「スピッツァー宇宙望遠鏡」の版間の差分
GreenTaraPkG (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
m cewbot: 修正ウィキ文法 69: ISBNの構文違反 |
||
46行目: | 46行目: | ||
スピッツァー宇宙望遠鏡は、軌道にのせられた赤外線観測衛星の中で、最も凝った作りをしているだろうと言われている。 |
スピッツァー宇宙望遠鏡は、軌道にのせられた赤外線観測衛星の中で、最も凝った作りをしているだろうと言われている。 |
||
望遠鏡の本体は太陽の熱をさえぎる板で守られ、軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために[[液体ヘリウム]]を用いて5.5[[ケルビン]]まで冷却していた。地球も熱を出すので、望遠鏡は地球の近くで観測することができない。そのため、望遠鏡は地球と一緒に太陽を回る軌道にのせられ、地球を少し離れたところを追いかけている。そして、冷却材が減るにつれて、少しずつ地球から離れていっているのである。これまでに、星形成や恒星をまわる惑星、遠くの銀河など、さまざまな分野で重要な発見を重ねている。<ref>最新天文百科 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス HORIZONS Exploring the Universe p105 |
望遠鏡の本体は太陽の熱をさえぎる板で守られ、軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために[[液体ヘリウム]]を用いて5.5[[ケルビン]]まで冷却していた。地球も熱を出すので、望遠鏡は地球の近くで観測することができない。そのため、望遠鏡は地球と一緒に太陽を回る軌道にのせられ、地球を少し離れたところを追いかけている。そして、冷却材が減るにつれて、少しずつ地球から離れていっているのである。これまでに、星形成や恒星をまわる惑星、遠くの銀河など、さまざまな分野で重要な発見を重ねている。<ref>最新天文百科 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス HORIZONS Exploring the Universe p105 ISBN 978-4-621-08278-2</ref> |
||
== 観測装置 == |
== 観測装置 == |
2016年11月15日 (火) 16:29時点における版
基本情報 | |
---|---|
NSSDC ID | 2003-038A |
所属 | アメリカ航空宇宙局 / ジェット推進研究所 / カリフォルニア工科大学 |
主製造業者 |
ロッキード・マーチン ボール・エアロスペース |
打上げ日時 | 2003年8月25日 [1] |
打上げ場所 | ケープカナベラル空軍基地 [1] |
打上げ機 | デルタII 7920H ELV [1] |
ミッション期間 |
2.5 - 5年以上 [1] (21年3か月と9日経過) |
質量 | 950キログラム (2,090 lb)[1] |
軌道 | 太陽周回軌道 [1] |
軌道周期 | 1年 |
形式 | Ritchey-Chrétien [2] |
観測波長 | 3 - 180 μm [1] |
口径 |
0.85 m[1] 主鏡面積 2.3 m2 |
焦点距離 | 10.2 m (f/12) |
観測装置 | |
IRAC | 赤外線カメラ |
IRS | 赤外線分光計 |
MIPS | 遠赤外線観測計 |
公式サイト | www.spitzer.caltech.edu/ |
スピッツァー宇宙望遠鏡(スピッツァーうちゅうぼうえんきょう、Spitzer Space Telescope、SST)とはアメリカ航空宇宙局 (NASA) が2003年8月にデルタロケットにより打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡であり、2013年8月に運用10周年を達成し、観測を継続している。打ち上げ前は、Space Infrared Telescope Facility (SIRTF)と呼ばれていた。
この宇宙望遠鏡は他の多くの人工衛星とは異なり、地球を追いかける形で太陽を回る軌道を取っている。またこの望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡、コンプトンガンマ線観測衛星、X線観測衛星チャンドラとならび、大規模観測計画(Great Observatories program)のうちの1機である。
望遠鏡の名前の由来となっているのは、1940年代にはじめて宇宙望遠鏡の提案を行ったライマン・スピッツァー Jr.博士である。
概要
スピッツァー宇宙望遠鏡は、軌道にのせられた赤外線観測衛星の中で、最も凝った作りをしているだろうと言われている。
望遠鏡の本体は太陽の熱をさえぎる板で守られ、軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために液体ヘリウムを用いて5.5ケルビンまで冷却していた。地球も熱を出すので、望遠鏡は地球の近くで観測することができない。そのため、望遠鏡は地球と一緒に太陽を回る軌道にのせられ、地球を少し離れたところを追いかけている。そして、冷却材が減るにつれて、少しずつ地球から離れていっているのである。これまでに、星形成や恒星をまわる惑星、遠くの銀河など、さまざまな分野で重要な発見を重ねている。[3]
観測装置
軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために液体ヘリウムを用いて5.5ケルビンまで冷却していた。
- IRAC (InfraRed Array Camera)
- 4波長 (3.6 µm, 4.5 µm, 5.8 µm and 8 µm) の赤外線を同時に観測するためのカメラ。256 x 256 画素。
- IRS (InfraRed Spectrograph)
- 4波長 (5.3 µm-14 µm, 10 µm-19.5 µm, 14 µm-40 µm, 19 µm-37 µm) の赤外線を分光観測できる分光計。
- MIPS (Multiband Imaging Photometer for Spitzer)
- 遠赤外線を観測するための観測装置。24 µm帯では128 x 128画素、70 µm帯では 32 x 32 画素、160 µm帯では 2 x 20画素。
冷却用のヘリウムは2009年5月に底を突き、望遠鏡の温度は5.5ケルビンから30ケルビンにまで上昇した[4]。これにより望遠鏡自体が赤外線を発するようになったため、最も長波長のチャンネルは観測に使用できなくなった。残りのチャンネルは2010年になっても「ウォーム・ミッション」として稼働を続けている。
関連
脚注
- ^ a b c d e f g h Spitzer Space Telescope (2008年). “About Spitzer: Fast Facts”. NASA / JPL. 2007年4月22日閲覧。
- ^ Spitzer Space Telescope. “Spitzer Technology: Telescope”. NASA / JPL. 2007年4月22日閲覧。
- ^ 最新天文百科 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス HORIZONS Exploring the Universe p105 ISBN 978-4-621-08278-2
- ^ sorae.jp-スピッツァー、ウォーム・ミッション開始