「碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件」の版間の差分
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: [[碧南市]]油渕町4丁目(1998年の事件) |
: [[碧南市]]油渕町4丁目(1998年の事件) |
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: [[名古屋市]][[守山区]][[脇田町 (名古屋市)|脇田町]](2006年の事件) |
: [[名古屋市]][[守山区]][[脇田町 (名古屋市)|脇田町]](2006年の事件) |
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|日付 = [[1998年]]([[平成]]10年)[[6月28日]]深夜(碧南市の事件)<br>[[2006年]](平成18年)[[7月20日]](守山区の事件) |
|日付 = [[1998年]]([[平成]]10年)[[6月28日]]深夜(碧南市の事件)<br />[[2006年]](平成18年)[[7月20日]](守山区の事件) |
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|概要 = 仕事仲間同士だった男3人組が1998年、パチンコ店の店長夫婦宅に侵入し、夫婦を絞殺して金品を奪い、遺体を遺棄した。<br>主犯格の男Aは2006年、夫婦殺害事件の共犯者のうち1人とともに名古屋市守山区で強盗殺人未遂事件を起こし、当時69歳の高齢女性を負傷させた。<br>Aは夫婦殺害事件から9年後、守山区の事件の翌年にあたる2007年、[[闇サイト殺人事件]]を起こし、無期懲役が確定した。 |
|概要 = 仕事仲間同士だった男3人組が1998年、パチンコ店の店長夫婦宅に侵入し、夫婦を絞殺して金品を奪い、遺体を遺棄した。<br />主犯格の男Aは2006年、夫婦殺害事件の共犯者のうち1人とともに名古屋市守山区で強盗殺人未遂事件を起こし、当時69歳の高齢女性を負傷させた。<br />Aは夫婦殺害事件から9年後、守山区の事件の翌年にあたる2007年、[[闇サイト殺人事件]]を起こし、無期懲役が確定した。 |
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|手段 = 首を絞める |
|手段 = 首を絞める |
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|攻撃人数 = A・B・Cの3人(碧南市の事件)<br>A・Bの2人(守山区の事件) |
|攻撃人数 = A・B・Cの3人(碧南市の事件)<br />A・Bの2人(守山区の事件) |
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|標的 = パチンコ店店長の自宅(碧南市の事件)<br>高齢女性宅(守山区の事件) |
|標的 = パチンコ店店長の自宅(碧南市の事件)<br />高齢女性宅(守山区の事件) |
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|死亡 = 2人(碧南市在住の夫婦) |
|死亡 = 2人(碧南市在住の夫婦) |
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|負傷 = 1人(守山区在住、当時69歳高齢女性) |
|負傷 = 1人(守山区在住、当時69歳高齢女性) |
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|犯人 = 男A(犯行当時23歳、逮捕当時37歳の主犯格。本事件から9年後に[[闇サイト殺人事件]]を起こす)<br>男B(犯行当時22歳、逮捕当時36歳)<br>男C(犯行当時29歳、逮捕当時43歳。守山区の事件には未関与) |
|犯人 = 男A(犯行当時23歳、逮捕当時37歳の主犯格。本事件から9年後に[[闇サイト殺人事件]]を起こす)<br />男B(犯行当時22歳、逮捕当時36歳)<br />男C(犯行当時29歳、逮捕当時43歳。守山区の事件には未関与) |
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|動機 = [[強盗]] |
|動機 = [[強盗]] |
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|謝罪 = あり |
|謝罪 = あり |
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|対処 = [[逮捕 (日本法)|逮捕]]・[[起訴]] |
|対処 = [[逮捕 (日本法)|逮捕]]・[[起訴]] |
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|管轄 = [[愛知県警察]][[碧南警察署]]・[[守山警察署 (愛知県)|守山警察署]]<br>[[名古屋地方検察庁]] |
|管轄 = [[愛知県警察]][[碧南警察署]]・[[守山警察署 (愛知県)|守山警察署]]<br />[[名古屋地方検察庁]] |
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|刑事訴訟 = 主犯格Aは[[日本における死刑|死刑]](上告中)<br>共犯者B・Cは[[無期懲役]](Bは控訴せず確定、Cは上告中) |
|刑事訴訟 = 主犯格Aは[[日本における死刑|死刑]](上告中)<br />共犯者B・Cは[[無期懲役]](Bは控訴せず確定、Cは上告中) |
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'''碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件'''(へきなんし パチンコてんちょうふうふ さつがいじけん)とは、[[1998年]](平成10年)[[6月28日]]深夜、[[愛知県]][[碧南市]]で発生した[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]事件<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
'''碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件'''(へきなんし パチンコてんちょうふうふ さつがいじけん)とは、[[1998年]](平成10年)[[6月28日]]深夜、[[愛知県]][[碧南市]]で発生した[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]事件<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
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事件翌日の29日、夫婦の長男もしくは次男から「朝、起きたら両親の姿がない」と連絡を受けた、[[名古屋市]]内在住の男性の親類が、同日夜になって「夫婦が子供2人を残したまま行方不明になった」と、[[愛知県警察]][[碧南警察署]]に家出人捜索願を出した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03">『中日新聞』1998年7月3日朝刊第一社会面35面「碧南市のパチンコ店 責任者と妻不明 子供置いて4日間 愛知県警行方追う」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02">『朝日新聞』1998年7月2日夕刊第一社会面3面「パチンコ店長夫婦が不明 男数人が直前訪問 愛知・碧南【名古屋】」</ref>。長男は、碧南署の[[事情聴取]]などに対し「28日夕方、20歳代から30歳代の男3人が訪れ、母親が食事や[[酒]]を提供した。29日午前1時頃、仕事を終えた父親が帰宅し、2階で就寝していた自分を起こしに来た。そのまま1階に降りたところ、母親は横になり、知らない男が父親に馬乗りになっていた。その後再び2階で就寝し、朝起きたら両親とも姿が見えず、父親の乗用車がなくなっていた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>。男性のパチンコ店は経営状態も良好で、夫婦に子どもを置き去りにしたまま、連絡もなく家出するような動機はなかった<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>。また、その後、夫婦や来訪したとみられる男たちから、親類ら関係者には何の連絡もなかった。碧南署は、夫婦が行方不明になった状況・経緯に、不審な点が多いことから<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>、事件に巻き込まれた可能性があるとみて<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>、愛知県警[[刑事部|捜査一課]]の応援を得て<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>、2人の行方を追い<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>、長男らから事情を聴くとともに、夫婦宅を訪れた男たちの特定を急いだ<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>。 |
事件翌日の29日、夫婦の長男もしくは次男から「朝、起きたら両親の姿がない」と連絡を受けた、[[名古屋市]]内在住の男性の親類が、同日夜になって「夫婦が子供2人を残したまま行方不明になった」と、[[愛知県警察]][[碧南警察署]]に家出人捜索願を出した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03">『中日新聞』1998年7月3日朝刊第一社会面35面「碧南市のパチンコ店 責任者と妻不明 子供置いて4日間 愛知県警行方追う」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02">『朝日新聞』1998年7月2日夕刊第一社会面3面「パチンコ店長夫婦が不明 男数人が直前訪問 愛知・碧南【名古屋】」</ref>。長男は、碧南署の[[事情聴取]]などに対し「28日夕方、20歳代から30歳代の男3人が訪れ、母親が食事や[[酒]]を提供した。29日午前1時頃、仕事を終えた父親が帰宅し、2階で就寝していた自分を起こしに来た。そのまま1階に降りたところ、母親は横になり、知らない男が父親に馬乗りになっていた。その後再び2階で就寝し、朝起きたら両親とも姿が見えず、父親の乗用車がなくなっていた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>。男性のパチンコ店は経営状態も良好で、夫婦に子どもを置き去りにしたまま、連絡もなく家出するような動機はなかった<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>。また、その後、夫婦や来訪したとみられる男たちから、親類ら関係者には何の連絡もなかった。碧南署は、夫婦が行方不明になった状況・経緯に、不審な点が多いことから<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>、事件に巻き込まれた可能性があるとみて<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>、愛知県警[[刑事部|捜査一課]]の応援を得て<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>、2人の行方を追い<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-03"/>、長男らから事情を聴くとともに、夫婦宅を訪れた男たちの特定を急いだ<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-02"/>。 |
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7月4日午前6時30分頃、夫婦がよく利用していた[[ガソリンスタンド]]の店員が、新聞配達の[[アルバイト]]をしていたところ、夫婦宅から約4km離れた<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>、高浜市湯山町4丁目の県営葭池住宅内にある、袋小路の道路脇に<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>、男性の所有していたレクサスが放置されているのを発見した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。店員は、車に見覚えがあったことから不審に思い、同日午前9時15分頃に[[110番]]通報した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04">『[[中日新聞]]』1998年7月4日夕刊第一社会面13面「碧南の不明夫婦の車発見 トランクから2遺体 高浜」</ref><ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。車のキーは見つからず、ドア・トランクにはロックが掛かっており<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>、通報を受けた碧南署が、乗用車を署に運んで調べたところ、同日午後、乗用車の後部トランクから、男女2人の遺体が発見された<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04"/><ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05">『[[中日新聞]]』1998年7月5日朝刊第一社会面35面「トランクに夫婦?遺体 碧南の行方不明 死後数日経過か」<br>『中日新聞』1998年7月5日朝刊西三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」<br>『中日新聞』1998年7月5日朝刊東三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」<br>『[[東京新聞]]』1998年7月5日朝刊第一社会面27面「車トランクから2遺体 愛知、不明の夫婦か」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05">『朝日新聞』1998年7月5日朝刊第一社会面31面「店長夫婦?車に遺体 殺人容疑などで捜査 碧南の不明事件【名古屋】」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。 |
7月4日午前6時30分頃、夫婦がよく利用していた[[ガソリンスタンド]]の店員が、新聞配達の[[アルバイト]]をしていたところ、夫婦宅から約4km離れた<ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>、高浜市湯山町4丁目の県営葭池住宅内にある、袋小路の道路脇に<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>、男性の所有していたレクサスが放置されているのを発見した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。店員は、車に見覚えがあったことから不審に思い、同日午前9時15分頃に[[110番]]通報した<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04">『[[中日新聞]]』1998年7月4日夕刊第一社会面13面「碧南の不明夫婦の車発見 トランクから2遺体 高浜」</ref><ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。車のキーは見つからず、ドア・トランクにはロックが掛かっており<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>、通報を受けた碧南署が、乗用車を署に運んで調べたところ、同日午後、乗用車の後部トランクから、男女2人の遺体が発見された<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-04"/><ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05">『[[中日新聞]]』1998年7月5日朝刊第一社会面35面「トランクに夫婦?遺体 碧南の行方不明 死後数日経過か」<br />『中日新聞』1998年7月5日朝刊西三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」<br />『中日新聞』1998年7月5日朝刊東三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」<br />『[[東京新聞]]』1998年7月5日朝刊第一社会面27面「車トランクから2遺体 愛知、不明の夫婦か」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05">『朝日新聞』1998年7月5日朝刊第一社会面31面「店長夫婦?車に遺体 殺人容疑などで捜査 碧南の不明事件【名古屋】」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。 |
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遺体は頭を交互にして詰め込まれており、腐敗が激しく、外傷の有無などは判別できなかったが、死後数日から1週間経過したとみられた<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。靴は履いておらず、男性は靴下だけ、女性は裸足で、トランクの中で体を動かした形跡もなかった<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。このことから、遺体はいずれも死後、トランクに入れられたとみられ、愛知県警捜査一課・碧南署は、[[殺人罪 (日本)|殺人]]・[[死体遺棄]]事件として特別捜査本部を設置し、[[捜査]]を開始するとともに、遺体の身元は夫婦とみて、確認を急いだ<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。遺体発見現場周辺では、前年(1997年)秋に車上狙いが頻発し、住民らは不審車には敏感になっていたが、男性の車が放置された当時の状況は、ほとんど目撃証言がなかった<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。高級車が放置されているのを不審に思った住民が、車内を覗き込んだこともあったが、ある県営住宅の住民によれば、車は6月29日午後9時15分頃には放置されており、動かした様子はなかったという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。また、長男の証言した不審な男3人組が、29日午前10時30分頃、男性宅付近の路上を歩いているのを、近隣住民が目撃していた<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。近隣住民は、3人組について次男に尋ねたところ、次男は「パパの仕事のお友達」と答えたという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。特捜本部は、この男たちが事件に関与した可能性が高いとみて行方を追った<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。現場は、昼間は県営住宅住民の通行が多く、付近には午後10時頃まで営業している[[コンビニエンスストア]]もあるが、コンビニが閉店する深夜は、ほとんど人通りはないという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。 |
遺体は頭を交互にして詰め込まれており、腐敗が激しく、外傷の有無などは判別できなかったが、死後数日から1週間経過したとみられた<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。靴は履いておらず、男性は靴下だけ、女性は裸足で、トランクの中で体を動かした形跡もなかった<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。このことから、遺体はいずれも死後、トランクに入れられたとみられ、愛知県警捜査一課・碧南署は、[[殺人罪 (日本)|殺人]]・[[死体遺棄]]事件として特別捜査本部を設置し、[[捜査]]を開始するとともに、遺体の身元は夫婦とみて、確認を急いだ<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/><ref group="報道" name="朝日新聞1998-07-05"/>。遺体発見現場周辺では、前年(1997年)秋に車上狙いが頻発し、住民らは不審車には敏感になっていたが、男性の車が放置された当時の状況は、ほとんど目撃証言がなかった<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。高級車が放置されているのを不審に思った住民が、車内を覗き込んだこともあったが、ある県営住宅の住民によれば、車は6月29日午後9時15分頃には放置されており、動かした様子はなかったという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。また、長男の証言した不審な男3人組が、29日午前10時30分頃、男性宅付近の路上を歩いているのを、近隣住民が目撃していた<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。近隣住民は、3人組について次男に尋ねたところ、次男は「パパの仕事のお友達」と答えたという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。特捜本部は、この男たちが事件に関与した可能性が高いとみて行方を追った<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。現場は、昼間は県営住宅住民の通行が多く、付近には午後10時頃まで営業している[[コンビニエンスストア]]もあるが、コンビニが閉店する深夜は、ほとんど人通りはないという<ref group="報道" name="中日新聞1998-07-05"/>。 |
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=== 難航する捜査 === |
=== 難航する捜査 === |
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遺体発見現場は住宅街の袋小路であることから、特捜本部は「犯人の中に土地勘のある者がいる可能性が高い」とみた上で、男性の勤務関係から、[[パチンコ]]絡みの事件とみて、男3人の身元割り出しを急ぎ、連日の聞き込みを続けた<ref group="報道" name="中日新聞1998-08-31">『中日新聞』1998年8月31日朝刊西三河版西三河26面「NEWSピックアップ 捜査難航する碧南の夫婦殺人 カギ握る?不審な3人組」<br>『中日新聞』1998年8月31日朝刊東三河版東三河26面「NEWSピックアップ 捜査難航する碧南の夫婦殺人 カギ握る?不審な3人組」</ref>。 |
遺体発見現場は住宅街の袋小路であることから、特捜本部は「犯人の中に土地勘のある者がいる可能性が高い」とみた上で、男性の勤務関係から、[[パチンコ]]絡みの事件とみて、男3人の身元割り出しを急ぎ、連日の聞き込みを続けた<ref group="報道" name="中日新聞1998-08-31">『中日新聞』1998年8月31日朝刊西三河版西三河26面「NEWSピックアップ 捜査難航する碧南の夫婦殺人 カギ握る?不審な3人組」<br />『中日新聞』1998年8月31日朝刊東三河版東三河26面「NEWSピックアップ 捜査難航する碧南の夫婦殺人 カギ握る?不審な3人組」</ref>。 |
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事件発生から3カ月余りとなる10月までに、愛知県警捜査一課・碧南署の特捜本部は、夫婦宅の電話の発信記録を調べた結果、前述のように犯人グループが、午後11時20分過ぎに夫婦宅から、碧南市周辺に電話していたことを突き止めた<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13">『朝日新聞』1998年10月13日朝刊第二社会面28面「犯人、被害者宅で電話 愛知・パチンコ店長夫妻殺害事件【名古屋】」</ref>。司法解剖の結果、妻の死亡推定時刻は午後10時以前と推測されたことから、犯人らの中には、地元に精通した者がおり<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、十数秒間、妻殺害後に電話を使ったとみて<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>、20人の専従体制で捜査したが<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、電話や食器などからは<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>、Aらの指紋は検出されなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。また、遺体発見現場である高浜市湯山町の県営葭池住宅までの、詳細な逃走経路についても「夫婦宅周辺の[[道路]]を何周もし、畑の間を抜ける路地を通り、[[愛知県道295号道場山安城線|県道295号]]を碧南市大久手町の[[交差点]]で左折し、田畑を抜けて左折し、[[主要地方道]]([[愛知県道46号西尾知多線]])に入り、西進して湯山町に至る」というルートであったことが判明した<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>。畑の路地は、地元住民が高浜市方面に向かう時に使う道であることから、地元の事情を知っていた可能性があるとみられたが<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、逮捕されたAら3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
事件発生から3カ月余りとなる10月までに、愛知県警捜査一課・碧南署の特捜本部は、夫婦宅の電話の発信記録を調べた結果、前述のように犯人グループが、午後11時20分過ぎに夫婦宅から、碧南市周辺に電話していたことを突き止めた<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13">『朝日新聞』1998年10月13日朝刊第二社会面28面「犯人、被害者宅で電話 愛知・パチンコ店長夫妻殺害事件【名古屋】」</ref>。司法解剖の結果、妻の死亡推定時刻は午後10時以前と推測されたことから、犯人らの中には、地元に精通した者がおり<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、十数秒間、妻殺害後に電話を使ったとみて<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>、20人の専従体制で捜査したが<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、電話や食器などからは<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>、Aらの指紋は検出されなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。また、遺体発見現場である高浜市湯山町の県営葭池住宅までの、詳細な逃走経路についても「夫婦宅周辺の[[道路]]を何周もし、畑の間を抜ける路地を通り、[[愛知県道295号道場山安城線|県道295号]]を碧南市大久手町の[[交差点]]で左折し、田畑を抜けて左折し、[[主要地方道]]([[愛知県道46号西尾知多線]])に入り、西進して湯山町に至る」というルートであったことが判明した<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>。畑の路地は、地元住民が高浜市方面に向かう時に使う道であることから、地元の事情を知っていた可能性があるとみられたが<ref group="報道" name="朝日新聞1998-10-13"/>、逮捕されたAら3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
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手っ取り早く金を手に入れようと考えたAは、[[携帯電話]]の[[闇サイト]]「闇の職業安定所」で偽名を使い、B・C両名とは別の男K(第一審死刑判決を不服として控訴したが自ら取り下げ死刑確定、Aの本事件初公判前の2015年6月に死刑執行)、Y(検察側上告断念により一・二審無期懲役判決確定)と知り合い、強盗を計画した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>。当初はパチンコ店の常連客や、風俗嬢を狙う予定だったが、Aは「風俗嬢はあまり金を持っていない。貯金をしているようなOLを狙おう」と提案し<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、[[8月24日]]深夜、名古屋市[[千種区]]で帰宅途中の路上を歩く女性(当時31歳)を車に連れ込んで拉致し金品を奪い、[[包丁]]で被害者を脅してキャッシュカードの[[暗証番号]]を聞き出し、翌[[8月25日]]午前零時頃に[[愛西市]][[佐屋町]]の[[駐車場]]で被害者を殺害して遺体を[[岐阜県]][[瑞浪市]]の山中に捨てて逃走したが、Yが死刑になることを恐れて[[自首]]したためにA・K両名の犯行への関与が発覚しともに逮捕、起訴された。闇サイト事件を捜査した愛知県警関係者は、『中日新聞』の取材に対し「Aは残虐な殺害方法を淡々と話した。1人じゃ何もできないやつだ。闇サイトも碧南も3人だった」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>。 |
手っ取り早く金を手に入れようと考えたAは、[[携帯電話]]の[[闇サイト]]「闇の職業安定所」で偽名を使い、B・C両名とは別の男K(第一審死刑判決を不服として控訴したが自ら取り下げ死刑確定、Aの本事件初公判前の2015年6月に死刑執行)、Y(検察側上告断念により一・二審無期懲役判決確定)と知り合い、強盗を計画した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>。当初はパチンコ店の常連客や、風俗嬢を狙う予定だったが、Aは「風俗嬢はあまり金を持っていない。貯金をしているようなOLを狙おう」と提案し<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、[[8月24日]]深夜、名古屋市[[千種区]]で帰宅途中の路上を歩く女性(当時31歳)を車に連れ込んで拉致し金品を奪い、[[包丁]]で被害者を脅してキャッシュカードの[[暗証番号]]を聞き出し、翌[[8月25日]]午前零時頃に[[愛西市]][[佐屋町]]の[[駐車場]]で被害者を殺害して遺体を[[岐阜県]][[瑞浪市]]の山中に捨てて逃走したが、Yが死刑になることを恐れて[[自首]]したためにA・K両名の犯行への関与が発覚しともに逮捕、起訴された。闇サイト事件を捜査した愛知県警関係者は、『中日新聞』の取材に対し「Aは残虐な殺害方法を淡々と話した。1人じゃ何もできないやつだ。闇サイトも碧南も3人だった」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>。 |
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第一審([[名古屋地方裁判所]]、[[近藤宏子]][[裁判長]]、2009年3月18日)でAはKとともに死刑[[判決 (日本法)|判決]]を受けた(Yは自首が認められ無期懲役)<ref group="報道">『中日新聞』2009年3月18日夕刊1面「千種殺害2人に死刑 名地裁判決 『無慈悲で凄惨』自首の1人は無期」「思い果たせず『つらい』△△(闇サイト事件の被害者女性の実名)さん母親会見」「犯罪の予防へ厳罰 解説」<br>『中日新聞』2009年3月19日朝刊1面「千種拉致殺害『悪質性重大な脅威』名地裁異例の2被告死刑判決」</ref>が控訴、控訴審([[名古屋高等裁判所]]、[[下山保男]]裁判長、2011年4月12日)で地裁の死刑判決が破棄され、Yとともに無期懲役の判決を受け<ref group="報道">『中日新聞』2011年4月13日朝刊1面「闇サイト殺人 2被告に無期懲役 名高裁判決 A被告死刑破棄 『模倣性高いといえず』」「被害者1人判例を踏襲 破棄、より丁寧な説明を」</ref>、[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第二小法廷([[千葉勝美]]裁判長、2012年7月11日)で検察側の[[上告]]を[[棄却]]する決定がなされ[[確定判決|確定]]した<ref group="報道">『中日新聞』2012年7月14日朝刊31面「闇サイト殺人 A被告無期確定へ 最高裁 『関与に差』高裁支持 母遺影に報告できず」</ref>。 |
第一審([[名古屋地方裁判所]]、[[近藤宏子]][[裁判長]]、2009年3月18日)でAはKとともに死刑[[判決 (日本法)|判決]]を受けた(Yは自首が認められ無期懲役)<ref group="報道">『中日新聞』2009年3月18日夕刊1面「千種殺害2人に死刑 名地裁判決 『無慈悲で凄惨』自首の1人は無期」「思い果たせず『つらい』△△(闇サイト事件の被害者女性の実名)さん母親会見」「犯罪の予防へ厳罰 解説」<br />『中日新聞』2009年3月19日朝刊1面「千種拉致殺害『悪質性重大な脅威』名地裁異例の2被告死刑判決」</ref>が控訴、控訴審([[名古屋高等裁判所]]、[[下山保男]]裁判長、2011年4月12日)で地裁の死刑判決が破棄され、Yとともに無期懲役の判決を受け<ref group="報道">『中日新聞』2011年4月13日朝刊1面「闇サイト殺人 2被告に無期懲役 名高裁判決 A被告死刑破棄 『模倣性高いといえず』」「被害者1人判例を踏襲 破棄、より丁寧な説明を」</ref>、[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第二小法廷([[千葉勝美]]裁判長、2012年7月11日)で検察側の[[上告]]を[[棄却]]する決定がなされ[[確定判決|確定]]した<ref group="報道">『中日新聞』2012年7月14日朝刊31面「闇サイト殺人 A被告無期確定へ 最高裁 『関与に差』高裁支持 母遺影に報告できず」</ref>。 |
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{{See also|闇サイト殺人事件}} |
{{See also|闇サイト殺人事件}} |
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;※なお、上記項目ではA・Yをそれぞれ「C」「A」と表記している。 |
;※なお、上記項目ではA・Yをそれぞれ「C」「A」と表記している。 |
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愛知県警は、犯人が食べた跡とみられる、[[枝豆]]の皮などを冷凍保存していた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。[[2011年]](平成23年)夏、皮に付着した[[唾液]]の[[デオキシリボ核酸|DNA]]型を再[[DNA型鑑定|鑑定]]した結果、事件発生から14年後の2012年7月、闇サイト事件で無期懲役が確定したばかりのAのDNAと酷似していることが判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。その後の捜査で、辻のAの交友関係を調べたところ、B・C両名が浮上し<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>、現場で採取した別の唾液のDNAが、Bのものと酷似していることも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。Cは遺された夫婦の子供2人の見張り役だったとみられ<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>、現場に唾液は残っていなかったが、その後のBの供述から、事件への関与が浮上した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。 |
愛知県警は、犯人が食べた跡とみられる、[[枝豆]]の皮などを冷凍保存していた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。[[2011年]](平成23年)夏、皮に付着した[[唾液]]の[[デオキシリボ核酸|DNA]]型を再[[DNA型鑑定|鑑定]]した結果、事件発生から14年後の2012年7月、闇サイト事件で無期懲役が確定したばかりのAのDNAと酷似していることが判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。その後の捜査で、辻のAの交友関係を調べたところ、B・C両名が浮上し<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>、現場で採取した別の唾液のDNAが、Bのものと酷似していることも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。Cは遺された夫婦の子供2人の見張り役だったとみられ<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>、現場に唾液は残っていなかったが、その後のBの供述から、事件への関与が浮上した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。 |
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これを受け、愛知県警は碧南署に特別捜査本部を設置した上で、Aが事件に関与した疑いが強まったと判断した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。特捜本部は8月3日、3週間前に無期懲役の判決が確定したばかりで、[[名古屋拘置所]]に[[収監]]中だったA(当時37歳)を、ともにAの仕事仲間だったB(同36歳)・C(同43歳)両名とともに、[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]容疑で[[逮捕 (日本法)|逮捕]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04">『[[中日新聞]]』2012年8月3日夕刊1面「『闇サイト殺人』 A受刑者 14年前夫婦殺害の疑い 愛知県警、逮捕へ」<br>『中日新聞』2012年8月4日朝刊1面「『闇サイト』A受刑者逮捕 碧南の夫婦強殺容疑 愛知県警、ほか2人も」<br>『中日新聞』2012年8月4日朝刊第二社会面36面「碧南の強殺容疑 A受刑者ら 科学捜査で前進」「裁判員裁判で新たに審理へ」「逮捕『娘が導いた』 『闇サイト』事件被害者の母 極刑『今度こそ』<br>『[[東京新聞]]』2012年8月4日朝刊第一社会面29面「闇サイト殺人 A受刑者 14年前に夫婦殺害 容疑で逮捕」<br>『中日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 夫の関係者装う? 押し入った形跡なく」「息子名乗る男性ネットに思い 事件が忘れられる方が嫌だ 尊敬する人 オレと弟を守って散ったオヤジ」<br>『東京新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「98年の強盗殺人 A容疑者が誘う 2容疑者が供述」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2012-08-03">『[[朝日新聞]]』2012年8月3日夕刊1面「14年前夫婦殺した疑い 闇サイトのA受刑者 愛知県警、ほか2人逮捕へ【名古屋】」<br>『朝日新聞』2012年8月3日夕刊第一社会面15面「闇サイト殺人の受刑者、別の強殺容疑で逮捕へ 愛知県警」<br>『朝日新聞』2012年8月4日朝刊1面「闇サイト、A容疑者逮捕 愛知県警、ほか2人も 碧南の夫婦殺害【名古屋】」<br>『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面37面「贖罪の陰、凶行明るみ 司法判断、再び焦点に A容疑者【名古屋】」<br>『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面39面「別の強盗殺人容疑、闇サイト殺人の受刑者ら逮捕 愛知県警」<br>『朝日新聞』2012年8月4日夕刊1面「『用意のロープで絞殺』 碧南夫婦殺害、2容疑者供述【名古屋】」<br>『朝日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「『ロープ用意し絞殺』 夫婦殺害容疑で闇サイト事件受刑者が供述」</ref>。取り調べに対し、3人は「強盗目的で入った。まず先に妻を絞殺し、その後帰宅した男性を殺害した」と容疑を認めた上で、A・B両名は「用意したロープで首を絞めた」と供述した一方、Cは「覚えていない」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。また、B・C両名は「借金で金に困っていた中、Aに誘われて犯行に加わった。守山区内のアパートのAの部屋に3人でよく集まっており、どこかに強盗に入るという話をしていた」と供述しており<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04">『[[日本経済新聞]]』2012年8月4日朝刊第一社会面43面「闇サイト殺人事件受刑者 別の強殺容疑で逮捕 愛知県警」<br>『日本経済新聞』2012年8月4日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト事件の受刑者逮捕 愛知県警 14年前の強殺容疑」<br>『日本経済新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「夫婦強殺、計画主導か 闇サイト受刑者 他2人に持ち掛け」<br>{{Cite news |title=闇サイト殺人の受刑者、別の夫婦殺害容疑で逮捕 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-04 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0304G_T00C12A8CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171014121341/https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0304G_T00C12A8CC1000/ |archivedate=2017-10-14 }}<br>{{Cite news |title=闇サイト事件受刑者、夫婦強殺計画主導か 共犯者に持ちかけ |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-04 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0400P_U2A800C1CC0000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220174758/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0400P_U2A800C1CC0000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>、特捜本部は、金目当ての計画的犯行とみて、男性宅に狙いを定めた理由などを調べるとともに、Aが事件を主導した主犯格とみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。3人は遺体を捨てたことも認めたが、死体遺棄罪は[[刑事訴訟法]]により[[公訴時効]](3年)が成立していた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
これを受け、愛知県警は碧南署に特別捜査本部を設置した上で、Aが事件に関与した疑いが強まったと判断した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。特捜本部は8月3日、3週間前に無期懲役の判決が確定したばかりで、[[名古屋拘置所]]に[[収監]]中だったA(当時37歳)を、ともにAの仕事仲間だったB(同36歳)・C(同43歳)両名とともに、[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]容疑で[[逮捕 (日本法)|逮捕]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04">『[[中日新聞]]』2012年8月3日夕刊1面「『闇サイト殺人』 A受刑者 14年前夫婦殺害の疑い 愛知県警、逮捕へ」<br />『中日新聞』2012年8月4日朝刊1面「『闇サイト』A受刑者逮捕 碧南の夫婦強殺容疑 愛知県警、ほか2人も」<br />『中日新聞』2012年8月4日朝刊第二社会面36面「碧南の強殺容疑 A受刑者ら 科学捜査で前進」「裁判員裁判で新たに審理へ」「逮捕『娘が導いた』 『闇サイト』事件被害者の母 極刑『今度こそ』<br />『[[東京新聞]]』2012年8月4日朝刊第一社会面29面「闇サイト殺人 A受刑者 14年前に夫婦殺害 容疑で逮捕」<br />『中日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 夫の関係者装う? 押し入った形跡なく」「息子名乗る男性ネットに思い 事件が忘れられる方が嫌だ 尊敬する人 オレと弟を守って散ったオヤジ」<br />『東京新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「98年の強盗殺人 A容疑者が誘う 2容疑者が供述」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2012-08-03">『[[朝日新聞]]』2012年8月3日夕刊1面「14年前夫婦殺した疑い 闇サイトのA受刑者 愛知県警、ほか2人逮捕へ【名古屋】」<br />『朝日新聞』2012年8月3日夕刊第一社会面15面「闇サイト殺人の受刑者、別の強殺容疑で逮捕へ 愛知県警」<br />『朝日新聞』2012年8月4日朝刊1面「闇サイト、A容疑者逮捕 愛知県警、ほか2人も 碧南の夫婦殺害【名古屋】」<br />『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面37面「贖罪の陰、凶行明るみ 司法判断、再び焦点に A容疑者【名古屋】」<br />『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面39面「別の強盗殺人容疑、闇サイト殺人の受刑者ら逮捕 愛知県警」<br />『朝日新聞』2012年8月4日夕刊1面「『用意のロープで絞殺』 碧南夫婦殺害、2容疑者供述【名古屋】」<br />『朝日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「『ロープ用意し絞殺』 夫婦殺害容疑で闇サイト事件受刑者が供述」</ref>。取り調べに対し、3人は「強盗目的で入った。まず先に妻を絞殺し、その後帰宅した男性を殺害した」と容疑を認めた上で、A・B両名は「用意したロープで首を絞めた」と供述した一方、Cは「覚えていない」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。また、B・C両名は「借金で金に困っていた中、Aに誘われて犯行に加わった。守山区内のアパートのAの部屋に3人でよく集まっており、どこかに強盗に入るという話をしていた」と供述しており<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04">『[[日本経済新聞]]』2012年8月4日朝刊第一社会面43面「闇サイト殺人事件受刑者 別の強殺容疑で逮捕 愛知県警」<br />『日本経済新聞』2012年8月4日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト事件の受刑者逮捕 愛知県警 14年前の強殺容疑」<br />『日本経済新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「夫婦強殺、計画主導か 闇サイト受刑者 他2人に持ち掛け」<br />{{Cite news |title=闇サイト殺人の受刑者、別の夫婦殺害容疑で逮捕 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-04 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0304G_T00C12A8CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171014121341/https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0304G_T00C12A8CC1000/ |archivedate=2017-10-14 }}<br />{{Cite news |title=闇サイト事件受刑者、夫婦強殺計画主導か 共犯者に持ちかけ |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-04 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0400P_U2A800C1CC0000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220174758/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0400P_U2A800C1CC0000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>、特捜本部は、金目当ての計画的犯行とみて、男性宅に狙いを定めた理由などを調べるとともに、Aが事件を主導した主犯格とみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。3人は遺体を捨てたことも認めたが、死体遺棄罪は[[刑事訴訟法]]により[[公訴時効]](3年)が成立していた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。 |
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事件当時、[[被疑者|容疑者]]特定の決め手は[[指紋]]鑑定などで、DNA型鑑定は1990年代初めに始まっていたが、主流ではなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。しかし、科学捜査の精度は[[捜査]]中に飛躍的に向上しており、殺人事件などの凶悪犯罪を扱う愛知県警捜査一課では、[[2011年]](平成23年)4月、未解決の重要事件を専門に捜査する「特命捜査係」(捜査専従班)が発足した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。[[2010年]](平成22年)に刑事訴訟法などの一部改正で、[[殺人罪 (日本)|殺人罪]]などの公訴時効が廃止、延長されており、この特命係は発足してすぐに碧南事件に着目してDNA型鑑定を実施、今回の逮捕が特命係の初めての大仕事となった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。前述のように、現場の電話・食器などから、指紋が検出されなかったことから愛知県警は、3人が指紋を拭き取るなどの工作をしたとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。 |
事件当時、[[被疑者|容疑者]]特定の決め手は[[指紋]]鑑定などで、DNA型鑑定は1990年代初めに始まっていたが、主流ではなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。しかし、科学捜査の精度は[[捜査]]中に飛躍的に向上しており、殺人事件などの凶悪犯罪を扱う愛知県警捜査一課では、[[2011年]](平成23年)4月、未解決の重要事件を専門に捜査する「特命捜査係」(捜査専従班)が発足した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。[[2010年]](平成22年)に刑事訴訟法などの一部改正で、[[殺人罪 (日本)|殺人罪]]などの公訴時効が廃止、延長されており、この特命係は発足してすぐに碧南事件に着目してDNA型鑑定を実施、今回の逮捕が特命係の初めての大仕事となった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。前述のように、現場の電話・食器などから、指紋が検出されなかったことから愛知県警は、3人が指紋を拭き取るなどの工作をしたとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。 |
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3人は取り調べに対し「男性がパチンコ店関係者で、金を持っていると考えて目を付けた。犯行前に『金持ちを狙おう』などと相談した」という趣旨の供述をした<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05">『中日新聞』2012年8月5日朝刊35面「碧南夫婦強殺『金持っている人狙う』パチンコ関係者 A容疑者ら把握」「『事件後帰郷無口に』C容疑者の両親話す」「闇サイト事件当初パチンコ店狙う A容疑者『一線越えたことある』」</ref>。男性は当時、逆輸入の高級車[[レクサス]]に乗っており、水上バイクも持っていた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。容疑者の中には「男性の帰宅を待ち伏せていた」という趣旨の供述をした者もいたため、愛知県警は、3人が事前に下見を繰り返すなど、入念な計画を立て、男性の帰宅する日を狙って犯行に及んだとみて、追及を進めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/>。3人が男性宅に無理やり押し入った形跡はなく、当時在宅中だった妻と子供2人も監禁されたような状態ではなかった上、3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述し、3人と男性の間に接点は見当たらなかったことから、特捜本部は、3人が妻に「夫の知人か仕事の関係者」と思い込ませて上がり込んだ可能性が高いとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。3人は夫婦とは面識がないといい、捜査本部はAが男性の行動を事前に把握した上で、当時職場の同僚だったB・C両名に事件を持ち掛けて主導し、仕事の関係者などを装って夫婦宅に上がり込んだ可能性があるとみて、経緯を詳しく調べた<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>。また、3人は自宅にいた妻を先に殺害、その後帰宅した男性を殺害したという趣旨の供述もした<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>。 |
3人は取り調べに対し「男性がパチンコ店関係者で、金を持っていると考えて目を付けた。犯行前に『金持ちを狙おう』などと相談した」という趣旨の供述をした<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05">『中日新聞』2012年8月5日朝刊35面「碧南夫婦強殺『金持っている人狙う』パチンコ関係者 A容疑者ら把握」「『事件後帰郷無口に』C容疑者の両親話す」「闇サイト事件当初パチンコ店狙う A容疑者『一線越えたことある』」</ref>。男性は当時、逆輸入の高級車[[レクサス]]に乗っており、水上バイクも持っていた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。容疑者の中には「男性の帰宅を待ち伏せていた」という趣旨の供述をした者もいたため、愛知県警は、3人が事前に下見を繰り返すなど、入念な計画を立て、男性の帰宅する日を狙って犯行に及んだとみて、追及を進めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/>。3人が男性宅に無理やり押し入った形跡はなく、当時在宅中だった妻と子供2人も監禁されたような状態ではなかった上、3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述し、3人と男性の間に接点は見当たらなかったことから、特捜本部は、3人が妻に「夫の知人か仕事の関係者」と思い込ませて上がり込んだ可能性が高いとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-04"/>。3人は夫婦とは面識がないといい、捜査本部はAが男性の行動を事前に把握した上で、当時職場の同僚だったB・C両名に事件を持ち掛けて主導し、仕事の関係者などを装って夫婦宅に上がり込んだ可能性があるとみて、経緯を詳しく調べた<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>。また、3人は自宅にいた妻を先に殺害、その後帰宅した男性を殺害したという趣旨の供述もした<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06"/>。 |
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翌8月5日、特捜本部はAら3人を[[名古屋地方検察庁]]に[[送検]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06">『中日新聞』2012年8月6日朝刊第一社会面31面「碧南夫婦強殺 風呂場で夫待ち伏せか 容疑者ら、妻を殺害後」<br>『中日新聞』2012年8月6日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 容疑者『車の鍵捨てた』 遺棄後、発覚遅らせる?」</ref>。Aら3人は、取り調べに対し「遺体を男性の車のトランクに入れて遺棄した後、車の鍵を捨てた」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。車が施錠されており、当時の捜査で鍵は発見されなかったことから、愛知県警は発覚を遅らせる狙いがあったとみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。 |
翌8月5日、特捜本部はAら3人を[[名古屋地方検察庁]]に[[送検]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06">『中日新聞』2012年8月6日朝刊第一社会面31面「碧南夫婦強殺 風呂場で夫待ち伏せか 容疑者ら、妻を殺害後」<br />『中日新聞』2012年8月6日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 容疑者『車の鍵捨てた』 遺棄後、発覚遅らせる?」</ref>。Aら3人は、取り調べに対し「遺体を男性の車のトランクに入れて遺棄した後、車の鍵を捨てた」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。車が施錠されており、当時の捜査で鍵は発見されなかったことから、愛知県警は発覚を遅らせる狙いがあったとみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。 |
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3人は取り調べに対し「6月28日、夫婦宅を訪れ、男性の帰宅前、妻から枝豆などのつまみや[[酒]]を提供された」という趣旨の供述をした<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。また、殺害について、Bは「男性に抵抗されたため、自分とCが体を押さえつけ、Aがロープで首を絞めた。妻はAの指示でCが体を押さえ、自分がロープで絞殺した」と<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07">『中日新聞』2012年8月7日朝刊第一社会面31面「碧南事件・B容疑者『A容疑者が夫絞殺』『指示受け妻殺害』供述『C容疑者 体押さえた』」<br>『中日新聞』2012年8月7日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 DNA 枝豆の唾液から 3人逮捕の決め手に」<br>『東京新聞』2012年8月7日夕刊第一社会面11面「愛知夫婦殺害 DNA枝豆から検出 闇サイトA容疑者 昨年再鑑定で浮上」<br>『東京新聞』2012年8月8日夕刊第一社会面9面「愛知の夫婦殺害 『A容疑者が夫を絞殺』 共犯の男 役割分担供述」</ref>、凶器のロープについては「Aが用意した」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。 |
3人は取り調べに対し「6月28日、夫婦宅を訪れ、男性の帰宅前、妻から枝豆などのつまみや[[酒]]を提供された」という趣旨の供述をした<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07"/>。また、殺害について、Bは「男性に抵抗されたため、自分とCが体を押さえつけ、Aがロープで首を絞めた。妻はAの指示でCが体を押さえ、自分がロープで絞殺した」と<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-07">『中日新聞』2012年8月7日朝刊第一社会面31面「碧南事件・B容疑者『A容疑者が夫絞殺』『指示受け妻殺害』供述『C容疑者 体押さえた』」<br />『中日新聞』2012年8月7日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 DNA 枝豆の唾液から 3人逮捕の決め手に」<br />『東京新聞』2012年8月7日夕刊第一社会面11面「愛知夫婦殺害 DNA枝豆から検出 闇サイトA容疑者 昨年再鑑定で浮上」<br />『東京新聞』2012年8月8日夕刊第一社会面9面「愛知の夫婦殺害 『A容疑者が夫を絞殺』 共犯の男 役割分担供述」</ref>、凶器のロープについては「Aが用意した」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。 |
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当初の被害品は、妻の財布・男性のブレスレット・鍵束と見られていたが、その後の取り調べで、3人が男性宅から小型金庫も奪っていたことが判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08">『中日新聞』2012年8月8日朝刊第一社会面31面「被害者宅の金庫も奪う 碧南の夫婦強殺3容疑者」</ref>。AはB・C両名に対し「男性は金持ちだから、金庫があるはずだ」などと犯行を持ち掛けていたが、金庫の中に現金などは入っていなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-11"/>。また、Cが「自分が車を運転して男性宅に向かった」と供述したことも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。愛知県警は、3人が夫婦を殺害した後、Cが運転してきた車と、遺体を入れた男性のレクサスの計2台に分乗し、遺棄現場に向かったとみて、犯行前後の3人の足取りなどを調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。Bは取り調べに対し、「犯行当日に始めて被害者夫婦宅に行った。夫婦宅の場所はAが調べた。Aが男性の関係者を装って呼び鈴を鳴らし、自分とCは玄関前の路上で待っていた」<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-10">『中日新聞』2012年8月10日朝刊第二社会面30面「碧南夫婦強殺 『当日初めて現場へ』 B容疑者供述 A容疑者指示で」</ref>、「初めから男性を襲うつもりで家に入った」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-11">『中日新聞』2012年8月11日朝刊第二社会面32面「碧南夫婦強殺 『襲うつもりだった』B容疑者 当初から殺害計画か」</ref>。 |
当初の被害品は、妻の財布・男性のブレスレット・鍵束と見られていたが、その後の取り調べで、3人が男性宅から小型金庫も奪っていたことが判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08">『中日新聞』2012年8月8日朝刊第一社会面31面「被害者宅の金庫も奪う 碧南の夫婦強殺3容疑者」</ref>。AはB・C両名に対し「男性は金持ちだから、金庫があるはずだ」などと犯行を持ち掛けていたが、金庫の中に現金などは入っていなかった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-11"/>。また、Cが「自分が車を運転して男性宅に向かった」と供述したことも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。愛知県警は、3人が夫婦を殺害した後、Cが運転してきた車と、遺体を入れた男性のレクサスの計2台に分乗し、遺棄現場に向かったとみて、犯行前後の3人の足取りなどを調べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-08"/>。Bは取り調べに対し、「犯行当日に始めて被害者夫婦宅に行った。夫婦宅の場所はAが調べた。Aが男性の関係者を装って呼び鈴を鳴らし、自分とCは玄関前の路上で待っていた」<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-10">『中日新聞』2012年8月10日朝刊第二社会面30面「碧南夫婦強殺 『当日初めて現場へ』 B容疑者供述 A容疑者指示で」</ref>、「初めから男性を襲うつもりで家に入った」と供述した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-11">『中日新聞』2012年8月11日朝刊第二社会面32面「碧南夫婦強殺 『襲うつもりだった』B容疑者 当初から殺害計画か」</ref>。 |
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Aは取り調べに対し「パチンコ店の金を狙った」と供述したことから、特捜本部は、男性が勤めていたパチンコ店に客として出入りしていたAが、男性がパチンコ店の売上金・店の鍵などを管理する責任者だったのを知っていて、犯行を計画したとの線を強めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-22">『中日新聞』2012年8月22日朝刊第一社会面27面「碧南夫婦強殺 『パチンコ店の金狙った』 A容疑者供述 被害者宅は無施錠」</ref>。また、3人は犯行当時、借金などで金に困っており、本来の目的は夫婦の金品だけでなく、パチンコ店の売上金などより多額の現金だったとみて追及を進めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-22"/>。実際に3人は犯行後、男性が勤務していた尾張旭市内のパチンコ店に向かったが、「店に貼ってあったステッカーなどで防犯システムが入っていることがわかり(通報を)解除できないため、侵入を断念した」との趣旨の供述をしていた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-24">『中日新聞』2012年8月24日朝刊第一社会面33面 「碧南夫婦強殺 『防犯システムで侵入断念』 被害者のパチンコ店 容疑者ら供述」</ref>。 |
Aは取り調べに対し「パチンコ店の金を狙った」と供述したことから、特捜本部は、男性が勤めていたパチンコ店に客として出入りしていたAが、男性がパチンコ店の売上金・店の鍵などを管理する責任者だったのを知っていて、犯行を計画したとの線を強めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-22">『中日新聞』2012年8月22日朝刊第一社会面27面「碧南夫婦強殺 『パチンコ店の金狙った』 A容疑者供述 被害者宅は無施錠」</ref>。また、3人は犯行当時、借金などで金に困っており、本来の目的は夫婦の金品だけでなく、パチンコ店の売上金などより多額の現金だったとみて追及を進めた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-22"/>。実際に3人は犯行後、男性が勤務していた尾張旭市内のパチンコ店に向かったが、「店に貼ってあったステッカーなどで防犯システムが入っていることがわかり(通報を)解除できないため、侵入を断念した」との趣旨の供述をしていた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-24">『中日新聞』2012年8月24日朝刊第一社会面33面 「碧南夫婦強殺 『防犯システムで侵入断念』 被害者のパチンコ店 容疑者ら供述」</ref>。 |
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愛知県警への取材では、男性は普段店に住み込んでいたが、定休日の月曜日に合わせ、日曜日の勤務後に自宅に戻る生活で、3人が男性宅に行ったのは日曜午後だった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-24"/>。前述のように男性が定休日の前日であるため、自宅に戻っていたところを襲われたことや、B・C両名が「強盗の計画段階(男性宅を狙う計画を立てている中)で、Aから『あの家(夫婦宅)にはパチンコ店の店長が住んでいる』と聞いていた」と供述した上<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06">『日本経済新聞』2012年8月6日朝刊第一社会面35面「愛知夫婦強殺 帰宅直後に殺害か 闇サイト受刑者ら 行動を把握?」<br>『日本経済新聞』2012年8月6日名古屋朝刊第一社会面21面「碧南夫婦強殺 帰宅直後に殺害? 闇サイト受刑者ら 勤務体系把握か」<br>{{Cite news |title=闇サイト受刑者ら、愛知夫婦強殺で妻と飲食後に殺害か |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-05 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0402T_U2A800C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220175220/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0402T_U2A800C1CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}<br>{{Cite news |title=帰宅直後に殺害か 愛知夫婦強殺、闇サイト受刑者ら |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-06 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502L_V00C12A8CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220173712/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502L_V00C12A8CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref>、被疑者の中には「男性の帰宅を待っていた」という趣旨の供述をした者もいた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/>。このことから、愛知県警はAらが男性の勤務状況や自宅などを下調べし、事前に下見を繰り返すなどして入念に計画を立て、男性の帰宅日を狙って犯行に及んだ、またAが2人に対し、男性に関する情報を伝えたとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。 |
愛知県警への取材では、男性は普段店に住み込んでいたが、定休日の月曜日に合わせ、日曜日の勤務後に自宅に戻る生活で、3人が男性宅に行ったのは日曜午後だった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-24"/>。前述のように男性が定休日の前日であるため、自宅に戻っていたところを襲われたことや、B・C両名が「強盗の計画段階(男性宅を狙う計画を立てている中)で、Aから『あの家(夫婦宅)にはパチンコ店の店長が住んでいる』と聞いていた」と供述した上<ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-04"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2012-08-06">『日本経済新聞』2012年8月6日朝刊第一社会面35面「愛知夫婦強殺 帰宅直後に殺害か 闇サイト受刑者ら 行動を把握?」<br />『日本経済新聞』2012年8月6日名古屋朝刊第一社会面21面「碧南夫婦強殺 帰宅直後に殺害? 闇サイト受刑者ら 勤務体系把握か」<br />{{Cite news |title=闇サイト受刑者ら、愛知夫婦強殺で妻と飲食後に殺害か |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-05 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0402T_U2A800C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220175220/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0402T_U2A800C1CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}<br />{{Cite news |title=帰宅直後に殺害か 愛知夫婦強殺、闇サイト受刑者ら |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-06 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502L_V00C12A8CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220173712/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502L_V00C12A8CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref>、被疑者の中には「男性の帰宅を待っていた」という趣旨の供述をした者もいた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/>。このことから、愛知県警はAらが男性の勤務状況や自宅などを下調べし、事前に下見を繰り返すなどして入念に計画を立て、男性の帰宅日を狙って犯行に及んだ、またAが2人に対し、男性に関する情報を伝えたとみて捜査した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-05"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-06"/>。 |
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Aは闇サイト事件で逮捕された2007年8月以降、同事件の取り調べや[[公判]]では、反省の弁を述べる一方、夫婦殺害事件については(当時の取り調べで)「聴かれなかったから」と、一切自供していなかった<ref group="報道" name="時事通信2012-08-07">{{Cite news |title=「聴かれなかったから」=闇サイト逮捕後、自供せず-愛知夫婦強殺 |date=2012-08-07 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 }}</ref>。また、Aは第一審・第13回公判(2015年12月3日)で行われた[[被告人]]質問にて、闇サイト事件で無期懲役が確定する前に、夫婦殺害事件・強盗殺人未遂事件などの余罪を自白しなかった理由について、「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った(後述)<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは闇サイト事件の公判で、結審直前に涙を流しつつ、被害者遺族に頭を下げており<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23">『中日新聞』2012年8月23日朝刊第一社会面31面「98年碧南夫婦強殺 07年闇サイト殺人 借金かさみ凶行か A容疑者 周辺『無口で穏やか』 法廷で"したたか”謝罪」</ref>、同事件の犯人3人の中では唯一、遺族に謝罪の手紙を渡そうと試み、控訴審では「被害者の夢や希望を奪って、遺族に苦しみを与えた」と謝罪したが<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、控訴審判決で死刑から無期懲役に減軽された途端、一転して遺族への連絡は途絶え<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、謝罪の手紙を送りたいという申し出もなくなり、何も言ってこなくなったという<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-18">{{Cite news |title=【死刑制度廃止論】闇サイト殺人遺族の△△(闇サイト殺人事件被害者女性の母親の実名)さん基調講演詳報 「被害者が1人でも、私にとってはかけがえのない大切な娘」 残忍な殺害状況も子細に…(6/11ページ) |newspaper=『産経新聞』 |publisher=産経新聞社 |date=2016-12-18 |url=http://www.sankei.com/affairs/news/161218/afr1612180005-n6.html |accessdate=2017-06-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170619112915/http://www.sankei.com/affairs/news/161218/afr1612180005-n6.html |archivedate=2017-06-19 }}</ref>。闇サイト事件で娘を失った女性はこの反省のないAの態度に加え、Aが碧南事件や守山区の事件で再逮捕されるまでこれらの余罪を隠していたことについて、「Aは(闇サイト事件の犯人3人の中で)一番嘘が多かった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。3人の中で最もしたたかで、図太く見えた」<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、「本気で反省し、謝罪する気があったらこれまでに犯した犯行を自供していたはず」と非難している<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-18"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。 |
Aは闇サイト事件で逮捕された2007年8月以降、同事件の取り調べや[[公判]]では、反省の弁を述べる一方、夫婦殺害事件については(当時の取り調べで)「聴かれなかったから」と、一切自供していなかった<ref group="報道" name="時事通信2012-08-07">{{Cite news |title=「聴かれなかったから」=闇サイト逮捕後、自供せず-愛知夫婦強殺 |date=2012-08-07 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 }}</ref>。また、Aは第一審・第13回公判(2015年12月3日)で行われた[[被告人]]質問にて、闇サイト事件で無期懲役が確定する前に、夫婦殺害事件・強盗殺人未遂事件などの余罪を自白しなかった理由について、「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った(後述)<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは闇サイト事件の公判で、結審直前に涙を流しつつ、被害者遺族に頭を下げており<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23">『中日新聞』2012年8月23日朝刊第一社会面31面「98年碧南夫婦強殺 07年闇サイト殺人 借金かさみ凶行か A容疑者 周辺『無口で穏やか』 法廷で"したたか”謝罪」</ref>、同事件の犯人3人の中では唯一、遺族に謝罪の手紙を渡そうと試み、控訴審では「被害者の夢や希望を奪って、遺族に苦しみを与えた」と謝罪したが<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、控訴審判決で死刑から無期懲役に減軽された途端、一転して遺族への連絡は途絶え<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、謝罪の手紙を送りたいという申し出もなくなり、何も言ってこなくなったという<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-18">{{Cite news |title=【死刑制度廃止論】闇サイト殺人遺族の△△(闇サイト殺人事件被害者女性の母親の実名)さん基調講演詳報 「被害者が1人でも、私にとってはかけがえのない大切な娘」 残忍な殺害状況も子細に…(6/11ページ) |newspaper=『産経新聞』 |publisher=産経新聞社 |date=2016-12-18 |url=http://www.sankei.com/affairs/news/161218/afr1612180005-n6.html |accessdate=2017-06-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170619112915/http://www.sankei.com/affairs/news/161218/afr1612180005-n6.html |archivedate=2017-06-19 }}</ref>。闇サイト事件で娘を失った女性はこの反省のないAの態度に加え、Aが碧南事件や守山区の事件で再逮捕されるまでこれらの余罪を隠していたことについて、「Aは(闇サイト事件の犯人3人の中で)一番嘘が多かった<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。3人の中で最もしたたかで、図太く見えた」<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-23"/>、「本気で反省し、謝罪する気があったらこれまでに犯した犯行を自供していたはず」と非難している<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-18"/><ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。 |
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8月24日、[[名古屋地方検察庁]]は強盗殺人・[[住居侵入罪]]で、Aら3人を[[名古屋地方裁判所]]に[[起訴]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25">『中日新聞』2012年8月25日朝刊第一社会面33面「碧南夫婦強殺 3人起訴」「『死刑求めたい』△△さんの母」「『闇サイト』どう影響 A被告公判で名地検言及か」「大変厳しい判決も [[加藤克佳]]・[[名城大学]]教授(刑事訴訟法)」</ref>。この日は闇サイト事件の被害者がAらに拉致された日であり、闇サイト事件の被害者の母親は記者会見に応じ、「因縁めいたものを感じた」とした上で「娘はどれだけ怖かっただろうと想像し、毎月24日は本当につらい」と声を詰まらせ、この事件が[[裁判員制度|裁判員裁判]]で審理されることについて([[裁判官]]や[[裁判員]]に対し)「本事件は闇サイト事件と別事件ではなく、Aという1人の人間の人間性や犯した罪の全体像として把握してほしい。闇サイトがどんな事件だったかを知って裁いてほしい」とした上で「Aは犯した罪の責任をきちんと取るべきだ」と話した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/><ref group="報道">『日本経済新聞』2012年8月25日朝刊第一社会面35面「闇サイト受刑者ら起訴 名古屋地検 愛知夫婦強殺で」<br>『日本経済新聞』2012年8月25日大阪朝刊第一社会面16面「名古屋地検 愛知夫婦強殺で3人起訴(ピックアップ)」<br>『日本経済新聞』2012年8月25日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト殺人の受刑者ら、碧南夫婦強殺で起訴 名古屋地検 市民の量刑判断争点」「闇サイト事件 被害女性の母親会見 罪の全体像見るべき」<br>{{Cite news |title=「犯した罪の責任とるべき」 闇サイト殺人遺族 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-24 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2405H_U2A820C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220172559/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2405H_U2A820C1CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref>。名古屋地検幹部は「求刑の量刑を判断するうえでは、闇サイト事件がどう影響するのか、しないのか、慎重に検討材料としたい」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。 |
8月24日、[[名古屋地方検察庁]]は強盗殺人・[[住居侵入罪]]で、Aら3人を[[名古屋地方裁判所]]に[[起訴]]した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25">『中日新聞』2012年8月25日朝刊第一社会面33面「碧南夫婦強殺 3人起訴」「『死刑求めたい』△△さんの母」「『闇サイト』どう影響 A被告公判で名地検言及か」「大変厳しい判決も [[加藤克佳]]・[[名城大学]]教授(刑事訴訟法)」</ref>。この日は闇サイト事件の被害者がAらに拉致された日であり、闇サイト事件の被害者の母親は記者会見に応じ、「因縁めいたものを感じた」とした上で「娘はどれだけ怖かっただろうと想像し、毎月24日は本当につらい」と声を詰まらせ、この事件が[[裁判員制度|裁判員裁判]]で審理されることについて([[裁判官]]や[[裁判員]]に対し)「本事件は闇サイト事件と別事件ではなく、Aという1人の人間の人間性や犯した罪の全体像として把握してほしい。闇サイトがどんな事件だったかを知って裁いてほしい」とした上で「Aは犯した罪の責任をきちんと取るべきだ」と話した<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/><ref group="報道">『日本経済新聞』2012年8月25日朝刊第一社会面35面「闇サイト受刑者ら起訴 名古屋地検 愛知夫婦強殺で」<br />『日本経済新聞』2012年8月25日大阪朝刊第一社会面16面「名古屋地検 愛知夫婦強殺で3人起訴(ピックアップ)」<br />『日本経済新聞』2012年8月25日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト殺人の受刑者ら、碧南夫婦強殺で起訴 名古屋地検 市民の量刑判断争点」「闇サイト事件 被害女性の母親会見 罪の全体像見るべき」<br />{{Cite news |title=「犯した罪の責任とるべき」 闇サイト殺人遺族 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2012-08-24 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2405H_U2A820C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161220172559/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2405H_U2A820C1CC1000/ |archivedate=2016-12-21 }}</ref>。名古屋地検幹部は「求刑の量刑を判断するうえでは、闇サイト事件がどう影響するのか、しないのか、慎重に検討材料としたい」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2012-08-25"/>。 |
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さらにBの供述などから、前述の[[#名古屋市守山区高齢女性強盗殺人未遂事件|守山区の事件]]へのA・B両名の関与が明らかになり、被害品の貴金属の一部が質店に売られていたことも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16">『中日新聞』2013年1月16日夕刊第一社会面15面「闇サイト A容疑者再逮捕 06年、守山の強殺未遂 愛知県警」「A容疑者と事件の経緯」</ref><ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2013-01-17">『日本経済新聞』2013年1月16日夕刊第一社会面15面「強殺未遂容疑で再逮捕 7年前の事件 闇サイト受刑者ら」<br>『日本経済新聞』2013年1月16日名古屋夕刊第一社会面36面「闇サイト殺人受刑者ら 別の強殺未遂で逮捕 容疑で愛知県警」<br>『日本経済新聞』2013年1月17日名古屋朝刊第一社会面21面「建築会社名乗り侵入 06年の事件 闇サイトA容疑者ら 計画的犯行か」<br>{{Cite news |title=闇サイト事件の受刑者ら再逮捕 7年前の強殺未遂事件で |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=[[日本経済新聞社]] |date=2013-01-17 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD1601A_W3A110C1CN8000/|accessdate=2015-12-15 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20130120072641/http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD1601A_W3A110C1CN8000 |archivedate=2013-01-20 }}</ref>。愛知県警は[[2013年]](平成25年)[[1月16日]]、守山署に特別捜査本部を設置し、A・B両名を、強盗殺人未遂・住居侵入容疑で逮捕した<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。『[[朝日新聞]]』2013年1月18日朝刊名古屋版記事によれば、愛知県警は当初、前述のように強盗致傷事件として捜査していたが、Aが女性宅に押し入った直後、逃走する前の2回にわたり、女性の首を強く絞めていたことや、女性の首の絞められた跡・負傷の程度から、Aは相当強い力で首を絞めており、殺意があったと判断し、強盗殺人未遂容疑で立件した<ref group="報道" name="朝日新聞2013-01-18">『朝日新聞』2013年1月18日朝刊第一社会面31面「A容疑者、首2回絞める 殺意ありと判断 愛知県警捜査【名古屋】」</ref>。特捜本部によると逮捕直後、Aは「[[弁護士]]と話してからしゃべる」と認否を保留し、Bは「ほぼ間違いありません。金目的だった」と大筋で認めた<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。質店に売られた貴金属は特捜本部が押収し、裏付け捜査をした<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。捜査関係者によると、A・B両名は女性宅を実際にリフォームした建築会社の社員を装い、玄関から訪問したとみられる<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。2人は女性とは面識がなかったとみられていたが<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>、Aが以前勤めていた建築会社が、実際に守山区の事件の数年前、民家をリフォームしていたことも分かった<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17">『中日新聞』2013年1月17日朝刊第一社会面31面「守山の強殺未遂 元勤務会社がリフォーム 被害者宅 A容疑者、事情知る?」<br>『東京新聞』2013年1月17日朝刊第一社会面27面「闇サイト事件の被告ら 強殺未遂容疑で再逮捕」</ref>。特捜本部は、民家の事情を知っていたAが事件を主導したとみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17"/>。 |
さらにBの供述などから、前述の[[#名古屋市守山区高齢女性強盗殺人未遂事件|守山区の事件]]へのA・B両名の関与が明らかになり、被害品の貴金属の一部が質店に売られていたことも判明した<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16">『中日新聞』2013年1月16日夕刊第一社会面15面「闇サイト A容疑者再逮捕 06年、守山の強殺未遂 愛知県警」「A容疑者と事件の経緯」</ref><ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17"/><ref group="報道" name="日本経済新聞2013-01-17">『日本経済新聞』2013年1月16日夕刊第一社会面15面「強殺未遂容疑で再逮捕 7年前の事件 闇サイト受刑者ら」<br />『日本経済新聞』2013年1月16日名古屋夕刊第一社会面36面「闇サイト殺人受刑者ら 別の強殺未遂で逮捕 容疑で愛知県警」<br />『日本経済新聞』2013年1月17日名古屋朝刊第一社会面21面「建築会社名乗り侵入 06年の事件 闇サイトA容疑者ら 計画的犯行か」<br />{{Cite news |title=闇サイト事件の受刑者ら再逮捕 7年前の強殺未遂事件で |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=[[日本経済新聞社]] |date=2013-01-17 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD1601A_W3A110C1CN8000/|accessdate=2015-12-15 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20130120072641/http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD1601A_W3A110C1CN8000 |archivedate=2013-01-20 }}</ref>。愛知県警は[[2013年]](平成25年)[[1月16日]]、守山署に特別捜査本部を設置し、A・B両名を、強盗殺人未遂・住居侵入容疑で逮捕した<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。『[[朝日新聞]]』2013年1月18日朝刊名古屋版記事によれば、愛知県警は当初、前述のように強盗致傷事件として捜査していたが、Aが女性宅に押し入った直後、逃走する前の2回にわたり、女性の首を強く絞めていたことや、女性の首の絞められた跡・負傷の程度から、Aは相当強い力で首を絞めており、殺意があったと判断し、強盗殺人未遂容疑で立件した<ref group="報道" name="朝日新聞2013-01-18">『朝日新聞』2013年1月18日朝刊第一社会面31面「A容疑者、首2回絞める 殺意ありと判断 愛知県警捜査【名古屋】」</ref>。特捜本部によると逮捕直後、Aは「[[弁護士]]と話してからしゃべる」と認否を保留し、Bは「ほぼ間違いありません。金目的だった」と大筋で認めた<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。質店に売られた貴金属は特捜本部が押収し、裏付け捜査をした<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。捜査関係者によると、A・B両名は女性宅を実際にリフォームした建築会社の社員を装い、玄関から訪問したとみられる<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>。2人は女性とは面識がなかったとみられていたが<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-16"/>、Aが以前勤めていた建築会社が、実際に守山区の事件の数年前、民家をリフォームしていたことも分かった<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17">『中日新聞』2013年1月17日朝刊第一社会面31面「守山の強殺未遂 元勤務会社がリフォーム 被害者宅 A容疑者、事情知る?」<br />『東京新聞』2013年1月17日朝刊第一社会面27面「闇サイト事件の被告ら 強殺未遂容疑で再逮捕」</ref>。特捜本部は、民家の事情を知っていたAが事件を主導したとみて調べた<ref group="報道" name="中日新聞2013-01-17"/>。 |
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名古屋地検は2013年2月6日、守山区の事件について、Aを強盗殺人未遂罪・住居侵入罪で、Bは「殺意がなかった」と判断して強盗致傷罪などで、それぞれ起訴した<ref group="報道" name="中日新聞2013-02-07">『中日新聞』2013年2月7日朝刊第一社会面31面「名古屋の強盗でも起訴 闇サイト事件、A被告ら」</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2013年2月7日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト受刑者追起訴 民家に侵入 強殺未遂罪 名古屋地検」</ref>。 |
名古屋地検は2013年2月6日、守山区の事件について、Aを強盗殺人未遂罪・住居侵入罪で、Bは「殺意がなかった」と判断して強盗致傷罪などで、それぞれ起訴した<ref group="報道" name="中日新聞2013-02-07">『中日新聞』2013年2月7日朝刊第一社会面31面「名古屋の強盗でも起訴 闇サイト事件、A被告ら」</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2013年2月7日名古屋朝刊第一社会面21面「闇サイト受刑者追起訴 民家に侵入 強殺未遂罪 名古屋地検」</ref>。 |
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== 刑事裁判 == |
== 刑事裁判 == |
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本事件の刑事裁判第一審はすべて、[[名古屋地方裁判所]]にて[[裁判員制度|裁判員裁判]]で開かれた。起訴後も[[検察]]側・[[弁護人|弁護]]側双方の主張の対立により、[[公判前整理手続]]が長期化したことから<ref group="報道">『中日新聞』2014年5月20日朝刊第一社会面31面「裁判員裁判 迅速化求める遺族 『つらい日々いつまで』」</ref>、最初にAの第一審初公判が開かれるまでに、最終起訴から2年8か月後という異例の長期間を要した<ref group="報道" name="中日新聞2015-09-05">『中日新聞』2015年9月5日朝刊第一社会面35面「碧南の強殺来月初公判 闇サイト事件無期懲役 A被告 最終起訴から2年8カ月」「△△(闇サイト殺人事件被害者女性の母親の実名)さん母『長かった』 裁判員裁判で長期化傾向」「A被告をめぐる経過」<br>『東京新聞』2015年9月5日夕刊第一社会面9面「闇サイトの被告 10月に初公判 名古屋地裁、別の強殺で」</ref><ref group="報道" name="中日新聞2015-10-28">『中日新聞』2015年10月28日朝刊第二社会面30面「『闇サイト事件』無期のA被告 碧南強殺 あす初公判 検察側、死刑求刑の可能性」「裁判員にとって悩ましい判断に」</ref>。 |
本事件の刑事裁判第一審はすべて、[[名古屋地方裁判所]]にて[[裁判員制度|裁判員裁判]]で開かれた。起訴後も[[検察]]側・[[弁護人|弁護]]側双方の主張の対立により、[[公判前整理手続]]が長期化したことから<ref group="報道">『中日新聞』2014年5月20日朝刊第一社会面31面「裁判員裁判 迅速化求める遺族 『つらい日々いつまで』」</ref>、最初にAの第一審初公判が開かれるまでに、最終起訴から2年8か月後という異例の長期間を要した<ref group="報道" name="中日新聞2015-09-05">『中日新聞』2015年9月5日朝刊第一社会面35面「碧南の強殺来月初公判 闇サイト事件無期懲役 A被告 最終起訴から2年8カ月」「△△(闇サイト殺人事件被害者女性の母親の実名)さん母『長かった』 裁判員裁判で長期化傾向」「A被告をめぐる経過」<br />『東京新聞』2015年9月5日夕刊第一社会面9面「闇サイトの被告 10月に初公判 名古屋地裁、別の強殺で」</ref><ref group="報道" name="中日新聞2015-10-28">『中日新聞』2015年10月28日朝刊第二社会面30面「『闇サイト事件』無期のA被告 碧南強殺 あす初公判 検察側、死刑求刑の可能性」「裁判員にとって悩ましい判断に」</ref>。 |
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=== 第一審(名古屋地裁・裁判員裁判) === |
=== 第一審(名古屋地裁・裁判員裁判) === |
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;A |
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Aの初公判は[[2015年]](平成27年)10月29日、名古屋地裁([[景山太郎]]裁判長)で開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29">『中日新聞』2015年10月29日夕刊第一社会面11面「A被告 夫への殺意否認 妻殺害には『関与せず』 碧南の強殺初公判」「遺族が公判に参加 被告は目合わせず」「検察側冒頭陳述 押し入って数時間 妻子見張る◼︎子ども就寝後 夫妻殺害決意」<br>『中日新聞』2015年10月30日朝刊第二社会面32面「夫への殺意めぐり対立 碧南強殺初公判 検察と弁護側 A被告 起訴内容一部否認」「被害者次男『真実明らかに』 『娘の時と同じ』△△さん母」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28">『朝日新聞』2015年10月28日朝刊第二社会面34面「怒り・悲しみ、抱き続けた17年 碧南夫婦殺害、当時6歳の次男【名古屋】」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-29">『朝日新聞』2015年10月29日夕刊第一社会面9面「強盗殺人罪、争う姿勢 夫への殺意や妻殺害、否認 碧南事件初公判【名古屋】」<br>『朝日新聞』2015年10月30日朝刊第一社会面37面「A被告、夫への殺意否認 妻殺害『関与せず』 碧南事件初公判【名古屋】」</ref>。検察側は冒頭陳述で「Aは消費者金融などの借金に困り、パチンコ店の売上金を奪う目的で共犯に強盗を持ちかけた」と計画性を指摘し、夫婦殺害については「Aは妻殺害時には屋外に出ていたが、『顔を覚えられたため殺すしかない』と事前に実行役に依頼しており、共謀が成立する」と指摘した上で、男性の殺害も「妻を殺害した以上、男性も殺害するしかないと考え、Aがいきなり背後から馬乗りになってロープで首を強く絞め、共犯者も加勢した」と述べ、いずれも殺意があったと主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/><ref group="報道" name="時事通信2015-10-29">{{Cite news |title=夫婦殺害、A被告が一部否認=「闇サイト殺人」で無期確定-名古屋地裁 |newspaper=『[[時事通信]]』 |publisher=[[時事通信社]] |date=2015-10-29 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102900051 |archiveurl=http://archive.is/la0Ew |archivedate=2016-02-07 }}<br>{{Cite news |title=「A被告、何も変わってない」=闇サイト事件被害者の母-夫婦殺害初公判 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2015-10-29 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102900937 |archiveurl=http://archive.is/tpApx |archivedate=2016-02-07 }}</ref>。一方で弁護側は「売上金の保管されている場所などパチンコ店の情報を聞き出すのが目的で、誰も殺す気はなかった」と殺意を否認し、妻殺害については「Aは行動を見張るため妻のそばにいたため、殺害を共犯に頼む機会はなかった。Aが現場に戻ったら共犯者により妻は既に殺されていた。Aは一切関与していない」として[[無罪]]を主張した上で、男性については「パチンコ店の売上金の在りかを聞こうと、顔にかぶせていたバスタオルの端を共犯者が強く引っ張ったら動かなくなった」と述べ、強盗致死罪に留まると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/><ref group="報道" name="時事通信2015-10-29"/>。罪状認否でAは、妻殺害について「一切関与していない」と無罪を主張し、男性殺害については「死亡させたことは認めるが、殺意はなかった」と述べ、起訴内容を一部否認した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/>。 |
Aの初公判は[[2015年]](平成27年)10月29日、名古屋地裁([[景山太郎]]裁判長)で開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29">『中日新聞』2015年10月29日夕刊第一社会面11面「A被告 夫への殺意否認 妻殺害には『関与せず』 碧南の強殺初公判」「遺族が公判に参加 被告は目合わせず」「検察側冒頭陳述 押し入って数時間 妻子見張る◼︎子ども就寝後 夫妻殺害決意」<br />『中日新聞』2015年10月30日朝刊第二社会面32面「夫への殺意めぐり対立 碧南強殺初公判 検察と弁護側 A被告 起訴内容一部否認」「被害者次男『真実明らかに』 『娘の時と同じ』△△さん母」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28">『朝日新聞』2015年10月28日朝刊第二社会面34面「怒り・悲しみ、抱き続けた17年 碧南夫婦殺害、当時6歳の次男【名古屋】」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-29">『朝日新聞』2015年10月29日夕刊第一社会面9面「強盗殺人罪、争う姿勢 夫への殺意や妻殺害、否認 碧南事件初公判【名古屋】」<br />『朝日新聞』2015年10月30日朝刊第一社会面37面「A被告、夫への殺意否認 妻殺害『関与せず』 碧南事件初公判【名古屋】」</ref>。検察側は冒頭陳述で「Aは消費者金融などの借金に困り、パチンコ店の売上金を奪う目的で共犯に強盗を持ちかけた」と計画性を指摘し、夫婦殺害については「Aは妻殺害時には屋外に出ていたが、『顔を覚えられたため殺すしかない』と事前に実行役に依頼しており、共謀が成立する」と指摘した上で、男性の殺害も「妻を殺害した以上、男性も殺害するしかないと考え、Aがいきなり背後から馬乗りになってロープで首を強く絞め、共犯者も加勢した」と述べ、いずれも殺意があったと主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/><ref group="報道" name="時事通信2015-10-29">{{Cite news |title=夫婦殺害、A被告が一部否認=「闇サイト殺人」で無期確定-名古屋地裁 |newspaper=『[[時事通信]]』 |publisher=[[時事通信社]] |date=2015-10-29 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102900051 |archiveurl=http://archive.is/la0Ew |archivedate=2016-02-07 }}<br />{{Cite news |title=「A被告、何も変わってない」=闇サイト事件被害者の母-夫婦殺害初公判 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2015-10-29 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102900937 |archiveurl=http://archive.is/tpApx |archivedate=2016-02-07 }}</ref>。一方で弁護側は「売上金の保管されている場所などパチンコ店の情報を聞き出すのが目的で、誰も殺す気はなかった」と殺意を否認し、妻殺害については「Aは行動を見張るため妻のそばにいたため、殺害を共犯に頼む機会はなかった。Aが現場に戻ったら共犯者により妻は既に殺されていた。Aは一切関与していない」として[[無罪]]を主張した上で、男性については「パチンコ店の売上金の在りかを聞こうと、顔にかぶせていたバスタオルの端を共犯者が強く引っ張ったら動かなくなった」と述べ、強盗致死罪に留まると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/><ref group="報道" name="時事通信2015-10-29"/>。罪状認否でAは、妻殺害について「一切関与していない」と無罪を主張し、男性殺害については「死亡させたことは認めるが、殺意はなかった」と述べ、起訴内容を一部否認した<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-29"/>。 |
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同年11月4日に第2回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04">『中日新聞』2015年11月4日夕刊第一社会面11面「被害夫婦の長男が出廷 碧南強殺 A被告公判」<br>『中日新聞』2015年11月5日朝刊第三社会面26面「被害夫妻の長男尋問 碧南強殺公判 当時の調書も朗読」</ref>。同日は検察側証人(当時8歳だった男性の長男)への証人尋問が行われ、長男は父親が襲われた状況について「帰宅した父親が、1階の廊下で男に羽交い絞めにされた。その後父親は倒され、別の男が父親に馬乗りになった。気付いた1人から『寝ようか』と言われ、寝かしつけられた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04"/>。検察側は、事件直後の長男の「男のうち1人は長男・次男が居間や自室で遊ぶのを見ており、他2人は妻と客間にこもっていた。夕食時は3人とも妻が作ったハンバーグを食べた。その後長男は就寝したが、深夜に帰宅した男性に起こされ『お母さんが殺されているかもしれない』と伝えられた」という内容の調書を朗読した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04"/>。 |
同年11月4日に第2回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04">『中日新聞』2015年11月4日夕刊第一社会面11面「被害夫婦の長男が出廷 碧南強殺 A被告公判」<br />『中日新聞』2015年11月5日朝刊第三社会面26面「被害夫妻の長男尋問 碧南強殺公判 当時の調書も朗読」</ref>。同日は検察側証人(当時8歳だった男性の長男)への証人尋問が行われ、長男は父親が襲われた状況について「帰宅した父親が、1階の廊下で男に羽交い絞めにされた。その後父親は倒され、別の男が父親に馬乗りになった。気付いた1人から『寝ようか』と言われ、寝かしつけられた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04"/>。検察側は、事件直後の長男の「男のうち1人は長男・次男が居間や自室で遊ぶのを見ており、他2人は妻と客間にこもっていた。夕食時は3人とも妻が作ったハンバーグを食べた。その後長男は就寝したが、深夜に帰宅した男性に起こされ『お母さんが殺されているかもしれない』と伝えられた」という内容の調書を朗読した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-04"/>。 |
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翌11月5日に第3回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06">『中日新聞』2015年11月6日朝刊第三社会面32面「妻殺害『A被告に頼まれ』 碧南強殺公判で共犯者証言」</ref>。同日は証人尋問が行われ、共犯者のBが検察側証人として出廷した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。Bは事件の経緯について「当時仕事仲間だったAから『借金返済のため強盗を手伝ってくれ』と頼まれ、報酬を条件に引き受けた。Aが下見していた夫婦宅玄関が無施錠だったため、そこから侵入し、妻と遭遇したAが『ヤクザに追われている』などと言って信じ込ませ、男性が帰宅するまで居座ることにした」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。続いて、Bは妻殺害について「長男・次男を寝かしつけた後、車を取りにいったん家を出たAから『外出している間に殺しておいてくれ』と頼まれ、Cとともに背後からロープに首をかけて妻を絞殺した」「妻は事切れる直前『子どもは殺さないで』と言い残していた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。 |
翌11月5日に第3回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06">『中日新聞』2015年11月6日朝刊第三社会面32面「妻殺害『A被告に頼まれ』 碧南強殺公判で共犯者証言」</ref>。同日は証人尋問が行われ、共犯者のBが検察側証人として出廷した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。Bは事件の経緯について「当時仕事仲間だったAから『借金返済のため強盗を手伝ってくれ』と頼まれ、報酬を条件に引き受けた。Aが下見していた夫婦宅玄関が無施錠だったため、そこから侵入し、妻と遭遇したAが『ヤクザに追われている』などと言って信じ込ませ、男性が帰宅するまで居座ることにした」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。続いて、Bは妻殺害について「長男・次男を寝かしつけた後、車を取りにいったん家を出たAから『外出している間に殺しておいてくれ』と頼まれ、Cとともに背後からロープに首をかけて妻を絞殺した」「妻は事切れる直前『子どもは殺さないで』と言い残していた」と証言した<ref group="報道" name="中日新聞2015-11-06"/>。 |
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12月3日、情状面の審理が行われた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊">『中日新聞』2015年12月4日朝刊第二社会面38面「夫婦への殺意をあらためて否定 A被告弁護側」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。弁護側は「事前に被害者の殺害まで計画していたわけではない」と主張した上で、「きわめて大雑把な計画の下、犯行に及び、重大な結果を発生させてしまった」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。検察側は、被告人質問で「碧南事件で妻を殺害後、男性の殺害をやめようとは思わなかったのか」と、Aを追及した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。これに対し、Aは「現場から立ち去ろうと、共犯に話はした」と答えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。また、Aは闇サイト事件で逮捕後、無期懲役が確定するまでに、本事件を自白しなかったり畏友について「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは刑が確定するまで、自身の長男と手紙などの交流があったが、本事件で再逮捕されてからは途絶えたという<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊">『朝日新聞』2015年12月4日朝刊第一社会面35面「『子が離れるのが怖かった』自白しなかった理由答える 碧南事件【名古屋】」</ref>。同日は男性の長男と、長男の代理人弁護士も出廷し、代理人弁護士がAに対し「夫婦にはお子さんが2人いた。犯行をためらう要素にはならなかったのか」と問うと、Aは「なりませんでした」と答えた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは、被害者夫婦の長男・次男に対し「前触れなく両親を奪われる喪失感は計り知れず、私たちへの憎しみは胸の内でたぎっていると思う。ただただ申し訳ない気持ちです」と述べた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。情状証人として出廷した、当時78歳のAの母親は「一生懸命償ってほしい。そういう言葉しか出ません」と述べた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。 |
12月3日、情状面の審理が行われた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊">『中日新聞』2015年12月4日朝刊第二社会面38面「夫婦への殺意をあらためて否定 A被告弁護側」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。弁護側は「事前に被害者の殺害まで計画していたわけではない」と主張した上で、「きわめて大雑把な計画の下、犯行に及び、重大な結果を発生させてしまった」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。検察側は、被告人質問で「碧南事件で妻を殺害後、男性の殺害をやめようとは思わなかったのか」と、Aを追及した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。これに対し、Aは「現場から立ち去ろうと、共犯に話はした」と答えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-04-朝刊"/>。また、Aは闇サイト事件で逮捕後、無期懲役が確定するまでに、本事件を自白しなかったり畏友について「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは刑が確定するまで、自身の長男と手紙などの交流があったが、本事件で再逮捕されてからは途絶えたという<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊">『朝日新聞』2015年12月4日朝刊第一社会面35面「『子が離れるのが怖かった』自白しなかった理由答える 碧南事件【名古屋】」</ref>。同日は男性の長男と、長男の代理人弁護士も出廷し、代理人弁護士がAに対し「夫婦にはお子さんが2人いた。犯行をためらう要素にはならなかったのか」と問うと、Aは「なりませんでした」と答えた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。Aは、被害者夫婦の長男・次男に対し「前触れなく両親を奪われる喪失感は計り知れず、私たちへの憎しみは胸の内でたぎっていると思う。ただただ申し訳ない気持ちです」と述べた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。情状証人として出廷した、当時78歳のAの母親は「一生懸命償ってほしい。そういう言葉しか出ません」と述べた<ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-04-朝刊"/>。 |
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同年12月4日に論告求刑公判が開かれ、検察側はAに対し、死刑を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05">『中日新聞』2015年12月4日夕刊1面「碧南強殺に死刑求刑 闇サイト無期確定のA被告」<br>『中日新聞』2015年12月4日夕刊第一社会面13面「長男『死刑強く願う』 碧南夫婦強殺 被告は反省の言葉」<br>『中日新聞』2015年12月5日朝刊1面「A被告に死刑求刑 碧南強殺 検察『計画の首謀者』」<br>『中日新聞』2015年12月5日朝刊第二社会面34面「『両親失い必死に生きた』 碧南夫婦強殺 次男苦悩の17年」</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=愛知の夫婦強殺で死刑求刑、闇サイト事件で無期懲役の男に 名古屋地裁 |newspaper=『[[産経新聞]]』 |publisher=産業経済新聞社 |date=2015-12-04 |url=http://www.sankei.com/west/news/151204/wst1512040043-n1.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20151207142523/http://www.sankei.com/west/news/151204/wst1512040043-n1.html |archivedate=2015-12-07 }}</ref>。検察側は[[論告]]で、「妻殺害後、男性の帰宅まで時間はあったが、Aは犯行を思い留まるどころか、2度目の殺人に及んだ。突発的、[[シリアルキラー|冷却期間を置いた連続的な犯行]]とは異なる」と指摘した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。その上で、Aが妻殺害時、現場を離れていたことについては「計画を立案した首謀者で、殺害を共犯に担わせただけである」として、共謀が成立することを主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。殺意の有無を争っていた男性の殺害についても「妻殺害はいずれ発覚するので、男性だけ生かすわけにはいかないと考えた。殺害を事前に計画していたに等しい」として、「極刑は免れ得ない」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。一方で、弁護側は最終弁論で「Aは妻殺害には関与していない。車を取りに行くまでの間、妻のそばで行動を見張っていたので、共犯に殺害を頼む機会はなかった」と反論し、男性殺害についても「パチンコ店の金を奪うのが目的で、殺害すれば店への侵入方法もわからなくなる。おとなしくさせようとしたところ、死なせてしまった」と、殺意を否定し、強盗致死罪と[[窃盗罪]]、[[住居侵入罪]]の成立に留まると主張し、無期懲役が相当だとして、死刑回避を訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。また、弁護側は「碧南事件の時点では、闇サイト事件はまだ発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。この日は、被告人質問・被害者遺族の意見陳述も行われ、裁判員の1人に、収監中の拘置所での暮らしぶりを聞かれ、Aは「朝晩には被害者の冥福を祈っている」と答えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。続いて、景山太郎裁判長から「起訴されてから、今日までの間に反省が深まったか」と問われると、Aは「深まったかはわからないが、自分がすべきことは何か、毎日考えている」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。被害者遺族の意見陳述では、男性の長男と、次男の代理人弁護士がそれぞれ出廷し、陳述書を読み上げた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。代理人弁護士は「自分には両親の記憶はない。それが悔しいし、本当に重たいこと。事件が心の重荷になり、人生を狂わされた。家族を奪われた苦悩、狂ってしまった未来を自覚してほしい。金を得る手段として2人を殺害した以上、結論は1つしかない」と、死刑を求める次男の陳述書を代読した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。長男は「Aが捕まっても、現実感がなく、法廷で姿を目の当たりにして実感するようになった。Aの言い分を聞いたが、逃げていると思った。Aはいろいろな言い訳をする人間で、何とか刑を軽くしたいということだけ分かった。裁判で話すことはつらかったが、両親のためには無念を晴らすことしかできない。それが復讐だと思っている。Aが死刑になることを、強く強く願っています」と訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。Aは最終陳述で「処刑されることになっても、残された時間のすべてを贖罪にささげたい」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。 |
同年12月4日に論告求刑公判が開かれ、検察側はAに対し、死刑を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05">『中日新聞』2015年12月4日夕刊1面「碧南強殺に死刑求刑 闇サイト無期確定のA被告」<br />『中日新聞』2015年12月4日夕刊第一社会面13面「長男『死刑強く願う』 碧南夫婦強殺 被告は反省の言葉」<br />『中日新聞』2015年12月5日朝刊1面「A被告に死刑求刑 碧南強殺 検察『計画の首謀者』」<br />『中日新聞』2015年12月5日朝刊第二社会面34面「『両親失い必死に生きた』 碧南夫婦強殺 次男苦悩の17年」</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=愛知の夫婦強殺で死刑求刑、闇サイト事件で無期懲役の男に 名古屋地裁 |newspaper=『[[産経新聞]]』 |publisher=産業経済新聞社 |date=2015-12-04 |url=http://www.sankei.com/west/news/151204/wst1512040043-n1.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20151207142523/http://www.sankei.com/west/news/151204/wst1512040043-n1.html |archivedate=2015-12-07 }}</ref>。検察側は[[論告]]で、「妻殺害後、男性の帰宅まで時間はあったが、Aは犯行を思い留まるどころか、2度目の殺人に及んだ。突発的、[[シリアルキラー|冷却期間を置いた連続的な犯行]]とは異なる」と指摘した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。その上で、Aが妻殺害時、現場を離れていたことについては「計画を立案した首謀者で、殺害を共犯に担わせただけである」として、共謀が成立することを主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。殺意の有無を争っていた男性の殺害についても「妻殺害はいずれ発覚するので、男性だけ生かすわけにはいかないと考えた。殺害を事前に計画していたに等しい」として、「極刑は免れ得ない」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。一方で、弁護側は最終弁論で「Aは妻殺害には関与していない。車を取りに行くまでの間、妻のそばで行動を見張っていたので、共犯に殺害を頼む機会はなかった」と反論し、男性殺害についても「パチンコ店の金を奪うのが目的で、殺害すれば店への侵入方法もわからなくなる。おとなしくさせようとしたところ、死なせてしまった」と、殺意を否定し、強盗致死罪と[[窃盗罪]]、[[住居侵入罪]]の成立に留まると主張し、無期懲役が相当だとして、死刑回避を訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。また、弁護側は「碧南事件の時点では、闇サイト事件はまだ発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。この日は、被告人質問・被害者遺族の意見陳述も行われ、裁判員の1人に、収監中の拘置所での暮らしぶりを聞かれ、Aは「朝晩には被害者の冥福を祈っている」と答えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。続いて、景山太郎裁判長から「起訴されてから、今日までの間に反省が深まったか」と問われると、Aは「深まったかはわからないが、自分がすべきことは何か、毎日考えている」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。被害者遺族の意見陳述では、男性の長男と、次男の代理人弁護士がそれぞれ出廷し、陳述書を読み上げた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。代理人弁護士は「自分には両親の記憶はない。それが悔しいし、本当に重たいこと。事件が心の重荷になり、人生を狂わされた。家族を奪われた苦悩、狂ってしまった未来を自覚してほしい。金を得る手段として2人を殺害した以上、結論は1つしかない」と、死刑を求める次男の陳述書を代読した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。長男は「Aが捕まっても、現実感がなく、法廷で姿を目の当たりにして実感するようになった。Aの言い分を聞いたが、逃げていると思った。Aはいろいろな言い訳をする人間で、何とか刑を軽くしたいということだけ分かった。裁判で話すことはつらかったが、両親のためには無念を晴らすことしかできない。それが復讐だと思っている。Aが死刑になることを、強く強く願っています」と訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。Aは最終陳述で「処刑されることになっても、残された時間のすべてを贖罪にささげたい」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>。 |
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2015年12月15日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)で判決公判が開かれ、名古屋地裁は'''検察側の求刑通り、Aに死刑判決を言い渡した'''<ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/><ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16">『[[中日新聞]]』2015年12月16日朝刊1面 「夫婦強殺 A被告に死刑 妻殺害 共謀を認定 碧南の事件 裁判員判決」「『闇サイト』切り離し審理 解説」<br>『中日新聞』2015年12月16日朝刊特集面13面「碧南強殺 名古屋地裁判決〈要旨〉」<br>『中日新聞』2015年12月16日朝刊第二社会面28面「闇サイト事件 識者に聞く 量刑『難しい判断』」「闇サイト事件 △△さんの母 『死刑』やっと聞けた」「○○さん長男『当然のこと』」<br>『中日新聞』2015年12月16日朝刊第一社会面29面 「裁判員 苦悩の審理 闇サイト事件『切り替え』腐心 碧南強殺判決」「A被告 動揺見せず頭下げ」<br>{{Cite news |title=無期懲役囚に死刑判決 名古屋地裁、碧南夫婦強殺で |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2015-12-15 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015121590191120.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20151215145420/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015121590191120.html |archivedate=2015-12-15 }}<br>『[[東京新聞]]』2015年12月16日朝刊第一社会面27面「夫婦強殺で死刑判決 闇サイト 無期確定の被告 名古屋地裁」「『このまま裁判終わりにして』 闇サイト遺族」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-15">{{Cite news |title=愛知、夫婦絞殺の被告に死刑判決 強盗殺人罪を認定 |newspaper=『[[朝日新聞デジタル]]』 |publisher=[[朝日新聞社]] |date=2015-12-15 |url=http://digital.asahi.com/articles/ASHDG4DJGHDGOIPE01H.html?rm=340 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20151215083443/http://www.asahi.com/articles/ASHDG4DJGHDGOIPE01H.html |archivedate=2015-12-15 }}</ref><ref group="報道" name="読売新聞2015-12-16">『[[読売新聞]]』2015年12月16日東京朝刊第一社会面39面「夫婦強殺で死刑判決 闇サイト殺人 無期被告 名古屋地裁」<br>『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊1面「碧南夫婦強殺 死刑判決 闇サイト殺人無期のA被告 名古屋地裁=中部」<br>『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第一社会面39面「碧南夫婦強殺 死刑 闇サイト遺族『ほっと』=中部」<br>『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊名古屋市内面35面「碧南夫婦強殺 死刑 重い判断『難しかった』 裁判員『遺族の話に衝撃』=中部」<br>『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第二愛知県面35面「碧南夫婦殺害 死刑判決の要旨=愛知」</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2015年12月16日朝刊第一社会面43面「愛知の夫婦強殺で死刑 地裁判決 『闇サイト』無期の被告に」<br>『日本経済新聞』2015年12月16日名古屋朝刊第一社会面21面「碧南強殺で死刑判決 『闇サイト』無期 A被告、名古屋地裁 『生命軽視甚だしい』」「『早く終わらせて』闇サイト事件の遺族」</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=A被告に死刑判決=17年前の夫婦殺害-「闇サイト殺人」で受刑中・名古屋地裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2015-12-15 |url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015121500493 |archiveurl=http://archive.is/hjnCG |archivedate=2016-02-24 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2015-12-15">{{Cite news |title=闇サイト事件で無期懲役確定の被告に別事件で死刑判決 |newspaper=『[[NHKニュース]]』 |publisher=[[日本放送協会]] |date=2015-12-15 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151215/k10010341781000.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20151219070151/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151215/k10010341781000.html |archivedate=2015-12-19 }}</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2015-12-16">『[[毎日新聞]]』2015年12月16日東京朝刊第一社会面31面「愛知・碧南の夫婦強殺:『闇サイト』受刑者、死刑判決 名古屋地裁」「A被告が関与した事件の経過」<br>『毎日新聞』2015年12月16日大阪朝刊第一社会面31面「愛知・碧南の夫婦強殺:『闇サイト』受刑者、死刑判決 名古屋地裁」<br>『毎日新聞』2015年12月16日中部朝刊第一社会面25面「愛知・碧南の夫婦強殺:A被告死刑判決 『罪に向き合って』 遺族、報われた思い『ひとまずよかった』」<br>{{Cite news |title=碧南夫婦強殺 「闇サイト」受刑者に死刑判決…名古屋地裁 |newspaper=『[[毎日新聞]]』 |publisher=[[毎日新聞社]] |date=2015-12-16 |url=http://mainichi.jp/articles/20151216/k00/00m/040/136000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20151216/k00/00m/040/136000c |archivedate=2015-12-16 }}</ref>。名古屋地裁は、[[判決理由]]で「犯行を主導したAが知らないうちに、B・C両名が妻を殺害するとは考え難い。夫婦宅を出るまでの間に、Aは共犯と話し合うなどして、殺害を了解していた。もし、殺害がAの予期せぬものだったならば、当然Bらをとがめるなどしていたはずだが、Aはそのようなことはせず、むしろその状態を冷静に利用し、強盗目的を遂行するための行動に出た」として、共謀・強盗殺人罪の成立を[[事実認定|認定]]した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。また、殺意の有無を争っていた男性への殺害についても、「絞殺するには3分以上、首を強く絞め続ける必要があり、Aが公判で供述するような方法で、人を窒息死させるような強い力で3分以上、首を絞め続けてしまうことなどあり得ない。Aには明確な殺意が認められる」と認定した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。守山区の事件についても、「殺意は強固で、非力な高齢女性に対する卑劣な犯行である。被害者を殺害しようとしたのも、強盗の遂行と犯行の発覚防止のためであって、やはり私欲的で身勝手極まりなく、酌量の余地はない。殺害の計画性は認められないが、碧南事件で夫婦を死亡させたA・B両名にとって、被害者宅で強盗を行えば、被害者を殺害するような行為に及ぶような事態が起こりうることは、容易に想像できたはずなのに、Aらは再び強盗を計画し、主導的に実行した。このような人命軽視の態度には、もっとも強い非難が向けられるべきだ」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。その上で「子供らを案じながら、苦しみの上に突然、人生を絶たれた2人の恐怖や絶望、無念の思いは察するに余りある」と指摘し、「2人の生命を奪った結果は極めて重大で、事前に殺害を計画していたとまではいえないが、偶発的ともいえず、強盗目的を遂行するため、事態の推移に応じて冷徹な殺害行為を繰り返しており、人命軽視の態度が甚だしい。Aは不合理な弁解を繰り返しており、反省は深まっておらず、死刑の選択をためらわせるような事情はない」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。 |
2015年12月15日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)で判決公判が開かれ、名古屋地裁は'''検察側の求刑通り、Aに死刑判決を言い渡した'''<ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/><ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16">『[[中日新聞]]』2015年12月16日朝刊1面 「夫婦強殺 A被告に死刑 妻殺害 共謀を認定 碧南の事件 裁判員判決」「『闇サイト』切り離し審理 解説」<br />『中日新聞』2015年12月16日朝刊特集面13面「碧南強殺 名古屋地裁判決〈要旨〉」<br />『中日新聞』2015年12月16日朝刊第二社会面28面「闇サイト事件 識者に聞く 量刑『難しい判断』」「闇サイト事件 △△さんの母 『死刑』やっと聞けた」「○○さん長男『当然のこと』」<br />『中日新聞』2015年12月16日朝刊第一社会面29面 「裁判員 苦悩の審理 闇サイト事件『切り替え』腐心 碧南強殺判決」「A被告 動揺見せず頭下げ」<br />{{Cite news |title=無期懲役囚に死刑判決 名古屋地裁、碧南夫婦強殺で |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2015-12-15 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015121590191120.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20151215145420/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015121590191120.html |archivedate=2015-12-15 }}<br />『[[東京新聞]]』2015年12月16日朝刊第一社会面27面「夫婦強殺で死刑判決 闇サイト 無期確定の被告 名古屋地裁」「『このまま裁判終わりにして』 闇サイト遺族」</ref><ref group="報道" name="朝日新聞2015-12-15">{{Cite news |title=愛知、夫婦絞殺の被告に死刑判決 強盗殺人罪を認定 |newspaper=『[[朝日新聞デジタル]]』 |publisher=[[朝日新聞社]] |date=2015-12-15 |url=http://digital.asahi.com/articles/ASHDG4DJGHDGOIPE01H.html?rm=340 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20151215083443/http://www.asahi.com/articles/ASHDG4DJGHDGOIPE01H.html |archivedate=2015-12-15 }}</ref><ref group="報道" name="読売新聞2015-12-16">『[[読売新聞]]』2015年12月16日東京朝刊第一社会面39面「夫婦強殺で死刑判決 闇サイト殺人 無期被告 名古屋地裁」<br />『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊1面「碧南夫婦強殺 死刑判決 闇サイト殺人無期のA被告 名古屋地裁=中部」<br />『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第一社会面39面「碧南夫婦強殺 死刑 闇サイト遺族『ほっと』=中部」<br />『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊名古屋市内面35面「碧南夫婦強殺 死刑 重い判断『難しかった』 裁判員『遺族の話に衝撃』=中部」<br />『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第二愛知県面35面「碧南夫婦殺害 死刑判決の要旨=愛知」</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2015年12月16日朝刊第一社会面43面「愛知の夫婦強殺で死刑 地裁判決 『闇サイト』無期の被告に」<br />『日本経済新聞』2015年12月16日名古屋朝刊第一社会面21面「碧南強殺で死刑判決 『闇サイト』無期 A被告、名古屋地裁 『生命軽視甚だしい』」「『早く終わらせて』闇サイト事件の遺族」</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=A被告に死刑判決=17年前の夫婦殺害-「闇サイト殺人」で受刑中・名古屋地裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2015-12-15 |url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015121500493 |archiveurl=http://archive.is/hjnCG |archivedate=2016-02-24 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2015-12-15">{{Cite news |title=闇サイト事件で無期懲役確定の被告に別事件で死刑判決 |newspaper=『[[NHKニュース]]』 |publisher=[[日本放送協会]] |date=2015-12-15 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151215/k10010341781000.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20151219070151/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151215/k10010341781000.html |archivedate=2015-12-19 }}</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2015-12-16">『[[毎日新聞]]』2015年12月16日東京朝刊第一社会面31面「愛知・碧南の夫婦強殺:『闇サイト』受刑者、死刑判決 名古屋地裁」「A被告が関与した事件の経過」<br />『毎日新聞』2015年12月16日大阪朝刊第一社会面31面「愛知・碧南の夫婦強殺:『闇サイト』受刑者、死刑判決 名古屋地裁」<br />『毎日新聞』2015年12月16日中部朝刊第一社会面25面「愛知・碧南の夫婦強殺:A被告死刑判決 『罪に向き合って』 遺族、報われた思い『ひとまずよかった』」<br />{{Cite news |title=碧南夫婦強殺 「闇サイト」受刑者に死刑判決…名古屋地裁 |newspaper=『[[毎日新聞]]』 |publisher=[[毎日新聞社]] |date=2015-12-16 |url=http://mainichi.jp/articles/20151216/k00/00m/040/136000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20151216/k00/00m/040/136000c |archivedate=2015-12-16 }}</ref>。名古屋地裁は、[[判決理由]]で「犯行を主導したAが知らないうちに、B・C両名が妻を殺害するとは考え難い。夫婦宅を出るまでの間に、Aは共犯と話し合うなどして、殺害を了解していた。もし、殺害がAの予期せぬものだったならば、当然Bらをとがめるなどしていたはずだが、Aはそのようなことはせず、むしろその状態を冷静に利用し、強盗目的を遂行するための行動に出た」として、共謀・強盗殺人罪の成立を[[事実認定|認定]]した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。また、殺意の有無を争っていた男性への殺害についても、「絞殺するには3分以上、首を強く絞め続ける必要があり、Aが公判で供述するような方法で、人を窒息死させるような強い力で3分以上、首を絞め続けてしまうことなどあり得ない。Aには明確な殺意が認められる」と認定した<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。守山区の事件についても、「殺意は強固で、非力な高齢女性に対する卑劣な犯行である。被害者を殺害しようとしたのも、強盗の遂行と犯行の発覚防止のためであって、やはり私欲的で身勝手極まりなく、酌量の余地はない。殺害の計画性は認められないが、碧南事件で夫婦を死亡させたA・B両名にとって、被害者宅で強盗を行えば、被害者を殺害するような行為に及ぶような事態が起こりうることは、容易に想像できたはずなのに、Aらは再び強盗を計画し、主導的に実行した。このような人命軽視の態度には、もっとも強い非難が向けられるべきだ」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。その上で「子供らを案じながら、苦しみの上に突然、人生を絶たれた2人の恐怖や絶望、無念の思いは察するに余りある」と指摘し、「2人の生命を奪った結果は極めて重大で、事前に殺害を計画していたとまではいえないが、偶発的ともいえず、強盗目的を遂行するため、事態の推移に応じて冷徹な殺害行為を繰り返しており、人命軽視の態度が甚だしい。Aは不合理な弁解を繰り返しており、反省は深まっておらず、死刑の選択をためらわせるような事情はない」と断じた<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/><ref group="判決文" name="名古屋地裁2015-12-15"/>。 |
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[[東海3県]]の裁判員裁判で死刑判決を受けたのは、[[愛知県蟹江町母子3人殺傷事件]]の[[中華人民共和国|中国]][[国籍]]の[[被告人]]以来、2人目となった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。また、服役中の無期懲役囚が別の事件で死刑判決を受けるのは異例であった<ref group="報道" name="毎日新聞2015-12-16"/>。なお、[[日本国憲法]]は[[日本国憲法第39条|第39条]]にて、いったん確定した罪を再び罰しない「[[一事不再理]]」を定めているため、判決は闇サイト事件には言及しなかった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。弁護側は「碧南事件の時点では闇サイト事件は発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張していた一方<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>、検察側も冒頭陳述から論告に至るまで、闇サイト事件については言及していなかった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>{{Refnest|group="注"|なお、これについて闇サイト事件で娘を失った女性は「加害者側には裁判をやり直す[[再審]]制度の仕組みがある一方、被害者側にはそうした救済の仕組みはない」と疑問を投げかけている<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。}}。その一方で、最高裁判所の判例(2001年8月28日発生の[[大阪市]][[旭区 (大阪市)|旭区]]薬局経営者殺害事件{{Refnest|group="注"|この事件で起訴された男は同事件の13日前(8月15日)、[[大阪市]][[北区 (大阪市)|北区]]の紳士服店経営者を殺害した強盗殺人事件で大阪府警に逮捕され、2003年12月1日に[[大阪地方裁判所|大阪地裁]]で求刑通り無期懲役判決を受けた。2004年7月14日に[[大阪高等裁判所|大阪高裁]]で被告人側控訴棄却、男は最高裁判所に上告するも2004年12月13日に最高裁第3小法廷で被告人側上告が棄却され、無期懲役(求刑同)が確定した。服役中の2008年11月、薬局経営者宅に残っていたタオルから、男のDNAが検出されたことで、薬局経営者殺害事件への関与が浮上し、逮捕・起訴された。同事件では男に対し、検察側から死刑が求刑されたが、2010年5月31日に大阪地裁で無期懲役判決、2011年2月24日に大阪高裁で検察側の控訴も棄却された。2012年12月17日、最高裁で検察側の上告が棄却されたことにより、無期懲役判決が確定した。}}、2012年12月17日判決)では「前件等の確定裁判の余罪である本件の量刑判断に当たっては、前件等を実質的に再度処罰する趣旨で考慮することは許されないものの、なお犯行に至る重要な経緯等として考慮することは当然に許される」と判断されている<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-28"/>{{Refnest|group="注"|'''{{Cite 判例検索システム |法廷名=最高裁判所第三小法廷 |事件番号=平成23年(あ)第494号 |裁判形式=決定 |事件名=住居侵入,強盗殺人被告事件 |裁判年月日=2012年(平成24年)12月17日 |判例集=裁判所ウェブサイト掲載判例 |判示事項=原審…大阪高等裁判所、2011年2月24日判決 |裁判要旨=強盗殺人事件等に関する無期懲役の確定裁判のある被告人が、同事件の13日後に犯した被殺者1名の住居侵入、強盗殺人の事案(確定裁判の余罪)につき、無期懲役の量刑が維持された事例 |url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=82952 }}'''}}<ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。また、それ以前に最高裁大法廷より、1966年7月13日付判決で示された判例でも「(起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することは)被告人の行動傾向や犯行動機、被告人の性格など、情状の一つとして考慮することは許される」(最高裁判所大法廷、判決)とある{{Refnest|group="注"|'''{{Cite 判例検索システム |法廷名=最高裁判所大法廷 |事件番号=昭和40年(あ)第878号 |裁判形式=判決 |事件名=窃盗被告事件 |裁判年月日=1966年7月13日 |判例集=[[刑集|『最高裁判所刑事判例集』(刑集)]]第20巻6号609頁、裁判所ウェブサイト掲載判例 |判示事項=起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することと憲法第三一条第三九条 |裁判要旨=起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないが、単に被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等の情状を推知するための資料としてこれを考慮することは、憲法第三一条、第三九条に違反しない。 |url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=051782 }}'''}}<ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。 |
[[東海3県]]の裁判員裁判で死刑判決を受けたのは、[[愛知県蟹江町母子3人殺傷事件]]の[[中華人民共和国|中国]][[国籍]]の[[被告人]]以来、2人目となった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。また、服役中の無期懲役囚が別の事件で死刑判決を受けるのは異例であった<ref group="報道" name="毎日新聞2015-12-16"/>。なお、[[日本国憲法]]は[[日本国憲法第39条|第39条]]にて、いったん確定した罪を再び罰しない「[[一事不再理]]」を定めているため、判決は闇サイト事件には言及しなかった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。弁護側は「碧南事件の時点では闇サイト事件は発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張していた一方<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-05"/>、検察側も冒頭陳述から論告に至るまで、闇サイト事件については言及していなかった<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>{{Refnest|group="注"|なお、これについて闇サイト事件で娘を失った女性は「加害者側には裁判をやり直す[[再審]]制度の仕組みがある一方、被害者側にはそうした救済の仕組みはない」と疑問を投げかけている<ref group="報道" name="中日新聞2015-12-16"/>。}}。その一方で、最高裁判所の判例(2001年8月28日発生の[[大阪市]][[旭区 (大阪市)|旭区]]薬局経営者殺害事件{{Refnest|group="注"|この事件で起訴された男は同事件の13日前(8月15日)、[[大阪市]][[北区 (大阪市)|北区]]の紳士服店経営者を殺害した強盗殺人事件で大阪府警に逮捕され、2003年12月1日に[[大阪地方裁判所|大阪地裁]]で求刑通り無期懲役判決を受けた。2004年7月14日に[[大阪高等裁判所|大阪高裁]]で被告人側控訴棄却、男は最高裁判所に上告するも2004年12月13日に最高裁第3小法廷で被告人側上告が棄却され、無期懲役(求刑同)が確定した。服役中の2008年11月、薬局経営者宅に残っていたタオルから、男のDNAが検出されたことで、薬局経営者殺害事件への関与が浮上し、逮捕・起訴された。同事件では男に対し、検察側から死刑が求刑されたが、2010年5月31日に大阪地裁で無期懲役判決、2011年2月24日に大阪高裁で検察側の控訴も棄却された。2012年12月17日、最高裁で検察側の上告が棄却されたことにより、無期懲役判決が確定した。}}、2012年12月17日判決)では「前件等の確定裁判の余罪である本件の量刑判断に当たっては、前件等を実質的に再度処罰する趣旨で考慮することは許されないものの、なお犯行に至る重要な経緯等として考慮することは当然に許される」と判断されている<ref group="報道" name="中日新聞2015-10-28"/>{{Refnest|group="注"|'''{{Cite 判例検索システム |法廷名=最高裁判所第三小法廷 |事件番号=平成23年(あ)第494号 |裁判形式=決定 |事件名=住居侵入,強盗殺人被告事件 |裁判年月日=2012年(平成24年)12月17日 |判例集=裁判所ウェブサイト掲載判例 |判示事項=原審…大阪高等裁判所、2011年2月24日判決 |裁判要旨=強盗殺人事件等に関する無期懲役の確定裁判のある被告人が、同事件の13日後に犯した被殺者1名の住居侵入、強盗殺人の事案(確定裁判の余罪)につき、無期懲役の量刑が維持された事例 |url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=82952 }}'''}}<ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。また、それ以前に最高裁大法廷より、1966年7月13日付判決で示された判例でも「(起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することは)被告人の行動傾向や犯行動機、被告人の性格など、情状の一つとして考慮することは許される」(最高裁判所大法廷、判決)とある{{Refnest|group="注"|'''{{Cite 判例検索システム |法廷名=最高裁判所大法廷 |事件番号=昭和40年(あ)第878号 |裁判形式=判決 |事件名=窃盗被告事件 |裁判年月日=1966年7月13日 |判例集=[[刑集|『最高裁判所刑事判例集』(刑集)]]第20巻6号609頁、裁判所ウェブサイト掲載判例 |判示事項=起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することと憲法第三一条第三九条 |裁判要旨=起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないが、単に被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等の情状を推知するための資料としてこれを考慮することは、憲法第三一条、第三九条に違反しない。 |url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=051782 }}'''}}<ref group="報道" name="朝日新聞2015-10-28"/>。 |
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[[2016年]](平成28年)1月7日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でBの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07">『中日新聞』2016年1月7日夕刊第一社会面11面「夫への殺意を否認 碧南強殺 初公判でB被告」<br>『中日新聞』2016年1月8日朝刊第一社会面31面「碧南強殺 B被告初公判 長男『父に馬乗り 別人が腕押さえ』」<br>{{Cite news |title=B被告、起訴内容を一部否認 名地裁、碧南夫婦強殺 |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2016年1月7日 10時39分 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016010790103905.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160109210600/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016010790103905.html |archivedate=2016-01-09 }}</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07">『毎日新聞』2016年1月7日中部夕刊第一社会面7面「愛知:碧南の夫婦強殺:夫への殺意を否認 初公判でB被告 名地裁」<br>{{Cite news |title=夫婦強盗殺人 共犯の男、起訴内容一部否認 名古屋地裁 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-07 |url=http://mainichi.jp/articles/20160107/k00/00e/040/168000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20160107/k00/00e/040/168000c |archivedate=2016-01-26 }}<br>『毎日新聞』2016年1月8日中部朝刊第一社会面25面「愛知:碧南の夫婦強殺:『家の金奪う気なかった』 B被告初公判」<br>{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 「家の金奪う気なかった」 B被告初公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-08 |url=http://mainichi.jp/articles/20160108/ddq/041/040/009000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/_embed/http://mainichi.jp/articles/20160108/ddq/041/040/009000c |archivedate=2016-01-08 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=夫殺害と強盗否認 碧南夫婦強殺 |newspaper=『読売新聞』 |publisher=読売新聞社 |date=2016-01-08 |url=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160108-OYTNT50014.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160114124339/http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160108-OYTNT50014.html |archivedate=2016-01-14 }}</ref>。 |
[[2016年]](平成28年)1月7日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でBの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07">『中日新聞』2016年1月7日夕刊第一社会面11面「夫への殺意を否認 碧南強殺 初公判でB被告」<br />『中日新聞』2016年1月8日朝刊第一社会面31面「碧南強殺 B被告初公判 長男『父に馬乗り 別人が腕押さえ』」<br />{{Cite news |title=B被告、起訴内容を一部否認 名地裁、碧南夫婦強殺 |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2016年1月7日 10時39分 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016010790103905.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160109210600/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016010790103905.html |archivedate=2016-01-09 }}</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07">『毎日新聞』2016年1月7日中部夕刊第一社会面7面「愛知:碧南の夫婦強殺:夫への殺意を否認 初公判でB被告 名地裁」<br />{{Cite news |title=夫婦強盗殺人 共犯の男、起訴内容一部否認 名古屋地裁 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-07 |url=http://mainichi.jp/articles/20160107/k00/00e/040/168000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20160107/k00/00e/040/168000c |archivedate=2016-01-26 }}<br />『毎日新聞』2016年1月8日中部朝刊第一社会面25面「愛知:碧南の夫婦強殺:『家の金奪う気なかった』 B被告初公判」<br />{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 「家の金奪う気なかった」 B被告初公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-08 |url=http://mainichi.jp/articles/20160108/ddq/041/040/009000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/_embed/http://mainichi.jp/articles/20160108/ddq/041/040/009000c |archivedate=2016-01-08 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=夫殺害と強盗否認 碧南夫婦強殺 |newspaper=『読売新聞』 |publisher=読売新聞社 |date=2016-01-08 |url=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160108-OYTNT50014.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160114124339/http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160108-OYTNT50014.html |archivedate=2016-01-14 }}</ref>。 |
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検察側は、冒頭陳述で「BはAから犯行に誘われ、金欲しさで加わった。男性の勤めるパチンコ店の売り上げと、夫婦宅の金品が目的だった」と指摘した上で、「顔を覚えられたため妻を殺害した後、犯行発覚を免れるため、帰宅した男性をAが絞殺した際には、体を押さえるなどして加勢した」と述べ<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、共謀関係の成立を指摘した上で「犯行発覚を免れるため、夫妻を殺害する必要があった」と主張した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。Bは罪状認否で、妻の殺害について「Aに突然、殺害を指示されて首を絞めた」と述べ、実行行為については起訴事実を認めたが、「金品の物色はしていない。強盗目的ではなかった」と述べ、殺人罪及び[[窃盗罪]]に留まると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。また、男性の殺害については、Aが絞殺したことは認めたが<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、関与・動機については「男性からパチンコ店の鍵を奪い、店の金を奪う計画だった」とした上で「Aが男性を襲っているのを、立ったまま見ていただけだ。自分は手を出しておらず、関与していない」と殺意を否認、強盗致死罪にあたると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。この日は[[証人尋問]]も行われ、検察側証人として出廷した男性の長男が「大柄な男が父に馬乗りになり、別の男が腕を押さえていた。父を押し倒していた男と、馬乗りになっていた男は別人物」と証言した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。 |
検察側は、冒頭陳述で「BはAから犯行に誘われ、金欲しさで加わった。男性の勤めるパチンコ店の売り上げと、夫婦宅の金品が目的だった」と指摘した上で、「顔を覚えられたため妻を殺害した後、犯行発覚を免れるため、帰宅した男性をAが絞殺した際には、体を押さえるなどして加勢した」と述べ<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、共謀関係の成立を指摘した上で「犯行発覚を免れるため、夫妻を殺害する必要があった」と主張した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。Bは罪状認否で、妻の殺害について「Aに突然、殺害を指示されて首を絞めた」と述べ、実行行為については起訴事実を認めたが、「金品の物色はしていない。強盗目的ではなかった」と述べ、殺人罪及び[[窃盗罪]]に留まると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。また、男性の殺害については、Aが絞殺したことは認めたが<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、関与・動機については「男性からパチンコ店の鍵を奪い、店の金を奪う計画だった」とした上で「Aが男性を襲っているのを、立ったまま見ていただけだ。自分は手を出しておらず、関与していない」と殺意を否認、強盗致死罪にあたると主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。この日は[[証人尋問]]も行われ、検察側証人として出廷した男性の長男が「大柄な男が父に馬乗りになり、別の男が腕を押さえていた。父を押し倒していた男と、馬乗りになっていた男は別人物」と証言した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-07"/>。 |
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翌1月8日、第2回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09">『中日新聞』2016年1月9日朝刊第二社会面38面「A被告が証人出廷 妻殺害の関与否定 碧南強殺公判」</ref>。この日は証人尋問が行われ、Aが検察側証人として出廷した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09"/>。Aは「妻から近くに交番があると聞き、確認しようと外に出た。1時間後に戻ると、妻は1階和室で、ビニールひもを首に巻かれて死亡していた。Bからは『様子が急変したから殺した』と言われた」と<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09"/>、第一審での主張と同様の証言をし、妻殺害への関与を否定した<ref group="報道">『毎日新聞』2016年1月9日中部朝刊第一社会面25面「愛知:碧南の夫婦強殺:『殺害指示せず』 共犯被告が証言 地裁公判」<br>{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺「殺害指示せず」 共犯被告が証言 地裁公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-09 |url=http://mainichi.jp/articles/20160109/ddq/041/040/009000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/_embed/http://mainichi.jp/articles/20160109/ddq/041/040/009000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。 |
翌1月8日、第2回公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09">『中日新聞』2016年1月9日朝刊第二社会面38面「A被告が証人出廷 妻殺害の関与否定 碧南強殺公判」</ref>。この日は証人尋問が行われ、Aが検察側証人として出廷した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09"/>。Aは「妻から近くに交番があると聞き、確認しようと外に出た。1時間後に戻ると、妻は1階和室で、ビニールひもを首に巻かれて死亡していた。Bからは『様子が急変したから殺した』と言われた」と<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-09"/>、第一審での主張と同様の証言をし、妻殺害への関与を否定した<ref group="報道">『毎日新聞』2016年1月9日中部朝刊第一社会面25面「愛知:碧南の夫婦強殺:『殺害指示せず』 共犯被告が証言 地裁公判」<br />{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺「殺害指示せず」 共犯被告が証言 地裁公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-09 |url=http://mainichi.jp/articles/20160109/ddq/041/040/009000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/_embed/http://mainichi.jp/articles/20160109/ddq/041/040/009000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。 |
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その後、1月18日の公判からは守山区の事件についての審理が始まった<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19">『中日新聞』2016年1月19日朝刊第二社会面34面「守山の強殺未遂でB被告 殺意否認 名地裁」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19">『毎日新聞』2016年1月19日中部朝刊第一社会面25面「名古屋・守山の強殺未遂:被告が一部否認 地裁公判」<br>{{Cite news |title=名古屋・守山の強殺未遂 被告が一部否認 地裁公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-19 |url=http://mainichi.jp/articles/20160119/ddq/041/040/010000c |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160126081455/http://mainichi.jp/articles/20160119/ddq/041/040/010000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。検察側は冒頭陳述で「顔を隠さずに強盗に入ったため、女性を殺害する必要があった」と指摘した上で、「Bは首を絞めていないとしても、Aの犯行を止めずに放置し、現場から立ち去った」として、Aとの暗黙の共謀があったことを主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/>。これに対し、Bは「殺意はなく、自分は首も絞めていない」と主張し、起訴内容の一部を否認した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19"/>。その上で、弁護側は「Aと殺害について話し合ったことはない。Aに女性の殺害を指示されたが、絞めるふりをしただけだ」として、強盗致傷罪の適用を求めた上で<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19"/>、「碧南事件の取り調べ初日に、守山区の事件について犯行を申告した」として、自首の成立を訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/>。 |
その後、1月18日の公判からは守山区の事件についての審理が始まった<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19">『中日新聞』2016年1月19日朝刊第二社会面34面「守山の強殺未遂でB被告 殺意否認 名地裁」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19">『毎日新聞』2016年1月19日中部朝刊第一社会面25面「名古屋・守山の強殺未遂:被告が一部否認 地裁公判」<br />{{Cite news |title=名古屋・守山の強殺未遂 被告が一部否認 地裁公判 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-19 |url=http://mainichi.jp/articles/20160119/ddq/041/040/010000c |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160126081455/http://mainichi.jp/articles/20160119/ddq/041/040/010000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。検察側は冒頭陳述で「顔を隠さずに強盗に入ったため、女性を殺害する必要があった」と指摘した上で、「Bは首を絞めていないとしても、Aの犯行を止めずに放置し、現場から立ち去った」として、Aとの暗黙の共謀があったことを主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/>。これに対し、Bは「殺意はなく、自分は首も絞めていない」と主張し、起訴内容の一部を否認した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19"/>。その上で、弁護側は「Aと殺害について話し合ったことはない。Aに女性の殺害を指示されたが、絞めるふりをしただけだ」として、強盗致傷罪の適用を求めた上で<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-19"/>、「碧南事件の取り調べ初日に、守山区の事件について犯行を申告した」として、自首の成立を訴えた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-19"/>。 |
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公判は計11回開かれ<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、1月25日に論告求刑公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/>。検察側は同日、Bに死刑を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/>。論告で、検察側は「Bは金欲しさから犯行に加わった。奪った現金を、A・Cとともに分け合うなどしており、妻殺害が強盗目的なのは明らかで、男性の殺害でも、体を押さえて加勢した」と指摘した上で、「Aとの刑事責任の差はわずかで、犯行態様は冷酷・残忍である。Bの果たした役割は重要で、責任は極めて重く、死刑回避相当の酌むべき事情はない」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26">『中日新聞』2016年1月26日朝刊第一社会面31面「B被告に死刑求刑 名地裁公判 碧南強殺、来月5日判決」「負担でも親のため証言 被害者長男」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25">『毎日新聞』2016年1月26日中部朝刊第一社会面27面「愛知:碧南の夫婦強殺:共犯に死刑求刑 名地検『回避相当の事情なし』」<br>『毎日新聞』2016年1月26日東京朝刊第一社会面31面「愛知:碧南の夫婦強殺:検察、死刑求刑 『冷徹な犯行』 名古屋地裁」<br>{{Cite news |title=愛知夫婦強盗殺人 39歳被告に死刑求刑 名古屋 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-25 |url=http://mainichi.jp/articles/20160125/k00/00e/040/216000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20160125/k00/00e/040/216000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。弁護側は、最終弁論で「夫婦宅の金を奪う計画はなく、Aの犯行を手伝っただけ」と主張した上で、「Aに『ばかにされたくない』と虚勢を張って妻を殺害した。男性の殺害には関与しておらず、殺意はなかった」などと訴え<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25"/>、「死刑がやむを得ないとは言えない」として、無期懲役が相当と訴え、結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25"/>。 |
公判は計11回開かれ<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-07"/>、1月25日に論告求刑公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/>。検察側は同日、Bに死刑を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/>。論告で、検察側は「Bは金欲しさから犯行に加わった。奪った現金を、A・Cとともに分け合うなどしており、妻殺害が強盗目的なのは明らかで、男性の殺害でも、体を押さえて加勢した」と指摘した上で、「Aとの刑事責任の差はわずかで、犯行態様は冷酷・残忍である。Bの果たした役割は重要で、責任は極めて重く、死刑回避相当の酌むべき事情はない」と主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26">『中日新聞』2016年1月26日朝刊第一社会面31面「B被告に死刑求刑 名地裁公判 碧南強殺、来月5日判決」「負担でも親のため証言 被害者長男」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25">『毎日新聞』2016年1月26日中部朝刊第一社会面27面「愛知:碧南の夫婦強殺:共犯に死刑求刑 名地検『回避相当の事情なし』」<br />『毎日新聞』2016年1月26日東京朝刊第一社会面31面「愛知:碧南の夫婦強殺:検察、死刑求刑 『冷徹な犯行』 名古屋地裁」<br />{{Cite news |title=愛知夫婦強盗殺人 39歳被告に死刑求刑 名古屋 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-01-25 |url=http://mainichi.jp/articles/20160125/k00/00e/040/216000c |archiveurl=http://web.archive.org/save/http://mainichi.jp/articles/20160125/k00/00e/040/216000c |archivedate=2016-01-26 }}</ref>。弁護側は、最終弁論で「夫婦宅の金を奪う計画はなく、Aの犯行を手伝っただけ」と主張した上で、「Aに『ばかにされたくない』と虚勢を張って妻を殺害した。男性の殺害には関与しておらず、殺意はなかった」などと訴え<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25"/>、「死刑がやむを得ないとは言えない」として、無期懲役が相当と訴え、結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-01-26"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-01-25"/>。 |
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2月5日に開かれた判決公判で、名古屋地裁(景山太郎裁判長)は'''Bに対し無期懲役判決(求刑死刑)'''を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06">『中日新聞』2016年2月6日朝刊第二社会面30面「碧南強殺、B被告に無期 名地裁判決『従属的な役割』」「計画性も否定、死刑回避」</ref>。名古屋地裁は、男性の長男の目撃証言から、男性の殺害についてBの共謀を認定した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06">『毎日新聞』2016年2月6日中部朝刊第一社会面25面「愛知・碧南の夫婦強殺:B被告に無期懲役 名地裁判決『従属的な関与』」<br>『毎日新聞』2016年2月6日中部朝刊第二社会面28面「愛知・碧南の夫婦強殺:共犯の男に無期懲役 名古屋地裁判決」<br>{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 共犯の男に無期懲役 名古屋地裁判決 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-02-06 |url=http://mainichi.jp/articles/20160206/ddm/041/040/126000c |archiveurl=http://archive.is/actk4 |archivedate=2016-02-06 }}</ref><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06">{{Cite news |title=碧南夫婦強殺 共謀被告に無期判決 名古屋地裁 |newspaper=『読売新聞』 |publisher=読売新聞社 |date=2016-02-06 |url=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160206-OYTNT50000.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160206142926/http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160206-OYTNT50000.html |archivedate=2016-02-06 }}</ref>。その上で、男性宅にある金品を奪うことも事前に想定していたと認定し、妻殺害は強盗目的であることも認め、夫婦に対する強盗殺人罪の成立を認めた<ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06"/>。その一方で「事前に夫婦殺害まで計画していたとは言えない」と指摘し<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>、「妻殺害はAの指示によるもので、男性殺害時もBは体を押さえたが、主としてAが実行した。Bは一貫してAに従属的な立場で、深く考えることなく短絡的に犯行に及んだ。夫婦殺害で重要な役割を果たしたが、関与は従属的で、死刑選択がやむを得ないとは言えない」と指摘し、死刑を回避した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06"/>。Bは守山区の事件に関する強盗殺人未遂罪にも問われたが「Bには女性への殺意はなく、首を絞めるふりをしただけ」として<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06"/>、強盗致傷罪の成立に留まると判断した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>。 |
2月5日に開かれた判決公判で、名古屋地裁(景山太郎裁判長)は'''Bに対し無期懲役判決(求刑死刑)'''を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06">『中日新聞』2016年2月6日朝刊第二社会面30面「碧南強殺、B被告に無期 名地裁判決『従属的な役割』」「計画性も否定、死刑回避」</ref>。名古屋地裁は、男性の長男の目撃証言から、男性の殺害についてBの共謀を認定した<ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06">『毎日新聞』2016年2月6日中部朝刊第一社会面25面「愛知・碧南の夫婦強殺:B被告に無期懲役 名地裁判決『従属的な関与』」<br />『毎日新聞』2016年2月6日中部朝刊第二社会面28面「愛知・碧南の夫婦強殺:共犯の男に無期懲役 名古屋地裁判決」<br />{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 共犯の男に無期懲役 名古屋地裁判決 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-02-06 |url=http://mainichi.jp/articles/20160206/ddm/041/040/126000c |archiveurl=http://archive.is/actk4 |archivedate=2016-02-06 }}</ref><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06">{{Cite news |title=碧南夫婦強殺 共謀被告に無期判決 名古屋地裁 |newspaper=『読売新聞』 |publisher=読売新聞社 |date=2016-02-06 |url=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160206-OYTNT50000.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160206142926/http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160206-OYTNT50000.html |archivedate=2016-02-06 }}</ref>。その上で、男性宅にある金品を奪うことも事前に想定していたと認定し、妻殺害は強盗目的であることも認め、夫婦に対する強盗殺人罪の成立を認めた<ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06"/>。その一方で「事前に夫婦殺害まで計画していたとは言えない」と指摘し<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>、「妻殺害はAの指示によるもので、男性殺害時もBは体を押さえたが、主としてAが実行した。Bは一貫してAに従属的な立場で、深く考えることなく短絡的に犯行に及んだ。夫婦殺害で重要な役割を果たしたが、関与は従属的で、死刑選択がやむを得ないとは言えない」と指摘し、死刑を回避した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-02-06"/>。Bは守山区の事件に関する強盗殺人未遂罪にも問われたが「Bには女性への殺意はなく、首を絞めるふりをしただけ」として<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/><ref group="報道" name="読売新聞2016-02-06"/>、強盗致傷罪の成立に留まると判断した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>。 |
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判決を受け、男性の長男は「到底納得できる結論ではない。両親の墓前に良い報告ができず残念」、次男は「とても残念。検察官に控訴していただきたい」とのコメントを出した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>。 |
判決を受け、男性の長男は「到底納得できる結論ではない。両親の墓前に良い報告ができず残念」、次男は「とても残念。検察官に控訴していただきたい」とのコメントを出した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-06"/>。 |
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その後、検察側は控訴期限の2月19日、名古屋高裁への控訴を断念することを決めた<ref group="報道">『中日新聞』2016年2月20日朝刊第一社会面35面「無期のB被告 検察が控訴断念 碧南夫婦強殺」</ref>。弁護側とB本人も同日までに控訴しなかったため、'''Bの無期懲役が確定'''した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-23">『中日新聞』2016年2月22日夕刊第二社会面12面「B被告の無期懲役確定」<br>『中日新聞』2016年2月23日朝刊第二社会面38面「B被告の無期懲役確定」</ref>。 |
その後、検察側は控訴期限の2月19日、名古屋高裁への控訴を断念することを決めた<ref group="報道">『中日新聞』2016年2月20日朝刊第一社会面35面「無期のB被告 検察が控訴断念 碧南夫婦強殺」</ref>。弁護側とB本人も同日までに控訴しなかったため、'''Bの無期懲役が確定'''した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-23">『中日新聞』2016年2月22日夕刊第二社会面12面「B被告の無期懲役確定」<br />『中日新聞』2016年2月23日朝刊第二社会面38面「B被告の無期懲役確定」</ref>。 |
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2016年2月16日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でCの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16">『中日新聞』2016年2月16日夕刊第二社会面10面「C被告側 無罪を主張 碧南強殺初公判」<br>『中日新聞』2016年2月17日朝刊第一社会面33面「C被告 初公判で『話すことはない』 碧南強殺 無罪主張」</ref>。検察側は、冒頭陳述で「Cは金欲しさから、Aの強盗の誘いに応じ、強盗目的で侵入し、妻殺害時には自らロープで首を絞めた。共犯者であるA・B両名が男性を殺害するのも近くで見ており、止めなかった」と指摘した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16">{{Cite news |title=3人目の被告、無罪を主張=18年前の夫婦殺害-名古屋地裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2016-02-16 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201602/2016021600050&g=soc |accessdate=2016-02-24 |archiveurl=http://archive.is/dXD7v |archivedate=2016-02-24 }}</ref>。これに対し、Cは「私からお話しすることはありません」と述べ、弁護側は「Cは妻殺害の現場にはいなかった。男性の殺害にも関与していない」「事件から14年経って逮捕され、被告らの記憶は当てにならない。他の被告(A・B両名)が嘘をつくこともある」と述べ<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16"/>、全面的に[[無罪]]を主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16"/>。 |
2016年2月16日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でCの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16">『中日新聞』2016年2月16日夕刊第二社会面10面「C被告側 無罪を主張 碧南強殺初公判」<br />『中日新聞』2016年2月17日朝刊第一社会面33面「C被告 初公判で『話すことはない』 碧南強殺 無罪主張」</ref>。検察側は、冒頭陳述で「Cは金欲しさから、Aの強盗の誘いに応じ、強盗目的で侵入し、妻殺害時には自らロープで首を絞めた。共犯者であるA・B両名が男性を殺害するのも近くで見ており、止めなかった」と指摘した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16">{{Cite news |title=3人目の被告、無罪を主張=18年前の夫婦殺害-名古屋地裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2016-02-16 |url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201602/2016021600050&g=soc |accessdate=2016-02-24 |archiveurl=http://archive.is/dXD7v |archivedate=2016-02-24 }}</ref>。これに対し、Cは「私からお話しすることはありません」と述べ、弁護側は「Cは妻殺害の現場にはいなかった。男性の殺害にも関与していない」「事件から14年経って逮捕され、被告らの記憶は当てにならない。他の被告(A・B両名)が嘘をつくこともある」と述べ<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16"/>、全面的に[[無罪]]を主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-02-16"/><ref group="報道" name="時事通信2016-02-16"/>。 |
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3月16日、論告求刑公判が開かれ、検察側は無期懲役を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16">『中日新聞』2016年3月16日夕刊第一社会面11面「碧南の夫婦強盗殺人、無期懲役を求刑」</ref>。論告で、検察側は「Cは共犯に比べ関与の度合いが相対的に低い。軽度の[[知的障害]]が意思決定に影響している可能性もある」として、いずれも死刑を求刑した共犯2人との差を説明した上で「2人の命を奪った結果は非常に重い」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/>。それまでの公判で、弁護側は「強盗に加わる意思はなく、夫婦の殺害には関与していない」と無罪を主張し<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/><ref group="報道" name="中日新聞2016-03-17"/>、Cは事件に関する質問には「記憶が曖昧だ」として黙秘する一方<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/><ref group="報道" name="中日新聞2016-03-26"/>、被害者に対しては「申し訳なく思う」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/>。 |
3月16日、論告求刑公判が開かれ、検察側は無期懲役を求刑した<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16">『中日新聞』2016年3月16日夕刊第一社会面11面「碧南の夫婦強盗殺人、無期懲役を求刑」</ref>。論告で、検察側は「Cは共犯に比べ関与の度合いが相対的に低い。軽度の[[知的障害]]が意思決定に影響している可能性もある」として、いずれも死刑を求刑した共犯2人との差を説明した上で「2人の命を奪った結果は非常に重い」と述べた<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/>。それまでの公判で、弁護側は「強盗に加わる意思はなく、夫婦の殺害には関与していない」と無罪を主張し<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/><ref group="報道" name="中日新聞2016-03-17"/>、Cは事件に関する質問には「記憶が曖昧だ」として黙秘する一方<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/><ref group="報道" name="中日新聞2016-03-26"/>、被害者に対しては「申し訳なく思う」と語った<ref group="報道" name="中日新聞2016-03-16"/>。 |
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次回第3回公判は10月13日に開かれ、同日に最終弁論が行われた<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-14">『中日新聞』2016年10月14日朝刊第一社会面31面「碧南強殺・A被告 死刑判決破棄求め結審 名高裁、来月8日判決」</ref>。A本人も出廷し、弁護側は改めて死刑判決の破棄を求め、結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-14"/>。 |
次回第3回公判は10月13日に開かれ、同日に最終弁論が行われた<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-14">『中日新聞』2016年10月14日朝刊第一社会面31面「碧南強殺・A被告 死刑判決破棄求め結審 名高裁、来月8日判決」</ref>。A本人も出廷し、弁護側は改めて死刑判決の破棄を求め、結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-14"/>。 |
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11月8日、控訴審判決公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。名古屋高裁(山口裕之裁判長)は'''第一審の死刑判決を支持し、Aの控訴を棄却'''する判決を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊">『中日新聞』2016年11月9日朝刊第一社会面31面「A被告 二審も死刑『主導的立場』碧南強殺で判決」<br>同面「『当然』『両親は戻らぬ』 ○○(本事件の被害者夫婦の姓)さん長男・次男 / 「判決重く響く」闇サイト事件・△△(闇サイト事件の被害者女性の姓)さん母」<br>{{Cite news |title=A被告、二審も死刑 碧南の夫婦強殺 |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2016-11-08 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016110801001482.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161108073032/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016110801001482.html |archivedate=2016-11-8 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦殺害、二審も死刑 被告の控訴棄却 |newspaper=『朝日新聞デジタル』 |publisher=朝日新聞社 |date=2016-11-08 |url=http://www.asahi.com/articles/ASJC84Q3WJC8OIPE00Q.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171007150606/http://www.asahi.com/articles/ASJC84Q3WJC8OIPE00Q.html |archivedate=2017-10-07 }}</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2016年11月9日朝刊第一社会面39面「夫婦強殺、二審も死刑 『闇サイト』無期の被告、名古屋高裁判決」<br>{{Cite news |title=夫婦強殺二審も死刑 「闇サイト」被告に名古屋高裁 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2016-11-09 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HAN_Y6A101C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109164624/http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HAN_Y6A101C1CC1000/ |archivedate=2017-01-20 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08">{{Cite news |title=闇サイト事件で無期懲役の男 夫婦殺害で2審も死刑判決 |newspaper=『NHKニュース』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-11-08 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161108/k10010760591000.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109163213/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161108/k10010760591000.html |archivedate=2016-11-08 }}<br>{{Cite news |title=夫婦殺害事件で2審も死刑判決 |newspaper=『[[NHK名古屋放送局]]』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-11-08 |url=http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161108/3509641.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109021052/http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161108/3509641.html |archivedate=2016-11-08 }}</ref><ref group="報道" name="時事通信2016-11-08">{{Cite news |title=店長夫妻殺害、二審も死刑=闇サイト殺人で無期の男-名古屋高裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2016-11-08 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016110800548&g=soc |archiveurl=http://archive.is/h63i7 |archivedate=2016-11-08 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=碧南強殺控訴審、A被告の死刑判決支持(愛知県) |newspaper=[[日テレNEWS24]] |publisher=NNN系列 |date=2016-11-08 |url=http://www.news24.jp/nnn/news86232273.html |archiveurl=http://archive.is/eTLRK |archivedate=2016-11-08 }}</ref>。 |
11月8日、控訴審判決公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。名古屋高裁(山口裕之裁判長)は'''第一審の死刑判決を支持し、Aの控訴を棄却'''する判決を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊">『中日新聞』2016年11月9日朝刊第一社会面31面「A被告 二審も死刑『主導的立場』碧南強殺で判決」<br />同面「『当然』『両親は戻らぬ』 ○○(本事件の被害者夫婦の姓)さん長男・次男 / 「判決重く響く」闇サイト事件・△△(闇サイト事件の被害者女性の姓)さん母」<br />{{Cite news |title=A被告、二審も死刑 碧南の夫婦強殺 |newspaper=『中日新聞』 |publisher=中日新聞社 |date=2016-11-08 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016110801001482.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161108073032/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016110801001482.html |archivedate=2016-11-8 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦殺害、二審も死刑 被告の控訴棄却 |newspaper=『朝日新聞デジタル』 |publisher=朝日新聞社 |date=2016-11-08 |url=http://www.asahi.com/articles/ASJC84Q3WJC8OIPE00Q.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171007150606/http://www.asahi.com/articles/ASJC84Q3WJC8OIPE00Q.html |archivedate=2017-10-07 }}</ref><ref group="報道">『日本経済新聞』2016年11月9日朝刊第一社会面39面「夫婦強殺、二審も死刑 『闇サイト』無期の被告、名古屋高裁判決」<br />{{Cite news |title=夫婦強殺二審も死刑 「闇サイト」被告に名古屋高裁 |newspaper=『日本経済新聞』 |publisher=日本経済新聞社 |date=2016-11-09 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HAN_Y6A101C1CC1000/ |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109164624/http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HAN_Y6A101C1CC1000/ |archivedate=2017-01-20 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08">{{Cite news |title=闇サイト事件で無期懲役の男 夫婦殺害で2審も死刑判決 |newspaper=『NHKニュース』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-11-08 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161108/k10010760591000.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109163213/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161108/k10010760591000.html |archivedate=2016-11-08 }}<br />{{Cite news |title=夫婦殺害事件で2審も死刑判決 |newspaper=『[[NHK名古屋放送局]]』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-11-08 |url=http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161108/3509641.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161109021052/http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161108/3509641.html |archivedate=2016-11-08 }}</ref><ref group="報道" name="時事通信2016-11-08">{{Cite news |title=店長夫妻殺害、二審も死刑=闇サイト殺人で無期の男-名古屋高裁 |newspaper=『時事通信』 |publisher=時事通信社 |date=2016-11-08 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016110800548&g=soc |archiveurl=http://archive.is/h63i7 |archivedate=2016-11-08 }}</ref><ref group="報道">{{Cite news |title=碧南強殺控訴審、A被告の死刑判決支持(愛知県) |newspaper=[[日テレNEWS24]] |publisher=NNN系列 |date=2016-11-08 |url=http://www.news24.jp/nnn/news86232273.html |archiveurl=http://archive.is/eTLRK |archivedate=2016-11-08 }}</ref>。 |
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判決理由で名古屋高裁は、犯行の状況・共犯との共謀について<ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>、「Aが現場に戻った後、妻死亡の理由を尋ねるなどした形跡はなく、知らないうちに殺害されたとすれば不自然極まりない」として、妻殺害の共謀を認定した<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/>。その上で、男性への殺意もあったと指摘し<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/>、いずれの事件でも殺意があったと認めた<ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。その上で、名古屋高裁は「Aは事件を主導的立場で計画、遂行した。不合理な弁解に終始し、真摯な反省は見られない。第一審の死刑判決はやむを得ず、重すぎて不当とは言えない」などと結論付け、弁護側の主張を退けた<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。第一審判決同様、闇サイト事件についての言及はなかった<ref group="報道" name="時事通信2016-11-08"/>。 |
判決理由で名古屋高裁は、犯行の状況・共犯との共謀について<ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>、「Aが現場に戻った後、妻死亡の理由を尋ねるなどした形跡はなく、知らないうちに殺害されたとすれば不自然極まりない」として、妻殺害の共謀を認定した<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/>。その上で、男性への殺意もあったと指摘し<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/>、いずれの事件でも殺意があったと認めた<ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。その上で、名古屋高裁は「Aは事件を主導的立場で計画、遂行した。不合理な弁解に終始し、真摯な反省は見られない。第一審の死刑判決はやむを得ず、重すぎて不当とは言えない」などと結論付け、弁護側の主張を退けた<ref group="報道" name="中日新聞2016-11-09-朝刊"/><ref group="報道" name="NHK-2016-11-08"/>。第一審判決同様、闇サイト事件についての言及はなかった<ref group="報道" name="時事通信2016-11-08"/>。 |
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2016年10月19日、名古屋高裁([[村山浩昭]]裁判長)でCの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20">『中日新聞』2016年10月20日朝刊第一社会面31面「碧南強殺・C被告、無罪主張し結審 名高裁初公判」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20">『毎日新聞』2016年10月20日中部朝刊第一社会面23面「愛知・碧南の夫婦強殺:2審も無罪主張」<br>{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 2審も無罪主張 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-10-20 |url=http://mainichi.jp/articles/20161020/ddq/041/040/010000c |archiveurl=http://archive.is/BUwo5 |archivedate=2016-11-08 }}</ref>。弁護側は「検察は夫婦殺害へのCの関与を立証できていない。仮に有罪だとしても無期懲役は重すぎる」として、改めて無罪を主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20"/>。一方、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20"/>。 |
2016年10月19日、名古屋高裁([[村山浩昭]]裁判長)でCの初公判が開かれた<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20">『中日新聞』2016年10月20日朝刊第一社会面31面「碧南強殺・C被告、無罪主張し結審 名高裁初公判」</ref><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20">『毎日新聞』2016年10月20日中部朝刊第一社会面23面「愛知・碧南の夫婦強殺:2審も無罪主張」<br />{{Cite news |title=愛知・碧南の夫婦強殺 2審も無罪主張 |newspaper=『毎日新聞』 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-10-20 |url=http://mainichi.jp/articles/20161020/ddq/041/040/010000c |archiveurl=http://archive.is/BUwo5 |archivedate=2016-11-08 }}</ref>。弁護側は「検察は夫婦殺害へのCの関与を立証できていない。仮に有罪だとしても無期懲役は重すぎる」として、改めて無罪を主張した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20"/>。一方、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した<ref group="報道" name="中日新聞2016-10-20"/><ref group="報道" name="毎日新聞2016-10-20"/>。 |
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12月19日に判決公判が開かれ、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)は'''第一審の無期懲役判決を支持し、Cの控訴を棄却'''する判決を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-12-20">『中日新聞』2016年12月20日朝刊29面「碧南強殺の共犯二審も無期判決 名高裁」</ref><ref group="報道" name="産経新聞2016-12-19">{{Cite news |title=夫婦強殺で47歳の男に二審も無期懲役 名古屋高裁 |newspaper=『産経新聞』 |publisher=産業経済新聞社 |date=2016-12-19 |url=http://www.sankei.com/west/news/161219/wst1612190044-n1.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171007150839/http://www.sankei.com/west/news/161219/wst1612190044-n1.html |archivedate=2017-10-07 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2016-12-19">{{Cite news |title=夫婦強殺共犯の男2審も無期 |newspaper=『NHKニュース』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-12-19 |url=http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161219/4933751.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161221092057/http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161219/4933751.html |archivedate=2016-12-21 }}</ref>。名古屋高裁は、Cの捜査段階での供述や、共犯のA・B両名の証言から「CはA・B両名と共謀し、強盗目的で夫婦を殺害した」と認定し、Cの無罪主張を退けた<ref group="報道" name="中日新聞2016-12-20"/>。その上で、「A・B両名の証言は、具体的で信用できる」とした上で、「CはAから誘われ、借金返済のために被害者の自宅やパチンコ店から現金を奪うことを目的に事件に加わった。被害者夫婦の恐怖や無念などを察すると酌量の余地はなく、極めて悪質な犯行だ」と指弾し<ref group="報道" name="NHK-2016-12-19"/>、「A・B両名に従属的だったことや、軽度の知的障害があることを考慮しても、無期懲役を選択せざるを得ない」と結論付けた<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-19"/>。 |
12月19日に判決公判が開かれ、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)は'''第一審の無期懲役判決を支持し、Cの控訴を棄却'''する判決を言い渡した<ref group="報道" name="中日新聞2016-12-20">『中日新聞』2016年12月20日朝刊29面「碧南強殺の共犯二審も無期判決 名高裁」</ref><ref group="報道" name="産経新聞2016-12-19">{{Cite news |title=夫婦強殺で47歳の男に二審も無期懲役 名古屋高裁 |newspaper=『産経新聞』 |publisher=産業経済新聞社 |date=2016-12-19 |url=http://www.sankei.com/west/news/161219/wst1612190044-n1.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20171007150839/http://www.sankei.com/west/news/161219/wst1612190044-n1.html |archivedate=2017-10-07 }}</ref><ref group="報道" name="NHK-2016-12-19">{{Cite news |title=夫婦強殺共犯の男2審も無期 |newspaper=『NHKニュース』 |publisher=日本放送協会 |date=2016-12-19 |url=http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161219/4933751.html |archiveurl=http://web.archive.org/web/20161221092057/http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161219/4933751.html |archivedate=2016-12-21 }}</ref>。名古屋高裁は、Cの捜査段階での供述や、共犯のA・B両名の証言から「CはA・B両名と共謀し、強盗目的で夫婦を殺害した」と認定し、Cの無罪主張を退けた<ref group="報道" name="中日新聞2016-12-20"/>。その上で、「A・B両名の証言は、具体的で信用できる」とした上で、「CはAから誘われ、借金返済のために被害者の自宅やパチンコ店から現金を奪うことを目的に事件に加わった。被害者夫婦の恐怖や無念などを察すると酌量の余地はなく、極めて悪質な犯行だ」と指弾し<ref group="報道" name="NHK-2016-12-19"/>、「A・B両名に従属的だったことや、軽度の知的障害があることを考慮しても、無期懲役を選択せざるを得ない」と結論付けた<ref group="報道" name="産経新聞2016-12-19"/>。 |
2017年12月29日 (金) 00:03時点における版
碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件 | |
---|---|
場所 | |
標的 |
パチンコ店店長の自宅(碧南市の事件) 高齢女性宅(守山区の事件) |
日付 |
1998年(平成10年)6月28日深夜(碧南市の事件) 2006年(平成18年)7月20日(守山区の事件) |
概要 |
仕事仲間同士だった男3人組が1998年、パチンコ店の店長夫婦宅に侵入し、夫婦を絞殺して金品を奪い、遺体を遺棄した。 主犯格の男Aは2006年、夫婦殺害事件の共犯者のうち1人とともに名古屋市守山区で強盗殺人未遂事件を起こし、当時69歳の高齢女性を負傷させた。 Aは夫婦殺害事件から9年後、守山区の事件の翌年にあたる2007年、闇サイト殺人事件を起こし、無期懲役が確定した。 |
攻撃手段 | 首を絞める |
攻撃側人数 |
A・B・Cの3人(碧南市の事件) A・Bの2人(守山区の事件) |
死亡者 | 2人(碧南市在住の夫婦) |
負傷者 | 1人(守山区在住、当時69歳高齢女性) |
犯人 |
男A(犯行当時23歳、逮捕当時37歳の主犯格。本事件から9年後に闇サイト殺人事件を起こす) 男B(犯行当時22歳、逮捕当時36歳) 男C(犯行当時29歳、逮捕当時43歳。守山区の事件には未関与) |
動機 | 強盗 |
対処 | 逮捕・起訴 |
謝罪 | あり |
刑事訴訟 |
主犯格Aは死刑(上告中) 共犯者B・Cは無期懲役(Bは控訴せず確定、Cは上告中) |
管轄 |
愛知県警察碧南警察署・守山警察署 名古屋地方検察庁 |
碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件(へきなんし パチンコてんちょうふうふ さつがいじけん)とは、1998年(平成10年)6月28日深夜、愛知県碧南市で発生した強盗殺人事件[報道 1][報道 2]。
事件発生から14年後の2012年(平成24年)8月、約1か月前に確定した闇サイト殺人事件の無期懲役刑受刑中だった男Aら、男3人が事件の実行犯として逮捕[報道 2]・起訴された[報道 3]。Aはこの事件の主犯として、本事件裁判の一・二審で、それぞれ死刑判決を受け[報道 4][報道 5]、2017年現在は最高裁判所に上告中である[報道 6]。
また、2006年(平成18年)7月20日に名古屋市守山区脇田町で[報道 7]、当時69歳で一人暮らしの高齢女性が自宅で襲われ、現金などを奪われた強盗殺人未遂事件(名古屋市守山区高齢女性強盗殺人未遂事件、なごやしもりやまく こうれいじょせい ごうとうさつじんみすいじけん)でも[報道 7]、Aら本事件の犯人2人が被疑者として、翌2013年(平成25年)に強盗殺人未遂容疑で再逮捕[報道 8][報道 9]・追起訴された[報道 10]。この項目ではこの事件についても記述する。
加害者
捜査本部によると、3人はいずれも本事件当時、被害者男性の勤めていた、尾張旭市内のパチンコ店に近い、名古屋市守山区やその周辺に住んでおり、同じ建築関係の職場に勤めていた[報道 2][報道 11]。また、Cは事件後の2001年(平成13年)、鹿児島県枕崎市の実家に帰っていたが[報道 12][報道 11]、2006年の事件当時も、Aは守山区、Bは名古屋市名東区にそれぞれ居住していた[報道 8]。
被告人A
犯行当時23歳、本籍岐阜県土岐市[報道 2][報道 4]、住所不定無職[報道 2][報道 13]。
弁護人が第一審法廷で読み上げた報告書によれば、1975年(昭和50年)4月[報道 4]、5人きょうだいの末っ子として生まれた[報道 4][報道 11]。闇サイト殺人事件で同じく無期懲役が確定した共犯者Yに対しては「父親と兄が暴力団員」と話していた[報道 14][報道 11]。
幼少期の小学生時代に両親が離婚し[報道 11][報道 4]、中学2年で不登校となり、兄に連れられて外壁工事の手伝いをし始め[報道 11][報道 4]、1991年(平成3年)には高校に入学したが、直後に中退し、再び外壁工事に従事した[報道 11][報道 4]。1993年(平成5年)[報道 14]、18歳で結婚して2児をもうけ[報道 4][報道 11]、22歳だった1997年(平成9年)頃に独立し[報道 14]、外壁工事業を営むようになった[報道 11]。しかし結婚から5年後、事件を起こした1998年に離婚(当時23歳)しており[報道 4][報道 11]、第一審の被告人質問では「離婚が人生で一番の後悔。夫や父としての責任から解放され、自分勝手な生活になり、一連の事件を起こしてしまった」と語った[報道 4]。事件当時、外装関係の仕事の不振や浪費が原因で[報道 15][報道 11]、約300万円の借金を抱えており[報道 11]、交際相手の所持品を質屋に入れたり、子供のための貯金に手を付けたりしていた[報道 15][報道 11]。当時居住していた守山区内のアパートに[報道 16][報道 11]、たびたびB・Cを招き、3人で頻繁に集まっており、その際に犯行計画を練った[報道 11]。
夫婦殺害事件・高齢女性襲撃事件ともに一連の犯行を立案・主導したと認定されている[判決文 1]。妻殺害時には犯行に使う車を移動させるため、いったん現場を離れていたものの、B・C両名に妻を殺害するように指示した上で、現場を離れた[判決文 1]。その後現場に戻った際に妻の死亡を確認したが、特にB・Cをとがめるなどの行為はせず、男性が帰宅すると、Bとともに自ら男性を殺害した[判決文 1]。
本事件から9年後(守山区の事件の翌年)に当たる2007年(平成19年)、B・Cとは別の、インターネットの闇サイトで知り合った男2人とともに女性を拉致・殺害した闇サイト殺人事件を起こし、同事件の強盗殺人容疑で逮捕された。同事件の刑事裁判では、2009年3月18日の第一審・名古屋地方裁判所判決(近藤宏子裁判長)で、検察側の求刑通り、共犯1人とともに死刑判決を受けたが、判決を不服として名古屋高等裁判所に控訴した。2011年4月12日、控訴審・名古屋高等裁判所(下山保男裁判長)で第一審の死刑判決が破棄され、無期懲役判決を受けた。検察側が上告したが、最高裁判所第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、本事件でAが逮捕される直前の約1か月前、2012年7月11日付で、検察側の上告を棄却する決定を出したため、同年7月18日付で控訴審の無期懲役判決が確定し[判決文 1]、逮捕当時は名古屋拘置所内で、無期懲役刑受刑者として服役中だった[報道 17]。自身が持っていた服は、闇サイト殺人事件で無期懲役が確定した後「もう二度と社会に出ることはないから」と、すべて処分した[報道 4]。
第一審・名古屋地裁にて2015年12月15日付で、検察側の求刑通り死刑判決を受けた[報道 4]。その後、判決を不服として名古屋高裁に控訴したが[報道 18]、2016年11月8日付判決で棄却された[報道 5]。2017年(平成29年)9月現在、一・二審の死刑判決を不服として、最高裁判所に上告中である[報道 6]。
今後、最高裁で上告が棄却されるか、自ら上告を取り下げた場合、死刑が確定する[書籍 1][報道 3][報道 19]。その場合は死刑囚となり、刑法第51条の規定に基づき[注 1]、現在受刑中の無期懲役刑の執行は、検察官の「刑執行取止指揮書」の指揮により停止される[書籍 1][報道 3][報道 19]。その場合、懲役刑の受刑者に科されていた労役作業はなくなるが、死刑囚として面会や手紙のやり取りの相手は親族などに制限され、拘置所独房で死刑執行を待つこととなる[書籍 1]。
受刑者B
まずAの指示のもと、Cとともに妻の殺害を実行し、次いで現場に戻ってきたAとともに男性を殺害した[判決文 1]。夫婦殺害事件では夫婦2人の殺害を、高齢女性襲撃事件でも犯行をそれぞれ実行したと認定された[判決文 1]。
2つの事件後の2009年(平成21年)、本籍地の群馬県で覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、懲役3年6か月の有罪判決を受け[報道 11]、逮捕当時は刑務所に服役中だった[報道 2][報道 11]。
A同様に死刑を求刑されたが[報道 20]、第一審・名古屋地裁にて2016年2月5日付で無期懲役判決を受け[報道 21]、検察側・被告人側相当ともに控訴せず、無期懲役が確定した[報道 22]。
被告人C
犯行当時29歳、逮捕当時は鹿児島県枕崎市中央町在住の建築作業員[報道 2]。死刑求刑を受けたA・B両名とは異なり、2006年の事件には関与していない。
地元の職業訓練校を卒業後、17歳で来名し、名古屋で10年余りを過ごし、建築作業などの仕事に就いていた[報道 12]。名古屋に住む2歳年上の兄は、事件があった1998年頃のCの様子について「表情が暗く、おかしくなったみたいだ」と両親に話していた[報道 12]。
B同様にAの指示のもと、Bとともに妻の殺害を実行した[判決文 1]。その後の男性殺害時には自らは手を下さなかったが、A・B両名が男性を殺害するのを傍観していた[判決文 1]。
事件後の2001年、パチンコで借金を抱えるなど生活が荒れたため、両親に連れられて枕崎市の実家に帰った[報道 12][報道 11]。その後は土木などの仕事を転々としており、友人はほとんどおらず、休日は家でテレビを見たり、1人で酒を飲んで過ごしていたという[報道 12]。Cの両親は『中日新聞』の取材に対し「明るかった子が、名古屋から戻って無口になった。事件で抱え込むものがあったのか」と語った[報道 12]。
第一審・名古屋地裁にて2016年3月25日付で、求刑通り無期懲役判決を受けた[報道 23]。無罪を主張して控訴したが[報道 24]、同年12月19日の控訴審・名古屋高裁判決で棄却された[報道 25]。2017年現在、最高裁に上告中である[報道 26]。
事件の概要
事件発生までの経緯
1998年5月頃、Aは兄から、兄の経営する会社名義で購入した自動車のローン代金の支払を強く求められた[判決文 1]。また、同時にAは消費者金融などからの借金を抱え、これらの債務を弁済する資金を必要としていた[判決文 1]。
閉店後のパチンコ店から現金を強奪することを企てたAは[判決文 1]、仕事仲間だったBに「金を持っている人を狙おう」と相談し[報道 12]、Bを犯行に誘い入れた[判決文 1]。Aは、パチンコ店を数軒回り、同県尾張旭市にあるパチンコ店に目を付けた[判決文 1]。A・B両名は事件当時、自動車運転免許を持っていなかったが、Aは普段から車を無免許運転し[報道 27]、兄とともに[報道 16]、パチンコ店に客として出入りしていた[報道 27][報道 16]。
A・Bは、まずビニールひもや軍手などを準備し、店に強盗に入る機会をうかがったが、複数の従業員が残っており、実行には至らなかった[判決文 1]。
Aはその後、同店の店長であった[判決文 1]、碧南市油渕町4丁目在住の男性(当時45歳)を尾行し[報道 1]、その自宅を突き止めた上、電話帳で男性方の電話番号を調べ、アンケート調査を装って電話をかけ、家族構成を調べるなどした[判決文 1]。また、さらに同じく同僚だったCも誘って仲間に引き入れ、男性方で男性を待ち伏せ、パチンコ店の鍵を奪い、店内の現金を盗み出す計画を立てた[判決文 1]。男性は、パチンコ店運営会社の営業部長を務めつつ、尾張旭市内の店に店長として派遣されていた[報道 1]。
事件発生
A・B・Cの3人は、1998年6月28日(日曜日)[報道 27]、Cの運転する自動車で男性方に向かい、その付近に駐車した[判決文 1]。同日午後4時30分頃、3人は強盗目的で、男性宅に無施錠の玄関から侵入した[判決文 1]。全員、覆面やマスクなどで顔を隠すことはしていなかったが、現場に指紋を残さないよう、軍手などをはめていた[判決文 1]。
近隣住民の目撃証言によれば、Aらが男性宅を訪れた事件当日の昼頃[報道 28]、もしくは当日か前日(27日)の午前、不審な男3人が[報道 29]、男性宅の周辺を歩いていたという[報道 28][報道 29]。「男たちが釣り竿などを持っていた」と証言した近隣住民もおり、釣り人を装って下見していた可能性がある[報道 28][報道 29]。現場宅は油ヶ淵の近くで、男性宅の前には幅5m前後の用水路があり、南数十mには高浜川が流れているが、住民らによると、いずれも釣りをする人はほとんどいないという[報道 29]。
Aは侵入後、すぐに2階(主として夫婦の寝室、子供の寝室・遊び部屋の3室があった)に上がり、寝室のベッド上でくつろいでいた、男性の妻(当時36歳)を見つけた[判決文 1]。Aは妻の口を、軍手をはめた手で塞ぎ、静かにするように言い、妻とともに1階に下りた[判決文 1]。そして、3人は妻に対し「旦那が帰って来るまで待たせろ」と言って家に居座り[報道 30]、A・B両名は、主に和室で妻と過ごし、CはAの指示のもと、主にリビングで、男性の長男(当時8歳)・次男(当時6歳)の兄弟と過ごした[判決文 1]。妻は途中、子供たちの食事を作らせてもらえるように頼んだ上で、危害を加えられないようにと考えてか[報道 30]、Aらに夕食のほか、酒やつまみを提供した[判決文 1]。妻が夕食の仕度をするため台所に向かうと、Aも付いていくなどし、動向を監視しつつ、妻とともに飲食したが、軍手などははめたままだった[判決文 1]。なお、妻は、同日午後8時過ぎ頃、碧南市内在住の近隣住民から[報道 31]、自宅にかかってきた電話に応答していた[判決文 1][報道 31]。しかし、普段はすぐに応答したのに、この時は応答するまでに、10回ほど呼び出し音が続いていたという[報道 31]。
Aはその後、「Cの車を移動させる」とB・C両名に伝え、いったん男性方を出た[判決文 1]。Aが男性方を出ていた、同日午後8時過ぎ頃から同日午後11時23分頃までの間、Bが単独で、もしくはCとともに、殺意を持った上で、妻の首にひものようなものを巻き付け、強く絞めるなどして殺害した[判決文 1]。妻殺害後の午後11時20分過ぎ[報道 31]、夫婦宅の固定電話から[報道 16][報道 31]、碧南市の一部地域・隣接する同県安城市東端町にまたがる市外局番「0566-48」に[報道 31]、十数秒間の発信が確認された[報道 16][報道 31]。
妻が殺害された後、男性方に戻ってきたAは妻の死亡を知ったが、間もなく、B・C両名に対し、居宅内を物色するように命じ、3人で手分けして金目の物を探した[判決文 1]。Cが妻の財布を見つけ、中にあった現金約6万円を3人で等分した[判決文 1]。Aは、妻の遺体が横たわったまま放置されていた和室内を物色し、押し入れ内にあった金庫を見つけ、さらに同日午後11時23分頃、この時点で既に殺害されていた妻の生存を偽装するため、男性方固定電話を使用して電話をかけた[判決文 1]。Aら3人は、妻の遺体を和室に放置したまま、引き続き男性の帰宅を待った[判決文 1]。
男性は、パチンコ店で通常通り午前零時頃まで勤務しており[報道 28]、普段はパチンコ店の寮に寝泊まりしていたが、定休日である月曜日の前日であるため、自宅に戻っていた[報道 28][報道 27]。翌29日午前1時頃に帰宅した男性は、間もなく妻の遺体を発見し、すぐに2階に行き、寝ていた長男を起こし、「お母さんが死んでいるかもしれないから、110番する」などと言って1階に下りた[判決文 1]。Aらはリビングに向かってきた男性を、洗面所で待ち伏せて襲撃し、殺意をもって単独で、もしくはBまたはCとともに、男性の首にひものようなものを巻き付け、強く絞めるなどして殺害した[判決文 1]。
事件当時8歳の小学生であった長男は、自宅で男3人を目撃していた[報道 2][報道 16]。男性宅で妻が出した食事を食べており、深夜になって男性が帰宅した後、妻が横になり、男1人が男性に馬乗りになっていたという[報道 2]。捜査関係者によると、2階で寝ていた長男が1階に向かう際、男らが風呂場付近から出てきた[報道 28]。その後、身体的特徴からAとみられる男が[報道 28][報道 16]、男性に馬乗りになり、頭を壁に打ち付けるなどの暴行を加えていた[報道 28][報道 16]。長男は別の男に「大丈夫。寝てていいよ」と言われ、再び2階に上がったという[報道 28]。
Aらはその後、男性所有の鍵束1個を奪い、さらに男性の遺体の腕から[判決文 1]、純金製の1個をブレスレット[報道 29][報道 32][判決文 1]、前述の現金約6万円と、和室で発見していた金庫とともに持ち出して奪った[判決文 1]。ブレスレットは男性が常時身に着けていた物で、当時の市価で数十万円とみられる高価な品だったが[報道 29]、『中日新聞』2012年8月8日朝刊記事では「高級ブランドの模造品」と報道された[報道 15]。その後3人は、犯行の証拠を隠滅するため、飲食に使用した食器類等を持ち去ったほか[判決文 1]、男性の自動車(当時・逆輸入の高級車レクサス)のトランクに[報道 28][判決文 1]、夫婦の遺体を押し込み[判決文 1]、夫婦宅から約4km離れた[報道 33]、同県高浜市湯山町4丁目の[判決文 1][報道 34][報道 33]、県営葭池住宅内にある、袋小路の道路脇に[報道 1][報道 33]、車ごと放置し、逃走した[判決文 1]。
その後3人は、Cの車で尾張旭市内のパチンコ店へ行き、A・B両名が、男性から奪った鍵で出入口を開け、閉店後の店内に侵入しようとしたが[判決文 1]、店に警備会社のステッカーなどが張ってあり、防犯システムが入っていることに気付いた[報道 35]。その解除もできなかったため[報道 35]、3人は店内の現金を盗むことを断念した[判決文 1]。
捜査
事件発覚
事件翌日の29日、夫婦の長男もしくは次男から「朝、起きたら両親の姿がない」と連絡を受けた、名古屋市内在住の男性の親類が、同日夜になって「夫婦が子供2人を残したまま行方不明になった」と、愛知県警察碧南警察署に家出人捜索願を出した[報道 36][報道 37]。長男は、碧南署の事情聴取などに対し「28日夕方、20歳代から30歳代の男3人が訪れ、母親が食事や酒を提供した。29日午前1時頃、仕事を終えた父親が帰宅し、2階で就寝していた自分を起こしに来た。そのまま1階に降りたところ、母親は横になり、知らない男が父親に馬乗りになっていた。その後再び2階で就寝し、朝起きたら両親とも姿が見えず、父親の乗用車がなくなっていた」と証言した[報道 36]。男性のパチンコ店は経営状態も良好で、夫婦に子どもを置き去りにしたまま、連絡もなく家出するような動機はなかった[報道 37]。また、その後、夫婦や来訪したとみられる男たちから、親類ら関係者には何の連絡もなかった。碧南署は、夫婦が行方不明になった状況・経緯に、不審な点が多いことから[報道 37]、事件に巻き込まれた可能性があるとみて[報道 36]、愛知県警捜査一課の応援を得て[報道 37]、2人の行方を追い[報道 36]、長男らから事情を聴くとともに、夫婦宅を訪れた男たちの特定を急いだ[報道 37]。
7月4日午前6時30分頃、夫婦がよく利用していたガソリンスタンドの店員が、新聞配達のアルバイトをしていたところ、夫婦宅から約4km離れた[報道 33]、高浜市湯山町4丁目の県営葭池住宅内にある、袋小路の道路脇に[報道 1]、男性の所有していたレクサスが放置されているのを発見した[報道 34][報道 33]。店員は、車に見覚えがあったことから不審に思い、同日午前9時15分頃に110番通報した[報道 34][報道 1][報道 33]。車のキーは見つからず、ドア・トランクにはロックが掛かっており[報道 1]、通報を受けた碧南署が、乗用車を署に運んで調べたところ、同日午後、乗用車の後部トランクから、男女2人の遺体が発見された[報道 34][報道 1][報道 33][報道 38]。
遺体は頭を交互にして詰め込まれており、腐敗が激しく、外傷の有無などは判別できなかったが、死後数日から1週間経過したとみられた[報道 1][報道 33]。靴は履いておらず、男性は靴下だけ、女性は裸足で、トランクの中で体を動かした形跡もなかった[報道 1][報道 33]。このことから、遺体はいずれも死後、トランクに入れられたとみられ、愛知県警捜査一課・碧南署は、殺人・死体遺棄事件として特別捜査本部を設置し、捜査を開始するとともに、遺体の身元は夫婦とみて、確認を急いだ[報道 1][報道 33]。遺体発見現場周辺では、前年(1997年)秋に車上狙いが頻発し、住民らは不審車には敏感になっていたが、男性の車が放置された当時の状況は、ほとんど目撃証言がなかった[報道 1]。高級車が放置されているのを不審に思った住民が、車内を覗き込んだこともあったが、ある県営住宅の住民によれば、車は6月29日午後9時15分頃には放置されており、動かした様子はなかったという[報道 1]。また、長男の証言した不審な男3人組が、29日午前10時30分頃、男性宅付近の路上を歩いているのを、近隣住民が目撃していた[報道 1]。近隣住民は、3人組について次男に尋ねたところ、次男は「パパの仕事のお友達」と答えたという[報道 1]。特捜本部は、この男たちが事件に関与した可能性が高いとみて行方を追った[報道 1]。現場は、昼間は県営住宅住民の通行が多く、付近には午後10時頃まで営業しているコンビニエンスストアもあるが、コンビニが閉店する深夜は、ほとんど人通りはないという[報道 1]。
7月5日、特捜本部は遺体の指紋を調べ、男性の遺体の身元を、夫婦の夫と断定した[報道 39]。夫婦が失踪した直前、妻が自宅で、不審な3人の男に飲食のもてなしをしていたことから、顔見知りによる犯行の疑いもあるとみた特捜本部は、夫婦の交友関係を中心に、捜査を進めた[報道 39]。捜査によれば、男性は行方不明になる前日の28日、尾張旭市内のパチンコ店で仕事をしており、同日夜の閉店後、残業をしてから帰宅した[報道 39]。同日夕方、不審な3人の男が男性宅を訪問し、妻が男たちに食事を提供していた[報道 39]。遺体が入っていた車の後部座席には、トランク内にあったとみられる、ゴルフクラブのセットが置いてあった[報道 39]。特捜本部は犯人が2人を殺害後、遺体をトランクに入れるため、ゴルフクラブをトランクから出し、後部座席に置き換えたとみて捜査した[報道 39]。
翌6日、特捜本部は遺体を司法解剖し、女性の遺体の身元を、指紋・歯形から妻と断定した[報道 40]。また、死因は2人とも窒息死だった[報道 40]。6日までの特捜本部の捜査で、長男・次男に目撃された不審な男3人組のうち、少なくとも1人はピンク色のゴム手袋をしていた[報道 40][報道 28][報道 38]。また、男性宅の洗面所などに、何者かが隠れていた痕跡が見つかったため、犯人たちはまず妻を襲った後、いったん室内に隠れて男性の帰宅を待ち伏せ、男性を襲うという、極めて計画性の高い犯行である可能性が高いことがわかった[報道 40]。
難航する捜査
遺体発見現場は住宅街の袋小路であることから、特捜本部は「犯人の中に土地勘のある者がいる可能性が高い」とみた上で、男性の勤務関係から、パチンコ絡みの事件とみて、男3人の身元割り出しを急ぎ、連日の聞き込みを続けた[報道 41]。
事件発生から3カ月余りとなる10月までに、愛知県警捜査一課・碧南署の特捜本部は、夫婦宅の電話の発信記録を調べた結果、前述のように犯人グループが、午後11時20分過ぎに夫婦宅から、碧南市周辺に電話していたことを突き止めた[報道 31]。司法解剖の結果、妻の死亡推定時刻は午後10時以前と推測されたことから、犯人らの中には、地元に精通した者がおり[報道 31]、十数秒間、妻殺害後に電話を使ったとみて[報道 16]、20人の専従体制で捜査したが[報道 31]、電話や食器などからは[報道 28]、Aらの指紋は検出されなかった[報道 16]。また、遺体発見現場である高浜市湯山町の県営葭池住宅までの、詳細な逃走経路についても「夫婦宅周辺の道路を何周もし、畑の間を抜ける路地を通り、県道295号を碧南市大久手町の交差点で左折し、田畑を抜けて左折し、主要地方道(愛知県道46号西尾知多線)に入り、西進して湯山町に至る」というルートであったことが判明した[報道 31]。畑の路地は、地元住民が高浜市方面に向かう時に使う道であることから、地元の事情を知っていた可能性があるとみられたが[報道 31]、逮捕されたAら3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述した[報道 2]。
結局、事件から1年となる1999年(平成11年)7月時点でも、有力な情報は得られず、捜査は難航していた[報道 42]。2010年(平成22年)に刑事訴訟法が改正され、殺人罪・強盗殺人罪など、最高刑が死刑とされる罪状について、改正法施行前に発生し、当時公訴時効が未完成の事件を含めて、時効が廃止された。しかしそうでなければ、本来の公訴時効が成立する15年近くに亘って未解決事件となっていたこの事件は、事件発覚から15年後の2013年(平成27年)7月(史実ではこの時までに碧南事件・守山区の事件ともに全て起訴が完了していた)に時効が成立し、迷宮入りしていたはずだった。
事件当時、名古屋市守山区在住だったAは[報道 28]、男性が勤務していた尾張旭市内のパチンコ店の客だったが、捜査関係者によれば、犯行直後は捜査線上に浮かんでいなかったという[報道 16]。
逃亡中の余罪
主犯のAは本事件を起こしてから闇サイト殺人事件を起こして逮捕されるまでの9年間に、碧南事件の共犯者であるB及び別の男2名と共謀して計2件の強盗殺人(及び未遂)事件を起こし、女性2名を殺傷した。
名古屋市守山区高齢女性強盗殺人未遂事件
Aは2004年(平成16年)頃[判決文 1]、名古屋市守山区脇田町の、守山警察署から南東約70mの住宅街にて[報道 7][判決文 1]、無職独居女性(2006年当時69歳)宅を新築する工事の際[報道 8]、外壁工事に携わった[判決文 1]。
碧南事件から8年後の2006年(平成18年)6月頃、Aは兄との確執や、腰痛の悪化が原因で、外壁工事業の仕事を辞め、定職に就かなくなった[報道 11]。金に困ったAは、工事の際、前述の家が高齢女性の一人暮らしで、金銭的に余裕がありそうだと考えたため、同方に強盗に入ることをBに提案した[判決文 1]。
その1か月後の同年7月20日、AはBと共謀の上で、Bの軽自動車で女性方に向かい、午後零時20分頃、女性宅を訪れた[判決文 1]。2人は定期点検を装い、以前女性宅を実際に工事した建築会社の名前を騙って、玄関から訪問した[報道 7][報道 8]。実際に工事を頼んだことのある会社名だったため、女性はAらを信用し、玄関を開け応対した[報道 43]。Aは、ウッドデッキに出たり、浴室に入ったりして点検のふりをした後、終了を告げて玄関に向かった[判決文 1]。女性がAらを見送ろうとしたところ、Aらは玄関付近で女性を脅迫して寝室に連れて行き、ベッドに南向きに腰掛けさせた[判決文 1]。Aらはそのまま、女性の顔・首にガムテープを巻き付けたが、女性が「目の手術をしたばかりなので、目にガムテープを貼るのはやめて」と言うと、Bが顔からガムテープを外した[判決文 1]。
Aはその後、各部屋を物色し、その間Bは女性のそばに立って女性を見張った[判決文 1]。Bは、女性に「ごめん」などと言うことがあった[判決文 1]。女性は、キャッシュカードの暗証番号を聞かれた記憶はないものの、A・Bに対し「娘が管理しているので分からない」と言ったことがあった[判決文 1]。Aは金庫を見つけて座布団袋に入れ、Bとの間で「車を取ってこようか」という会話をした[判決文 1]。Bは、付近に駐車していた自車を取りに戻り、同日午後零時40分頃、女性方の駐車場に同車を移動させた[判決文 1]。Bはその後、女性方に入らず、少なくとも4,5分は同車の運転席に座り、Aを待っていた[判決文 1]。Bは逮捕前、任意の取り調べで「(この時既に)女性は死んだと思った」と供述した[報道 43]。Aは約40分間、室内を物色し[報道 43]、現金2万5000円[判決文 1][報道 7][報道 43]・預金通帳などの入った金庫[報道 7][報道 9]、ブローチやペンダントなど貴金属など[報道 43][報道 44]、計12点(時価合計約38万円相当)を奪った[判決文 1][報道 43]。
Aらが「車を取ってこようか」という会話をした後から、女性方を立ち去るまでの間に[判決文 1]、Aは既に気を失っていた女性の首を、細いひも状のもので、かなり強い力により3分から5分程度の間絞め[判決文 1][報道 43]、女性方から持ち出した金庫などを自車に積み込み、女性方から逃走した[判決文 1]。
首を絞められた女性は、ショックで意識を失い[報道 7]、1時間半後の午後2時頃[報道 7][判決文 1]、寝室ベッド横の床に倒れた状態で意識を取り戻し[判決文 1]、隣家に駆け込み110番通報した[報道 7][報道 43][報道 8]。女性は病院に搬送されたが[判決文 1]、首や肩に約2か月の重傷を負った[判決文 1][報道 8][報道 9]。
事件当時の女性の証言によれば、2人はいずれも40歳くらいの男で、1人は丸刈りにシャツ、もう1人はノーネクタイのスーツ姿だった[報道 7]。守山署は当時、強盗致傷事件として捜査した[報道 7]。
闇サイト殺人事件
2007年(平成19年)、Aは碧南事件を起こした9年前と似た状況に置かれていた[報道 11]。1年前に定職に就かなくなってから親族に金を無心し、同居女性に生活費を稼がせていた[報道 11]。他の複数の女性とも関係を持ちながら、趣味のダーツに興じ[報道 11]、ダーツのプロを目指していた[報道 14]。そんな中で同居女性の貯金を使い込み、女性からの借金は440万円に上り、同年3月には同居を解消した[報道 11][報道 14]。
手っ取り早く金を手に入れようと考えたAは、携帯電話の闇サイト「闇の職業安定所」で偽名を使い、B・C両名とは別の男K(第一審死刑判決を不服として控訴したが自ら取り下げ死刑確定、Aの本事件初公判前の2015年6月に死刑執行)、Y(検察側上告断念により一・二審無期懲役判決確定)と知り合い、強盗を計画した[報道 11]。当初はパチンコ店の常連客や、風俗嬢を狙う予定だったが、Aは「風俗嬢はあまり金を持っていない。貯金をしているようなOLを狙おう」と提案し[報道 11]、8月24日深夜、名古屋市千種区で帰宅途中の路上を歩く女性(当時31歳)を車に連れ込んで拉致し金品を奪い、包丁で被害者を脅してキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、翌8月25日午前零時頃に愛西市佐屋町の駐車場で被害者を殺害して遺体を岐阜県瑞浪市の山中に捨てて逃走したが、Yが死刑になることを恐れて自首したためにA・K両名の犯行への関与が発覚しともに逮捕、起訴された。闇サイト事件を捜査した愛知県警関係者は、『中日新聞』の取材に対し「Aは残虐な殺害方法を淡々と話した。1人じゃ何もできないやつだ。闇サイトも碧南も3人だった」と語った[報道 11]。
第一審(名古屋地方裁判所、近藤宏子裁判長、2009年3月18日)でAはKとともに死刑判決を受けた(Yは自首が認められ無期懲役)[報道 45]が控訴、控訴審(名古屋高等裁判所、下山保男裁判長、2011年4月12日)で地裁の死刑判決が破棄され、Yとともに無期懲役の判決を受け[報道 46]、最高裁判所第二小法廷(千葉勝美裁判長、2012年7月11日)で検察側の上告を棄却する決定がなされ確定した[報道 47]。
- ※なお、上記項目ではA・Yをそれぞれ「C」「A」と表記している。
急展開(容疑者の逮捕・起訴へ)
愛知県警は、犯人が食べた跡とみられる、枝豆の皮などを冷凍保存していた[報道 2][報道 16]。2011年(平成23年)夏、皮に付着した唾液のDNA型を再鑑定した結果、事件発生から14年後の2012年7月、闇サイト事件で無期懲役が確定したばかりのAのDNAと酷似していることが判明した[報道 2][報道 16]。その後の捜査で、辻のAの交友関係を調べたところ、B・C両名が浮上し[報道 2]、現場で採取した別の唾液のDNAが、Bのものと酷似していることも判明した[報道 2][報道 16]。Cは遺された夫婦の子供2人の見張り役だったとみられ[報道 16]、現場に唾液は残っていなかったが、その後のBの供述から、事件への関与が浮上した[報道 16]。
これを受け、愛知県警は碧南署に特別捜査本部を設置した上で、Aが事件に関与した疑いが強まったと判断した[報道 2]。特捜本部は8月3日、3週間前に無期懲役の判決が確定したばかりで、名古屋拘置所に収監中だったA(当時37歳)を、ともにAの仕事仲間だったB(同36歳)・C(同43歳)両名とともに、強盗殺人容疑で逮捕した[報道 2][報道 17]。取り調べに対し、3人は「強盗目的で入った。まず先に妻を絞殺し、その後帰宅した男性を殺害した」と容疑を認めた上で、A・B両名は「用意したロープで首を絞めた」と供述した一方、Cは「覚えていない」と供述した[報道 2]。また、B・C両名は「借金で金に困っていた中、Aに誘われて犯行に加わった。守山区内のアパートのAの部屋に3人でよく集まっており、どこかに強盗に入るという話をしていた」と供述しており[報道 2][報道 16][報道 48][報道 32]、特捜本部は、金目当ての計画的犯行とみて、男性宅に狙いを定めた理由などを調べるとともに、Aが事件を主導した主犯格とみて調べた[報道 2]。3人は遺体を捨てたことも認めたが、死体遺棄罪は刑事訴訟法により公訴時効(3年)が成立していた[報道 2]。
事件当時、容疑者特定の決め手は指紋鑑定などで、DNA型鑑定は1990年代初めに始まっていたが、主流ではなかった[報道 2]。しかし、科学捜査の精度は捜査中に飛躍的に向上しており、殺人事件などの凶悪犯罪を扱う愛知県警捜査一課では、2011年(平成23年)4月、未解決の重要事件を専門に捜査する「特命捜査係」(捜査専従班)が発足した[報道 2]。2010年(平成22年)に刑事訴訟法などの一部改正で、殺人罪などの公訴時効が廃止、延長されており、この特命係は発足してすぐに碧南事件に着目してDNA型鑑定を実施、今回の逮捕が特命係の初めての大仕事となった[報道 2]。前述のように、現場の電話・食器などから、指紋が検出されなかったことから愛知県警は、3人が指紋を拭き取るなどの工作をしたとみて捜査した[報道 28][報道 16]。
3人は取り調べに対し「男性がパチンコ店関係者で、金を持っていると考えて目を付けた。犯行前に『金持ちを狙おう』などと相談した」という趣旨の供述をした[報道 12]。男性は当時、逆輸入の高級車レクサスに乗っており、水上バイクも持っていた[報道 28]。容疑者の中には「男性の帰宅を待ち伏せていた」という趣旨の供述をした者もいたため、愛知県警は、3人が事前に下見を繰り返すなど、入念な計画を立て、男性の帰宅する日を狙って犯行に及んだとみて、追及を進めた[報道 12]。3人が男性宅に無理やり押し入った形跡はなく、当時在宅中だった妻と子供2人も監禁されたような状態ではなかった上、3人は「碧南市周辺に土地勘はない。遺体を遺棄した高浜市の場所も覚えていない」と供述し、3人と男性の間に接点は見当たらなかったことから、特捜本部は、3人が妻に「夫の知人か仕事の関係者」と思い込ませて上がり込んだ可能性が高いとみて捜査した[報道 2]。3人は夫婦とは面識がないといい、捜査本部はAが男性の行動を事前に把握した上で、当時職場の同僚だったB・C両名に事件を持ち掛けて主導し、仕事の関係者などを装って夫婦宅に上がり込んだ可能性があるとみて、経緯を詳しく調べた[報道 48][報道 32]。また、3人は自宅にいた妻を先に殺害、その後帰宅した男性を殺害したという趣旨の供述もした[報道 32]。
翌8月5日、特捜本部はAら3人を名古屋地方検察庁に送検した[報道 28]。Aら3人は、取り調べに対し「遺体を男性の車のトランクに入れて遺棄した後、車の鍵を捨てた」と供述した[報道 28]。車が施錠されており、当時の捜査で鍵は発見されなかったことから、愛知県警は発覚を遅らせる狙いがあったとみて調べた[報道 28]。
3人は取り調べに対し「6月28日、夫婦宅を訪れ、男性の帰宅前、妻から枝豆などのつまみや酒を提供された」という趣旨の供述をした[報道 16]。また、殺害について、Bは「男性に抵抗されたため、自分とCが体を押さえつけ、Aがロープで首を絞めた。妻はAの指示でCが体を押さえ、自分がロープで絞殺した」と[報道 16]、凶器のロープについては「Aが用意した」と供述した[報道 15]。
当初の被害品は、妻の財布・男性のブレスレット・鍵束と見られていたが、その後の取り調べで、3人が男性宅から小型金庫も奪っていたことが判明した[報道 15]。AはB・C両名に対し「男性は金持ちだから、金庫があるはずだ」などと犯行を持ち掛けていたが、金庫の中に現金などは入っていなかった[報道 49]。また、Cが「自分が車を運転して男性宅に向かった」と供述したことも判明した[報道 15]。愛知県警は、3人が夫婦を殺害した後、Cが運転してきた車と、遺体を入れた男性のレクサスの計2台に分乗し、遺棄現場に向かったとみて、犯行前後の3人の足取りなどを調べた[報道 15]。Bは取り調べに対し、「犯行当日に始めて被害者夫婦宅に行った。夫婦宅の場所はAが調べた。Aが男性の関係者を装って呼び鈴を鳴らし、自分とCは玄関前の路上で待っていた」[報道 27]、「初めから男性を襲うつもりで家に入った」と供述した[報道 49]。
Aは取り調べに対し「パチンコ店の金を狙った」と供述したことから、特捜本部は、男性が勤めていたパチンコ店に客として出入りしていたAが、男性がパチンコ店の売上金・店の鍵などを管理する責任者だったのを知っていて、犯行を計画したとの線を強めた[報道 30]。また、3人は犯行当時、借金などで金に困っており、本来の目的は夫婦の金品だけでなく、パチンコ店の売上金などより多額の現金だったとみて追及を進めた[報道 30]。実際に3人は犯行後、男性が勤務していた尾張旭市内のパチンコ店に向かったが、「店に貼ってあったステッカーなどで防犯システムが入っていることがわかり(通報を)解除できないため、侵入を断念した」との趣旨の供述をしていた[報道 35]。
愛知県警への取材では、男性は普段店に住み込んでいたが、定休日の月曜日に合わせ、日曜日の勤務後に自宅に戻る生活で、3人が男性宅に行ったのは日曜午後だった[報道 35]。前述のように男性が定休日の前日であるため、自宅に戻っていたところを襲われたことや、B・C両名が「強盗の計画段階(男性宅を狙う計画を立てている中)で、Aから『あの家(夫婦宅)にはパチンコ店の店長が住んでいる』と聞いていた」と供述した上[報道 48][報道 32]、被疑者の中には「男性の帰宅を待っていた」という趣旨の供述をした者もいた[報道 12]。このことから、愛知県警はAらが男性の勤務状況や自宅などを下調べし、事前に下見を繰り返すなどして入念に計画を立て、男性の帰宅日を狙って犯行に及んだ、またAが2人に対し、男性に関する情報を伝えたとみて捜査した[報道 12][報道 28]。
Aは闇サイト事件で逮捕された2007年8月以降、同事件の取り調べや公判では、反省の弁を述べる一方、夫婦殺害事件については(当時の取り調べで)「聴かれなかったから」と、一切自供していなかった[報道 50]。また、Aは第一審・第13回公判(2015年12月3日)で行われた被告人質問にて、闇サイト事件で無期懲役が確定する前に、夫婦殺害事件・強盗殺人未遂事件などの余罪を自白しなかった理由について、「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った(後述)[報道 51]。Aは闇サイト事件の公判で、結審直前に涙を流しつつ、被害者遺族に頭を下げており[報道 11]、同事件の犯人3人の中では唯一、遺族に謝罪の手紙を渡そうと試み、控訴審では「被害者の夢や希望を奪って、遺族に苦しみを与えた」と謝罪したが[報道 11]、控訴審判決で死刑から無期懲役に減軽された途端、一転して遺族への連絡は途絶え[報道 11]、謝罪の手紙を送りたいという申し出もなくなり、何も言ってこなくなったという[報道 52]。闇サイト事件で娘を失った女性はこの反省のないAの態度に加え、Aが碧南事件や守山区の事件で再逮捕されるまでこれらの余罪を隠していたことについて、「Aは(闇サイト事件の犯人3人の中で)一番嘘が多かった[報道 3]。3人の中で最もしたたかで、図太く見えた」[報道 11]、「本気で反省し、謝罪する気があったらこれまでに犯した犯行を自供していたはず」と非難している[報道 52][報道 3]。
8月24日、名古屋地方検察庁は強盗殺人・住居侵入罪で、Aら3人を名古屋地方裁判所に起訴した[報道 3]。この日は闇サイト事件の被害者がAらに拉致された日であり、闇サイト事件の被害者の母親は記者会見に応じ、「因縁めいたものを感じた」とした上で「娘はどれだけ怖かっただろうと想像し、毎月24日は本当につらい」と声を詰まらせ、この事件が裁判員裁判で審理されることについて(裁判官や裁判員に対し)「本事件は闇サイト事件と別事件ではなく、Aという1人の人間の人間性や犯した罪の全体像として把握してほしい。闇サイトがどんな事件だったかを知って裁いてほしい」とした上で「Aは犯した罪の責任をきちんと取るべきだ」と話した[報道 3][報道 53]。名古屋地検幹部は「求刑の量刑を判断するうえでは、闇サイト事件がどう影響するのか、しないのか、慎重に検討材料としたい」と述べた[報道 3]。
さらにBの供述などから、前述の守山区の事件へのA・B両名の関与が明らかになり、被害品の貴金属の一部が質店に売られていたことも判明した[報道 8][報道 54][報道 9]。愛知県警は2013年(平成25年)1月16日、守山署に特別捜査本部を設置し、A・B両名を、強盗殺人未遂・住居侵入容疑で逮捕した[報道 8]。『朝日新聞』2013年1月18日朝刊名古屋版記事によれば、愛知県警は当初、前述のように強盗致傷事件として捜査していたが、Aが女性宅に押し入った直後、逃走する前の2回にわたり、女性の首を強く絞めていたことや、女性の首の絞められた跡・負傷の程度から、Aは相当強い力で首を絞めており、殺意があったと判断し、強盗殺人未遂容疑で立件した[報道 43]。特捜本部によると逮捕直後、Aは「弁護士と話してからしゃべる」と認否を保留し、Bは「ほぼ間違いありません。金目的だった」と大筋で認めた[報道 8]。[報道 8]。質店に売られた貴金属は特捜本部が押収し、裏付け捜査をした[報道 8]。捜査関係者によると、A・B両名は女性宅を実際にリフォームした建築会社の社員を装い、玄関から訪問したとみられる[報道 8]。2人は女性とは面識がなかったとみられていたが[報道 8]、Aが以前勤めていた建築会社が、実際に守山区の事件の数年前、民家をリフォームしていたことも分かった[報道 54]。特捜本部は、民家の事情を知っていたAが事件を主導したとみて調べた[報道 54]。
名古屋地検は2013年2月6日、守山区の事件について、Aを強盗殺人未遂罪・住居侵入罪で、Bは「殺意がなかった」と判断して強盗致傷罪などで、それぞれ起訴した[報道 10][報道 55]。
刑事裁判
本事件の刑事裁判第一審はすべて、名古屋地方裁判所にて裁判員裁判で開かれた。起訴後も検察側・弁護側双方の主張の対立により、公判前整理手続が長期化したことから[報道 56]、最初にAの第一審初公判が開かれるまでに、最終起訴から2年8か月後という異例の長期間を要した[報道 57][報道 58]。
第一審(名古屋地裁・裁判員裁判)
- A
Aの初公判は2015年(平成27年)10月29日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)で開かれた[報道 59][報道 38][報道 60]。検察側は冒頭陳述で「Aは消費者金融などの借金に困り、パチンコ店の売上金を奪う目的で共犯に強盗を持ちかけた」と計画性を指摘し、夫婦殺害については「Aは妻殺害時には屋外に出ていたが、『顔を覚えられたため殺すしかない』と事前に実行役に依頼しており、共謀が成立する」と指摘した上で、男性の殺害も「妻を殺害した以上、男性も殺害するしかないと考え、Aがいきなり背後から馬乗りになってロープで首を強く絞め、共犯者も加勢した」と述べ、いずれも殺意があったと主張した[報道 59][報道 61]。一方で弁護側は「売上金の保管されている場所などパチンコ店の情報を聞き出すのが目的で、誰も殺す気はなかった」と殺意を否認し、妻殺害については「Aは行動を見張るため妻のそばにいたため、殺害を共犯に頼む機会はなかった。Aが現場に戻ったら共犯者により妻は既に殺されていた。Aは一切関与していない」として無罪を主張した上で、男性については「パチンコ店の売上金の在りかを聞こうと、顔にかぶせていたバスタオルの端を共犯者が強く引っ張ったら動かなくなった」と述べ、強盗致死罪に留まると主張した[報道 59][報道 61]。罪状認否でAは、妻殺害について「一切関与していない」と無罪を主張し、男性殺害については「死亡させたことは認めるが、殺意はなかった」と述べ、起訴内容を一部否認した[報道 59]。
同年11月4日に第2回公判が開かれた[報道 62]。同日は検察側証人(当時8歳だった男性の長男)への証人尋問が行われ、長男は父親が襲われた状況について「帰宅した父親が、1階の廊下で男に羽交い絞めにされた。その後父親は倒され、別の男が父親に馬乗りになった。気付いた1人から『寝ようか』と言われ、寝かしつけられた」と証言した[報道 62]。検察側は、事件直後の長男の「男のうち1人は長男・次男が居間や自室で遊ぶのを見ており、他2人は妻と客間にこもっていた。夕食時は3人とも妻が作ったハンバーグを食べた。その後長男は就寝したが、深夜に帰宅した男性に起こされ『お母さんが殺されているかもしれない』と伝えられた」という内容の調書を朗読した[報道 62]。
翌11月5日に第3回公判が開かれた[報道 63]。同日は証人尋問が行われ、共犯者のBが検察側証人として出廷した[報道 63]。Bは事件の経緯について「当時仕事仲間だったAから『借金返済のため強盗を手伝ってくれ』と頼まれ、報酬を条件に引き受けた。Aが下見していた夫婦宅玄関が無施錠だったため、そこから侵入し、妻と遭遇したAが『ヤクザに追われている』などと言って信じ込ませ、男性が帰宅するまで居座ることにした」と述べた[報道 63]。続いて、Bは妻殺害について「長男・次男を寝かしつけた後、車を取りにいったん家を出たAから『外出している間に殺しておいてくれ』と頼まれ、Cとともに背後からロープに首をかけて妻を絞殺した」「妻は事切れる直前『子どもは殺さないで』と言い残していた」と証言した[報道 63]。
翌6日の第4回公判で、引き続きBへの証人尋問が行われた[報道 64]。Bは男性の殺害について「妻を殺害した後の深夜、洗面所に隠れていたAが帰宅した男性を待ち伏せ、背後から襲った。Aはロープのようなものを首に巻き付け、倒れた男性を馬乗りになって押さえつけた上で、一人で絞殺した。自分は近くで見ていただけだ」と証言した[報道 64]。
11月9日に開かれた公判では、被告人質問が行われた[報道 65]。Aは弁護側の尋問で、男性の殺害については持参したハンドタオルを手に取りながら「口をふさぐため背後からバスタオルをかぶせたらもみ合いになり、タオルの橋を共犯のどちらか(BもしくはC)と一緒に引っ張る形となった」と説明し、殺意を否認した[報道 65]。また、妻の殺害については「男性の知人を装って夫婦宅に居座っている間、交番が近くにあると聞いた。確かめるため、車に乗って1時間くらい探していた。戻ったら共犯者から『様子が変わったので殺した』と言われ、驚いた」と供述し、5日の公判でBが「Aから外出中に殺害するよう依頼された」と証言したことについては「まったくない」と、関与自体を改めて否定した[報道 65]。夫婦を殺害した後で鍵束を見つけて持ち去り、男性の勤務先のパチンコ店に向かったが、鍵が開かず盗みを断念したとも供述した[報道 65]。
11月10日の公判では、前日に引き続き被告人質問が行われた[報道 66]。検察側は男性の殺害状況を巡るAの「バスタオルが巻き付いて死亡してしまった」という供述が、捜査段階での「ビニールひものようなものを使った」という説明から、変遷している点をAに質した[報道 66]。これに対し、Aは「奥さんの遺体にビニールひもが巻き付いていた印象が強かったからだと思う」と述べた。また、公判ではAが妻の死後「共犯者に『もう帰ろう』と言った」とも話したことについても、検察側は「捜査段階ではそのようなことは話していない」と追及した[報道 66]。
その後、11月11日の公判から、2006年の事件についての審理が始まった[報道 67]。同日の公判で、検察側は冒頭陳述で「Aは、かつて外壁工事で訪れた女性宅の強盗を計画し、Bを犯行に誘い入れた」と指摘した上で、「女性を脅して金品を物色後、Bが車を取りに外に出ていた間、Aはロープのようなもので、女性を絞殺しようとした」と述べた[報道 67]。一方、Aは強盗については認めたが「殺意はなかった」と、起訴内容を一部否認し、弁護側は「多額の借金を抱えたBが、Aを犯行に誘った」と反論した上で「首を絞めて殺そうとしたのはBで、Aがそれを止めた」と主張し、強盗致傷罪の成立に留まると主張した[報道 67]。被害者の女性は証人尋問で「犯行の途中で意識を失い、気づいたら2人がいなくなっていた」と述べた[報道 67]。
11月16日の公判では、被告人質問が行われた[報道 68]。この日は2事件でともに、Aと共犯関係にあったBが証人として出廷した[報道 68]。Bは、守山区の事件について「Aに車を取ってくるように言われ、戻ったら女性の首を絞めていた」と証言した[報道 68]。
翌11月17日の公判で、被告人質問が行われた[報道 69]。Aは、守山区の事件について「Bから強盗に誘われた。自分が室内を物色中、Bが女性に馬乗りになり、首を絞めていた。何度も『殺すな』と言ったらようやくやめた」と述べ、女性を殺害しようとしたのはBだと主張した[報道 69]。
11月19日の第12回公判で[報道 70]、事実審理が終了し[報道 71]、中間論告・中間弁論が行われた[報道 70]。検察側は、Aが犯行の中心的存在だったと指摘した上で、「B・CがAの了解なく、勝手に妻を殺害するのは極めて不自然」と述べた[報道 70]。その上で、数時間も夫婦宅に滞在し、殺害後に金品を物色したことから、「3人で共謀するのが合理的」と主張した[報道 70]。これに対し、弁護側は「家に上がったAは、妻を監視するため、ほぼ一緒にいた。そのため、B・C両名に殺害を頼む機会はなかった」と指摘した[報道 70]。その上で、B・C両名が「『顔を見られたので殺す』という話し合いをした」とする供述調書の信用性を否定し、「刑事の脅しに屈した結果であり、共謀はない。窃盗罪が相当」と訴えた[報道 70]。また、強盗殺人未遂罪に問われている守山区の事件について、Aは「首を絞めたのは私ではない」と主張し、強盗致死罪が相当だと訴えた[報道 70]。
それまでの公判で、Aは「妻を殺害した際は、Cの車を移動させるために現場を離れていた。現場に戻ると、Bから『奥さんの様子が変わったので殺した』と聞かされた」と述べ、無罪を主張した[報道 71]。一方、Bは「Aから『車を移動させている間に殺しておいてくれ』と頼まれ、Cとともに絞殺した」と証言し、検察側は「顔を見られたので、口封じのために3人で殺害を決意した」と主張した[報道 71]。男性殺害については、Aは「口をふさごうとしたバスタオルが首に掛かり、共犯者と引っ張り合ったところ、死亡してしまった。殺意はなかった」と述べ、強盗致死罪に留まると主張したのに対し、Bは「Aが背後から首にひもを巻き付け、1人で絞殺した」と述べた[報道 71]。守山区の事件についても、Aは「Bに強盗に誘われた。女性を殺そうとしたBを止めた」と主張した一方、Bは「Aに強盗を持ち掛けられた。車を移動させて戻ったところ、Aが首を絞めていた」と、正反対の主張をした[報道 71]。
12月3日、情状面の審理が行われた[報道 72][報道 51]。弁護側は「事前に被害者の殺害まで計画していたわけではない」と主張した上で、「きわめて大雑把な計画の下、犯行に及び、重大な結果を発生させてしまった」と主張した[報道 72]。検察側は、被告人質問で「碧南事件で妻を殺害後、男性の殺害をやめようとは思わなかったのか」と、Aを追及した[報道 72]。これに対し、Aは「現場から立ち去ろうと、共犯に話はした」と答えた[報道 72]。また、Aは闇サイト事件で逮捕後、無期懲役が確定するまでに、本事件を自白しなかったり畏友について「(自分の)子どもが私から離れていくのが怖かった」と語った[報道 51]。Aは刑が確定するまで、自身の長男と手紙などの交流があったが、本事件で再逮捕されてからは途絶えたという[報道 51]。同日は男性の長男と、長男の代理人弁護士も出廷し、代理人弁護士がAに対し「夫婦にはお子さんが2人いた。犯行をためらう要素にはならなかったのか」と問うと、Aは「なりませんでした」と答えた[報道 51]。Aは、被害者夫婦の長男・次男に対し「前触れなく両親を奪われる喪失感は計り知れず、私たちへの憎しみは胸の内でたぎっていると思う。ただただ申し訳ない気持ちです」と述べた[報道 51]。情状証人として出廷した、当時78歳のAの母親は「一生懸命償ってほしい。そういう言葉しか出ません」と述べた[報道 51]。
同年12月4日に論告求刑公判が開かれ、検察側はAに対し、死刑を求刑した[報道 73][報道 74]。検察側は論告で、「妻殺害後、男性の帰宅まで時間はあったが、Aは犯行を思い留まるどころか、2度目の殺人に及んだ。突発的、冷却期間を置いた連続的な犯行とは異なる」と指摘した[報道 73]。その上で、Aが妻殺害時、現場を離れていたことについては「計画を立案した首謀者で、殺害を共犯に担わせただけである」として、共謀が成立することを主張した[報道 73]。殺意の有無を争っていた男性の殺害についても「妻殺害はいずれ発覚するので、男性だけ生かすわけにはいかないと考えた。殺害を事前に計画していたに等しい」として、「極刑は免れ得ない」と断じた[報道 73]。一方で、弁護側は最終弁論で「Aは妻殺害には関与していない。車を取りに行くまでの間、妻のそばで行動を見張っていたので、共犯に殺害を頼む機会はなかった」と反論し、男性殺害についても「パチンコ店の金を奪うのが目的で、殺害すれば店への侵入方法もわからなくなる。おとなしくさせようとしたところ、死なせてしまった」と、殺意を否定し、強盗致死罪と窃盗罪、住居侵入罪の成立に留まると主張し、無期懲役が相当だとして、死刑回避を訴えた[報道 73]。また、弁護側は「碧南事件の時点では、闇サイト事件はまだ発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張した[報道 73]。この日は、被告人質問・被害者遺族の意見陳述も行われ、裁判員の1人に、収監中の拘置所での暮らしぶりを聞かれ、Aは「朝晩には被害者の冥福を祈っている」と答えた[報道 73]。続いて、景山太郎裁判長から「起訴されてから、今日までの間に反省が深まったか」と問われると、Aは「深まったかはわからないが、自分がすべきことは何か、毎日考えている」と語った[報道 73]。被害者遺族の意見陳述では、男性の長男と、次男の代理人弁護士がそれぞれ出廷し、陳述書を読み上げた[報道 73]。代理人弁護士は「自分には両親の記憶はない。それが悔しいし、本当に重たいこと。事件が心の重荷になり、人生を狂わされた。家族を奪われた苦悩、狂ってしまった未来を自覚してほしい。金を得る手段として2人を殺害した以上、結論は1つしかない」と、死刑を求める次男の陳述書を代読した[報道 73]。長男は「Aが捕まっても、現実感がなく、法廷で姿を目の当たりにして実感するようになった。Aの言い分を聞いたが、逃げていると思った。Aはいろいろな言い訳をする人間で、何とか刑を軽くしたいということだけ分かった。裁判で話すことはつらかったが、両親のためには無念を晴らすことしかできない。それが復讐だと思っている。Aが死刑になることを、強く強く願っています」と訴えた[報道 73]。Aは最終陳述で「処刑されることになっても、残された時間のすべてを贖罪にささげたい」と述べた[報道 73]。
2015年12月15日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)で判決公判が開かれ、名古屋地裁は検察側の求刑通り、Aに死刑判決を言い渡した[判決文 1][報道 4][報道 75][報道 13][報道 76][報道 77][報道 44][報道 78]。名古屋地裁は、判決理由で「犯行を主導したAが知らないうちに、B・C両名が妻を殺害するとは考え難い。夫婦宅を出るまでの間に、Aは共犯と話し合うなどして、殺害を了解していた。もし、殺害がAの予期せぬものだったならば、当然Bらをとがめるなどしていたはずだが、Aはそのようなことはせず、むしろその状態を冷静に利用し、強盗目的を遂行するための行動に出た」として、共謀・強盗殺人罪の成立を認定した[報道 4][判決文 1]。また、殺意の有無を争っていた男性への殺害についても、「絞殺するには3分以上、首を強く絞め続ける必要があり、Aが公判で供述するような方法で、人を窒息死させるような強い力で3分以上、首を絞め続けてしまうことなどあり得ない。Aには明確な殺意が認められる」と認定した[報道 4][判決文 1]。守山区の事件についても、「殺意は強固で、非力な高齢女性に対する卑劣な犯行である。被害者を殺害しようとしたのも、強盗の遂行と犯行の発覚防止のためであって、やはり私欲的で身勝手極まりなく、酌量の余地はない。殺害の計画性は認められないが、碧南事件で夫婦を死亡させたA・B両名にとって、被害者宅で強盗を行えば、被害者を殺害するような行為に及ぶような事態が起こりうることは、容易に想像できたはずなのに、Aらは再び強盗を計画し、主導的に実行した。このような人命軽視の態度には、もっとも強い非難が向けられるべきだ」と断じた[報道 4][判決文 1]。その上で「子供らを案じながら、苦しみの上に突然、人生を絶たれた2人の恐怖や絶望、無念の思いは察するに余りある」と指摘し、「2人の生命を奪った結果は極めて重大で、事前に殺害を計画していたとまではいえないが、偶発的ともいえず、強盗目的を遂行するため、事態の推移に応じて冷徹な殺害行為を繰り返しており、人命軽視の態度が甚だしい。Aは不合理な弁解を繰り返しており、反省は深まっておらず、死刑の選択をためらわせるような事情はない」と断じた[報道 4][判決文 1]。
東海3県の裁判員裁判で死刑判決を受けたのは、愛知県蟹江町母子3人殺傷事件の中国国籍の被告人以来、2人目となった[報道 4]。また、服役中の無期懲役囚が別の事件で死刑判決を受けるのは異例であった[報道 78]。なお、日本国憲法は第39条にて、いったん確定した罪を再び罰しない「一事不再理」を定めているため、判決は闇サイト事件には言及しなかった[報道 4]。弁護側は「碧南事件の時点では闇サイト事件は発生しておらず、量刑を重くする事情にはならない」と主張していた一方[報道 73]、検察側も冒頭陳述から論告に至るまで、闇サイト事件については言及していなかった[報道 4][注 2]。その一方で、最高裁判所の判例(2001年8月28日発生の大阪市旭区薬局経営者殺害事件[注 3]、2012年12月17日判決)では「前件等の確定裁判の余罪である本件の量刑判断に当たっては、前件等を実質的に再度処罰する趣旨で考慮することは許されないものの、なお犯行に至る重要な経緯等として考慮することは当然に許される」と判断されている[報道 58][注 4][報道 38]。また、それ以前に最高裁大法廷より、1966年7月13日付判決で示された判例でも「(起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することは)被告人の行動傾向や犯行動機、被告人の性格など、情状の一つとして考慮することは許される」(最高裁判所大法廷、判決)とある[注 5][報道 38]。
Aは公判で、証人出廷した母親に「地獄にいるような思いをさせてしまった」と述べた[報道 4]。事件の犠牲者に「冥福の祈りを毎日捧げている。ご遺族の気持ちを背負って生きていこうと思う」と話し、生への意欲をのぞかせていた[報道 4]。なお、公判中に検察側から「男性にはお子さんが二人いた。犯行をためらう要素にならなかったのか」と問われると、「なりませんでした」と答え、夫婦の息子2人に「前触れなく両親を奪われる喪失感は計り知れず、私達への憎しみが胸の中でたぎっていると思う。ただ申し訳ない気持ちです」と述べた[報道 51]。
両親を殺害された兄弟はこの日は出廷せず、代理人弁護士を通じて「死刑になったからといって償われるわけではないが、みんながやってきたことは報われたという気持ちです」などと、文書でコメントした[報道 4][報道 78][報道 44]。また、闇サイト事件で娘を失った女性は報道陣の取材に応じ、裁判を傍聴したあと会見し、「死刑という判決を聞いたときにはほっとした。私はもうAとは関わりたくない。Aにできることは、じっくり罪と向き合って早く裁判を終わらせることだと思う」[報道 44]「死刑しかないと思っていた」と話した。「(闇サイト事件で無期懲役が確定し)娘の無念を晴らせないと思っていた」と振り返り、今回の判決を評価した上で兄弟に対し、「両親への思いは胸に秘めながら、むごい事件のことは忘れて前に進んでほしい」と気遣った[報道 78]。
弁護側は判決を不服として、翌12月16日付で名古屋高等裁判所に控訴した[報道 18]。
- B
2016年(平成28年)1月7日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でBの初公判が開かれた[報道 79][報道 80][報道 81]。
検察側は、冒頭陳述で「BはAから犯行に誘われ、金欲しさで加わった。男性の勤めるパチンコ店の売り上げと、夫婦宅の金品が目的だった」と指摘した上で、「顔を覚えられたため妻を殺害した後、犯行発覚を免れるため、帰宅した男性をAが絞殺した際には、体を押さえるなどして加勢した」と述べ[報道 79]、共謀関係の成立を指摘した上で「犯行発覚を免れるため、夫妻を殺害する必要があった」と主張した[報道 80]。Bは罪状認否で、妻の殺害について「Aに突然、殺害を指示されて首を絞めた」と述べ、実行行為については起訴事実を認めたが、「金品の物色はしていない。強盗目的ではなかった」と述べ、殺人罪及び窃盗罪に留まると主張した[報道 79][報道 80]。また、男性の殺害については、Aが絞殺したことは認めたが[報道 79]、関与・動機については「男性からパチンコ店の鍵を奪い、店の金を奪う計画だった」とした上で「Aが男性を襲っているのを、立ったまま見ていただけだ。自分は手を出しておらず、関与していない」と殺意を否認、強盗致死罪にあたると主張した[報道 79][報道 80]。この日は証人尋問も行われ、検察側証人として出廷した男性の長男が「大柄な男が父に馬乗りになり、別の男が腕を押さえていた。父を押し倒していた男と、馬乗りになっていた男は別人物」と証言した[報道 80]。
翌1月8日、第2回公判が開かれた[報道 82]。この日は証人尋問が行われ、Aが検察側証人として出廷した[報道 82]。Aは「妻から近くに交番があると聞き、確認しようと外に出た。1時間後に戻ると、妻は1階和室で、ビニールひもを首に巻かれて死亡していた。Bからは『様子が急変したから殺した』と言われた」と[報道 82]、第一審での主張と同様の証言をし、妻殺害への関与を否定した[報道 83]。
その後、1月18日の公判からは守山区の事件についての審理が始まった[報道 84][報道 85]。検察側は冒頭陳述で「顔を隠さずに強盗に入ったため、女性を殺害する必要があった」と指摘した上で、「Bは首を絞めていないとしても、Aの犯行を止めずに放置し、現場から立ち去った」として、Aとの暗黙の共謀があったことを主張した[報道 84]。これに対し、Bは「殺意はなく、自分は首も絞めていない」と主張し、起訴内容の一部を否認した[報道 84][報道 85]。その上で、弁護側は「Aと殺害について話し合ったことはない。Aに女性の殺害を指示されたが、絞めるふりをしただけだ」として、強盗致傷罪の適用を求めた上で[報道 84][報道 85]、「碧南事件の取り調べ初日に、守山区の事件について犯行を申告した」として、自首の成立を訴えた[報道 84]。
公判は計11回開かれ[報道 79]、1月25日に論告求刑公判が開かれた[報道 20]。検察側は同日、Bに死刑を求刑した[報道 20]。論告で、検察側は「Bは金欲しさから犯行に加わった。奪った現金を、A・Cとともに分け合うなどしており、妻殺害が強盗目的なのは明らかで、男性の殺害でも、体を押さえて加勢した」と指摘した上で、「Aとの刑事責任の差はわずかで、犯行態様は冷酷・残忍である。Bの果たした役割は重要で、責任は極めて重く、死刑回避相当の酌むべき事情はない」と主張した[報道 20][報道 86]。弁護側は、最終弁論で「夫婦宅の金を奪う計画はなく、Aの犯行を手伝っただけ」と主張した上で、「Aに『ばかにされたくない』と虚勢を張って妻を殺害した。男性の殺害には関与しておらず、殺意はなかった」などと訴え[報道 20][報道 86]、「死刑がやむを得ないとは言えない」として、無期懲役が相当と訴え、結審した[報道 20][報道 86]。
2月5日に開かれた判決公判で、名古屋地裁(景山太郎裁判長)はBに対し無期懲役判決(求刑死刑)を言い渡した[報道 21]。名古屋地裁は、男性の長男の目撃証言から、男性の殺害についてBの共謀を認定した[報道 87][報道 88]。その上で、男性宅にある金品を奪うことも事前に想定していたと認定し、妻殺害は強盗目的であることも認め、夫婦に対する強盗殺人罪の成立を認めた[報道 87]。その一方で「事前に夫婦殺害まで計画していたとは言えない」と指摘し[報道 21]、「妻殺害はAの指示によるもので、男性殺害時もBは体を押さえたが、主としてAが実行した。Bは一貫してAに従属的な立場で、深く考えることなく短絡的に犯行に及んだ。夫婦殺害で重要な役割を果たしたが、関与は従属的で、死刑選択がやむを得ないとは言えない」と指摘し、死刑を回避した[報道 21][報道 88][報道 87]。Bは守山区の事件に関する強盗殺人未遂罪にも問われたが「Bには女性への殺意はなく、首を絞めるふりをしただけ」として[報道 21][報道 88]、強盗致傷罪の成立に留まると判断した[報道 21]。
判決を受け、男性の長男は「到底納得できる結論ではない。両親の墓前に良い報告ができず残念」、次男は「とても残念。検察官に控訴していただきたい」とのコメントを出した[報道 21]。
その後、検察側は控訴期限の2月19日、名古屋高裁への控訴を断念することを決めた[報道 89]。弁護側とB本人も同日までに控訴しなかったため、Bの無期懲役が確定した[報道 22]。
- C
2016年2月16日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)でCの初公判が開かれた[報道 90]。検察側は、冒頭陳述で「Cは金欲しさから、Aの強盗の誘いに応じ、強盗目的で侵入し、妻殺害時には自らロープで首を絞めた。共犯者であるA・B両名が男性を殺害するのも近くで見ており、止めなかった」と指摘した[報道 90][報道 91]。これに対し、Cは「私からお話しすることはありません」と述べ、弁護側は「Cは妻殺害の現場にはいなかった。男性の殺害にも関与していない」「事件から14年経って逮捕され、被告らの記憶は当てにならない。他の被告(A・B両名)が嘘をつくこともある」と述べ[報道 90][報道 91]、全面的に無罪を主張した[報道 90][報道 91]。
3月16日、論告求刑公判が開かれ、検察側は無期懲役を求刑した[報道 92]。論告で、検察側は「Cは共犯に比べ関与の度合いが相対的に低い。軽度の知的障害が意思決定に影響している可能性もある」として、いずれも死刑を求刑した共犯2人との差を説明した上で「2人の命を奪った結果は非常に重い」と述べた[報道 92]。それまでの公判で、弁護側は「強盗に加わる意思はなく、夫婦の殺害には関与していない」と無罪を主張し[報道 92][報道 93]、Cは事件に関する質問には「記憶が曖昧だ」として黙秘する一方[報道 92][報道 23]、被害者に対しては「申し訳なく思う」と語った[報道 92]。
3月17日の公判で、弁護側の最終弁論が行われ、弁護側は改めて無罪を主張し、結審した[報道 93]。Cの弁護側は「Cは軽度の知的障害があり、計画への関与も従属的だ」と指摘し、その上で妻殺害について「関与していない。仮に関与したとしても共犯の指示に従っただけ」、男性の殺害については「ただ見ていただけ」として「無罪を主張するが、仮に有罪だとしても懲役10年が相当だ」と訴えた[報道 93]。Cは公判中、事件に関する質問には記憶が曖昧だとして供述を避け続けた[報道 23]。
3月25日に判決公判が開かれ、名古屋地裁(景山太郎裁判長)は検察側の求刑通り、Cに無期懲役判決を言い渡した[報道 23][報道 94]。
名古屋地裁は判決理由で「CはBとともに、妻の首に巻き付けたロープを引っ張り合い、妻を絞殺した。その後、Aらが男性の首を絞める間には体を押さえていた」と認定した[報道 23]。その上で、Cが捜査段階で夫婦殺害への関与を認めた供述については、Bの供述や、現場にいた長男の証言から「信用性が高い」と判断した[報道 94]。そして、犯行を「被害者の生命より利欲を優先させ、身勝手極まりない」と非難し[報道 94]、「関与は従属的で軽度の知的障害の影響もあるが、生命軽視の態度は明らかだ」と指摘した上で[報道 23]、「冷酷、残忍な犯行で、二人の命を奪った結果は重大だ」として、無期懲役が相当と結論付けた[報道 23][報道 94]。『中日新聞』の取材に対し、男性の次男は代理人弁護士を通じ「最初から最後まで『分からない』で通したことが悔しい」とコメントした[報道 23]。
Cの弁護側は3月30日、判決を不服として名古屋高裁に控訴した[報道 24]。
控訴審(名古屋高裁)
- A
名古屋高等裁判所(山口裕之裁判長)は、2016年3月31日までに、同年7月5日に控訴審初公判を開くことを決めた[報道 95]。
2016年7月5日、名古屋高裁刑事第1部(山口裕之裁判長)でAの控訴審初公判が開かれた[報道 96][報道 19]。弁護側は、第一審判決には事実誤認があり、死刑判決は不当と主張し、死刑判決の破棄を訴えた[報道 96][報道 19]。一方、検察側は控訴棄却を求めた[報道 96]。初公判ではAは出廷せず[報道 97]、弁護側が証人尋問・被告人質問などを請求した[報道 96]。これに対し、名古屋高裁は被告人質問のみを認め、次回公判の9月1日に行うことになった[報道 96]。
9月1日に開かれた第2回公判で、被告人質問が行われた[報道 98][報道 99]。Aは前年12月の第一審判決以降、初めて法廷に姿を見せ、無期懲役が確定したBが実行犯だと主張している、守山区の事件について問われると「Bが女性に馬乗りになっていた(犯行を)見た瞬間まずいと思った」と述べ[報道 98]、実行行為への関与を否定した[報道 98]。また、第一審の死刑判決については「ある程度、予想や覚悟はしていたから、判決を聞いて思うことはあまりなかった」などと語った[報道 100]。Aはこのほか、両事件の被害者・遺族に対し[報道 98]、手紙や拘置所で得た作業報奨金を渡す意向を示した一方[報道 99]、「手紙を書き続けたい気持ちはあるが、刑務作業もあり、思うように時間がとれていない」と語り[報道 99]、遺族への思いを問われると「人の命は償えない。自分がどうやって償っていくのか、誠意を伝え続けていきたい」と述べた[報道 98][報道 99]。
次回第3回公判は10月13日に開かれ、同日に最終弁論が行われた[報道 101]。A本人も出廷し、弁護側は改めて死刑判決の破棄を求め、結審した[報道 101]。
11月8日、控訴審判決公判が開かれた[報道 5][報道 102]。名古屋高裁(山口裕之裁判長)は第一審の死刑判決を支持し、Aの控訴を棄却する判決を言い渡した[報道 5][報道 103][報道 104][報道 102][報道 105][報道 106]。
判決理由で名古屋高裁は、犯行の状況・共犯との共謀について[報道 102]、「Aが現場に戻った後、妻死亡の理由を尋ねるなどした形跡はなく、知らないうちに殺害されたとすれば不自然極まりない」として、妻殺害の共謀を認定した[報道 5]。その上で、男性への殺意もあったと指摘し[報道 5]、いずれの事件でも殺意があったと認めた[報道 102]。その上で、名古屋高裁は「Aは事件を主導的立場で計画、遂行した。不合理な弁解に終始し、真摯な反省は見られない。第一審の死刑判決はやむを得ず、重すぎて不当とは言えない」などと結論付け、弁護側の主張を退けた[報道 5][報道 102]。第一審判決同様、闇サイト事件についての言及はなかった[報道 105]。
判決を受けて、本事件の遺族である被害者夫婦の息子2人は、長男が「当然の結果だと思います。Aはこれ以上争わないでほしいと思います」と、次男も「この18年間、生きていくことに意義らしいものを感じることはなかった。Aが死刑になったからといって両親が戻ってくるわけでもないし、私たちが心から癒やされることもありません。ですが裁判が終わるたびに『自分の現実を生きられる』と思えるようになってきた」と、それぞれ代理人弁護士を通じてコメントした[報道 5][報道 102]。また、闇サイト事件で娘を失った女性は、Aに対する(闇サイト事件での第一審を含めて)3度目の死刑判決を傍聴席で聞き、閉廷後名古屋市内で記者会見し「娘の時は(同じ名古屋高裁で開かれた)二審で死刑判決が覆ったので、今日の裁判長の(A側の控訴)『棄却』という言葉は胸に重く響きました。今日は私にとっても大きな区切りになると思います」と話した[報道 5][報道 102]。女性は「Aを目にする最後の場かもしれない」とAの姿を見つめ続けたといい、「どんな表情で、どんな心中なのか考えたが、分からなかった」と振り返ったが、「娘と乾杯しようかな」と安堵の表情を見せた[報道 5][報道 102]。
Aと弁護人は判決を不服として、最高裁に即日上告した[報道 6]。
- C
2016年10月19日、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)でCの初公判が開かれた[報道 107][報道 108]。弁護側は「検察は夫婦殺害へのCの関与を立証できていない。仮に有罪だとしても無期懲役は重すぎる」として、改めて無罪を主張した[報道 107][報道 108]。一方、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した[報道 107][報道 108]。
12月19日に判決公判が開かれ、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)は第一審の無期懲役判決を支持し、Cの控訴を棄却する判決を言い渡した[報道 25][報道 109][報道 110]。名古屋高裁は、Cの捜査段階での供述や、共犯のA・B両名の証言から「CはA・B両名と共謀し、強盗目的で夫婦を殺害した」と認定し、Cの無罪主張を退けた[報道 25]。その上で、「A・B両名の証言は、具体的で信用できる」とした上で、「CはAから誘われ、借金返済のために被害者の自宅やパチンコ店から現金を奪うことを目的に事件に加わった。被害者夫婦の恐怖や無念などを察すると酌量の余地はなく、極めて悪質な犯行だ」と指弾し[報道 110]、「A・B両名に従属的だったことや、軽度の知的障害があることを考慮しても、無期懲役を選択せざるを得ない」と結論付けた[報道 109]。
Cの弁護人は判決を不服として、翌12月20日付で最高裁に上告した[報道 26]。
被害者遺族のその後
事件で両親を失った、事件当時8歳(小学3年生)の長男と、同6歳(小学1年生)の次男は事件後、母方のおばに引き取られ、2000年(平成12年)に愛知県から関東地方に引っ越した[報道 38]。兄弟は両親について、周囲の大人からは「海外旅行に行っている」と聞かされたが、その後次男は中学1年の頃(2004年〈平成16年〉頃)、図書館で記事を検索し、事件の真相を知った[報道 38]。次男は精神的に不安定になって家出、不登校に陥り、中学時代は心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで精神科に通い、その後バスケットボール選手を目指して高校に進学したが、中退し、生活が荒れた時期もあったという[報道 38]。このことについて次男は、『朝日新聞』の取材に対S「誰かに叱って欲しかったし、自分を見て欲しかった。ただ普通に生きたかっただけなのに」と振り返っている[報道 38]。2011年(平成23年)、未成年後見人だったおばが、兄弟に残された遺産数千万円を使い込んでいたことが発覚した[報道 38]。苦しみのさなかの2012年、Aら3人が逮捕され、次男は愛知県警の当時の捜査員から「事件の夜、押し入れの中に入れられていた」「お母さんは君を命がけで守ったんだよ」と話を聞く機会があったという[報道 38]。
参考文献
刑事裁判の判決文
- A
- 第一審判決
- 名古屋地方裁判所刑事第4部判決 2015年(平成27年)12月15日 裁判所ウェブサイト掲載判例、D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)判例体系 ID:28240367、平成24年(わ)第1701号/平成25年(わ)第156号、『住居侵入,強盗殺人,強盗殺人未遂被告事件』「被告人が、共犯者2名と共謀の上、強盗目的で民家に侵入して夫婦を殺害した住居侵入、強盗殺人と、その8年後に同共犯者のうち1名と共謀の上、強盗目的で民家に侵入して1名を殺害しようとした住居侵入、強盗殺人未遂の事案につき、死刑に処した事例。」。
- 判決内容:死刑(求刑同、被告人側控訴)
- 裁判官:景山太郎(裁判長)・小野寺健太・石井美帆
- 控訴審判決
- 名古屋高等裁判所刑事第1部判決 2016年(平成28年)11月8日 D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)判例体系 ID:28244446、平成28年(う)第44号、『住居侵入,強盗殺人,強盗殺人未遂被告事件』「被告人が、共犯者2名と共謀の上、強盗目的で民家に侵入して夫婦を殺害した住居侵入、強盗殺人と、その8年後に同共犯者のうち1名と共謀の上、強盗目的で民家に侵入して1名を殺害しようとした住居侵入、強盗殺人未遂の事案につき、被告人を死刑とした原判決が維持され、控訴が棄却された事例。」。
- 判決内容:被告人側控訴棄却(被告人側上告)
- 裁判官:山口裕之(裁判長)・田邊三保子・出口博章
- B
- 第一審判決
- 名古屋地方裁判所刑事第4部判決 2016年(平成28年)2月5日 D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)判例体系 ID:28240687、平成24年(わ)第1701号/平成25年(わ)第156号、『住居侵入,強盗殺人,強盗殺人未遂被告事件』。
- 判決内容:無期懲役(求刑死刑、控訴せず確定)
- 裁判官:景山太郎(裁判長)・小野寺健太・石井美帆
- C
- 第一審判決
- 名古屋地方裁判所刑事第4部判決 2016年(平成28年)3月25日 D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)判例体系 ID:28241254、平成24年(わ)第1701号、『住居侵入,強盗殺人被告事件』。
- 判決内容:無期懲役(求刑同、被告人側控訴)
- 裁判官:景山太郎(裁判長)・小野寺健太・石井美帆
- 控訴審判決
- 名古屋高等裁判所刑事第2部判決 2016年(平成28年)12月19日 D1-Law.com(第一法規法情報総合データベース)判例体系 ID:28250509、平成28年(う)第166号、『住居侵入,強盗殺人被告事件』。
- 判決内容:被告人側控訴棄却(被告人側上告)
- 裁判官:村山浩昭(裁判長)・大村泰平・平手一男
脚注
注釈
- ^ 「併合罪について二個以上の裁判があったときは、その刑を併せて執行する。ただし、死刑を執行すべきときは、没収を除き、他の刑を執行せず、無期の懲役又は禁錮を執行すべきときは、罰金、科料及び没収を除き、他の刑を執行しない」[法令 1]。
- ^ なお、これについて闇サイト事件で娘を失った女性は「加害者側には裁判をやり直す再審制度の仕組みがある一方、被害者側にはそうした救済の仕組みはない」と疑問を投げかけている[報道 4]。
- ^ この事件で起訴された男は同事件の13日前(8月15日)、大阪市北区の紳士服店経営者を殺害した強盗殺人事件で大阪府警に逮捕され、2003年12月1日に大阪地裁で求刑通り無期懲役判決を受けた。2004年7月14日に大阪高裁で被告人側控訴棄却、男は最高裁判所に上告するも2004年12月13日に最高裁第3小法廷で被告人側上告が棄却され、無期懲役(求刑同)が確定した。服役中の2008年11月、薬局経営者宅に残っていたタオルから、男のDNAが検出されたことで、薬局経営者殺害事件への関与が浮上し、逮捕・起訴された。同事件では男に対し、検察側から死刑が求刑されたが、2010年5月31日に大阪地裁で無期懲役判決、2011年2月24日に大阪高裁で検察側の控訴も棄却された。2012年12月17日、最高裁で検察側の上告が棄却されたことにより、無期懲役判決が確定した。
- ^ 最高裁判所第三小法廷決定 2012年(平成24年)12月17日 裁判所ウェブサイト掲載判例、平成23年(あ)第494号、『住居侵入,強盗殺人被告事件』「原審…大阪高等裁判所、2011年2月24日判決」、“強盗殺人事件等に関する無期懲役の確定裁判のある被告人が、同事件の13日後に犯した被殺者1名の住居侵入、強盗殺人の事案(確定裁判の余罪)につき、無期懲役の量刑が維持された事例”。
- ^ 最高裁判所大法廷判決 1966年7月13日 『最高裁判所刑事判例集』(刑集)第20巻6号609頁、裁判所ウェブサイト掲載判例、昭和40年(あ)第878号、『窃盗被告事件』「起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することと憲法第三一条第三九条」、“起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないが、単に被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等の情状を推知するための資料としてこれを考慮することは、憲法第三一条、第三九条に違反しない。”。
出典
以下の出典において、記事名に被告人・受刑者の実名が使われている場合、この箇所をそれぞれA・B・Cとし、また本事件及び闇サイト殺人事件の被害者・遺族の実名は伏字とする。
- 判決文出典
- 報道出典
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『中日新聞』1998年7月5日朝刊西三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」
『中日新聞』1998年7月5日朝刊東三河版20面「碧南の不明事件 遺体乗せた車、1週間近く放置 のぞき込んだ住民も 地元に衝撃走る」
『東京新聞』1998年7月5日朝刊第一社会面27面「車トランクから2遺体 愛知、不明の夫婦か」 - ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 『中日新聞』2012年8月3日夕刊1面「『闇サイト殺人』 A受刑者 14年前夫婦殺害の疑い 愛知県警、逮捕へ」
『中日新聞』2012年8月4日朝刊1面「『闇サイト』A受刑者逮捕 碧南の夫婦強殺容疑 愛知県警、ほか2人も」
『中日新聞』2012年8月4日朝刊第二社会面36面「碧南の強殺容疑 A受刑者ら 科学捜査で前進」「裁判員裁判で新たに審理へ」「逮捕『娘が導いた』 『闇サイト』事件被害者の母 極刑『今度こそ』
『東京新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面29面「闇サイト殺人 A受刑者 14年前に夫婦殺害 容疑で逮捕」
『中日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面13面「碧南夫婦強殺 夫の関係者装う? 押し入った形跡なく」「息子名乗る男性ネットに思い 事件が忘れられる方が嫌だ 尊敬する人 オレと弟を守って散ったオヤジ」
『東京新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「98年の強盗殺人 A容疑者が誘う 2容疑者が供述」 - ^ a b c d e f g h 『中日新聞』2012年8月25日朝刊第一社会面33面「碧南夫婦強殺 3人起訴」「『死刑求めたい』△△さんの母」「『闇サイト』どう影響 A被告公判で名地検言及か」「大変厳しい判決も 加藤克佳・名城大学教授(刑事訴訟法)」
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『中日新聞』2015年12月16日朝刊特集面13面「碧南強殺 名古屋地裁判決〈要旨〉」
『中日新聞』2015年12月16日朝刊第二社会面28面「闇サイト事件 識者に聞く 量刑『難しい判断』」「闇サイト事件 △△さんの母 『死刑』やっと聞けた」「○○さん長男『当然のこと』」
『中日新聞』2015年12月16日朝刊第一社会面29面 「裁判員 苦悩の審理 闇サイト事件『切り替え』腐心 碧南強殺判決」「A被告 動揺見せず頭下げ」
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同面「『当然』『両親は戻らぬ』 ○○(本事件の被害者夫婦の姓)さん長男・次男 / 「判決重く響く」闇サイト事件・△△(闇サイト事件の被害者女性の姓)さん母」
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『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第一社会面39面「碧南夫婦強殺 死刑 闇サイト遺族『ほっと』=中部」
『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊名古屋市内面35面「碧南夫婦強殺 死刑 重い判断『難しかった』 裁判員『遺族の話に衝撃』=中部」
『読売新聞』2015年12月16日中部朝刊第二愛知県面35面「碧南夫婦殺害 死刑判決の要旨=愛知」 - ^ a b c d e 『朝日新聞』2012年8月5日朝刊名古屋版37面「犯行、仕事独立の翌年か 碧南夫婦殺害、A容疑者」
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『東京新聞』2012年8月8日夕刊第一社会面9面「愛知の夫婦殺害 『A容疑者が夫を絞殺』 共犯の男 役割分担供述」 - ^ a b 『朝日新聞』2012年8月3日夕刊1面「14年前夫婦殺した疑い 闇サイトのA受刑者 愛知県警、ほか2人逮捕へ【名古屋】」
『朝日新聞』2012年8月3日夕刊第一社会面15面「闇サイト殺人の受刑者、別の強殺容疑で逮捕へ 愛知県警」
『朝日新聞』2012年8月4日朝刊1面「闇サイト、A容疑者逮捕 愛知県警、ほか2人も 碧南の夫婦殺害【名古屋】」
『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面37面「贖罪の陰、凶行明るみ 司法判断、再び焦点に A容疑者【名古屋】」
『朝日新聞』2012年8月4日朝刊第一社会面39面「別の強盗殺人容疑、闇サイト殺人の受刑者ら逮捕 愛知県警」
『朝日新聞』2012年8月4日夕刊1面「『用意のロープで絞殺』 碧南夫婦殺害、2容疑者供述【名古屋】」
『朝日新聞』2012年8月4日夕刊第一社会面11面「『ロープ用意し絞殺』 夫婦殺害容疑で闇サイト事件受刑者が供述」 - ^ a b 『中日新聞』2015年12月18日朝刊第一社会面31面「碧南強殺で死刑 A被告側が控訴」
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- 書籍出典
- 法令出典
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関連項目
外部リンク
- “Aと闇サイト事件・夫婦強殺事件・強殺未遂事件”. 闇サイト殺人事件被害者女性の母親 (2016年11月8日). 2017年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月13日閲覧。
- Aの出生から本事件・後の闇サイト殺人事件など3つの強盗殺人・同未遂事件を起こし逮捕されるまでの経緯及び、その後の刑事裁判の経緯が記録されている。