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{{建築物 |
{{建築物 |
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|名称= TOYAMAキラリ |
|名称 = TOYAMAキラリ |
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|旧名称 |
|旧名称 = |
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|画像= [[File: |
|画像 = [[File:TOYAMA KIRARI exterior in the morning ac (3).jpg|300px]] |
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|画像説明 = |
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|用途= 芸術文化、生涯学習、商業施設等 |
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|用途 = 図書館・美術館・銀行・店舗 |
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|旧用途= |
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|旧用途 = |
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|設計者= [[隈研吾|隈研吾建築都市設計事務所]] |
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|設計者 = [[アール・アイ・エー]](RIA)、[[隈研吾]]建築都市設計事務所、[[三四五建築研究所]]共同企業体(JV){{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|構造設計者= |
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|構造設計者 = [[清水建設]]{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|設備設計者 = [[建築設備設計研究所]]{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|建築主= |
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|施工 = [[清水建設]]・[[佐藤工業]]JV{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|事業主体= 西町南地区市街地再開発組合 |
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|建築主 = |
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|管理運営= |
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|事業主体 = 西町南地区市街地再開発組合{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|構造形式= 鉄骨造り(付加制振構造) |
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|管理運営 = TOYAMAキラリ管理協議会{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|敷地面積= 4,144.67 |
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|構造形式 = [[鉄骨造]] {{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|建築面積= 3,422.97 |
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|敷地面積 = 4,414.67 |敷地面積ref ={{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}|敷地面積備考 = |
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|延床面積= 26,792.82 |
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|建築面積 = 3,422.97 |建築面積ref ={{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}|建築面積備考 = |
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|階数= 地上10階、地下1階 |
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|延床面積 = 26,792.82 |延床面積ref ={{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}|延床面積備考 = |
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|高さ= 57m |
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|階数 = 地下1階・地上10階{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|着工= [[2013年]]5月 |
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|高さ = 57.21m{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}} |
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|竣工= [[2015年]]5月9日 |
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|エレベーター数 = |
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|戸数 = |
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|駐車台数 = <!--41台{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}--> |
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|着工 = 2013年5月 |
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|竣工 = 2015年5月9日 |
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|開館開所= 2015年6月8日([[富山第一銀行]]本店)<br/> 2015年8月22日([[富山市立図書館]]本館・[[富山市ガラス美術館]]) |
|開館開所= 2015年6月8日([[富山第一銀行]]本店)<br/> 2015年8月22日([[富山市立図書館]]本館・[[富山市ガラス美術館]]) |
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|改築 |
|改築 = |
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|解体 = |
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|所在地郵便番号= 930-0062 |
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|所在地 |
|所在地郵便番号 = 930-0062 |
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|所在地 = 富山県富山市西町5番1号{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}<!--A棟の所在地。B棟は富山県富山市太田口通り1丁目2番7号--> |
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| 緯度度 = 36 | 緯度分 = 41 | 緯度秒 = 18.9 | N(北緯)及びS(南緯) = N |
| 緯度度 = 36 | 緯度分 = 41 | 緯度秒 = 18.9 | N(北緯)及びS(南緯) = N |
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| 経度度 = 137 |経度分 = 12 | 経度秒 = 53.1 | E(東経)及びW(西経) = E |
| 経度度 = 137 |経度分 = 12 | 経度秒 = 53.1 | E(東経)及びW(西経) = E |
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| 地図国コード = JP |
| 地図国コード = JP |
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|備考 = <!--総事業費182億7900万円、総工費130億3700万円{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}--> |
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'''TOYAMAキラリ'''(とやまキラリ)は、[[富山県]][[富山市]]西町にある |
'''TOYAMAキラリ'''(とやまキラリ)は、[[富山県]][[富山市]]西町にある複合施設。[[富山市立図書館]]本館、[[富山市ガラス美術館]]、[[富山第一銀行]]本店などが入居する<ref>「新たな知の拠点開館 TOYAMAキラリに富山市ガラス美術館・図書館」[[北日本新聞]], 2015年8月23日</ref>。2015年(平成27年)8月22日に全館オープンした。 |
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[[アール・アイ・エー]](RIA)、[[隈研吾]]建築都市設計事務所、[[三四五建築研究所]]の3社による共同企業体(JV)が設計を担当し、西町南地区第一種市街地再開発事業の一環として建設された{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。1階は共用エントランスと富山第一銀行本店営業部門、2階から6階は富山市立図書館と富山市ガラス美術館、7階と8階は富山第一銀行本店業務執行部門、9階と10階は富山第一銀行ホールである{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。3種類のパネル約1,000枚が並べられた外壁や、2階から6階まで斜めに開いた吹き抜け空間が特徴である{{sfn|建築技術|2016-03|p=38}}。日本で初めて図書館と銀行本店が同居する建物である<ref name=kinyukeizai20150831/>。 |
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== 概要 == |
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昭和の初めごろより西町交差点南西角に長らくあり、[[2007年]]([[平成]]19年)9月に移転した[[大和 (百貨店)#富山店|富山大和]]跡地に、2015年(平成27年)5月9日に竣工した地上10階、地下1階の建物で、北側と西側の道路に面した外壁には、富山市の産業の一つである[[ガラス]]と富山県の代表的産業である[[アルミ]]そして[[御影石]]の異なる素材をランダムに[[格子]]状に組み合わせ、[[立山連峰]]の峰々の山肌を表現し、光が異なる反射をもたらす特徴的な外観となっている。一方内装は杉などの富山県産木材のルーバー(羽板)を総延長約1万mも使用し、2階から6階の天窓まで5層に渡り斜めに螺旋のように配した特徴的な吹き抜け(スパイラルボイド)に、それぞれ角度を変えた木材ルーバーを用い、図書館・美術館の一部を除きオープンフロアーになっていること、書棚なども木材を使用していることも合い持って温かみのある空間となっている。 |
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== 歴史 == |
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大和富山店移転については[[1996年]](平成8年)より持ち上がっており、跡地利用について話し合われてきた。再開発ビル計画発表後は、[[リーマンショック]]や[[デフレ]]などにより入居者がなかなか決まらなかったが、吹き抜けを挟み2階から6階南側には富山市ガラス美術館、3階から6階北側には富山市立図書館本館が入居し、富山第一銀行本店が1階及び7階から10階に入居することとなった<ref>「TOYAMAキラリ完成 市街地活性化へ期待 関係者19年の歩みに万感」北日本新聞 2015年5月10日30面</ref>。総事業費は約182.8億円。 |
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=== 背景 === |
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[[File:富山市西町交叉点.jpg|thumb|left|1938年の宮市大丸富山店(後の富山大和)とその周辺]] |
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[[富山市]]の中心市街地である[[総曲輪]](そうがわ)は[[富山駅]]から南に約1.5kmの距離にあり、[[飛騨街道]]の起点として江戸時代から交通の要衝であった地区である{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=11}}。百貨店の宮市大丸(現・[[大和 (百貨店)|大和]])は1932年(昭和7年)にこの地区に進出し{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=12}}、宮市大丸は1943年(昭和18年)に[[丸越]]と合併して大和に改称した。 |
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なお駐車場は銀行来店者用しかなく、富山市の施策により公共交通機関の利用または、近隣の駐車場の利用を呼び掛けている。 |
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[[太平洋戦争]]末期の1945年7月には[[富山大空襲]]が行われ、[[富山城|富山城址公園]]の東南角を中心とした半径約1.2kmにある建物はほぼすべてが焼失<ref name=kitanihon20150801>「富山大空襲70年 戦後生まれの思い 戦災の記憶受け継ぐ 平和の尊さかみしめ」北日本新聞, 2015年8月1日</ref>。空襲による焼失を免れたのは、富山大和、[[富山県庁舎]]、富山県立神通中学校(現・[[富山県立富山中部高等学校|富山県立富山中部高校]])などわずかな建物のみだった<ref name=kitanihon20150801/>。 |
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== 沿革 == |
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* [[2006年]](平成18年)7月 - 西町南地区市街地再開発準備組合を設立 |
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* [[2007年]](平成19年)9月 - 大和富山店が移転 |
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* [[2010年]](平成22年)11月 - 「西町南地区の公益施設整備に関する基本構想」策定 |
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* [[2012年]](平成24年) |
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** 2月 - 西町南地区市街地再開発組合を設立 |
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** 11月 - 旧大和富山店 解体除去工事に着手 |
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* [[2013年]](平成25年) |
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** 3月 - 「西町南地区公益施設整備計画」策定 |
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** 5月 - 起工式 |
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* [[2014年]](平成26年)10月 - 再開発ビルの愛称が「TOYAMAキラリ」に決定 |
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* [[2015年]](平成27年) |
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** 5月9日 - ビル竣工 |
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** 6月8日 - 富山第一銀行本店 開店 |
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** 8月22日 - 富山市立図書館本館・富山市ガラス美術館が開館し、全館オープン。 |
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[[File:Toyama City Library Marunouchi.JPG|thumb|丸の内にあった富山市立図書館旧本館(1970-2015)]] |
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== 施設 == |
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=== 共有スペース === |
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* 1階 - エントランスホール、総合案内、コインロッカー、バックヤード、駐輪場 |
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* 2階 - ロビー(グランドピアノがありミニコンサートなどが開催できる)、カフェ([[不室屋|FUMURO YA CAFE]]) |
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戦後の富山大和は周囲の土地を吸収しながら、1965年(昭和40年)・1973年(昭和48年)などに増築を行っている。歴史の古さや度重なる増築などが理由で、富山大和が建つ場所の土地建物権利関係は複雑な状況にあった{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=12}}。1996年(平成8年)には建物の老朽化を理由に富山大和が移転を検討し始め、跡地の再開発計画が浮上した{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。一方で、[[総曲輪]]2丁目にある[[富山第一銀行]]本店も建物の老朽化により移転を模索していた。富山第一銀行本店は1951年(昭和26年)竣工の古典主義建築であり、東京・丸の内の[[第一銀行]]本店を模して建設されている。 |
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=== 富山市ガラス美術館(TOYAMA GLASS ART MUSEAM) === |
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※詳細は[[富山市ガラス美術館]]を参照 |
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[[富山地方鉄道|富山地鉄]][[富山地方鉄道富山市内軌道線|富山軌道線]]本線(1系統と環状線)が走る[[富山県道22号富山停車場線|桜橋電車通り]]は、富山軌道線富山都心線(環状線)が走る平和通りと西町交差点で交差する{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。富山大和は西町交差点の南西角にあった{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。西町交差点は「富山市の銀座四丁目(交差点)」とも呼ばれ{{sfn|新建築|2016-03|p=81}}、富山市ガラス美術館によると「交差点を渡ると肩が触れ合うほどにぎわった」という{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。富山大和は富山市民に広く愛され、東京・銀座における[[服部時計店]]と比較されるほどである{{sfn|新建築|2016-03|p=83}}。富山大和の屋上遊園地は富山で暮らす多くの中高年の記憶に残っている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=61}}。富山大和の跡地は[[森雅志]]富山市長が「富山市民だけでなく富山県民全体にとっても、街の重心」と語る場所である{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=62}}。 |
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富山市は以前よりガラスの街として取り組み、整備を進めており、富山市呉羽地区には[[富山ガラス工房]]、[[富山ガラス造形研究所]]を整備、展示施設として[[大手モール]]にある[[富山市民プラザ]]内にトヤマグラスアートギャラリーの開設、[[松川 (富山市)|松川]]べりや市内中心部の道路脇などに県内外のガラス作家の作品を展示してきたが、トヤマグラスアートギャラリーを統廃合し2015年(平成27年)8月22日、同ビル内にオープンした。 |
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=== 再開発計画 === |
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6階のグラス・アート・ガーデンには同美術館のシンボルとなる [[アメリカ]]の現代ガラス美術作家の巨匠[[デイル・チフーリ]] の工房「チフーリ・スタジオ」に富山市が制作依頼をし、本人並びにスタッフが来日して手掛けた3作品を含め、同氏の代表的な[[インスタレーション]](空間美術)全5作品が常設展示されている。 |
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[[File:Kengo Kuma at Strelka Institute.jpg|thumb|left|TOYAMAキラリの設計の中心となった[[隈研吾]]]] |
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2001年(平成13年)に富山大和が西町南地区からの移転を正式に表明すると、2003年(平成15年)には地権者らによって再開発協議会が設立され、2006年(平成18年)には市街地再開発準備組合に移行した{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=12}}。2007年(平成19年)2月8日には、[[青森市]]とともに富山市の[[中心市街地の活性化に関する法律|中心市街地活性化基本計画]]が国の第1号認定を受け{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}、富山市は全国に先駆けて[[コンパクトシティ]]を目指した取り組みを開始している{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=11}}。 |
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2007年9月に富山大和が近隣(総曲輪通り南地区)の再開発ビル・[[総曲輪フェリオ]]に移転すると、再開発準備組合は商業施設・公共施設・マンションを組み合わせた地下1階・地上18階の高層ビルを建設する計画を立て、[[富山市立図書館]]本館や富山第一銀行本店に対して入居を打診した<ref name=asahi20100129>「再開発ビルに富山市立図書館 富山第一銀本店も移転へ 市が方針転換」朝日新聞, 2010年1月29日</ref>。富山市立図書館本館は1970年(昭和45年)に丸の内の[[富山城|富山城址公園]]に開館したが、2006年(平成18年)には外壁に張られていた大理石の化粧板が落下する事故が起きるなど、老朽化が進行していた。 |
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=== 富山市立図書館 本館 === |
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[[1970年]]([[昭和]]45年)6月に同市丸の内に開館し、建物の老朽化のため2015年(平成27年)8月22日、同ビル内に移転オープンした。 |
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※詳細は[[富山市立図書館]]を参照 |
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[[File:Libraries in Toyama city OSM (2).png|thumb|300px|富山市立図書館旧本館や富山第一銀行旧本店とTOYAMAキラリの位置関係]] |
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* 1階 - 情報コーナー(早朝より当日の新聞や雑誌の閲覧が可能)、ブックポスト(休日返却用)、 |
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* 3階 - 児童図書フロア、ふれあい交流ルーム、セミナールーム、自動貸出機 |
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* 4階 - 一般図書フロア、予約図書受取室、自動貸出機 |
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* 5階 - 参考図書フロア、特別コレクション室、閲覧室、視聴覚・情報検索コーナー(CD、DVDの視聴)、自動貸出機 |
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* 6階 - 書庫・富山市立図書館本館事務室 |
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富山市が富山市立図書館本館の移転を拒否すると、再開発準備組合は富山市が新設する予定の[[富山市ガラス美術館]]に入居を打診した<ref name=asahi20100129/>。2010年(平成22年)1月には富山市が方針を転換し、富山大和の跡地に富山市立図書館本館と富山市ガラス美術館を設置する方針を固めた<ref name=asahi20100129/>。富山第一銀行は2015年の創立70周年記念事業の一環として再開発ビルへの移転に取り組んだ<ref name=kitanihon20150520>「富山第一銀『TOYAMAキラリ』で本店移転式 6月8日営業開始」北日本新聞, 2015年5月20日</ref>。 |
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; 開館時間 |
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: 一般図書・参考図書フロア - 午前9時30分〜午後7時(金曜・土曜日は午後8時まで) |
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: 特別コレクション室・児童図書フロア - 午前9時30分〜午後6時 |
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: 情報コーナー - 午前7時〜午後8時 |
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; 休館日 |
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: 第1水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜翌年1月3日)、蔵書点検期間 |
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2010年11月には「西町南地区の公益施設整備に関する基本構想」が策定され、簡易公募型プロポーザルで[[アール・アイ・エー]](RIA)、[[隈研吾]]建築都市設計事務所、富山市に拠点を置く[[三四五建築研究所|三四五(みよい)建築研究所]]の3社による共同企業体(JV)が設計者に決定した{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。隈は富山市の政策参与でもあり、[[富山市民芸術創造センター]]のダイニング&カフェ「クレオン」の設計なども手掛けている。縦のラインが強調された富山大和の外観は再開発ビルの外観に継承されている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=62}}。富山第一銀行は[[オーダー (建築)|オーダー]]が印象的な建物であり、再開発ビル1階の共用部分入口近くにある石柱に面影を残している<ref name=kitanihon20150520/>。 |
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=== 富山第一銀行本店 === |
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2015年(平成27年)6月8日、旧本店より移転開店。 |
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※詳細は[[富山第一銀行]]を参照 |
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再開発準備組合は2012年(平成24年)2月に西町南地区市街地再開発組合となっている。同年11月には富山大和の解体除去工事が着手され、2013年(平成25年)5月に再開発ビルの起工式が行われた<ref name=kitanihon20150510>「TOYAMAキラリ完成 市街地活性化へ期待 関係者19年の歩みに万感」北日本新聞 2015年5月10日</ref>。同時期には[[北陸新幹線]]の長野駅=金沢駅間延伸工事が行われており、労働市場の需給逼迫が予想されたため、遠方の名古屋や大阪からも労働力の調達を模索している<ref name=kensetsutsushin20150508>「富山市西町南地区再開発 TOYAMAキラリ 響きあい、一体化する場所」建設通信新聞, 2015年5月8日</ref>。延べ労働人員は8万人、延べ労働時間は64万時間であり、施行者の[[清水建設]]・[[佐藤工業]]JVは富山市に引き渡すまで無災害を貫いた<ref name=kensetsutsushin20150508/>。2014年(平成26年)10月に再開発ビルの愛称が「TOYAMAキラリ」に決定、TOYAMAキラリは2015年(平成27年)5月9日に竣工した<ref name=kitanihon20150510/>。総事業費は182億7900万円、総工費は130億3700万円{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}。 |
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* 1階 - 本店店舗 |
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* 7階〜10階 - 銀行事務フロア・ホール |
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* B1階 - 駐車場 41台(来店者用。ガラス美術館、図書館来館者の利用は不可) |
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富山県では1960年代から1970年代に建設された公共図書館が老朽化し、2000年代には移転や改築の動きが活発化した<ref name=kitanihon20150103>「知の殿堂から 県内 変わる図書館」北日本新聞, 2015年1月3日</ref>。2014年11月には[[朝日町図書館]]([[下新川郡]][[朝日町 (富山県)|朝日町]])が新館に移転し、12月には[[富山大学]]医薬学図書館が増改築し、2015年3月には[[滑川市立図書館|滑川市立子ども図書館]]([[滑川市]])が開館し、5月には[[高岡市立図書館|高岡市立伏木図書館]]([[高岡市]])が新館に移転している<ref name=kitanihon20150103/>。8月のTOYAMAキラリ全面開館以後にも、[[砺波市]]・[[小矢部市]]・[[黒部市]]の各市で新図書館の整備計画が進行している<ref name=kitanihon20150103/>。 |
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== 周辺施設 == |
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* [[総曲輪|総曲輪通り商店街]] |
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* [[総曲輪フェリオ]]([[大和 (百貨店)#富山大和|大和]]富山店) |
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* [[グランドプラザ]] |
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* [[中央通り (富山市)|中央通りさんぽーろ商店街]] |
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* [[てるてる亭]](演芸ホール・[[寄席]]) |
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* [[北陸銀行]]本店 |
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* ギャルリ・ミレー(北陸銀行が所有する[[ジャン=フランソワ・ミレー|JFミレー]]と[[バルビゾン派]]の絵画作品を中心とする[[美術館]]) |
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* [[ピアゴ]]富山西町店 |
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富山第一銀行の旧本店は2階部分がホールに改修され、1階部分は法人向けのビジネスプラザ支店に改称した<ref name=kitanihon20150520/>。ガラス美術館の開館にあたって、富山第一銀行はガラス作品と展示ケースの購入費用として1,000万円を富山市に寄付している<ref name=kinyukeizai20150831>「富山第一銀行 図書館のスポンサーに 雑誌の年間購読費を提供」金融経済新聞, 2015年8月31日</ref>。さらに富山第一銀行は図書館の雑誌スポンサーにもなっており、建物1階の情報コーナーに設置される雑誌12タイトル分の年間購読費用12万円を負担している<ref name=kinyukeizai20150831/>。 |
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== アクセス == |
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* [[富山地方鉄道]][[富山地方鉄道富山市内軌道線|市内軌道線]] [[西町停留場]]本線下車 徒歩1分 |
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* 富山地方鉄道市内軌道線富山都心線(環状線) [[グランドプラザ前停留場]]下車 徒歩2分 |
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* JR[[富山駅]]より富山地方鉄道バス 西町バス停下車 徒歩1分 |
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=== 開館後 === |
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[[File:TOYAMA KIRARI exterior in the morning ac (1).jpg|thumb|left|1階の富山第一銀行本店]] |
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西町近辺にある富山市立ガラス美術館、富山市立図書館、ギャルリ・ミレー等を含む、富山市市街地の[[美術館]]・[[博物館]]・観光施設などを巡る周遊バス「[[ぐるっとBUS]]」が、1時間間隔で、1日計6便毎日運行(富山駅〔南口〕前始発)されている。運賃は大人200円、小人100円(1乗車〔区間〕ごと)である。また[[富山地方鉄道富山市内軌道線|市内軌道線]](市内電車)と、ぐるっとBUSが1日乗り放題の1日フリー乗車券(大人700円、小人350円)も販売されており、富山市内の美術館、博物館、観光スポット巡りを楽しむ事ができる。これまでの「[[富山ミュージアムバス]]」に代わるものである。 |
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2015年6月8日には1階部分の富山第一銀行本店が先行開業し、8月22日には2階以上の富山市立図書館と富山ガラス美術館が開館した<ref name=kitanihon20150430>「にぎわいの核 続々と TOYAMAキラリ」北日本新聞, 2015年4月30日</ref>。1階の総合カウンター前には、旧富山大和ビルの基礎部分に使用されていた木材を再利用した案内板が設置されている<ref name=toyama20150922>「街を歩くと 富山市ガラス美術館、市立図書館 人呼ぶ街の重心 きょう開館1カ月 来館者10万人突破」富山新聞, 2015年9月22日</ref>。桜橋電車通りを挟んでTOYAMAキラリに近接する[[野村證券]]富山支店は、TOYAMAキラリの開館に合わせて屋上にあった大型赤色看板を撤去<ref name=kitanihon20150814>「野村證券が看板撤去へ 景観に配慮」北日本新聞, 2015年8月4日</ref>。TOYAMAキラリが生み出す都市景観に配慮したものである<ref name=kitanihon20150814/>。 |
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開館後の1週間には施設全体で1日平均4,480人が来館し、富山市立図書館旧館の1日平均650人(2014年度)を大きく上回った<ref name=kitanihon20150830>「『TOYAMAキラリ』全館オープン1週間 上々1日4480人来館」北日本新聞, 2015年8月30日</ref>。開館後20日間では1日平均3,721人の計74,434人が訪れ、好調な滑り出しを見せた<ref name=kitanihon20150920>「TOYAMAキラリ1カ月 滑り出し好調 集客力の波及に期待」北日本新聞, 2015年9月20日</ref>。開館から2か月で建物への入館者は184,200人にのぼった{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}。2015年10月10日・11日には「アメイジングナイト -ときめきときらめきと-」の一環として、建物外壁に[[プロジェクションマッピング]]が施された<ref>[http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201509073333/ 富山市 環状線沿線夜間景観ライトアップ 「アメイジングナイト -ときめきときらめきと-」を開催します。] 共同通信PRW, 2015年9月11日</ref>。ガラス美術館の来場者数は想定の倍以上であり、開館から2か月で来場者数が5万人に達し、開館から5か月後の2016年(平成28年)1月29日には10万人に達した<ref name=asahi20160130>「開館5カ月、来場10万人 富山市ガラス美術館、想定の倍の早さ」朝日新聞, 2016年1月30日</ref>。開館から半年間の総入館者数は41万人<ref name=kitanihon20160222>「TOYAMAキラリ 半年で41万人 にぎわい街へ波及」北日本新聞, 2016年2月22日</ref>。2016年7月27日までの約11か月で、TOYAMAキラリ全体の来館者数は1日平均約2,100人の686,902人を記録。旧館の3倍以上となった<ref name=kitanihon20160730>「『TOYAMAキラリ』来館者 旧図書館の3倍 68万6902人」北日本新聞, 2016年7月30日</ref>。 |
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TOYAMAキラリの開館5か月前の2015年3月には、北陸新幹線が富山を経由して金沢まで延伸開業している。新幹線の延伸効果は富山市の中心市街地に波及し、2016年度には西町交差点から一番町交差点までの全7地点で路線価が前年より上昇した<ref name=toyama20160702>「路線価公表 新幹線効果 中心部に波及 富山市でマンション、再開発ビル 活発な投資『需要まだ続く』」富山新聞, 2016年7月2日</ref>。TOYAMAキラリの建物前の路線価は前年比10,000円/1m<sup>2</sup>増の185,000円/1m<sup>2</sup>だった<ref name=toyama20160702/>。 |
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== 建築 == |
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=== 外部 === |
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[[File:TOYAMA KIRARI exterior in the morning ac (2).jpg|thumb|left|3種類の素材が用いられたパネル]] |
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平面形状は東西方向に68.87m、南北方向に47.1mであり、高さは57.21mである{{sfn|建築技術|2016-03|p=38}}。敷地面積は4,144m<sup>2</sup>、建築面積は3,422m<sup>2</sup>であり、延床面積は26,792m<sup>2</sup>。1階の階高は6.0m、2階-6階の階高は5.8m、7-8階の階高は4.6mである{{sfn|建築技術|2016-03|p=38}}。 |
|||
[[富山県道22号富山停車場線|桜橋電車通り]]や平和通りに面する北側・東側のファサードには[[立山連峰]]の峰々の山肌が表現されている。幅100mを超えるファサードを1.6mごとに分割し、それぞれのグリッドをさらに5:5、4:6、3:7、2:8の比率で分割{{sfn|建築技術|2016-03|p=36}}、縦に細長いパネル約1,000枚がランダムに並べられている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=61}}。パネルの素材には[[アルミニウム|アルミ]]、[[ガラス]]、白[[御影石]]の3種類が用いられているが、アルミとガラスは富山県の主要産業であり、白御影石は富山第一銀行旧本店の外壁にも使用されていた素材である{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=13}}。これらのパネルは角度に変化を付けて配置されており、時間や天候によって光の反射の仕方が変化する{{sfn|建築技術|2016-03|p=26}}{{sfn|新建築|2016-03|pp=82-83}}。 |
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[[File:TOYAMA KIRARI exterior southe face ac (1).jpg|thumb|170px|南側外壁]] |
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富山第一銀行本店が入る北東面は白御影石を多く配置し、開口率を下げている{{sfn|建築技術|2016-03|p=24}}。2階から5階は日射や紫外線の抑制が求められる図書館の開架室の割合が多いため、全体の7割が壁面となっている{{sfn|建築技術|2016-03|p=36}}。6階から9階は採光や眺望が求められるオフィス部分の割合が多いため、全体の7割が開口部となっている{{sfn|建築技術|2016-03|p=36}}。富山市は冬季に積雪の多い地域であるため、上層階ほど凸型を多くして雪だまりとなる部分を減らしている{{sfn|建築技術|2016-03|p=36}}。 |
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大通りに面しない建物の南側外壁には、[[緑のカーテン|壁面緑化]]システムと[[太陽光発電]]システムが設置されている。[[ソーラーパネル]]がランダムに配置され、植物を植えた保水セラミック基盤がやはりランダムに配置されている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=61}}。壁面緑化には[[小松精練]]による土を用いない屋外緑化システム「グリーンビズ」が用いられている{{sfn|日経アーキテクチュア|2016-06-23}}。これは緑化部分が厚くなりがちな屋上緑化システムを刷新したシステムであり{{sfn|日経アーキテクチュア|2016-06-23}}、北陸地方特有の強い雨風による土の散乱が起こらないことで維持管理を容易にしている{{sfn|近代建築|2015-12|p=73}}。南面の上部はセットバックが施されており、生活動線に対して圧迫感を軽減させている{{sfn|近代建築|2015-12|p=73}}。 |
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=== 内部 === |
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[[File:Toyama Kirari internal.jpg|thumb|left|2階から吹き抜けを通して見た上階]] |
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基本設計ではフロアごとに図書館とガラス美術館を分けた従来型の複合施設が想定されていたが、実施設計では吹き抜けの北側を図書館、南側をガラス美術館として1フロアに両施設を同居させる構成となった{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=62}}。建物に使用された富山県産木材は計10,000メートルに達し{{sfn|建築技術|2016-03|p=26}}、そのすべてが薬剤によって不燃処理が施されている{{sfn|建築技術|2016-03|p=35}}。2階から6階までは「スパイラルボイド」と呼ばれる斜めの吹き抜け空間が連なっており、6階の天窓から光が斜めに差し込んでいる{{sfn|近代建築|2015-12|p=72}}。 |
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さまざまな角度で直立させられたスギ材の[[ルーバー]]が吹き抜け部分を取り囲んでおり、これらのルーバーは雄大な立山連峰を想起させている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=60}}。吹き抜けは実施設計の段階で新たに設けられたものであり、斜めに置かれたルーバーで空間の流れが強調された{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=62}}。柱のない吹き抜けと長期荷重や地震への抵抗を両立させるために、吹き抜けまわりには斜め梁や片持ち梁が取り入れられている{{sfn|建築技術|2016-03|p=39}}。場所によって2層または3層が重なる吹き抜けとなるため、3階-6階の床は5階-10階に配されたフィーレンディール構造で支持されている{{sfn|建築技術|2016-03|p=44}}。 |
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斜めの吹き抜けの存在によって防火防煙シャッターを設けることが難しいため、全館の避難安全検証を行って防災に関する規定の適用除外とすることで、[[建築基準法]]に定められた一部の排煙設備を不要としている{{sfn|建築技術|2016-03|p=42}}。吹き抜け空間は最大で高さ18mに達するため、天井だけでなく吹き抜けの壁面にも放水型[[スプリンクラー]]が設置されている{{sfn|建築技術|2016-03|p=42}}。TOYAMAキラリのように木材を多用した斜めの吹き抜け空間を有する建物の避難安全検証は過去に例がなかった{{sfn|建築技術|2016-03|p=42}}。 |
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ルーバー同士の間隔を広く取ることで吹き抜けの向こう側を見渡せ、節・木目・ゆがみなどを残すことで「木材らしさ」を強調している{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}。フロアを繋いでいるスギ材のルーバーは、図書館にとっては光や視線を和らげるカーテンの役割を果たし、直射日光を避けたいガラス美術館にとっては遮光スクリーンの役割を果たしている{{sfn|建築技術|2016-03|p=26}}。隈は公共建築にありがちな「見えない部分」を極力排除することに務め、あえて荒くしたルーバー天井から天井内部の下地・断熱材・設備機器などを見せている{{sfn|建築技術|2016-03|p=26}}。 |
|||
隈研吾建築都市設計事務所は建物の設計のみならず、館内の什器・サイン・ファブリックなども担当した{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}<ref>[http://top.tsite.jp/lifestyle/interior/i/26908464/ 新国立競技場再コンペで話題の隈研吾と伊東豊雄。彼らが手掛けた図書館とは?] T-SITE, 2015年12月23日</ref>。鉄パイプを曲げたサインはオリジナルの書体である{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}。各フロアを貫いている鉄骨柱は、存在感をなくすために表面が鏡面仕立てとなっている{{sfn|建築技術|2016-03|p=31}}。内装にはアクセントとして富山県産のガラスや和紙を使用している{{sfn|建築技術|2016-03|p=26}}。 |
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<gallery> |
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File:Toyama kirari night appearance.jpg|夜間の建物外観とセントラム |
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File:TOYAMA KIRARI void ac (2).jpg|6階から吹き抜けを通して見た下階 |
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File:TOYAMA KIRARI 4F ac (6).jpg|天井のルーバーや吹き抜けのスギ材 |
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File:TOYAMA KIRARI 5F ac (1).jpg|鏡面仕立ての鉄骨柱 |
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File:TOYAMA KIRARI signs ac (4).jpg|オリジナルのフォントを用いたサイン |
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</gallery> |
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== 特色 == |
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{|class="wikitable" style="float:right; font-size:smaller" |
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! colspan=4| TOYAMAキラリのフロアマップ{{sfn|再開発コーディネーター|2015|p=12}} |
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|- |
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! フロア !! colspan=3| 用途 |
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|- |
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| style="text-align:right" | 10階 || rowspan=2 colspan=3| 富山第一銀行ホール |
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|- |
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| style="text-align:right" | 9階 |
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|- |
|||
| style="text-align:right" | 8階 || rowspan=2 colspan=3| 富山第一銀行本店業務執行部門 |
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|- |
|||
| style="text-align:right" | 7階 |
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|- |
|||
| style="text-align:right" | 6階 || rowspan=4| [[富山市立図書館]]本館 || rowspan=5| 吹き<br>抜け || rowspan=5| [[富山市ガラス美術館]] |
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|- |
|||
| style="text-align:right" | 5階 |
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|- |
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| style="text-align:right" | 4階 |
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|- |
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| style="text-align:right" | 3階 |
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|- |
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| style="text-align:right" | 2階 || ミュージアムショップ、カフェ |
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|- |
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| style="text-align:right" | 1階 || colspan=3| 共用エントランス、[[富山第一銀行]]本店営業部門 |
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|- |
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| style="text-align:right" | 地下1階 || colspan=3| 銀行専用駐車場 |
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|} |
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=== 施設全体の特色 === |
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[[File:TOYAMA KIRARI cafe space ac.jpg|thumb|left|2階のカフェスペース]] |
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地下1階・1階・2階は共有スペースである。1階には[[富山市立図書館]]や[[富山市ガラス美術館]]の利用者向けのエントランスホールがあり、建物の北西側には[[富山第一銀行]]本店営業部門が、さらにテナントとして西側に歯科医院が入っている。2階にはミュージアムショップのほかに、カフェスペースには和風カフェ・[[不室屋|FUMUROYA CAFE]]が入っており、中央部はミニコンサートが開催できるロビーとなっている。また2つの会議室がある。 |
|||
2階から6階の南側部分は富山市ガラス美術館が、3階から6階の北側部分は富山市立図書館本館が占めており、中央部は開口部が斜めに開いた吹き抜けとなっている。7階と8階は富山第一銀行の本店業務執行部門が入っており、9階と10階は富山第一銀行ホールとなっている。施設全体に[[Wi-Fi]]環境が導入されている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}。 |
|||
公共交通機関では、[[富山地方鉄道]][[富山地方鉄道富山市内軌道線|市内電車]][[グランドプラザ前停留場]]または[[西町停留場]]から徒歩1分{{sfn|富山市立図書館リーフレット}}。[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]・[[あいの風とやま鉄道]][[富山駅]]から徒歩20分{{sfn|富山市立図書館リーフレット}}。[[富山地方鉄道|富山地鉄バス]]「西町」バス停より徒歩1分{{sfn|富山市立図書館リーフレット}}。駐車場は富山第一銀行の来店者用しかないため、富山市は図書館やガラス美術館の利用者に対して、[[公共交通機関]]の利用や近隣の民間駐車場の利用を呼び掛けている。自転車用駐輪場はあるが、自動二輪車は駐輪場を利用できない{{sfn|富山市立図書館リーフレット}}。 |
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{{-}} |
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=== 図書館の特色 === |
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{{seealso|富山市立図書館}} |
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[[File:TOYAMA KIRARI 4F ac (9).jpg|thumb|left|4階の書架]] |
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TOYAMAキラリの3階から6階に[[富山市立図書館]]本館が入っている。3階は児童図書フロア、4階は一般図書フロア、5階は参考図書フロア、6階は書庫と事務室である<ref name=pan>「富山市立図書館本館 TOYAMA CITY LIBRARY」富山市立図書館公式パンフレット</ref>。図書館の蔵書は貸出手続きを行う前に2階のカフェに持ち込んで読むこともできる<ref name=asahi20150821/>。児童図書フロアの3階と一般図書フロアの5階のそれぞれにレファレンスカウンターを持つ<ref name=kitanihon20150731>「来月22日開館 富山市立図書館 開放空間 自然光あふれ」北日本新聞, 2015年7月31日</ref>。このほかに、1階には情報コーナーや[[移動図書館]]書庫があり、3階-6階の開館時間より早い午前7時から新聞や雑誌を閲覧できる<ref name=pan/>。2階には図書館全館への配本作業を行う部屋を持つ<ref name=pan/>。 |
|||
開館時間は3階が午前9時30分から午後6時、4階・5階が午前9時30分から午後7時、新聞や雑誌を閲覧できる1階の情報コーナーは午前7時から午後8時までであり、金曜と土曜には4階・5階の開館時間が午後8時まで延長される<ref name=asahi20150821/>。3階から6階の図書館フロアは午前9時30分開館だが、1階の情報コーナーだけは午前7時から開館している<ref name=kitanihon20150804>「富山市立図書館 1階に新聞・雑誌コーナー」北日本新聞, 2015年8月4日</ref>。カウンター前には予約図書受取室や自動図書貸出機・自動返却ブックポストが設置されたが、これらは富山県の公共図書館として初めての導入事例である<ref name=mainichi20150821>「富山のガラス文化発信 市立美術館と図書館、あす開館 記念展、11月8日まで開催」毎日新聞, 2015年8月21日</ref>。 |
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図書館とガラス美術館が同居することから、図書館では2015年8月の開館時にガラス工芸の入門書・専門書・作品集など数百冊をそろえている<ref name=kitanihon20150214>「図書館へ行こう6 ガラス工芸 親しんで」北日本新聞, 2015年2月14日</ref>。2016年6月1日には視聴覚資料の貸出を停止し、視聴覚サービスを館内視聴のみに縮小した<ref>[http://current.ndl.go.jp/node/31402 富山市立図書館(富山県)、視聴覚資料貸出サービス終了について発表] カレント・アウェアネス, 2016年4月21日</ref>。6月11日には富山市内に[[リードケミカル]]が運営する[[森記念秋水美術館]](私立)が開館したため、[[日本刀]]の資料や[[細川護熙]]の著書を集めた特集展示を行った<ref>[https://www.library.toyama.toyama.jp/shinkan_backnumber/2016 ミニ展示 日本刀鑑賞術] 富山市立図書館公式ブログ, 2016年6月28日</ref>。 |
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[[File:TOYAMA KIRARI 5F ac (2).jpg|thumb|5階のカウンターと観光資料コーナー(左)]] |
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; 3階 : 児童図書フロア |
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: 児童図書フロアは約3万冊の開架を持ち<ref name=kitanihon20151101/>、絵本・物語・学習本・紙芝居などの児童図書が置かれている<ref name=toyamakeizai>[http://toyama.keizai.biz/headline/34/ 富山市立図書館が「TOYAMAキラリ」内に移転] 富山経済新聞, 2015年8月25日</ref>。交流ルームやセミナールーム、読書相談カウンター、旧館にはなかった授乳室や幼児用トイレなどが設置されている<ref name=pan/><ref name=kitanihon20151101>「快適な居場所に進化 気軽に育児相談も」北日本新聞, 2015年11月1日</ref>。 |
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; 4階 : 一般図書フロア |
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: 小説や随筆、実用書などを揃えており、富山市の観光資料なども収集している<ref name=toyamakeizai/>。予約図書受取室、図書企画展示スペース、吹き抜けに面した電源付きの持込パソコン専用席11席{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-11-10|p=63}}<ref name=kitanihon20150731/>などが設置されている<ref name=pan/>。 |
|||
; 5階 : 参考図書フロア |
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: 辞典や統計などの参考図書、郷土資料や郷土の地図などを揃えている<ref name=toyamakeizai/>。さらには雑誌コーナー、新聞コーナー、視聴覚・情報検索コーナー、データベースコーナー、特別コレクション室、多目的ルームなどが設置されている<ref name=pan/>。雑誌コーナーは地方の書店では入手困難なものも含めて約500タイトルがあり、2015年7月の開館時には304タイトルに雑誌スポンサーがついた<ref name=kitanihon20150804/>。雑誌のタイトル数は旧館の約100タイトルから大幅に増加している<ref name=asahi20150821>「本・アート…文化キラリ 富山市立図書館本館・市ガラス美術館あす開館」朝日新聞, 2015年8月21日</ref>。 |
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; 6階 : 書庫 |
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: 約28万冊を収容可能な電動式集密書庫を主とし、廃棄資料保管庫や小荷物昇降機を併設している<ref name=pan/>。 |
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=== ガラス美術館の特色 === |
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{{main|富山市ガラス美術館}} |
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[[File:TOYAMA KIRARI Toyama Glass Art Museum ac (3).jpg|thumb|left|鑑賞無料のグラス・アート・パサージュ]] |
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[[File:TOYAMA KIRARI museum shop ac.jpg|thumb|2階のミュージアムショップ]] |
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TOYAMAキラリの2階から6階の南側に[[富山市ガラス美術館]]が入っており、2階にはカフェに隣接してミュージアムショップが設置されている<ref name=asahi20150821/>。2階と3階の展示室では企画展が、4階と6階の展示室では常設展が行われる<ref name=asahi20150821/>。常設展・企画展とも一般と大学生は入場料が必要だが、高校生以下と70歳以上の富山市民は入場無料となっている<ref name=asahi20150821/>。企画展では1950年代以降の現代ガラス工芸作品を中心に紹介している<ref name=gaiyo>[http://toyama-glass-art-museum.jp/about/outline/ 施設概要] 富山市ガラス美術館</ref>。 |
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展示室の外側には富山県に縁のあるガラス造形作家の作品を集めたグラス・アート・パサージュがあり<ref name=jtown>[http://j-town.net/tokyo/news/localnews/211022.html?p=all 出かけた人から絶賛相次ぐ! 隈研吾さん設計「TOYAMAキラリ」の富山市ガラス美術館が凄い] Jタウンネット, 2015年8月27日</ref>、無料で鑑賞することができる<ref>[http://www.city.toyama.toyama.jp/etc/pr/mag/150805/pages/1.html TOYAMAキラリ ガラス美術館、図書館本館 8月22日(土)オープン!] 広報とやま</ref>。6階のグラス・アート・ガーデンにはアメリカの現代ガラス美術作家の巨匠[[デイル・チフーリ]]の[[インスタレーション]](空間美術)5作品が常設展示されている<ref>[http://www.japandesign.ne.jp/editors/toyama-glass/ TOYAMA キラリ 富山市ガラス美術館、圧倒のガラス作品と隈研吾の建築] JDN, 2015年10月6日</ref>。これらの作品は富山市がチフーリ・スタジオに製作依頼したものであり、うち3作品はチフーリ本人並びにスタッフが日本を訪れて手掛けている。 |
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{{-}} |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{ |
{{reflist|2}} |
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{{reflist}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* {{cite journal |
|||
*『富山市ガラス美術館[[リーフレット]]([[パンフレット]])』(富山市ガラス美術館)発行 |
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|last=向井 |first=優 |
|||
*『富山市立図書館[[リーフレット]]([[パンフレット]])』(富山市立図書館)発行 |
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|title=市民が集い、憩える文化・情報交流拠点 TOYAMAキラリ 西町南地区第一種市街地再開発事業 |
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|journal=再開発コーディネーター |
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== 関連項目 == |
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|publisher= |
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* [[富山市立図書館]] |
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|volume= |
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* [[富山市ガラス美術館]] |
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|issue=178 |
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* [[デイル・チフーリ]] |
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|year=2015 |
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* [[隈研吾]] |
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|ref={{sfnref|再開発コーディネーター|2015}} |
|||
* [[富山第一銀行]] |
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}} |
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* [[大和 (百貨店)]] |
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* {{cite journal |
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* [[不室屋]] |
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|author= |
|||
|title=TOYAMAキラリ 富山市西町南地区第一種市街地再開発事業施設建築物等: 富山県富山市 |
|||
|journal=[[近代建築]] |
|||
|publisher=近代建築社 |
|||
|volume=69 |
|||
|issue=12 |
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|year=2015-12 |
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|ref={{sfnref|近代建築|2015-12}} |
|||
}} |
|||
* {{cite journal |
|||
|author= |
|||
|title=architectural design TOYAMAキラリ |
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|journal=[[建築技術]] |
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|publisher=建築技術 |
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|volume=794 |
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|issue= |
|||
|year=2016-03 |
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|ref={{sfnref|建築技術|2016-03}} |
|||
}} |
|||
* {{cite journal |
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|author= |
|||
|title=TOYAMAキラリ : 設計RIA・隈研吾・三四五設計共同体 |
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|journal=[[新建築]] |
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|publisher=[[新建築社]] |
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|volume=91 |
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|issue=6 |
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|year=2016-03 |
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|ref={{sfnref|新建築|2016-03}} |
|||
}} |
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* {{cite journal |
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|author= |
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|title=TOYAMAキラリ(富山市): 斜めの吹き抜けで 5層の回遊性促す |
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|journal=日経アーキテクチュア |
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|publisher=[[日経BP|日経BP社]] |
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|issue=1059 |
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|year=2015-11-10 |
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|ref={{sfnref|日経アーキテクチュア|2015-11-10}} |
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}} |
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* {{cite journal |
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|author= |
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|title=隈研吾氏が着目する建材 繊維材料を線と面で使い分け 新国立はCLTのほかフェイク材も |
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|journal=日経アーキテクチュア |
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|publisher=日経BP社 |
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|issue=1074 |
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|year=2016-06-23 |
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|ref={{sfnref|日経アーキテクチュア|2016-06-23}} |
|||
}} |
|||
* {{cite journal |
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|author=岡本 |first=真 |
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|authorlink=岡本真 |
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|title=富山市立図書館リニューアルオープン! 究極のエンターテインメントとしての図書館へ |
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|journal=ライブラリー・リソース・ガイド 別冊 |
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|publisher=アカデミック・リソース・ガイド |
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|issue=1 |
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|year=2015 |
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|ref={{sfnref|岡本|2015}} |
|||
}} |
|||
* {{cite book |
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|author= |
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|title=富山市ガラス美術館リーフレット |
|||
|publisher=富山市ガラス美術館 |
|||
|year= |
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|ref={{sfnref|富山市ガラス美術館リーフレット}} |
|||
}} |
|||
* {{cite book |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.toyama-glass-art-museum.jp/top.html 富山市ガラス美術館] |
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2016年9月16日 (金) 09:30時点における版
TOYAMAキラリ | |
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情報 | |
用途 | 図書館・美術館・銀行・店舗 |
設計者 | アール・アイ・エー(RIA)、隈研吾建築都市設計事務所、三四五建築研究所共同企業体(JV)[1] |
構造設計者 | 清水建設[1] |
設備設計者 | 建築設備設計研究所[1] |
施工 | 清水建設・佐藤工業JV[1] |
事業主体 | 西町南地区市街地再開発組合[1] |
管理運営 | TOYAMAキラリ管理協議会[1] |
構造形式 | 鉄骨造 [1] |
敷地面積 | 4,414.67 m² [1] |
建築面積 | 3,422.97 m² [1] |
延床面積 | 26,792.82 m² [1] |
階数 | 地下1階・地上10階[1] |
高さ | 57.21m[1] |
着工 | 2013年5月 |
竣工 | 2015年5月9日 |
開館開所 |
2015年6月8日(富山第一銀行本店) 2015年8月22日(富山市立図書館本館・富山市ガラス美術館) |
所在地 |
〒930-0062 富山県富山市西町5番1号[1] |
座標 | 北緯36度41分18.9秒 東経137度12分53.1秒 / 北緯36.688583度 東経137.214750度座標: 北緯36度41分18.9秒 東経137度12分53.1秒 / 北緯36.688583度 東経137.214750度 |
TOYAMAキラリ(とやまキラリ)は、富山県富山市西町にある複合施設。富山市立図書館本館、富山市ガラス美術館、富山第一銀行本店などが入居する[2]。2015年(平成27年)8月22日に全館オープンした。
アール・アイ・エー(RIA)、隈研吾建築都市設計事務所、三四五建築研究所の3社による共同企業体(JV)が設計を担当し、西町南地区第一種市街地再開発事業の一環として建設された[3]。1階は共用エントランスと富山第一銀行本店営業部門、2階から6階は富山市立図書館と富山市ガラス美術館、7階と8階は富山第一銀行本店業務執行部門、9階と10階は富山第一銀行ホールである[3]。3種類のパネル約1,000枚が並べられた外壁や、2階から6階まで斜めに開いた吹き抜け空間が特徴である[4]。日本で初めて図書館と銀行本店が同居する建物である[5]。
歴史
背景
富山市の中心市街地である総曲輪(そうがわ)は富山駅から南に約1.5kmの距離にあり、飛騨街道の起点として江戸時代から交通の要衝であった地区である[6]。百貨店の宮市大丸(現・大和)は1932年(昭和7年)にこの地区に進出し[7]、宮市大丸は1943年(昭和18年)に丸越と合併して大和に改称した。
太平洋戦争末期の1945年7月には富山大空襲が行われ、富山城址公園の東南角を中心とした半径約1.2kmにある建物はほぼすべてが焼失[8]。空襲による焼失を免れたのは、富山大和、富山県庁舎、富山県立神通中学校(現・富山県立富山中部高校)などわずかな建物のみだった[8]。
戦後の富山大和は周囲の土地を吸収しながら、1965年(昭和40年)・1973年(昭和48年)などに増築を行っている。歴史の古さや度重なる増築などが理由で、富山大和が建つ場所の土地建物権利関係は複雑な状況にあった[7]。1996年(平成8年)には建物の老朽化を理由に富山大和が移転を検討し始め、跡地の再開発計画が浮上した[3]。一方で、総曲輪2丁目にある富山第一銀行本店も建物の老朽化により移転を模索していた。富山第一銀行本店は1951年(昭和26年)竣工の古典主義建築であり、東京・丸の内の第一銀行本店を模して建設されている。
富山地鉄富山軌道線本線(1系統と環状線)が走る桜橋電車通りは、富山軌道線富山都心線(環状線)が走る平和通りと西町交差点で交差する[3]。富山大和は西町交差点の南西角にあった[3]。西町交差点は「富山市の銀座四丁目(交差点)」とも呼ばれ[9]、富山市ガラス美術館によると「交差点を渡ると肩が触れ合うほどにぎわった」という[3]。富山大和は富山市民に広く愛され、東京・銀座における服部時計店と比較されるほどである[10]。富山大和の屋上遊園地は富山で暮らす多くの中高年の記憶に残っている[11]。富山大和の跡地は森雅志富山市長が「富山市民だけでなく富山県民全体にとっても、街の重心」と語る場所である[12]。
再開発計画
2001年(平成13年)に富山大和が西町南地区からの移転を正式に表明すると、2003年(平成15年)には地権者らによって再開発協議会が設立され、2006年(平成18年)には市街地再開発準備組合に移行した[7]。2007年(平成19年)2月8日には、青森市とともに富山市の中心市街地活性化基本計画が国の第1号認定を受け[3]、富山市は全国に先駆けてコンパクトシティを目指した取り組みを開始している[6]。
2007年9月に富山大和が近隣(総曲輪通り南地区)の再開発ビル・総曲輪フェリオに移転すると、再開発準備組合は商業施設・公共施設・マンションを組み合わせた地下1階・地上18階の高層ビルを建設する計画を立て、富山市立図書館本館や富山第一銀行本店に対して入居を打診した[13]。富山市立図書館本館は1970年(昭和45年)に丸の内の富山城址公園に開館したが、2006年(平成18年)には外壁に張られていた大理石の化粧板が落下する事故が起きるなど、老朽化が進行していた。
富山市が富山市立図書館本館の移転を拒否すると、再開発準備組合は富山市が新設する予定の富山市ガラス美術館に入居を打診した[13]。2010年(平成22年)1月には富山市が方針を転換し、富山大和の跡地に富山市立図書館本館と富山市ガラス美術館を設置する方針を固めた[13]。富山第一銀行は2015年の創立70周年記念事業の一環として再開発ビルへの移転に取り組んだ[14]。
2010年11月には「西町南地区の公益施設整備に関する基本構想」が策定され、簡易公募型プロポーザルでアール・アイ・エー(RIA)、隈研吾建築都市設計事務所、富山市に拠点を置く三四五(みよい)建築研究所の3社による共同企業体(JV)が設計者に決定した[3]。隈は富山市の政策参与でもあり、富山市民芸術創造センターのダイニング&カフェ「クレオン」の設計なども手掛けている。縦のラインが強調された富山大和の外観は再開発ビルの外観に継承されている[12]。富山第一銀行はオーダーが印象的な建物であり、再開発ビル1階の共用部分入口近くにある石柱に面影を残している[14]。
再開発準備組合は2012年(平成24年)2月に西町南地区市街地再開発組合となっている。同年11月には富山大和の解体除去工事が着手され、2013年(平成25年)5月に再開発ビルの起工式が行われた[15]。同時期には北陸新幹線の長野駅=金沢駅間延伸工事が行われており、労働市場の需給逼迫が予想されたため、遠方の名古屋や大阪からも労働力の調達を模索している[16]。延べ労働人員は8万人、延べ労働時間は64万時間であり、施行者の清水建設・佐藤工業JVは富山市に引き渡すまで無災害を貫いた[16]。2014年(平成26年)10月に再開発ビルの愛称が「TOYAMAキラリ」に決定、TOYAMAキラリは2015年(平成27年)5月9日に竣工した[15]。総事業費は182億7900万円、総工費は130億3700万円[1]。
富山県では1960年代から1970年代に建設された公共図書館が老朽化し、2000年代には移転や改築の動きが活発化した[17]。2014年11月には朝日町図書館(下新川郡朝日町)が新館に移転し、12月には富山大学医薬学図書館が増改築し、2015年3月には滑川市立子ども図書館(滑川市)が開館し、5月には高岡市立伏木図書館(高岡市)が新館に移転している[17]。8月のTOYAMAキラリ全面開館以後にも、砺波市・小矢部市・黒部市の各市で新図書館の整備計画が進行している[17]。
富山第一銀行の旧本店は2階部分がホールに改修され、1階部分は法人向けのビジネスプラザ支店に改称した[14]。ガラス美術館の開館にあたって、富山第一銀行はガラス作品と展示ケースの購入費用として1,000万円を富山市に寄付している[5]。さらに富山第一銀行は図書館の雑誌スポンサーにもなっており、建物1階の情報コーナーに設置される雑誌12タイトル分の年間購読費用12万円を負担している[5]。
開館後
2015年6月8日には1階部分の富山第一銀行本店が先行開業し、8月22日には2階以上の富山市立図書館と富山ガラス美術館が開館した[18]。1階の総合カウンター前には、旧富山大和ビルの基礎部分に使用されていた木材を再利用した案内板が設置されている[19]。桜橋電車通りを挟んでTOYAMAキラリに近接する野村證券富山支店は、TOYAMAキラリの開館に合わせて屋上にあった大型赤色看板を撤去[20]。TOYAMAキラリが生み出す都市景観に配慮したものである[20]。
開館後の1週間には施設全体で1日平均4,480人が来館し、富山市立図書館旧館の1日平均650人(2014年度)を大きく上回った[21]。開館後20日間では1日平均3,721人の計74,434人が訪れ、好調な滑り出しを見せた[22]。開館から2か月で建物への入館者は184,200人にのぼった[1]。2015年10月10日・11日には「アメイジングナイト -ときめきときらめきと-」の一環として、建物外壁にプロジェクションマッピングが施された[23]。ガラス美術館の来場者数は想定の倍以上であり、開館から2か月で来場者数が5万人に達し、開館から5か月後の2016年(平成28年)1月29日には10万人に達した[24]。開館から半年間の総入館者数は41万人[25]。2016年7月27日までの約11か月で、TOYAMAキラリ全体の来館者数は1日平均約2,100人の686,902人を記録。旧館の3倍以上となった[26]。
TOYAMAキラリの開館5か月前の2015年3月には、北陸新幹線が富山を経由して金沢まで延伸開業している。新幹線の延伸効果は富山市の中心市街地に波及し、2016年度には西町交差点から一番町交差点までの全7地点で路線価が前年より上昇した[27]。TOYAMAキラリの建物前の路線価は前年比10,000円/1m2増の185,000円/1m2だった[27]。
建築
外部
平面形状は東西方向に68.87m、南北方向に47.1mであり、高さは57.21mである[4]。敷地面積は4,144m2、建築面積は3,422m2であり、延床面積は26,792m2。1階の階高は6.0m、2階-6階の階高は5.8m、7-8階の階高は4.6mである[4]。
桜橋電車通りや平和通りに面する北側・東側のファサードには立山連峰の峰々の山肌が表現されている。幅100mを超えるファサードを1.6mごとに分割し、それぞれのグリッドをさらに5:5、4:6、3:7、2:8の比率で分割[28]、縦に細長いパネル約1,000枚がランダムに並べられている[11]。パネルの素材にはアルミ、ガラス、白御影石の3種類が用いられているが、アルミとガラスは富山県の主要産業であり、白御影石は富山第一銀行旧本店の外壁にも使用されていた素材である[29]。これらのパネルは角度に変化を付けて配置されており、時間や天候によって光の反射の仕方が変化する[30][31]。
富山第一銀行本店が入る北東面は白御影石を多く配置し、開口率を下げている[32]。2階から5階は日射や紫外線の抑制が求められる図書館の開架室の割合が多いため、全体の7割が壁面となっている[28]。6階から9階は採光や眺望が求められるオフィス部分の割合が多いため、全体の7割が開口部となっている[28]。富山市は冬季に積雪の多い地域であるため、上層階ほど凸型を多くして雪だまりとなる部分を減らしている[28]。
大通りに面しない建物の南側外壁には、壁面緑化システムと太陽光発電システムが設置されている。ソーラーパネルがランダムに配置され、植物を植えた保水セラミック基盤がやはりランダムに配置されている[11]。壁面緑化には小松精練による土を用いない屋外緑化システム「グリーンビズ」が用いられている[33]。これは緑化部分が厚くなりがちな屋上緑化システムを刷新したシステムであり[33]、北陸地方特有の強い雨風による土の散乱が起こらないことで維持管理を容易にしている[34]。南面の上部はセットバックが施されており、生活動線に対して圧迫感を軽減させている[34]。
内部
基本設計ではフロアごとに図書館とガラス美術館を分けた従来型の複合施設が想定されていたが、実施設計では吹き抜けの北側を図書館、南側をガラス美術館として1フロアに両施設を同居させる構成となった[12]。建物に使用された富山県産木材は計10,000メートルに達し[30]、そのすべてが薬剤によって不燃処理が施されている[35]。2階から6階までは「スパイラルボイド」と呼ばれる斜めの吹き抜け空間が連なっており、6階の天窓から光が斜めに差し込んでいる[36]。
さまざまな角度で直立させられたスギ材のルーバーが吹き抜け部分を取り囲んでおり、これらのルーバーは雄大な立山連峰を想起させている[3]。吹き抜けは実施設計の段階で新たに設けられたものであり、斜めに置かれたルーバーで空間の流れが強調された[12]。柱のない吹き抜けと長期荷重や地震への抵抗を両立させるために、吹き抜けまわりには斜め梁や片持ち梁が取り入れられている[37]。場所によって2層または3層が重なる吹き抜けとなるため、3階-6階の床は5階-10階に配されたフィーレンディール構造で支持されている[38]。
斜めの吹き抜けの存在によって防火防煙シャッターを設けることが難しいため、全館の避難安全検証を行って防災に関する規定の適用除外とすることで、建築基準法に定められた一部の排煙設備を不要としている[39]。吹き抜け空間は最大で高さ18mに達するため、天井だけでなく吹き抜けの壁面にも放水型スプリンクラーが設置されている[39]。TOYAMAキラリのように木材を多用した斜めの吹き抜け空間を有する建物の避難安全検証は過去に例がなかった[39]。
ルーバー同士の間隔を広く取ることで吹き抜けの向こう側を見渡せ、節・木目・ゆがみなどを残すことで「木材らしさ」を強調している[1]。フロアを繋いでいるスギ材のルーバーは、図書館にとっては光や視線を和らげるカーテンの役割を果たし、直射日光を避けたいガラス美術館にとっては遮光スクリーンの役割を果たしている[30]。隈は公共建築にありがちな「見えない部分」を極力排除することに務め、あえて荒くしたルーバー天井から天井内部の下地・断熱材・設備機器などを見せている[30]。
隈研吾建築都市設計事務所は建物の設計のみならず、館内の什器・サイン・ファブリックなども担当した[1][40]。鉄パイプを曲げたサインはオリジナルの書体である[1]。各フロアを貫いている鉄骨柱は、存在感をなくすために表面が鏡面仕立てとなっている[41]。内装にはアクセントとして富山県産のガラスや和紙を使用している[30]。
-
夜間の建物外観とセントラム
-
6階から吹き抜けを通して見た下階
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天井のルーバーや吹き抜けのスギ材
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鏡面仕立ての鉄骨柱
-
オリジナルのフォントを用いたサイン
特色
TOYAMAキラリのフロアマップ[7] | |||
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フロア | 用途 | ||
10階 | 富山第一銀行ホール | ||
9階 | |||
8階 | 富山第一銀行本店業務執行部門 | ||
7階 | |||
6階 | 富山市立図書館本館 | 吹き 抜け |
富山市ガラス美術館 |
5階 | |||
4階 | |||
3階 | |||
2階 | ミュージアムショップ、カフェ | ||
1階 | 共用エントランス、富山第一銀行本店営業部門 | ||
地下1階 | 銀行専用駐車場 |
施設全体の特色
地下1階・1階・2階は共有スペースである。1階には富山市立図書館や富山市ガラス美術館の利用者向けのエントランスホールがあり、建物の北西側には富山第一銀行本店営業部門が、さらにテナントとして西側に歯科医院が入っている。2階にはミュージアムショップのほかに、カフェスペースには和風カフェ・FUMUROYA CAFEが入っており、中央部はミニコンサートが開催できるロビーとなっている。また2つの会議室がある。
2階から6階の南側部分は富山市ガラス美術館が、3階から6階の北側部分は富山市立図書館本館が占めており、中央部は開口部が斜めに開いた吹き抜けとなっている。7階と8階は富山第一銀行の本店業務執行部門が入っており、9階と10階は富山第一銀行ホールとなっている。施設全体にWi-Fi環境が導入されている[1]。
公共交通機関では、富山地方鉄道市内電車グランドプラザ前停留場または西町停留場から徒歩1分[42]。JR西日本・あいの風とやま鉄道富山駅から徒歩20分[42]。富山地鉄バス「西町」バス停より徒歩1分[42]。駐車場は富山第一銀行の来店者用しかないため、富山市は図書館やガラス美術館の利用者に対して、公共交通機関の利用や近隣の民間駐車場の利用を呼び掛けている。自転車用駐輪場はあるが、自動二輪車は駐輪場を利用できない[42]。
図書館の特色
TOYAMAキラリの3階から6階に富山市立図書館本館が入っている。3階は児童図書フロア、4階は一般図書フロア、5階は参考図書フロア、6階は書庫と事務室である[43]。図書館の蔵書は貸出手続きを行う前に2階のカフェに持ち込んで読むこともできる[44]。児童図書フロアの3階と一般図書フロアの5階のそれぞれにレファレンスカウンターを持つ[45]。このほかに、1階には情報コーナーや移動図書館書庫があり、3階-6階の開館時間より早い午前7時から新聞や雑誌を閲覧できる[43]。2階には図書館全館への配本作業を行う部屋を持つ[43]。
開館時間は3階が午前9時30分から午後6時、4階・5階が午前9時30分から午後7時、新聞や雑誌を閲覧できる1階の情報コーナーは午前7時から午後8時までであり、金曜と土曜には4階・5階の開館時間が午後8時まで延長される[44]。3階から6階の図書館フロアは午前9時30分開館だが、1階の情報コーナーだけは午前7時から開館している[46]。カウンター前には予約図書受取室や自動図書貸出機・自動返却ブックポストが設置されたが、これらは富山県の公共図書館として初めての導入事例である[47]。
図書館とガラス美術館が同居することから、図書館では2015年8月の開館時にガラス工芸の入門書・専門書・作品集など数百冊をそろえている[48]。2016年6月1日には視聴覚資料の貸出を停止し、視聴覚サービスを館内視聴のみに縮小した[49]。6月11日には富山市内にリードケミカルが運営する森記念秋水美術館(私立)が開館したため、日本刀の資料や細川護熙の著書を集めた特集展示を行った[50]。
- 3階
- 児童図書フロア
- 児童図書フロアは約3万冊の開架を持ち[51]、絵本・物語・学習本・紙芝居などの児童図書が置かれている[52]。交流ルームやセミナールーム、読書相談カウンター、旧館にはなかった授乳室や幼児用トイレなどが設置されている[43][51]。
- 4階
- 一般図書フロア
- 小説や随筆、実用書などを揃えており、富山市の観光資料なども収集している[52]。予約図書受取室、図書企画展示スペース、吹き抜けに面した電源付きの持込パソコン専用席11席[1][45]などが設置されている[43]。
- 5階
- 参考図書フロア
- 辞典や統計などの参考図書、郷土資料や郷土の地図などを揃えている[52]。さらには雑誌コーナー、新聞コーナー、視聴覚・情報検索コーナー、データベースコーナー、特別コレクション室、多目的ルームなどが設置されている[43]。雑誌コーナーは地方の書店では入手困難なものも含めて約500タイトルがあり、2015年7月の開館時には304タイトルに雑誌スポンサーがついた[46]。雑誌のタイトル数は旧館の約100タイトルから大幅に増加している[44]。
- 6階
- 書庫
- 約28万冊を収容可能な電動式集密書庫を主とし、廃棄資料保管庫や小荷物昇降機を併設している[43]。
ガラス美術館の特色
TOYAMAキラリの2階から6階の南側に富山市ガラス美術館が入っており、2階にはカフェに隣接してミュージアムショップが設置されている[44]。2階と3階の展示室では企画展が、4階と6階の展示室では常設展が行われる[44]。常設展・企画展とも一般と大学生は入場料が必要だが、高校生以下と70歳以上の富山市民は入場無料となっている[44]。企画展では1950年代以降の現代ガラス工芸作品を中心に紹介している[53]。
展示室の外側には富山県に縁のあるガラス造形作家の作品を集めたグラス・アート・パサージュがあり[54]、無料で鑑賞することができる[55]。6階のグラス・アート・ガーデンにはアメリカの現代ガラス美術作家の巨匠デイル・チフーリのインスタレーション(空間美術)5作品が常設展示されている[56]。これらの作品は富山市がチフーリ・スタジオに製作依頼したものであり、うち3作品はチフーリ本人並びにスタッフが日本を訪れて手掛けている。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 日経アーキテクチュア & 2015-11-10, p. 63.
- ^ 「新たな知の拠点開館 TOYAMAキラリに富山市ガラス美術館・図書館」北日本新聞, 2015年8月23日
- ^ a b c d e f g h i 日経アーキテクチュア & 2015-11-10, p. 60.
- ^ a b c 建築技術 & 2016-03, p. 38.
- ^ a b c 「富山第一銀行 図書館のスポンサーに 雑誌の年間購読費を提供」金融経済新聞, 2015年8月31日
- ^ a b 再開発コーディネーター 2015, p. 11.
- ^ a b c d 再開発コーディネーター 2015, p. 12.
- ^ a b 「富山大空襲70年 戦後生まれの思い 戦災の記憶受け継ぐ 平和の尊さかみしめ」北日本新聞, 2015年8月1日
- ^ 新建築 & 2016-03, p. 81.
- ^ 新建築 & 2016-03, p. 83.
- ^ a b c 日経アーキテクチュア & 2015-11-10, p. 61.
- ^ a b c d 日経アーキテクチュア & 2015-11-10, p. 62.
- ^ a b c 「再開発ビルに富山市立図書館 富山第一銀本店も移転へ 市が方針転換」朝日新聞, 2010年1月29日
- ^ a b c 「富山第一銀『TOYAMAキラリ』で本店移転式 6月8日営業開始」北日本新聞, 2015年5月20日
- ^ a b 「TOYAMAキラリ完成 市街地活性化へ期待 関係者19年の歩みに万感」北日本新聞 2015年5月10日
- ^ a b 「富山市西町南地区再開発 TOYAMAキラリ 響きあい、一体化する場所」建設通信新聞, 2015年5月8日
- ^ a b c 「知の殿堂から 県内 変わる図書館」北日本新聞, 2015年1月3日
- ^ 「にぎわいの核 続々と TOYAMAキラリ」北日本新聞, 2015年4月30日
- ^ 「街を歩くと 富山市ガラス美術館、市立図書館 人呼ぶ街の重心 きょう開館1カ月 来館者10万人突破」富山新聞, 2015年9月22日
- ^ a b 「野村證券が看板撤去へ 景観に配慮」北日本新聞, 2015年8月4日
- ^ 「『TOYAMAキラリ』全館オープン1週間 上々1日4480人来館」北日本新聞, 2015年8月30日
- ^ 「TOYAMAキラリ1カ月 滑り出し好調 集客力の波及に期待」北日本新聞, 2015年9月20日
- ^ 富山市 環状線沿線夜間景観ライトアップ 「アメイジングナイト -ときめきときらめきと-」を開催します。 共同通信PRW, 2015年9月11日
- ^ 「開館5カ月、来場10万人 富山市ガラス美術館、想定の倍の早さ」朝日新聞, 2016年1月30日
- ^ 「TOYAMAキラリ 半年で41万人 にぎわい街へ波及」北日本新聞, 2016年2月22日
- ^ 「『TOYAMAキラリ』来館者 旧図書館の3倍 68万6902人」北日本新聞, 2016年7月30日
- ^ a b 「路線価公表 新幹線効果 中心部に波及 富山市でマンション、再開発ビル 活発な投資『需要まだ続く』」富山新聞, 2016年7月2日
- ^ a b c d 建築技術 & 2016-03, p. 36.
- ^ 再開発コーディネーター 2015, p. 13.
- ^ a b c d e 建築技術 & 2016-03, p. 26.
- ^ 新建築 & 2016-03, pp. 82–83.
- ^ 建築技術 & 2016-03, p. 24.
- ^ a b 日経アーキテクチュア & 2016-06-23.
- ^ a b 近代建築 & 2015-12, p. 73.
- ^ 建築技術 & 2016-03, p. 35.
- ^ 近代建築 & 2015-12, p. 72.
- ^ 建築技術 & 2016-03, p. 39.
- ^ 建築技術 & 2016-03, p. 44.
- ^ a b c 建築技術 & 2016-03, p. 42.
- ^ 新国立競技場再コンペで話題の隈研吾と伊東豊雄。彼らが手掛けた図書館とは? T-SITE, 2015年12月23日
- ^ 建築技術 & 2016-03, p. 31.
- ^ a b c d 富山市立図書館リーフレット.
- ^ a b c d e f g 「富山市立図書館本館 TOYAMA CITY LIBRARY」富山市立図書館公式パンフレット
- ^ a b c d e f 「本・アート…文化キラリ 富山市立図書館本館・市ガラス美術館あす開館」朝日新聞, 2015年8月21日
- ^ a b 「来月22日開館 富山市立図書館 開放空間 自然光あふれ」北日本新聞, 2015年7月31日
- ^ a b 「富山市立図書館 1階に新聞・雑誌コーナー」北日本新聞, 2015年8月4日
- ^ 「富山のガラス文化発信 市立美術館と図書館、あす開館 記念展、11月8日まで開催」毎日新聞, 2015年8月21日
- ^ 「図書館へ行こう6 ガラス工芸 親しんで」北日本新聞, 2015年2月14日
- ^ 富山市立図書館(富山県)、視聴覚資料貸出サービス終了について発表 カレント・アウェアネス, 2016年4月21日
- ^ ミニ展示 日本刀鑑賞術 富山市立図書館公式ブログ, 2016年6月28日
- ^ a b 「快適な居場所に進化 気軽に育児相談も」北日本新聞, 2015年11月1日
- ^ a b c 富山市立図書館が「TOYAMAキラリ」内に移転 富山経済新聞, 2015年8月25日
- ^ 施設概要 富山市ガラス美術館
- ^ 出かけた人から絶賛相次ぐ! 隈研吾さん設計「TOYAMAキラリ」の富山市ガラス美術館が凄い Jタウンネット, 2015年8月27日
- ^ TOYAMAキラリ ガラス美術館、図書館本館 8月22日(土)オープン! 広報とやま
- ^ TOYAMA キラリ 富山市ガラス美術館、圧倒のガラス作品と隈研吾の建築 JDN, 2015年10月6日
参考文献
- 向井, 優 (2015). “市民が集い、憩える文化・情報交流拠点 TOYAMAキラリ 西町南地区第一種市街地再開発事業”. 再開発コーディネーター (178).
- “TOYAMAキラリ 富山市西町南地区第一種市街地再開発事業施設建築物等: 富山県富山市”. 近代建築 (近代建築社) 69 (12). (2015-12).
- “architectural design TOYAMAキラリ”. 建築技術 (建築技術) 794. (2016-03).
- “TOYAMAキラリ : 設計RIA・隈研吾・三四五設計共同体”. 新建築 (新建築社) 91 (6). (2016-03).
- “TOYAMAキラリ(富山市): 斜めの吹き抜けで 5層の回遊性促す”. 日経アーキテクチュア (日経BP社) (1059). (2015-11-10).
- “隈研吾氏が着目する建材 繊維材料を線と面で使い分け 新国立はCLTのほかフェイク材も”. 日経アーキテクチュア (日経BP社) (1074). (2016-06-23).
- 岡本, 真 (2015). “富山市立図書館リニューアルオープン! 究極のエンターテインメントとしての図書館へ”. ライブラリー・リソース・ガイド 別冊 (アカデミック・リソース・ガイド) (1).
- 富山市ガラス美術館リーフレット. 富山市ガラス美術館
- 富山市立図書館リーフレット. 富山市立図書館