===
=== カイパーベルト ===
{{Main|エッジワース・カイパーベルト|太陽系外縁天体}}
* [[小惑星]](2009年現在、軌道が確定しているものだけで21万個以上。準惑星候補も参照)
[[File:Kuiper belt plot objects of outer solar system.png|260px|thumb|知られている太陽系外縁天体の位置
** [[小惑星の一覧]]
{| style="width: 100%;"
*** [[ジュノー (小惑星)|ジュノー]](ユノ、ユノー) - [[アストラエア (小惑星)|アストラエア]] - [[ヘーベ (小惑星)|ヘーベ]] - [[イリス (小惑星)|イリス]] - [[フローラ (小惑星)|フローラ]] - [[メティス (小惑星)|メティス]]
|-
** [[トロヤ群]]
| valign=top |
*** [[アキレス (小惑星)|アキレス]] - [[パトロクロス (小惑星)|パトロクロス]]
{{legend2|#FFFF00|border=1px solid #B3B300|太陽}}<br />
** [[地球近傍小惑星]] (NEA)
{{legend2|#aaaaaa|border=1px solid #777777|木星のトロヤ群}}<br />
*** [[アポロ (小惑星)|アポロ]] - [[アテン (小惑星)|アテン]] - [[アモール (小惑星)|アモール]]
{{legend2|#FF4D4D|border=1px solid #FF0000|惑星}}
*** [[準衛星]]
| valign=top |
** その他の特異小惑星
{{legend2|#66CCFF|border=1px solid #00AAFF|太陽系外縁天体}}<br />
*** [[イダルゴ (小惑星)|イダルゴ]](ヒダルゴ) - [[ダモクレス (小惑星)|ダモクレス]]
{{legend2|#FFB657|border=1px solid #FF950A|散乱円盤天体}}<br />
* [[太陽系外縁天体]] (TNO)
{{legend2|#A300A3|border=1px solid #550055|[[海王星のトロヤ群]]}}
** [[ケンタウルス族 (小惑星)|ケンタウルス族]]
|}
*** [[キロン (小惑星)|キロン]]
]]
** [[エッジワース・カイパーベルト天体]] (EKBO)
{{TNO imagemap}}
*** [[共鳴外縁天体|共鳴EKBO]]([[冥王星族]]、[[トゥーティノ族]]など)
**** [[ラダマントゥス (小惑星)|ラダマントゥス]] - [[フヤ (小惑星)|フヤ]]
*** 古典的EKBO(キュビワノ族)
**** [[(15760) 1992 QB1|{{mp|1992 QB|1}}]] - [[カオス (小惑星)|カオス]] - [[ロゴス (小惑星)|ロゴス]]
** [[散乱円盤天体]] (SDO)
*** [[(15874) 1996 TL66|{{mp|1996 TL|66}}]] - [[ケト (小惑星)|ケト]]
** [[オールトの雲]]
*** [[彗星]]
**** [[短周期彗星]]
**** [[長周期彗星]]
**** [[非周期彗星]]


'''エッジワース・カイパーベルト'''({{Lang-en|Edgeworth-Kuiper belt}})または'''カイパーベルト'''は、小惑星帯に似た、リング状に小天体([[太陽系外縁天体]]・カイパーベルト天体)が集まった領域だが、主に氷で形成されている{{R|Lucy07}}。太陽から30~50au離れた領域に分布している。数十から数千個の準惑星サイズのものも存在すると見られているが、その多くは太陽系小天体から成る。[[クワオアー]]や[[ヴァルナ (小惑星)|ヴァルナ]]、[[オルクス (小惑星)|オルクス]]といった大型の太陽系外縁天体は、さらに多くのデータが集まれば、それを基に準惑星に分類される可能性がある。直径が50kmを超える太陽系外縁天体はカイパーベルト内に10万個以上存在すると推定されているが、総質量は地球の100分の1から1000分の1にも満たないと考えられている{{R|Delsanti-Beyond_The_Planets}}。多くの太陽系外縁天体は衛星を持っており<ref>{{cite journal|doi=10.1086/501524|last1=Brown|first1=M. E.|last2=Van Dam|first2=M. A.|last3=Bouchez|first3=A. H.|last4=Le Mignant|first4=D.|last5=Campbell|first5=R. D.|last6=Chin|first6=J. C. Y.|last7=Conrad|first7=A.|last8=Hartman|first8=S. K.|last9=Johansson|first9=E. M.|last10=Lafon|first10=R. E.|last11=Rabinowitz|first11=D. L. Rabinowitz|last12=Stomski|first12=P. J., Jr.|last13=Summers|first13=D. M.|last14=Trujillo|first14=C. A.|last15=Wizinowich|first15=P. L.|year=2006|title=Satellites of the Largest Kuiper Belt Objects| journal=The Astrophysical Journal|volume=639|issue=1|pages=L43–L46|arxiv=astro-ph/0510029|bibcode=2006ApJ...639L..43B|url=http://web.gps.caltech.edu/~mbrown/papers/ps/gab.pdf|format=PDF|ref={{sfnRef|Brown Van Dam et al.|2006}}}}</ref>、黄道面から大きく傾いた軌道を描いている<ref>{{cite journal|url=http://www.boulder.swri.edu/~buie/biblio/pub047.pdf|format=PDF|last=Chiang|first=E. I|last2=Jordan|first2=A. B.|last3=Millis|first3=R. L.|last4=Buie|first4=M. W.|last5=Wasserman|first5=L. H.|last6=Elliot|first6=J. L.|last7=Kern|first7=S. D.|last8=Trilling|first8=D. E.|last9=Meech|first9=K. J.|last10=Wagner|first10=R. M.|bibcode=2003AJ....126..430C|title=Resonance Occupation in the Kuiper Belt: Case Examples of the 5:2 and Trojan Resonances|journal=The Astronomical Journal|volume=126|issue=1|pages=430–443|year=2003|doi=10.1086/375207|arxiv=astro-ph/0301458}}</ref>。カイパーベルトでは、これまでに約1,400個の太陽系外縁天体が発見されている<ref>[[#natgeo|日経ナショナル ジオグラフィック、3.小惑星帯を越えて、pp.178-179 カイパー・ベルト]]</ref>。
=== 衛星 ===
名前があるもののみ


太陽系外縁天体は、古典的カイパーベルト天体と軌道共鳴状態にあるものの2つに大きく区別する事が出来る。軌道共鳴の対象となる惑星は海王星で、例えば、海王星が3回公転する間に、2回公転するような天体が後者に挙げられる。前者の古典的カイパーベルト天体は、海王星と軌道共鳴を起こしておらず、太陽から約39.4~47.7au離れた領域に分布している<ref>{{cite journal|author1=M. W. Buie|author2=R. L. Millis|author3=L. H. Wasserman|author4=J. L. Elliot|author5=S. D. Kern|author6=K. B. Clancy|author7=E. I. Chiang|author8=A. B. Jordan|author9=K. J. Meech|author10=R. M. Wagner|author11=D. E. Trilling|title=Procedures, Resources and Selected Results of the Deep Ecliptic Survey|journal=Earth, Moon, and Planets|year=2005|volume=92|issue=1|pages=113–124|arxiv=astro-ph/0309251|bibcode=2003EM&P...92..113B|doi=10.1023/B:MOON.0000031930.13823.be}}</ref>。この古典的カイパーベルト天体は[[キュビワノ族]]とも呼ばれ、この分類の太陽系外縁天体として初めて発見されたのは[[アルビオン (小惑星)|アルビオン]]({{mp|1992 QB|1}})で、全体的に軌道[[離心率]]が低い軌道を描く<ref>{{cite web|url=http://sait.oat.ts.astro.it/MSAIS/3/PDF/20.pdf|format=PDF|title=Beyond Neptune, the new frontier of the Solar System|author=E. Dotto|author2=M. A. Barucci|author3=M. Fulchignoni|accessdate=2018-06-16|date=2006-08-24}}</ref>。
==== 惑星の衛星 ====
* [[地球#衛星|地球の衛星]]
** [[月]]
* [[火星の衛星]]
** [[フォボス (衛星)|フォボス]] - [[ダイモス (衛星)|ダイモス]]
* [[木星の衛星と環|木星の衛星]]
** <!-- J1 - J10 -->[[イオ (衛星)|イオ]] - [[エウロパ (衛星)|エウロパ]](ユーロパ) - [[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]] - [[カリスト (衛星)|カリスト]] - [[アマルテア (衛星)|アマルテア]] - [[ヒマリア (衛星)|ヒマリア]] - [[エララ (衛星)|エララ]] - [[パシファエ (衛星)|パシファエ]] - [[シノーペ (衛星)|シノーペ]] - [[リシテア (衛星)|リシテア]] -<br/><!-- J11 - J20 -->[[カルメ (衛星)|カルメ]] - [[アナンケ (衛星)|アナンケ]] - [[レダ (衛星)|レダ]] - [[テーベ (衛星)|テーベ]] - [[アドラステア (衛星)|アドラステア]] - [[メティス (衛星)|メティス]] - [[カリロエ (衛星)|カリロエ]] - [[テミスト (衛星)|テミスト]] - [[メガクリテ (衛星)|メガクリテ]] - [[タイゲテ (衛星)|タイゲテ]] -<br/><!-- J21 - J30 -->[[カルデネ (衛星)|カルデネ]] - [[ハルパリケ (衛星)|ハルパリケ]] - [[カリュケ (衛星)|カリュケ]] - [[イオカステ (衛星)|イオカステ]] - [[エリノメ (衛星)|エリノメ]] - [[イソノエ (衛星)|イソノエ]] - [[プラクシディケ (衛星)|プラクシディケ]] - [[アウトノエ (衛星)|アウトノエ]] - [[スィオネ (衛星)|スィオネ]] - [[ヘルミッペ (衛星)|ヘルミッペ]] -<br/><!-- J31 - J40 -->[[アイトネ (衛星)|アイトネ]] - [[エウリドメ (衛星)|エウリドメ]] - [[エウアンテ (衛星)|エウアンテ]] - [[エウポリエ (衛星)|エウポリエ]] - [[オーソシエ (衛星)|オーソシエ]] - [[スポンデ (衛星)|スポンデ]] - [[カレ (衛星)|カレ]] - [[パシテー (衛星)|パシテー]] - [[ヘゲモネ (衛星)|ヘゲモネ]] - [[ムネーメ (衛星)|ムネーメ]] -<br/><!-- J41 - J50 -->[[アエーデ (衛星)|アエーデ]] - [[テルクシノエ (衛星)|テルクシノエ]] - [[アーケ (衛星)|アーケ]] - [[カリコレ (衛星)|カリコレ]] - [[ヘリケ (衛星)|ヘリケ]] - [[カルポ (衛星)|カルポ]] - [[エウケラデ (衛星)|エウケラデ]] - [[キュレーネ (衛星)|キュレーネ]] - [[コレー (衛星)|コレー]]
* [[土星の衛星と環|土星の衛星]]
** <!-- S1 - S10 -->[[ミマス (衛星)|ミマス]] - [[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]] - [[テティス (衛星)|テティス]] - [[ディオネ (衛星)|ディオネ]] - [[レア (衛星)|レア]] - [[タイタン (衛星)|タイタン]](チタン、ティタン) - [[ヒペリオン (衛星)|ヒペリオン]] - [[イアペトゥス (衛星)|イアペトゥス]] - [[フェーベ (衛星)|フェーベ]] - [[ヤヌス (衛星)|ヤヌス]] -<br/><!-- S11 - S20 -->[[エピメテウス (衛星)|エピメテウス]] - [[ヘレネ (衛星)|ヘレネ]] - [[テレスト (衛星)|テレスト]] - [[カリプソ (衛星)|カリプソ]] - [[アトラス (衛星)|アトラス]] - [[プロメテウス (衛星)|プロメテウス]] - [[パンドラ (衛星)|パンドラ]] - [[パン (衛星)|パン]] - [[ユミル (衛星)|ユミル]] - [[パーリアク (衛星)|パーリアク]] -<br/><!-- S21 - S30 -->[[タルヴォス (衛星)|タルヴォス]] - [[イジラク (衛星)|イジラク]] - [[スットゥングル (衛星)|スットゥングル]] - [[キビウク (衛星)|キビウク]] - [[ムンディルファリ (衛星)|ムンディルファリ]] - [[アルビオリックス (衛星)|アルビオリックス]] - [[スカジ (衛星)|スカジ]] - [[エリアポ (衛星)|エリアポ]] - [[シャルナク (衛星)|シャルナク]] - [[スリュムル (衛星)|スリュムル]] -<br/><!-- S31 - S40 -->[[ナルヴィ (衛星)|ナルヴィ]] - [[メトネ (衛星)|メトネ]] - [[パレネ (衛星)|パレネ]] - [[ポリデウケス (衛星)|ポリデウケス]] - [[ダフニス (衛星)|ダフニス]] - [[エーギル (衛星)|エーギル]] - [[ベビォン (衛星)|ベビォン]] - [[ベルゲルミル (衛星)|ベルゲルミル]] - [[ベストラ (衛星)|ベストラ]] - [[ファールバウティ (衛星)|ファールバウティ]] -<br/><!-- S41 - S50 -->[[フェンリル (衛星)|フェンリル]] - [[フォルニョート (衛星)|フォルニョート]] - [[ハティ (衛星)|ハティ]] - [[ヒュロッキン (衛星)|ヒュロッキン]] - [[カーリ (衛星)|カーリ]] - [[ロゲ (衛星)|ロゲ]] - [[スコル (衛星)|スコル]] - [[スルト (衛星)|スルト]] - [[アンテ (衛星)|アンテ]] - [[ヤールンサクサ (衛星)|ヤールンサクサ]] -<br/><!-- S51 - S60 -->[[グレイプ (衛星)|グレイプ]] - [[タルクェク (衛星)|タルクェク]] - [[アイガイオン (衛星)|アイガイオン]]
* [[天王星の衛星と環|天王星の衛星]]
** <!-- U1 - U10 -->[[アリエル (衛星)|アリエル]] - [[ウンブリエル]] - [[チタニア (衛星)|チタニア]](タイタニア、ティターニア) - [[オベロン (衛星)|オベロン]] - [[ミランダ (衛星)|ミランダ]] - [[コーディリア (衛星)|コーディリア]] - [[オフィーリア (衛星)|オフィーリア]] - [[ビアンカ (衛星)|ビアンカ]] - [[クレシダ (衛星)|クレシダ]] - [[デズデモーナ (衛星)|デスデモナ]] -<br/><!-- U11 - U20 -->[[ジュリエット (衛星)|ジュリエット]] - [[ポーシャ (衛星)|ポーシャ]] - [[ロザリンド (衛星)|ロザリンド]] - [[ベリンダ (衛星)|ベリンダ]] - [[パック (衛星)|パック]] - [[キャリバン (衛星)|キャリバン]] - [[シコラクス (衛星)|シコラクス]] - [[プロスペロー (衛星)|プロスペロー]] - [[セティボス (衛星)|セティボス]] - [[ステファノー (衛星)|ステファノー]] -<br/><!-- U21 - U30 -->[[トリンキュロー (衛星)|トリンキュロー]] - [[フランシスコ (衛星)|フランシスコ]] - [[マーガレット (衛星)|マーガレット]] - [[ファーディナンド (衛星)|ファーディナンド]] - [[ペルディータ (衛星)|ペルディータ]] - [[マブ (衛星)|マブ]] - [[キューピッド (衛星)|キューピッド]]
* [[海王星の衛星と環|海王星の衛星]]
** <!-- N1 - N10 -->[[トリトン (衛星)|トリトン]] - [[ネレイド (衛星)|ネレイド]] - [[ナイアド (衛星)|ナイアド]] - [[タラッサ (衛星)|タラッサ]] - [[デスピナ (衛星)|デスピナ]] - [[ガラテア (衛星)|ガラテア]] - [[ラリッサ (衛星)|ラリッサ]] - [[プロテウス (衛星)|プロテウス]] - [[ハリメデ (衛星)|ハリメデ]] - [[プサマテ (衛星)|プサマテ]] -<br/><!-- N11 - N20 -->[[サオ (衛星)|サオ]] - [[ラオメデイア (衛星)|ラオメデイア]] - [[ネソ (衛星)|ネソ]]


==== 準惑星・小惑星の衛星 ====
==== 冥王とカロン ====
* [[冥王星衛星]]
{{Main|冥王星|カロン (衛星)}}
準惑星の'''冥王星'''({{Lang-en|Pluto}})は既知の太陽系外縁天体の中では最大の天体である。1930年に発見され、それ以降は「太陽系の第9惑星」とされたが、2006年に国際天文学連合による惑星の定義の決定により、準惑星に降格となった<ref>{{cite news|url=http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0603/index.html|title=IAU 2006 General Assembly: Result of the IAU Resolution votes|publisher=International Astronomical Union|date=2006-08-24|archiveurl=https://web.archive.org/web/20061107022302/http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0603/index.html|archivedate=2006-11-07}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.astroarts.co.jp/news/2006/08/25planet_definition_flash/index-j.shtml|title=【速報】太陽系の惑星の定義確定|work=AstroArts|date=2006-08-25|accessdate=2018-06-17}}</ref>。冥王星は楕円軌道で太陽を公転しており、近日点では太陽から29.6auまで近づき、遠日点では49.3auまで遠ざかる<ref>{{cite web|url=http://www.johnstonsarchive.net/astro/astmoons/am-pluto.html|title=(134340) Pluto, Charon, Nix, Hydra, Kerberos, and Styx|work=Asteroids with Satellites Database--Johnston's Archive|accessdate=2018-06-17}}</ref>。軌道は黄道面から約17.1度傾いている。海王星とは3:2の軌道共鳴状態にあり、この冥王星と似た軌道を描く太陽系外縁天体は[[冥王星族]]と呼ばれる<ref>{{cite journal|last=Fajans|first=J.|author2=L. Frièdland|year=2001|title=Autoresonant (nonstationary) excitation of pendulums, Plutinos, plasmas, and other nonlinear oscillators|journal=[[American Journal of Physics]]|volume=69|issue=10|pages=1096–1102|doi=10.1119/1.1389278|url=http://ist-socrates.berkeley.edu/~fajans/pub/pdffiles/AutoPendAJP.pdf|format=PDF|bibcode=2001AmJPh..69.1096F|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110607210435/http://ist-socrates.berkeley.edu/~fajans/pub/pdffiles/AutoPendAJP.pdf|archivedate=7 June 2011|df=dmy-all}}</ref>。
** [[カロン (衛星)|カロン]] - [[ニクス (衛星)|ニクス]] - [[ヒドラ (衛星)|ヒドラ]]
* [[ハウメア (準惑星)#衛星|ハウメアの衛星]]
** [[ヒイアカ (衛星)|ヒイアカ]] - [[ナマカ (衛星)|ナマカ]]
* [[エリス (準惑星)#衛星|エリスの衛星]]
** [[ディスノミア (衛星)|ディスノミア]]


冥王星最大の衛星であるカロンは、その大きさが故に、冥王星と共に[[二重惑星|連星系]]を成していると表現される事もある。カロンの他にも、冥王星は[[ステュクス (衛星)|ステュクス]]、[[ニクス (衛星)|ニクス]]、[[ケルベロス (衛星)|ケルベロス]]、[[ヒドラ (衛星)|ヒドラ]]と呼ばれる、カロンと比べてはるかに小さな4つの衛星を持つ事が知られている。
* [[小惑星の衛星]]


=== 太陽系の果て ===
==== マケマケとハウメア ====
{{Main|マケマケ (準惑星)|ハウメア (準惑星)}}
[[ファイル:Voyager 1 entering heliosheath region-ja.jpg|thumb|right|250px|太陽圏(ヘリオスフィア)]]
'''マケマケ'''({{Lang-en|Makemake}})は冥王星よりも小さいが、知られている古典的カイパーベルト天体の中では最も大きい天体とされている。また、太陽系外縁天体の中では、冥王星に次いで明るい。2008年に準惑星に分類され、現在の名称が公式に付与された{{R|name}}<ref>{{cite web|url=https://www.iau.org/news/pressreleases/detail/iau0806/|title=News Release - IAU0806: Fourth dwarf planet named Makemake|work=International Astronomical Union|date=2008-07-19|accessdate=2018-06-17}}</ref>。軌道は冥王星よりもはるかに傾いており、[[軌道傾斜角]]は29度にもなる<ref>{{cite web|author=Marc W. Buie|date=2008-04-05|title=Orbit Fit and Astrometric record for 136472|publisher=SwRI (Space Science Department)|url=http://www.boulder.swri.edu/~buie/kbo/astrom/136472.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
かつては最も外側の惑星であるとされていた冥王星の軌道を太陽系の果てとみなすことが多かったが、外縁天体(エッジワース・カイパーベルト)の発見によってその考えは古いものとなった。


'''ハウメア'''({{Lang-en|Haumea}})は、マケマケと同じような軌道を公転しているが、海王星と7:12の軌道共鳴の関係にある<ref>{{cite web|title=The largest Kuiper belt objects|author=Michael E. Brown|work=Caltech|url=http://www.gps.caltech.edu/~mbrown/papers/ps/kbochap.pdf|format=PDF|accessdate=2018-06-17}}</ref>。大きさはマケマケと同程度で、2つの衛星を持っている。[[自転周期]]が3.9時間しかないため、地形は平らで、細長い形状になっている<ref>{{cite web|publisher=News Limited|title=Astronomers get lock on diamond-shaped Haumea|work=European Planetary Science Congress in Potsdam|date=2009-09-16|url=http://www.news.com.au/story/0,27574,26081101-23109,00.html|accessdate=2018-06-17|author=Agence France-Presse |deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090923170519/http://www.news.com.au/story/0%2C27574%2C26081101-23109%2C00.html|archivedate=2009-09-23}}</ref>。マケマケ同様に、2008年に準惑星に分類され、現在の名称が公式に付与された<ref>{{cite web|title=News Release – IAU0807: IAU names fifth dwarf planet Haumea|work=International Astronomical Union|date=2008-09-17|url=http://www.iau.org/news/pressreleases/detail/iau0807/|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
太陽から放出された粒子([[太陽風]])は、エッジワース・カイパーベルトの外側にある末端衝撃波面を越えると恒星間空間を満たす[[星間物質]]や[[宇宙線]]の抵抗によって減速し、やがて星間物質の一部となる。太陽風が到達する範囲を太陽圏(ヘリオスフィア)、その境界面を[[ヘリオポーズ]]と呼ぶ。太陽が銀河系の中を公転しているため、その進行方向ではヘリオポーズは太陽に近く、後方では遠くなる。[[ボイジャー1号]]は21世紀初頭に末端衝撃波面を通過し、2012年8月25日にヘリオポーズに到達した。


=== 散乱円盤天体 ===
散乱円盤天体や長周期彗星の多くはヘリオポーズより外側まで達する軌道を周回している。オールトの雲は1万天文単位(約0.16光年)以上、太陽の[[重力圏]]の限界付近まで広がっていると予想されている。その距離はおおむね10万天文単位(約1.6光年)程度とされているが、もっと遠くまで広がっているという説もあり、その場合は太陽系と近隣恒星のオールト雲が重なっていることもありうる。
{{Main|散乱円盤天体}}
カイパーベルトと重なっているものもあるが、基本的にそのはるか外側にまで広がっている'''散乱円盤'''({{Lang-en|Scattered disk}})は、短周期彗星の起源であるとされている。この散乱円盤は、太陽系形成時に、巨大惑星の移動によって不規則な軌道となって外側に放り出されたとされている。それを構成している'''散乱円盤天体'''({{Lang-en|Scattered disk object}}、SDO)のほとんどは、カイパーベルトよりもはるか遠くに分布しており、太陽から150au以上離れているものが多い。散乱円盤天体もまた、太陽系外縁天体と同様に、黄道面から傾いた軌道を描いており、中にはほぼ垂直にまで傾いているものもある。一部の天文学者は、散乱円盤とカイパーベルトのもう1つの領域とみなして、散乱円盤天体を「散乱した太陽系外縁天体」としている<ref>{{cite web|year=2005|author=David Jewitt|title=The 1000 km Scale KBOs|work=University of Hawaii|url=http://www2.ess.ucla.edu/~jewitt/kb/big_kbo.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>。一方で、ケンタウルス族を「内側に散乱した太陽系外縁天体」、散乱円盤を「外側に散乱した太陽系外縁天体」としている場合もある<ref>{{cite web|url=http://www.minorplanetcenter.org/iau/lists/Centaurs.html|title=List of Centaurs and Scattered-Disk Objects|work=IAU: Minor Planet Center|accessdate=2018-06-17}}</ref>。


==== エリス ====
=== 太陽系内に含まれる元素の割合 ===
{{Main|エリス (準惑星)}}
* [[水素]] 74.4%
'''エリス'''({{Lang-en|Eris}})は、現在知られている散乱円盤天体の中では最も大きい。質量は冥王星よりも25%大きく<ref>{{cite journal|doi=10.1126/science.1139415|last1=Brown|first1=Michael E.|last2=Schaller|first2=Emily L.|year=2007|title=The Mass of Dwarf Planet Eris|journal=Science|volume=316|issue=5831|page=1585|pmid=17569855|bibcode=2007Sci...316.1585B}}</ref>、大きさもほぼ同等だったため、惑星の定義に関する議論の発端となった。現在、準惑星に分類されている最大の天体でもある。[[ディスノミア (衛星)|ディスノミア]]と呼ばれる衛星を持つ。冥王星と同様に、黄道面からいた楕円軌道で太陽を公転しており、近日点は太陽から37.8auで、遠日点では97.5auまで遠ざかる<ref>{{cite web|type=September 18, 2014 last obs|title=JPL Small-Body Database Browser: 136199 Eris (2003 UB313)|url=http://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=Eris|work=Jet Propulsion Laboratory|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
* [[ヘリウム]] 23.7%
* その他 1.9%


== 太陽系の果て ==
これは、太陽大気の元素組成とほぼ一致している。このことは太陽系の質量のほとんどが太陽であることから当然の結果である。
[[ファイル:Solarmap.png|250px|サムネイル|右|太陽から、最も近い恒星までを[[対数]]スケールで表した図(単位はau)]]
太陽系と[[星間空間]]の境界は、太陽風の及ぶ範囲とするものと、太陽の重力による影響が及ぶ範囲とするものの2つがあり、正確には定義されていない。太陽風は冥王星までの距離の約4倍離れた位置まで広がっており、太陽圏(ヘリオスフィア)を成しており、その外縁にあたる[[ヘリオポーズ]]を超えると、星間空間になるとされている{{R|Voyager}}。太陽の重力圏の有効範囲([[ヒル球]])は、理論上では後述のオールトの雲を超えて、太陽-冥王星間の約1,000倍まで広がっているとされている<ref>{{cite book|last=Littmann|first=Mark|title=Planets Beyond: Discovering the Outer Solar System|date=2004|pages=162–163|publisher=Courier Dover Publications|isbn=978-0-486-43602-9}}</ref>。


== 太陽系の起源と進化 ==
=== 太陽 ===
{{Main|太陽圏|ヘリオポーズ}}
[[ファイル:Solarnebula.jpg|thumb|原始太陽系の想像図]]
[[ファイル:NewHeliopause 558121.jpg|250px|サムネイル|左|星間空間内を移動する太陽圏の模式図]]
{{Main|太陽系の形成と進化}}
'''太陽圏'''({{Lang-en|Heliosphere}})は、[[恒星風バブル]]の一つで、約400km/sで星間空間に向かって放射される太陽風が形成している。
太陽系の主要な天体(惑星、準惑星など、重力が太陽との主要な相互作用となる天体)は、太陽の誕生とほぼ時を同じくして形成された。太陽はありふれた恒星であるので、[[観測]]と[[理論]]により解き明かされてきた恒星の誕生過程を、太陽系の起源に当てはめることができる。


太陽風と[[星間物質]]の衝突は''termination shock''{{訳語疑問点|date=2018-06}}と呼ばれる衝撃で引き起こされ、太陽から約80~100au離れると、太陽風の移動速度が減速を始め([[末端衝撃波面]])、約200au離れると、星間物質の強さが太陽風を上回るようになり、やがて星間空間となる{{R|Fahr2000}}。この領域にまで達すると、太陽風は急速に減速、凝縮するようになり{{R|Fahr2000}}、[[ヘリオシース]]と呼ばれる楕円状の構造を形成している。この構造は彗星の尾のように伸びているとされている。<!-- extending outward for a further 40&nbsp;AU on the upwind side but tailing many times that distance downwind; -->しかし、土星探査機[[カッシーニ (探査機)|カッシーニ]]や[[IBEX (人工衛星)|IBEX]]による観測結果から、星間磁場の作用によって、太陽圏が楕円形ではなく、球形になっている可能性が示唆されている<ref>{{cite web|title=Cassini's Big Sky: The View from the Center of Our Solar System|work=NASA|url=http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=2370&msource=F20091119&tr=y&auid=5615216|date=2009|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9092_heliosphere|title=太陽圏の形は伸びた彗星状ではなく球状かもしれない|work=AstroArts|date=2017-05-01|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
天の川銀河には、[[水素]]を主成分とし、岩石質や有機質の微小な塵(ダスト)([[宇宙塵|星間塵]])を含む[[星間ガス]]がある。このような星間ガスが{{e|3}}個/cm<sup>3</sup>(以下、単位は同じ)を超える[[数密度]]となる場合を[[星間雲]]といい、内部で[[水素分子]]が形成されるようになる。通常、星間雲はごくゆっくりと回転している。星間雲は均質ではなく、密度の偏りがある。この偏りが大きくなって数密度が{{e|10}}個程度を超える部分ができることがあり、そうなると一酸化炭素、シアン化水素、アンモニアなどさまざまな分子が形成される。これを[[分子雲]]と呼ぶ。


太陽圏の外縁、星間空間との境界に当たる領域は'''[[ヘリオポーズ]]'''({{Lang-en|Heliopause}})と呼ばれる{{R|Voyager}}。[[ボイジャー1号]]と[[ボイジャー2号]]はそれぞれ、太陽から94auと84au離れた位置でヘリオシースを突破しており<ref>{{cite journal|doi=10.1126/science.1117684|year=2005|author1=Stone, E. C.|author2=Cummings, A. C.|author3=McDonald, F. B.|author4=Heikkila, B. C.|author5=Lal, N.|author6=Webber, W. R.|title=Voyager 1 explores the termination shock region and the heliosheath beyond|volume=309|issue=5743|pages=2017–2020|pmid=16179468|journal=Science|bibcode=2005Sci...309.2017S}}</ref><ref>{{cite journal|doi=10.1038/nature07022|year=2008|author1=Stone, E. C.|author2=Cummings, A. C.|author3=McDonald, F. B.|author4=Heikkila, B. C.|author5=Lal, N.|author6=Webber, W. R.|title=An asymmetric solar wind termination shock|volume=454|issue=7200|pages=71–74|pmid=18596802|journal=Nature|bibcode=2008Natur.454...71S}}</ref>、2012年8月には、ボイジャー1号がヘリオポーズを通過し、人工物としては初めて、太陽圏外にまで到達した<ref>{{cite web|last1=Cook|first1=Jia-Rui C.|last2=Agle|first2=D. C.|last3=Brown|first3=Dwayne|title=NASA Spacecraft Embarks on Historic Journey into Interstellar Space|url=http://www.nasa.gov/mission_pages/voyager/voyager20130912.html|work=NASA|date=2013-09-12|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.cnn.co.jp/fringe/35037181.html|title=ボイジャー1号が太陽系圏を脱出 人工物で初|work=CNN.co.jp|date=2013-09-13|accessdate=2018-06-17}}</ref>。
分子雲に特に密度の高い領域ができると、それ自身の[[重力]](自己重力)によってより濃密な分子雲となる。これを[[分子雲コア]]という。典型的な分子雲コアの質量は太陽質量の数倍である。星間雲は密度が低く、[[放射]]によって[[熱エネルギー]]を失うため、10 - 20[[ケルビン|K]]程度の極低温であるが、分子雲コアは密度上昇のため放射による熱エネルギーの散逸が抑えられ、温度がやや上昇して数10K程度となる。


太陽圏の形状は、星間空間との[[流体力学]]的相互作用と[[太陽#太陽磁場と周期|太陽の磁場]]の影響で決まる可能性が高く、例えば、黄道面に対して北半球側は、南半球側よりも約9au遠方まで広がっている{{R|Fahr2000}}。ヘリオポーズを超えて、太陽から約230au離れた領域は、銀河系の中を太陽系が進む事で、星間空間と太陽圏の間に[[バウショック]](衝撃波面)と呼ばれる構造が形成されている<ref>{{cite web|url=https://apod.nasa.gov/apod/ap020624.html|title=The Sun's Heliosphere & Heliopause|work=[[Astronomy Picture of the Day]]|publisher=NASA|date=2002-06-24|accessdate=2018-06-17}}</ref>。しかし2012年には、太陽系が星間空間内を進む速度が想定よりも遅い事が判明し、太陽系にバウショックは存在しない可能性が示されている<ref>{{cite journal|author=D. J. McComas|year=2012|title=The Heliosphere’s Interstellar Interaction: No Bow Shock|journal=Science|volume=336|issue=6086|pages=1291-1293|doi=10.1126/science.1221054}}</ref>。
何らかの[[ゆらぎ]]により分子雲コアが収縮し始めると、ダストを含むガスが中心部に向かって落下する。分子雲コアの中心近くの物質は中心に集まって[[原始星]]となる。一方、分子雲コアは星間雲と同様に回転しているので、外側の物質は落下するにしたがって回転が速くなり、それ以上は速やかに落下できない限界に達する。ただし、回転軸方向には自由に落下できるので、結果として円盤状の高密度ガス雲ができる。原始星を取り巻くように形成されるこのようなガス雲を[[原始惑星系円盤]]という。太陽系の場合、特にこれを[[原始太陽系星雲]](あるいは原始太陽系円盤)と呼ぶ。また、原始星を特に[[原始太陽]]という。なお、原始太陽系星雲という呼び方は、惑星形成が起こる領域を指す場合が多い。ここでもこの用法に従う。


[[ファイル:Oort cloud Sedna orbit.svg|サムネイル|右|太陽系の構造を縮小した図{{bulleted list|内太陽系と木星|外太陽系と冥王星|セドナ(分離天体)|オールトの雲内部}}]]
原始太陽は、まだ[[熱核融合]]を始めていない。物質の落下に伴って[[重力エネルギー]]が解放され、これに由来する熱エネルギーを放射エネルギーとして放出して輝く。原始太陽には、原始太陽系円盤を通して物質が落ち込み続けるが、分子雲コアが一気に崩壊した時の勢いはなく、徐々に成長する。この頃の円盤内では[[対流]]が生じており、物質はかき回されている。温度は高いところで1,000Kを優に超える。ダストの一部または全部がいったん揮発すると考えられる。


観測データが乏しいため、太陽圏の宇宙放射線の遮断率、太陽圏の外縁部の詳しい状態など、よく分かっていない点も多い。NASAの探査機ボイジャーは、ヘリオポーズを通過する際、放射線量と太陽風に関する貴重なデータを地球に送信する事が期待されている<ref>{{cite web|year=2007|title=Voyager: Interstellar Mission|work=[[ジェット推進研究所|NASA Jet Propulsion Laboratory]]|url=http://voyager.jpl.nasa.gov/mission/interstellar.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>。現在、NASAが資金を提供している開発グループは、太陽圏外縁部に、プローブを送り込む''Vision Mission''計画を構想している<ref>{{cite conference|title=Innovative Interstellar Explorer |author=R. L. McNutt, Jr.|booktitle=Physics of the Inner Heliosheath: Voyager Observations, Theory, and Future Prospects|series=[[AIP Conference Proceedings]]|volume=858|pages=341–347|year=2006|bibcode=2006AIPC..858..341M|doi=10.1063/1.2359348}}</ref><ref>{{cite web|title=Interstellar space, and step on it!|work=New Scientist|url=https://www.newscientist.com/article/mg19325850.900-interstellar-space-and-step-on-it.html|date=2007-01-05|accessdate=2018-06-17|author=Anderson, Mark}}</ref>。
やがて原始太陽の成長が一段落し原始太陽系円盤が落ち着くと、温度も下がりダストが形成され、さらにガスとダストの分離が始まる。ダストは原始太陽の重力により円盤の[[赤道面]]に向かって沈降を始めるのに対して、ガスはそれ自身の[[圧力]]によって支えられているために厚みを保つためである。以下では、原始太陽系星雲という用語を用いる。


=== 分離天体 ===
こうして、原始太陽系星雲は二層に分離すると考えられる。ガス円盤とその中にある厚みの薄いダスト円盤である。ダスト円盤はやがて自己重力によって不安定になり、一気に分裂する。分裂塊はひとまとまりになって質量{{e|15}} - {{e|18}}kg程度の[[微惑星]]となる。このような出来事が起きた時間は、[[地球]]軌道付近では1年程度と見積られている。微惑星の質量は、現在の典型的な[[小惑星]]や[[彗星]]の典型的な質量と調和的である。
{{Main|分離天体}}
[[セドナ (小惑星)|セドナ]]({{Lang-en|Sedna}})と呼ばれる小惑星は、近日点でも太陽から76auも離れており、遠日点では937auにまで遠ざかる。そのあまりにも大きな軌道のため、公転するのに約11,400年もの時間を要する<ref>{{cite web|author=Horizons output|url=http://ssd.jpl.nasa.gov/horizons.cgi?find_body=1&body_group=sb&sstr=Sedna|archiveurl=https://web.archive.org/web/20121119041320/http://home.surewest.net/kheider/astro/sedna-bc.txt|title=Barycentric Osculating Orbital Elements for 90377 Sedna (2003 VB12)|archivedate=2012-11-19|accessdate=2018-06-17}}</ref>。2003年にこの天体を発見した[[マイク・ブラウン]]は、近日点が太陽から遠すぎるため、海王星の移動による影響を受けておらず、太陽系外縁天体や散乱円盤天体にも属さない天体だと主張している。他の天文学者も、セドナは初めて発見された、全く新しい分類に属する天体だとしており、こうした天体を'''[[分離天体]]'''({{Lang-en|Detached object}}、DDO)と呼んでいる。この分類には、セドナの他に、近日点距離45au、遠日点距離415au、公転周期3,420年の{{仮リンク|label=2000 CR<sub>105</sub>|(148209) 2000 CR105|en|(148209) 2000 CR105}}も含まれる可能性があるとされた<ref>{{cite web|author=David Jewitt|title=Sedna – 2003 VB<sub>12</sub>|work=University of Hawaii|url=http://www2.ess.ucla.edu/~jewitt/kb/sedna.html|year=2004|accessdate=2018-06-17}}</ref>。太陽から遠く離れているが、他の天体と同様の過程で形成されたとしているため、ブラウンは、こうした天体の集団を[[オールトの雲|内オールトの雲]]と呼称している<ref>{{cite web|title=Sedna|author=Mike Brown|year=2004|url=http://www.gps.caltech.edu/~mbrown/sedna/|work=Caltech|accessdate=2018-06-17}}</ref>。セドナは準惑星の候補に挙げられているが、まだその詳しい形状は明らかになっていない。2012年には、セドナよりも遠い、約80auの近日点距離を持つ小惑星[[2012 VP113|2012 VP<sub>113</sub>]]が発見された。一方で、遠日点距離は400~500auと、セドナの約半分しかない<ref>{{cite web|type=2013-10-30 last obs|title=JPL Small-Body Database Browser: (2012 VP113)|url=http://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=2012VP113|publisher=Jet Propulsion Laboratory|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite web|url=http://phys.org/news/2014-03-edge-solar.html|title=A new object at the edge of our Solar System discovered|work=Physorg.com|date=2014-03-26|accessdate=2018-06-17}}</ref>。


=== オールトの雲 ===
微惑星はガス円盤中で原始太陽の周りを公転する。軌道は必ずしも円ではないので互いに衝突することがあるが、ガスの存在により[[相対速度]]が低く抑えられ、破壊されるより合体する傾向の方が強い。これを衝突合体というが、実質的には付着と言う方が近いであろう。このような衝突合体によって微惑星が成長することを集積という。数値[[シミュレーション]]によると、微惑星は全部が同等に成長するのではなく、少しでも他より大きくなったものが優位に立って、近い軌道の微惑星を取り込んでどんどん大きくなる。やがて、取り込むことができる周囲の微惑星がなくなると成長が止まる。このようにして、現在の[[小惑星帯]]よりも原始太陽に近い領域では、[[火星]]程度の質量の[[原始惑星]]が多数形成される。このような原始惑星は岩石質である。もっと遠い領域では、[[凝固点]]の高い物質が氷として存在し、岩石質のダストよりも総量で上回るので、微惑星も氷質となる。このような微惑星が集積してできる天体も、氷成分が卓越したものになる。小惑星帯よりも遠い領域では固体物質が多いために、集積した天体も大きく成長した。これを原始惑星コアと呼ぶ。
{{Main|オールトの雲}}
[[ファイル:Kuiper oort-en.svg|サムネイル|右|オールトの雲の模式図]]
'''オールトの雲'''({{Lang-en|Oort Cloud}})は、太陽から約50,000au(約1光年)離れた領域で球状に太陽系を取り囲んでいる、約1兆個以上の小天体から成る仮想上の構造で、全ての長周期彗星の起源とされている。最大で約100,000au(約1.87光年)遠方にまで及んでいる可能性も示されている。オールトの雲を構成している小天体は、外惑星系との重力相互作用によって、太陽系内部から、この軌道にまで追いやられた彗星から出来ているされている。オールトの雲の小天体は、非常に低速で移動しており、衝突や近傍の恒星による重力効果、[[銀河潮汐]]、銀河系からの[[潮汐力]]などの稀な事象で錯乱される可能性がある<ref>{{cite web|year=2001|vauthors=Stern SA, Weissman PR |title=Rapid collisional evolution of comets during the formation of the Oort cloud.|work=Space Studies Department, Southwest Research Institute, Boulder, Colorado|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=11214311&dopt=Citation|accessdate=2018-06-17}}</ref><ref>{{cite web|year=2006|author=Bill Arnett|title=The Kuiper Belt and the Oort Cloud|work=nineplanets.org|url=http://www.nineplanets.org/kboc.html|accessdate=2018-06-17}}</ref>。


=== 太陽系の境界 ===
原始惑星や原始惑星コアの特徴は、周囲の星雲ガスをまとって[[大気]]ができることにある。
太陽系にはまだよく知られていない、未知な点も多い。太陽の重力は約125,000au(約2光年)遠方にまで及んでいると推定されているが、それに対して、オールトの雲以遠にある天体は発見されていない<ref>{{cite book|title=The Solar System: Third edition|author1=T. Encrenaz|author2=JP. Bibring|author3=M. Blanc|author4=MA. Barucci|author5=F. Roques|author6=PH. Zarka|publisher=Springer|year=2004|page=1}}</ref>。また、カイパーベルトとオールトの雲の間を公転する、セドナのような天体も事実上、ほとんど知られていない。一方で、太陽と水星の間を公転する天体の有無について研究が進められている<ref>{{cite journal|pages=312–315|volume=148|journal=Icarus|author1=Durda D. D.|author2=Stern S. A.|author3=Colwell W. B.|author4=Parker J. W.|author5=Levison H. F.|author6=Hassler D. M.|title=A New Observational Search for Vulcanoids in SOHO/LASCO Coronagraph Images|year=2004|doi=10.1006/icar.2000.6520|bibcode=2000Icar..148..312D}}</ref>。このような、太陽系内における観測が進んでいない領域では、未知の天体が存在している可能性が残されている。
原始惑星コアは周囲の微惑星をなお取り込み、次第に成長する。時には原始惑星コア同士の衝突があったかもしれない。こうして[[地球質量]]の10倍程度まで成長すると、原始惑星コアの様相が一変する。原始惑星コアは、成長するにつれてまとう大気の量が増えていく。それがこの頃になると、大気をそれ自身の圧力で支えきれなくなり、大気そのものが惑星の材料として付け加わっていくようになるのである。巨大惑星のもとになる原始惑星の成長開始である。周囲には星雲ガスが大量にあるため、これが次々に付け加わり、周囲のガスがすべて落ち込むまでこの過程が続く。こうして、成長した原始惑星が[[木星]]や[[土星]]になったと考えられている。木星と土星の質量が異なるのは、土星形成の後期に、何らかの理由で星雲ガスが消失し、材料となるガスそのものがなくなったためであり、[[天王星]]、[[海王星]]が小質量にとどまったのも、この2つの惑星は星雲終末期にガスの取り込みが始まったため、あまり成長できずに終わったためであると考えられている。


現在、知られている中で、最も太陽から遠ざかる天体は[[ウェスト彗星]]で、遠日点距離は約70,000auにもなり<ref>{{cite web|author=Horizons output|url=http://ssd.jpl.nasa.gov/horizons.cgi?find_body=1&body_group=sb&sstr=C/1975+V1|title=Barycentric Osculating Orbital Elements for Comet C/1975 V1-A (West)|accessdate=2018-06-17}}</ref>、オールトの雲に対する理解を深める手がかりになるかもしれない。
星雲ガスの消失については、その機構は不明である。原始太陽で熱核融合が始まり、強い[[紫外線]]でガス分子が分解され[[恒星風]]で飛ばされたため、あるいは星雲ガスが中心の星(原始太陽)に落ち込んだためなどと言われている。どのような機構であれ、現在の太陽系の姿になるには、星雲ガスが消失する必要がある。


== 銀河系における太陽系 ==
地球のような[[地球型惑星|固体惑星]]がいつ形成されたかについては、星雲ガスがある時か、消失後か、議論の余地がある。ここでは、星雲ガス消失後に形成されたというシナリオを紹介する。星雲ガスがなくなると、[[ガス抵抗]]がなくなるため、原始惑星の軌道が乱れるとその乱れを抑えるものがなくなる。すると、原始惑星は互いの重力相互作用により接近し、軌道が乱されるようになる。微惑星同士の衝突があったように、原始惑星同士も衝突するようになる。星雲ガスがないので衝突は激しいものになり、破壊も合体もいずれも起こるようになる。巨大衝突である。このような衝突の繰り返しで、[[金星]]、地球が形成されたと考えられる。[[水星]]と火星は原始惑星の生き残りか、成長がわずかであったものであろう。地球の[[月]]は、地球形成末期に起きた巨大衝突の産物であるとする説([[ジャイアント・インパクト説]])が有力である。
{{imageframe
| width = 220
| caption = 銀河系における太陽系の位置(黄矢印)
| content =
{{Superimpose
| base = Milky Way Arms ssc2008-10.svg
| base_width = 220px
| base_alt = Position of the Solar System within the Milky Way
| base_caption = Position of the Solar System within the Milky Way
| float = Yellow Arrow Down.png
| float_width = 16px
| x = 102
| y = 32
}}
}}
太陽系は、約1,000億個の恒星を含む、直径10万光年の[[銀河系]](天の川銀河)に位置している<ref>{{cite press|last=English|first=J.|title=Exposing the Stuff Between the Stars|url=http://www.ras.ucalgary.ca/CGPS/press/aas00/pr/pr_14012000/pr_14012000map1.html|publisher=Hubble News Desk|year=2000|accessdate=2018-06-17}}</ref>。その中でも、太陽系は、銀河系のスパイラル・アーム(渦状腕)の一つである[[オリオン腕]]に属している<ref>{{cite journal|title=Three Dimensional Structure of the Milky Way Disk|author1=R. Drimmel|author2=D. N. Spergel|year=2001|pages=181–202|volume=556|doi=10.1086/321556|journal=The Astrophysical Journal|arxiv=astro-ph/0101259|bibcode=2001ApJ...556..181D}}</ref>。中心からは25,000~28,000光年離れており{{R|Eisenhauer03}}、約2億2500万~2億5000万年(1[[銀河年]])かけて銀河系を公転しているとされている{{R|hypertextbook}}。星間空間を進む太陽系が進んでいる方向([[太陽向点]])は現在、[[ヘルクレス座]]の方向で、1等星の中では、[[こと座]]の[[ベガ]]がそれに最も近い<ref>{{cite web|year=2003|author=C. Barbieri |title=Elementi di Astronomia e Astrofisica per il Corso di Ingegneria Aerospaziale V settimana|work=IdealStars.com|url=http://dipastro.pd.astro.it/planets/barbieri/Lezioni-AstroAstrofIng04_05-Prima-Settimana.ppt|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20050514103931/http://dipastro.pd.astro.it/planets/barbieri/Lezioni-AstroAstrofIng04_05-Prima-Settimana.ppt|archivedate=14 May 2005}}</ref>。太陽系の黄道面は、銀河系の[[銀河面]]に対して約60[[度 (角度)|度]]傾いている{{Refnest|group="注"|name=d|1=If <math>\psi</math> is the angle between the [[黄極|north pole of the ecliptic]] and the north [[銀河座標|galactic pole]] then:
<br/>{{big|1=<math>\cos\psi=\cos(\beta_g)\cos(\beta_e)\cos(\alpha_g-\alpha_e)+\sin(\beta_g)\sin(\beta_e)</math>}}<br/>
where <math>\beta_g</math> = 27° 07′ 42.01″ and <math>\alpha_g</math> = 12h 51m 26.282 are the declination and right ascension of the north galactic pole,<ref>{{cite journal|last=Reid|first=M.J.|author2=Brunthaler, A. |title=The Proper Motion of Sagittarius A*|journal=The Astrophysical Journal|volume=616|issue=2|page=883|doi=10.1086/424960|year=2004|bibcode=2004ApJ...616..872R|arxiv=astro-ph/0408107}}</ref> whereas <math>\beta_e</math> = 66° 33′ 38.6″ and <math>\alpha_e</math> = 18h 0m 00 are those for the north pole of the ecliptic. (Both pairs of coordinates are for [[J2000.0|J2000]] epoch.) The result of the calculation is 60.19°.}}。


銀河系における太陽系の位置は、地球上の[[地球史年表|生物の進化の歴史]]に大きな影響を与えたとされている。太陽は、ほぼ円形で銀河系で公転しており、また太陽系周辺は、周辺のスパイラル・アームと近い速度で移動しているため、太陽系は滅多にスパイラル・アームを通過しない{{R|astrobiology}}<ref>{{cite journal|author=O. Gerhard|title=Pattern speeds in the Milky Way|year=2011|journal=Mem. S.A.It. Suppl.|volume=18|page=185|arxiv=1003.2489|bibcode=2011MSAIS..18..185G}}</ref>。スパイラル・アーム内は、高頻度の[[超新星爆発]]、不安定な重力、太陽系に大きな影響を与える宇宙放射線などがあるため、この中に位置していない地球は、長い期間に渡って生物が安定して存在する事が出来た{{R|astrobiology}}。また、太陽系は、恒星が密集している中心部の[[銀河バルジ|バルジ]]からも離れている。バルジ付近では、近くの恒星からの重力の影響を受けて、オールトの雲が安定せず、太陽系内部に散乱され、地球上の生物に[[天体衝突]]による潜在的な危険性が伴う。また、飛び交う放射線が、生物の進化を妨げる可能性もある{{R|astrobiology}}。<!-- Even at the Solar System's current location, some scientists have speculated that recent supernovae may have adversely affected life in the last 35,000 years, by flinging pieces of expelled stellar core towards the Sun, as radioactive dust grains and larger, comet-like bodies.<ref>{{cite web|year=2005|title=Supernova Explosion May Have Caused Mammoth Extinction|work=Physorg.com|url=http://www.physorg.com/news6734.html|accessdate=2 February 2007}}</ref>-->
小惑星帯では、木星の重力に天体が振り回され、衝突の相対速度が上がり、原始惑星があっても破壊されてしまったと考えられる。実際に、小惑星帯からやってくると考えられる[[隕石]]の中には、ある程度の大きさの天体にならなければ起こらない物質の分離が見られるものがある。また、小さな小惑星の中には衝突によって破砕された天体の破片がゆるやかに再集積したものがあることもわかっている。


=== 近隣の恒星 ===
海王星以遠では、衝突合体によって微惑星が成長している途中で星雲ガスが失われ、相対速度を緩和するガスがなくなったため衝突速度が上がった。その結果、衝突合体が起こらず、惑星にまで成長するものがなかったと考えられている。これが[[太陽系外縁天体]]の起源である。
{{See also|近い恒星の一覧}}
[[ファイル:Local Interstellar Clouds with motion arrows.jpg|サムネイル|右|太陽圏を超えた先には、様々な気体から成る星間雲がある。現在、太陽系は[[局所恒星間雲]]の中を移動している。]]
太陽系は現在、[[局所恒星間雲]](局所けば、{{Lang-en|Local Interstellar Clouds}})と呼ばれる領域にある。しかし、局所恒星間雲は{{仮リンク|Gクラウド|en|G-Cloud}}と呼ばれる星間雲と隣接しているが、太陽系が局所恒星間雲に属しているか、あるいは局所恒星間雲とGクラウドが相互作用する領域に位置しているかは分かっていない<ref>[http://interstellar.jpl.nasa.gov/interstellar/probe/introduction/neighborhood.html Our Local Galactic Neighborhood], NASA, 5 June 2013</ref><ref>[http://www.centauri-dreams.org/?p=14203 Into the Interstellar Void], Centauri Dreams, 5 June 2013</ref>。局所恒星間雲は、[[局所泡]]({{Lang-en|Local Bubble}})と呼ばれる、星間物質がまばらな直径約300光年の空間にある、星間物質が濃い領域である。局所泡は、高温の[[プラズマ]]で満たされており、これは局所泡が超新星爆発によって形成された可能性を示している<ref>{{cite web|title=Near-Earth Supernovas|work=NASA|url=https://science.nasa.gov/headlines/y2003/06jan_bubble.htm|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20060813160705/https://science.nasa.gov/headlines/y2003/06jan_bubble.htm|archivedate=13 August 2006}}</ref>。


太陽系から10光年以内の領域には、いくつかの恒星が存在している。最も近い恒星は、約4.4光年離れた三重[[連星]]系の[[ケンタウルス座アルファ星|ケンタウルス座&alpha;星]]である。ケンタウルス座&alpha;星A、Bは太陽に比較的似た恒星で、それから0.2光年離れた軌道を[[プロキシマ・ケンタウリ]](ケンタウルス座&alpha;星C)が公転している。2016年には、このプロキシマ・ケンタウリを公転する惑星、[[プロキシマ・ケンタウリb]]の存在が確認され、地球に似た環境を持つ可能性がある惑星として期待されている<ref>{{cite journal|last1=Anglada-Escudé|first1=Guillem|last2=Amado|first2=Pedro J.|last3=Barnes|first3=John|last4=Berdiñas|first4=Zaira M.|last5=Butler|first5=R. Paul|last6=Coleman|first6=Gavin A. L.|last7=de la Cueva|first7=Ignacio|last8=Dreizler|first8=Stefan|last9=Endl|first9=Michael|last10=Giesers|first10=Benjamin|last11=Jeffers|first11=Sandra V.|last12=Jenkins|first12=James S.|last13=Jones|first13=Hugh R. A.|last14=Kiraga|first14=Marcin|last15=Kürster|first15=Martin|last16=López-González|first16=Marίa J.|last17=Marvin|first17=Christopher J.|last18=Morales|first18=Nicolás|last19=Morin|first19=Julien|last20=Nelson|first20=Richard P.|last21=Ortiz|first21=José L.|last22=Ofir|first22=Aviv|last23=Paardekooper|first23=Sijme-Jan|last24=Reiners|first24=Ansgar|last25=Rodríguez|first25=Eloy|last26=Rodrίguez-López|first26=Cristina|last27=Sarmiento|first27=Luis F.|last28=Strachan|first28=John P.|last29=Tsapras|first29=Yiannis|last30=Tuomi|first30=Mikko|last31=Zechmeister|first31=Mathias|title=A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri|journal=Nature|date=25 August 2016|volume=536|issue=7617|pages=437–440|doi=10.1038/nature19106|url=http://www.nature.com/nature/journal/v536/n7617/full/nature19106.html|language=en|issn=0028-0836|pmid=27558064|arxiv=1609.03449|bibcode=2016Natur.536..437A}}</ref><ref>{{cite news|last1=Witze|first1=Alexandra|title=Earth-sized planet around nearby star is astronomy dream come true|url=http://www.nature.com/news/earth-sized-planet-around-nearby-star-is-astronomy-dream-come-true-1.20445|accessdate=2018-06-17|work=Nature|date=2016-08-24|pages=381–382|doi=10.1038/nature.2016.20445}}</ref>。次に太陽系に近い恒星として、[[赤色矮星]]の[[バーナード星]](5.9光年)、[[ウォルフ359]](7.8光年)、[[ラランド21185]](8.3光年)がこれに続く。
== 系外惑星 ==
太陽がありふれた星であることから、他の恒星の周囲にも惑星があることが期待されていた。1990年代中盤以降、間接的手法により200を超える太陽系外の惑星([[太陽系外惑星|系外惑星]])が発見されている。手法特有の観測限界によるところも大きいが、かつて考えられていた太陽系と同じような惑星系はなかなか発見できず、木星級ないしそれ以上の質量の惑星が、太陽系では考えられないくらい恒星の近くを回っている例([[ホット・ジュピター]])や長楕円軌道を巡る例([[エキセントリック・プラネット]])が多数発見されている。


近隣にある恒星で最も大きいのは[[シリウス]]で、約8.6光年離れている。約2倍の質量を持つ[[A型主系列星]]で、白色矮星の伴星シリウスBが周囲を公転している。10光年以内にある、既知で最も近い[[褐色矮星]]は、2つの褐色矮星の連星系である[[WISE J104915.57-531906.1]](ルーマン16)で、約6.6光年離れている<ref>{{cite web|url=http://science.psu.edu/news-and-events/2013-news/Luhman3-2013|title=The Closest Star System Found in a Century|work=PennState Eberly College of Science|date=2013-03-11|accessdate=2018-06-17}}</ref>。10光年以内にある恒星としては、他に[[ルイテン726-8]](8.7光年)と[[ロス154]](9.7光年)がある<ref>{{cite web|title=Stars within 10 light years|url=http://www.solstation.com/stars/s10ly.htm|work=SolStation|accessdate=2018-06-17}}</ref>。約10.5光年離れている[[エリダヌス座イプシロン星|エリダヌス座&epsilon;星]]は、大きな[[塵円盤]]を持つ事が確認されている<ref>{{cite journal|last1=Greaves|first1=J. S.|last2=Holland|first2=W. S.|last3=Moriarty-Schieven|first3=G.|last4=Jenness|first4=T.|last5=Dent|first5=W. R. F.|last6=Zuckerman|first6=B.|last7=McCarthy|first7=C.|last8=Webb|first8=R. A.|last9=Butner|first9=H. M.|last10=Gear|first10=W. K.|last11=Walker|first11=H. J.|title=A dust ring around Epsilon Eridani: analog to the young Solar System|journal=The Astrophysical Journal|year=1998|volume=506| issue=2|pages=L133–L137|bibcode=1998ApJ...506L.133G|doi=10.1086/311652|arxiv=astro-ph/9808224}}</ref>。太陽系に最も近い、太陽に類似した恒星は、約11.9光年離れた位置にある[[くじら座タウ星|くじら座&tau;星]]である。太陽の約80%の質量と、約60%の明るさを持ち<ref>{{cite web|title=Tau Ceti|url=http://www.solstation.com/stars/tau-ceti.htm|work=SolStation|accessdate=2018-06-17}}</ref>、4つの惑星が周囲を公転している<ref>{{cite arxiv|author=Fabo Feng|author2=Mikko Tuomi|auhtor3=Hugh R.A. Jones|author4=John Barnes|author5=Guillem Anglada-Escude|author6=Steven S. Vogt|author7=R. Paul Butler|title=Color difference makes a difference: four planet candidates around tau Ceti|eprint=1708.02051|version=v1|class=astro-ph.EP|date=2017-08-07|bibcode=2017arXiv170802051F}}</ref>。既知で最も太陽系に近い[[自由浮遊惑星]]は、約7.3光年離れている[[WISE J085510.83-071442.5]]で、質量は木星の10倍未満とされている<ref>[http://iopscience.iop.org/2041-8205/786/2/L18/article Discovery of a ~250 K Brown Dwarf at 2 pc from the Sun], K. L. Luhman 2014 ApJ 786 L18. {{DOI|10.1088/2041-8205/786/2/L18}}</ref>。
これらの惑星はもともと木星や土星と同じような領域で形成されたが、木星クラスの巨大惑星が複数あったため互いの潮汐力のため短期間で軌道が不安定になり、あるものは弾き飛ばされ、残ったものも長楕円軌道や主星に極端に近い軌道を巡るようになったと考えられている。また、観測技術上の問題として、質量が大きく公転周期が短い惑星ほど主星の観測結果に与える影響が大きいので発見しやすいという現実がある。しかしながら、観測技術の向上に伴い地球の数十倍程度の質量の系外惑星も多く発見されており、また質量の小さい系外惑星ほど発見数が飛躍的に増加するという傾向もあり、今後の更なる発見が期待されている。


{{wide image|Earth's Location in the Universe (JPEG).jpg|2000px|[[観測可能な宇宙]]における地球の位置を示した図}}

=== 太陽系外惑星系との比較 ===
{{Main|惑星系|太陽系外惑星}}
[[ファイル:Kepler-30 system.jpg|左|サムネイル|惑星の軌道面がほぼ揃っている[[ケプラー30]]系の想像図。こうした軌道面が揃った惑星系は、太陽系外では珍しいとされている。]]
[[ファイル:Exoplanet Period-Mass Scatter History.gif|サムネイル|太陽系外惑星の質量(縦軸)と公転周期・軌道長半径(横軸)を表したグラフ。図下部の水星(☿)よりも恒星に近い惑星が多い事が分かる。]]

太陽系が他の[[惑星系]]と異なる点として、水星よりも内側で、太陽に非常に近い軌道を公転している惑星が存在していない点が挙げられる{{R|Martin15}}<ref>[http://aasnova.org/2015/09/25/how-normal-is-our-solar-system/ How Normal is Our Solar System?], By Susanna Kohler on 25 September 2015</ref>。一方で[[太陽系外惑星]]では、[[ホット・ジュピター]]などの、恒星に非常に近い軌道を公転する惑星が多く知られている。また、地球と海王星の中間の規模を持った、[[スーパーアース]]と呼ばれる天体も太陽系内では知られておらず、小型の岩石惑星と、大型の巨大ガス惑星しか存在していない(しかし、未確認のプラネット・ナインがこれに該当する可能性がある){{R|Martin15}}。太陽系外惑星系では、こうしたスーパーアースが存在しているのが典型的で、また、水星よりも恒星の近くを公転している場合が多い{{R|Martin15}}。多くの惑星系では形成初期、惑星同士は軌道が近かったため、衝突を繰り返して、質量が大きないくつかの惑星が形成されたが、太陽系では、この衝突によって惑星が破壊されたり、系外に放出されたりしたため、このような違いが生じた可能性が示されている<ref>{{cite arxiv|author=Kathryn Volk|author2=Brett Gladman|eprint=1502.06558|title=Consolidating and Crushing Exoplanets: Did it happen here?|date=2015-05-27|version=v2|class=astro-ph.EP|doi=10.1088/2041-8205/806/2/L26|bibcode=2015ApJ...806L..26V}}</ref><ref>[http://www.astrobio.net/news-exclusive/mercury-sole-survivor-of-close-orbiting-planets Mercury Sole Survivor of Close Orbiting Planets], By Nola Taylor Redd - 8 June 2015</ref>。

また、太陽系は全ての惑星の[[離心率|軌道離心率]]が低く、ほぼ円形の軌道を公転している{{R|Martin15}}。一方で太陽系外で、こうした軌道を描く惑星系は珍しく、極端な楕円軌道を描く[[エキセントリック・プラネット]]と呼ばれる惑星も数多く知られている。

しかし、近年の観測技術の向上に伴い、スーパーアースよりも小さな地球サイズの惑星、[[グリーゼ676]]A系や[[ケプラー90]]系などの、構造が太陽系に似た惑星系も発見されるようになり、太陽系は数ある惑星系のパターンの一つに過ぎないと考えられるようになっている<ref>{{cite journal|last=Anglada-Escudé|first=Guillem|coauthors=Tuomi,Mikko|year=2012|title=A planetary system with gas giants and super-Earths around the nearby M dwarf GJ 676A. Optimizing data analysis techniques for the detection of multi-planetary systems|arxiv=1206.7118|bibcode=2012arXiv1206.7118A}}</ref>。

<!--
== 太陽系における主な最大値・最小値 ==
== 太陽系における主な最大値・最小値 ==
<!-- 当セクションの名前を変更するときは、当セクションへ転送されている[[太陽系一の一覧]]のリンクも同時に修正してください。 -->
=== 直径 ===
=== 直径 ===
* 最も大きな天体 [[太陽]] 直径約139万km
* 最も大きな天体 [[太陽]] 直径約139万km
242行目: 431行目:
* 近日点が最も太陽に近い彗星 [[SOHO彗星 (C/2007 M5)|SOHO彗星 (C/2007 M<sub>5</sub>)]] 約16万km
* 近日点が最も太陽に近い彗星 [[SOHO彗星 (C/2007 M5)|SOHO彗星 (C/2007 M<sub>5</sub>)]] 約16万km
* 近日点が最も太陽に近く、消滅しなかった彗星 [[:en:Comet Pereyra|Pereyra彗星]] 約76万km
* 近日点が最も太陽に近く、消滅しなかった彗星 [[:en:Comet Pereyra|Pereyra彗星]] 約76万km
* 近日点が最も太陽に近い小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2005 HC|4}} 約1100万km
* 近日点が最も太陽に近い小惑星 {{mpl|2005 HC|4}} 約1100万km
* 最も太陽から近い惑星 [[水星]] 約5800万km
* 最も太陽から近い惑星 [[水星]] 約5800万km
* 軌道長半径が最も小さい小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2007 EB|26}} 約8200万km
* 軌道長半径が最も小さい小惑星 {{mpl|2007 EB|26}} 約8200万km
* 遠日点が最も太陽に近い小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2008 EA|32}} 約1億2000万km
* 遠日点が最も太陽に近い小惑星 {{mpl|2008 EA|32}} 約1億2000万km
* 軌道長半径が最も小さい彗星 [[エンケ彗星]] 約3億3100万km
* 軌道長半径が最も小さい彗星 [[エンケ彗星]] 約3億3100万km
* 近日点が最も太陽から遠い彗星 [[CINEOS彗星]] 約17億km
* 近日点が最も太陽から遠い彗星 [[CINEOS彗星]] 約17億km
270行目: 459行目:
* 最も自転周期の短い惑星 [[木星]] 9時間55.5分
* 最も自転周期の短い惑星 [[木星]] 9時間55.5分
* 最も自転周期の長い惑星 [[金星]] 243.0187日(逆行)
* 最も自転周期の長い惑星 [[金星]] 243.0187日(逆行)
* 最も自転周期の短い小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2010 JL|88}} 24.5862秒
* 最も自転周期の短い小惑星 {{mpl|2010 JL|88}} 24.5862秒
* 最も自転周期の長い小惑星<!--2012年現在--> [[リッペルタ (小惑星)|リッペルタ]] 68.375日
* 最も自転周期の長い小惑星 [[リッペルタ (小惑星)|リッペルタ]] 68.375日
* 最も公転周期の短い惑星 [[水星]] 87日23.3時間
* 最も公転周期の短い惑星 [[水星]] 87日23.3時間
* 最も公転周期の長い惑星 [[海王星]] 164年288日13時間
* 最も公転周期の長い惑星 [[海王星]] 164年288日13時間
* 最も公転周期の短い準惑星 [[ケレス (準惑星)|ケレス]] 4年219日
* 最も公転周期の短い準惑星 [[ケレス (準惑星)|ケレス]] 4年219日
* 最も公転周期の長い準惑星 [[エリス (準惑星)|エリス]] 約557年
* 最も公転周期の長い準惑星 [[エリス (準惑星)|エリス]] 約557年
* 最も公転周期の短い小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2007 EB|26}} 148.11日
* 最も公転周期の短い小惑星 {{mpl|2007 EB|26}} 148.11日
* 最も公転周期の長い小惑星<!--2012年現在--> {{mpl|2013 BL|76}} 約4万1291年
* 最も公転周期の長い小惑星 {{mpl|2013 BL|76}} 約4万1291年
* 最も公転周期の短い周期彗星 [[エンケ彗星]] 3年110日
* 最も公転周期の短い周期彗星 [[エンケ彗星]] 3年110日
* 最も公転周期の長い周期彗星 [[池谷・張彗星]] 約370年
* 最も公転周期の長い周期彗星 [[池谷・張彗星]] 約370年
307行目: 496行目:
* 太陽系最大の峡谷 [[マリネリス峡谷]](火星) 全長4,000km、深さ7km
* 太陽系最大の峡谷 [[マリネリス峡谷]](火星) 全長4,000km、深さ7km
* 太陽系一大きな山 [[オリンポス山 (火星)|オリンポス山]](火星) 約25,000m(平均重力面からの高度)
* 太陽系一大きな山 [[オリンポス山 (火星)|オリンポス山]](火星) 約25,000m(平均重力面からの高度)
-->

== 太陽系を扱った作品 ==
== 太陽系を扱った作品 ==
{{main|[[地球以外の実在天体を扱った事物#太陽系]]<!--各種作品についてはこちらにお願いします-->}}
{{main|[[地球以外の実在天体を扱った事物#太陽系]]<!--各種作品についてはこちらにお願いします-->}}


====
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}

{{Reflist}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|2|group="注"}}

=== 出典 ===
{{Reflist|3|refs=
<ref name=MinorPlanetCenter>{{cite web|url=https://minorplanetcenter.net/mpc/summary|title=Latest Published Data|work=Minor Planet Center|publisher=[[国際天文学連合|IAU]]|accessdate=2018-06-25}}</ref>

<ref name=Ramirez17>{{cite journal|title=A Volcanic Hydrogen Habitable Zone|last=Ramirez|first=Ramses|year=2017|last2=Kaltenegger|first2=Lisa|class=astro-ph.EP|doi=10.3847/2041-8213/aa60c8|volume=837|pages=L4|journal=The Astrophysical Journal Letters|bibcode=2017ApJ...837L...4R|arxiv=1702.08618}}</ref>

<ref name=Muuma03>{{cite journal|last1=Mumma|first1=M. J.|last2=Disanti|first2=M. A.|last3=Dello Russo|first3=N.|last4=Magee-Sauer|first4=K.|last5=Gibb|first5=E.|last6=Novak|first6=R.|doi=10.1016/S0273-1177(03)00578-7|title=Remote infrared observations of parent volatiles in comets: A window on the early solar system|journal=Advances in Space Research|volume=31|issue=12|pages=2563–2575|year=2003|bibcode=2003AdSpR..31.2563M}}</ref>

<ref name=NASA20120614>{{cite web|url=https://www.nasa.gov/mission_pages/voyager/voyager20120614.html|title=Data From NASA's Voyager 1 Point to Interstellar Future|work=[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]|date=2012-06-14|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=Delsanti-Beyond_The_Planets>{{cite web|date=2006|author1=Audrey Delsanti|author2=David Jewitt|title=The Solar System Beyond The Planets |work=Institute for Astronomy, University of Hawaii|url=http://www.ifa.hawaii.edu/faculty/jewitt/papers/2006/DJ06.pdf|format=PDF|accessdate=2018-06-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070129151907/http://www.ifa.hawaii.edu/faculty/jewitt/papers/2006/DJ06.pdf|archivedate=2007-01-29}}</ref>

<ref name=name>{{cite web|date=2008-11-07|title=Dwarf Planets and their Systems|work=Working Group for Planetary System Nomenclature (WGPSN)|url=http://planetarynames.wr.usgs.gov/append7.html#DwarfPlanets|accessdate=2018-06-17|publisher=U.S. Geological Survey}}</ref>

<ref name=FinalResolution>{{cite news|title=The Final IAU Resolution on the definition of "planet" ready for voting|publisher=International Astoronomial Union|date=24 August 2006|url=http://www.iau.org/iau0602.423.0.html|accessdate=2018-06-17|deadurl=yes|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090107044134/http://www.iau.org/iau0602.423.0.html |archivedate=7 January 2009}}</ref>

<ref name=Krasinsky02>{{cite journal|first=G. A.|last=Krasinsky|author2=Pitjeva, E. V.|author3=Vasilyev, M. V.|author4=Yagudina, E. I.|bibcode=2002Icar..158...98K|title=Hidden Mass in the Asteroid Belt|journal=[[Icarus]]|volume=158|issue=1|pages=98–105|year=2002|doi=10.1006/icar.2002.6837}}</ref>

<ref name=Marochnik95>{{cite conference|isbn=0-937707-93-7|author1=Marochnik, L.|author2=Mukhin, L.|lastauthoramp=yes|title=Is Solar System Evolution Cometary Dominated?|booktitle=Progress in the Search for Extraterrestrial Life|date=1995|series=Astronomical Society of the Pacific Conference Series|volume=74|editor=Shostak, G. S.|pages=83|url=http://adsabs.harvard.edu/abs/1995ASPC...74...83M}}</ref>

<ref name=JupiterFact>{{cite web|url=http://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/jupiterfact.html|title=Jupiter Fact Sheet|publisher=NASA|author=David R. Williams|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=SaturnFact>{{cite web|url=http://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/saturnfact.html|title=Saturn Fact Sheet|publisher=NASA|author=David R. Williams|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=Weizman95>{{cite journal|doi=10.1016/0032-0633(95)00061-5|last1=Podolak|first1=M.|last2=Weizman|first2=A.|last3=Marley|first3=M.|date=December 1995|title=Comparative models of Uranus and Neptune|journal=Planetary and Space Science|volume=43|issue=12|pages=1517–1522|bibcode=1995P&SS...43.1517P}}</ref>

<ref name=Podolak2000>{{cite journal|doi=10.1016/S0032-0633(99)00088-4|last1=Podolak|first1=M.|last2=Podolak|first2=J. I.|last3=Marley|first3=M. S.|date=February 2000|title=Further investigations of random models of Uranus and Neptune|journal=Planetary and Space Science|volume=48|issue=2–3|pages=143–151|bibcode=2000P&SS...48..143}}</ref>

<ref name=Arizona>{{cite web|title=Lecture 13: The Nebular Theory of the origin of the Solar System|url=http://atropos.as.arizona.edu/aiz/teaching/nats102/mario/solar_system.html|work=[[アリゾナ大学|University of Arizona]]|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=Schröder08>{{cite journal|author1=Schröder, K.-P.|author2=Connon Smith, Robert|title=Distant future of the Sun and Earth revisited|journal=Monthly Notices of the Royal Astronomical Society|year=2008|volume=386|issue=1|pages=155–163|bibcode=2008MNRAS.386..155S|doi=10.1111/j.1365-2966.2008.13022.x|arxiv=0801.4031}}</ref>

<ref name=Voyager>{{cite web|url=http://www.nasa.gov/vision/universe/solarsystem/voyager_agu.html|title=Voyager Enters Solar System's Final Frontier|work=[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=Lucy07>{{cite book|title=Encyclopedia of the Solar System|editor=Lucy-Ann McFadden |display-editors=etal |chapter=Kuiper Belt Objects: Physical Studies|author=Stephen C. Tegler|pages=605–620|year=2007}}</ref>

<ref name=Fahr2000>{{cite journal|title=A 5-fluid hydrodynamic approach to model the Solar System-interstellar medium interaction|journal=Astronomy and Astrophysics|year=2000|volume=357|page=268|url=http://aa.springer.de/papers/0357001/2300268.pdf|format=PDF|bibcode=2000A&A...357..268F|author1=Fahr|first1=H. J.|last2=Kausch|first2=T.|last3=Scherer|first3=H.}} See Figures 1 and 2.</ref>

<ref name=Eisenhauer03>{{cite journal|last=Eisenhauer|first=F.|title=A Geometric Determination of the Distance to the Galactic Center|journal=The Astrophysical Journal|volume=597|issue=2|pages=L121–L124|year=2003|doi=10.1086/380188|bibcode=2003ApJ...597L.121E|arxiv=astro-ph/0306220}}</ref>

<ref name=hypertextbook>{{cite web|title=Period of the Sun's Orbit around the Galaxy (Cosmic Year)|first=Stacy|last=Leong|url=http://hypertextbook.com/facts/2002/StacyLeong.shtml|year=2002|work=The Physics Factbook|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=astrobiology>{{cite web|author=Leslie Mullen|title=Galactic Habitable Zones|work=Astrobiology Magazine|url=http://www.astrobio.net/news-exclusive/galactic-habitable-zones-2/|date=2001-05-18|accessdate=2018-06-17}}</ref>

<ref name=Martin15>{{cite arxiv|author=Rebecca G. Martin|author2=Mario Livio|eprint=1508.00931|title=The Solar System as an Exoplanetary System|class=astro-ph.EP|version=v1|date=2015-08-04|doi=10.1088/0004-637X/810/2/105|bibcode=2015ApJ...810..105M}}</ref>
}}


== 関連文献 ==
== 関連文献 ==
*{{cite book|和書|author=編集長: 水谷仁|year=2009|title=[[ニュートン (雑誌)|ニュートン]]別冊 太陽と惑星 改訂版|publisher=[[ニュートンプレス]]|isbn=978-4-315-51859-7|ref=Newton09}}
*{{cite book|和書|author=監修: 渡辺潤一|year=2013|title=ビジュアル宇宙大図鑑 太陽系から130億光年の果てまで|publisher=日経[[ナショナルジオグラフィック]]社|isbn=978-4-86313-143-9|ref=natgeo}}
*『最新宇宙論と天文学を楽しむ本―太陽系の謎からインフレーション理論まで (PHP文庫)』佐藤 勝彦 監修
*『最新宇宙論と天文学を楽しむ本―太陽系の謎からインフレーション理論まで (PHP文庫)』佐藤 勝彦 監修
*『星の地図館 太陽系大地図 (STAR ATLAS 21 星の地図館)』渡部潤一 著
*『星の地図館 太陽系大地図 (STAR ATLAS 21 星の地図館)』渡部潤一 著
326行目: 566行目:
{{Wikiquote}}
{{Wikiquote}}
* [[ケプラーの法則]]
* [[ケプラーの法則]]
* [[天文単位]]
* [[名前が重複している太陽系内の天体]]
* [[名前が重複している太陽系内の天体]]
* [[仮説上の天体|仮説上の惑星]]:[[バルカン (仮説上の惑星)|バルカン]] - [[反地球]](ヤハウェ、クラリオン、ゴル等) - [[惑星X]] - [[惑星O]]
* [[仮説上の天体]]:[[バルカン (仮説上の惑星)|バルカン]] - [[反地球]] - [[惑星X]] - [[惑星O]]
* 架説上の衛星:[[テミス (衛星)|テミス]] - [[ネイト (衛星)|ネイト]] - [[コーディレフスキー雲]]
* [[占星術]]・[[西洋占星術]]
* [[占星術]]・[[西洋占星術]]
* [[太陽系儀]] - [[惑星の道]] - [[スウェーデン・ソーラー・システム]]
* [[ザ・ユニバース 〜宇宙の歴史〜]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
339行目: 575行目:
* [http://www.cgh.ed.jp/TNPJP/nineplanets/index.html ザ・ナインプラネッツ日本語版]
* [http://www.cgh.ed.jp/TNPJP/nineplanets/index.html ザ・ナインプラネッツ日本語版]
* [http://www.jst.go.jp/csc/virtual/universe/planet/ 惑星の旅] - JST(科学技術振興機構)バーチャル科学館
* [http://www.jst.go.jp/csc/virtual/universe/planet/ 惑星の旅] - JST(科学技術振興機構)バーチャル科学館
* [https://web.archive.org/web/20140426232154/http://logic-law.com/index.php?title=A_Cosmic_History_of_Human_Evolution#Development_of_the_Solar_System A Cosmic History of the Solar System]
* [http://www.joshworth.com/a-tediously-accurate-map-of-the-solar-system/ A Tediously Accurate Map of the Solar System (web based scroll map scaled to the Moon being 1 pixel)]
* [http://space.jpl.nasa.gov NASA's Solar System Simulator]
* [http://www.jpl.nasa.gov/solar_system NASA/JPL Solar System main page] - JPL
* [http://solarsystem.nasa.gov/planets/profile.cfm?Object=SolarSys&Display=Overview Solar System Profile] - [https://web.archive.org/web/20060425235742/http://solarsystem.nasa.gov/index.cfm NASA's Solar System Exploration]


{{太陽系}}
{{太陽系}}
350行目: 591行目:
[[Category:天体]]
[[Category:天体]]
[[Category:太陽系|*]]
[[Category:太陽系|*]]
[[Category:惑星系]]
[[Category:惑星科学]]

2018年6月30日 (土) 08:11時点における版

太陽系
Solar System
alt=太陽系の惑星(距離は実際の比率ではない) 総質量 1.0014 M☉[注 1] 最も遠い惑星 海王星(30.10 au) 最も近い恒星 プロキシマ・ケンタウリ(4.22 光年) 最も近い惑星系 プロキシマ・ケンタウリ系(4.22 光年) 恒星数 1(太陽) 惑星数 8(水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星) 準惑星数 5[1](ケレス・冥王星・ハウメア・マケマケ・エリス) 既知の衛星数 525 (惑星: 178[2][3]、小惑星: 348[4]) 既知の小惑星数 783,757[5] 既知の彗星数 4,021[5] ハビタブルゾーン(HZ)の範囲 0.95 - 2.4 au[6] 凍結線の範囲 2.7 au[7] ~5 au [8] ヘリオポーズの範囲 ~120 au[9] 年齢 太陽系の惑星(距離は実際の比率ではない) 総質量 1.0014 M☉[注 1] 最も遠い惑星 海王星(30.10 au) 最も近い恒星 プロキシマ・ケンタウリ(4.22 光年) 最も近い惑星系 プロキシマ・ケンタウリ系(4.22 光年) 恒星数 1(太陽) 惑星数 8(水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星) 準惑星数 5[1](ケレス・冥王星・ハウメア・マケマケ・エリス) 既知の衛星数 525 (惑星: 178[2][3]、小惑星: 348[4]) 既知の小惑星数 783,757[5] 既知の彗星数 4,021[5] ハビタブルゾーン(HZ)の範囲 0.95 - 2.4 au[6] 凍結線の範囲 2.7 au[7] ~5 au [8] ヘリオポーズの範囲 ~120 au[9] 年齢 約45億6800万年
太陽系の惑星(距離は実際の比率ではない)
総質量 1.0014 M[注 1]
最も遠い惑星 海王星(30.10 au
最も近い恒星 プロキシマ・ケンタウリ(4.22 光年
最も近い惑星系 プロキシマ・ケンタウリ(4.22 光年)
恒星数 1太陽
惑星 8水星金星地球火星木星土星天王星海王星
準惑星 5[1]ケレス冥王星ハウメアマケマケエリス
既知の衛星 525
(惑星: 178[2][3]、小惑星: 348[4]
既知の小惑星 783,757[5]
既知の彗星 4,021[5]
ハビタブルゾーン(HZ)の範囲 0.95 - 2.4 au[6]
凍結線の範囲 2.7 au[7]
~5 au [8]
ヘリオポーズの範囲 ~120 au[9]
年齢 約45億6800万年
銀河系における軌道要素
位置 オリオン腕
中心からの距離 25,000 - 28,000 光年[10]
公転速度 220 km/s
公転周期 2億2500万 - 2億5000万年[11]
Template (ノート 解説) ■Project

太陽系(たいようけい、英語: Solar System[注 2]ラテン語:systema solare シュステーマ・ソーラーレ)とは、太陽および、その重力で周囲を直接的、あるいは間接的に公転する天体[注 3]から構成される構造である。主に、現在確認されている8個の惑星[注 4]、5個の準惑星、それを公転する衛星、そして多数の太陽系小天体などから成る[12]。間接的に太陽を公転している天体のうち衛星2つは、惑星では最も小さい水星よりも大きい[注 5]

太陽系は約46億年前、星間分子雲重力崩壊によって形成されたとされている。総質量のうち、ほとんどは太陽が占めており、残りの質量も大部分は木星が占めている。内側を公転している小型な水星金星地球火星は、主に岩石から成る地球型惑星(岩石惑星)で、木星土星は、主に水素ヘリウムから成る木星型惑星(巨大ガス惑星)で、天王星海王星は、メタンアンモニアなどの揮発性物質といった、水素やヘリウムよりも融点の高い物質から成る天王星型惑星(巨大氷惑星)である。8個の惑星はほぼ同一平面上にあり、この平面を黄道面と呼ぶ。

他にも、太陽系には多数の小天体を含んでいる[注 6]。火星と木星の間にある小惑星帯は、地球型惑星と同様に岩石や金属などから構成されている小天体が多い。それに対して、海王星の軌道の外側に広がる、主に氷から成る太陽系外縁天体が密集している、エッジワース・カイパーベルト散乱円盤天体がある。そして、そのさらに外側にはセドノイドと呼ばれる、新たな小惑星の集団も発見されてきている。これらの小天体のうち、数十個から数千個は自身の重力で、球体の形状をしているものもある[17]。そのような天体は準惑星に分類される事がある。現在、準惑星には小惑星帯のケレスと、太陽系外縁天体の冥王星、ハウメアマケマケエリスが分類されている。これらの2つの分類以外にも、彗星ケンタウルス族惑星間塵など、様々な小天体が太陽系内を往来している。惑星のうち6個が、準惑星では4個が自然に形成された衛星を持っており、慣用的に「」と表現される事がある[注 7]。木星以遠の惑星には、周囲を公転する小天体から成るを持っている。

太陽から外部に向かって放出されている太陽風は、太陽圏(ヘリオスフィア)と呼ばれる、星間物質中に泡状の構造を形成している。境界であるヘリオポーズでは太陽風による圧力と星間物質による圧力が釣り合っている。長周期彗星の源と考えられているオールトの雲は太陽圏の1,000倍離れた位置にあるとされている。銀河系(天の川銀河)の中心から約26,000光年離れており、オリオン腕に位置している。

発見と探査

アンドレアス・セラリウスHarmonia Macrocosmica(1660)に記した地動説のモデル

歴史上の大部分において、人類は太陽系に対して正しい概念を持っていなかった。中世の末期まで、ルネサンスでは、地球を中心に全ての天体が公転しているという天動説の概念が主流であった。そんな中、ギリシャの哲学者はアリスタルコスは、現在の太陽系に近いモデルを推測し、ニコラウス・コペルニクスが初めてそのモデルを地動説として体系化した[18][19]17世紀には、ガリレオ・ガリレイヨハネス・ケプラーアイザック・ニュートン物理学的観点から地動説を発展させ、惑星が地球と同じ物理法則に従っているという考え方は徐々に受け入れられるようになっていった。この頃に発明された望遠鏡は、月や他の惑星に関する多数の発見に繋がり、そして望遠鏡の改良や無人探査機による探査で、クレーターといった地質的特徴や、砂嵐氷冠などの気象的特徴も知られるようになった。

望遠鏡による観測

ニュートンが観測に用いた望遠鏡のレプリカ。

初期の太陽系の科学的観測は望遠鏡によって行われ、天文学者は、肉眼では観測しにくい天体を星図に書き記すようになった。太陽系の個々の天体について、初めて詳細な物理的観測を行ったのはガリレオ・ガリレイで、月の表面にあるクレーターや、太陽の黒点、木星を公転する4つの衛星を発見した[20]。ガリレオの発見に続いて、クリスティアーン・ホイヘンスは、土星の環と衛星タイタンを発見し[21]ジョヴァンニ・カッシーニは4つの土星の衛星と、環の中にあるカッシーニの間隙を発見した[22]

エドモンド・ハレーは1705年に、彗星を繰り返し観測した結果、75~76年の周期で同じ彗星が回帰している事を発見し、太陽を公転する惑星以外の天体の存在を示す証拠となった[23]。また、前年の1704年には、初めて英語で「Solar System」という単語が用いられるようになった[24]

1781年、ウィリアム・ハーシェルおうし座の方向で連星系を探索していた際、彗星とおぼしき天体を発見したと発表したが、後の軌道計算の結果、新惑星の天王星である事が判明した[25]

1801年にジュゼッペ・ピアッツィが、火星と木星の間を公転する小さな天体ケレスを発見した。発見当初は、新たな惑星とされていたが、その後の観測で、付近に数千個もの似たような小天体が発見されるようになり、ケレスもこうした小天体に再分類された[26]

1846年には、天王星の軌道が実際の計算と一致しない事から、外側から影響を与えている新たな惑星があると考えたユルバン・ルヴェリエによる計算を基に観測を行った、ヨハン・ゴットフリート・ガレハインリヒ・ダレストが新惑星、海王星を発見した[27][28]

しかし、海王星の発見後も、他の惑星や海王星自身の軌道に依然として誤差が生じていたため、海王星の外側にさらに惑星が存在すると考えられ、パーシヴァル・ローウェルは仮説上の天体を惑星Xと呼んだ[29]。彼の死後、ローウェルの予想を基にローウェル天文台で観測を行っていたクライド・トンボーが新惑星、冥王星を発見した。しかし、その後の観測で、冥王星は他の惑星の軌道に影響を及ぼすには小さすぎる事が判明したため、その発見は偶然であった。ケレスのように、当初は惑星であるとされていたが、周辺に同じような天体が発見されるようになったため、2006年に国際天文学連合によって準惑星に再分類された[28]

1992年、ハワイ大学デビッド・C・ジューイットマサチューセッツ工科大学ジェーン・ルーは冥王星軌道の周辺を公転する小天体アルビオンを発見した。アルビオンは、太陽系外縁天体としては初めて発見された天体である。この発見により、冥王星のような天体は、氷から成る小天体の群れを成していると考えられるようになった[30][31]

2005年、マイク・ブラウンチャドウィック・トルヒージョデイヴィッド・ラビノウィッツは散乱円盤天体のエリスを発見し、当初は冥王星よりも大きく、海王星以遠にある天体では最大と考えられていた[32]。しかし、2015年7月に冥王星を探査した探査機ニュー・ホライズンズによる観測で、現在は冥王星よりもわずか小さく、質量はやや大きいとされている。

探査機による探査

探査機ガリレオが撮影した木星の衛星エウロパの表面
太陽系探査の年表
1983年に冥王星軌道を通過したパイオニア10号の想像図。2003年1月に82au彼方から送信された電波を最後に、電波通信は途絶している。何らかの衝撃などを受けていない場合、43,400km/h (27,000 mph)を超える速度で現在も太陽から遠ざかっている[33]

宇宙時代英語版が始まって以来、様々な宇宙機関が宇宙ロボットによるミッションが計画され、多くの探査が行わてきた。

宇宙に送られた最初の人工物は、1957年に打ち上げられたソビエト連邦スプートニク1号で、翌年1月4日まで地球を周回する事に成功した[34]。1959年に打ち上げられたアメリカエクスプローラー6号は、初めて宇宙から地球の画像を撮影した。

フライバイによる探査

初めて地球以外の探査に成功した探査機は、1959年に打ち上げられたルナ1号だった。当初は、月の表面に衝突させる予定だったが、太陽周回軌道を公転する初めての人工物になった。初めて金星をフライバイしたのは1962年に打ち上げられたマリナー2号で、火星は1965年に打ち上げられたマリナー4号、水星は1974年に打ち上げられたマリナー10号であった。

外太陽系の惑星を探査した初めての探査機はパイオニア10号で、1973年に木星に到着した。また、1979年にはパイオニア11号が初めて土星を探査した。ボイジャー計画では、ボイジャー1号2号が1977年に打ち上げられ、そのうち2号は、1986年に天王星を、1989年に海王星を初めて探査した。ボイジャーは現在、海王星の軌道を超えて、惑星探査のミッションを終了し、ヘリオシースやヘリオポーズ、バウショックの調査を進めている。NASAによると、ボイジャーの両探査機は、太陽から約93au離れた領域で、termination shock[訳語疑問点]の影響を受け始めている[35]

2006年1月19日に打ち上げられた探査機ニュー・ホライズンズは、カイパーベルトを探査する初めての探査機である。2015年7月に、冥王星をフライバイして、詳細な観測を行った。このニュー・ホライズンズの延長ミッションとして、2019年1月1日に2014 MU69を含むいくつかの太陽系外縁天体をフライバイする事が予定されている[36]

構造と組成

太陽系の主成分は全質量の99.86%を占める太陽で、太陽系内の全ての天体を重力的に留めている[37]。残りの質量のうち、99%は4つの巨大惑星が占めている。残りの天体(4つの岩石惑星、衛星、小惑星、彗星など)は全体の0.002%未満に満たない[注 8]

太陽を公転する天体の多くは、地球と同じ軌道平面上(黄道)を公転している。惑星の公転面は黄道に非常に近いが、彗星や太陽系外縁天体は、黄道に対して大きく傾いた軌道を描く事が多い[41][42]。ほぼ全ての天体は、北極から見て反時計回りで公転しているが[43]ハレー彗星のような例外もある。

太陽系の全体構造は時折、小惑星帯以内の4つの岩石惑星が公転している領域と、カイパーベルト以内の4つの巨大惑星が公転している領域に区別される事があり、岩石惑星と小惑星帯を含む領域は内太陽系英語: The inner Solar System)、小惑星帯を超えた、4つの巨大惑星を含む領域は外太陽系英語: The outer Solar System)と呼ばれる[44]。カイパーベルトが発見されるようになってからは、カイパーベルトはそれらとは異なる、新たな領域として区分されるようになった[45]

太陽系の8つの惑星の大きさを比較したイラスト。

太陽系内の多くの惑星は、周囲を公転している衛星を持ち、太陽系において二次的な構造を成している。また、4つの巨大惑星は周囲を公転する小天体から成る環を持っている。大きな衛星のほとんどは自転と公転が同期(潮汐固定)しており、片方の面を常に惑星に向けている。

太陽系の惑星はほぼ黄道面上を公転している。太陽に近いほど、公転速度は速くなる。
(左は内太陽系、右は海王星を除く全ての惑星)

ケプラーの法則には、太陽を公転する物体の軌道について示されている。この法則によると、太陽を公転している物体は太陽を一つの焦点として、楕円で公転している。太陽に近い(軌道長半径が小さい)物体は、より太陽の重力の影響を受けるため、高速で公転するようになる。楕円軌道では、公転する度に軌道が変化し、太陽に最も接近する位置は近日点、最も離れる位置は遠日点と呼ばれる。惑星の軌道はほぼ円形だが、小惑星や彗星、太陽系外縁天体は極端な楕円軌道になっている事が多い[12]。こうした天体の軌道は数値モデルを用いて予測する事が出来る。

太陽は太陽系全体の質量のほとんどを占めているが、角運動量については約2%しか占めていない[46][47]。木星を始めとする惑星の質量、軌道、太陽からの距離の組み合わせが、太陽系全体の角運動量の大部分を占め、彗星もそれに貢献しているとされている[46]

太陽系のほぼ全体を構成する太陽は、約98%が水素とヘリウムから出来ている[48]。それ以外の構成のほとんどを占めている木星と土星も、主に水素とヘリウムから出来ている[12][49][50]。太陽系内では、太陽からの熱と光圧によって組成に差が生しており、原則、太陽に近い天体は融点の高い元素、遠い天体は融点が低い元素から構成されている[51]。これらの揮発性物質が凝固する可能性のある境界線を凍結線(フロストライン)といい、太陽系では火星軌道と木星軌道の間に位置している[8]

内太陽系の天体は、先述の通り、主に岩石で構成されており[52]、主成分はケイ素ニッケルなどの原始惑星系円盤内でも、固体として存在していた高融点化合物である。木星型惑星の木星と土星は、原始惑星系円盤内では気体として存在していた水素、ヘリウム、ネオンなどの低融点で蒸気圧の高い物質で構成されている。よって現在では、太陽系内の位置によって、物質の形態が固体か液体か気体かは変化するが、原始惑星系円盤が存在していた頃は、固体と気体の物質しか存在しなかったとされている[53]。それに対して、多くの衛星や天王星、海王星、そして太陽系外縁天体には氷が多く含まれている[52][54]。この氷と気体が混ざったものを揮発性物質英語版と呼ぶ[55]

距離とスケール

地球から太陽までの距離を基準とした単位を天文単位英語: astronomical unit、au)と呼び、1auは約1億5000万kmに相当し、太陽の半径は0.0047au(70万km)となる。最大の惑星である木星は5.2au(7億8000万km)離れており、最も遠い海王星は30au(45億km)離れている。

いくつか例外はあるが、太陽から離れるに従って、惑星同士の間隔は広くなっていく。例えば、水星と金星は0.33au離れているが、木星と土星は4.3au、天王星と海王星は10.5au離れている。こうした惑星の太陽からの距離の関係を数式化する試みがなされ、代表的なものとしてティティウス・ボーデの法則がある[56]。しかし、こうした説は科学的根拠は示されておらず、現在では受け入れられていない。

太陽系の相対的なスケールを人間規模で示そうとするモデルもあり、規模が小さなものは太陽系儀などがあるが、複数の都市や地域にまたがっている巨大なものもある[57]。このような太陽系のモデル最も大規模なスウェーデン・ソーラー・システムは、ストックホルムにある直径110mのストックホルム・グローブ・アリーナを太陽に見立てており、例えば木星は、このスケールに従うと、直径7.5mの球体で、約40km離れたストックホルム・アーランダ国際空港内にそのオブジェが設置されている。現時点で設置されている最も遠いオブジェは、直径10cmの球であるセドナで、約912km離れている[58][59]

太陽から海王星までの距離を100mとすると、太陽の直径は3cmになり、巨大惑星はいずれも3mm以下の大きさになる。地球を含めた岩石惑星は、この縮尺に従うと、0.3mm以下の大きさにしかならない[60]。一方で、太陽の直径を1mとすると、地球は107m、海王星は3.2km離れている事になる[61]

実際の距離比率で描かれた太陽系の主な天体(大きさは実際の比率ではない)

起源と進化

銀河系には、水素やヘリウム、そして少量の重元素から成る岩石質や有機質の微小な塵(星間塵)を含む星間ガスがある。このような星間ガスが×103個/cm3(以下、単位は同じ)を超える数密度となる場合を星間雲といい、内部で水素分子が形成されるようになる。通常、星間雲はごくゆっくりと回転している。星間雲は均質ではなく、密度の偏りがある。この偏りが大きくなって数密度が×1010個程度を超える部分ができることがあり、そうなると一酸化炭素シアン化水素アンモニアなどの様々な分子が形成される。これを分子雲と呼ぶ。太陽系は約45億6800万年前に、この分子雲の重力崩壊によって形成された[62][注 9]。この分子雲は数光年ほどの大きさを持ち、太陽と同時にいくつもの恒星を形成した可能性がある[64]。現在の太陽系が形成される領域で、pre-Solar nebula英語版と呼ばれる星雲が形成される[65] 。そして、角運動量保存の法則によって、分子雲は収縮時より速く自転するようになり、原子が頻繁に衝突による運動エネルギーに変換されて、温度が高くなる[64]。自転の加速によって、中心に原始太陽が誕生し、当時の光度は現在の10倍、表面温度は約4,000Kであったとされている[66]。その周囲には、直径約200au[64]にも渡る原始惑星系円盤(もしくは原始惑星系星雲、特に太陽系の場合は原始太陽系円盤とも呼ばれる)が形成され始めた[67][68][69]。そこで形成された、惑星の元となる微惑星が約100億個形成され[70]、塵やガスが合体を繰り返し、より大きな原始惑星へと成長していく[71]。初期の太陽系には、こうした原始惑星が何百個も存在していたとされているが、合体や破壊を繰り返して、現在の惑星や準惑星、小惑星などが形成された。

ファイル:Solarnebula.jpg
原始太陽系の想像図

太陽周辺の温度の高い領域では、沸点が高い金属やケイ酸塩のみが固体として存在でき、このような物質が地球型惑星の水星、金星、地球、火星を形成した。金属元素は、原始惑星系円盤の中でも一部しか存在していないため、地球型惑星は大きく成長する事が出来なかった。地球のような固体惑星がいつ形成されたかについては、星雲ガスがある時か、消失後か、議論の余地がある。ここでは、星雲ガス消失後に形成されたというシナリオを紹介する。星雲ガスがなくなると、ガス抵抗がなくなるため、原始惑星の軌道が乱れるとその乱れを抑えるものがなくなる。すると、原始惑星は互いの重力相互作用により接近し、軌道が乱されるようになる。微惑星同士の衝突があったように、原始惑星同士も衝突するようになる。星雲ガスがないので衝突は激しいものになり、破壊も合体もいずれも起こるようになる。巨大衝突である。このような衝突の繰り返しで、金星、地球が形成されたと考えられる。水星と火星は原始惑星の生き残りか、成長がわずかであったものであろう。地球のは、地球形成末期に起きた巨大衝突の産物であるとする説(ジャイアント・インパクト説)が有力である。

巨大惑星(木星型惑星と天王星型惑星)は、現在の火星軌道と木星軌道にある凍結線の外側で形成された。これらの惑星を形作っている、氷結した揮発性の化合物は、地球型惑星を形成している金属元素やケイ酸塩よりも豊富に存在していたため、これらの惑星は水素とヘリウムから成る分厚い大気を取り込むのに十分な、地球の10倍の質量を持った大きな原始惑星にまで成長する事が出来た[72]。木星と土星の質量が異なるのは、土星形成の後期に、何らかの理由で星雲ガスが消失し、材料となるガスそのものがなくなったためであり、天王星、海王星の質量が小さい段階にとどまったのも、この2つの惑星は星雲終末期にガスの取り込みが始まったため、あまり成長できずに終わったためであると考えられている。小惑星帯、カイパーベルト、オールトの雲は、惑星になりきれなかった残骸となった小天体が密集したものとされている。ニースモデルでは、これらの領域の形成と、巨大惑星が形成された位置、様々な重力による作用を介して、どのように今の軌道に落ち着いたかを示している。

太陽の進化を簡潔にまとめた時系列。

形成から5,000万年までに、原始太陽の中心にある水素の圧力と密度が熱核融合を起こすのに、十分大きくなったとされている[73]。温度や反応速度、圧力、密度は太陽が静水圧平衡を満たすまで上昇し、やがて熱の圧力と自身の重力が等しくなり、太陽は主系列星となった[74]。この主系列星の段階は約100億年続くとされている[75]。やがて、太陽から放出した太陽風が太陽圏(ヘリオスフィア)を形成し、周囲の原始惑星系円盤が強い紫外線によって宇宙空間に放出されたか、原始太陽に落下していった事により、惑星の成長はほぼ落ち着いたとされている。主系列星になった頃の太陽の光度は、現在の約70%で、徐々に増光して今に至っている[76]

赤色巨星となった太陽と、高温のため、水や大気を失った地球の想像図。

太陽系は、太陽の中心核にある水素が、全て核融合反応によってヘリウムになる約50億年後[75]までは、現在とほとんど変わらない構造を維持するとされている。ヘリウムによる核融合反応は主系列星の段階を終えた事を意味している。この時、太陽の中心核の内部では、内部に形成されたヘリウムの周囲に沿って分布している水素が核融合反応を起こしており、それによって中心核は収縮していき、放出されるエネルギーは現在よりもはるかに大きくなるとされている[77]。そして、太陽の外層が膨張を始め、直径は現在の256倍にまで膨れ上がり、赤色巨星へ進化する[75]。表面積が大きくなるため、表面温度は低下していき、最低で2,600Kまで低下する可能性がある。この頃には、地球上の水は全て蒸発し、生物が存在する事は出来なくなっている。中心核では、収縮が続くため温度が上昇し、その結果、ヘリウムによる核融合反応が始まる。それにより、太陽は一時的に安定し、直径も現在の11~19倍にまで小さくなる[77]。しかし、太陽はより重い元素で核融合反応を起こすほどの十分な大きさを持っていないため、核融合反応は徐々に弱くなり、この安定期間は1億3000万年しか持続されないと考えられている[77]。最終的に外層は吹き飛ばされ、中心核は地球ほどの大きさと、現在の太陽の半分の質量を持った白色矮星となって残される[78]。放出された外層は、太陽を形成していた物質の一部と、核融合反応によって新たに合成された、炭素などの重元素を含んでおり、やがて惑星状星雲となる。

太陽

太陽

太陽英語: Sun)は、太陽系における唯一の恒星で、最も質量の大きな天体である。太陽系の全質量の99.86%(地球質量の33万2900倍[79])を占めており、中心核で水素がヘリウムに返還する核融合反応を起こしているG型主系列星である[80]。多くのエネルギーを放出しているが、電磁波の中では、可視光を一番、宇宙空間に放射している[81]

スペクトル型はG2型で、G型主系列星に分類される。原則、主系列星は表面温度が高いほど光度を増すが、太陽は主系列星の中でも、ほぼ中間の規模を持っている。ちなみに、太陽より明るい恒星は少ないが、とても暗く、温度も低い赤色矮星(M型主系列星)は、銀河系では恒星全体の約85%を占めている[82][83]

星の種族において、太陽は、重元素に富んだ種族Iの恒星に分類される[84]。 豊富に含まれている重元素は、惑星を形成するのに必要不可欠な材料であったとされている[85]

惑星間物質

太陽圏電流シート

太陽系内の大部分の空間は、惑星間物質英語: Interplanetary medium)と呼ばれる物質で満たされているが、ほぼ真空に近い状態である。主なものとして、太陽風と呼ばれる、太陽が光と共に放出している荷電粒子(プラズマ)を帯びた物質の流れがある。この粒子は時速150万kmの速度で広がっていき[86]、少なくとも直径100auに及ぶ[87]太陽圏内を満たしている。太陽フレアコロナ質量放出(CME)のような、太陽の表面上で発生する恒星活動は、宇宙天気磁気嵐を発生させる場合もある[88]。太陽圏内で最も大きな構造は、太陽の磁場が自転によって回転する事により、螺旋状に生成される惑星間物質の構造で、太陽圏電流シートと呼ばれる[89][90]

地球の磁場は、太陽風から大気が剥ぎ取られるのを防ぐ役割を果たしている[91]。一方で、金星と火星には磁場が無いため、太陽風によって大気が宇宙空間に剥ぎ取られている[92]。この太陽風は、地球の磁場に沿って、大気上層部に荷電粒子を流入し、極地にオーロラを発生させている。

太陽圏と各惑星が持つ地場は、宇宙線と呼ばれる、星間空間を飛び交う高エネルギー粒子の一部を、太陽系から遮蔽している。星間空間における宇宙線の密度と、太陽の磁場の強さは非常に長い時間スケールで変化するため、太陽系内での宇宙線の密度は変動するが、どれだけ変動するかは分かっていない[93]

他の惑星間物質として、少なくとも2つの、宇宙塵で構成された円盤がある。1つ目は惑星間塵と呼ばれ、黄道光を引き起こしている。これは、惑星との重力的相互作用で生じた、小惑星帯内での小惑星の衝突などによって生成された可能性が高い[94]。2つ目は、10~40auにかけて分布しており、これはカイパーベルト内の太陽系外縁天体の衝突によって生成されたとされている[95][96]

内太陽系

内太陽系の惑星の大きさを比較した図

内太陽系は比較的、太陽の近くを公転しており、主にケイ酸塩と金属から成る地球型惑星と、小惑星帯から成る。内太陽系の範囲は、木星軌道と土星軌道の間隔よりも短い。この領域は凍結線より、わずかに内側に位置している。

内惑星系

内太陽系に位置している4つの惑星は、内惑星英語: Inner planet)と呼ばれている。比較的高密度で、岩石から形成されており、衛星はほとんど、あるいは全く持っておらず、環についてはどの惑星も持っていない。地殻マントルは、主にケイ酸塩から成り、は鉄やニッケルなどの金属から成る。4つの内惑星のうち、水星以外の3つは天候を発生させるのに十分な大気を持っている。全ての惑星の表面には、クレーターテクトニクス裂谷火山といった地質的特徴を持っている。ここにおける「内惑星」とは、内太陽系にある4つの惑星の分類を指している。これとは別に、地球より内側を公転している、水星と金星を内惑星英語: Inferior planet)と呼ぶ事がある。この場合、地球はどちらにも属さず、火星は対義語の外惑星に分類される。

水星

水星英語: Mercury)は、太陽系の惑星で最も太陽に近い、太陽系第1惑星。また、最も小さく、質量も小さい。天然の衛星は持っていない。表面にはクレーターの他に、形成初期に水星が収集した際に形成された「尾根」や「ルぺス英語版」と呼ばれる地形がある[97]。水星をまとっている非常に薄い大気は、太陽風によって巻き上げられた事などにより形成されていると考えられている[98]。他の地球型惑星よりも、核が大きく、マントルが薄くなっており、その理由はまだはっきりとは分かっていない。仮説として、ジャイアント・インパクトのような巨大衝突で地殻が剥ぎ取られたり、太陽によって、岩石質の地殻が蒸発した事により、密度が高い惑星になった可能性などが示されている[99][100][101]

金星

金星英語: Venus)は太陽系の第2惑星で、規模は最も地球に近い。地球と同様に、鉄で出来た核と分厚いケイ酸塩のマントル、分厚い大気があり、そして地質活動の痕跡も見られる。しかし、地球よりも非常に乾燥しており、大気圧は地球の90倍にも及ぶ。天然の衛星は持っていない。表面温度は400℃を超えており、これは太陽系の惑星の中では最も高温である。この高い表面温度は、分厚い大気による暴走温室効果によって引き起こされている[102]。現在の金星では、地質活動は確認されていないが、大気の流出を防ぐ磁場が無いため、火山活動などによって大気が供給されている可能性が示唆されている[103]

地球

地球と月の大きさの比較

地球英語: Earth)は太陽系の第3惑星で、内惑星系の中では最も大きく、高密度な天体である。また、プレートテクトニクス生命の存在が確認されている唯一の天体でもある[104]。地球の大気は、他の惑星とは大きく異なり、生命活動によって大気の21%が酸素を占めている[105]。天然の衛星として、を持っており、太陽系の地球型惑星が持つ衛星の中では最も大きい。

火星

火星英語: Mars)は太陽系の第4惑星で、地球や金星よりも小さい。大気圧はわずか6.1ミリバール(地球の0.6%)で、主に二酸化炭素から成る[106]オリンポス山のような大規模な山や、マリネリス渓谷のような渓谷などがある表面から、200万年前まで地質活動が起きていた可能性が示されている[107]。表面は酸化鉄(錆)に覆われているため、[108]。火星は、小惑星帯から捕獲された小惑星か[109]、火星で起きた巨大衝突によって放出された破片から形成されたとされる[110][111]、2つの小さな衛星(フォボスダイモス)を持っている。

小惑星帯

小惑星帯の小惑星は、火星と木星の間にリング状に分布している。
      太陽
      木星のトロヤ群
      惑星の軌道
      小惑星帯
      ヒルダ群
      地球近傍天体 (一部)

小惑星帯英語: Asteroid belt)またはメインベルト英語: Main belt)は、火星軌道と木星軌道の間にある、小惑星が密集した領域である。最も大きなケレスを除く小惑星は、太陽系小天体に分類されている[注 6]。小惑星帯の小惑星は主に、熱に強い岩石や金属鉱物で出来ているが、氷で出来ているものもある[112][113]。大きさは数mから数kmと様々だが、1m未満のものは場合によっては、流星物質流星塵と呼ばれる事もある。

太陽から2.3~3.3au離れた領域に分布しており、これらの小惑星は、太陽系形成時に、木星の重力が干渉した事により合体できず、そのまま残った残骸のような天体であるとされている[114]。直径1km以上のものは、数万から数百万個存在しているが[115]、全ての小惑星を集めても、全質量が地球の1,000分の1を超える可能性は低いとされている[40]。しかし、小惑星は非常にまばらに分布しているため、宇宙探査機は支障なく通過する事が出来る。

ケレス

ケレス

ケレス英語: Ceres)は小惑星帯最大の小惑星で、準惑星に分類されている[注 6]。直径は1,000km弱で、自身の重力で球形を保つのに十分な質量を持っている。ケレスは1801年に発見され、当時は惑星とみなされていたが、その後に他の小惑星が発見されるようになり、1850年代には、ケレスも小惑星とみなされるようになった[116]。しかし、2006年に惑星の定義が決められた際に、準惑星に再分類された。

小惑星の分類

小惑星帯の小惑星は、その小惑星グループ英語版小惑星族で分類されている。また、小惑星の衛星は、より大きなものを公転する、小さな小惑星として扱われる。それらの衛星は、惑星の衛星ほど明確に区別されておらず、中には、小惑星アンティオペ(87.8 km)を公転している衛星S/2000 (90) 1(83.8 km)[117]のように、公転している小惑星とほぼ同じ大きさを持つもの(二重小惑星)もある。また、小惑星帯には地球に水をもたらしたとされているメインベルト彗星も含まれている[118]

木星の軌道上において、重力的に安定して天体が存在出来るラグランジュ点L4とL5付近には、トロヤ群と呼ばれる、小惑星のグループがある。また、この「トロヤ」は他の惑星、あるいは衛星の軌道のラグランジュ点に位置している小天体を指す場合もある。ヒルダ群と呼ばれるグループは、木星と2:3の軌道共鳴の関係にあり、これはビルダ群の小惑星が軌道を3周する間に、木星が軌道を2周する事を意味している[119]

内太陽系には、これらの小惑星の他に、地球近傍小惑星と呼ばれるものも存在しており、その多くは内惑星の軌道を横断している[120]。中には、地球と衝突する可能性が示されている潜在的に危険な小惑星も含まれている。

外太陽系

太陽から離れた外太陽系には、巨大ガス惑星と比較的大きな衛星、そしてケンタウルス族短周期彗星などが存在している。太陽から遠く離れているため、内太陽系よりも水やメタン、アンモニアなどの揮発性物質が多く存在している。

外惑星系

外惑星系の惑星と太陽の大きさの比較

外太陽系にある4つの大きな惑星は、外惑星英語: Outer planet)や巨大惑星英語: Giant planet)、木星型惑星英語: Jovian planet)と呼ばれ、太陽を公転する天体の全質量のうち99%を占めている[注 8]。木星と土星は合わせると、地球の400倍以上の質量を持ち、主に水素とヘリウムから構成されている。一方で、天王星と海王星は共に質量が地球の20倍以下で、木星と土星と比べて、はるかに小さい。そのため、いくつかの天文学者はこの2つの惑星を、巨大氷惑星英語: Ice giant)として木星・土星とは異なる分類である事を示している[121]。4つの惑星全てがを持っているが、地球から容易に観測出来るのは土星の環だけである。ここにおける「外惑星」とは、外太陽系にある4つの惑星の分類を指している。これとは別に、地球より外側を公転している、火星以遠の惑星を外惑星英語: Superior planet)と呼ぶ事がある。

木星

木星英語: Jupiter)は、太陽系の第5惑星で、太陽系で最も大きな惑星である。地球の318倍の質量を持ち、これは他の惑星の全質量の2.5倍にもなる。主に水素とヘリウムから構成されている。木星内部で生じている強い熱は、縞模様の雲や大赤斑など、大気中に半永久的な構造を成している。木星は69個の衛星を持つ事が知られており、特に大きなイオエウロパガニメデカリストの4つはガリレオ衛星と呼ばれ、火山活動や内部加熱のような地球型惑星に似た地質活動が見られる[122]。ガニメデは太陽系最大の衛星で、水星よりも大きい。

土星

土星英語: Saturn)は、太陽系の第6惑星。大きな環が特徴的だが、大気組成や磁気圏など、木星とよく似ている点が多い。しかし、体積は木星の60%にあたるが、質量は地球の95倍と、木星の3分の1にも満たない。そのため、土星は太陽系の惑星で唯一、水よりも低密度な惑星である[123]。土星の環は、主に氷と岩石で出来た小天体から構成されている。土星は、大部分が氷から成る62個の衛星を持つ事が知られており、このうち、タイタンエンケラドゥスの2つでは、地質活動の存在が示されている[124]。タイタンはガニメデに次いで、太陽系内では2番目に大きな衛星で、こちらも水星より大きく、また太陽系内の衛星で唯一、濃い大気を持つ。

天王星

天王星英語: Uranus)は、太陽系の第7惑星。質量は地球の約14倍で、外惑星系の中では最も質量が小さい。太陽系の惑星で唯一、太陽に対して横倒しで自転しており、その赤道傾斜角は90度を超えている。中心部の核は、他の巨大惑星よりも温度が冷たく、熱をほとんど放出していないとされている[125]27個の衛星を持っており、特にチタニアオベロンウンブリエルアリエルミランダの5つは比較的大型である。

海王星

海王星英語: Neptune)は、太陽系の第8惑星。大きさは天王星よりもわずかに小さいが、質量はやや大きく(地球の約17倍)、そのため密度も大きくなっている。また、天王星よりも内部から多くの熱を放射しているが、木星や土星ほどではない[126]14個の衛星を持っており、最も大きなトリトンでは、地質活動が起きており、液体窒素間欠泉が存在する事が確認されている[127]。また、太陽系の大型衛星では唯一、主惑星の自転方向に対して逆方向に公転している[128]。海王星は、その外側に位置している太陽系外縁天体の一部を、1:1の軌道共鳴状態にさせている。

ケンタウルス族

ケンタウルス族は、木星軌道と海王星軌道の間にある、彗星のような氷で出来た小天体のグループである。知られている中で最も大きな、ケンタウルス族に属する天体はカリクローで、直径は約250kmとされている[129]。ケンタウルス族として初めて発見された、キロンは、太陽に接近する際、彗星のような活動が見られるため、彗星(95P)にも分類されている[130]

太陽と惑星のデータ

太陽水星金星月地球火星フォボス・ダイモスケレス小惑星帯木星木星の衛星木星の環土星土星の衛星土星の環天王星天王星の衛星天王星の環海王星海王星の衛星海王星の環冥王星冥王星の衛星ハウメアハウメアの衛星マケマケエッジワース・カイパーベルトエリスディスノミア散乱円盤天体ヒルズの雲オールトの雲
太陽と太陽系の惑星
名前 半径
(km)
質量
(kg)
軌道傾斜角
(度)
軌道離心率 軌道長半径
au
表面重力
(m/s2)
公転周期
(年)
自転周期
(日)
衛星数
(個)
出典
太陽 695,700 1.989×1030 - - - 274.0 - 27.275[注 10] - [131]
1 水星 2,439.7 3.3011×1023 7.00 0.2056 0.387 3.70 0.241 58.65 0 [132]
2 金星 6,051.8 4.8675×1024 3.39 0.0067 0.723 8.87 0.615 243.0187(逆行) 0 [133]
3 地球 6,378.1 5.9723×1024 0.00 0.0167 1.0000 9.798 1.000 0.997271 1 [134]
4 火星 3,396.2 6.4171×1023 1.850 0.0935 1.524 3.71 1.881 1.02595 2 [135]
5 木星 71,492 1.8982×1027 1.304 0.0489 5.204 24.79 11.862 0.4135 67 [49]
6 土星 60,268 5.6834×1026 2.485 0.0565 9.582 10.44 29.457 0.4264[注 10] 62 [50]
7 天王星 25,559 8.6813×1025 0.774 0.0457 19.201 8.87 84.011 0.7181(逆行) 27 [136]
8 海王星 24,764 1.0241×1026 1.769 0.0113 30.047 11.15 164.79 0.6712 14 [137]

彗星

ハレー彗星(1986年撮影)

彗星英語: Comet)は多くの場合、直径が数km程度で、主に氷などの揮発性物質から出来たと、2種類のから成る。楕円軌道で公転しており、近日点は内太陽系、遠日点は冥王星よりも遠方に位置している事が多い。彗星が太陽に接近すると、核の表面にある氷が昇華してイオン化し、コマが形成される。そこから尾やガスが放出され、はっきりと観測出来るようになり、中には肉眼で観望出来るほどまでに明るくなるケースもある。

公転周期が200年未満の彗星は短周期彗星と呼ばれ、一方で長周期彗星と呼ばれる彗星は、何千年もかけて太陽を公転しているものもある。短周期彗星は、小惑星帯やカイパーベルトを起源にしているものが多いが、ヘール・ボップ彗星のような長周期彗星はオールトの雲が起源であるとされている。また、クロイツ群を始めとする多くの彗星群は、1つの彗星がいくつもの破片に分裂して形成されたと考えられている[138]双曲線軌道を持つ非周期彗星の中には、太陽系外に由来するものもあるとされているが、正確な計算は困難である[139]。太陽の熱によって、核表面の揮発性物質がほとんど無くなった古い彗星は、小惑星に分類される事もある[140]

太陽系外縁部

海王星軌道のさらに外側は太陽系外縁部英語: Trans-Neptunian region)と呼ばれ、エッジワース・カイパーベルトや、冥王星を含むいくつかの準惑星、散乱円盤天体などが存在しているが、ほとんどの領域ではまだ詳しい探査が行われていない。氷と岩石で構成された小天体が数千個存在しているとされているが、最大クラスの天体でも、大きさは地球の5分の1で、質量は月よりもずっと軽いとされている。この領域は、内太陽系、外太陽系に次ぐ、「太陽系の第3の領域」として扱われる事もある[141]

カイパーベルト

知られている太陽系外縁天体の位置
      太陽
      木星のトロヤ群
      惑星
      太陽系外縁天体
      散乱円盤天体
      海王星のトロヤ群
地球月カロンカロンニクスニクスケルベロスケルベロスステュクスステュクスヒドラヒドラ冥王星冥王星ディスノミアディスノミアエリスエリスナマカナマカヒイアカヒイアカハウメアハウメアマケマケマケマケMK2MK2S/(225088) 1S/(225088) 1GonggongGonggongウェイウォットウェイウォットクワオアークワオアーセドナセドナヴァンスヴァンスオルクスオルクスActaeaActaeaサラキアサラキア2002 MS42002 MS4ファイル:10 Largest Trans-Neptunian objects (TNOS).png
冥王星エリスマケマケハウメアGonggongセドナクワオアーオルクス2002 MS4サラキアの大きさの比較

エッジワース・カイパーベルト英語: Edgeworth-Kuiper belt)またはカイパーベルトは、小惑星帯に似た、リング状に小天体(太陽系外縁天体・カイパーベルト天体)が集まった領域だが、主に氷で形成されている[142]。太陽から30~50au離れた領域に分布している。数十から数千個の準惑星サイズのものも存在すると見られているが、その多くは太陽系小天体から成る。クワオアーヴァルナオルクスといった大型の太陽系外縁天体は、さらに多くのデータが集まれば、それを基に準惑星に分類される可能性がある。直径が50kmを超える太陽系外縁天体はカイパーベルト内に10万個以上存在すると推定されているが、総質量は地球の100分の1から1000分の1にも満たないと考えられている[39]。多くの太陽系外縁天体は衛星を持っており[143]、黄道面から大きく傾いた軌道を描いている[144]。カイパーベルトでは、これまでに約1,400個の太陽系外縁天体が発見されている[145]

太陽系外縁天体は、古典的カイパーベルト天体と軌道共鳴状態にあるものの2つに大きく区別する事が出来る。軌道共鳴の対象となる惑星は海王星で、例えば、海王星が3回公転する間に、2回公転するような天体が後者に挙げられる。前者の古典的カイパーベルト天体は、海王星と軌道共鳴を起こしておらず、太陽から約39.4~47.7au離れた領域に分布している[146]。この古典的カイパーベルト天体はキュビワノ族とも呼ばれ、この分類の太陽系外縁天体として初めて発見されたのはアルビオン(1992 QB1)で、全体的に軌道離心率が低い軌道を描く[147]

冥王星とカロン

準惑星の冥王星英語: Pluto)は既知の太陽系外縁天体の中では最大の天体である。1930年に発見され、それ以降は「太陽系の第9惑星」とされたが、2006年に国際天文学連合による惑星の定義の決定により、準惑星に降格となった[148][149]。冥王星は楕円軌道で太陽を公転しており、近日点では太陽から29.6auまで近づき、遠日点では49.3auまで遠ざかる[150]。軌道は黄道面から約17.1度傾いている。海王星とは3:2の軌道共鳴状態にあり、この冥王星と似た軌道を描く太陽系外縁天体は冥王星族と呼ばれる[151]

冥王星最大の衛星であるカロンは、その大きさが故に、冥王星と共に連星系を成していると表現される事もある。カロンの他にも、冥王星はステュクスニクスケルベロスヒドラと呼ばれる、カロンと比べてはるかに小さな4つの衛星を持つ事が知られている。

マケマケとハウメア

マケマケ英語: Makemake)は冥王星よりも小さいが、知られている古典的カイパーベルト天体の中では最も大きい天体とされている。また、太陽系外縁天体の中では、冥王星に次いで明るい。2008年に準惑星に分類され、現在の名称が公式に付与された[14][152]。軌道は冥王星よりもはるかに傾いており、軌道傾斜角は29度にもなる[153]

ハウメア英語: Haumea)は、マケマケと同じような軌道を公転しているが、海王星と7:12の軌道共鳴の関係にある[154]。大きさはマケマケと同程度で、2つの衛星を持っている。自転周期が3.9時間しかないため、地形は平らで、細長い形状になっている[155]。マケマケ同様に、2008年に準惑星に分類され、現在の名称が公式に付与された[156]

散乱円盤天体

カイパーベルトと重なっているものもあるが、基本的にそのはるか外側にまで広がっている散乱円盤英語: Scattered disk)は、短周期彗星の起源であるとされている。この散乱円盤は、太陽系形成時に、巨大惑星の移動によって不規則な軌道となって外側に放り出されたとされている。それを構成している散乱円盤天体英語: Scattered disk object、SDO)のほとんどは、カイパーベルトよりもはるか遠くに分布しており、太陽から150au以上離れているものが多い。散乱円盤天体もまた、太陽系外縁天体と同様に、黄道面から傾いた軌道を描いており、中にはほぼ垂直にまで傾いているものもある。一部の天文学者は、散乱円盤とカイパーベルトのもう1つの領域とみなして、散乱円盤天体を「散乱した太陽系外縁天体」としている[157]。一方で、ケンタウルス族を「内側に散乱した太陽系外縁天体」、散乱円盤を「外側に散乱した太陽系外縁天体」としている場合もある[158]

エリス

エリス英語: Eris)は、現在知られている散乱円盤天体の中では最も大きい。質量は冥王星よりも25%大きく[159]、大きさもほぼ同等だったため、惑星の定義に関する議論の発端となった。現在、準惑星に分類されている最大の天体でもある。ディスノミアと呼ばれる衛星を持つ。冥王星と同様に、黄道面からいた楕円軌道で太陽を公転しており、近日点は太陽から37.8auで、遠日点では97.5auまで遠ざかる[160]

太陽系の果て

太陽から、最も近い恒星までを対数スケールで表した図(単位はau)

太陽系と星間空間の境界は、太陽風の及ぶ範囲とするものと、太陽の重力による影響が及ぶ範囲とするものの2つがあり、正確には定義されていない。太陽風は冥王星までの距離の約4倍離れた位置まで広がっており、太陽圏(ヘリオスフィア)を成しており、その外縁にあたるヘリオポーズを超えると、星間空間になるとされている[87]。太陽の重力圏の有効範囲(ヒル球)は、理論上では後述のオールトの雲を超えて、太陽-冥王星間の約1,000倍まで広がっているとされている[161]

太陽圏

星間空間内を移動する太陽圏の模式図

太陽圏英語: Heliosphere)は、恒星風バブルの一つで、約400km/sで星間空間に向かって放射される太陽風が形成している。

太陽風と星間物質の衝突はtermination shock[訳語疑問点]と呼ばれる衝撃で引き起こされ、太陽から約80~100au離れると、太陽風の移動速度が減速を始め(末端衝撃波面)、約200au離れると、星間物質の強さが太陽風を上回るようになり、やがて星間空間となる[162]。この領域にまで達すると、太陽風は急速に減速、凝縮するようになり[162]ヘリオシースと呼ばれる楕円状の構造を形成している。この構造は彗星の尾のように伸びているとされている。しかし、土星探査機カッシーニIBEXによる観測結果から、星間磁場の作用によって、太陽圏が楕円形ではなく、球形になっている可能性が示唆されている[163][164]

太陽圏の外縁、星間空間との境界に当たる領域はヘリオポーズ英語: Heliopause)と呼ばれる[87]ボイジャー1号ボイジャー2号はそれぞれ、太陽から94auと84au離れた位置でヘリオシースを突破しており[165][166]、2012年8月には、ボイジャー1号がヘリオポーズを通過し、人工物としては初めて、太陽圏外にまで到達した[167][168]

太陽圏の形状は、星間空間との流体力学的相互作用と太陽の磁場の影響で決まる可能性が高く、例えば、黄道面に対して北半球側は、南半球側よりも約9au遠方まで広がっている[162]。ヘリオポーズを超えて、太陽から約230au離れた領域は、銀河系の中を太陽系が進む事で、星間空間と太陽圏の間にバウショック(衝撃波面)と呼ばれる構造が形成されている[169]。しかし2012年には、太陽系が星間空間内を進む速度が想定よりも遅い事が判明し、太陽系にバウショックは存在しない可能性が示されている[170]

太陽系の構造を縮小した図
  • 内太陽系と木星
  • 外太陽系と冥王星
  • セドナ(分離天体)
  • オールトの雲内部

観測データが乏しいため、太陽圏の宇宙放射線の遮断率、太陽圏の外縁部の詳しい状態など、よく分かっていない点も多い。NASAの探査機ボイジャーは、ヘリオポーズを通過する際、放射線量と太陽風に関する貴重なデータを地球に送信する事が期待されている[171]。現在、NASAが資金を提供している開発グループは、太陽圏外縁部に、プローブを送り込むVision Mission計画を構想している[172][173]

分離天体

セドナ英語: Sedna)と呼ばれる小惑星は、近日点でも太陽から76auも離れており、遠日点では937auにまで遠ざかる。そのあまりにも大きな軌道のため、公転するのに約11,400年もの時間を要する[174]。2003年にこの天体を発見したマイク・ブラウンは、近日点が太陽から遠すぎるため、海王星の移動による影響を受けておらず、太陽系外縁天体や散乱円盤天体にも属さない天体だと主張している。他の天文学者も、セドナは初めて発見された、全く新しい分類に属する天体だとしており、こうした天体を分離天体英語: Detached object、DDO)と呼んでいる。この分類には、セドナの他に、近日点距離45au、遠日点距離415au、公転周期3,420年の2000 CR105英語版も含まれる可能性があるとされた[175]。太陽から遠く離れているが、他の天体と同様の過程で形成されたとしているため、ブラウンは、こうした天体の集団を内オールトの雲と呼称している[176]。セドナは準惑星の候補に挙げられているが、まだその詳しい形状は明らかになっていない。2012年には、セドナよりも遠い、約80auの近日点距離を持つ小惑星2012 VP113が発見された。一方で、遠日点距離は400~500auと、セドナの約半分しかない[177][178]

オールトの雲

オールトの雲の模式図

オールトの雲英語: Oort Cloud)は、太陽から約50,000au(約1光年)離れた領域で球状に太陽系を取り囲んでいる、約1兆個以上の小天体から成る仮想上の構造で、全ての長周期彗星の起源とされている。最大で約100,000au(約1.87光年)遠方にまで及んでいる可能性も示されている。オールトの雲を構成している小天体は、外惑星系との重力相互作用によって、太陽系内部から、この軌道にまで追いやられた彗星から出来ているされている。オールトの雲の小天体は、非常に低速で移動しており、衝突や近傍の恒星による重力効果、銀河潮汐、銀河系からの潮汐力などの稀な事象で錯乱される可能性がある[179][180]

太陽系の境界

太陽系にはまだよく知られていない、未知な点も多い。太陽の重力は約125,000au(約2光年)遠方にまで及んでいると推定されているが、それに対して、オールトの雲以遠にある天体は発見されていない[181]。また、カイパーベルトとオールトの雲の間を公転する、セドナのような天体も事実上、ほとんど知られていない。一方で、太陽と水星の間を公転する天体の有無について研究が進められている[182]。このような、太陽系内における観測が進んでいない領域では、未知の天体が存在している可能性が残されている。

現在、知られている中で、最も太陽から遠ざかる天体はウェスト彗星で、遠日点距離は約70,000auにもなり[183]、オールトの雲に対する理解を深める手がかりになるかもしれない。

銀河系における太陽系

Position of the Solar System within the Milky Way
銀河系における太陽系の位置(黄矢印)

太陽系は、約1,000億個の恒星を含む、直径10万光年の銀河系(天の川銀河)に位置している[184]。その中でも、太陽系は、銀河系のスパイラル・アーム(渦状腕)の一つであるオリオン腕に属している[185]。中心からは25,000~28,000光年離れており[10]、約2億2500万~2億5000万年(1銀河年)かけて銀河系を公転しているとされている[11]。星間空間を進む太陽系が進んでいる方向(太陽向点)は現在、ヘルクレス座の方向で、1等星の中では、こと座ベガがそれに最も近い[186]。太陽系の黄道面は、銀河系の銀河面に対して約60傾いている[注 11]

銀河系における太陽系の位置は、地球上の生物の進化の歴史に大きな影響を与えたとされている。太陽は、ほぼ円形で銀河系で公転しており、また太陽系周辺は、周辺のスパイラル・アームと近い速度で移動しているため、太陽系は滅多にスパイラル・アームを通過しない[188][189]。スパイラル・アーム内は、高頻度の超新星爆発、不安定な重力、太陽系に大きな影響を与える宇宙放射線などがあるため、この中に位置していない地球は、長い期間に渡って生物が安定して存在する事が出来た[188]。また、太陽系は、恒星が密集している中心部のバルジからも離れている。バルジ付近では、近くの恒星からの重力の影響を受けて、オールトの雲が安定せず、太陽系内部に散乱され、地球上の生物に天体衝突による潜在的な危険性が伴う。また、飛び交う放射線が、生物の進化を妨げる可能性もある[188]

近隣の恒星

太陽圏を超えた先には、様々な気体から成る星間雲がある。現在、太陽系は局所恒星間雲の中を移動している。

太陽系は現在、局所恒星間雲(局所けば、英語: Local Interstellar Clouds)と呼ばれる領域にある。しかし、局所恒星間雲はGクラウド英語版と呼ばれる星間雲と隣接しているが、太陽系が局所恒星間雲に属しているか、あるいは局所恒星間雲とGクラウドが相互作用する領域に位置しているかは分かっていない[190][191]。局所恒星間雲は、局所泡英語: Local Bubble)と呼ばれる、星間物質がまばらな直径約300光年の空間にある、星間物質が濃い領域である。局所泡は、高温のプラズマで満たされており、これは局所泡が超新星爆発によって形成された可能性を示している[192]

太陽系から10光年以内の領域には、いくつかの恒星が存在している。最も近い恒星は、約4.4光年離れた三重連星系のケンタウルス座α星である。ケンタウルス座α星A、Bは太陽に比較的似た恒星で、それから0.2光年離れた軌道をプロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座α星C)が公転している。2016年には、このプロキシマ・ケンタウリを公転する惑星、プロキシマ・ケンタウリbの存在が確認され、地球に似た環境を持つ可能性がある惑星として期待されている[193][194]。次に太陽系に近い恒星として、赤色矮星バーナード星(5.9光年)、ウォルフ359(7.8光年)、ラランド21185(8.3光年)がこれに続く。

近隣にある恒星で最も大きいのはシリウスで、約8.6光年離れている。約2倍の質量を持つA型主系列星で、白色矮星の伴星シリウスBが周囲を公転している。10光年以内にある、既知で最も近い褐色矮星は、2つの褐色矮星の連星系であるWISE J104915.57-531906.1(ルーマン16)で、約6.6光年離れている[195]。10光年以内にある恒星としては、他にルイテン726-8(8.7光年)とロス154(9.7光年)がある[196]。約10.5光年離れているエリダヌス座ε星は、大きな塵円盤を持つ事が確認されている[197]。太陽系に最も近い、太陽に類似した恒星は、約11.9光年離れた位置にあるくじら座τ星である。太陽の約80%の質量と、約60%の明るさを持ち[198]、4つの惑星が周囲を公転している[199]。既知で最も太陽系に近い自由浮遊惑星は、約7.3光年離れているWISE J085510.83-071442.5で、質量は木星の10倍未満とされている[200]

観測可能な宇宙における地球の位置を示した図

太陽系外惑星系との比較

惑星の軌道面がほぼ揃っているケプラー30系の想像図。こうした軌道面が揃った惑星系は、太陽系外では珍しいとされている。
太陽系外惑星の質量(縦軸)と公転周期・軌道長半径(横軸)を表したグラフ。図下部の水星(☿)よりも恒星に近い惑星が多い事が分かる。

太陽系が他の惑星系と異なる点として、水星よりも内側で、太陽に非常に近い軌道を公転している惑星が存在していない点が挙げられる[201][202]。一方で太陽系外惑星では、ホット・ジュピターなどの、恒星に非常に近い軌道を公転する惑星が多く知られている。また、地球と海王星の中間の規模を持った、スーパーアースと呼ばれる天体も太陽系内では知られておらず、小型の岩石惑星と、大型の巨大ガス惑星しか存在していない(しかし、未確認のプラネット・ナインがこれに該当する可能性がある)[201]。太陽系外惑星系では、こうしたスーパーアースが存在しているのが典型的で、また、水星よりも恒星の近くを公転している場合が多い[201]。多くの惑星系では形成初期、惑星同士は軌道が近かったため、衝突を繰り返して、質量が大きないくつかの惑星が形成されたが、太陽系では、この衝突によって惑星が破壊されたり、系外に放出されたりしたため、このような違いが生じた可能性が示されている[203][204]

また、太陽系は全ての惑星の軌道離心率が低く、ほぼ円形の軌道を公転している[201]。一方で太陽系外で、こうした軌道を描く惑星系は珍しく、極端な楕円軌道を描くエキセントリック・プラネットと呼ばれる惑星も数多く知られている。

しかし、近年の観測技術の向上に伴い、スーパーアースよりも小さな地球サイズの惑星、グリーゼ676A系やケプラー90系などの、構造が太陽系に似た惑星系も発見されるようになり、太陽系は数ある惑星系のパターンの一つに過ぎないと考えられるようになっている[205]

太陽系を扱った作品

脚注

注釈

  1. ^ 太陽が太陽系の99.86%の質量を占めているとして計算。
  2. ^ この世に「太陽系」はひとつしかないので、固有名詞的な扱いをされ、その場合、英語では名詞それぞれを大文字にする。
  3. ^ 惑星を公転する衛星は、後者に当てはまる
  4. ^ 歴史上では、1930年に発見された冥王星などの天体が惑星に分類されていた事もあった。惑星の定義も参照。
  5. ^ 太陽と惑星以外で、水星よりも大きいのは木星の衛星ガニメデと土星の衛星タイタンである。
  6. ^ a b c According to IAU definitions, objects orbiting the Sun are classified dynamically and physically into three categories: planets, dwarf planets, and small Solar System bodies.
    • A planet is any body orbiting the Sun whose mass is sufficient for gravity to have pulled it into a (near-)spherical shape and that has cleared its immediate neighbourhood of all smaller objects. By this definition, the Solar System has eight planets: Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, and Neptune. Because it has not cleared its neighbourhood of other Kuiper belt objects, Pluto does not fit this definition.[13]
    • A dwarf planet is a body orbiting the Sun that is massive enough to be made near-spherical by its own gravity but that has not cleared planetesimals from its neighbourhood and is also not a satellite.[13] Pluto is a dwarf planet and the IAU has recognized four other dwarf planets in the Solar System: Ceres, Haumea, Makemake, and Eris.[14] Other objects commonly (but not officially) treated as dwarf planets include 2007 OR10, Sedna, Orcus, and Quaoar.[15] In a reference to Pluto, other dwarf planets orbiting in the trans-Neptunian region are sometimes called "plutoids".[16]
    • The remaining objects orbiting the Sun are known as small Solar System bodies.[13]
  7. ^ 8つの惑星と5つの準惑星の自然衛星の一覧については太陽系の衛星の一覧を参照。
  8. ^ a b The mass of the Solar System excluding the Sun, Jupiter and Saturn can be determined by adding together all the calculated masses for its largest objects and using rough calculations for the masses of the Oort cloud (estimated at roughly 3 Earth masses),[38] the Kuiper belt (estimated at roughly 0.1 Earth mass)[39] and the asteroid belt (estimated to be 0.0005 Earth mass)[40] for a total, rounded upwards, of ~37 Earth masses, or 8.1% of the mass in orbit around the Sun. With the combined masses of Uranus and Neptune (~31 Earth masses) subtracted, the remaining ~6 Earth masses of material comprise 1.3% of the total orbiting mass.
  9. ^ この年齢の値は、現在までに発見されている最も古い隕石に含まれていた含有物から算出された「45億6820万+20万
    −40万
    年」という値に基づいており、収縮する分子雲の中で初めて固体物質が形成された頃とされている[63]
  10. ^ a b 赤道での値
  11. ^ If is the angle between the north pole of the ecliptic and the north galactic pole then:

    where = 27° 07′ 42.01″ and = 12h 51m 26.282 are the declination and right ascension of the north galactic pole,[187] whereas = 66° 33′ 38.6″ and = 18h 0m 00 are those for the north pole of the ecliptic. (Both pairs of coordinates are for J2000 epoch.) The result of the calculation is 60.19°.

出典

  1. ^ Mike Brown (23 August 2011). “Free the dwarf planets!”. Mike Brown's Planets. 2018年6月17日閲覧。
  2. ^ 惑星の衛星数・衛星一覧”. 国立天文台. 2018年6月17日閲覧。
  3. ^ How Many Solar System Bodies”. NASA/JPL Solar System Dynamics. 2018年6月17日閲覧。
  4. ^ Wm. Robert Johnston (2018年4月12日). “Asteroids with Satellites”. Johnston's Archive. 2018年6月25日閲覧。
  5. ^ a b Latest Published Data”. Minor Planet Center. IAU. 2018年6月25日閲覧。
  6. ^ Ramirez, Ramses; Kaltenegger, Lisa (2017). “A Volcanic Hydrogen Habitable Zone”. The Astrophysical Journal Letters 837: L4. arXiv:1702.08618. Bibcode2017ApJ...837L...4R. doi:10.3847/2041-8213/aa60c8. 
  7. ^ HEC: Exoplanets Calculator”. University of Puerto Rico at Arecibo. Planetary Habitability Laboratory. 2018年6月17日閲覧。
  8. ^ a b Mumma, M. J.; Disanti, M. A.; Dello Russo, N.; Magee-Sauer, K.; Gibb, E.; Novak, R. (2003). “Remote infrared observations of parent volatiles in comets: A window on the early solar system”. Advances in Space Research 31 (12): 2563–2575. Bibcode2003AdSpR..31.2563M. doi:10.1016/S0273-1177(03)00578-7. 
  9. ^ Data From NASA's Voyager 1 Point to Interstellar Future”. NASA (2012年6月14日). 2018年6月17日閲覧。
  10. ^ a b Eisenhauer, F. (2003). “A Geometric Determination of the Distance to the Galactic Center”. The Astrophysical Journal 597 (2): L121–L124. arXiv:astro-ph/0306220. Bibcode2003ApJ...597L.121E. doi:10.1086/380188. 
  11. ^ a b Leong, Stacy (2002年). “Period of the Sun's Orbit around the Galaxy (Cosmic Year)”. The Physics Factbook. 2018年6月17日閲覧。
  12. ^ a b c ニュートン (別2009)、1章 太陽系とは、pp.18-19 太陽のまわりには八つの惑星が存在する
  13. ^ a b c “The Final IAU Resolution on the definition of "planet" ready for voting”. International Astoronomial Union. (24 August 2006). オリジナルの7 January 2009時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090107044134/http://www.iau.org/iau0602.423.0.html 2018年6月17日閲覧。 
  14. ^ a b Dwarf Planets and their Systems”. Working Group for Planetary System Nomenclature (WGPSN). U.S. Geological Survey (2008年11月7日). 2018年6月17日閲覧。
  15. ^ Ron Ekers. “IAU Planet Definition Committee”. International Astronomical Union. 3 June 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  16. ^ “Plutoid chosen as name for Solar System objects like Pluto”. International Astronomical Union. (11 June 2008). オリジナルの13 June 2008時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080613121232/http://www.iau.org/public_press/news/release/iau0804/ 2018年6月17日閲覧。 
  17. ^ The PI's Perspective” (2012年8月24日). 2014年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。 “Today we know of more than a dozen dwarf planets in the solar system”
  18. ^ WC Rufus (1923). “The astronomical system of Copernicus”. Popular Astronomy 31: 510. Bibcode1923PA.....31..510R. 
  19. ^ Weinert, Friedel (2009). Copernicus, Darwin, & Freud: revolutions in the history and philosophy of science. Wiley-Blackwell. p. 21. ISBN 978-1-4051-8183-9 
  20. ^ Eric W. Weisstein (2006年). “Galileo Galilei (1564–1642)”. Wolfram Research. 2018年6月25日閲覧。
  21. ^ Discoverer of Titan: Christiaan Huygens”. ESA Space Science (2005年). 2018年6月25日閲覧。
  22. ^ Giovanni Domenico Cassini (June 8, 1625–September 14, 1712)”. SEDS.org. 2018年6月25日閲覧。
  23. ^ Comet Halley”. University of Tennessee. 2018年6月25日閲覧。
  24. ^ Etymonline: Solar System”. 2018年6月25日閲覧。
  25. ^ Herschel, Sir William (1738–1822)”. enotes.com. 2006年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月25日閲覧。
  26. ^ Discovery of Ceres: 2nd Centenary, January 1, 1801–January 1, 2001”. astropa.unipa.it (2000年). 2018年6月25日閲覧。
  27. ^ 発見から“一周”年、海王星の歴史を振り返る”. AstroArts (2011年7月12日). 2018年6月25日閲覧。
  28. ^ a b J. J. O'Connor and E. F. Robertson (1996年). “Mathematical discovery of planets”. St. Andrews University. 2018年6月25日閲覧。
  29. ^ Tombaugh, Clyde W. (1946). “The Search for the Ninth Planet, Pluto”. Astronomical Society of the Pacific Leaflets 5: 73–80. Bibcode1946ASPL....5...73T. 
  30. ^ Jane X. Luu and David C. Jewitt (2002年). “KUIPER BELT OBJECTS: Relics from the Accretion Disk of the Sun”. Massachusetts Institute of Technology, University of Hawaii. 2018年6月25日閲覧。
  31. ^ Minor Planet Center. “List of Trans-Neptunian Objects”. 2010年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月25日閲覧。
  32. ^ Eris (2003 UB313)”. Solstation.com (2006年). 2018年6月25日閲覧。
  33. ^ Donald Savage; Michael Mewhinney (2003年2月25日). “Farewell Pioneer 10”. NASA. 2018年6月25日閲覧。
  34. ^ Sputnik 1”. NASA. 2018年6月25日閲覧。
  35. ^ Randy Culp (2002年). “Time Line of Space Exploration”. 2006年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月25日閲覧。
  36. ^ New Horizons NASA's Pluto-Kuiper Belt Mission” (2006年). 2018年6月25日閲覧。
  37. ^ M Woolfson (2000). “The origin and evolution of the solar system”. Astronomy and Geophysics 41 (1): 1.12. Bibcode2000A&G....41a..12W. doi:10.1046/j.1468-4004.2000.00012.x. 
  38. ^ Alessandro Morbidelli (2005). "Origin and dynamical evolution of comets and their reservoirs". arXiv:astro-ph/0512256 {{cite arXiv}}: |class=は無視されます。 (説明)
  39. ^ a b The Solar System Beyond The Planets” (PDF). Institute for Astronomy, University of Hawaii (2006年). 2007年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  40. ^ a b Krasinsky, G. A.; Pitjeva, E. V.; Vasilyev, M. V.; Yagudina, E. I. (2002). “Hidden Mass in the Asteroid Belt”. Icarus 158 (1): 98–105. Bibcode2002Icar..158...98K. doi:10.1006/icar.2002.6837. 
  41. ^ Levison, H. F.; Morbidelli, A. (27 November 2003). “The formation of the Kuiper belt by the outward transport of bodies during Neptune's migration”. Nature 426 (6965): 419–421. Bibcode2003Natur.426..419L. doi:10.1038/nature02120. PMID 14647375. http://www.nature.com/nature/journal/v426/n6965/abs/nature02120.html. 
  42. ^ Harold F. Levison; Martin J Duncan (1997). “From the Kuiper Belt to Jupiter-Family Comets: The Spatial Distribution of Ecliptic Comets”. Icarus 127 (1): 13–32. Bibcode1997Icar..127...13L. doi:10.1006/icar.1996.5637. 
  43. ^ Grossman, Lisa (2009年8月13日). “Planet found orbiting its star backwards for first time”. New Scientist. 2018年6月17日閲覧。
  44. ^ An Overview of the Solar System”. nineplanets.org. 2018年6月17日閲覧。
  45. ^ Amir Alexander (2006年). “New Horizons Set to Launch on 9-Year Voyage to Pluto and the Kuiper Belt”. The Planetary Society. 22 February 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  46. ^ a b Marochnik, L.; Mukhin, L. (1995). "Is Solar System Evolution Cometary Dominated?". In Shostak, G. S. (ed.). Progress in the Search for Extraterrestrial Life. Astronomical Society of the Pacific Conference Series. Vol. 74. p. 83. ISBN 0-937707-93-7 {{cite conference}}: 不明な引数|lastauthoramp=は無視されます。(もしかして:|name-list-style=) (説明)
  47. ^ Bi, S. L.; Li, T. D.; Li, L. H.; Yang, W. M. (2011). “Solar Models with Revised Abundance”. The Astrophysical Journal 731 (2): L42. arXiv:1104.1032. Bibcode2011ApJ...731L..42B. doi:10.1088/2041-8205/731/2/L42. 
  48. ^ The Sun's Vital Statistics”. Stanford Solar Center. 2018年6月17日閲覧。, citing Eddy, J. (1979). A New Sun: The Solar Results From Skylab. NASA. p. 37. NASA SP-402. https://history.nasa.gov/SP-402/contents.htm 
  49. ^ a b David R. Williams. “Jupiter Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  50. ^ a b David R. Williams. “Saturn Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  51. ^ Paul Robert Weissman; Torrence V. Johnson (2007). Encyclopedia of the solar system. Academic Press. p. 615. ISBN 0-12-088589-1 
  52. ^ a b Podolak, M.; Weizman, A.; Marley, M. (December 1995). “Comparative models of Uranus and Neptune”. Planetary and Space Science 43 (12): 1517–1522. Bibcode1995P&SS...43.1517P. doi:10.1016/0032-0633(95)00061-5. 
  53. ^ Podolak, M.; Podolak, J. I.; Marley, M. S. (February 2000). “Further investigations of random models of Uranus and Neptune”. Planetary and Space Science 48 (2–3): 143–151. Bibcode2000P&SS...48..143 Check bibcode: length (help). doi:10.1016/S0032-0633(99)00088-4. 
  54. ^ Michael Zellik (2002). Astronomy: The Evolving Universe (9th ed.). Cambridge University Press. p. 240. ISBN 0-521-80090-0. OCLC 223304585 
  55. ^ Placxo, Kevin W.; Gross, Michael (2006). Astrobiology: a brief introduction. JHU Press. p. 66. ISBN 978-0-8018-8367-5. https://books.google.com/?id=2JuGDL144BEC&pg=PA66&dq=inventory+volatiles+hydrogen&q=inventory%20volatiles%20hydrogen 
  56. ^ Dawn: A Journey to the Beginning of the Solar System”. Space Physics Center: UCLA (2005年). 24 May 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  57. ^ Guy Ottewell (1989年). “The Thousand-Yard Model |subtitle Earth as a Peppercorn”. NOAO Educational Outreach Office. 2018年6月17日閲覧。
  58. ^ Luleå är Sedna. I alla fall om vår sol motsvaras av Globen i Stockholm.”. Norrbotten Kuriren (in Swedish). 15 July 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  59. ^ Sweden Solar System: Stationer” (Swedish). Sweden Solar System. 2018年6月17日閲覧。
  60. ^ Office of Space Science (9 July 2004). “Solar System Scale”. NASA Educator Features. 2018年6月17日閲覧。
  61. ^ ニュートン (別2009)、1章 太陽系とは、pp.26-27 太陽系のスケールを実感してみよう
  62. ^ W. M. Irvine (1983). "The chemical composition of the pre-solar nebula". In T. I. Gombosi (ed.) (ed.). Cometary Exploration. Vol. 1. pp. 3–12. {{cite conference}}: |editor=に無意味な名前が入力されています。 (説明)
  63. ^ Bouvier, A.; Wadhwa, M. (2010). “The age of the Solar System redefined by the oldest Pb–Pb age of a meteoritic inclusion”. Nature Geoscience 3 (9): 637–641. Bibcode2010NatGe...3..637B. doi:10.1038/NGEO941. 
  64. ^ a b c Lecture 13: The Nebular Theory of the origin of the Solar System”. University of Arizona. 2018年6月17日閲覧。
  65. ^ Irvine, W. M. (1983). "The chemical composition of the pre-solar nebula". Cometary exploration; Proceedings of the International Conference. Vol. 1. p. 3. Bibcode:1983coex....1....3I
  66. ^ ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.122-123 ガス円盤の中心で原始太陽が産声をあげた
  67. ^ Greaves, Jane S. (7 January 2005). “Disks Around Stars and the Growth of Planetary Systems”. Science 307 (5706): 68–71. Bibcode2005Sci...307...68G. doi:10.1126/science.1101979. PMID 15637266. 
  68. ^ Present Understanding of the Origin of Planetary Systems”. National Academy of Sciences (5 April 2000). 2018年6月16日閲覧。
  69. ^ 日経ナショナル ジオグラフィック、2.地球に近い仲間たち、pp.50-51 太陽系の形成
  70. ^ ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.124-125 100億個もの惑星の卵がつくられた
  71. ^ Boss, A. P.; Durisen, R. H. (2005). “Chondrule-forming Shock Fronts in the Solar Nebula: A Possible Unified Scenario for Planet and Chondrite Formation”. The Astrophysical Journal 621 (2): L137. arXiv:astro-ph/0501592. Bibcode2005ApJ...621L.137B. doi:10.1086/429160. 
  72. ^ ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、pp.128-129 円盤のガスはだんだんなくなっていった
  73. ^ Sukyoung Yi; Pierre Demarque; Yong-Cheol Kim; Young-Wook Lee; Chang H. Ree; Thibault Lejeune; Sydney Barnes (2001). “Toward Better Age Estimates for Stellar Populations: The Y2 Isochrones for Solar Mixture”. Astrophysical Journal Supplement 136 (2): 417–437. arXiv:astro-ph/0104292. Bibcode2001ApJS..136..417Y. doi:10.1086/321795. 
  74. ^ A. Chrysostomou; P. W. Lucas (2005). “The Formation of Stars”. Contemporary Physics 46 (1): 29–40. Bibcode2005ConPh..46...29C. doi:10.1080/0010751042000275277. 
  75. ^ a b c Schröder, K.-P.; Connon Smith, Robert (2008). “Distant future of the Sun and Earth revisited”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 386 (1): 155–163. arXiv:0801.4031. Bibcode2008MNRAS.386..155S. doi:10.1111/j.1365-2966.2008.13022.x. 
  76. ^ Nir J. Shaviv (2003). “Towards a Solution to the Early Faint Sun Paradox: A Lower Cosmic Ray Flux from a Stronger Solar Wind”. Journal of Geophysical Research 108 (A12): 1437. arXiv:astroph/0306477. Bibcode2003JGRA..108.1437S. doi:10.1029/2003JA009997. 
  77. ^ a b c ニュートン (別2009)、7章 太陽系の最期、pp.140-141 太陽は超巨大な赤い星に変化するという
  78. ^ Pogge, Richard W. (1997年). “The Once & Future Sun”. New Vistas in Astronomy. 27 May 2005時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  79. ^ Sun: Facts & Figures”. NASA. 2 January 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  80. ^ Woolfson, M. (2000). “The origin and evolution of the solar system”. Astronomy & Geophysics 41 (1): 12. Bibcode2000A&G....41a..12W. doi:10.1046/j.1468-4004.2000.00012.x. 
  81. ^ Why is visible light visible, but not other parts of the spectrum?”. The Straight Dome (2003年). 2018年6月17日閲覧。
  82. ^ Than, Ker (30 January 2006). “Astronomers Had it Wrong: Most Stars are Single”. Space.com. 2018年6月17日閲覧。
  83. ^ Smart, R. L.; Carollo, D.; Lattanzi, M. G.; McLean, B.; Spagna, A. (2001). "The Second Guide Star Catalogue and Cool Stars". In Hugh R. A. Jones; Iain A. Steele (eds.). Ultracool Dwarfs: New Spectral Types L and T. Springer. p. 119. Bibcode:2001udns.conf..119S
  84. ^ T. S. van Albada; Norman Baker (1973). “On the Two Oosterhoff Groups of Globular Clusters”. The Astrophysical Journal 185: 477–498. Bibcode1973ApJ...185..477V. doi:10.1086/152434. 
  85. ^ Charles H. Lineweaver (9 March 2001). “An Estimate of the Age Distribution of Terrestrial Planets in the Universe: Quantifying Metallicity as a Selection Effect”. Icarus 151 (2): 307–313. arXiv:astro-ph/0012399. Bibcode2001Icar..151..307L. doi:10.1006/icar.2001.6607. 
  86. ^ Solar Physics: The Solar Wind”. Marshall Space Flight Center (16 July 2006). 2018年6月16日閲覧。
  87. ^ a b c Voyager Enters Solar System's Final Frontier”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  88. ^ Phillips, Tony (15 February 2001). “The Sun Does a Flip”. NASA–Science News. 2009年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  89. ^ A Star with two North Poles”. NASA–Science News (22 April 2003). 2009年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  90. ^ Riley, Pete (2002). “Modeling the heliospheric current sheet: Solar cycle variations”. Journal of Geophysical Research 107. Bibcode2002JGRA.107g.SSH8R. doi:10.1029/2001JA000299. オリジナルの2009-08-14時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090814052347/http://ulysses.jpl.nasa.gov/science/monthly_highlights/2002-July-2001JA000299.pdf. 
  91. ^ Solar Wind blows some of Earth's atmosphere into space”. Science@NASA Headline News (8 December 1998). 2018年6月17日閲覧。
  92. ^ Lundin, Richard (2001). “Erosion by the Solar Wind”. Science 291 (5510): 1909. doi:10.1126/science.1059763. PMID 11245195. 
  93. ^ Langner, U. W.; M. S. Potgieter (2005). “Effects of the position of the solar wind termination shock and the heliopause on the heliospheric modulation of cosmic rays”. Advances in Space Research 35 (12): 2084–2090. Bibcode2005AdSpR..35.2084L. doi:10.1016/j.asr.2004.12.005. 
  94. ^ Long-term Evolution of the Zodiacal Cloud” (1998年). 29 September 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月16日閲覧。
  95. ^ ESA scientist discovers a way to shortlist stars that might have planets”. ESA Science and Technology (2003年). 2018年6月16日閲覧。
  96. ^ Landgraf, M.; Liou, J.-C.; Zook, H. A.; Grün, E. (May 2002). “Origins of Solar System Dust beyond Jupiter”. The Astronomical Journal 123 (5): 2857–2861. arXiv:astro-ph/0201291. Bibcode2002AJ....123.2857L. doi:10.1086/339704. http://astron.berkeley.edu/~kalas/disksite/library/ladgraf02.pdf. 
  97. ^ Schenk P., Melosh H. J. (1994), Lobate Thrust Scarps and the Thickness of Mercury's Lithosphere, Abstracts of the 25th Lunar and Planetary Science Conference, 1994LPI....25.1203S
  98. ^ Bill Arnett (2006年). “Mercury”. The Nine Planets. 2018年6月16日閲覧。
  99. ^ Benz, W.; Slattery, W. L.; Cameron, A. G. W. (1988). “Collisional stripping of Mercury's mantle”. Icarus 74 (3): 516–528. Bibcode1988Icar...74..516B. doi:10.1016/0019-1035(88)90118-2. 
  100. ^ Cameron, A. G. W. (1985). “The partial volatilization of Mercury”. Icarus 64 (2): 285–294. Bibcode1985Icar...64..285C. doi:10.1016/0019-1035(85)90091-0. 
  101. ^ ニュートン (別2009)、3章 地球型惑星、pp.58-59 水星の巨大な核はどうやってできた?
  102. ^ Mark Alan Bullock (1997) (PDF). The Stability of Climate on Venus. Southwest Research Institute. オリジナルの14 June 2007時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070614202751/http://www.boulder.swri.edu/~bullock/Homedocs/PhDThesis.pdf. 
  103. ^ Paul Rincon (1999年). “Climate Change as a Regulator of Tectonics on Venus” (PDF). Johnson Space Center Houston, TX, Institute of Meteoritics, University of New Mexico, Albuquerque, NM. 14 June 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  104. ^ What are the characteristics of the Solar System that lead to the origins of life?”. NASA Science (Big Questions). 2018年6月17日閲覧。
  105. ^ Anne E. Egger, M.A./M.S.. “Earth's Atmosphere: Composition and Structure”. VisionLearning.com. 2018年6月17日閲覧。
  106. ^ David C. Gatling; Conway Leovy (2007). “Mars Atmosphere: History and Surface Interactions”. In Lucy-Ann McFadden. Encyclopaedia of the Solar System. pp. 301–314 
  107. ^ David Noever (2004年). “Modern Martian Marvels: Volcanoes?”. NASA Astrobiology Magazine. 2018年6月17日閲覧。
  108. ^ Mars: A Kid's Eye View”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  109. ^ A Survey for Outer Satellites of Mars: Limits to Completeness” (PDF). Astronomical Journal (2004年). 2018年6月17日閲覧。
  110. ^ 火星の衛星は巨大天体衝突で形成可能、シミュレーションで解明”. AstroArts (2016年7月6日). 2018年6月17日閲覧。
  111. ^ Pascal Rosenblatt; Sébastien Charnoz; Kevin M. Dunseath; Mariko Terao-Dunseath; Antony Trinh; Ryuki Hyodo; Hidenori Genda; Stéven Toupin (2016). “Accretion of Phobos and Deimos in an extended debris disc stirred by transient moons”. Nature Geoscience 9: 581-583. doi:10.1038/ngeo2742. 
  112. ^ IAU Planet Definition Committee”. International Astronomical Union (2006年). 3 June 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  113. ^ Are Kuiper Belt Objects asteroids? Are large Kuiper Belt Objects planets?”. Cornell University. 3 January 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  114. ^ Petit, J.-M.; Morbidelli, A.; Chambers, J. (2001). “The Primordial Excitation and Clearing of the Asteroid Belt” (PDF). Icarus 153 (2): 338–347. Bibcode2001Icar..153..338P. doi:10.1006/icar.2001.6702. http://www.gps.caltech.edu/classes/ge133/reading/asteroids.pdf. 
  115. ^ New study reveals twice as many asteroids as previously believed”. ESA (2002年). 2018年6月17日閲覧。
  116. ^ History and Discovery of Asteroids” (DOC). NASA. 2018年6月17日閲覧。
  117. ^ (90) Antiope and S/2000 (90) 1”. Asteroids with Satellites Database--Johnston's Archive. 2018年6月17日閲覧。
  118. ^ Phil Berardelli (2006年). “Main-Belt Comets May Have Been Source of Earths Water”. SpaceDaily. 2018年6月16日閲覧。
  119. ^ Barucci, M. A.; Kruikshank, D.P.; Mottola S.; Lazzarin M. (2002). “Physical Properties of Trojan and Centaur Asteroids”. Asteroids III. Tucson, Arizona: University of Arizona Press. pp. 273–87 
  120. ^ Morbidelli, A.; Bottke, W. F.; Froeschlé, Ch.; Michel, P. (January 2002). W. F. Bottke Jr.. ed. “Origin and Evolution of Near-Earth Objects” (PDF). Asteroids III (University of Arizona Press): 409–422. Bibcode2002aste.conf..409M. http://www.boulder.swri.edu/~bottke/Reprints/Morbidelli-etal_2002_AstIII_NEOs.pdf. 
  121. ^ Formation of Giant Planets” (PDF). NASA Ames Research Center; California Institute of Technology (2006年). 26 March 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  122. ^ Pappalardo, R T (1999年). “Geology of the Icy Galilean Satellites: A Framework for Compositional Studies”. Brown University. 30 September 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  123. ^ Saturn – The Most Beautiful Planet of our solar system”. Preserve Articles (23 January 2011). 5 October 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  124. ^ Kargel, J. S. (1994). “Cryovolcanism on the icy satellites”. Earth, Moon, and Planets 67: 101–113. Bibcode1995EM&P...67..101K. doi:10.1007/BF00613296. 
  125. ^ Hawksett, David; Longstaff, Alan; Cooper, Keith; Clark, Stuart (2005). “10 Mysteries of the Solar System”. Astronomy Now 19: 65. Bibcode2005AsNow..19h..65H. 
  126. ^ Podolak, M.; Reynolds, R. T.; Young, R. (1990). “Post Voyager comparisons of the interiors of Uranus and Neptune”. Geophysical Research Letters 17 (10): 1737–1740. Bibcode1990GeoRL..17.1737P. doi:10.1029/GL017i010p01737. 
  127. ^ Duxbury, N. S., Brown, R. H. (1995年). “The Plausibility of Boiling Geysers on Triton”. Beacon eSpace. 26 April 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  128. ^ 日経ナショナル ジオグラフィック、3.小惑星帯を越えて、pp.174-175 トリトン
  129. ^ John Stansberry; Will Grundy; Mike Brown; Dale Cruikshank; John Spencer; David Trilling; Jean-Luc Margot (2007). "Physical Properties of Kuiper Belt and Centaur Objects: Constraints from Spitzer Space Telescope". The Solar System Beyond Neptune. p. 161. arXiv:astro-ph/0702538. Bibcode:2008ssbn.book..161S
  130. ^ Patrick Vanouplines (1995年). “Chiron biography”. Vrije Universitiet Brussel. 2 May 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  131. ^ David R. Williams. “Sun Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  132. ^ David R. Williams. “Mercury Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  133. ^ David R. Williams. “Venus Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  134. ^ David R. Williams. “Earth Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  135. ^ David R. Williams. “Mars Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  136. ^ David R. Williams. “Uranus Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  137. ^ David R. Williams. “Neptune Fact Sheet”. NASA. 2018年6月17日閲覧。
  138. ^ Sekanina, Zdeněk (2001). “Kreutz sungrazers: the ultimate case of cometary fragmentation and disintegration?”. Publications of the Astronomical Institute of the Academy of Sciences of the Czech Republic 89: 78–93. Bibcode2001PAICz..89...78S. 
  139. ^ Królikowska, M. (2001). “A study of the original orbits of hyperbolic comets”. Astronomy and Astrophysics 376 (1): 316–324. Bibcode2001A&A...376..316K. doi:10.1051/0004-6361:20010945. 
  140. ^ Whipple, Fred L. (1992). “The activities of comets related to their aging and origin”. Celestial Mechanics and Dynamical Astronomy 54: 1–11. Bibcode1992CeMDA..54....1W. doi:10.1007/BF00049540. 
  141. ^ Alan Stern (2015年). “Journey to the Solar System's Third Zone”. American Scientist. 2018年6月17日閲覧。
  142. ^ Stephen C. Tegler (2007). “Kuiper Belt Objects: Physical Studies”. In Lucy-Ann McFadden. Encyclopedia of the Solar System. pp. 605–620 
  143. ^ Brown, M. E.; Van Dam, M. A.; Bouchez, A. H.; Le Mignant, D.; Campbell, R. D.; Chin, J. C. Y.; Conrad, A.; Hartman, S. K. et al. (2006). “Satellites of the Largest Kuiper Belt Objects” (PDF). The Astrophysical Journal 639 (1): L43–L46. arXiv:astro-ph/0510029. Bibcode2006ApJ...639L..43B. doi:10.1086/501524. http://web.gps.caltech.edu/~mbrown/papers/ps/gab.pdf. 
  144. ^ Chiang, E. I; Jordan, A. B.; Millis, R. L.; Buie, M. W.; Wasserman, L. H.; Elliot, J. L.; Kern, S. D.; Trilling, D. E. et al. (2003). “Resonance Occupation in the Kuiper Belt: Case Examples of the 5:2 and Trojan Resonances” (PDF). The Astronomical Journal 126 (1): 430–443. arXiv:astro-ph/0301458. Bibcode2003AJ....126..430C. doi:10.1086/375207. http://www.boulder.swri.edu/~buie/biblio/pub047.pdf. 
  145. ^ 日経ナショナル ジオグラフィック、3.小惑星帯を越えて、pp.178-179 カイパー・ベルト
  146. ^ M. W. Buie; R. L. Millis; L. H. Wasserman; J. L. Elliot; S. D. Kern; K. B. Clancy; E. I. Chiang; A. B. Jordan et al. (2005). “Procedures, Resources and Selected Results of the Deep Ecliptic Survey”. Earth, Moon, and Planets 92 (1): 113–124. arXiv:astro-ph/0309251. Bibcode2003EM&P...92..113B. doi:10.1023/B:MOON.0000031930.13823.be. 
  147. ^ E. Dotto (2006年8月24日). “Beyond Neptune, the new frontier of the Solar System” (PDF). 2018年6月16日閲覧。
  148. ^ “IAU 2006 General Assembly: Result of the IAU Resolution votes”. International Astronomical Union. (2006年8月24日). オリジナルの2006年11月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20061107022302/http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0603/index.html 
  149. ^ 【速報】太陽系の惑星の定義確定”. AstroArts (2006年8月25日). 2018年6月17日閲覧。
  150. ^ (134340) Pluto, Charon, Nix, Hydra, Kerberos, and Styx”. Asteroids with Satellites Database--Johnston's Archive. 2018年6月17日閲覧。
  151. ^ Fajans, J.; L. Frièdland (2001). “Autoresonant (nonstationary) excitation of pendulums, Plutinos, plasmas, and other nonlinear oscillators” (PDF). American Journal of Physics 69 (10): 1096–1102. Bibcode2001AmJPh..69.1096F. doi:10.1119/1.1389278. オリジナルの7 June 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110607210435/http://ist-socrates.berkeley.edu/~fajans/pub/pdffiles/AutoPendAJP.pdf. 
  152. ^ News Release - IAU0806: Fourth dwarf planet named Makemake”. International Astronomical Union (2008年7月19日). 2018年6月17日閲覧。
  153. ^ Marc W. Buie (2008年4月5日). “Orbit Fit and Astrometric record for 136472”. SwRI (Space Science Department). 2018年6月17日閲覧。
  154. ^ Michael E. Brown. “The largest Kuiper belt objects” (PDF). Caltech. 2018年6月17日閲覧。
  155. ^ Agence France-Presse (2009年9月16日). “Astronomers get lock on diamond-shaped Haumea”. European Planetary Science Congress in Potsdam. News Limited. 2009年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  156. ^ News Release – IAU0807: IAU names fifth dwarf planet Haumea”. International Astronomical Union (2008年9月17日). 2018年6月17日閲覧。
  157. ^ David Jewitt (2005年). “The 1000 km Scale KBOs”. University of Hawaii. 2018年6月17日閲覧。
  158. ^ List of Centaurs and Scattered-Disk Objects”. IAU: Minor Planet Center. 2018年6月17日閲覧。
  159. ^ Brown, Michael E.; Schaller, Emily L. (2007). “The Mass of Dwarf Planet Eris”. Science 316 (5831): 1585. Bibcode2007Sci...316.1585B. doi:10.1126/science.1139415. PMID 17569855. 
  160. ^ JPL Small-Body Database Browser: 136199 Eris (2003 UB313)”. Jet Propulsion Laboratory. 2018年6月17日閲覧。
  161. ^ Littmann, Mark (2004). Planets Beyond: Discovering the Outer Solar System. Courier Dover Publications. pp. 162–163. ISBN 978-0-486-43602-9 
  162. ^ a b c Fahr, H. J.; Kausch, T.; Scherer, H. (2000). “A 5-fluid hydrodynamic approach to model the Solar System-interstellar medium interaction” (PDF). Astronomy and Astrophysics 357: 268. Bibcode2000A&A...357..268F. http://aa.springer.de/papers/0357001/2300268.pdf.  See Figures 1 and 2.
  163. ^ Cassini's Big Sky: The View from the Center of Our Solar System”. NASA (2009年). 2018年6月17日閲覧。
  164. ^ 太陽圏の形は伸びた彗星状ではなく球状かもしれない”. AstroArts (2017年5月1日). 2018年6月17日閲覧。
  165. ^ Stone, E. C.; Cummings, A. C.; McDonald, F. B.; Heikkila, B. C.; Lal, N.; Webber, W. R. (2005). “Voyager 1 explores the termination shock region and the heliosheath beyond”. Science 309 (5743): 2017–2020. Bibcode2005Sci...309.2017S. doi:10.1126/science.1117684. PMID 16179468. 
  166. ^ Stone, E. C.; Cummings, A. C.; McDonald, F. B.; Heikkila, B. C.; Lal, N.; Webber, W. R. (2008). “An asymmetric solar wind termination shock”. Nature 454 (7200): 71–74. Bibcode2008Natur.454...71S. doi:10.1038/nature07022. PMID 18596802. 
  167. ^ NASA Spacecraft Embarks on Historic Journey into Interstellar Space”. NASA (2013年9月12日). 2018年6月17日閲覧。
  168. ^ ボイジャー1号が太陽系圏を脱出 人工物で初”. CNN.co.jp (2013年9月13日). 2018年6月17日閲覧。
  169. ^ The Sun's Heliosphere & Heliopause”. Astronomy Picture of the Day. NASA (2002年6月24日). 2018年6月17日閲覧。
  170. ^ D. J. McComas (2012). “The Heliosphere’s Interstellar Interaction: No Bow Shock”. Science 336 (6086): 1291-1293. doi:10.1126/science.1221054. 
  171. ^ Voyager: Interstellar Mission”. NASA Jet Propulsion Laboratory (2007年). 2018年6月17日閲覧。
  172. ^ R. L. McNutt, Jr. (2006). "Innovative Interstellar Explorer". Physics of the Inner Heliosheath: Voyager Observations, Theory, and Future Prospects. AIP Conference Proceedings. Vol. 858. pp. 341–347. Bibcode:2006AIPC..858..341M. doi:10.1063/1.2359348
  173. ^ Anderson, Mark (2007年1月5日). “Interstellar space, and step on it!”. New Scientist. 2018年6月17日閲覧。
  174. ^ Horizons output. “Barycentric Osculating Orbital Elements for 90377 Sedna (2003 VB12)”. 2012年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  175. ^ David Jewitt (2004年). “Sedna – 2003 VB12”. University of Hawaii. 2018年6月17日閲覧。
  176. ^ Mike Brown (2004年). “Sedna”. Caltech. 2018年6月17日閲覧。
  177. ^ JPL Small-Body Database Browser: (2012 VP113)”. Jet Propulsion Laboratory. 2018年6月17日閲覧。
  178. ^ A new object at the edge of our Solar System discovered”. Physorg.com (2014年3月26日). 2018年6月17日閲覧。
  179. ^ Rapid collisional evolution of comets during the formation of the Oort cloud.”. Space Studies Department, Southwest Research Institute, Boulder, Colorado (2001年). 2018年6月17日閲覧。
  180. ^ Bill Arnett (2006年). “The Kuiper Belt and the Oort Cloud”. nineplanets.org. 2018年6月17日閲覧。
  181. ^ T. Encrenaz; JP. Bibring; M. Blanc; MA. Barucci; F. Roques; PH. Zarka (2004). The Solar System: Third edition. Springer. p. 1 
  182. ^ Durda D. D.; Stern S. A.; Colwell W. B.; Parker J. W.; Levison H. F.; Hassler D. M. (2004). “A New Observational Search for Vulcanoids in SOHO/LASCO Coronagraph Images”. Icarus 148: 312–315. Bibcode2000Icar..148..312D. doi:10.1006/icar.2000.6520. 
  183. ^ Horizons output. “Barycentric Osculating Orbital Elements for Comet C/1975 V1-A (West)”. 2018年6月17日閲覧。
  184. ^ English, J. (2000). "Exposing the Stuff Between the Stars" (Press release). Hubble News Desk. 2018年6月17日閲覧
  185. ^ R. Drimmel; D. N. Spergel (2001). “Three Dimensional Structure of the Milky Way Disk”. The Astrophysical Journal 556: 181–202. arXiv:astro-ph/0101259. Bibcode2001ApJ...556..181D. doi:10.1086/321556. 
  186. ^ C. Barbieri (2003年). “Elementi di Astronomia e Astrofisica per il Corso di Ingegneria Aerospaziale V settimana”. IdealStars.com. 14 May 2005時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  187. ^ Reid, M.J.; Brunthaler, A. (2004). “The Proper Motion of Sagittarius A*”. The Astrophysical Journal 616 (2): 883. arXiv:astro-ph/0408107. Bibcode2004ApJ...616..872R. doi:10.1086/424960. 
  188. ^ a b c Leslie Mullen (2001年5月18日). “Galactic Habitable Zones”. Astrobiology Magazine. 2018年6月17日閲覧。
  189. ^ O. Gerhard (2011). “Pattern speeds in the Milky Way”. Mem. S.A.It. Suppl. 18: 185. arXiv:1003.2489. Bibcode2011MSAIS..18..185G. 
  190. ^ Our Local Galactic Neighborhood, NASA, 5 June 2013
  191. ^ Into the Interstellar Void, Centauri Dreams, 5 June 2013
  192. ^ Near-Earth Supernovas”. NASA. 13 August 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月17日閲覧。
  193. ^ Anglada-Escudé, Guillem; Amado, Pedro J.; Barnes, John; Berdiñas, Zaira M.; Butler, R. Paul; Coleman, Gavin A. L.; de la Cueva, Ignacio; Dreizler, Stefan et al. (25 August 2016). “A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri” (英語). Nature 536 (7617): 437–440. arXiv:1609.03449. Bibcode2016Natur.536..437A. doi:10.1038/nature19106. ISSN 0028-0836. PMID 27558064. http://www.nature.com/nature/journal/v536/n7617/full/nature19106.html. 
  194. ^ Witze, Alexandra (2016年8月24日). “Earth-sized planet around nearby star is astronomy dream come true”. Nature: pp. 381–382. doi:10.1038/nature.2016.20445. http://www.nature.com/news/earth-sized-planet-around-nearby-star-is-astronomy-dream-come-true-1.20445 2018年6月17日閲覧。 
  195. ^ The Closest Star System Found in a Century”. PennState Eberly College of Science (2013年3月11日). 2018年6月17日閲覧。
  196. ^ Stars within 10 light years”. SolStation. 2018年6月17日閲覧。
  197. ^ Greaves, J. S.; Holland, W. S.; Moriarty-Schieven, G.; Jenness, T.; Dent, W. R. F.; Zuckerman, B.; McCarthy, C.; Webb, R. A. et al. (1998). “A dust ring around Epsilon Eridani: analog to the young Solar System”. The Astrophysical Journal 506 (2): L133–L137. arXiv:astro-ph/9808224. Bibcode1998ApJ...506L.133G. doi:10.1086/311652. 
  198. ^ Tau Ceti”. SolStation. 2018年6月17日閲覧。
  199. ^ Fabo Feng; Mikko Tuomi; John Barnes; Guillem Anglada-Escude; Steven S. Vogt; R. Paul Butler (7 August 2017). "Color difference makes a difference: four planet candidates around tau Ceti". arXiv:1708.02051 [astro-ph.EP]。 {{cite arXiv}}: |author3=が未入力です。 (説明); 不明な引数|auhtor3=は無視されます。(もしかして:|author3=) (説明); 不明な引数|bibcode=は無視されます。 (説明); 不明な引数|version=は無視されます。 (説明)
  200. ^ Discovery of a ~250 K Brown Dwarf at 2 pc from the Sun, K. L. Luhman 2014 ApJ 786 L18. doi:10.1088/2041-8205/786/2/L18
  201. ^ a b c d Rebecca G. Martin; Mario Livio (4 August 2015). "The Solar System as an Exoplanetary System". arXiv:1508.00931 [astro-ph.EP]。 {{cite arXiv}}: 不明な引数|bibcode=は無視されます。 (説明); 不明な引数|doi=は無視されます。 (説明); 不明な引数|version=は無視されます。 (説明)
  202. ^ How Normal is Our Solar System?, By Susanna Kohler on 25 September 2015
  203. ^ Kathryn Volk; Brett Gladman (27 May 2015). "Consolidating and Crushing Exoplanets: Did it happen here?". arXiv:1502.06558 [astro-ph.EP]。 {{cite arXiv}}: 不明な引数|bibcode=は無視されます。 (説明); 不明な引数|doi=は無視されます。 (説明); 不明な引数|version=は無視されます。 (説明)
  204. ^ Mercury Sole Survivor of Close Orbiting Planets, By Nola Taylor Redd - 8 June 2015
  205. ^ Anglada-Escudé, Guillem; Tuomi,Mikko (2012). A planetary system with gas giants and super-Earths around the nearby M dwarf GJ 676A. Optimizing data analysis techniques for the detection of multi-planetary systems. arXiv:1206.7118. Bibcode2012arXiv1206.7118A. 

関連文献

  • 編集長: 水谷仁『ニュートン別冊 太陽と惑星 改訂版』ニュートンプレス、2009年。ISBN 978-4-315-51859-7 
  • 監修: 渡辺潤一『ビジュアル宇宙大図鑑 太陽系から130億光年の果てまで』日経ナショナルジオグラフィック社、2013年。ISBN 978-4-86313-143-9 
  • 『最新宇宙論と天文学を楽しむ本―太陽系の謎からインフレーション理論まで (PHP文庫)』佐藤 勝彦 監修
  • 『星の地図館 太陽系大地図 (STAR ATLAS 21 星の地図館)』渡部潤一 著
  • 『太陽系惑星』ジャイルズ スパロウ 著、桃井 緑美子 翻訳

関連項目

外部リンク