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2018年1月29日 (月) 00:47時点における版
素晴らしき哉、人生! | |
---|---|
It's a Wonderful Life | |
監督 | フランク・キャプラ |
脚本 |
フランク・キャプラ フランセス・グッドリッチ アルバート・ハケット |
原作 |
フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン 『The Greatest Gift』 |
製作 |
リバティ・フィルムズ フランク・キャプラ |
出演者 |
ジェームズ・ステュアート ドナ・リード ライオネル・バリモア ヘンリー・トラヴァース |
音楽 | ディミトリ・ティオムキン |
撮影 |
ジョセフ・ウォーカー ジョセフ・バイロック |
編集 | ウィリアム・ホーンベック |
製作会社 | Liberty Films |
配給 | RKO |
公開 |
1946年12月20日 1954年2月6日 |
上映時間 | 130分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 2,857,000ドル |
興行収入 |
3,260,000ドル(北米配収) 1,000,000ドル(海外配収)[1] |
『素晴らしき哉、人生!』(すばらしきかな、じんせい!、It's a Wonderful Life)は、1946年のアメリカ映画。監督はフランク・キャプラ。
作品情報
フランク・キャプラ、ウィリアム・ワイラー、ジョージ・スティーブンスの3人が協力して設立したリバティ・ピクチャーズの第1号作品。
アメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「感動の映画ベスト100」では1位に、同協会の「アメリカ映画ベスト100」では11位にランクインしている。
2003年のAFI選定「ヒーローと悪役ベスト100」ではジョージ・ベイリーがヒーローの9位に、ポッターが悪役の6位にランクイン。
2008年のAFI選定「10ジャンルのトップ10」ではファンタジー部門3位にランクイン。
2014年のアメリカの大手映画批評サイトRotten Tomatoesが発表した「2014年版クリスマス映画ベスト25」には第1位にランクイン[2]。
これまでのキャプラ映画の集大成として1946年に公開するも、当時は興行的には惨敗。
1946年(第19回)のアカデミー賞では作品賞を含めた5部門にノミネートされるも、『我等の生涯の最良の年』や『ヘンリィ五世』の台頭により無冠に終わった。
アメリカでは不朽の名作として毎年末にTV放映されることから、それまでキャプラを知らなかった若い世代から再評価され、今ではクリスマスにこの映画が流れるのは定番となり、アメリカで最も親しまれた作品としてよく知られる映画である。現在、パブリックドメインとなっている。
アメリカではどの大学の映画学科でも、この映画を必ず見せて、学生の指針としている。
脚本はフィリップ・ヴァン・ドーレン・スターンの作品『The Greatest Gift』から着想を得たもの。
あらすじ
1945年のクリスマスイブ。ジョージ・ベイリー(ジェームズ・ステュアート)という男がニューヨークのベドフォード・フォールズという町で自殺を図ろうとしていた。周囲の人間の祈りが天国まで届き、翼をまだ持っていない二級天使のクレランス(ヘンリー・トラヴァース)が翼を得るために彼を助ける使命を引き受けた。その準備として、クレランスはそれまでのジョージの人生の回想を見せられることになった。
はじめは1919年。ジョージが12歳の頃、弟のハリーが氷遊びのときに極寒の池に落ちて溺れているのを救った場面であったが、このときにジョージは片耳の聴力を失ってしまう。
しばらくして、ジョージは放課後に薬局でバイトをしていたが、店主のガウワーさんは息子の病死によって気が動転していて、子供用の処方箋に誤って毒を入れてしまう。ジョージは薬を届ける前にそれに気づき、そのことを秘密にしておく。
1928年、ハリーの高校卒業の夜。ジョージは幼馴染のメアリー・ハッチ(ドナ・リード)とダンスパーティーで再会し、二人は良い雰囲気となるが、ジョージは父が危篤という知らせを聞き、帰ることになる。父は急死し、町一番の富豪である銀行家のポッター(ライオネル・バリモア)の圧力により、父の会社は潰されそうになる。そこで、ジョージは小さな町を出て世界旅行をする夢も、大学へ通って建築家になる夢も諦めて、小さな町で家業の建築貸付組合(Building and loan Association - 後に貯蓄貸付組合と呼ばれるようになる業態)の仕事を継ぐことを決め、会社を存続させる。自分の代わりにハリーを大学へ通わせ、弟が卒業して会社を継ぐのを待つが、ハリーは工場主の娘と結婚し、工場で働くことになったと聞かされる。
幼馴染のメアリーが町に帰ってきたと母から聞いたジョージはしぶしぶ彼女の家に向かうが、そこでジョージはメアリーの想いに気づき、後に二人は結婚する。ハネムーンに向かう途中、二人を取り付け騒ぎを目撃し、組合にも町民が一斉に押しかけてくるが、これはポッターによる罠であると悟ったベイリー夫婦は、ハネムーンの費用を銀行が再会するまでの資金援助として貸し出し、事態を収拾する。
ジョージは後に、貧しい人々のためにベイリーパークという宅地開発を行う。すると、ポッターの法外の値段の賃貸住宅に住む人は減ってしまい、彼は不満を募らせる。そこで、ポッターはジョージを自分の助手として雇うことを提案するが、ジョージは断る。
夫婦は最初のデートで通りかかった古びた屋敷に住み、4人の子供を授かる。ジョージは、第二次世界大戦の兵役を耳の障害で免除されるが、弟のハリーは海軍のパイロットとして活躍し、名誉勲章に輝く。
そして1945年のクリスマスイブの朝、町は英雄ハリーの歓迎準備をする中、叔父のビリーはポッターの銀行に向かうが、多額の預金を紛失してしまう。ビリーはそのことをジョージに伝え、このままでは監査官に見せる帳簿に穴があいて刑務所行きになってしまう、と二人は必死に探しまわるが、その大金はポッターの手に渡っていて見つかるはずもない。そのことを知らないジョージは、ポッターに借金を頼むが、彼は断るどころか横領罪でジョージを告発すると言ってきた。度重なる不運で全てに嫌気がさしたジョージは、家族へ八当たりをし、バーでは飲んだくれて喧嘩に巻き込まれる。バーを出た後で通りかかった橋でジョージは、投身自殺をして保険金を手にいれることを考えるが、彼が飛ぶ直前に老人に扮したクレランスが川へ飛び込み、ジョージはクレランスを助ける。結果としてジョージは自殺から救われることになるが、自らを守護天使である、と語るクレランスのことをなかなか信じようとしない。
「生まれなければよかった」という彼のために、天使は「それでは望み通りにしよう」と言い、ジョージが生まれなかった場合の世の中を見せる。町はポッターズビルという名の物騒な町に変わっていて、温厚だったバーテンダーは気性が荒く、ガウワーは子供を毒殺した罪で刑務所に入れられていた。友人も自分のことを知らず、家へ帰ってもそこは空き家のままで、家族はいなくなっていた。母も自分のことを知らず、叔父は失業して精神病院に入院、ベイリーパークもなくなっていて、弟は1919年に9歳で溺死していた。独身を通していた妻には恐れられ、警察に通報される。クレランスは本物の天使だった、自分の人生は素晴らしかった、と気づいたジョージは橋で「元の世界に戻してくれ、もう一度生き直したい」と願う。
元の世界へ戻ったジョージは大喜びで家へ帰り、妻や子供たちと抱き合う。さらには、メアリーの呼びかけで町民や友人たちが寄付に集まり、紛失した8000ドルを工面してくれる。弟のハリーや検事、監査官も混じって、家の中で町民たちは祝いの歌を歌うが、寄付金の中には「友あるものは残敗者ではない。翼をありがとう」というクレランスからのメッセージが書かれた『トム・ソーヤーの冒険』が置かれていた。
キャスト
- ジェームズ・ステュアート:ジョージ・ベイリー
- ドナ・リード:メアリー・ハッチ
- ライオネル・バリモア:ヘンリー・ポッター
- ヘンリー・トラヴァース:クラレンス
- トーマス・ミッチェル:ビリー・ベイリー(ジョージの叔父)
- ボーラ・ボンディ:ジョージの母親
- フランク・フェイレン:アーニー(タクシードライバー)
- ワード・ボンド:バート(警官)
- グロリア・グレアム:バイオレット
- H・B・ワーナー:ガウワー(薬局店主)
- トッド・カーンズ:ハリー・ベイリー(ジョージの弟)
- ヴァージニア・パットン:ルース・ディキン
- サミュエル・S・ハインズ:ジョージの父親
- シェルドン・レナード:ニック(バーテンダー)
- チャールズ・レイン
スタッフ
- 監督・製作:フランク・キャプラ
- 脚本:フランク・キャプラ、フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット
- 原作:フィリップ・ヴァン・ドレン・スターン
- 撮影:ジョセフ・ウォーカー
- 美術:ジャック・オッケイ
- 音楽:ディミトリ・ティオムキン
- 録音:リチャード・ヴァン・ヘッセン
- 編集:ウィリアム・ホーンベック
受賞
- 1946年(第19回) アカデミー賞 ノミネート
- 作品賞
- 主演男優賞 ジェームズ・スチュワート
- 監督賞 フランク・キャプラ
- 編集賞 William Hornbeck
- 録音賞 John Aalberg
- 1947年(第4回) ゴールデングローブ賞
- 監督賞 受賞
- 1990年 アメリカ国立フィルム登録簿 新規登録作品
余話
- マティーニバーでジョージが祈りを捧げている場面で歌を歌っているのは、ディズニー映画『白雪姫』の主演声優アドリアナ・カセロッティ(クレジット無しの出演)である。
- マペット映画『マペットのメリー・クリスマス (It's A Very Merry Muppet Christmas Movie)』2003 は、本作を元に翻案した映画である。
- 古代生物アノマロカリスを紹介したグールドのノンフィクション『ワンダフルライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』の題名は、本作にちなんでいる[3]。
- 映画監督のスティーヴン・スピルバーグは、大好きな映画の一本であると語っている[4]。
- 映画監督の黒澤明が雑誌文藝春秋で選んだ「黒澤明が選んだ100本の映画」のうちの一本である[5]。
- 2014年に島根県の県民ボランティアの手によって日本で初めて日本語吹替版が制作され上映される[6]。
注釈
- ^ RKO Feature Film Ledger, 1929-51, p116
- ^ “クリスマス映画ベスト25発表!1位は『素晴らしき哉、人生!』”. シネマトゥデイ. (2014年12月17日)
- ^ 『ワンダフルライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』「序言及び謝辞」(ハヤカワ文庫版15頁)より
- ^ 「アクターズ・スタジオ・インタビュー」
- ^ 文藝春秋 1999年4月号
- ^ “赤い羽根募金の助成で現在行われている活動(平成25年度) 特定非営利活動法人 バリアフリー・シネマ&ライフ・ネットワーク 『名作映画「素晴らしき哉、人生」バリアフリー化プロジェクト』”. 央共同募金会. 2015年1月14日閲覧。
学術的参考文献
- 杉野健太郎 「アメリカ映画における社会変動とスタイル変容 ― 『素晴らしき哉、人生!』から『クラッシュ』へ」、杉野健太郎編『映画のなかの社会/社会のなかの映画』(映画学叢書[監修加藤幹郎]、ミネルヴァ書房、2011年)所収。