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{{Expand English|Homophobia|date=2024年5月}} |
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[[File:20051129 northlake-il5.jpg|thumb|250px|ホモフォビア]] |
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[[File:20051129 northlake-il5.jpg|thumb|250px|[[ウエストボロ・バプティスト教会]]の抗議者、「神はホモが嫌い」という意味のプラカードを掲げている]]{{LGBTサイドバー}} |
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'''ホモフォビア'''(Homophobia)あるいは'''同性愛者嫌悪'''(どうせいあいしゃけんお)とは、[[同性愛]]、または同性愛者に対する恐怖感・嫌悪感・拒絶・偏見、または宗教的教義などに基づいて否定的な価値観を持つこと。「[[異性装]]・[[性自認|心身の性の不一致]]に対する恐怖感・嫌悪感・拒絶」はホモフォビアの定義に該当しない。'''ホモフォビック''' (Homophobic) とは「同性愛者に対する偏見のある」という意味。「同性愛者に対する恐怖感・嫌悪感を持つが同性愛者を客観的に把握している」は含まれない。ホモフォビックな人物は'''ホモフォーブ''' (Homophobe) と呼ばれる。 |
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'''ホモフォビア'''({{Lang-en|homophobia}})とは、[[同性愛]]、または同性愛者に対する差別・偏見・拒絶・恐怖感・嫌悪感、または[[宗教]]的教義などに基づいた否定的な価値観を持つこと。[[日本語]]では'''同性愛嫌悪'''や'''同性愛恐怖'''とも訳される<ref>https://ejje.weblio.jp/content/homophobia</ref>。[[キリスト教]]・[[イスラム教]]などの同性愛嫌悪宗教が強い影響力を持つ国や[[共産主義]]国家では、同性愛は長い間犯罪とされてきた<ref>{{Cite web|和書|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00000010-jij_afp-int |title=偽装結婚に隠れる中国の同性カップル |accessdate=2017-12-31 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20171231041859/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00000010-jij_afp-int |archivedate=2017-12-31 |url-status=dead|url-status-date=2019-04 }}</ref>。 |
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== 語源 == |
== 語源 == |
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元々は「[[人間]]に対する嫌悪や恐怖」([[ラテン語]]で人間を意味する |
homophobiaは、元々は「[[人間]]に対する嫌悪や恐怖」([[ラテン語]]で「人間」を意味するhomo+[[ギリシア語]]で「恐怖」を意味する接尾辞-phobia)を意味する語であったが、現在ではこの意味で使用されることはほとんどない。 |
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「同性愛者と同性愛に対する嫌悪や恐怖」という意味では、[[1969年]]の[[タイム誌]]において、[[心理学者]]のジョージ・ヴァインベルクが最初に使用した。現在の意味では、「ホモ」の部分は[[ラテン語]]のhomo(人間)ではなく、[[同性愛|ホモセクシャル]]のhomo-([[ギリシア語]]で「同じ」の意)である。 |
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日本においては、[[TOKYOPride]] ([[東京レズビアン&ゲイパレード]]の主催団体)、[[第10回レインボーマーチ札幌実行委員会]]、[[ゲイジャパンニュース]](LGBT関連ニュースサイト)、[[尾辻かな子]]の4者により、2006年に Act Against Homophobia という企画が実施された。主な活動は以下のとおり。 |
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*レインボーバンドの販売。 |
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*同性愛が[[死刑]]となる国の大使館への要望書提出。([[イラン]]、[[サウジアラビア]]、[[ナイジェリア]]、[[モーリタニア]]、[[アフガニスタン]]、[[アラブ首長国連邦]]、[[パキスタン]]、[[イエメン]]、[[スーダン]]) |
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*ホモフォビックな内容であった「[[アンテナ22]]」を放映した[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]総務部長への当該番組における表現への抗議と要望書提出。 |
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*[[文部科学省]]、[[法務省]]、[[外務省]]、[[厚生労働省]]への要望書提出、および法務省への署名提出。 |
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*JR[[新宿駅]]前での街頭広報活動。 |
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呼びかけ人はルイ=ジョルジュ・タン(Louis-Georges Tin)であり、現在では世界の約50カ国で実施されている。[[日本]]においては、2006年に世界の同性愛者を厳罰に処している国や同性愛嫌悪に対する抗議のための企画が実施された。主な活動としてレインボーバンドの販売や、同性愛が極刑となる国の[[大使館]]への要望書を提出した{{要出典|date=2019年7月}}。 |
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=== パレード === |
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ホモフォビアやそれに基づく差別をなくすため、世界各地でパレードが行われる。日本では、大規模なものは東京や札幌で行われており、小規模なものは各地で行われている。詳しくは[[ゲイ・パレード]]を参照のこと。主なものは以下のとおり(開催月順)。 |
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同性愛嫌悪やそれに基づく同性愛を刑事罰対象とするような差別をなくすため、世界各地でパレードが行われる。詳しくは[[プライド・パレード]]を参照のこと。 |
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*[[神戸ゲイパレード]](兵庫/神戸祭り内での開催) |
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*[[東京レズビアン&ゲイパレード]](東京) |
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*[[レインボーマーチ札幌]](北海道) |
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{{Main|同性愛者の権利#国・地域別のLGBTの権利}}[[中華人民共和国|中国(中華人民共和国)]]では同性愛が刑事罰対象としての罪とはされなくなった後も同性愛を取り締まろうとする[[世論]]があるほど、同性愛嫌悪が根強い。中国では2001年まで同性愛は精神疾患として扱われ、1997年までは犯罪として取り締まりの対象として[[弾圧]]されていた。その間、中国当局は同性愛者の権利向上を求める同性愛者や活動家らを何人も[[逮捕]]して[[刑務所]]送りにしてきた。そのため、同性愛者が同性愛であることを当局に知られることの忌避など、不信感が根強い<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00000010-jij_afp-int 偽装結婚に隠れる中国の同性カップル] {{Wayback|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00000010-jij_afp-int |date=20171231041859 }}2017年12月31日</ref>。 |
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*[[関西レインボーパレード]](大阪) |
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*[[立命館大学レインボーパレード]](京都) |
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ガンビア・イスラム共和国<ref>2017年2月に[[ガンビア|ガンビア共和国]]になる。</ref>では、第2代[[ガンビアの大統領|大統領]]であった[[ヤヒヤ・ジャメ]]が同性愛者に国外退去か[[死刑]]の処罰を与えたことや、国内で[[魔女狩り]]を行っていたことが報道された<ref>[http://www.news-postseven.com/archives/20161220_474131.html?PAGE=1#container 世界に君臨する独裁者──同性愛者を死刑にする大統領もいた]2016年12月20日 </ref>。 |
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*[[クィア・レインボーパレード福岡]](福岡/博多どんたく港まつり内での開催) |
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同性愛行為をする者に刑事罰を与えるなど、特に男性同士で性行為を行った場合に最長で[[終身刑]]となる[[タンザニア]]では、2017年に同性愛者が一斉に逮捕されている。アフリカにある54カ国のうち、38カ国がタンザニアのように同性愛者を終身刑や死罪にするなど厳しく処罰している国である<ref>[https://web.archive.org/web/20171006024240/http://www.sankei.com/world/news/170917/wor1709170008-n1.html]同性愛活動で20人逮捕 タンザニア、締め付け強化 2017.9.17</ref>。 |
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イランでは同性間の性交渉が発覚した場合は極刑になり、サウジアラビアも同様に同性間での性交渉が発覚した場合は死刑、鞭打ちなどが処罰として下されるような宗教的同性愛嫌悪国家である。 |
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[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]や[[マレーシア]]も、同性愛を違法として処罰している国家である<ref>[https://www.compathy.net/magazine/2015/08/09/death-sentence-for-lgbt/ 理解が進む一方で… LGBTであるというだけで、死刑になる国も]</ref>。 |
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{{Asof|2020}}、以下の国で同性愛が極刑となる可能性がある<ref>{{Cite web|和書|title=難民とLGBT:世界における人権侵害の状況 |url=https://refugeestudies.jp/2020/12/lgbt/ |website=難民研究フォーラム REFUGEE STUDIES FORUM |date=2020-12-18 |access-date=2022-09-25 |language=ja |first=難民研究フォーラム Refugee Studies |last=Forum}}</ref>。 |
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*[[中東]] |
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**[[イラン]] |
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**[[サウジアラビア]] |
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**[[アラブ首長国連邦]] |
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**[[イエメン]] |
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*[[南アジア|アジア]] |
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**[[アフガニスタン]] |
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**[[パキスタン]] |
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**[[ブルネイ]] |
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*[[アフリカ]] |
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**[[ナイジェリア]] |
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**[[モーリタニア]] |
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**[[スーダン]] |
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**[[ソマリア]] |
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== 脚注 == |
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== 関連項目 == |
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*[[石原慎太郎]] |
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*[[イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害]] |
*[[イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害]] |
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*[[ソドミー法]] |
*[[ソドミー法]] |
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*[[転向療法]] |
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**[[シャリーア]](イスラーム教における宗教に基づく法体系) |
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*[[ウエストボロ・バプティスト教会]](反同性愛主義を信奉する[[カルト|カルト教団]]) |
*[[ウエストボロ・バプティスト教会]](反同性愛主義を信奉する[[カルト|カルト教団]]) |
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*[[ |
*[[オーランド銃乱射事件]] |
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<!--*[[オアシス (バンド)]] |
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*[[リアム・ギャラガー]]--> |
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*[[メル・ギブソン]](ホモフォビックな発言をしたことで知られる) |
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<!--*[[ジョック]]--> |
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*[[トランスフォビア]](トランスジェンダーに対する不合理な偏見) |
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*[[ヘイトクライム]](性的指向などへの偏見や憎悪が元で引き起こされる犯罪行為) |
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*[[ロイ・コーン]]([[赤狩り]]の急先鋒に立った同性愛者でもあり、米国民主党員) |
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*[[中田考]] ([[イスラーム原理主義]]の立場からホモフォビアを擁護している) |
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*[[ストレート・アライ]](ホモフォビアへの異議などを投げかける異性愛の人々を指す言葉) |
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*[[ジョグジャカルタ原則]] |
*[[ジョグジャカルタ原則]] |
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*[[モントリオール宣言]] |
*[[モントリオール宣言]] |
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{{Normdaten}} |
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== 外部リンク == |
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*[http://www.idahomophobia.org/ IDAHO (英語)] |
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*[http://d.hatena.ne.jp/idaho_japan/ Act Against Homophobia] |
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*[http://www.kitamaruyuji.com/stillwannasay/2006/12/post_8.html 「男社会のホモフォビア」] |
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*[http://www.milkjapan.com/1999hn08.html 【男性同性愛者からの告白に激怒し射殺、ワーナーら30億円の賠償命令】] |
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ホモフォビア(英語: homophobia)とは、同性愛、または同性愛者に対する差別・偏見・拒絶・恐怖感・嫌悪感、または宗教的教義などに基づいた否定的な価値観を持つこと。日本語では同性愛嫌悪や同性愛恐怖とも訳される[1]。キリスト教・イスラム教などの同性愛嫌悪宗教が強い影響力を持つ国や共産主義国家では、同性愛は長い間犯罪とされてきた[2]。
語源
[編集]homophobiaは、元々は「人間に対する嫌悪や恐怖」(ラテン語で「人間」を意味するhomo+ギリシア語で「恐怖」を意味する接尾辞-phobia)を意味する語であったが、現在ではこの意味で使用されることはほとんどない。
「同性愛者と同性愛に対する嫌悪や恐怖」という意味では、1969年のタイム誌において、心理学者のジョージ・ヴァインベルクが最初に使用した。現在の意味では、「ホモ」の部分はラテン語のhomo(人間)ではなく、ホモセクシャルのhomo-(ギリシア語で「同じ」の意)である。
国際反ホモフォビアの日
[編集]1990年5月17日、WHOが同性愛を国際疾病分類(ICD-10)から削除することを決議したことから、5月17日は国際反ホモフォビアの日(International Day Against Homophobia、IDAHO)に定められた。
呼びかけ人はルイ=ジョルジュ・タン(Louis-Georges Tin)であり、現在では世界の約50カ国で実施されている。日本においては、2006年に世界の同性愛者を厳罰に処している国や同性愛嫌悪に対する抗議のための企画が実施された。主な活動としてレインボーバンドの販売や、同性愛が極刑となる国の大使館への要望書を提出した[要出典]。
同性愛嫌悪やそれに基づく同性愛を刑事罰対象とするような差別をなくすため、世界各地でパレードが行われる。詳しくはプライド・パレードを参照のこと。
同性愛に対する刑罰
[編集]中国(中華人民共和国)では同性愛が刑事罰対象としての罪とはされなくなった後も同性愛を取り締まろうとする世論があるほど、同性愛嫌悪が根強い。中国では2001年まで同性愛は精神疾患として扱われ、1997年までは犯罪として取り締まりの対象として弾圧されていた。その間、中国当局は同性愛者の権利向上を求める同性愛者や活動家らを何人も逮捕して刑務所送りにしてきた。そのため、同性愛者が同性愛であることを当局に知られることの忌避など、不信感が根強い[3]。
ガンビア・イスラム共和国[4]では、第2代大統領であったヤヒヤ・ジャメが同性愛者に国外退去か死刑の処罰を与えたことや、国内で魔女狩りを行っていたことが報道された[5]。
同性愛行為をする者に刑事罰を与えるなど、特に男性同士で性行為を行った場合に最長で終身刑となるタンザニアでは、2017年に同性愛者が一斉に逮捕されている。アフリカにある54カ国のうち、38カ国がタンザニアのように同性愛者を終身刑や死罪にするなど厳しく処罰している国である[6]。
イランでは同性間の性交渉が発覚した場合は極刑になり、サウジアラビアも同様に同性間での性交渉が発覚した場合は死刑、鞭打ちなどが処罰として下されるような宗教的同性愛嫌悪国家である。
北朝鮮やマレーシアも、同性愛を違法として処罰している国家である[7]。
2020年現在[update]、以下の国で同性愛が極刑となる可能性がある[8]。
脚注
[編集]- ^ https://ejje.weblio.jp/content/homophobia
- ^ “偽装結婚に隠れる中国の同性カップル”. 2017年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月31日閲覧。
- ^ 偽装結婚に隠れる中国の同性カップル アーカイブ 2017年12月31日 - ウェイバックマシン2017年12月31日
- ^ 2017年2月にガンビア共和国になる。
- ^ 世界に君臨する独裁者──同性愛者を死刑にする大統領もいた2016年12月20日
- ^ [1]同性愛活動で20人逮捕 タンザニア、締め付け強化 2017.9.17
- ^ 理解が進む一方で… LGBTであるというだけで、死刑になる国も
- ^ Forum, 難民研究フォーラム Refugee Studies (2020年12月18日). “難民とLGBT:世界における人権侵害の状況”. 難民研究フォーラム REFUGEE STUDIES FORUM. 2022年9月25日閲覧。
関連項目
[編集]- イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害
- ソドミー法
- 転向療法
- ウエストボロ・バプティスト教会(反同性愛主義を信奉するカルト教団)
- オーランド銃乱射事件
- マシュー・シェパード(1998年、米国で宗教的同性愛嫌悪により二人組の男性に殺害された犠牲者)
- ジョグジャカルタ原則
- モントリオール宣言