「シナモン」の版間の差分
Laureaceae => Lauraceae |
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{{Redirect|カネール|「カネール」という商品名の菓子を製造する菓子屋|聖護院八ツ橋総本店}}{{Otheruses|香辛料|[[デスクトップ環境]]|Cinnamon|その他|シナモン (曖昧さ回避)}} |
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{{Otheruses|植物}} |
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{{生物分類表 |
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|名称 = シナモン |
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|色 = lightgreen |
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|画像=[[画像:Cinnamomum_verum_-_Köhler–s_Medizinal-Pflanzen-182.jpg|250px]] |
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|画像キャプション = シナモン<br />『[[ケーラーの薬用植物]]』から |
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|界 = [[植物界]] [[:w:Plantae|Plantae]] |
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|門 = [[被子植物門]] [[:w:Magnoliophyta|Magnoliophyta]] |
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|綱 = [[双子葉植物綱]] [[:w:Magnoliopsida|Magnoliopsida]] |
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|目 = [[クスノキ目]] [[:w:Laureales|Laureales]] |
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|科 = [[クスノキ科]] [[:w:Lauraceae|Lauraceae]] |
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|属 = [[ニッケイ属]] ''[[:en:Cinnamomum|Cinnamomum]]'' |
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|種 = '''シナモン''' ''C. zeylanicum'' |
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|学名 = ''Cinnamomum zeylanicum'' [[ヤン・スヴァトプルク・プレスル|J.Presl]] |
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|和名 = セイロンニッケイ<!--(錫蘭肉桂)生物名はカタカナ--> |
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|英名 = Cinnamon |
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[[image:Cinnamomum verum.jpg|thumb|240px|シナモンスティック]] |
[[image:Cinnamomum verum.jpg|thumb|240px|シナモンスティック]] |
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'''シナモン'''({{lang-en-short|cinnamon}})は、[[ニッケイ属]](肉桂属、''Cinnamomum'')の複数の樹木の[[内樹皮]]から得られる[[香辛料]]を指す。世界的に多く流通する'''カシア([[シナニッケイ]])'''や<ref name="ncgg">{{Cite web|和書|url=https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/12.html |title=シナモン |publisher=厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 |accessdate=2021-07-17}}</ref>、日本で「[[肉桂飴|ニッキ飴]]」の名称で知られる'''肉桂'''(にっけい、にっき)などが含まれる。<!-- 生物学上異なるが、一般に同一であるため冒頭部の 最初の段落 からは外す。 --> |
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'''シナモン'''(英:Cinnamon、学名:''Cinnamomum verum''、シノニム''Cinnamomum zeylanicum'')とは熱帯に生育する[[クスノキ科]]の常緑樹、またその樹皮から作られる[[香辛料]]である。'''ニッキ'''とも。また、[[生薬]]として用いられるときには'''桂皮'''(ケイヒ)と呼ばれる。特徴的な芳香成分は[[シンナムアルデヒド]]、[[オイゲノール]]、[[サフロール]]など。 |
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生物学種は、[[スリランカ]]や[[南インド]]など熱帯地方原産の[[セイロンニッケイ|セイロンシナモン]](<u>錫蘭肉桂</u>、''Cinnamomum verum''、''Cinnamomum zeylanicum'')、中国や[[インドシナ半島|インドシナ]]原産の[[シナニッケイ|カシア]](<u>支那肉桂</u>、''Cinnamomum cassia''、''Cinnamomum aromaticum'')、[[ニッケイ|ニッキ]](<u>肉桂</u>、''Cinnamomum sieboldii'')などを指す<ref name="hfnet508">{{Cite web|和書|url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail508.html |title=シナモン |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2021-07-18}}</ref>。 |
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原産地は[[中国]]南部から[[ベトナム]]のあたりにかけてと推測されている。熱帯各地ではばひろく栽培される。香り高く、『[[スパイス]]の王様』と呼ばれる<ref>[[渡辺一也]]「リキュール&カクテル大事典」([[ナツメ社]])、194項</ref>。 |
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特徴的な[[芳香]]成分は、[[シンナムアルデヒド]]や[[オイゲノール]]、[[サフロール]]など。香り高いことから『[[香辛料|スパイス]]の王様』と呼ばれることもある<ref>{{Cite book|和書|author=渡辺一也|authorlink=渡辺一也|title=リキュール&カクテル大事典|publisher=[[ナツメ社]]|page=194}}</ref><!-- 読みの揺れる「者」を避けた。 -->。 |
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== 利用 == |
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[[シナニッケイ|カシア]]の樹皮は、[[桂皮]](ケイヒ)と呼ばれる[[生薬]]として、多くの[[漢方薬|漢方剤]]に処方されているが<ref name="nikkankyo">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkankyo.org/seihin/shouyaku/04.htm |title=ケイヒ (桂皮) |publisher =日本漢方生薬製剤協会 |accessdate=2021-07-17}}</ref>、現代の研究では西洋医学的に重要な[[薬効]]や[[治療効果]]の証拠を見つけることができていない<ref name="hfnet508" /><ref name="nccih">{{cite web|url=https://nccih.nih.gov/health/cinnamon|title=Cinnamon|website=National Center for Complementary and Integrative Health|publisher=National Institutes of Health|date=2016|access-date=28 February 2017}}</ref>。 |
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シナモンの安全性について、古くから[[香辛料|スパイス]]として用いられ、一般的な使用において問題はない。しかし過剰摂取について、カシアに多く含まれる[[クマリン]]は[[肝毒性|肝機能障害]]を引き起こす可能性があり、長期間のグラム単位の摂取には注意が必要である<ref name="hfnet508" /><ref name="ncgg" /><ref name="hfnet_detail842" />。 |
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== 概要 == |
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=== 利用史 === |
=== 利用史 === |
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世界最古のスパイスともいわれ、[[紀元前]]4000年ごろから[[エジプト]]で[[ミイラ]]の[[防腐剤]]として使われ始めた。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『[[エゼキエル書]]』や[[古代ギリシア]]の詩人[[サッポー]]の書いた[[詩]]にもシナモンが使われていたことを示す記述がある。 |
世界最古のスパイスともいわれ、[[紀元前]]4000年ごろから[[エジプト]]で[[ミイラ]]の[[防腐剤]]として使われ始めた。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『[[エゼキエル書]]』や[[古代ギリシア]]の詩人[[サッポー]]の書いた[[詩]]にもシナモンが使われていたことを示す記述がある。 |
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=== 香辛料 === |
=== 香辛料 === |
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[[香辛料]]としての'''シナモン'''(シンナモンとも)は上記のシナモンの樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味があり[[カ |
[[香辛料]]としての'''シナモン'''(シンナモンとも)は上記のシナモンの樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味があり[[カクテル]]、[[紅茶]]、[[コーヒー]]等の飲料や<ref name="tea">{{Cite web|和書|url=https://tea-labo.jp/cinnamon/|title= シナモンティーの効果・効能や味とは|work=お茶ラボ|accessdate=2021-7-22}}</ref>、[[アップルパイ]]、[[シナモンロール]]などの[[洋菓子]]の香り付けに使われる。[[南アジア]]、[[中東]]、[[北アフリカ]]では料理の香りづけに頻繁に用いられる。[[インド料理]]の配合香辛料[[ガラムマサラ]]の主要な成分でもある。インドの[[チャイ]]の香りづけにもかかせない。 |
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粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック('''カネール'''({{lang-fr|cannelle}})とも)が広く流通する。 |
粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック('''カネール'''({{lang-fr|cannelle}})とも)が広く流通する。 |
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==語源== |
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=== 生理作用 === |
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「シナモン」という言葉はその中茶色をも指す。シナモンは複数の植物種とそれらの一部が作り出す商業的香辛料の名称である。それらは全て[[クスノキ科]]のニッケイ属 (''Cinnamomum'') に属する<ref>{{cite EB1911|wstitle=Cinnamon |volume=6 |page=376 |short=1}}</ref> 。数種のニッケイ属植物のみが香辛料のために商業的に育てられている。[[セイロンニッケイ]] (''Cinnamomum verum'') は「'''真のシナモン'''」と見なされることもあるが、国際通商におけるほとんどのシナモンはその近縁種の[[シナニッケイ]] (''Cinnamomum cassia'') に由来する。シナニッケイ由来の香辛料は'''カシア''' (cassia) とも呼ばれる<ref name=fao93>{{cite web |url=http://www.fao.org/docrep/x5326e/x5326e07.htm |title=International trade in non-wood forest products: An overview |author=Iqbal, Mohammed |year=1993 |work= FO: Misc/93/11 – Working Paper |publisher= Food and Agriculture Organization of the United Nations |accessdate=12 November 2012}}</ref><ref name=":1">{{cite book|url=https://books.google.com/books?id=QmevzbQ0AsIC |title=A history of food |date=2009|publisher=Wiley-Blackwell |isbn=978-1405181198 |edition=New expanded |location=Chichester, West Sussex |pages= |quote=Cassia, also known as cinnamon or Chinese cinnamon is a tree that has bark similar to that of cinnamon but with a rather pungent odour |last1=Bell |first1=Maguelonne Toussaint-Samat ; translated by Anthea<!--surname missing-->}}</ref>。 |
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{{節stub|漢方について}} |
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[[クマリン]]を含むため、過剰摂取により肝障害を起こす<ref>[http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouka/files/20hyouka2-siryo2-3.pdf 東京都福祉保健局] [[国立医薬品食品衛生研究所]] 安全情報部</ref><ref>[http://www.jc-press.com/abunai/061101go.htm シナモンのサプリメント …2006/10(第86号)過剰摂取で肝障害の恐れ] WEBニッポン消費者新聞</ref>。 |
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シナニッケイや'''[[ニッケイ]]'''(肉桂、''C. sieboldii''、[[シノニム]]:''C. okinawense'')は体を温める作用、発汗・発散作用、健胃作用を持つ生薬として利用されておりシナモンにもこれと似た利用法がある。 |
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15世紀から英語に実際の用例が確認できる英単語の"cinnamon" は、[[古代ギリシア語|ギリシア語]]の{{lang|el|κιννάμωμον}} (kinnámōmon) から[[ラテン語]]及び[[中世フランス語]]を経て取り入れられた。ギリシア語の単語は[[フェニキア語]]からの借用語であり、これは近縁関係にある[[ヘブライ語]]の単語 {{lang|he|קינמון}} (qinnamon) と似ていた<ref name="oed">{{cite OED2|cinnamon}}; also {{OEtymD|cinnamon}}.</ref>。西暦1000年頃に英語で初めて記録された「カシア ''cassia''」という名称はラテン語からの借用であり、突き詰めていくと「樹皮を剥ぐ」という意味のヘブライ語の動詞 ''qātsaʿ'' の一形態である ''q'tsīʿāh'' に由来する<ref>{{cite OED2|cassia}}; also {{OEtymD|cassia}}.</ref>。 |
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[[漢方]]では桂皮(ケイヒ)と呼ばれる。温熱の作用があるとされ、多くの方剤に処方されている。 |
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[[初期近代英語]]は ''canel'' および ''canella''という名称も使った。これらは複数の欧州言語におけるシナモンの現在の名称と似ており、ラテン語の単語''cannella''(管を意味する''canna''の指小辞形)に由来する(樹皮が乾燥すると丸まることから)<ref>{{cite OED2|canella; canel}}.</ref>。 |
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シナモンは、生であれ加熱調理後であれ、[[α-アミラーゼ]]、[[α-グルコシダーゼ]]のいずれに対しても、顕著な阻害作用を示し、糖尿病予防への可能性が示唆されたとする研究が存在する<ref name="sogai1996">[http://dx.doi.org/10.3136/nskkk.43.157 市販香辛料のα-アミラーゼ活性およびα-グルコシダーゼ活性に及ぼす影響]、三浦 理代、五明 紀春、日本食品科学工学会誌、Vol.43 (1996年) No.2 P157-163</ref>。ただし福場博保らによる「阻害効果なし」の研究も存在する<ref name="sogai1996" />。 |
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== 歴史 == |
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{{refimprove section|date=February 2017}} |
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葉は大きく光沢があり、葉脈がはっきりしていて美しく、観葉植物として利用されることもある。 |
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=== 古代史 === |
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シナモンは[[古代|大昔]]から知られている。早ければ紀元前2000年にエジプトへ持ち込まれたが、中国からもたらされたと報告している者らはシナモンとカシアを混同している<ref name=":1" />。シナモンは古代国家で非常に高値で取り引きされており、統治者や神への贈り物と見なされた。刻まれた碑文には、シナモンとカシアが[[ミレトス]]にある[[アポローン|アポロン]]の神殿へ贈られたことが記録されている<ref>Toussaint-Samat 2009, p. 437</ref>。シナモンがどこから来るかについては[[地中海世界]]では何世紀にもわたって[[香辛料貿易]]を行う仲買人によって市場の独占を守るために秘密にされていたが、シナモンは[[インド]]、[[スリランカ]]、[[バングラデシュ]]、[[ミャンマー]]原産である<ref name="EB">{{cite book |url=https://global.britannica.com/plant/cinnamon|title=Encyclopaedia Britannica |publisher=|year=2008|isbn=1-59339-292-3|location=|pages=|chapter=Cinnamon|quote=(species Cinnamomum zeylanicum), bushy evergreen tree of the laurel family (Lauraceae) native to Malabar Coast of India, Sri Lanka (Ceylon) Bangladesh and Myanmar (Burma).}}<!--better link needed--></ref>。 |
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「''Kasia'' カシア」に関する最初のギリシャでの言及は紀元前7世紀の[[サッポー]]による詩で見られる。[[ヘロドトス]]によれば、シナモンとカシアはどちらも香や[[没薬]]、{{仮リンク|ラブダナム|en| Labdanum}}と共にアラビアで育ち、[[竜|翼のあるヘビ]]によって護られていた{{citation needed|date=April 2017}}。 |
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エジプトの香、{{仮リンク|キフィ|en|Kyphi}}には{{仮リンク|プトレマイオス王国|en|Ptolemaic Kingdom|label=ヘレニズムの時代}}以降、シナモンとカシアが含まれていた。ギリシャ人統治者らから神殿への贈り物にはカシアとシナモンが含まれていることもあった。古代エジプトでは、シナモンは[[ミイラ]]に香気を満たす(防腐処置を施す)ために使われていた<ref name=":0">{{Cite book|url=https://books.google.com/books?id=MaAZMbSxNt4C|title=Herbal principles in cosmetics: properties and mechanisms of action |last=Burlando|first=B. |last2=Verotta |first2=L. |last3=Cornara |first3=L. |last4=Bottini-Massa |first4=E. |publisher=CRC Press |year=2010 |isbn=978-1-4398-1214-3 |location=Boca Raton |page =121}}</ref>。 |
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シナモンは[[アラビア半島]]に冬の[[貿易風]]を利用して「かじも帆も櫂もない筏」で持ってこられた<ref>{{cite book |author1=Pliny the Elder |author2=Bostock, J. |author3=Riley, H.T. |year=1855 |volume=3 |title=Natural History of Pliny, book XII, The Natural History of Trees |chapter=42, Cinnamomum. Xylocinnamum |publisher=Henry G. Bohn |location=London |url=https://archive.org/details/naturalhistoryof03plin |pages=137–140}}</ref>。[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]もワインのための香り付けとしてカシアに言及している<ref name="NaturalisHistoria">{{Cite book |url=https://books.google.com/books?id=L35fAAAAMAAJ |title=Natural History(博物誌)|author=Pliny the Elder(大プリニウス) |date=1938 |publisher=Harvard University Press |isbn=978-0-674-99433-1 |page=14}}</ref>。 |
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大プリニウスによれば、1ローマン・ポンド (327g) のカシア<ref>アラビアおよびエチオピアからの''Cinnamomum iners''({{仮リンク|イヌニッケイ|en|Cinnamomum iners|label=}} ''Cinnamomum iners'' <small>Reinw. ex Bl.</small>と別種か)。</ref>、シナモン、またはserichatum<ref>中国の[[シナニッケイ]]由来。</ref>は最大300[[デナリウス]]の値が付いた<ref name="NaturalisHistoria"/>。これは10か月の労働の賃金と同じであった<ref name="NaturalisHistoria"/>。[[ディオクレティアヌス]]の{{仮リンク|最高価格令|en|Edict on Maximum Prices}}<ref>Graser, E. R. A text and translation of the Edict of Diocletian, in ''An Economic Survey of Ancient Rome, Volume V: Rome and Italy of the Empire''. Johns Hopkins Press. 1940. {{ISBN2|978-0374928483}}</ref>(紀元前301年)は1ポンドのカシアに125デナリウスの価格を与えているが、農業労働者の1日の賃金は25デナリウスであった。シナモンはローマでは火葬用の薪に一般的に使うには高価過ぎたが、皇帝[[ネロ]]は西暦65年に行われた妻[[ポッパエア・サビナ]]の葬儀のために都市の一年分に相当するシナモンを燃やしたと言われている<ref>Toussaint-Samat 2009, p. 437f.</ref>。 |
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{{仮リンク|マラバトゥルム|en|Malabathrum}} (Malabathrum) の葉は、古代ローマの料理書『[[アピキウス (書物)|アピキウス]]』において、料理や牡蠣のための[[キャラウェイ]]ソースに使われる油を蒸留するために使われている<ref>''[[アピキウス (書物)|De re coquinaria]]'', I, 29, 30; IX, 7</ref>。同書によれば、マラバトゥルムは香辛料の中でもよい厨房が備えていなければならないものである。 |
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=== 中世 === |
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[[中世]]を初めから終わりまで、シナモンの源は西洋世界では謎であった。ヘロドトスを引用したラテン語の著作家を読むことで、ヨーロッパ人はシナモンが[[紅海]]を上ってエジプトの貿易港に達することを学んだが、どこからやって来るかについては決して明らかでなかった。[[ジャン・ド・ジョアンヴィル]]が1248年の[[第7回十字軍|十字軍]]においてフランス王ルイ9世に同行しエジプトへ向かった時、彼は「シナモンは[[ナイル川]]の水源の外の世界の縁(すなわち[[エチオピア]])で網ですくい上げられる」と教えられた(そして自身で考えた)と記録した。[[マルコ・ポーロ]]はこの話題について正確な言及を避けた<ref>Toussaint-Samat 2009, p. 438 discusses cinnamon's hidden origins and Joinville's report.</ref>。ヘロドトスやその他の著者らはアラビアをシナモンの源とした。彼らは、シナモンの木が育つ未知の土地から巣を作るためにシナモンスティックを集める巨大な{{仮リンク|シナモン鳥|en|cinnamon bird}}とこのスティックを得るために策略を使うアラブ人について物語った。大プリニウスは1世紀に、貿易商が値を釣り上げるために作った話だと記したが、この物語は[[ビュザンティオン]]において1310年まで語り継がれていた。 |
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シナモンがスリランカで育つという最初の言及は1270年頃の[[ザカリーヤー・カズウィーニー]]の『''Athar al-bilad wa-akhbar al-‘ibad'' 諸国の遺跡と神の僕の記録』にある<ref>{{cite web | last=Tennent | first=Sir James Emerson | title=Account of the Island of Ceylon | url=https://www.biodiversitylibrary.org/item/61724#page/11/mode/1up | accessdate=8 November 2014}}</ref>。その後すぐ、[[ジョヴァンニ・ダ・モンテコルヴィーノ]]の1292年頃の書簡にもこのことが記されている<ref>{{cite web | last=Yule | first=Henry | title=Cathay and the Way Thither | url=http://dsr.nii.ac.jp/toyobunko/III-2-F-b-2/V-1/page/0487.html.en | accessdate=15 July 2008 | postscript=<!--None--> }}</ref>。 |
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インドネシアの筏は[[モルッカ諸島]]から東アフリカまでシナモンを直接輸送し([[ラプタ]]を参照)、その後地元の商人が北へ、エジプトの[[アレクサンドリア]]まで運んだ<ref>{{cite news|url=http://findarticles.com/p/articles/mi_m1310/is_1984_June/ai_3289703|title=The life of spice; cloves, nutmeg, pepper, cinnamon ||last=|first=|date=|work=UNESCO Courier|archive-url=https://archive.is/20120709044345/http://findarticles.com/p/articles/mi_m1310/is_1984_June/ai_3289703|archive-date=9 July 2012|dead-url=yes|publisher=Findarticles.com|year=1984|accessdate=18 August 2010}}</ref><ref>{{cite web|author=Independent Online |url=http://www.iol.co.za/index.php?click_id=588&art_id=iol1078376795319P146&set_id=1 |archive-url=https://web.archive.org/web/20050408160407/http://www.iol.co.za/index.php?click_id=588&art_id=iol1078376795319P146&set_id=1 |dead-url=yes |archive-date=8 April 2005 |title=News – Discovery: Sailing the Cinnamon Route (Page 1 of 2) |publisher=Iol.co.za |accessdate=18 August 2010 |df= }}</ref><ref>{{cite journal |jstor=299440 |pages=222–224 |last1=Gray |first1=E. W. |title=The Spice Trade of the Roman Empire 29 B.C. – A.D. 641 |volume=60 |journal=The Journal of Roman Studies |year=1970 |doi=10.2307/299440 |last2=Miller |first2=J. I.}}</ref>。イタリアからの[[ヴェネツィア]]人商人がヨーロッパにおける香辛料取引を[[独占]]していた。[[マムルーク朝]]や[[オスマン帝国]]といったその他の地中海勢力の台頭によるこの貿易の崩壊は、ヨーロッパ人がその他の交易路のためにアジアへと足を延ばすことになった主要な要因の一つであった。 |
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===近世前期=== |
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1500年代の間、[[フェルディナンド・マゼラン]]はスペインを代表して香辛料を探索し、[[フィリピン]]においてスリランカ産のシナモン[[セイロンニッケイ|''Cinnamomum verum'']]と近縁の''Cinnamomum mindanaense''を発見した。このシナモンは後に([[ポルトガル]]が権益を握っていた)スリランカ産シナモンと競い合うようになった<ref>{{cite journal |last=Mallari |first=Francisco |date=December 1974 |title=The Mindinao Cinnamon |journal=Philippine Quarterly of Culture and Society |publisher=University of San Carlos Publications |volume=2 |pages=190–194 |jstor=29791158 |number=4}}</ref>。 |
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1638年、オランダ商人がスリランカにおいて交易所を設立し、1640年までに工場の支配権を握り、1658年までに残っていたポルトガル人を追放した。オランダ人船長は「島の海岸はシナモンで埋め尽くされていて、これは東洋で最高の品である。島の風下にいたならば、海に出て8[[リーグ (単位)|リーグ]]までシナモンの香りを嗅げる」と記している<ref>{{cite book | last1=Braudel | first1=Fernand | title=The Perspective of the World | volume=3 | publisher=University of California Press | year=1984 | page=699 | isbn=0-520-08116-1}}</ref>{{rp|15}}。[[オランダ東インド会社]]は野生のシナモンの収穫方法の見直しを続け、結局は自身の木の栽培を始めた。 |
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1767年、[[イギリス東インド会社]]のブラウン卿は[[ケーララ州]][[カンヌール]]地区の{{仮リンク|アンジャラカンディー|en|Anjarakkandy}}の近くにアンジャラカンディーシナモン農園を開き、この農園はアジアで最大のシナモン農園となった。イギリスは1796年にオランダを抑えてセイロンを支配した。 |
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== 栽培 == |
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[[File:CinnamonLeaves.jpg|thumb|野生のシナモンの木の葉]] |
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シナモンは常緑樹で、卵形の葉、厚い樹皮、液果([[ベリー]])が特徴である。香辛料を収穫する際は、樹皮と葉が主な使用部位である<ref name=":0" />。シナモンは2年間栽培された後、[[萌芽更新|刈り取られる]]、すなわち幹を地表面の高さまで切る。翌年、たくさんの新しい芽が切り株から生える([[萌芽更新]])。''Colletotrichum gloeosporioides''や''Diplodia'' spp.、{{仮リンク|ピュトプトラ・キンナモミ|en|Phytophthora cinnamomi|label=''Phytophthora cinnamomi''}}といった多くの疫病菌がシナモンの成長に影響を与えうる<ref>{{cite web|url=https://www.plantvillage.org/en/topics/cinnamon/diseases_and_pests_description_uses_propagation|title=Cinnamon|publisher=Plant Village, Pennsylvania State University|date=2017|accessdate=28 February 2017}}</ref>。 |
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幹は収穫後、内樹皮が乾燥しないうちに素早く処理しなければならない。刈り取られた幹は外樹皮を削り取ることで処理され、次に内樹皮をほぐすために枝をハンマーでむらなく叩き、次に内樹皮は長いロール状に取り外される。わずか{{convert|0.5|mm|2|abbr=on}}の内樹皮が使用される{{citation needed|reason=the cassia in my pantry seems much thicker than that|date=August 2014}}。外側の木質部は廃棄され、内樹皮は乾燥によって長さ数メートルのシナモンの切れは丸まる。処理済み樹皮は4から6時間完全に乾かされ、換気がよく比較的暖い環境に置かれる。乾燥するとすぐに、樹皮は売買のために長さ5から10 cmに切られる。理想的とは言えない乾燥した環境は樹皮中の有害生物の増殖を促し、そうなると[[燻蒸]]消毒処理が必要となる。燻蒸された樹皮は未処理樹皮と同じ高品質とは見なされない。 |
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=== 種 === |
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数多くの種がシナモンとして売られている<ref>[http://www.seasoningandspice.org.uk/ssa/background_culinary-herbs-spices.aspx Culinary Herbs and Spices], The Seasoning and Spice Association. Retrieved 3 August 2010.</ref>。 |
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* [[シナニッケイ]] ''Cinnamomum cassia''(カシアまたはチャイニーズシナモン、最も一般的な大量生産品) |
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* {{仮リンク|インドグス|en|Cinnamomum burmannii}} ''C. burmannii''(コリンチェ ''Korintje''、[[パダン]]カシア、インドネシアシナモン) |
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* {{仮リンク|キンナモムム・ロウレイロイ|en|Cinnamomum loureiroi|label=''C. loureiroi''}}(サイゴンシナモン、ベトナムカシア、ベトナムシナモン) |
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* [[セイロンニッケイ]] ''C. verum''(スリランカシナモン、セイロンシナモン) |
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* {{仮リンク|キンナモムム・キトゥリオドルム|en|Cinnamomum citriodorum|label=''C. citriodorum''}}(マラバルシナモン) |
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* [[タマラニッケイ]] ''C. tamala''(インドシナモン) |
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カシアは強くピリッとした香りで、パンを焼く条件に適しているため、パン焼き(特に[[シナモンロール]])によく使われる。カシアの中で、チャイニーズシナモンは一般的に色は中くらいから明い赤茶色で、質感は堅く木質で、全ての樹皮層が使われているため他より厚い(厚さ2-3 mm)。薄い内樹皮のみが使われるセイロンシナモンは、より明るい茶色で、よりきめ細かく、より低密度で、よりもろい質感である。セイロンシナモンはカシアよりも繊細で香りが良いと考えられており、調理の間にその香りを失いやすい。 |
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セイロンニッケイ中の[[クマリン]]の量は、カシアよりもかなり低い<ref name="bfr.bund.de">[http://www.bfr.bund.de/cm/245/high_daily_intakes_of_cinnamon_health_risk_cannot_be_ruled_out.pdf High daily intakes of cinnamon: Health risk cannot be ruled out. BfR Health Assessment No. 044/2006, 18 August 2006 <!-- Bot generated title --> ]</ref><ref>{{cite web|url=http://www.hs.fi/english/article/Espoo+daycare+centre+bans+cinnamon+as+moderately+toxic+to+liver/1135249842234 |archive-url=https://web.archive.org/web/20091014212615/http://www.hs.fi/english/article/Espoo%2Bdaycare%2Bcentre%2Bbans%2Bcinnamon%2Bas%2Bmoderately%2Btoxic%2Bto%2Bliver/1135249842234 |dead-url=yes |archive-date=14 October 2009 |title=Espoo daycare centre bans cinnamon as 'moderately toxic to liver' |accessdate=5 September 2010 |df= }}</ref><ref name="fukushihoken" />。 |
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これらの種の樹皮は肉眼で見える特徴と微細な特徴の両方で容易に区別できる。セイロンシナモンのスティック(クイル)は多くの薄い層を持ち、コーヒー・グラインダーなどを使って簡単に粉にすることができるが、カシアのスティックはより堅い。インドネシアシナモン(インドグス)は厚い一つの層から作られた整ったクイルとしてしばしば売られており、コーヒー・グラインダーに損傷を与えうる。サイゴンシナモン(''C. loureiroi'')とシナニッケイ(''C. cassia'')は、樹皮がクイルに巻ける程柔軟ではないため、常に厚い樹皮の破片として売られている。 |
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粉末にされた樹皮は識別がより困難だが、[[ヨードチンキ]]で処理すると純粋なセイロンシナモンではほとんど影響が見られないのに対して、チャイニーズシナモン(カシア)は藍色に呈色する<ref>{{Cite web|url=http://www.botanical.com/botanical/mgmh/c/cassia31.html|title=A Modern Herbal – Cassia (Cinnamon)|last=|first=|date=|website=www.botanical.com|access-date=17 April 2017}}</ref><ref>{{cite book |url=https://books.google.com/?id=IrXszQ77xhYC&pg=PA390&lpg=PA390&dq=iodine+in+cassia#v=onepage&q=iodine%20in%20cassia&f=false |title=The Elements of materia medica and therapeutics |volume=2 |page=390 |first1=Jonathan |last1=Pereira |year=1854}}</ref>。 |
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===格付け=== |
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スリランカの格付け方式はシナモンクイルを4つのグループに分けている。 |
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* Alba: 直径{{convert|6|mm|abbr=on}}未満 |
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* Continental: 直径{{convert|16|mm|abbr=on}}未満 |
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* Mexican: 直径{{convert|19|mm|abbr=on}}未満 |
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* Hamburg: 直径{{convert|32|mm|abbr=on}}未満 |
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これらのグループは詳しい格付けにさらに分けられる。例えば、Mexicanはクイルの直径とキログラム当りのクイルの数によって、M00 000 special、M000000、M0000に分けられる。 |
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長さ106 mm未満の樹皮片はクイリング(quillings)として分類される。フェザリング(featherings)は小枝とねじれた茎のの内樹皮である。チップ(chips)はクイルを刈り落としたかけら、分離できなかった外樹皮と内樹皮、小さな小枝の樹皮である。 |
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==生産== |
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{| class="wikitable" style="float:right; clear:left; width:18em;" |
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| colspan=2|<center>'''シナモン生産 – 2014''' |
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|- |
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! style="background:#ddf; width:75%;"| 国 |
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! style="background:#ddf; width:25%;"| <small>([[トン]])</small> |
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|- |
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|<center>{{INA}} ||style="text-align:right;"|91,400 |
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|- |
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|<center>{{CHN}} ||style="text-align:right;"|71,146 |
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|- |
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|<center>{{VIE}} ||style="text-align:right;"|31,674 |
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|- |
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|<center>{{SRI}} ||style="text-align:right;"|16,766 |
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|- |
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|<center>'''世界''' ||style="text-align:right;"|'''213,678''' |
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|- |
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|colspan=2|<center><small>出典: {{仮リンク|国際連合食糧農業機関統計データベース|en|FAOSTAT}}(FAOSTAT)<ref name="faostat14">{{cite web|url=http://faostat3.fao.org/browse/Q/QC/E |title= Global cinnamon production in 2014; Crops/Regions/World list/Production Quantity (pick lists)|date=2017|publisher=UN Food and Agriculture Organization, Corporate Statistical Database (FAOSTAT)|accessdate=2 August 2017}}</ref> |
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|} |
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[[インドネシア]]と[[中国]]が世界のシナモン生産の76%を占めている。2014年、シナモンの世界生産量は213,678[[トン]]で、4か国が合わせて世界の99%を占める : インドネシア(43%)、中国(33%)、ベトナム(15%)、スリランカ(8%)<ref name=faostat14/>。 |
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==食品用途 == |
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[[File:Uncooked cinnamon roll buns, March 2010.jpg|thumb|left|加熱していない[[シナモンロール]]のバンズ]] |
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シナモン樹皮は香辛料として使われる。シナモンは薬味や調味料として料理で主に利用される。特にメキシコでは[[チョコレート]]の製造に使われる。シナモンは鶏肉や羊肉の塩味の料理でもよく使われる。米国では、シナモンと砂糖が[[シリアル食品|シリアル]]、パンを使った料理([[トースト]]、[[シナボン]]など)、[[フルーツ]](特に[[リンゴ]])の風味付けのためによく使われ、あらかじめ混合した{{仮リンク|シナモンシュガー|en|Cinnamon sugar}}も市販されている。[[トルコ料理]]でも甘い料理と塩味の料理の両方で使われる。シナモンは[[ピクルス]]や[[エッグノッグ]]といったクリスマスの飲み物にも使われる。シナモンパウダーは[[ペルシャ料理]]の風味を強めるための重要な香辛料であり、様々な濃いスープ、飲み物、甘い食べ物に使われる<ref>{{Cite book|url=https://books.google.com/books?id=6ZLxAQAAQBAJ|title=Spices: A Global History|last=Czarra|first=Fred|date=1 May 2009|publisher=Reaktion Books|isbn=9781861896827|language=en}}</ref>{{rp|10–12}}。 |
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日本においても江戸時代頃から菓子などで利用されており、[[八ツ橋]]や[[ニッキ水]]などがその主たるものである。[[岐阜県]]の[[ニッキ寒天]]や[[肉桂餅]]、[[香川県]]の梅ゲ枝や[[おいり]]、[[和歌山県]]の牟婁郡、[[鹿児島県]]のけせん団子、[[青森県]]のうんぺい餅など[[郷土菓子]]の風味付けとしても全国各地に伝播した。また[[1998年の日本|1998年]]に[[シナモンロール]]ブームが訪れ、[[1999年の日本|1999年]]には[[東京都]][[武蔵野市]][[吉祥寺]]にて[[ハワイ州|ハワイ]]の人気店「[[シナボン]]」1号店が開店(いちど閉店したが、[[2015年]]再上陸)<ref>{{Cite web |url=https://kichifan.com/2015/11/03/cinnabon_kichijoji/ |title=https://kichifan.com/2015/11/03/cinnabon_kichijoji/ |publisher =吉祥寺ファンページ |date=2015-11-13 |accessdate=2023-04-28}}</ref>。コーヒーチェーン店の[[スターバックスコーヒージャパン|スターバックス]]では香辛料のサービスとして常時提供されるなど、幅広いバリエーションで現在も広く親しまれている。 |
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==栄養== |
|||
{{nutritionalvalue |
|||
| name=シナモン、香辛料、粉末タイプ |
|||
| water=10.6 g |
|||
| kJ=247 |
|||
| protein=4 g |
|||
| fat=1.2 g |
|||
| carbs=80.6 g |
|||
| fiber=53.1 g |
|||
| sugars=2.2 g |
|||
| calcium_mg=1002 |
|||
| iron_mg=8.3 |
|||
| magnesium_mg=60 |
|||
| phosphorus_mg=64 |
|||
| potassium_mg=431 |
|||
| sodium_mg=10 |
|||
| zinc_mg=1.8 |
|||
| vitC_mg=3.8 |
|||
| thiamin_mg=0.02 |
|||
| riboflavin_mg=0.04 |
|||
| niacin_mg=1.33 |
|||
| vitB6_mg=0.16 |
|||
| folate_ug=6 |
|||
| vitA_ug=15 |
|||
| vitE_mg=2.3 |
|||
| vitK_ug=31.2 |
|||
| source_usda = 1 |
|||
| note=[https://ndb.nal.usda.gov/ndb/search/list?qlookup=02010&format=Full Link to USDA Database entry] |
|||
}} |
|||
挽いて粉末にしたシナモンは11%の水、81%の[[炭水化物]](53%の[[食物繊維]]を含む)、4%の[[タンパク質]]、1%の[[脂質]]からなり、[[ビタミンK]]、[[カルシウム]]、[[鉄]]、[[ビタミンB6]]、[[ビタミンE]]、[[マグネシウム]]、[[亜鉛]]などが含まれている(表を参照)<ref name=usdagrdcin>{{cite web|url=https://ndb.nal.usda.gov/ndb/search/list?qlookup=02010&format=|title=Cinnamon, spice, ground, per 100 g |date=May 2016|publisher= US National Nutrient Database, Release 28, United States Department of Agriculture|accessdate=18 September 2017}}</ref>。 |
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==風味、芳香、味== |
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シナモンの風味は、その組成の0.5から1%を構成する香りの良い[[精油]]によるものである。この精油は樹皮を粗くたたいて粉々にし、海水中で{{仮リンク|浸軟|en|Maceration (food)}}し、次に全体を素早く[[蒸留]]することで調製される。精油はしばしば明い黄色をしており、熟成(老化)すると[[酸素]]との反応によって色は暗くなり、樹脂状化合物が形成される<ref>{{Cite journal|last=Yokomi|first=Naoka|last2=Ito|first2=Michiho|date=1 July 2009|title=Influence of composition upon the variety of tastes in Cinnamomi cortex|journal=Journal of Natural Medicines|volume=63|issue=3|pages=261–266|doi=10.1007/s11418-009-0326-8|issn=1861-0293|pmid=19291358}}</ref>。 |
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シナモンの成分には[[オイゲノール]]<ref>{{cite web|url=https://toxnet.nlm.nih.gov/cgi-bin/sis/search/r?dbs+hsdb:@term+@rn+@rel+8007-80-5|title=Oil of cinnamon |publisher=Toxicology Data Network (TOXNET)|date=6 August 2002|accessdate=29 November 2016}}</ref>などおよそ80種類の化合物が含まれる<ref>{{cite journal|pmid=21929331|year=2011|author1=Jayaprakasha|first1=G. K.|title=Chemistry, biogenesis, and biological activities of ''Cinnamomum zeylanicum''|journal=Critical Reviews in Food Science and Nutrition|volume=51|issue=6|pages=547–62|last2=Rao|first2=L. J.|doi=10.1080/10408391003699550}}</ref>。 |
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===アルコールの香料=== |
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シナモンは{{仮リンク|ファイアボールシナモンウイスキー|en|Fireball Cinnamon Whisky}}といった数多くの[[アルコール飲料]]の人気のある香料である<ref>{{Cite news|url=http://www.thedailymeal.com/11-cinnamon-flavored-liquors-holidays/121613|title=11 Cinnamon-Flavored Liquors for the Holidays|last=Haley Willard|first=|date=16 Dec 2013|work=The Daily Meal|access-date=17 April 2017|language=en}}</ref>。 |
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シナモンと蒸留[[アルコール]]から作られ「シナモンリキュール」と呼ばれるシナモンと[[ブランデー]]の混合飲料はギリシャの一部で人気である。ヨーロッパで人気のあるこういった飲料としては、{{仮リンク|メイワイン|en|May wine}}([[クルマバソウ]]で香り付けした白ワイン)や[[ズブロッカ]]({{仮リンク|セイヨウコウボウ|en|Hierochloe odorata}}で香り付けしたウォッカ)がある。 |
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== 生理作用 == |
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古代には{{仮リンク|抗利尿作用|en|Antidiuretic|label=抗利尿作用|preserve=1}}がある整腸剤として[[頻尿]]の治療にも使用された{{sfn|J. A. Abdel-Barry, others.|2000|p=83}}。 |
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[[伝統医学]]で使われた長い歴史がある。[[シナニッケイ|カシア]]の樹皮は[[桂皮]](ケイヒ)と呼ばれる[[生薬]]であり、[[日本薬局方]]にも収録されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000788459.pdf |title=第十八改正日本薬局方 |format=PDF |publisher =厚生労働省 |accessdate=2021-07-18}}</ref>。温熱の作用があるとされ、[[十全大補湯]]、[[八味丸]]など、多くの[[漢方薬|方剤]]に処方されている<ref name="nikkankyo" />。 |
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シナモンは、[[in vitro]](試験管内で)や[[実験動物]]を用いた多くの[[基礎研究]]で、[[糖尿病]]予防への可能性が示唆された<ref name="sogai1996">[https://doi.org/10.3136/nskkk.43.157 市販香辛料のα-アミラーゼ活性およびα-グルコシダーゼ活性に及ぼす影響]、三浦 理代、五明 紀春、日本食品科学工学会誌、Vol.43 (1996年) No.2 P157-163</ref><ref name="cochrane" />。しかし、人を対象とした研究では、[[血糖値]]の低下と[[ヘモグロビンA1c|HbA1c]]に対する一貫性のない効果が報告されている<ref name="ncgg" /><ref name=Costello2016>{{cite journal|first1=Rebecca B.|last1=Costello|first2=Johanna T.|last2=Dwyer|first3=Leila|last3=Saldanha|first4=Regan L.|last4=Bailey|first5=Joyce|last5=Merkel|first6=Edwina|last6=Wambogo|title=Do Cinnamon Supplements Have a Role in Glycemic Control in Type 2 Diabetes? A Narrative Review|journal=Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics|volume=116|issue=11|pages=1794–1802|date=2016|pmid=27618575|pmc=5085873|doi=10.1016/j.jand.2016.07.015}}</ref><ref name=Allen2013>{{cite journal|first1=Robert W.|last1=Allen|first2=Emmanuelle|last2=Schwartzman|first3=William L.|last3=Baker|first4=Craig I.|last4=Coleman|first5=Olivia J.|last5=Phung|title=Cinnamon use in type 2 diabetes: an updated systematic review and meta-analysis|journal=The Annals of Family Medicine|volume=11|issue=5|pages=452–459|date=2013|pmid=24019277|pmc=3767714|doi=10.1370/afm.1517}}</ref><ref name=Akilen2012>{{cite journal|last1=Akilen|first1=Rajadurai|last2=Tsiami|first2=Amalia|last3=Devendra|first3=Devasenan|last4=Robinson|first4=Nicola|title=Cinnamon in glycaemic control: Systematic review and meta analysis|journal=Clinical Nutrition|volume=31|issue=5|pages=609–615|date=20 April 2012|pmid=22579946|doi=10.1016/j.clnu.2012.04.003}}</ref><ref name=Leach2012>{{cite journal|last1=Leach|first1=Matthew J.|last2=Kumar|first2=Saravana|title=Cinnamon for diabetes mellitus|journal=Cochrane Database of Systematic Reviews|issue=9|date=12 September 2012|pages=CD007170|pmid=22972104|doi=10.1002/14651858.CD007170.pub2|pmc=6486047}}</ref><ref name=Namazi2019>{{cite journal|last1=Namazi|first1=Nazli|last2=Khodamoradi|first2=Kajal|last3=Khamechi|first3=Seyed Peyman|last4=Heshmati|first4=Javad|last5=Ayati|first5=Mohammad Hossein|last6=Larijani|first6=Bagher|title=The impact of cinnamon on anthropometric indices and glycemic status in patients with type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of clinical trials|journal=Complementary Therapies in Medicine|volume=43|pages=92–101|date=April 2019|pmid=30935562|doi=10.1016/j.ctim.2019.01.002|s2cid=81727505}}</ref>。レビューのうち4件が血糖値の低下を報告し、2件のみが[[ヘモグロビンA1c|HbA1c]]の低下を報告し、1件はどちらの値にも変化がなかったと報告した<ref name=Costello2016/><ref name=Allen2013/><ref name=Akilen2012/><ref name=Namazi2019/><ref name=Leach2012/>。しかし試験で使用したシナモンの種類や植物のどの部分が使われたのか不明なことが多いため、研究結果の解釈は困難である<ref name="nccih" />。[[コクラン共同計画|コクランレビュー]]は、[[プラセボ]](偽薬)と比較して効果に差がないことは明らかとし、1型または2型糖尿病に対するシナモンの使用を支持する十分な証拠はないと結論付けている<ref name="cochrane">{{Cite web|和書|url=https://www.cochrane.org/ja/CD007170/ENDOC_tang-niao-bing-nidui-surusinamon |title=糖尿病に対するシナモン |publisher =コクラン共同計画 |accessdate=2021-07-17}}</ref><ref name=Leach2012/>。[[アメリカ国立補完統合衛生センター]](NCCIH)は、人を対象とした研究は、どのような健康状態に対してもシナモンを使うことを支持していないと述べた<ref name="nccih" />。 |
|||
シナモンの体重減少に対する効果や、[[コレステロール]]や関連脂質の血中濃度をコントロールする効果は不明である<ref name="ncgg" /><ref name="meta-analysis_28887086">{{cite journal |vauthors=Maierean SM, Serban MC, Sahebkar A, Ursoniu S, Serban A, Penson P, Banach M |title=The effects of cinnamon supplementation on blood lipid concentrations: A systematic review and meta-analysis |journal=J Clin Lipidol |volume=11 |issue=6 |pages=1393–1406 |date=2017 |pmid=28887086 |doi=10.1016/j.jacl.2017.08.004 |url=http://researchonline.ljmu.ac.uk/6931/1/cinnamon.pdf}}</ref><ref name="Namazi2019">{{cite journal|last1=Namazi|first1=Nazli|last2=Khodamoradi|first2=Kajal|last3=Khamechi|first3=Seyed Peyman|last4=Heshmati|first4=Javad|last5=Ayati|first5=Mohammad Hossein|last6=Larijani|first6=Bagher|title=The impact of cinnamon on anthropometric indices and glycemic status in patients with type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of clinical trials|journal=Complementary Therapies in Medicine|volume=43|pages=92–101|date=April 2019|pmid=30935562|doi=10.1016/j.ctim.2019.01.002|s2cid=81727505}}</ref>。[[過敏性腸症候群]]への効果についても十分な証拠がない<ref name="ncgg" />。 |
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[[アメリカ食品医薬品局]](FDA)は、疾患の予防、治療効果があるなど虚偽の表示を行ったシナモンなどを含む製品に警告を発し、リコール情報を公開している<ref>{{Cite web|和書|url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4327.html |title=米国FDAが虚偽の表示をしていた製品の自主回収情報を公表 (200710) |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2022-11-07}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/sundial-herbal-products-recalling-products-attached-because-these-products-were-misbranded-products |title=Sundial Herbal Products is Recalling Products Attached Because these Products were Misbranded. The Products are Currently Unapproved Drugs, Recall is Required by the Order |publisher =FDA |date=2020-07-09 |accessdate=2022-11-07}}</ref>。 |
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==毒性== |
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{{further|クマリン}} |
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シナモン、特にカシアは[[クマリン]]を多く含むため、長期間の過剰摂取により[[肝毒性|肝障害]]を引き起こす可能性がある<ref name="German">{{Cite journal | last = Harris | first = Emily | title = German Christmas Cookies Pose Health Danger | url=http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=6672644 | accessdate = 1 May 2007 | publisher = National Public Radio }}</ref><ref name="efas">{{Cite journal | doi = 10.2903/j.efsa.2008.793| url=http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/793.htm|title=Coumarin in flavourings and other food ingredients with flavouring properties - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food (AFC) | journal=EFSA Journal| volume=6| issue=10| pages=793| year=2008}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/3hyouka-shiryo5.pdf |title=シナモン中のクマリンについて |format=PDF |publisher =「食品安全情報」No.21(2006) |accessdate=2021-07-17}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/3hyouka-shiryo5.pdf |title=資料5 シナモン中のクマリンについて |format=PDF |publisher =東京都福祉保健局 |accessdate=2021-07-18}}</ref><ref name="fukushihoken" /><ref name="hfnet_detail842">{{Cite web|和書|url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail842.html |title=ドイツのBfRがシナモン中のクマリンについて警告(061020) |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2022-11-07}}</ref>。セイロンシナモンはクマリンの含量が少ないが、多くの製品は主にカシアを使用している<ref name="hfnet_detail842" /><ref name="us">[https://www.cinnamonzone.hk/DOWNLOADS/Cinnamon_and_coumarin.pdf Cassia Cinnamon as a Source of Coumarin in Cinnamon-Flavored Food and Food Supplements in the United States(アメリカにおけるシナモンフレーバー食品およびサプリメント中のクマリン供給源としてのカシアシナモン)] ''J. Agric. Food Chem.'', '''61 (18)''', 4470–4476</ref><ref name="fukushihoken" />。 |
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2008年、[[欧州食品安全機関]](EFSA)は[[クマリン]]の毒性を考慮し、クマリンの最大推奨[[耐容一日摂取量]](TDI)を0.1 mg/kg体重と発表した<ref name="hfnet_detail842" /><ref name="German" /><ref name="efas" />。この評価に基づいて、[[欧州連合]](EU)は食品中の最大クマリン含量のガイドラインを、季節料理の生地1 kg中50 mg、毎日摂取する焼いた食品1 kg中15 mgに定めた<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/world/2013/dec/20/cinnamon-intake-food-argument-denmark|title=Cinnamon sparks spicy debate between Danish bakers and food authorities|last=Russell|first=Helen|date=20 December 2013|newspaper=The Guardian|language=en-GB|issn=0261-3077|access-date=26 November 2016}}</ref><ref name="dan">{{Cite journal|doi=10.1016/j.foodcont.2013.10.014|title=Coumarin content in cinnamon containing food products on the Danish market(デンマーク市場で販売されているシナモン含有食品中のクマリン含有量)|url=http://www.foedevarestyrelsen.dk/SiteCollectionDocuments/Laboratorie/Food%20Control%20-%20Coumarin%20in%20Danish%20Food%20Products.pdf|journal=Food Control|volume=38|pages=198–203|year=2014|last1=Ballin|first1=Nicolai Z.|last2=Sørensen|first2=Ann T.}}</ref>。 |
|||
東京都は2007年度に、シナモンスパイスやシナモンを含む食品中のクマリンの含有量の実態調査を行っており、シナモンスパイス1g中のクマリンはカシア0.3 - 6.7(平均3.26)mg、セイロンシナモン0.01 - 0.017(平均0.014)mgであった<ref name="fukushihoken" />。スパイスや食品として摂取する限り健康被害が生ずる量にはならないが、サプリメントから摂取すると耐容一日摂取量を超える可能性を指摘している<ref name="fukushihoken">{{Cite web|和書|url=https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/20hyouka2-siryo2-3.pdf |title=シナモン含有食品中のクマリンについて |format=PDF |publisher =東京都福祉保健局 |accessdate=2021-07-17}}</ref>。 |
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欧州やアメリカの研究でも、品種や製品によりクマリンの量がかなり異なることが示されている<ref name="us" /><ref name="dan" />。 |
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{| class="wikitable" |
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|- |
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! !! [[シナニッケイ|''Cinnamomum cassia(カシア)'']] !! [[セイロンニッケイ|''Cinnamomum verum(セイロンシナモン)'']] |
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|- |
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| シナモン1 g中のクマリン (mg) || 0.082 mg – 12.18 mg(欧州)<ref name="dan" /><br />0.3 mg – 6.7 mg、平均3.26 mg(東京)<ref name="fukushihoken" /> || 0.007 mg – 0.9 mg<ref name="dan" /><br />0.01 mg – 0.017 mg、平均0.014 mg<ref name="fukushihoken" /> |
|||
|- |
|||
| 体重50 kgでのクマリン[[耐容一日摂取量]](TDI) || style="text-align:center;" colspan="2" |5.0 mg |
|||
|- |
|||
| 体重50 kgでのシナモン耐容一日摂取量(TDI) || 0.4 g – 58.8 g<ref name="dan" /><br />0.92 g – 16.8 g、平均1.5 g<ref name="fukushihoken" /> || 5.6 g – 714.3 g<ref name="dan" /><br />294 g – 500 g、平均364.6 g<ref name="fukushihoken" /> |
|||
|} |
|||
==画像集== |
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<gallery class="center" caption="" widths="170px" heights="150px"> |
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File:Cinnamomum verum vs Cinnamomum burmanni.jpg|セイロンシナモン(''[[セイロンニッケイ|Cinnamomum verum]]''、左)とインドネシアシナモン(''[[インドグス|Cinnamomum burmannii]]''、右)のクイル |
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File:CinnamonBarkEssentialOil2.png|シナモン樹皮から調製された[[精油]] |
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File:“Spiced” Tea – Flavoured by Cinnamon and Cardamom, Comilla, Bangladesh, 26 April 2014.jpg|香料や香辛料としての使用に加えて、シナモンフレーバーティーが温かい飲み物として消費されている |
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File:Mmm... cinnamon toast (4197664913).jpg|シナモン[[トースト]] |
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== 脚注 == |
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== 関連事項 == |
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== 参考文献 == |
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{{Commonscat|Cinnamomum verum}} |
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* {{Citation| author=J. A. Abdel-Barry, others.| year=2000| url =https://web.archive.org/web/20221004105532/https://applications.emro.who.int/emhj/0601/emhj_2000_6_1_83_88.pdf| title=Hypoglycaemic effect of aqueous extract of the leaves of Trigonella foenum-graecum in healthy volunteers| volume-title=Eastern Mediterranean Health Journal Vol. 6, No. 1| page=83| ref =harv}} <nowiki>https://applications.emro.who.int/emhj/0601/emhj_2000_6_1_83_88.pdf.</nowiki> |
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== 関連項目 == |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?508 健康食品等の素材情報データベース シナモン 2007/07/26](独立行政法人 [[国立健康・栄養研究所]]) |
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*[https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/12.html シナモン] 「統合医療」に係る 情報発信等推進事業([[厚生労働省]]) |
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*[https://www.cochrane.org/ja/CD007170/ENDOC_tang-niao-bing-nidui-surusinamon 糖尿病に対するシナモン]([[コクラン_(組織)|コクラン]]) |
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*[https://www.bfr.bund.de/en/faq_on_coumarin_in_cinnamon_and_other_foods-8487.html シナモンおよびその他の食品に含まれるクマリンに関するFAQ]([[:en:Federal_Institute_for_Risk_Assessment|ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)]]){{en icon}} |
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*[https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/20hyouka2-siryo2-3.pdf シナモン含有食品中のクマリンについて]([[東京都健康安全研究センター]]) |
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2025年1月2日 (木) 18:40時点における最新版
シナモン(英: cinnamon)は、ニッケイ属(肉桂属、Cinnamomum)の複数の樹木の内樹皮から得られる香辛料を指す。世界的に多く流通するカシア(シナニッケイ)や[1]、日本で「ニッキ飴」の名称で知られる肉桂(にっけい、にっき)などが含まれる。
生物学種は、スリランカや南インドなど熱帯地方原産のセイロンシナモン(錫蘭肉桂、Cinnamomum verum、Cinnamomum zeylanicum)、中国やインドシナ原産のカシア(支那肉桂、Cinnamomum cassia、Cinnamomum aromaticum)、ニッキ(肉桂、Cinnamomum sieboldii)などを指す[2]。
特徴的な芳香成分は、シンナムアルデヒドやオイゲノール、サフロールなど。香り高いことから『スパイスの王様』と呼ばれることもある[3]。
カシアの樹皮は、桂皮(ケイヒ)と呼ばれる生薬として、多くの漢方剤に処方されているが[4]、現代の研究では西洋医学的に重要な薬効や治療効果の証拠を見つけることができていない[2][5]。
シナモンの安全性について、古くからスパイスとして用いられ、一般的な使用において問題はない。しかし過剰摂取について、カシアに多く含まれるクマリンは肝機能障害を引き起こす可能性があり、長期間のグラム単位の摂取には注意が必要である[2][1][6]。
概要
[編集]利用史
[編集]世界最古のスパイスともいわれ、紀元前4000年ごろからエジプトでミイラの防腐剤として使われ始めた。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『エゼキエル書』や古代ギリシアの詩人サッポーの書いた詩にもシナモンが使われていたことを示す記述がある。
中国では後漢時代(25年-220年)に書かれた薬学書『神農本草経』に初めて記載されている。
日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されている(「桂心」という名称で、薬物として奉納されたもの)。しかし樹木として日本に入ってきたのは江戸時代の享保年間のことであった。
香辛料
[編集]香辛料としてのシナモン(シンナモンとも)は上記のシナモンの樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味がありカクテル、紅茶、コーヒー等の飲料や[7]、アップルパイ、シナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われる。南アジア、中東、北アフリカでは料理の香りづけに頻繁に用いられる。インド料理の配合香辛料ガラムマサラの主要な成分でもある。インドのチャイの香りづけにもかかせない。
粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック(カネール(フランス語: cannelle)とも)が広く流通する。
語源
[編集]「シナモン」という言葉はその中茶色をも指す。シナモンは複数の植物種とそれらの一部が作り出す商業的香辛料の名称である。それらは全てクスノキ科のニッケイ属 (Cinnamomum) に属する[8] 。数種のニッケイ属植物のみが香辛料のために商業的に育てられている。セイロンニッケイ (Cinnamomum verum) は「真のシナモン」と見なされることもあるが、国際通商におけるほとんどのシナモンはその近縁種のシナニッケイ (Cinnamomum cassia) に由来する。シナニッケイ由来の香辛料はカシア (cassia) とも呼ばれる[9][10]。
15世紀から英語に実際の用例が確認できる英単語の"cinnamon" は、ギリシア語のκιννάμωμον (kinnámōmon) からラテン語及び中世フランス語を経て取り入れられた。ギリシア語の単語はフェニキア語からの借用語であり、これは近縁関係にあるヘブライ語の単語 קינמון (qinnamon) と似ていた[11]。西暦1000年頃に英語で初めて記録された「カシア cassia」という名称はラテン語からの借用であり、突き詰めていくと「樹皮を剥ぐ」という意味のヘブライ語の動詞 qātsaʿ の一形態である q'tsīʿāh に由来する[12]。
初期近代英語は canel および canellaという名称も使った。これらは複数の欧州言語におけるシナモンの現在の名称と似ており、ラテン語の単語cannella(管を意味するcannaの指小辞形)に由来する(樹皮が乾燥すると丸まることから)[13]。
歴史
[編集]古代史
[編集]シナモンは大昔から知られている。早ければ紀元前2000年にエジプトへ持ち込まれたが、中国からもたらされたと報告している者らはシナモンとカシアを混同している[10]。シナモンは古代国家で非常に高値で取り引きされており、統治者や神への贈り物と見なされた。刻まれた碑文には、シナモンとカシアがミレトスにあるアポロンの神殿へ贈られたことが記録されている[14]。シナモンがどこから来るかについては地中海世界では何世紀にもわたって香辛料貿易を行う仲買人によって市場の独占を守るために秘密にされていたが、シナモンはインド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー原産である[15]。
「Kasia カシア」に関する最初のギリシャでの言及は紀元前7世紀のサッポーによる詩で見られる。ヘロドトスによれば、シナモンとカシアはどちらも香や没薬、ラブダナムと共にアラビアで育ち、翼のあるヘビによって護られていた[要出典]。
エジプトの香、キフィにはヘレニズムの時代以降、シナモンとカシアが含まれていた。ギリシャ人統治者らから神殿への贈り物にはカシアとシナモンが含まれていることもあった。古代エジプトでは、シナモンはミイラに香気を満たす(防腐処置を施す)ために使われていた[16]。
シナモンはアラビア半島に冬の貿易風を利用して「かじも帆も櫂もない筏」で持ってこられた[17]。大プリニウスもワインのための香り付けとしてカシアに言及している[18]。
大プリニウスによれば、1ローマン・ポンド (327g) のカシア[19]、シナモン、またはserichatum[20]は最大300デナリウスの値が付いた[18]。これは10か月の労働の賃金と同じであった[18]。ディオクレティアヌスの最高価格令[21](紀元前301年)は1ポンドのカシアに125デナリウスの価格を与えているが、農業労働者の1日の賃金は25デナリウスであった。シナモンはローマでは火葬用の薪に一般的に使うには高価過ぎたが、皇帝ネロは西暦65年に行われた妻ポッパエア・サビナの葬儀のために都市の一年分に相当するシナモンを燃やしたと言われている[22]。
マラバトゥルム (Malabathrum) の葉は、古代ローマの料理書『アピキウス』において、料理や牡蠣のためのキャラウェイソースに使われる油を蒸留するために使われている[23]。同書によれば、マラバトゥルムは香辛料の中でもよい厨房が備えていなければならないものである。
中世
[編集]中世を初めから終わりまで、シナモンの源は西洋世界では謎であった。ヘロドトスを引用したラテン語の著作家を読むことで、ヨーロッパ人はシナモンが紅海を上ってエジプトの貿易港に達することを学んだが、どこからやって来るかについては決して明らかでなかった。ジャン・ド・ジョアンヴィルが1248年の十字軍においてフランス王ルイ9世に同行しエジプトへ向かった時、彼は「シナモンはナイル川の水源の外の世界の縁(すなわちエチオピア)で網ですくい上げられる」と教えられた(そして自身で考えた)と記録した。マルコ・ポーロはこの話題について正確な言及を避けた[24]。ヘロドトスやその他の著者らはアラビアをシナモンの源とした。彼らは、シナモンの木が育つ未知の土地から巣を作るためにシナモンスティックを集める巨大なシナモン鳥とこのスティックを得るために策略を使うアラブ人について物語った。大プリニウスは1世紀に、貿易商が値を釣り上げるために作った話だと記したが、この物語はビュザンティオンにおいて1310年まで語り継がれていた。
シナモンがスリランカで育つという最初の言及は1270年頃のザカリーヤー・カズウィーニーの『Athar al-bilad wa-akhbar al-‘ibad 諸国の遺跡と神の僕の記録』にある[25]。その後すぐ、ジョヴァンニ・ダ・モンテコルヴィーノの1292年頃の書簡にもこのことが記されている[26]。
インドネシアの筏はモルッカ諸島から東アフリカまでシナモンを直接輸送し(ラプタを参照)、その後地元の商人が北へ、エジプトのアレクサンドリアまで運んだ[27][28][29]。イタリアからのヴェネツィア人商人がヨーロッパにおける香辛料取引を独占していた。マムルーク朝やオスマン帝国といったその他の地中海勢力の台頭によるこの貿易の崩壊は、ヨーロッパ人がその他の交易路のためにアジアへと足を延ばすことになった主要な要因の一つであった。
近世前期
[編集]1500年代の間、フェルディナンド・マゼランはスペインを代表して香辛料を探索し、フィリピンにおいてスリランカ産のシナモンCinnamomum verumと近縁のCinnamomum mindanaenseを発見した。このシナモンは後に(ポルトガルが権益を握っていた)スリランカ産シナモンと競い合うようになった[30]。
1638年、オランダ商人がスリランカにおいて交易所を設立し、1640年までに工場の支配権を握り、1658年までに残っていたポルトガル人を追放した。オランダ人船長は「島の海岸はシナモンで埋め尽くされていて、これは東洋で最高の品である。島の風下にいたならば、海に出て8リーグまでシナモンの香りを嗅げる」と記している[31]:15。オランダ東インド会社は野生のシナモンの収穫方法の見直しを続け、結局は自身の木の栽培を始めた。
1767年、イギリス東インド会社のブラウン卿はケーララ州カンヌール地区のアンジャラカンディーの近くにアンジャラカンディーシナモン農園を開き、この農園はアジアで最大のシナモン農園となった。イギリスは1796年にオランダを抑えてセイロンを支配した。
栽培
[編集]シナモンは常緑樹で、卵形の葉、厚い樹皮、液果(ベリー)が特徴である。香辛料を収穫する際は、樹皮と葉が主な使用部位である[16]。シナモンは2年間栽培された後、刈り取られる、すなわち幹を地表面の高さまで切る。翌年、たくさんの新しい芽が切り株から生える(萌芽更新)。Colletotrichum gloeosporioidesやDiplodia spp.、Phytophthora cinnamomiといった多くの疫病菌がシナモンの成長に影響を与えうる[32]。
幹は収穫後、内樹皮が乾燥しないうちに素早く処理しなければならない。刈り取られた幹は外樹皮を削り取ることで処理され、次に内樹皮をほぐすために枝をハンマーでむらなく叩き、次に内樹皮は長いロール状に取り外される。わずか0.5 mm (0.02 in)の内樹皮が使用される[要出典]。外側の木質部は廃棄され、内樹皮は乾燥によって長さ数メートルのシナモンの切れは丸まる。処理済み樹皮は4から6時間完全に乾かされ、換気がよく比較的暖い環境に置かれる。乾燥するとすぐに、樹皮は売買のために長さ5から10 cmに切られる。理想的とは言えない乾燥した環境は樹皮中の有害生物の増殖を促し、そうなると燻蒸消毒処理が必要となる。燻蒸された樹皮は未処理樹皮と同じ高品質とは見なされない。
種
[編集]数多くの種がシナモンとして売られている[33]。
- シナニッケイ Cinnamomum cassia(カシアまたはチャイニーズシナモン、最も一般的な大量生産品)
- インドグス C. burmannii(コリンチェ Korintje、パダンカシア、インドネシアシナモン)
- C. loureiroi(サイゴンシナモン、ベトナムカシア、ベトナムシナモン)
- セイロンニッケイ C. verum(スリランカシナモン、セイロンシナモン)
- C. citriodorum(マラバルシナモン)
- タマラニッケイ C. tamala(インドシナモン)
カシアは強くピリッとした香りで、パンを焼く条件に適しているため、パン焼き(特にシナモンロール)によく使われる。カシアの中で、チャイニーズシナモンは一般的に色は中くらいから明い赤茶色で、質感は堅く木質で、全ての樹皮層が使われているため他より厚い(厚さ2-3 mm)。薄い内樹皮のみが使われるセイロンシナモンは、より明るい茶色で、よりきめ細かく、より低密度で、よりもろい質感である。セイロンシナモンはカシアよりも繊細で香りが良いと考えられており、調理の間にその香りを失いやすい。
セイロンニッケイ中のクマリンの量は、カシアよりもかなり低い[34][35][36]。
これらの種の樹皮は肉眼で見える特徴と微細な特徴の両方で容易に区別できる。セイロンシナモンのスティック(クイル)は多くの薄い層を持ち、コーヒー・グラインダーなどを使って簡単に粉にすることができるが、カシアのスティックはより堅い。インドネシアシナモン(インドグス)は厚い一つの層から作られた整ったクイルとしてしばしば売られており、コーヒー・グラインダーに損傷を与えうる。サイゴンシナモン(C. loureiroi)とシナニッケイ(C. cassia)は、樹皮がクイルに巻ける程柔軟ではないため、常に厚い樹皮の破片として売られている。
粉末にされた樹皮は識別がより困難だが、ヨードチンキで処理すると純粋なセイロンシナモンではほとんど影響が見られないのに対して、チャイニーズシナモン(カシア)は藍色に呈色する[37][38]。
格付け
[編集]スリランカの格付け方式はシナモンクイルを4つのグループに分けている。
- Alba: 直径6 mm (0.24 in)未満
- Continental: 直径16 mm (0.63 in)未満
- Mexican: 直径19 mm (0.75 in)未満
- Hamburg: 直径32 mm (1.3 in)未満
これらのグループは詳しい格付けにさらに分けられる。例えば、Mexicanはクイルの直径とキログラム当りのクイルの数によって、M00 000 special、M000000、M0000に分けられる。
長さ106 mm未満の樹皮片はクイリング(quillings)として分類される。フェザリング(featherings)は小枝とねじれた茎のの内樹皮である。チップ(chips)はクイルを刈り落としたかけら、分離できなかった外樹皮と内樹皮、小さな小枝の樹皮である。
生産
[編集]国 | (トン) |
---|---|
91,400 | |
71,146 | |
31,674 | |
16,766 | |
213,678 | |
インドネシアと中国が世界のシナモン生産の76%を占めている。2014年、シナモンの世界生産量は213,678トンで、4か国が合わせて世界の99%を占める : インドネシア(43%)、中国(33%)、ベトナム(15%)、スリランカ(8%)[39]。
食品用途
[編集]シナモン樹皮は香辛料として使われる。シナモンは薬味や調味料として料理で主に利用される。特にメキシコではチョコレートの製造に使われる。シナモンは鶏肉や羊肉の塩味の料理でもよく使われる。米国では、シナモンと砂糖がシリアル、パンを使った料理(トースト、シナボンなど)、フルーツ(特にリンゴ)の風味付けのためによく使われ、あらかじめ混合したシナモンシュガーも市販されている。トルコ料理でも甘い料理と塩味の料理の両方で使われる。シナモンはピクルスやエッグノッグといったクリスマスの飲み物にも使われる。シナモンパウダーはペルシャ料理の風味を強めるための重要な香辛料であり、様々な濃いスープ、飲み物、甘い食べ物に使われる[40]:10–12。
日本においても江戸時代頃から菓子などで利用されており、八ツ橋やニッキ水などがその主たるものである。岐阜県のニッキ寒天や肉桂餅、香川県の梅ゲ枝やおいり、和歌山県の牟婁郡、鹿児島県のけせん団子、青森県のうんぺい餅など郷土菓子の風味付けとしても全国各地に伝播した。また1998年にシナモンロールブームが訪れ、1999年には東京都武蔵野市吉祥寺にてハワイの人気店「シナボン」1号店が開店(いちど閉店したが、2015年再上陸)[41]。コーヒーチェーン店のスターバックスでは香辛料のサービスとして常時提供されるなど、幅広いバリエーションで現在も広く親しまれている。
栄養
[編集]100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 247 kJ (59 kcal) |
80.6 g | |
糖類 | 2.2 g |
食物繊維 | 53.1 g |
1.2 g | |
4 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(2%) 15 µg |
チアミン (B1) |
(2%) 0.02 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%) 0.04 mg |
ナイアシン (B3) |
(9%) 1.33 mg |
ビタミンB6 |
(12%) 0.16 mg |
葉酸 (B9) |
(2%) 6 µg |
ビタミンC |
(5%) 3.8 mg |
ビタミンE |
(15%) 2.3 mg |
ビタミンK |
(30%) 31.2 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(1%) 10 mg |
カリウム |
(9%) 431 mg |
カルシウム |
(100%) 1002 mg |
マグネシウム |
(17%) 60 mg |
リン |
(9%) 64 mg |
鉄分 |
(64%) 8.3 mg |
亜鉛 |
(19%) 1.8 mg |
他の成分 | |
水分 | 10.6 g |
| |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
挽いて粉末にしたシナモンは11%の水、81%の炭水化物(53%の食物繊維を含む)、4%のタンパク質、1%の脂質からなり、ビタミンK、カルシウム、鉄、ビタミンB6、ビタミンE、マグネシウム、亜鉛などが含まれている(表を参照)[42]。
風味、芳香、味
[編集]シナモンの風味は、その組成の0.5から1%を構成する香りの良い精油によるものである。この精油は樹皮を粗くたたいて粉々にし、海水中で浸軟し、次に全体を素早く蒸留することで調製される。精油はしばしば明い黄色をしており、熟成(老化)すると酸素との反応によって色は暗くなり、樹脂状化合物が形成される[43]。
シナモンの成分にはオイゲノール[44]などおよそ80種類の化合物が含まれる[45]。
アルコールの香料
[編集]シナモンはファイアボールシナモンウイスキーといった数多くのアルコール飲料の人気のある香料である[46]。
シナモンと蒸留アルコールから作られ「シナモンリキュール」と呼ばれるシナモンとブランデーの混合飲料はギリシャの一部で人気である。ヨーロッパで人気のあるこういった飲料としては、メイワイン(クルマバソウで香り付けした白ワイン)やズブロッカ(セイヨウコウボウで香り付けしたウォッカ)がある。
生理作用
[編集]古代には抗利尿作用がある整腸剤として頻尿の治療にも使用された[47]。 伝統医学で使われた長い歴史がある。カシアの樹皮は桂皮(ケイヒ)と呼ばれる生薬であり、日本薬局方にも収録されている[48]。温熱の作用があるとされ、十全大補湯、八味丸など、多くの方剤に処方されている[4]。
シナモンは、in vitro(試験管内で)や実験動物を用いた多くの基礎研究で、糖尿病予防への可能性が示唆された[49][50]。しかし、人を対象とした研究では、血糖値の低下とHbA1cに対する一貫性のない効果が報告されている[1][51][52][53][54][55]。レビューのうち4件が血糖値の低下を報告し、2件のみがHbA1cの低下を報告し、1件はどちらの値にも変化がなかったと報告した[51][52][53][55][54]。しかし試験で使用したシナモンの種類や植物のどの部分が使われたのか不明なことが多いため、研究結果の解釈は困難である[5]。コクランレビューは、プラセボ(偽薬)と比較して効果に差がないことは明らかとし、1型または2型糖尿病に対するシナモンの使用を支持する十分な証拠はないと結論付けている[50][54]。アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、人を対象とした研究は、どのような健康状態に対してもシナモンを使うことを支持していないと述べた[5]。
シナモンの体重減少に対する効果や、コレステロールや関連脂質の血中濃度をコントロールする効果は不明である[1][56][55]。過敏性腸症候群への効果についても十分な証拠がない[1]。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、疾患の予防、治療効果があるなど虚偽の表示を行ったシナモンなどを含む製品に警告を発し、リコール情報を公開している[57][58]。
毒性
[編集]シナモン、特にカシアはクマリンを多く含むため、長期間の過剰摂取により肝障害を引き起こす可能性がある[59][60][61][62][36][6]。セイロンシナモンはクマリンの含量が少ないが、多くの製品は主にカシアを使用している[6][63][36]。
2008年、欧州食品安全機関(EFSA)はクマリンの毒性を考慮し、クマリンの最大推奨耐容一日摂取量(TDI)を0.1 mg/kg体重と発表した[6][59][60]。この評価に基づいて、欧州連合(EU)は食品中の最大クマリン含量のガイドラインを、季節料理の生地1 kg中50 mg、毎日摂取する焼いた食品1 kg中15 mgに定めた[64][65]。
東京都は2007年度に、シナモンスパイスやシナモンを含む食品中のクマリンの含有量の実態調査を行っており、シナモンスパイス1g中のクマリンはカシア0.3 - 6.7(平均3.26)mg、セイロンシナモン0.01 - 0.017(平均0.014)mgであった[36]。スパイスや食品として摂取する限り健康被害が生ずる量にはならないが、サプリメントから摂取すると耐容一日摂取量を超える可能性を指摘している[36]。
欧州やアメリカの研究でも、品種や製品によりクマリンの量がかなり異なることが示されている[63][65]。
Cinnamomum cassia(カシア) | Cinnamomum verum(セイロンシナモン) | |
---|---|---|
シナモン1 g中のクマリン (mg) | 0.082 mg – 12.18 mg(欧州)[65] 0.3 mg – 6.7 mg、平均3.26 mg(東京)[36] |
0.007 mg – 0.9 mg[65] 0.01 mg – 0.017 mg、平均0.014 mg[36] |
体重50 kgでのクマリン耐容一日摂取量(TDI) | 5.0 mg | |
体重50 kgでのシナモン耐容一日摂取量(TDI) | 0.4 g – 58.8 g[65] 0.92 g – 16.8 g、平均1.5 g[36] |
5.6 g – 714.3 g[65] 294 g – 500 g、平均364.6 g[36] |
画像集
[編集]-
セイロンシナモン(Cinnamomum verum、左)とインドネシアシナモン(Cinnamomum burmannii、右)のクイル
-
シナモン樹皮から調製された精油
-
香料や香辛料としての使用に加えて、シナモンフレーバーティーが温かい飲み物として消費されている
-
シナモントースト
脚注
[編集]- ^ a b c d e “シナモン”. 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』. 2021年7月17日閲覧。
- ^ a b c “シナモン”. 国立健康・栄養研究所. 2021年7月18日閲覧。
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参考文献
[編集]- J. A. Abdel-Barry, others. (2000), Hypoglycaemic effect of aqueous extract of the leaves of Trigonella foenum-graecum in healthy volunteers, p. 83 https://applications.emro.who.int/emhj/0601/emhj_2000_6_1_83_88.pdf.
関連項目
[編集]- 桂皮を配合する薬剤
外部リンク
[編集]- シナモン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- シナモン 「統合医療」に係る 情報発信等推進事業(厚生労働省)
- 糖尿病に対するシナモン(コクラン)
- シナモンおよびその他の食品に含まれるクマリンに関するFAQ(ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR))
- シナモン含有食品中のクマリンについて(東京都健康安全研究センター)