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「長征2号F」の版間の差分

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外見的には、長征2号Fはベースとなった長征2号Eとほとんど異ならない。重い神舟のカプセルを支えるための若干の構造の変更もあるが、変更点のほとんどは、安全性を改善するための冗長性の追加である。また、第1ステージにブースターを追加することで、重いペイロードを打ち上げることも可能となった<ref>{{cite web|url=http://www.spaceandtech.com/spacedata/elvs/longmarch2f_sum.shtml |title=Long March 2F - Summary |publisher=Spaceandtech.com |date=1999-11-20 |accessdate=2010-12-13}}</ref>。
外見的には、長征2号Fはベースとなった長征2号Eとほとんど異ならない。重い神舟のカプセルを支えるための若干の構造の変更もあるが、変更点のほとんどは、安全性を改善するための冗長性の追加である。また、第1ステージにブースターを追加することで、重いペイロードを打ち上げることも可能となった<ref>{{cite web|url=http://www.spaceandtech.com/spacedata/elvs/longmarch2f_sum.shtml |title=Long March 2F - Summary |publisher=Spaceandtech.com |date=1999-11-20 |accessdate=2010-12-13}}</ref>。


また、緊急時に宇宙飛行士が脱出するのを助ける「故障検知・診断システム」も搭載した。組み立てられてから打上げ場まで垂直に運ばれる初めての中国産ロケットとなった<ref>[http://web.archive.org/web/20070517191539/http://www.sinodefence.com/strategic/launchvehicle/cz2f.asp ChangZheng 2F (Long March 2F) Space Launch Vehicle] - sinodefence.com(2007年5月17日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
また、緊急時に宇宙飛行士が脱出するのを助ける「故障検知・診断システム」も搭載した。組み立てられてから打上げ場まで垂直に運ばれる初めての中国産ロケットとなった<ref>[http://web.archive.org/web/20070517191539/http://www.sinodefence.com/strategic/launchvehicle/cz2f.asp ChangZheng 2F (Long March 2F) Space Launch Vehicle] - sinodefence.com(2007年5月17日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。


==振動の問題==
==振動の問題==

2017年9月4日 (月) 22:31時点における版

長征2号F
長征2号F
長征2号F
機能 有人軌道ローンチ・ヴィークル
製造 中国運載火箭技術研究院
開発国 中華人民共和国の旗 中国
大きさ
全高 62m[1]
直径 3.35m[1]
質量 464,000kg[1]
段数 2
積載量
低軌道への
ペイロード
8400kg[1]
関連するロケット
シリーズ 長征
打ち上げ実績
状態 現役
射場 発射センター
総打ち上げ回数 11
初打ち上げ 1999年11月19日

長征2号F(Long March 2F、中国語:长征二号F火箭)は、中華人民共和国の有人軌道ローンチ・ヴィークルである。長征シリーズの1つである。有人の神舟を打ち上げることを目的とし、長征2号Cを改良した長征2号Eを2段式にしたものである[2]酒泉衛星発射センターから打ち上げられる。長征2号Fは1999年11月19日に処女飛行で神舟1号を打ち上げた。神舟3号の打上げ後、江沢民総書記(当時)は、このロケットを「神の矢」を意味する「神箭」(Shenjian)と名付けた[3]

2003年10月15日、長征2号Fによって中国初の有人宇宙飛行となる神舟5号が打ち上げられた。その後、神舟6号神舟7号神舟9号神舟10号のミッションでも用いられている[4]

長征2号Eとの違い

外見的には、長征2号Fはベースとなった長征2号Eとほとんど異ならない。重い神舟のカプセルを支えるための若干の構造の変更もあるが、変更点のほとんどは、安全性を改善するための冗長性の追加である。また、第1ステージにブースターを追加することで、重いペイロードを打ち上げることも可能となった[5]

また、緊急時に宇宙飛行士が脱出するのを助ける「故障検知・診断システム」も搭載した。組み立てられてから打上げ場まで垂直に運ばれる初めての中国産ロケットとなった[6]

振動の問題

神舟5号の飛行の際、楊利偉はロケットの大きな振動によって体調を崩した。ロケットの改良によっていくらか改善されたものの、神舟6号でも振動は報告され、さらなる改良を要した。長征2号Fの主設計者であるJing Muchunは、「我々はロケットエンジンのパイプラインを変更し、振動数を調節した。蓄圧器の新しい設計が振動に繋がっているようだった。現在は、振動は50%以上も減少している。」と語った[7]

打上げ履歴

日付 & 時間 (GMT) ペイロード 結果 備考
1999年11月19日 22:30 神舟1号 成功 神舟カプセルの最初の無人試験。
2001年1月9日 01:00 神舟2号 成功 神舟カプセルの2度目の無人試験で、生きた動物を運んだ。
2002年3月25日 14:00 神舟3号 成功 神舟カプセルの3度目の無人試験。
2002年12月29日 16:40 神舟4号 成功 神舟カプセルの最後の無人試験。
15 October 2003, 01:00 神舟5号 成功 中国初の有人宇宙飛行。
2005年10月12日 01:00 神舟6号 成功 2度目の有人宇宙飛行で、初めて2人が宇宙に行った。
2008年9月25日 13:10 神舟7号 成功 3度目の有人宇宙飛行で、初めて3人が宇宙に行き、初めて宇宙遊泳が行われた。
2011年9月29日 13:16 天宮1号 成功 中国初の宇宙ステーション。改良型の長征2号Fが用いられた。
2011年10月31日 21:58 神舟8号 成功 天宮1号との自動ランデブーとドッキングの無人試験。改良型の長征2号Fが用いられた。
2012年6月16日 10:37 神舟9号 成功 3人による4度目の宇宙飛行で、天宮1号とのランデブーとドッキングが試験された。改良型の長征2号Fが用いられた。
2013年6月11日 09:38 神舟10号 成功 3人による5度目の宇宙飛行で、天宮1号とのランデブーとドッキングが試験された。

諸元

  • 第0段
    • 総質量:41,000 kg
    • 空質量:3,200 kg
    • スラスタ:4x814 kN
    • 比推力:291秒(2.9 kN-s/kg)
    • 燃焼時間:128秒
    • 直径:2.3 m
    • 翼幅:8.0 m
    • 長さ:15.3 m
    • 推進剤:N2O4 / UDMH
    • エンジン:1 x YF - 20B per booster = 4
  • 第1段
    • 総質量:196,500 kg
    • 空質量:9,500 kg
    • スラスタ:3,256 kN
    • 比推力:289秒(2.8 kN-s/kg)
    • 燃焼時間:166秒
    • 直径:3.4 m
    • 長さ:23.7 m
    • 推進剤:N2O4 / UDMH
    • エンジン:4 x YF - 20B
  • 第2段
    • 総質量:91,500 kg
    • 空質量:5,500 kg
    • スラスタ:831 kN
    • 比推力:289秒(2.8 kN-s/kg)
    • 燃焼時間:300秒
    • 直径:3.4 m
    • 長さ:15.5 m
    • 推進剤:N2O4 / UDMH
    • エンジン:1 x YF - 25/23

出典

  1. ^ a b c d Mark Wade. “CZ-2E”. Encyclopedia Astronautica. 2008年5月2日閲覧。
  2. ^ LM-2F - Launch Vehicle”. CGWIC. 2010年12月13日閲覧。
  3. ^ CZ”. Astronautix.com. 2010年12月13日閲覧。
  4. ^ China to launch Shenzhou-7 spacecraft on Thursday”. news.xinhuanet.com. English Xinhua (2008年9月24日). 2010年12月13日閲覧。
  5. ^ Long March 2F - Summary”. Spaceandtech.com (1999年11月20日). 2010年12月13日閲覧。
  6. ^ ChangZheng 2F (Long March 2F) Space Launch Vehicle - sinodefence.com(2007年5月17日時点のアーカイブ
  7. ^ CCTV International”. Cctv.com (2008年9月25日). 2010年12月13日閲覧。