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「おおきなかぶ」の版間の差分

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== 参考文献 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2016年11月15日 (火) 13:56時点における版

エリザベータ・ビョーム英語版画 『おおきなかぶ』/1887年作。
『おおきなかぶ』の演劇を披露するアゼルバイジャンの子供たち

おおきなかぶ: Репка: The Giant Turnip, The Gigantic Turnip)は、ロシア民話の一つであり、童話である。"репка" はロシア語で「カブ(蕪)」(ブラッシカ・ラパ)の意。

アレクサンドル・アファナーシェフ編纂した『ロシア民話集ロシア語版』(1863年刊行分初出)に収められているほか、コンスタンティン・ドミートリヴィッチ・ウシンスキー(カー・デー・ウシンスキー コンスタンチン・ウシンスキー)やアレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイらによる再話[1]が知られている。

概要

ロシア語原文は、全文を通して言葉が持つリズムを重視しており、とりわけ以下の畳語cf. ロシア語における畳語英語版)がリズミカルな掛け声の繰り返しとして印象深く使われている。

"Тянут-потянут, вытянуть не могут." [ˈtʲanut pɐˈtʲanut ˈvɨtʲɪnutʲ nʲɪ ˈmoɡut]
英語意訳 : "They are pulling and pulling, but cannot pull it [the turnip] out."
日本語直訳 : 「引っぱって引っぱって、でも抜くことができませんでした。」

これは、手助けする者が加わってかぶを引っぱるたびに反復されるフレーズであるが、日本語では翻訳家内田莉莎子cf. #美術)が「うんとこしょ、どっこいしょ」と書き変え、この形で定着した。


あらすじ

ファイル:HungarianTurnip.jpg
『おおきなかぶ』をテーマにした切手1960年ハンガリー製。

おじいさんは甘くて大きなかぶを作ろうと畑に種を蒔いて育てました。そうすると、1株の大きな大きなかぶができました。「うんとこしょ、どっこいしょ」 おじいさんはかぶを収穫しようとしましたが、大きすぎて一人では抜くことができません。そこでおじいさんはおばあさんを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ、どっこいしょ」 かぶをおじいさんが引っぱって、おじいさんをおばあさんが引っぱって、それでもかぶは抜けません。そこでおばあさんは孫娘を呼んできて、手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ、どっこいしょ」 それでもかぶは抜けません。そこで孫娘はいぬを呼んできて、いぬはねこを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ、どっこいしょ」「うんとこしょ、どっこいしょ」 かぶをおじいさんが、おじいさんをおばあさんが、おばあさんを孫娘が、孫娘をいぬが、いぬをねこが後ろから引っぱって、一列になって抜こうとしますが、それでもかぶは抜けません。それでいよいよ最後にはねこがねずみを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ、どっこいしょ、うんとこしょ、どっこいしょ」 ───そうしてようやくかぶを抜くことができました。[2]

再話者による改編

再話[1]によって内容に違いがある。最初の再話者アレクサンドル・アファナーシェフのものは「一本足」が登場する。再話者の一人であるオンチュコーフ (Oncukov) の編纂したものでは、カブはネズミが齧ったことによって抜ける。

二次創作

美術

美術分野の二次創作物として、日本では、彫刻家佐藤忠良挿絵を描いて1962年昭和37年)6月20日に刊行した絵本福音館書店版 『おおきなかぶ』(原典:ロシア民話、編者:A・トルストイ日本語訳内田莉莎子)がベストセラー[3]となっており、世代を超えて広く普及している[4][5]。挿絵の原画水彩画)は宮城県美術館内の佐藤忠良記念館が所蔵している。 また、宮城県立こども病院の依頼を受けて佐藤忠良が2003年平成15年)に制作(同年10月21日発表[6])したブロンズレリーフの二次創作作品「おおきなかぶ」[6]が同病院に展示されている(佐川美術館所蔵)[4]

音楽

音楽分野の二次創作物として、日本では、この物語を元にした童謡が複数存在し、なかでも、五十嵐洋、長澤勝俊、中野正以などによるものが有名である。また、日本のミュージシャン大江千里の楽曲アルバム『うんとこしょ どっこいしょ』(2007年[平成19年]リリース)にも収録されており、当アルバム・タイトルは童話『おおきなかぶ』劇中の掛け声から採ったものである。

脚注・出典

  1. ^ a b 再話とは、伝説や昔話、古典文学などを、(主として、子供の読み物としてふさわしい形に)構成し直すこと。
  2. ^ A・トルストイ編 『おおきなかぶ』 内田莉莎子 訳、佐藤忠良 絵、福音館書店 ───に基づいて編集。
  3. ^ 2005年(平成17年)7月時点で210万冊を超える。
  4. ^ a b 彫刻家・佐藤忠良のもうひとつの顔”. (公式ウェブサイト). 佐川美術館. 2012年5月28日閲覧。
  5. ^ 佐藤忠良 『おおきなかぶ』 A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 福音館書店 1962”. (公式ウェブサイト). さいたま市立図書館. 2012年5月28日閲覧。
  6. ^ a b 橋本修一[1]. “宮城県子ども病院 ブロンズレリーフ除幕式”. (ウェブサイト). 城萩会(東北大学応援団OB会). 2012年5月28日閲覧。

参考文献

  • A.トルストイ編 著、内田莉莎子 訳『おおきなかぶ―ロシア民話』佐藤忠良画(新版)、福音館書店〈こどものとも絵本〉、1966年6月20日。ISBN 4-8340-0062-1 ISBN 978-4-8340-0062-7{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  • 斎藤君子「おおきな「かぶ」の六つの謎」 小長谷有紀『「大きなかぶ」はなぜ抜けた?』講談社講談社現代新書〉、2006年7月19日。ISBN 4-06-149848-7 ISBN 978-4-06-149848-8{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  • A・アファナーシェフ編 著、中村喜和編訳 訳『ロシア民話集(上)』 赤642-1、岩波書店岩波文庫〉、1987年7月16日。ISBN 4-00-326421-5 ISBN 978-4-00-326421-8{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 

関連項目

外部リンク