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「プロジェクト:キリスト教/キリスト教の記事名と用語表記のガイドライン」の版間の差分

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* 専門用語と一般的に使われている語彙が対立する場合は、基本的に専門用語を優先するようにしましょう。一般的な語彙は曖昧さを含んで居たり、何の基準を以て一般的とするかが判断が分かれる事が多かったり、そもそも専門用語が含む概念・事物を指し示すには不適当か誤りであったりする事が少なく無いからです。
* 専門用語と一般的に使われている語彙が対立する場合は、基本的に専門用語を優先するようにしましょう。一般的な語彙は曖昧さを含んで居たり、何の基準を以て一般的とするかが判断が分かれる事が多かったり、そもそも専門用語が含む概念・事物を指し示すには不適当か誤りであったりする事が少なく無いからです。
* 固有名詞表記・転写について、本ガイドラインでカバーしていない場合、人名表記についての各種方針・ガイドライン・Category:記事名の付け方に収録されている各種外国語表記法に従って下さい。
* 固有名詞表記・転写について、本ガイドラインでカバーしていない場合、人名表記についての各種方針・ガイドライン・Category:記事名の付け方に収録されている各種外国語表記法に従って下さい。
** 例外的に本ガイドラインで固有名詞にかかる指針を示しています主なものは右の通りです。 - [[コンスタンディヌーポリ総主教]]・[[東西教会の分裂]]前の固有名詞(人名等)・[[聖人]]


以下、「個別教派の記事」「複数の教派(教会)にまたがる記事」に分けて詳述します。
以下、「個別教派の記事」「複数の教派(教会)にまたがる記事」に分けて詳述します。
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{{デフォルトソート:きりすときようのきしめいかいとらいんあん}}
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[[Category:草案]]

2014年2月16日 (日) 09:41時点における版

キリスト教が関係する記事名・用語表記は、Wikipedia:記事名の付け方、各種方針・ガイドライン、他プロジェクトやコミュニティにおける合意文書によるほか、基本的に下記によります。

本ガイドラインは、キリスト教が関係する記事において基本的に尊重すべきガイドラインですが、機械的に記事名・用語表記を決める事ができるものではありません。また本ガイドラインは、範囲が重なる他の方針・ガイドライン・各種合意文書に優越するものではありません。

自教会に対して「教派」という語彙・概念を適用するのを好まない傾向を有する教会(正教会カトリック教会など)もありますが、本ガイドラインでは便宜的に「教派」の語彙を使います。

対象となる記事

本ガイドラインは、キリスト教にかかる記事全てに対して、記事名・表記の参考になるものですが、キリスト教と少しでも係わりのある記事に自動的に適用されるものではありません。

問題無く本ガイドラインが対象とするもの

個別記事ごとに本ガイドラインの対象となるかどうか判断するもの

総合

新規記事作成の際、あるいは既存記事の記事名の改名や編集において用語表記を問題とする際に、本ガイドラインの対象となるかどうか判断する場合、熟慮が必要です。さらに、他の方針・ガイドライン・プロジェクト・合意文書とも照らし合わせ、議論の際には個別に丁寧に合意を形成しなければなりません。

具体例

  • キリスト教の聖人
    • 主要な事績がキリスト教と深い関係の中でなされた人物である場合、対象となります。
    • 注意事項キリスト教における聖人ではあるが、事績がキリスト教にかかるものに限定されず、歴史・地理など他の分野で別の表記が確固として定着している人物については、本ガイドラインも記事本文の表記の参考にはなりますが、記事名では他分野も考慮した上で、一般的ガイドラインであるWikipedia:記事名の付け方を満たす表記に従うべきです。しかし、一般的ガイドラインであるWikipedia:記事名の付け方を満たす表記が、教会における聖人の表記とたまたま一致している場合は、記事名を無理に変える必要はありません。
  • 聖書に登場する人名(問題なく範囲になる使徒十二使徒パウロ七十門徒)および預言者以外)
    • 主要な事績がキリスト教と深い関係の中でなされた人物である場合、対象となります。
    • 新約聖書のみならず、旧約聖書の人物にも、事績がキリスト教と深い関係の中でなされた人物である場合、対象となります[1]
      • 旧約聖書はユダヤ教においても最も重要な聖典とされていますが、2014年1月現在、プロジェクト:ユダヤ教は活動を休止しています。活動が再開された場合、プロジェクト:ユダヤ教との連携が必要になって参りますが、当面は本プロジェクトの対象とします。
    • 注意事項:聖書の登場人物ではあるが、事績がキリスト教にかかるものに限定されず、歴史・地理など他の分野で別の表記が確固として定着している人物については、本ガイドラインも記事本文の表記の参考にはなりますが、記事名では他分野も考慮した上で、一般的ガイドラインであるWikipedia:記事名の付け方を満たす表記に従うべきです。しかし、一般的ガイドラインであるWikipedia:記事名の付け方を満たす表記が、聖書における表記とたまたま一致している場合は、記事名を無理に変える必要はありません。
      • 例 - マグダラのマリアのように、事績の殆どがキリスト教と深い関係のある人物は、本ガイドラインの対象となります。
      • 例 - アッシリア王ティグラト・ピレセル3世は、事績がキリスト教にかかるものに限定されないため、対象となりません。「列王記下/ 15章 19節に『アッシリア王プル』とあることを根拠として、『プル (アッシリア王)』に改名」してはいけません。
      • 例 - 記事「センナケリブ」は2014年1月現在ではアッカド語表記「シン・アヘ・エリバ」ではなく、新共同訳聖書旧約聖書で使われている表記となっていますが、(改名議論が生じない限りは)変える必要はありません。
  • キリスト教において重要であり、発祥もキリスト教にあるが、キリスト教以外の場面でも重要な事物
    • 本ガイドラインを参考にすることはできても、議論の結果、Wikipedia:記事名の付け方にある一般的ガイドラインのみを考慮した名称の方が適切であると判断される場合があります。
      • 例 - 「クリスマス」「クリスマス・イブ」については「降誕祭」「降誕祭前晩」などの記事名も考えられますが、キリスト教以外の場面では「クリスマス」が通用しています。本ガイドラインを根拠の一つとして改名提案を出すことは可能ですが、「クリスマス」程度に通用性が高い場合、Wikipedia:記事名の付け方にある一般的ガイドラインのみを考慮した名称の方が適切と判断されることも少なくないでしょう。

本ガイドラインの対象としないもの

地理の記事(地名等)は、キリスト教に関わりの深いものであっても、当面、本ガイドラインの対象としません(ただし、#聖人記事に含まれる地名表記は本ガイドラインの対象です)。方針文書・ガイドライン、およびプロジェクト:国をはじめとする各種プロジェクトでの合意に従って下さい。

キリスト教の事物と広く(場合によっては誤って)思われているものの、実際にはキリスト教との関わりはほぼ無いか極めて薄いものも、本ガイドラインの対象としません(例:ハロウィン)。

キリスト教において重要な用語ではあるものの、キリスト教外の一般人や他宗教でも別の意味で頻繁に使われる単語(例:救世主告白天使悪霊など)は争いに発展しやすいので、このガイドラインの適用を望むのなら、むしろ早めに[[悪霊 (キリスト教)]]などに独立させたり改名したりするほうが好ましいかもしれません。

既存の合意・他のプロジェクトとの関係

既存の記事名・合意との関係

本ガイドライン発効前に既に作成された記事名・表記、または合意の上で改名された記事名・表記に対して、本ガイドラインは遡及して自動的に効力を及ぼすものではありません。

  • 「本ガイドラインを根拠とし、提案・議論を経ずに改名」することはしないで下さい。
  • 既に記事名・表記について合意がなされている場合は、本ガイドラインを理由として合意形成をし直す必要はありません。

もちろん、本ガイドラインを根拠として、既存の記事に対し改名提案をすることは可能です。改名提案・改名の際にはガイドラインWikipedia:ページの改名に従って下さい。

他の方針・ガイドライン・各種合意文書・プロジェクトとの関係

キリスト教にかかる記事と、他の他の方針・ガイドライン・各種合意文書・プロジェクトと重なる領域は、広範な範囲に及びます。

他のプロジェクトとの間で、記事名の付け方・用語表記についての指針が対立する場合、複数の指針(方針・ガイドライン・合意文書)全てを満たすか、もしくは最大限に複数の指針に沿う記事名・用語表記として下さい。議論が発生した場合は、各記事(もしくは同種の複数記事群)において、エチケットを守り合意形成に努めて下さい。

記事名の付け方・用語表記の指針(ガイドライン本文)

基本的指針

本ガイドラインの基本的指針は以下の通りです。

  • 対象、および他方針・他ガイドライン・他合意文書との関係は上述の通りです。
  • 基本的に、キリスト教の教会における正式名称・正確な用語を、記事名・用語表記に使用します。
  • 教派ごとの用語を尊重します。特定教派にかかる記事については対象とされている教派の用語を、超教派の記事については出来るだけ多くの教派に配慮した用語を、記事名・記事本文に使用して下さい。
  • 正式名称・正確な用語が複数ある場合、「認知度が高い」「見つけやすい」「曖昧でない」「簡潔」「首尾一貫している」を総合的に満たすものを選びます。
  • 専門用語と一般的に使われている語彙が対立する場合は、基本的に専門用語を優先するようにしましょう。一般的な語彙は曖昧さを含んで居たり、何の基準を以て一般的とするかが判断が分かれる事が多かったり、そもそも専門用語が含む概念・事物を指し示すには不適当か誤りであったりする事が少なく無いからです。
  • 固有名詞表記・転写について、本ガイドラインでカバーしていない場合、人名表記についての各種方針・ガイドライン・Category:記事名の付け方に収録されている各種外国語表記法に従って下さい。

以下、「個別教派の記事」「複数の教派(教会)にまたがる記事」に分けて詳述します。

個別教派の記事

正式名称(総合)

  • 当該記事内容の事物・人物が所属する教派(教会)における正式名称を、記事名・用語表記に使用します。
  • 当該教派(教会)における正式名称・用語が複数ある場合については以下の通り
    • 下記の各教派ガイドラインにおいて、正式名称を探すのに優先順位の高い文献・資料が示されている場合、優先順位の高い文献・資料に示されている名称・用語を優先的に選びましょう。
    • どうしても絞り切れない場合、Wikipedia:記事名の付け方にある「認知度が高い」「見つけやすい」「曖昧でない」「簡潔」「首尾一貫している」を総合的に満たすものを、複数ある正式名称・用語の中から選びましょう。
  • 「一般的なもの」であっても、別の教派(教会)における用語を、記事名・記事本文において使わないようにしましょう。ノート:至聖三者大門教会が参考になります。
  • 教派別のキリスト教用語一覧も参考にして下さい。
  • 注意事項:ある用語が当該教派において用例があったとしても、外部向けの媒体における用例であったり、初出箇所に括弧付きで記述されているのみであったりする場合は、「正式名称」「正式な用語」とは言えません。詳細は下記、個別教派別の指針を御覧下さい。

正教会

総合

正教会関連の記事では、以下に登場する「正式な用語」(外部向けの僅かな用例、初出箇所に括弧付きで記述されているのみのものを除く)を原則として記事名・用語表記の根拠として使用します。優先順位は各項目ごとの数字の通りです。

  1. 日本正教会が使用する祈祷書 - 同じ祈祷文で訳語が年代によって変わって居る場合、原則として出版年代が新しい方を採用します。『主日奉事式』等のダイジェスト版の優先順位は下記2番と同等です。
  2. 日本正教会(自治正教会としての承認以前、聖ニコライ時代までを含む)から出版された出版物(明治・大正時代のものをベースに、昭和以降のものを参考とします)、および日本ハリストス正教会教団の公式ホームページ
  3. 正教会の教役者による出版物・インターネット上の文章、各教区・各個教会が運営するホームページ
  4. 専門的知見を有する正教会の信者による出版物・インターネット上の文章
  5. 正教会の信者による出版物・インターネット上の文章/正教会の信者ではない専門家による出版物・インターネット上の文章

祈祷書は明治時代末までにほぼ確定している(ゼロではありませんが比較的)表記ゆれの少ない媒体であり、記事名・用語表記の選定において最も高い優先順位が与えられます。

修道士・主教

修道士は通常、あまり姓を名乗らず、あまり姓で呼ばれもしません。原則として修道名のみで生きています。同様の理由から、外国語版ウィキペディアでも、姓や役職名が括弧内に収められる形式で、記事名が付けられています。

  • 原則として、[[修道名 (姓もしくは役職)]]で記事名を構成します。記事本文には原則として、修道名のみを記載します。
    • 修道名の種類は多くありませんので、同名の著名な修道士が存在する蓋然性は極めて高いです。
  • 主教も修道士ですから、名前の表記は修道士の記事に準じます。
    • 主教も原則として、[[修道名 (姓もしくは役職)]]で記事名を構成します。記事本文には原則として、修道名のみを記載します。
    • [[修道名○世]]のように、「1世」「2世」「3世」だけで区別が可能な場合、括弧を付けなければならないということはありません(付けても付けなくても可であり、曖昧さ回避ページの必要性の有無に応じます)。
  • 聖人である主教の場合は、主教の原則([[修道名 (姓もしくは役職)]])に従うか、後述する聖人の原則(「【地名】の【人名】」)に従うかは、正教会暦に地名とともに記載される頻度といった材料から、個別に判断されます(例:フィラレート (モスクワ府主教)ザドンスクのティーホン)。
  • 聖人であって主教では無い修道士の場合は、後述する聖人の原則が、上述の修道士の指針に優先します(例:サロフのセラフィム)。
日本語以外の事物の表記・転写
  • 日本以外の正教会の事物・概念の記事名や用語表記は、原則として現地音・現地表記から転写するのではなく、同概念の日本語に置き換えます(例:生神女庇護聖堂 (ハルビン)生神女福音大聖堂 (アテネ)共働)。ただし記事本文で現地音・現地表記について説明するのは構いません。また、現地音・現地表記からの転写に拠る表記が日本正教会で広く使われている場合は、例外的に転写に拠る表記が使えます(例:メギスティス・ラヴラ修道院エクザルフ)。
  • 正教会における人名を含む聖堂・修道院の名称は、【現地音・現地表記の表記に則った人名の転写+聖堂/修道院】を原則とします(例:聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂)。
  • 固有名詞(人名・地名)については、日本正教会での慣例表記(教会スラヴ語をロシアで再建した音)のほか、現地の原音表記・転写を使用するのも可能です。
    • 正教会における祭(十二大祭)等を記憶する聖堂名については、上記の「原則として同概念の日本語に置き換え」に従った上で、括弧内に地名等で区別を行って下さい。
    • 中国語およびその他外国語の人名部分の漢語は、現地語のまま(表記は原則常用漢字)日本語漢字表記に置き換えます。記事名において漢字をJIS X 0208で表記できない場合は、その字を漢音読みによるカタカナ表記で代用します。日本正教会において定着した表記が当該事物についてある場合には、そちらを使います。
  • コンスタンディヌーポリ総主教、ギリシア人の主教(アテネ大主教など)については、原則として現代ギリシア語転写で作成して下さい[2]

西方教会の共通指針

  • 西方教会の記事においては、中国語およびその他外国語の漢語は、日本における同じ教派に属する当事者による訳語がある(それぞれの教派が定めている、あるいは定訳がある)場合は日本語に置き換えます。訳語がないなら現地語のまま(ただし表記は原則常用漢字)日本語漢字表記に置き換えます。記事名において漢字をJIS X 0208で表記できない場合は、その字を漢音読みによるカタカナ表記で代用します。

カトリック教会

総合

カトリック教会関連の記事では、以下に登場する「正式な用語」(外部向けの僅かな用例、初出箇所に括弧付きで記述されているのみのものを除く)を原則として記事名・用語表記の根拠として使用します。優先順位は各項目ごとの数字の通りです。

  1. カトリック教会のカテキズム - 出版年代・版によって用語が変わって居る場合、原則として出版年代が新しい方を採用します。『カトリック教会の教え』等の紹介版・ダイジェスト版の優先順位は下記2番と同等です。
  2. カトリック中央協議会から出版された出版物、およびその公式ホームページ
  3. カトリック教会の教役者による出版物・インターネット上の文章、各司教区・各個教会が運営するホームページ
  4. 専門的知見を有するカトリック教会の信者による出版物・インターネット上の文章
  5. カトリック教会の信者による出版物・インターネット上の文章/カトリック教会の信者ではない専門家による出版物・インターネット上の文章
聖堂・教会堂
  1. 【原則】日本のカトリック教会の聖堂・教会堂の記事名は、「カトリック○○教会」とします。なお、この○○の部分は、カトリック中央協議会の出版物・公式ホームページまたは管轄司教区の公式ホームページでの表記に従います(例:カトリック山手教会浅草教会→「カトリック浅草教会」)。
  2. 国宝または国・都道府県の文化財に指定・登録されている聖堂・教会堂の記事は、その文化財としての指定・登録名称を記事名とします。この場合、「カトリック」の文字の有無は指定・登録名称に従いますが、「カトリック○○教会聖堂」となっているものは「聖堂」の文字を省略して1.の原則に従います(例:大浦天主堂世界平和記念聖堂青砂ヶ浦教会→「青砂ヶ浦天主堂」、神田教会→「カトリック神田教会」)。
  3. 1.または2.による記事名以外の名称が一般的に認知度が高いと思われる(または見つけやすい)ものは、当該教会または管轄司教区の公式ホームページでその名称の使用が確認でき、かつ他の教派・教会との曖昧さが回避できる場合に限り、その名称を記事名とすることができます(例:東京カテドラル聖マリア大聖堂山口サビエル記念聖堂軽井沢聖パウロカトリック教会平戸ザビエル記念教会聖イグナチオ教会)。

聖公会

聖公会関連の記事では、以下に登場する「正式な用語」(外部向けの僅かな用例、初出箇所に括弧付きで記述されているのみのものを除く)を原則として記事名・用語表記の根拠として使用します。優先順位は各項目ごとの数字の通りです。

  1. 日本聖公会祈祷書 - 出版年代・版によって用語が変わって居る場合、原則として出版年代が新しい方を採用します。
  2. 日本聖公会管区、各教区による出版物・インターネット上の文章
  3. 聖公会の教役者による出版物・インターネット上の文章、各個教会が運営するホームページ
  4. 専門的知見を有する聖公会の信者による出版物・インターネット上の文章
  5. 聖公会の信者による出版物・インターネット上の文章/聖公会の信者ではない専門家による出版物・インターネット上の文章

プロテスタント

前提

プロテスタントの場合、上に挙げた正教会、カトリック教会、聖公会とは異なる事情があります。

「プロテスタント」は、ルター派改革派教会メソジストバプテストホーリネスといった派の、あくまで総称です。在り方や考え方も、それぞれ大きく異なります。

さらに、日本で最大のプロテスタントの教会組織は日本基督教団ですが、これは超教派の合同教会であって内実は極めて多様であり、統一的な用語運用・概念共有は(正教会、カトリック教会、聖公会に比べて)希薄な事にも注意が必要です。

また、教派の違いとは別に、リベラル福音派といった思想潮流による分類によっても、使う用語が違う場面もあります。

従って、プロテスタントについては、正教会・カトリック教会・聖公会とは異なる配慮が必要になります。

基本的指針
  • 原則として、ルター派の事物にかかる記事についてはルター派による出典、改革派教会の事物にかかる記事については改革派教会による出典、メソジストの事物にかかる記事についてはメソジストによる出典、バプテストの事物にかかる記事についてはバプテストによる出典、ホーリネスの事物にかかる記事についてはホーリネスによる出典を基に、記事名・用語表記を選定して下さい。
  • 合同教会(日本での最大事例:日本基督教団)の事物については、各記事が扱う場面に応じて、出来るだけ各個教会による文献に準拠して下さい。
  • 思想潮流(リベラル福音派等)の違いによる用語表記の違いにも、中立的観点につき十分配慮して下さい(#複数の教派(教会)にまたがる記事も参照)。
参考材料

参考材料を以下に挙げますが、優先順位はその都度、変わります。

  • 各教会の包括宗教法人による出版物・ホームページ
  • 著名な神学者による出版物・ホームページ
  • 各個教会あるいは牧師による、出版物・ホームページ
  • キリスト教大事典(所謂メインライン・リベラル系)などの事典

記事本文における用語が、記事名が準拠する出典と一致しない場合も有り得ます。たとえば記事名は改革派教会の媒体に準拠する一方で、記事本文においては、ルター派の用語・概念を併記・両論併記する事も有り得ます(逆も、また他のパターンも有り得ます)。

その他(日本にはまとまった組織が存在しない教派・単立教会等)

「文献が信者によるものか」の視点について

以上にある各教派における記事名・用語表記の付け方のガイドラインにおいて、参考文献の著者が信者であるかどうかが優先順位として重要なのには理由があります。信者ではない場合、「教会に由来する統一的な用語を使う」という基本姿勢・動機が無いか薄いことが多いため、表記の幅が大きく、記事名・用語表記の選定においては混乱が増す要因になります。

もちろん、文献の執筆者が信者でなくとも、記事本文の出典として有益かつ良質なものは沢山あります。

しかし、記事名・用語表記を安定させるには、表記ゆれの少ない媒体に高い優先順位を与えることが合理的です。

複数の教派(教会)にまたがる記事

本ガイドラインで「教派を超える」と言った場合、「思想潮流を超える」も含みます。プロテスタント内の「自由主義神学」「新正統主義」「福音派」「根本主義」といった分類方法による用語の違いも、考慮に入れましょう。

超教派記事・用語総合

  • 当該事物・人物がかかる最大限の範囲まで、教派(教会)を超えて使われている正式名称・正式な用語を使います。
  • 複数の教派(教会)にまたがる事物・人物であっても、甲教派(教会)において特に重要であり、他の教派(教会)においてはそれほど重要ではない、という場合、甲教派(教会)における正式名称・正式な用語を使う事は可能です。ただしその選定は慎重さが特に要求されます。甲教派(教会)の用語が使われるに足るだけの「特別な重要さ」があるかどうかが主な問題になります。ノート:聖母マリアが参考になります。
  • 複数の教派(教会)にまたがる事物・人物であっても、教派(教会)を超えて使われている用語がどうしても無い場合、「認知度が高い」「見つけやすい」「曖昧でない」「簡潔」「首尾一貫している」特定教派の用語を選ぶしかありません。ただしその選定は慎重さが特に要求されます。特定教派の用語が使われるに足るだけの「代替が無い」という事情があるかどうかが主な問題になります。ノート:告解ノート:ゆるしの秘跡が参考になります。
  • 東西教会の分裂前の固有名詞(人名等)について、上記の指針を満たす表記が見付からない、あるいは複数あって優劣を付け難い場合、ローマ帝国の東西分裂の際の境界線を目安とし、以下のように対応します。
    • 東側はギリシア語による転写、もしくは日本正教会による表記に基本的に則ります。出典優先順位は#個別教派の記事にある通りです。
    • 西側はラテン語、もしくは日本聖書協会、カトリック教会、聖公会、プロテスタントのいずれかで使われている表記に基本的に則ります。教派ごとの出典優先順位は#個別教派の記事にある通りです。
    • 当該人物の生誕地・活動範囲等がローマ帝国の版図に入って居ない場合、または個別記事で現地音転写が一般的といった場合には、現地音転写も有力な候補となります。
    • ギリシア語の転写を古典ギリシア語再建音(複数種類あり)または現代ギリシア語のいずれに拠るか、ラテン語の転写方式を何に拠るかについては、個別に判断・議論が必要となります。ただしこれは超教派の場面でのことであり、正教会の事物については原則として現代ギリシア語からの転写、もしくは教会スラヴ語からのロシアにおける再建転写に則ります。
    • 東西教会いずれに属すかが問題になったイリュリクムモラヴィアといった地域においての固有名詞転写は、ギリシア語でもラテン語でもなく、教会スラヴ語再建音ないし現地の言語で転写した方が、東西教会いずれに対しても中立的観点を満たす事が有り得ます。ただし教会スラヴ語はあくまで再建でしか転写できず、ロシア語での再建を基にした日本正教会での教会スラヴ語転写と、チェコ語クロアチア語セルビア語ブルガリア語等における教会スラヴ語の再建音とでは大きく異なるケースがあります。ノート:キュリロス (スラヴの(亜)使徒)が参考になります。

聖人

本節は、全ての聖人に適用されるガイドラインではありません。本指針を読む前に、上記#個別記事ごとに本ガイドラインの対象となるかどうか判断するものを必ず読んで下さい。

  • 基本的に、[[地名の人名]][[□□の○○]])として、聖人の記事名を構成します(例:ポワティエのヒラリウスオフリドのフェオフィラクトグルジアのニノ)。記事本文では、区別する必要が無い場面では、初出箇所以外では地名を省くことができます(地名を省くか省かないかは、区別の便宜と簡潔さのバランスを考えましょう)。
  • 当該人物を聖人とみなす教派において広く定着している正式名称・表記がある場合、これを使用する事も可能です(例:トマス・アクィナス)。
  • 複数教派において崇敬されている聖人の場合、どのような表記・転写を使うかは、地名・人名表記のいずれも上記#超教派記事・用語総合に則ります。
  • 地名で区別される事が無いか殆ど無い(称号等で区別されている)聖人の場合、記事名・用語表記のいずれでも、称号で区別する事も可能です(例:克肖者表信者ヴァシリオス)。その際、記事名は「称号○○」とし、括弧付記事名(「○○_(称号)」)は避けましょう。
    • 複数教派で崇敬されていて、区別のための称号を探すことが難しい聖人の場合、他に著名な同表記の聖人が居なければ、「聖○○」という記事名で対処する事も可能です(例:聖マクシモス)。但し可能な限り、地名もしくは称号による区別を志向するようにしましょう。

聖書の人名・書名

本節は、全ての聖書に登場する人名に適用されるガイドラインではありません。本指針を読む前に、上記#個別記事ごとに本ガイドラインの対象となるかどうか判断するものを必ず読んで下さい。

  • 聖書に登場する人名・書名の、記事名・用語表記は、日本聖書協会新共同訳聖書における表記に則ることを基本とします。ただし下記に挙げられる例外のほか、個別記事ごとに例外として合意された場合は、この限りではありません。
  • 聖書に登場するものの、特定教派の聖職者として言及される事の多い人物については、その聖職者たる登場人物が活動した管轄区域が、東西教会のいずれに属するものであったかを反映し、東方に属して居た場合は正教会の用語、西方に属して居た場合はカトリック教会の用語を使うケースがあります。

東西教会分裂の時期についての注意

東西教会の分裂については、早くに設定する見解としては既に4世紀に始まりを見出すものがあり[3]、遅くに分裂が深化した事件として1204年の第四回十字軍に前後する出来事があります[4]

  • 大学受験世界史などで言われる、所謂「相互破門」があった1054年が一応の目安にはなりますが、目安以上の意味はありません。1054年以前は東西教会は同じ教会、1054年以降は東西教会は別の教会、と機械的に分類して本ガイドラインを適用しないで下さい。
  • 記事によっては、13世紀初め頃まで、超教派的な配慮が必要になる場合もあります。
  • 逆に11世紀前半までの事物・人物であっても、殆ど西方教会か東方教会のいずれか一方のみで重視され、他方ではあまり顧られないケースもあります。そのような場合では、カトリック教会の用語、あるいは正教会の用語のみで対応して問題無いこともあります。

本ガイドラインの前提

Wikipedia:記事名の付け方#記事名を付けるにはでは、冒頭に「日本語話者の大多数にとって、最も曖昧でなく、最も理解しやすいもの」が原則として掲げられ、「認知度が高い」「見つけやすい」「曖昧でない」「簡潔」「首尾一貫している」が基準として挙げられ、さらに「記事名を選ぶにあたっては、編集者の関心よりも読者の関心を、専門家よりも一般的な利用者の関心を重視」する事が求められて居ます。そして次の節、Wikipedia:記事名の付け方#正式名称では、「記事名は上記「記事名を付けるには」にある基準に適合するよう基本的には日本語での正式名称を使用します」とあります。

まず、教派(教会)ごとに、「正式名称」「正式な用語」が異なることが問題になります。教会分裂前に語彙の素地があるギリシア語フランス語ドイツ語英語ロシア語などでは同じ用語が教派(教会)を超えて使われる事が多いのに対し、正教会、カトリック教会、聖公会、プロテスタントが出揃ってから訳語が当て嵌められていった日本語では、各教派(教会)がそれぞれ個別に自教会における概念を反映した形で訳語を当て嵌めていったため、「正式名称」「正式な用語」が、教派(教会)ごとに異なることが少なくありません。

「キリスト教の教会における正式名称」と「最も一般的に使われている名称」が指す概念が、異なったり、指す対象にブレがあったりする事も少なくありません。「最も一般的に使われている名称」が「誤り」「ほぼ誤り」である事も珍しくありません。

    • ミサ … 一般的にはキリスト教の礼拝全般を指して使われているが、本来はカトリック教会典礼の一つであり、カトリック教会以外では全く使われない単語。
    • 英国国教会ロシア正教会 … 本来はそれぞれ聖公会正教会内の一組織であるが、一般では聖公会全体を指して英国教会、正教会全体を指してロシア正教などと呼んで居る場合がある。

また、キリスト教内でも、自己言及する際の名称や表現と、他教会・他教派から言及される際の名称や表現が一致しない場合があります。

    • 正教会は「正教会」と自称するが、カトリック教会から正教会について言及する場合、「東方教会」と書かれる事がある(カトリック教会のカテキズム等。カトリック教会は自らこそをカトリックでありオーソドックスであると捉えるため)。
    • カトリック教会は「カトリック」ないし「カトリック教会」と自称するが、正教会やプロテスタントからカトリック教会について言及する場合、「ローマ教会」ないし「ローマカトリック教会」と書かれる事がある(正教会は自らこそを「カトリック」でもあると考えており、プロテスタントは「カトリック」についての捉え方で見解が分かれるため)。
    • 正教会内・聖公会内の文書では、カトリック教会のbishopにつき「主教」と書かれ、カトリック教会内の文書では正教会や聖公会のbishopにつき「司教」と書かれる事がある。

以上のような事情から、キリスト教にかかる記事を作成する際には、その記事名について、教派ごとにおける正式名称を付ける事が最も手間が少ない選定となります。また、教派を超えた内容の記事の場合、Wikipedia:中立的な観点を満たすためにも、出来る限り広い教派で使われている用語を選ぶ必要があります。

脚注

  1. ^ 「キリスト教はユダヤ教から派生したもの」ではありません。キリスト教もユダヤ教も、いずれもが、紀元前までのユダヤ人の信仰の正統な継承者を(その内容は大きく異なりますが)自認しています。従ってキリスト教においては、旧約聖書に書かれた事績も、「キリスト教と深い関係のある事績」として評価されます。
  2. ^ ギリシャ人主教の中には、日本正教会での表記が不明な人物が何人か居るためです。日本正教会では現代ギリシア語は全く使われないわけではありません(ただし圧倒的に教会スラヴ語再建音が使われていますが)。
  3. ^ 久松英二 『ギリシア正教 東方の智』(第二章 教会分裂の始まり)講談社選書メチエ (2012/2/10) ISBN 9784062585255
  4. ^ 久松英二 『ギリシア正教 東方の智』p178,p179, 講談社選書メチエ (2012/2/10) ISBN 9784062585255

参考になる項目