「種村季弘」の版間の差分
{{著作権問題調査依頼}} タグ: 差し戻し済み ビジュアルエディター |
|||
(30人の利用者による、間の46版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{Infobox 作家 |
{{著作権問題調査依頼|2022-10}}{{Infobox 作家 |
||
| name = 種村季弘 |
| name = 種村季弘 |
||
| image = |
| image = |
||
29行目: | 29行目: | ||
}} |
}} |
||
'''種村 季弘'''(たねむら すえひろ、[[1933年]]([[昭和]]8年)[[3月21日]] - [[2004年]]([[平成]]16年)[[8月29日]])は、[[日本]]の[[ドイツ文学者| |
'''種村 季弘'''(たねむら すえひろ、[[1933年]]([[昭和]]8年)[[3月21日]] - [[2004年]]([[平成]]16年)[[8月29日]])は、[[日本]]の[[ドイツ文学者#一覧|ドイツ文学者]]・[[評論家]]。 |
||
==人物== |
|||
古今東西の[[異端]]的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、[[クライスト]]や[[ホフマン]]、[[マゾッホ]]など独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、[[錬金術]]や[[魔術]]、[[神秘学]]研究でも知られる。これに関連して、[[吸血鬼]]や怪物、人形、自動機械、詐欺師や奇人など、歴史上のいかがわしくも魅力的な事象を多数紹介。他方[[幸田露伴]]、[[岡本綺堂]]、[[泉鏡花]]、[[谷崎潤一郎]]をはじめとする日本文学にも深く精通し、晩年は江戸文化や食文化、温泉文化などの薀蓄をユニークなエッセーに取り上げている。 |
古今東西の[[異端]]的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、[[ハインリヒ・フォン・クライスト|クライスト]]や[[E.T.A.ホフマン|ホフマン]]、[[マゾッホ]]など独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、[[錬金術]]や[[魔術]]、[[神秘学]]研究でも知られる。これに関連して、[[吸血鬼]]や怪物、人形、自動機械、詐欺師や奇人など、歴史上のいかがわしくも魅力的な事象を多数紹介。他方[[幸田露伴]]、[[岡本綺堂]]、[[泉鏡花]]、[[谷崎潤一郎]]をはじめとする日本文学にも深く精通し、晩年は江戸文化や食文化、温泉文化などの薀蓄をユニークなエッセーに取り上げている。 |
||
稀代の「博覧強記」として知られ、教え子の[[諏訪哲史]]は種村を “二十世紀の日本の人文科学が世界に誇るべき「知の無限迷宮」の怪人” と評している(自身が編纂した『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』の解説にて)。 |
稀代の「博覧強記」として知られ、教え子の[[諏訪哲史]]は種村を “二十世紀の日本の人文科学が世界に誇るべき「知の無限迷宮」の怪人” と評している(自身が編纂した『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』の解説にて)。 |
||
38行目: | 39行目: | ||
==経歴== |
==経歴== |
||
[[東京市]][[豊島区]][[池袋]]に生まれる。[[東京都立北園高等学校]]を経て、[[1951年]](昭和26年)に[[東京大学 |
[[東京市]][[豊島区]][[池袋]]に生まれる。[[東京都立北園高等学校]]を経て、[[1951年]](昭和26年)に[[東京大学大学院総合文化研究科・教養学部|東京大学教養学部]]文科二類(現在の文科三類)入学。同級に[[松山俊太郎]]、[[石堂淑朗]]、[[阿部良雄]]、[[吉田喜重]]、[[藤田敏八]]、[[井出孫六]]などがおり前者2名とは終生深い交流があった。[[1953年]](昭和28年)、[[東京大学大学院人文社会系研究科・文学部|東京大学文学部]]美学美術史科進学。[[1954年]](昭和29年)、[[東京大学]][[文学部]]独文科に転科。在学中は東京大学学生新聞編集部に所属。[[1957年]](昭和32年)に卒業後、財団法人言語文化研究所附属東京日本語学校(現:学校法人長沼スクール東京日本語学校)に就職。 |
||
[[1958年]](昭和33年)9月、[[光文社]]に入社。『[[女性自身]]』編集部を経て書籍部で単行本の編集にあたり、[[手塚治虫]]、[[田宮虎彦]]、[[結城昌治]]、[[梶山季之]]たちを担当。[[1960年]](昭和35年)に光文社を退社し、フリーとなる。[[1964年]](昭和39年)、[[駒澤大学]]専任講師。[[1965年]](昭和40年)、[[グスタフ・ルネ・ホッケ]]『迷宮としての世界』を[[矢川澄子]]と共訳、[[三島由紀夫]]から絶賛推薦され出版した。[[1968年]](昭和43年)、[[東京都立大学]]助教授となる。 |
[[1958年]](昭和33年)9月、[[光文社]]に入社。『[[女性自身]]』編集部を経て書籍部で単行本の編集にあたり、[[手塚治虫]]、[[田宮虎彦]]、[[結城昌治]]、[[梶山季之]]たちを担当。[[1960年]](昭和35年)に光文社を退社し、フリーとなる。[[1964年]](昭和39年)、[[駒澤大学]]専任講師。[[1965年]](昭和40年)、[[グスタフ・ルネ・ホッケ]]『迷宮としての世界』を[[矢川澄子]]と共訳、[[三島由紀夫]]から絶賛推薦され出版した。[[1968年]](昭和43年)、[[東京都立大学 (1949-2011)|旧・東京都立大学]]助教授となる。 |
||
1968年に初の単行本である評論集『怪物のユートピア』を刊行。[[1969年]](昭和44年)の『ナンセンス詩人の肖像』では、[[ルイス・キャロル]]、[[エドワード・リア]]、[[クリスティアン・モルゲンシュテルン|モルゲンシュテルン]]、[[ハンス・アルプ]]らの生涯と作品を紹介。[[レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ|ザッヘル=マゾッホ]]など多くの[[ドイツ語]]圏の作家を翻訳、紹介した。[[澁澤龍彦]]や[[唐十郎]]らと共に[[1960年代]] - [[1970年代]]の、アングラ文化を代表する存在となる。 |
1968年に初の単行本である評論集『怪物のユートピア』を刊行。[[1969年]](昭和44年)の『ナンセンス詩人の肖像』では、[[ルイス・キャロル]]、[[エドワード・リア]]、[[クリスティアン・モルゲンシュテルン|モルゲンシュテルン]]、[[ハンス・アルプ]]らの生涯と作品を紹介。[[レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ|ザッヘル=マゾッホ]]など多くの[[ドイツ語]]圏の作家を翻訳、紹介した。[[澁澤龍彦]]や[[唐十郎]]らと共に[[1960年代]] - [[1970年代]]の、アングラ文化を代表する存在となる。 |
||
51行目: | 52行目: | ||
==著書== |
==著書== |
||
*怪物のユートピア 評論集 三一書房 1968、新装版1991 |
*怪物のユートピア 評論集 [[三一書房]] 1968、新装版1991 |
||
*ナンセンス詩人の肖像 竹内書店 1969 のち筑摩叢書、ちくま学芸文庫 |
*ナンセンス詩人の肖像 竹内書店 1969 のち筑摩叢書、[[ちくま学芸文庫]] |
||
*吸血鬼幻想 薔薇十字社 1970 のち河出文庫 |
*吸血鬼幻想 [[薔薇十字社]] 1970 のち[[河出文庫]] |
||
*薔薇十字の魔法 薔薇十字社 1972、のち青土社、河出文庫 |
*薔薇十字の魔法 薔薇十字社 1972、のち[[青土社]]、[[河出文庫]] |
||
*アナクロニズム 青土社(ユリイカ叢書 |
*アナクロニズム [[青土社]](ユリイカ叢書)1973、のち[[河出文庫]] |
||
*怪物の解剖学 青土社 1974 のち河出文庫 |
*怪物の解剖学 青土社 1974 のち河出文庫 |
||
*失楽園測量地図 イザラ書房 1974 |
*失楽園測量地図 イザラ書房 1974 |
||
*詐欺師の楽園 学芸書林 1975 のち白水社、河出文庫、岩波現代文庫 |
*詐欺師の楽園 学芸書林 1975 のち白水社、河出文庫、[[岩波現代文庫]] |
||
*壺中天奇聞 青土社 1976 |
*壺中天奇聞 青土社 1976 |
||
*[[パラケルスス]]の世界 青土社 1977 |
*[[パラケルスス]]の世界 青土社 1977、新版1996ほか |
||
*山師[[カリオストロ]]の大冒険 中央公論社 1978 のち中公文庫、河出文庫、岩波現代文庫 |
*山師[[カリオストロ]]の大冒険 [[中央公論社]] 1978 のち[[中公文庫]]、河出文庫、[[岩波現代文庫]] |
||
*[[ザッヘル=マゾッホ]]の世界 桃源社 1978 のち筑摩叢書、平凡社ライブラリー |
*[[ザッヘル=マゾッホ]]の世界 [[桃源社]] 1978 のち筑摩叢書、[[平凡社ライブラリー]] |
||
*箱の中の見知らぬ国 青土社 1978 |
*箱の中の見知らぬ国 青土社 1978 |
||
*書物漫遊記 筑摩書房 1979、ちくま文庫 1986 |
*書物漫遊記 [[筑摩書房]] 1979、[[ちくま文庫]] 1986 |
||
*黒い錬金術 桃源社 1979 のち白水社Uブックス |
*黒い錬金術 桃源社 1979 のち[[白水社]]Uブックス |
||
*悪魔禮拝 桃源社 1979 のち河出文庫 |
*悪魔禮拝 桃源社 1979 のち河出文庫 |
||
*影法師の誘惑 青土社 1979 のち河出文庫 |
*影法師の誘惑 青土社 1979 のち河出文庫 |
||
*夢の舌 北宋社 1979、新装版1996 |
*夢の舌 北宋社 1979、新装版1996 |
||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
*[[ヴォルプスヴェーデ]]ふたたび 筑摩書房 1980 |
*[[ヴォルプスヴェーデ]]ふたたび 筑摩書房 1980 |
||
*愚者の機械学 青土社 1980、新装版1991 |
*愚者の機械学 青土社 1980、新装版1991 |
||
87行目: | 77行目: | ||
*ぺてん師列伝 あるいは制服の研究 青土社 1983 のち河出文庫、岩波現代文庫 |
*ぺてん師列伝 あるいは制服の研究 青土社 1983 のち河出文庫、岩波現代文庫 |
||
*贋物漫遊記 筑摩書房 1983、ちくま文庫 1989 |
*贋物漫遊記 筑摩書房 1983、ちくま文庫 1989 |
||
*書国探検記 筑摩書房 1984、ちくま学芸文庫 2012 |
*書国探検記 筑摩書房 1984、ちくま学芸文庫 2012 |
||
*器怪の祝祭日 種村季弘文芸評論集 沖積舎 1984 |
*器怪の祝祭日 種村季弘文芸評論集 沖積舎 1984 |
||
*ある迷宮物語 筑摩書房(水星文庫 |
*ある迷宮物語 筑摩書房(水星文庫)1985 |
||
*好物漫遊記 筑摩書房 1985、ちくま文庫 1992 |
*好物漫遊記 筑摩書房 1985、ちくま文庫 1992 |
||
*迷宮の魔術師たち 幻想画人伝 求龍堂 1985 |
*迷宮の魔術師たち 幻想画人伝 求龍堂 1985 |
||
*一角獣物語 大和書房 1985 |
*一角獣物語 大和書房 1985 |
||
*贋作者列伝 青土社 1986、新装版1992 |
*贋作者列伝 青土社 1986、新装版1992 |
||
*迷信博覧会 平凡社 1987 |
*迷信博覧会 平凡社 1987、ちくま文庫 1991 |
||
*魔術的リアリズム メランコリーの芸術 PARCO出版局 1988、ちくま学芸文庫 2010 |
*魔術的リアリズム メランコリーの芸術 PARCO出版局 1988、ちくま学芸文庫 2010 |
||
*小説万華鏡 日本文芸社 1989 |
*小説万華鏡 日本文芸社 1989 |
||
*日本漫遊記 筑摩書房 1989 |
*日本漫遊記 筑摩書房 1989 |
||
102行目: | 92行目: | ||
*ハレスはまた来る 偽書作家列伝 青土社 1992、「偽書作家列伝」学研M文庫 2001 |
*ハレスはまた来る 偽書作家列伝 青土社 1992、「偽書作家列伝」学研M文庫 2001 |
||
*遊読記 書評集 河出書房新社 1992 |
*遊読記 書評集 河出書房新社 1992 |
||
*ビンゲンのヒルデガルトの世界 青土社 1994 |
*ビンゲンのヒルデガルトの世界 青土社 1994、新版2002 |
||
*澁澤さん家で午後五時にお茶を 河出書房新社 1994、学研M文庫(増補版)2003 |
*澁澤さん家で午後五時にお茶を 河出書房新社 1994、学研M文庫(増補版)2003 |
||
*人生居候日記 筑摩書房 1994 |
*人生居候日記 筑摩書房 1994 |
||
110行目: | 100行目: | ||
*徘徊老人の夏 筑摩書房 1997、ちくま文庫 2008 |
*徘徊老人の夏 筑摩書房 1997、ちくま文庫 2008 |
||
*夢の覗き箱 種村季弘の洋画劇場 北宋社 1997 |
*夢の覗き箱 種村季弘の洋画劇場 北宋社 1997 |
||
*死にそこないの美学 私の日本映画劇場 北宋社 1997。潮出版社(1982) |
*死にそこないの美学 私の日本映画劇場 北宋社 1997。潮出版社(1982)を増訂版 |
||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
*水の迷宮 国書刊行会 2020。[[泉鏡花]]論集成 |
|||
===作品集=== |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
*'''種村季弘のネオ・ラビリントス''' 全8巻 河出書房新社 1998-1999 |
*'''種村季弘のネオ・ラビリントス''' 全8巻 河出書房新社 1998-1999 |
||
#怪物の世界 |
#怪物の世界 |
||
120行目: | 134行目: | ||
#温泉徘徊記 |
#温泉徘徊記 |
||
#綺想図書館 |
#綺想図書館 |
||
⚫ | |||
⚫ | |||
*種村季弘傑作撰 Ⅱ 自在郷への退行 国書刊行会、2013 |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
==共著== |
==共著== |
||
*コリントン卿登場 [[稲垣足穂]],[[野中ユリ]] 共著 [[美術出版社]] 1974 |
|||
*だまし絵 高柳篤 共著 河出文庫 1987 |
|||
* |
*新版・遊びの百科全書〈2〉だまし絵 高柳篤 共著 河出文庫 1987 |
||
*図説アイ・トリック 遊びの百科全書 [[赤瀬川原平]]、高柳篤 共著 河出書房新社 2001(ふくろうの本) |
|||
*ああ、温泉 種村季弘とマニア7人の温泉主義宣言 アートダイジェスト 2001 |
*ああ、温泉 種村季弘とマニア7人の温泉主義宣言 アートダイジェスト 2001 |
||
*東京迷宮考 対談集 青土社 2001 |
*東京迷宮考 対談集 青土社 2001 |
||
143行目: | 149行目: | ||
===編著=== |
===編著=== |
||
*[[遊びの百科全書]]〈2〉アイ・トリック 日本ブリタニカ 1979 |
|||
*東京百話 |
*東京百話 ちくま文庫(全3巻) 1986-1987 |
||
*温泉百話 東の旅/西の旅 [[池内紀]]共編 ちくま文庫 1988 |
*温泉百話 東の旅/西の旅 [[池内紀]]共編 ちくま文庫 1988 |
||
*放浪旅読本 光文社 1989(『光る話』の花束) |
*放浪旅読本 光文社 1989(『光る話』の花束) |
||
*美食倶楽部 [[谷崎潤一郎]]大正作品集 ちくま文庫 1989 |
*美食倶楽部 [[谷崎潤一郎]]大正作品集 ちくま文庫 1989 |
||
*日本怪談集 |
*日本怪談集 河出文庫(全2巻) 1989、新装版2019 |
||
*日本の名随筆 別巻 |
*[[日本の名随筆]] 別巻18 質屋 作品社 1992 |
||
*日本幻想文学集成 国書刊行会 |
*日本幻想文学集成 国書刊行会 1991-93、新編2017。作家4名の解説を担当 |
||
*新潮日本文学アルバム54 澁澤龍彦 新潮社 |
*新潮日本文学アルバム54 澁澤龍彦 新潮社 1993。巻末エッセイ[[平出隆]] |
||
*[[日影丈吉]]選集 |
*[[日影丈吉]]選集(全5巻) 河出書房新社 1995 |
||
*[[泉鏡花]]集成 |
*[[泉鏡花]]集成(全14巻) ちくま文庫 1995-97 |
||
⚫ | |||
⚫ | |||
*ドラキュラ・ドラキュラ 吸血鬼小説集(編)薔薇十字社 1973/河出文庫 1986 |
*ドラキュラ・ドラキュラ 吸血鬼小説集(編)薔薇十字社 1973/河出文庫 1986 |
||
*ドイツ怪談集 |
*ドイツ怪談集 河出文庫 1988、新装版2020。16編の物語 |
||
* |
*[[澁澤龍彦]]文学館5 綺譚の箱 筑摩書房 1990。ドイツロマン派を軸に選訳・解説 |
||
*パノラマ地図の世界 平凡社:別冊太陽スペシャル 2003 |
|||
==翻訳== |
==翻訳== |
||
*迷宮としての世界 [[グスタフ・ルネ・ホッケ]]、[[矢川澄子]]共訳 美術出版社、1965、新版1981ほか/岩波文庫(上下) 2010- |
*迷宮としての世界 [[グスタフ・ルネ・ホッケ]]、[[矢川澄子]]共訳 美術出版社、1965、新版1981ほか/岩波文庫(上下) 2010-2011 |
||
*小遊星物語 シェーアバルト 桃源社「世界異端の文学」 |
*小遊星物語 シェーアバルト [[桃源社]]「世界異端の文学」 1966、新版1978/平凡社ライブラリー 1995 |
||
*十三の無気味な物語 [[ハンス・ヘニー・ヤーン]] 白水社 1967 |
*十三の無気味な物語 [[ハンス・ヘニー・ヤーン]] 白水社 1967、新版1979ほか、白水Uブックス 1984 |
||
*[[ブニュエル]] アド・キルー 三一書房 (現代のシネマ)1970、新版1976 |
*[[ルイス・ブニュエル|ブニュエル]] アド・キルー 三一書房 (現代のシネマ)1970、新版1976 |
||
*象徴主義と世紀末芸術 ハンス・H.ホーフシュテッター 美術出版社 1970、新版1987ほか |
*象徴主義と世紀末芸術 ハンス・H.ホーフシュテッター 美術出版社 1970、新版1987ほか |
||
*文学におけるマニエリスム <small>言語錬金術ならびに秘教的組み合わせ術</small>グスタフ・ルネ・ホッケ 現代思潮社(全2巻) 1971/平凡社ライブラリー(全1巻) 2012 |
*文学におけるマニエリスム <small>言語錬金術ならびに秘教的組み合わせ術</small>グスタフ・ルネ・ホッケ 現代思潮社(全2巻) 1971/平凡社ライブラリー(全1巻) 2012 |
||
*異化 [[エルンスト・ブロッホ]] [[片岡啓治]]、船戸満之共訳 現代思潮社 1971 |
*異化 [[エルンスト・ブロッホ]] [[片岡啓治]]、船戸満之共訳 現代思潮社 1971 |
||
*[[ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー|エンツェンスベルガー]]全詩集 [[川村二郎]]、[[飯吉光夫]]共訳 人文書院 1971 |
*[[ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー|エンツェンスベルガー]]全詩集 [[川村二郎]]、[[飯吉光夫]]共訳 人文書院 1971 |
||
*錬金術 タロットと愚者の旅 R.ベルヌーリ 青土社 |
*錬金術 タロットと愚者の旅 R.ベルヌーリ 青土社 1972/錬金術とタロット 河出文庫 1992 |
||
*サセックスのフランケンシュタイン H.C.アルトマン 河出書房新社 1972 |
*サセックスのフランケンシュタイン H.C.アルトマン 河出書房新社 1972 |
||
*迷宮と神話 [[カール・ケレーニイ]] 藤川芳朗共訳 弘文堂 1973、新版1986ほか |
*迷宮と神話 [[カール・ケレーニイ]] 藤川芳朗共訳 弘文堂 1973、新版1986ほか |
||
*[[クロヴィス・トルイユ]] レイモン・シャルメ シュルレアリスムと画家叢書「骰子の7の目」第4巻 河出書房新社 1974 |
*[[クロヴィス・トルイユ]] レイモン・シャルメ シュルレアリスムと画家叢書「骰子の7の目」第4巻 河出書房新社 1974 |
||
*イマージュの解剖学 [[ハンス・ベルメール]] [[ |
*イマージュの解剖学 [[ハンス・ベルメール]] [[瀧口修造]]共訳 河出書房新社 1975、新版1992 |
||
⚫ | |||
*[[マゾッホ]]選集 1 毛皮を着たヴィーナス 桃源社 1976/河出文庫 |
*[[マゾッホ]]選集 1 毛皮を着たヴィーナス 桃源社 1976/河出文庫 1982 改版2004 |
||
⚫ | |||
*マゾッホ選集 4 密使、コロメアのドン・ジュアン 桃源社 1977 |
*マゾッホ選集 4 密使、コロメアのドン・ジュアン 桃源社 1977 |
||
*絶望と確信 20世紀末の芸術と文学のために グスタフ・ルネ・ホッケ 朝日出版社 |
*絶望と確信 20世紀末の芸術と文学のために グスタフ・ルネ・ホッケ 朝日出版社 1977(エピステーメー選書)/白水社 2013 |
||
*錬金術 |
*錬金術-精神変容の秘術 スタニスラス・クロソウスキー・デ・ロラ 松本夏樹共訳 平凡社 1978(イメージの博物誌)、新版2013 |
||
*砂男・ブランビラ王女 ホフマン 世界文学全集18 集英社 |
*砂男・ブランビラ王女 [[E.T.A.ホフマン|エルンスト・ホフマン]] 世界文学全集18 集英社 1979/ブランビラ王女 ちくま文庫 1987 |
||
*オスカル・パニッツァ小説全集 三位一体亭 南柯書局 1983 |
*オスカル・パニッツァ小説全集 三位一体亭 南柯書局 1983 |
||
*夢の王国 夢解釈の四千年 M.ポングラチュ・I.ザントナー 共訳 河出書房新社 1987 |
*夢の王国 夢解釈の四千年 M.ポングラチュ・I.ザントナー 共訳 河出書房新社 1987 |
||
⚫ | |||
*ブランビラ王女 [[E.T.A.ホフマン|エルンスト・ホフマン]] ちくま文庫 1987 |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
*パニッツァ全集(全3巻) オスカル・パニッツァ 筑摩書房 1991 |
*パニッツァ全集(全3巻) オスカル・パニッツァ 筑摩書房 1991 |
||
*白雪姫 グリム 三起商行 1991(ミキハウスの絵本) |
*白雪姫 グリム 三起商行 1991(ミキハウスの絵本) |
||
*[http://www.green.dti.ne.jp/ed-fuji/jurgis.html バルトルシャイティス著作集] |
*[http://www.green.dti.ne.jp/ed-fuji/jurgis.html バルトルシャイティス著作集]1 アベラシオン-形態の伝説をめぐる四つのエッセー [[巌谷国士]]共訳 国書刊行会 1991 |
||
*魔法物語 [[ヴィルヘルム・ハウフ]] 河出書房新社 1993 |
*魔法物語 [[ヴィルヘルム・ハウフ]] 河出書房新社 1993 |
||
*化学の結婚 ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ 紀伊国屋書店 1993 |
*化学の結婚 ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ 紀伊国屋書店 1993、新版2002 |
||
*世界温泉文化史 ウラディミール・クリチェク 高木万里子共訳 国文社 1994 |
*世界温泉文化史 ウラディミール・クリチェク 高木万里子共訳 国文社 1994 |
||
*永久機関 シェーアバルトの世界 パウル・シェーアバルト 作品社 1994 |
*永久機関 シェーアバルトの世界 パウル・シェーアバルト 作品社 1994 |
||
195行目: | 201行目: | ||
*砂男 E.T.A.ホフマン + 無気味なもの [[ジークムント・フロイト|S.フロイト]] 河出文庫 1995 |
*砂男 E.T.A.ホフマン + 無気味なもの [[ジークムント・フロイト|S.フロイト]] 河出文庫 1995 |
||
*リッツェ 少女たちの時間 ホルスト・ヤンセン トレヴィル 1995 |
*リッツェ 少女たちの時間 ホルスト・ヤンセン トレヴィル 1995 |
||
*マグナ・グラエキア-ギリシア的南部イタリア遍歴 グスタフ・ルネ・ホッケ 平凡社 1996/平凡社ライブラリー 2013 |
*マグナ・グラエキア-ギリシア的南部イタリア遍歴 グスタフ・ルネ・ホッケ 平凡社 1996/平凡社ライブラリー 2013 |
||
*遍歴 約束の土地を求めて ウド・トゥウォルシュカ 青土社 |
*遍歴 約束の土地を求めて ウド・トゥウォルシュカ 青土社 1996(叢書象徴のラビリンス) |
||
*くるみ割り人形とねずみの王様 E.T.A.ホフマン 河出文庫 1996 |
*くるみ割り人形とねずみの王様 E.T.A.ホフマン 河出文庫 1996 |
||
*グラディーヴァ ヴィルヘルム・イェンゼン |
*グラディーヴァ ヴィルヘルム・イェンゼン + 妄想と夢 ジークムント・フロイト 作品社 1996/平凡社ライブラリー 2014 |
||
*狂気の王国 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1998 |
*狂気の王国 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1998 |
||
*クロック商会 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1999 |
*クロック商会 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1999 |
||
*砂漠の千里眼 フリードリヒ・グラウザー 作品社 2000 |
*砂漠の千里眼 フリードリヒ・グラウザー 作品社 2000 |
||
*絞首台の歌 クリスティアン・モルゲンシュテルン 書肆山田 2003 |
*絞首台の歌 クリスティアン・モルゲンシュテルン 書肆山田 2003 |
||
*ビリッヒ博士の最期 リヒャルト・ヒュルゼンベック 未知谷 2003 |
*ビリッヒ博士の最期 [[リヒャルト・ヒュルゼンベック]] 未知谷 2003 |
||
*外人部隊 フリードリヒ・グラウザー |
*外人部隊 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 2004 |
||
*老魔法使い 種村季弘遺稿翻訳集 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 2008(短篇12編と長篇2編) |
*老魔法使い 種村季弘遺稿翻訳集 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 2008(短篇12編と長篇2編) |
||
*怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成 国書刊行会 2012 |
*怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成 国書刊行会 2012 |
||
*犯罪精神病 オスカル・パニッツァ 多賀健太郎共訳、平凡社 2018。遺訳稿 |
|||
*夢境彷徨 種村季弘と夢想の文書館 「[[幻想と怪奇]]6」[[新紀元社]] 2021。牧原勝志編(未発表翻訳ほか) |
|||
==ムック・図録== |
==ムック・図録== |
||
*『別冊[[幻想文学 (雑誌)|幻想文学]]13 「怪人タネラムネラ~種村季弘の箱」』 幻想文学出版局 2002 |
*『別冊[[幻想文学 (雑誌)|幻想文学]]13 「怪人タネラムネラ~種村季弘の箱」』 幻想文学出版局 2002 |
||
*『種村季弘 ぼくたちの伯父さん |
*『追悼特集 種村季弘 ぼくたちの伯父さん』 [[河出書房新社]]<[[KAWADE道の手帖]]> 2006 |
||
*『種村季弘の眼 迷宮の美術家たち』 柿沼裕朋編、平凡社 2014。[[板橋区立美術館]]での展覧会図録 |
*『種村季弘の眼 迷宮の美術家たち』 柿沼裕朋編、平凡社 2014。[[板橋区立美術館]]での展覧会図録 |
||
230行目: | 238行目: | ||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
*[http://www.asahi-net.or.jp/~jr4y-situ/tanemura/t_index.html 種村季弘のウェブ・ラビリントス] (著作や対談に関するリストを掲載。索引、関連文献リストも充実) |
* [http://www.asahi-net.or.jp/~jr4y-situ/tanemura/t_index.html 種村季弘のウェブ・ラビリントス] (著作や対談に関するリストを掲載。索引、関連文献リストも充実) |
||
{{泉鏡花文学賞|第27回}} |
{{泉鏡花文学賞|第27回}} |
||
{{Normdaten}} |
|||
{{DEFAULTSORT:たねむら すえひろ}} |
{{DEFAULTSORT:たねむら すえひろ}} |
||
[[Category:日本の文学研究者]] |
[[Category:日本の文学研究者]] |
||
[[Category:日本の翻訳家]] |
[[Category:20世紀日本の翻訳家]] |
||
[[Category:日本の文芸評論家]] |
[[Category:日本の文芸評論家]] |
||
[[Category:日本の随筆家]] |
[[Category:20世紀日本の随筆家]] |
||
[[Category:ドイツ文学者]] |
[[Category:ドイツ文学者]] |
||
[[Category:光文社の人物]] |
[[Category:光文社の人物]] |
||
[[Category:東京都立大学の教員]] |
[[Category:旧東京都立大学の教員]] |
||
[[Category:國學院大學の教員]] |
[[Category:國學院大學の教員]] |
||
[[Category:駒澤大学の教員]] |
[[Category:駒澤大学の教員]] |
||
[[Category:東京大学出身の人物]] |
[[Category:東京大学出身の人物]] |
||
[[Category:東京都区部出身の人物]] |
[[Category:東京都区部出身の人物]] |
||
[[Category:胃癌で亡くなった人物]] |
|||
[[Category:1933年生]] |
[[Category:1933年生]] |
||
[[Category:2004年没]] |
[[Category:2004年没]] |
2022年10月4日 (火) 05:44時点における版
種村季弘 | |
---|---|
誕生 |
1933年3月21日 東京市豊島区池袋 |
死没 | 2004年8月29日(71歳没) |
職業 | 独文学者、評論家、エッセイスト |
主題 | ドイツ文学、神秘学、幻想文学 |
主な受賞歴 | 芸術選奨文部大臣賞、斎藤緑雨賞、泉鏡花文学賞 |
デビュー作 | 『怪物のユートピア』 |
種村 季弘(たねむら すえひろ、1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)は、日本のドイツ文学者・評論家。
人物
古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これに関連して、吸血鬼や怪物、人形、自動機械、詐欺師や奇人など、歴史上のいかがわしくも魅力的な事象を多数紹介。他方幸田露伴、岡本綺堂、泉鏡花、谷崎潤一郎をはじめとする日本文学にも深く精通し、晩年は江戸文化や食文化、温泉文化などの薀蓄をユニークなエッセーに取り上げている。
稀代の「博覧強記」として知られ、教え子の諏訪哲史は種村を “二十世紀の日本の人文科学が世界に誇るべき「知の無限迷宮」の怪人” と評している(自身が編纂した『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』の解説にて)。
仏文学者で評論家の澁澤龍彦との交流でも知られ、澁澤とともに日本における「幻想文学」のジャンル的な確立に貢献した。
経歴
東京市豊島区池袋に生まれる。東京都立北園高等学校を経て、1951年(昭和26年)に東京大学教養学部文科二類(現在の文科三類)入学。同級に松山俊太郎、石堂淑朗、阿部良雄、吉田喜重、藤田敏八、井出孫六などがおり前者2名とは終生深い交流があった。1953年(昭和28年)、東京大学文学部美学美術史科進学。1954年(昭和29年)、東京大学文学部独文科に転科。在学中は東京大学学生新聞編集部に所属。1957年(昭和32年)に卒業後、財団法人言語文化研究所附属東京日本語学校(現:学校法人長沼スクール東京日本語学校)に就職。
1958年(昭和33年)9月、光文社に入社。『女性自身』編集部を経て書籍部で単行本の編集にあたり、手塚治虫、田宮虎彦、結城昌治、梶山季之たちを担当。1960年(昭和35年)に光文社を退社し、フリーとなる。1964年(昭和39年)、駒澤大学専任講師。1965年(昭和40年)、グスタフ・ルネ・ホッケ『迷宮としての世界』を矢川澄子と共訳、三島由紀夫から絶賛推薦され出版した。1968年(昭和43年)、旧・東京都立大学助教授となる。
1968年に初の単行本である評論集『怪物のユートピア』を刊行。1969年(昭和44年)の『ナンセンス詩人の肖像』では、ルイス・キャロル、エドワード・リア、モルゲンシュテルン、ハンス・アルプらの生涯と作品を紹介。ザッヘル=マゾッホなど多くのドイツ語圏の作家を翻訳、紹介した。澁澤龍彦や唐十郎らと共に1960年代 - 1970年代の、アングラ文化を代表する存在となる。
1971年(昭和46年)、都立大学を退職。1977年(昭和52年)、旧西ドイツのヴォルプスヴェーデに滞在。1978年(昭和53年)、國學院大學専任講師となり、1979年(昭和54年)に助教授を経て、1981年(昭和56年)に教授。教え子に芥川賞作家となった諏訪哲史がいる。
1995年(平成7年)、中世ドイツの女子修道院長ヒルデガルト・フォン・ビンゲンについて書いた『ビンゲンのヒルデガルトの世界』で芸術選奨文部大臣賞、斎藤緑雨賞受賞。1996年(平成8年)「温泉主義ストーンズ」で小原庄助賞を受賞、1997年(平成9年)、トゥウォルシュカ『遍歴 約束の土地を求めて』で日本翻訳出版文化賞を受賞、1999年(平成11年)、著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』で27回泉鏡花文学賞受賞。2001年(平成13年)、國學院大學を退職。
2004年(平成16年)8月29日、胃癌により湯河原町で死去。享年71。
著書
- 怪物のユートピア 評論集 三一書房 1968、新装版1991
- ナンセンス詩人の肖像 竹内書店 1969 のち筑摩叢書、ちくま学芸文庫
- 吸血鬼幻想 薔薇十字社 1970 のち河出文庫
- 薔薇十字の魔法 薔薇十字社 1972、のち青土社、河出文庫
- アナクロニズム 青土社(ユリイカ叢書)1973、のち河出文庫
- 怪物の解剖学 青土社 1974 のち河出文庫
- 失楽園測量地図 イザラ書房 1974
- 詐欺師の楽園 学芸書林 1975 のち白水社、河出文庫、岩波現代文庫
- 壺中天奇聞 青土社 1976
- パラケルススの世界 青土社 1977、新版1996ほか
- 山師カリオストロの大冒険 中央公論社 1978 のち中公文庫、河出文庫、岩波現代文庫
- ザッヘル=マゾッホの世界 桃源社 1978 のち筑摩叢書、平凡社ライブラリー
- 箱の中の見知らぬ国 青土社 1978
- 書物漫遊記 筑摩書房 1979、ちくま文庫 1986
- 黒い錬金術 桃源社 1979 のち白水社Uブックス
- 悪魔禮拝 桃源社 1979 のち河出文庫
- 影法師の誘惑 青土社 1979 のち河出文庫
- 夢の舌 北宋社 1979、新装版1996
- ヴォルプスヴェーデふたたび 筑摩書房 1980
- 愚者の機械学 青土社 1980、新装版1991
- 食物漫遊記 筑摩書房 1981、ちくま文庫 1985 新版2006
- 夢の覗き箱 種村季弘の映画劇場 潮出版社 1982
- 謎のカスパール・ハウザー 河出書房新社 1983 のち河出文庫
- ぺてん師列伝 あるいは制服の研究 青土社 1983 のち河出文庫、岩波現代文庫
- 贋物漫遊記 筑摩書房 1983、ちくま文庫 1989
- 書国探検記 筑摩書房 1984、ちくま学芸文庫 2012
- 器怪の祝祭日 種村季弘文芸評論集 沖積舎 1984
- ある迷宮物語 筑摩書房(水星文庫)1985
- 好物漫遊記 筑摩書房 1985、ちくま文庫 1992
- 迷宮の魔術師たち 幻想画人伝 求龍堂 1985
- 一角獣物語 大和書房 1985
- 贋作者列伝 青土社 1986、新装版1992
- 迷信博覧会 平凡社 1987、ちくま文庫 1991
- 魔術的リアリズム メランコリーの芸術 PARCO出版局 1988、ちくま学芸文庫 2010
- 小説万華鏡 日本文芸社 1989
- 日本漫遊記 筑摩書房 1989
- 晴浴雨浴日記 河出書房新社 1989
- 箱抜けからくり綺譚 河出書房新社 1991
- ハレスはまた来る 偽書作家列伝 青土社 1992、「偽書作家列伝」学研M文庫 2001
- 遊読記 書評集 河出書房新社 1992
- ビンゲンのヒルデガルトの世界 青土社 1994、新版2002
- 澁澤さん家で午後五時にお茶を 河出書房新社 1994、学研M文庫(増補版)2003
- 人生居候日記 筑摩書房 1994
- 魔法の眼鏡 河出書房新社 1994
- 不思議な石のはなし 河出書房新社 1996
- 泉鏡花「海の鳴る時」の宿 晴浴雨浴日記・辰口温泉篇 十月社 1996
- 徘徊老人の夏 筑摩書房 1997、ちくま文庫 2008
- 夢の覗き箱 種村季弘の洋画劇場 北宋社 1997
- 死にそこないの美学 私の日本映画劇場 北宋社 1997。潮出版社(1982)を増訂版
- 奇想の展覧会―戯志画人伝 河出書房新社 1998
- 東海道書遊五十三次 朝日新聞社 2001
- 土方巽の方へ 肉体の60年代 河出書房新社 2001
- 江戸東京《奇想》徘徊記 朝日新聞社 2003、朝日文庫 2006
- 畸形の神 あるいは魔術的跛者 青土社 2004
- 楽しき没落 種村季弘の綺想の映画館 論創社 2004
- 断片からの世界 美術稿集成 平凡社 2005
- 雨の日はソファで散歩 筑摩書房 2005、ちくま文庫 2010
- 種村季弘と美術のラビリントス―イメージの迷宮へようこそ アトリエサード 2010(相馬俊樹編)
- 東海道寄り道紀行 河出書房新社 2012。単行本未収録紀行集
- 水の迷宮 国書刊行会 2020。泉鏡花論集成
作品集
- 種村季弘のラビリントス 全10巻 青土社 1979
- 怪物のユートピア
- 影法師の誘惑
- 吸血鬼幻想
- 薔薇十字の魔法
- 失楽園測量地図
- 怪物の解剖学
- アナクロニズム
- 悪魔禮拝
- 壷中天奇聞
- パラケルススの世界
- 種村季弘のネオ・ラビリントス 全8巻 河出書房新社 1998-1999
- 怪物の世界
- 奇人伝
- 魔法
- 幻想のエロス
- 異人
- 食物読本
- 温泉徘徊記
- 綺想図書館
- 種村季弘傑作撰 Ⅰ 世界知の迷宮(諏訪哲史編)
- 種村季弘傑作撰 Ⅱ 自在郷への退行 国書刊行会、2013
- 詐欺師の勉強あるいは遊戯精神の綺想 種村季弘単行本未収録論集 幻戯書房 2014(齋藤靖朗編)
共著
- コリントン卿登場 稲垣足穂,野中ユリ 共著 美術出版社 1974
- 新版・遊びの百科全書〈2〉だまし絵 高柳篤 共著 河出文庫 1987
- 図説アイ・トリック 遊びの百科全書 赤瀬川原平、高柳篤 共著 河出書房新社 2001(ふくろうの本)
- ああ、温泉 種村季弘とマニア7人の温泉主義宣言 アートダイジェスト 2001
- 東京迷宮考 対談集 青土社 2001
- 天使と怪物 対談集 青土社 2002
- 異界幻想 対談集 青土社 2002
- 澁澤龍彦を語る 1992~1996の対話 河出書房新社 1996、「全集」編集委員4名での座談集。
編著
- 遊びの百科全書〈2〉アイ・トリック 日本ブリタニカ 1979
- 東京百話 ちくま文庫(全3巻) 1986-1987
- 温泉百話 東の旅/西の旅 池内紀共編 ちくま文庫 1988
- 放浪旅読本 光文社 1989(『光る話』の花束)
- 美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集 ちくま文庫 1989
- 日本怪談集 河出文庫(全2巻) 1989、新装版2019
- 日本の名随筆 別巻18 質屋 作品社 1992
- 日本幻想文学集成 国書刊行会 1991-93、新編2017。作家4名の解説を担当
- 新潮日本文学アルバム54 澁澤龍彦 新潮社 1993。巻末エッセイ平出隆
- 日影丈吉選集(全5巻) 河出書房新社 1995
- 泉鏡花集成(全14巻) ちくま文庫 1995-97
- 現代ドイツ幻想小説(編)白水社 1970、「ドイツ幻想小説傑作集」白水Uブックス 1985。以下は一部訳者
- ドラキュラ・ドラキュラ 吸血鬼小説集(編)薔薇十字社 1973/河出文庫 1986
- ドイツ怪談集 河出文庫 1988、新装版2020。16編の物語
- 澁澤龍彦文学館5 綺譚の箱 筑摩書房 1990。ドイツロマン派を軸に選訳・解説
- パノラマ地図の世界 平凡社:別冊太陽スペシャル 2003
翻訳
- 迷宮としての世界 グスタフ・ルネ・ホッケ、矢川澄子共訳 美術出版社、1965、新版1981ほか/岩波文庫(上下) 2010-2011
- 小遊星物語 シェーアバルト 桃源社「世界異端の文学」 1966、新版1978/平凡社ライブラリー 1995
- 十三の無気味な物語 ハンス・ヘニー・ヤーン 白水社 1967、新版1979ほか、白水Uブックス 1984
- ブニュエル アド・キルー 三一書房 (現代のシネマ)1970、新版1976
- 象徴主義と世紀末芸術 ハンス・H.ホーフシュテッター 美術出版社 1970、新版1987ほか
- 文学におけるマニエリスム 言語錬金術ならびに秘教的組み合わせ術グスタフ・ルネ・ホッケ 現代思潮社(全2巻) 1971/平凡社ライブラリー(全1巻) 2012
- 異化 エルンスト・ブロッホ 片岡啓治、船戸満之共訳 現代思潮社 1971
- エンツェンスベルガー全詩集 川村二郎、飯吉光夫共訳 人文書院 1971
- 錬金術 タロットと愚者の旅 R.ベルヌーリ 青土社 1972/錬金術とタロット 河出文庫 1992
- サセックスのフランケンシュタイン H.C.アルトマン 河出書房新社 1972
- 迷宮と神話 カール・ケレーニイ 藤川芳朗共訳 弘文堂 1973、新版1986ほか
- クロヴィス・トルイユ レイモン・シャルメ シュルレアリスムと画家叢書「骰子の7の目」第4巻 河出書房新社 1974
- イマージュの解剖学 ハンス・ベルメール 瀧口修造共訳 河出書房新社 1975、新版1992
- F.S-ゾンネンシュターン シュルレアリスムと画家叢書「骰子の7の目」第7巻 河出書房新社 1976、増補版2006
- マゾッホ選集 1 毛皮を着たヴィーナス 桃源社 1976/河出文庫 1982 改版2004
- マゾッホ選集 4 密使、コロメアのドン・ジュアン 桃源社 1977
- 絶望と確信 20世紀末の芸術と文学のために グスタフ・ルネ・ホッケ 朝日出版社 1977(エピステーメー選書)/白水社 2013
- 錬金術-精神変容の秘術 スタニスラス・クロソウスキー・デ・ロラ 松本夏樹共訳 平凡社 1978(イメージの博物誌)、新版2013
- 砂男・ブランビラ王女 エルンスト・ホフマン 世界文学全集18 集英社 1979/ブランビラ王女 ちくま文庫 1987
- オスカル・パニッツァ小説全集 三位一体亭 南柯書局 1983
- 夢の王国 夢解釈の四千年 M.ポングラチュ・I.ザントナー 共訳 河出書房新社 1987
- ナペルス枢機卿 グスタフ・マイリンク 国書刊行会(バベルの図書館) 1989、新編版2013
- チリの地震 クライスト 王国社 1990/河出文庫 1996、新版2011
- ユーゲントシュティール絵画史-ヨーロッパのアール・ヌーヴォー ハンス・H.ホーフシュテッター 池田香代子共訳 河出書房新社 1990
- パニッツァ全集(全3巻) オスカル・パニッツァ 筑摩書房 1991
- 白雪姫 グリム 三起商行 1991(ミキハウスの絵本)
- バルトルシャイティス著作集1 アベラシオン-形態の伝説をめぐる四つのエッセー 巌谷国士共訳 国書刊行会 1991
- 魔法物語 ヴィルヘルム・ハウフ 河出書房新社 1993
- 化学の結婚 ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ 紀伊国屋書店 1993、新版2002
- 世界温泉文化史 ウラディミール・クリチェク 高木万里子共訳 国文社 1994
- 永久機関 シェーアバルトの世界 パウル・シェーアバルト 作品社 1994
- 夢占い事典 M.ポングラチュ、I.ザントナー 河出文庫 1994
- 砂男 E.T.A.ホフマン + 無気味なもの S.フロイト 河出文庫 1995
- リッツェ 少女たちの時間 ホルスト・ヤンセン トレヴィル 1995
- マグナ・グラエキア-ギリシア的南部イタリア遍歴 グスタフ・ルネ・ホッケ 平凡社 1996/平凡社ライブラリー 2013
- 遍歴 約束の土地を求めて ウド・トゥウォルシュカ 青土社 1996(叢書象徴のラビリンス)
- くるみ割り人形とねずみの王様 E.T.A.ホフマン 河出文庫 1996
- グラディーヴァ ヴィルヘルム・イェンゼン + 妄想と夢 ジークムント・フロイト 作品社 1996/平凡社ライブラリー 2014
- 狂気の王国 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1998
- クロック商会 フリードリヒ・グラウザー 作品社 1999
- 砂漠の千里眼 フリードリヒ・グラウザー 作品社 2000
- 絞首台の歌 クリスティアン・モルゲンシュテルン 書肆山田 2003
- ビリッヒ博士の最期 リヒャルト・ヒュルゼンベック 未知谷 2003
- 外人部隊 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 2004
- 老魔法使い 種村季弘遺稿翻訳集 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 2008(短篇12編と長篇2編)
- 怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成 国書刊行会 2012
- 犯罪精神病 オスカル・パニッツァ 多賀健太郎共訳、平凡社 2018。遺訳稿
- 夢境彷徨 種村季弘と夢想の文書館 「幻想と怪奇6」新紀元社 2021。牧原勝志編(未発表翻訳ほか)
ムック・図録
- 『別冊幻想文学13 「怪人タネラムネラ~種村季弘の箱」』 幻想文学出版局 2002
- 『追悼特集 種村季弘 ぼくたちの伯父さん』 河出書房新社<KAWADE道の手帖> 2006
- 『種村季弘の眼 迷宮の美術家たち』 柿沼裕朋編、平凡社 2014。板橋区立美術館での展覧会図録
関連項目・人物
外部リンク
- 種村季弘のウェブ・ラビリントス (著作や対談に関するリストを掲載。索引、関連文献リストも充実)