「小さなバイキング」の版間の差分
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2013年9月29日 (日) 12:39時点における版
『小さなバイキングビッケ』(ちいさなバイキングビッケ、独文:Wickie und die starken Männer)は、ドイツのZDFと日本の瑞鷹の共同制作によるテレビアニメである。ここでは原作の『小さなバイキング』についても記す。
概要
スウェーデンの作家にしてジャーナリストであるルーネル・ヨンソンの児童文学シリーズ『Vicke Viking』 (邦題:小さなバイキング) を原作としたテレビアニメである。当初ドイツのZDFが人形劇アニメを計画したが、後に、国際共同制作として日本の瑞鷹にテレビアニメーション製作を依頼し、1972年から1974年にかけて1話23分の全78話と、85分の長編アニメを製作した。
ドイツでは1974年1月31日から8月8日までZDFで『Wickie und die starken Männer』として26話が放送され、残りの52話は1975年3月5日から放送された。オーストリアでは1974年2月17日からORFにて放送された。日本では1974年4月3日から1975年9月24日にかけてフジテレビ系で放送された。
テレビアニメはヨーロッパを中心に全世界に輸出された。タイトルは国や放送局によって異なる。英語圏では『Vicky the Viking』である。2009年にはテレビアニメを元にした実写映画が製作された (後述の実写映画を参照) 。
原作
日本語訳
学習研究社より「少年少女・新しい世界の文学」シリーズの1巻として刊行された他、評論社より「児童図書館・文学の部屋」シリーズとして6冊刊行された。また、アニメ放送に合わせて、朝日ソノラマより2巻シリーズとして発行された。
- 学習研究社版
- ルーネル・ヨンソン『小さなバイキング』大塚勇三訳、学習研究社〈少年少女・新しい世界の文学 1〉、1967年7月。ISBN 4-05-003676-2。
- 朝日ソノラマ版
- 評論社版
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと赤目のバイキング』石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 1〉、1974年。ISBN 4-566-01040-6。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと空とぶバイキング船』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 2〉、1974年。ISBN 4-566-01041-4。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと弓矢の贈りもの』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 3〉、1974年。ISBN 4-566-01042-2。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと木馬の大戦車』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 4〉、1974年。ISBN 4-566-01043-0。
- 評論社新版
- ルーネル・ヨンソン『小さなバイキング ビッケ』 1巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2011年9月。ISBN 978-4-566-01379-7 。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと赤目のバイキング』 2巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2011年9月。ISBN 978-4-566-01380-3 。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと空とぶバイキング船』 3巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2011年11月。ISBN 978-4-566-01381-0 。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと弓矢の贈りもの』 4巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2011年12月。ISBN 978-4-566-01382-7 。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケと木馬の大戦車』 5巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2012年2月。ISBN 978-4-566-01383-4 。
- ルーネル・ヨンソン『ビッケのとっておき大作戦』 6巻、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈評論社の児童図書館・文学の部屋〉、2012年3月。ISBN 978-4-566-01384-1 。 - ビッケの冒険物語の最終巻。第6作は初の邦訳であり、原書は1975年刊行のため、37年ぶりの完結編となる。
アニメ
主人公の名前はZDFのドイツ版や英語版などでは「ヴィッキー」となるが、日本版では原作和訳版を元にした「ビッケ」が用いられる。
ステレオタイプについて
本作においては、バイキング (ヴァイキング) が海賊であるという見解に沿って描写されているが、史実とは異なる。
作中において「角のついた兜を被る」「捕鯨民族であるバイキングがクジラを助ける (27話) 」[1]といった、細かな点においても考証ミスがある。
また、オープニング映像に登場するアメリカ・インディアンの描写についても考証ミスが見られる[2]。
声の出演
役名 | 日本版 | ドイツ版 |
---|---|---|
Wickie(ビッケ) | 栗葉子 | Florian Halm |
Halvar(ハルバル) | 富田耕生 | Walter Reichelt |
Ylva(イルバ) | 中西妙子 | Inge Schulz |
Ylvi(チッチ) | 松金よね子 | Alexandra Ludwig (一部) |
Gilby(ギルビー) | 堀絢子 | Horst Abraham (一部) |
Tjure(チューレ) | 里見たかし | Werner Abrolat |
Snorre(スノーレ) | 滝口順平 | Eberhard Storeck |
Urobe(ウローブ) | 北村弘一 | Leo Bardischewski |
Gorm(ゴルム) | 八代駿 | Manfred Lichtenfeld |
Ulme(ウルメ) | 和久井節緒 | Kurt Zips |
Faxe(ファクセ) | 西尾徳 | Gernot Duda |
Der schreckliche Sven (いじわるスベン) |
加藤正之 大塚周夫 |
Kurt E. Ludwig Wolfgang Hess |
Baltac(バルターク) | 雨森雅司 | Herbert Weicker |
Pokka | ? | Hannes Gromball |
Maria | ? | Christa Häussler |
Erzähler(ナレーター) | 増山江威子 | Manfred Seipold (1–26話) Leon Rainer (27–78話) |
スタッフ
- 原作:ルーネル・ヨンソン (Runer Jonsson ) 著 『Vicke Viking』
- チーフディレクター:斎藤博
- シリーズ構成:丹野雄二
- キャラクターデザイン:関修一
- 脚本:才賀明、金子裕、大川久男、ほか
- 演出:石黒昇、神田武幸、小林三男、ほか
- 作画監督:辻伸一、福田皖
- 美術監督:西田稔
- 音響監督:斉藤敏夫
- 撮影監督:黒木敬七
- 効果:赤塚不二男
- 音楽:宇野誠一郎
- プロデューサー:大場伊紘
- 制作:渡辺忠美
- アニメーション制作:ズイヨー映像
- 製作:ズイヨー映像、タウラスフィルム(第1話~第52話)
- 製作:日本アニメーション、タウラスフィルム(第53話~第78話)
主題歌
ドイツ
- 「Hey, hey, Wickie! Hey, Wickie, hey!」
- 作曲 - Christian Bruhn / 作詞 - Karel Svoboda / 作曲・歌 - Bläck Fööss
日本
- エンディングテーマ
各話リスト
日本
- バイキング誕生
- そーら船出だ 失敗だ
- のこのこぎりぎり 大脱走
- 虫歯よ さらば
- いじわるスベンをやっつけろ
- 税金取りなんて 恐くない
- 狼狩りコンテスト
- スベンの逆襲
- ビッケと大あざらし
- ギッチョンパの約束
- 赤い目の巨人たち ※公式HPでは第11話「ハルバルの 救出作戦」
- ハルバルの 救出作戦 ※公式HPでは第12話「赤い目の巨人たち」
- 鋭い剣を持った スベルケル
- 城は見かけに よらぬもの
- 逃げろや逃げろ
- 水攻め大作戦
- 世界で最初の 消防隊
- 鳩とビッケと あざらしと
- ビッケと 大きなタコ
- 王様はくいしんぼ
- くしゃみ粉 25番
- ハルバルの宝箱
- のこぎりエイの 敵討ち
- ファクセのお嫁さん
- ゆうれい船を やっつけろ
- 雪と氷の宝島
- ビッケと クジラの親子
- かもめのカール
- ギリシャの国の 迷路
- ギリシャの国の オリンピック
- デンマークの 冒険(前編)
- デンマークの 冒険(後編)
- 北国から来た男
- シュラック村の 少年
- ビッケ空をとぶ
- ハルバル 迷子になる
- 変てこな おもてなし
- ビンカ人の宝物
- おしゃれなスノッペ
- のびたスノッペの 巻毛
- なつかしの フラーケ
- フラーケ村に サーカスがやって来た
- わら人形戦争
- フラーケ族は 畑仕事が大きらい
- 雷声 ブルーレットとビッケ
- 親知らずと トンネル作戦
- ビッケと竹馬作戦
- わがままブルーレットの 大反撃
- 大きな木馬の 贈り物
- 北極の冒険
- ハルバル父さんの 脱出作戦
- ビッケの 火山島探検
- ハルバル父さんの 熊退治
- おたふく風邪と ハルバル
- ウローブじいさんの 活躍
- ハルバル父さんの 素敵なおみやげ
- ビッケとチッチの 漂流記
- 狼なんて恐くない
- 急がば回れ 救出作戦
- パルリの王女様
- おかしな困った とうせんぼ
- 幽霊さんを 助けよう
- 本当の バイキングだぞ
- スノーレの大予言
- 黄金の剣と グライダー
- ビッケがチェスで 大勝利
- 川と川を 結んじゃえ!
- チューレとスノーレの 大げんか
- 次のおかしらは 誰だ
- ハルバル父さんと 紙芝居
- へそくりべそかき 宝物
- ビッケとハルバルの 知恵くらべ
- ロビン小父さんの 住む島
- どっちの山が 高いか
- 泣くなチューレ
- ファクセと気球と ルンドの娘
- 新しい船を おくろう(最終回)
- 仲間はずれにされた ハルバル(初回では未放送)
ゲーム
実写映画
コメディアンのミヒャエル・ヘルビークが監督した実写版映画『Wickie und die starken Männer』 (ヴィッキーと強い男たち) が2009年9月にドイツで公開され記録的な大ヒットとなった。
2011年にはクリスティアン・ディッター監督による続編『Wickie auf großer Fahrt』(ヴィッキーの大きな旅)が3D映画として製作された。
日本では1作目が2010年に第18回キンダー・フィルム・フェスティバル (東京)[4][5]、第23回東京国際映画祭にてライブ吹き替え上映された[6]ほか、京都HISTORICA2010では日本語字幕付きで上映され[7][8]、2012年12月に日本版DVDが発売された。
続編の「ビッケと神々の秘宝」も第20回キンダー・フィルム・フェスティバル (東京)[9]で上映され、2012年の京都ヒストリカ国際映画祭でも上映予定である[10]。
脚注・出典
- ^ 「グレティルのサガ」などに見られるエピソード。「赤毛のエイリクのサガ」では、飢えたバイキングたちは魔法を使ってまで鯨を捕えている。
- ^ ステレオタイプとしてのインディアン文化の混雑させられた民族イメージに対しては、「アメリカインディアン運動 (AIM) 」などインディアン権利団体が現在、重要な抗議対象としている。
- ^ http://www.bild.de/digital/spiele/nintendo-ds/nintendo-ds-spiel-wickie-und-die-starken-maenner-9127340.bild.html
- ^ キンダー・フィルム・フェスティバル第18回映画祭レポート(2010)
- ^ キンダー映画祭日記 2010年08月05日
- ^ 東京国際映画祭「小さなバイキング ビッケ」
- ^ 「HISTORICA2010」上映作品
- ^ 「京都太秦の東映・松竹両撮影所で時代劇映画祭『HISTORICA2010』を開催-国内外の時代劇映画を一挙上映」東映株式会社ニュースリリース 2010年11月19日
- ^ 2012年 第20回 コンペティション作品(2012)
- ^ セレクション上映
外部リンク
フジテレビ系 水曜19:00 - 19:30枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
荒野の少年イサム
(1973年4月4日 - 1974年3月27日) |
小さなバイキングビッケ
(1974年4月3日 - 1975年9月24日) |
アラビアンナイト シンドバットの冒険
(1975年10月1日 - 1976年9月29日) |