「ドラゴンクエストVI 幻の大地」の版間の差分
→その他細かな変更点: 脚注の出典がないまま長時間経過した部分をコメントアウト 他 |
|||
188行目: | 188行目: | ||
=== その他細かな変更点 === |
=== その他細かな変更点 === |
||
<!--あまりにも細かすぎる変更点は削除してください。--> |
<!--あまりにも細かすぎる変更点は削除してください。--> |
||
* 「シエーナ」の町の名称が「マルシェ」に変更<!-- ref group="注">{{要出典範囲|[[シエーナ大聖堂]]と名称が被るためとされる。|date=2010年3月}}</ref--> |
* 「シエーナ」の町の名称が「マルシェ」に変更<!-- ref group="注">{{要出典範囲|[[シエーナ大聖堂]]と名称が被るためとされる。|date=2010年3月}}</ref-->。 |
||
* 『IX』で同名のキャラクターが登場したため、サンマリーノの町長宅のメイド「サンディ」の名前が「メラニィ」に変更<ref>『週刊ファミ通』NO.1109「決定!ゲームファンが選ぶ太鼓判ソフト」P48より。</ref><ref group="注">また、トルッカ町長の娘「エリザ」も同じく『IX』に同名のキャラクターが登場しているが、こちらは改名されることはなかった。</ref>。 |
* 『IX』で同名のキャラクターが登場したため、サンマリーノの町長宅のメイド「サンディ」の名前が「メラニィ」に変更<ref>『週刊ファミ通』NO.1109「決定!ゲームファンが選ぶ太鼓判ソフト」P48より。</ref><ref group="注">また、トルッカ町長の娘「エリザ」も同じく『IX』に同名のキャラクターが登場しているが、こちらは改名されることはなかった。</ref>。 |
||
* 一部の町やダンジョンで、マップ構造が変更された。 |
* 一部の町やダンジョンで、マップ構造が変更された。 |
2013年2月2日 (土) 21:31時点における版
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
---|---|
対応機種 |
スーパーファミコン ニンテンドーDS |
開発元 |
[SFC]:ハートビート [DS]:アルテピアッツァ |
発売元 |
SFC エニックス DS スクウェア・エニックス 任天堂 |
シリーズ | ドラゴンクエストシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
[SFC]:32Mbitロムカセット(バッテリーバックアップ搭載) [DS]:DSカード |
発売日 |
SFC 1995年12月9日 DS 2010年1月28日 (uh)2011年2月3日 2011年2月17日 |
対象年齢 | [DS]:CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 |
[SFC]:約320万本 [DS]:約135万本(uh版含む)[1] |
その他 |
(uh)はアルティメットヒッツ [DS]:すれちがい通信対応 |
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(ドラゴンクエストシックス まぼろしのだいち)は、1995年(平成7年)12月9日にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム。
2010年(平成22年)1月28日にはリメイク版であるニンテンドーDS版が発売された。天空シリーズで、唯一PSハード版のない作品でもある。
SNES(日本国外版スーパーファミコン)版は発売されなかったが、日本国外ではニンテンドーDS版が北米で "Dragon Quest VI: Realms of Revelation" として、欧州では『VI』を除いた "Dragon Quest: Realms of Reverie" として発売された。
概要
ドラゴンクエストシリーズ第6作であり、スーパーファミコンで発売された最後の本編作品(リメイク等を含めれば、シリーズのSFC版最終作品は、『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』である。)。新しい転職システムや、2つの世界を何度も往復するシナリオが取り入れられた作品である。キャッチコピーは「DQ(ドラクエ)を超えるのは、DQだけ」。DS版は「この旅は、夢という真実へ」。
「天空シリーズ」の3作目、および天空シリーズ三部作の完結編として位置づけられている。本作のテーマは“発見”であり、2つの大きなワールドマップ(パラレル)が存在し、主人公たちは2つの世界を行き来しながら冒険を進める。複数のワールドマップが存在するRPGは過去にもあったが、それらは、序盤は主人公の住んでいる世界だけを移動でき、物語が進むことによって舞台がほかの世界へ移るという形式が多かった(『ドラゴンクエストIII』『ドラゴンクエストV』など)。しかし本作では、ゲーム序盤から2つの世界を行き来しながら物語が進行するという試みが取り入れられている。SFC版では両方の世界がそれぞれ表裏に印刷された紙製の白地図が付属しており、プレイヤーが冒険中に「発見」したスポットをメモ出来るようになっている。
物語の進行に伴い、頻繁に町の住人たちの台詞が変化するようになっている。これは住人達の会話内容からも生活感を出したいという堀井の考えによるもので、本作以前から実装を考えていたもの。本編のボリューム増加にも合わせ、シナリオのテキスト量はそれまでのシリーズ最長の4,000ページに及んでいる(前作は2,800ページ程)[2]。
開発会社がチュンソフトからハートビートに変わり、これによるシステム面の改変点もあり、リメイク作を含めた以降の作品に継承されたものも多い。32メガビットという当時としては大容量のROMが採用され、町やフィールドなどのグラフィック面において、前作までと比べリアルさが増した。また、シリーズで初めてとなる専用サウンドドライバの採用により、オーケストラに近いサウンドがSFC上で実現した。しかしそのクオリティの高い音楽に反して、サウンド面においての使用容量は2メガビット以下に抑えられており、これはサウンドエンジニアの技術が大きく貢献しているとすぎやまから語られている[2]。
SFC版の発売後には、本作を基にした漫画『ドラゴンクエスト 幻の大地』(神崎まさおみ作)が連載されたほか、ゲームブック化、小説化、ドラマCD化も行われている(それぞれ小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエスト参照)。また、本作の登場人物「テリー」の幼年時代を描いたスピンオフ作品として『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』が1998年に発売された。
主なスタッフ
- ゲームデザイン : 堀井雄二
- 音楽 : すぎやまこういち
- キャラクターデザイン : 鳥山明
- モンスターデザイン : 鳥山明・中鶴勝祥
- アートディレクション : 眞島真太郎
- メインプログラム、ディレクション : 山名学
- サウンドプログラマ : 崎元仁・多和田吏
ゲームシステム
自由度
前作はほとんどストーリーの流れに沿った順番でしかゲームを進行できなかった。しかし、前作より自由度の高かった『ドラゴンクエスト』・『II』を『ドラゴンクエストI・II』としてリメイクしたことをきっかけに、本作でも自由度を大切にするというコンセプトで作ることになったという[3]。物語中盤以降は次の目的地が明確に示されず、行動できる範囲をさまよううちに新しい“発見”ができるという構造となっている。特に海底に行く手段を得た後は、どの順番でもシナリオを攻略できるようになっている。
移動画面
城や町、ダンジョンなどのグラフィックが前作と比べてリアル化した。
キャラクター移動に関しては、
- 町やダンジョンの中では移動スピードが前作までの倍になった。
- パーティーの先頭キャラクターが画面の中央に固定されなくなった。
- 扉は対応する鍵を持っていれば扉に触るだけで自動的に開けられるようになった。このため「とびら」コマンドは廃止された。
- トヘロスの呪文や聖水の効果がダンジョン内でも有効になった。
などの点が変更されている。
『ドラゴンクエストIV』や『V』と同様に馬車システムが登場したが、『IV』や『V』と違い、本作では馬車が入れないダンジョンでも、移動中であれば、馬車で待機しているキャラクターの呪文・アイテムをいつでも使うことができる。更にダンジョン外の仲間にも経験値・職業熟練度が加算される。
本作からは井戸を調べることで井戸の内部に入れるようになった[4]。どの井戸でも入ることができ、時にはストーリーを進める上で重要な場所になることもあるが、井戸を調べたときに「いどまじん」や「いどまねき」といったトラップモンスターが出現することもある。
本作ではイベント内で夜のシーンになることはあるが、シナリオの複雑さの関係上[5]、『ドラゴンクエストIII』から『V』までのようなフィールド上を歩くことで昼から夜に時間が移り変わるというシステムは廃止された。
- ふくろ
- 今作からは『III』以降の作品にあった「預かり所」が廃止され、代わりにアイテムを何種類でも保管し持ち歩くことができる「ふくろ」(大きなふくろ)が初登場し、使わないアイテムはふくろの中に入れておくシステムとなった。移動中には必要なときにアイテムを出し入れでき、アイテム別に持っている個数が表示される。装備品以外の持ち物を一度にふくろに入れることもできる。
- 戦闘中はふくろを使用できない。また本作では移動中であってもふくろの中の道具を直接使用できないので、使うアイテムはふくろから出しておく必要がある[6][注 1]。
- このシステムは機能の修正を行いつつ、リメイク作品も含めこれ以降の作品にも引き継がれている。
- ゴールド銀行
- 「預かり所」の廃止と「ふくろ」コマンドの登場に伴い、ゴールド(貨幣)を預かる「ゴールド銀行」が新たに登場した[7]。「ふくろ」コマンドとともにこれ以降の作品にも引き継がれ、リメイク作品でも預かり所がゴールド銀行に変更されている。
- 会話の記憶
- 重要な話のメモの手間の軽減を図るため、会話の直後にボタンを押すことによって町の人が話したことを記憶し、必要なときに主人公の特技「おもいだす」で記憶した会話内容を閲覧できるシステムが導入された[4]。最初は3個まで記憶できる(それ以上記憶すると古いものから消去される)が、主人公のレベルが上がると、10個まで記憶できる「もっとおもいだす」、32個まで記憶できる「ふかくおもいだす」、不要なメッセージを選択して削除できる「わすれる」コマンドも使えるようになる。
- ゲーム中でも、謎を解くのにこのシステムを活かせる場面が用意されている。
- DS版では削除された。
- 世界地図
- フィールドの世界地図に新機能が搭載された(ただし下の世界の「ふしぎなちず」のみ)。今までに行ったことのがない場所はグレー一色で表示され、訪れるとそのエリアに色が付く。これによりまだ訪れていない場所が一目で分かるようになった。
乗り物
馬車を除くと6種類の乗り物が登場し、中には「ひょうたん島」や「空飛ぶベッド」のような風変わりなものもある。また、「あわあわ船」により、ドラゴンクエストシリーズで初めて海底の冒険が可能になった[8]。
- 神の船 - 下の世界で登場。乗り込むことにより、水上を移動する。ただし、プレイヤーが自由に利用できるようになるのは、ムドーを倒してからである。
- 動く島(ひょうたん島) - 上の世界で登場。水上を動くひょうたん型の島。乗り込むことにより水上を移動する。航海中にBボタンを押すと島の上を歩くことができ、宿屋に泊まることもできる。
- 空飛ぶベッド - 上の世界で登場。乗り込むことにより平坦な地形の上を低空飛行する。持ち運びはできない。
- あわあわ船 - 下の世界で神の船乗船中に「マーメイドハープ」を使うことにより、船を泡に包み、海中に潜る。これによって浅瀬や橋の下を通ることもできる。
- 魔法のじゅうたん - アイテム「まほうのじゅうたん」を使うことにより、平坦な地形の上を低空飛行する。空飛ぶベッドと違い、アイテムとして持ち運べるため、上の世界・下の世界で使用可能。
- ペガサス - 馬車で陸上を移動中に「てんまのたづな」を使うことにより、馬車の馬が翼で空を飛ぶ。上の世界・下の世界の上空を飛行可能であるほか、重要な特殊能力を持っている。
プレイヤーキャラクター
前作と同様、プレイヤーキャラクターには人間のキャラクターと仲間モンスターが存在する。
人間のキャラクターはシナリオの進行にしたがって増加していくが、中にはアモス(後述)のように、プレイヤーの行動によっては仲間にすることのできないキャラクターも存在する。前作と異なり、一度パーティーに加わった人間キャラクターはそれ以降、エンディングまで別れる(パーティーに加えられなくなる)ことは無い。物語中盤以降は、町にある施設「ルイーダの酒場」で、主人公とバーバラを除くキャラクターを自由に入れ替えることができるようになる[9]。仲間モンスターを預けるモンスターじいさんは廃止され、人間のキャラクター・仲間モンスターともにルイーダの酒場に預けるようになった。
また本作では、「命名神マリナンに仕える神官」に会うことにより、キャラクターや「ふくろ」の名前をゲームの途中で変更することができる。ただし、すでに使われている名前(まだ仲間にしていないキャラクター・モンスターや重要人物も含む)に変更することはできない。また、不適切な名前(罵倒するような名前、同じ文字を4つ並べた名前や下ネタ)にしようとすると神官から警告を受け、それにも従わず命名すると、再度名前を変更する際に5000ゴールドが必要となる。
ステータスには「かっこよさ」が初登場し[10]、その高さを競うイベント「ベストドレッサーコンテスト」(後述)も登場した。代わりに「うんのよさ」のステータスが廃止された。「かっこよさ」は容姿の端麗なキャラクターやかわいいモンスターほど数値が高く、武骨な外見のキャラクターや醜悪なモンスターなどは数値が低い。主に装備している武器・防具によって上下させることができる。武器・防具を磨いて「かっこよさ」を上昇させる「おしゃれな鍛冶屋」[注 2]も存在する[11]。
仲間モンスター
前作同様、一部のモンスターは戦闘勝利後にプレイヤーの判断で仲間にすることができる。ただし、本作では「まものつかい」の職業の者が戦闘に参加していなければ、モンスターが戦闘後に起き上がることはない[12]。また、特定の出現場所でしか仲間に出来ないモンスターも存在する。
本作では仲間モンスターも人間のキャラクターと同様、転職が可能である。パーティーに加えられるモンスターの種類は18種、数はルイーダの店に預けられたモンスターを含め15匹(イベントで仲間になるモンスターを除く)までと、前作に比べ規模が縮小された[12]。
DS版では戦闘によってモンスターを仲間にするシステムは廃止された。代わりに、ある条件を満たした状態で、マップ上にいるスライムに話しかけると仲間に出来るシステムに変更された。
職業・転職
本作の各プレイヤーキャラクターには「職業」が設定されている。ゲーム序盤は何の職業にも就いていない状態だが、中盤以降では転職によって新たな職に就いて戦闘経験を重ねることで、さまざまな呪文・特技を習得できる。職業は、条件なしで転職できる基本職9種と、一定条件を満たすことで転職できる上級職9種の合計18種がある。上級職のうち6種は特定のいくつかの基本職をマスターすることで転職でき、勇者は特定の4つの上級職のうち、主人公はいずれか1つ、他キャラクターはその全てをマスターすることで転職できる。残りの2種は隠し職業といわれ、「さとり」を入手することで転職できる。前作から登場した「特技」が本作では格段に増え、特定の職業で経験を積むことによって人間・モンスターに関係なくさまざまな呪文・特技を覚えることができるようになった[13]。
「転職」は『ドラゴンクエストIII』でも登場しているが、『III』ではまず職業ありきで能力値とその成長が規定されるのに対し、今作ではキャラクターのHPやMPなどの能力値を無職での値を基準に規定の倍率で変化させるものとなっており、装備可能なアイテムが変化したり、レベルが1に戻ったりすることはないなど、システムとしては別物である。前の職業で覚えた呪文・特技を忘れることはないが、盗賊の「アイテムを盗む」などの職業の特性は失われる[13]。
従来作品から存在するキャラクターのレベルや経験値とは別に、職業ごとの「熟練度」があり、戦闘回数をこなすことによって上昇する。そして熟練度が一定値に達すると「職業レベル」が上昇するとともに新たな呪文・特技を習得し、上級職では特殊な能力が備わることもある。職業レベルは職業ごとの独特の呼称および☆の数で表され(ステータス画面で確認可能)、☆が8個になるとその職業をマスターしたことになる。一度その職業をやめても、その時点までの職業経験はそのまま残る[13]。明らかに自分たちより弱いモンスターしか出現しない場所での戦闘は戦闘回数にカウントされないが、ゲーム後半で登場する城や町近辺のフィールドやダンジョンでは、たとえ最高レベル(99)であっても熟練度を上げることができる。
キャラクターの元々のステータスの傾向と照らし合わせ、同じ職業でも向き不向きが存在する。このため、転職が必ずしもキャラクターの個性を変えるものでは なく、キャラクターに見合った職にしないとステータスの補正に苦労する場合がある。
職業一覧
※解説文中の呪文についての詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を、特技についての詳細はドラゴンクエストシリーズの特技一覧を参照。
- 無職 - 「職業に就かない」という選択も可能。一度何らかの職に就いたとしても、元の無職の状態に戻ることができる。職業特有の呪文や特技を覚えることはできないが、ステータス的に有利な場合もある。
- 基本職
- 戦士 - 剣術系特技を覚える。
- 武闘家 - 格闘系の特技を覚えるほか、真空系特技の「かまいたち」を覚える。他の職業よりも会心の一撃が出やすい。
- 魔法使い - 攻撃呪文(初級・中級)や補助呪文を覚える。
- 僧侶 - 真空系・即死系攻撃呪文や補助呪文、回復呪文を覚える。
- 踊り子 - さまざまな踊り系の特技を覚えるほか、打撃攻撃による回避率が上昇する。
- 盗賊 - 戦闘後に宝物を盗めるようになる。移動に便利な呪文、特技を覚える。
- 魔物使い(SFC版) - 戦闘後に一部のモンスターを仲間に加えることができる。ブレス系特技を中心に覚える。
- 魔物マスター(DS版) - 魔物使いの代わりに登場。魔物を仲間にする能力を持たない代わりに、戦闘中に魔物をうっとりさせて眠らせたりオーラで立ち去らせる特殊能力を持つ。
- 商人 - 戦闘後に追加ゴールドを得ることができる。道具や宝箱を鑑定する呪文「インパス」を覚える。
- 遊び人 - 戦闘中に勝手に遊んでしまうことがある。相手の技をまねして反撃する「まねまね」やモンスターを呼び寄せる「くちぶえ」など、変わった特技を覚える。
- 上級職
- バトルマスター - 戦士と武闘家をマスターすると転職可。主に物理攻撃系の特技を覚える。戦闘中、敵の攻撃を打ち払って回避することがあり、その率は職業レベルに応じて上昇する。
- 魔法戦士 - 戦士と魔法使いをマスターすると転職可。属性付き剣技を中心に覚え、最終的に高威力の単体攻撃「メラゾーマ」を覚える。
- パラディン - 武闘家と僧侶をマスターすると転職可。真空・自己犠牲系などの呪文・特技を覚え、ステータスも下降値が存在せず勇者と遜色ない。打撃攻撃で敵を即死させることがあり、その確率は職業レベルに応じる。
- 賢者 - 魔法使いと僧侶をマスターすると転職可。最上級攻撃呪文や補助呪文、回復呪文を覚え、精霊の召喚もできるようになる。呪文・特技の消費MPが職業レベルに応じて減少し、マスターすると半分になる(全MPを消費する「マダンテ」「メガザル」を除く)。
- レンジャー - 盗賊・魔物使い・商人をマスターすると転職可。自然を利用した特技を覚える。特技はMPを消費しないものばかりだが、失敗する可能性もある。「にげる」の成功率が職業レベルに応じて上昇する。
- スーパースター - 踊り子と遊び人をマスターすると転職可。効果の大きい踊り系特技を覚える。時々敵が見とれて1ターン休みになることがあり、職業レベルが上がるに連れてその確率が高くなる。
- 勇者 - 極限の職業。主人公はバトルマスター・賢者・レンジャー・スーパースターのうちどれか1つをマスターすると転職可。ほかのキャラクターはこれらの4職業を全てマスターすると転職可。強力な呪文・特技等を覚える。戦闘中HPが自動的に回復するようになり、回復量は職業レベルに応じる。無職時と比べて全能力要素が同じか優れているため、全能力要素が最大まで成長したとしても無職よりも勇者の方が常に優れている。
- 隠し職業
- ドラゴン - 「ドラゴンのさとり」を持っていると転職可。炎や氷のブレスを覚える。職業レベルが上がると、敵が「驚き戸惑う」ことで味方パーティーが先制攻撃できる確率が上昇する。仲間モンスターの「ドランゴ」は最初からこの職業に就いている。「ドラゴンのさとり」はクリア後の道具屋で購入可能となる。
- はぐれメタル - 「はぐれのさとり」を持っていると転職可。ただし、入手方法の関係上、クリア後にならないと転職不可能。MPを消費する強力な特技を覚える。マスターするとモンスターのはぐれメタルと同じく呪文・特技を全く受け付けなくなる。DS版では仲間モンスターの「はぐりん」が最初からこの職業に就いている。
戦闘
戦闘画面は前作『V』ではウィンドウ内にモンスターが表示されていたが、本作では画面全体が背景付きの戦闘専用の画面に移行する形式となり、ほとんどの敵モンスターが行動時にアニメーションをするようになった(ただし最終ボス以外は効果音を伴わない)。一部には、腐った死体のようにデザインが変更されたモンスターや、キメラ[14]やキラーマシンのようにやマイナーチェンジされたモンスターなどもある。アニメーション自体は本作以降も導入されているが、モンスターのデザイン変更やマイナーチェンジはほぼ本作のみに留まっている。
本作のSFC版のみ戦闘画面での味方のパーティーメンバーの状況は本作のみ右上に表示をされている[15]。
また、各キャラクターごとの個別コマンドが「攻撃・呪文・特技・道具・装備・防御」の6つとなった[16]。
戦闘に参加できる最大人数は4人。作戦は、本作から「じゅもんせつやく」が廃止され、新作戦「おれにまかせろ」が登場。これは、敵への攻撃を主人公中心とし、ほかのキャラクターは主人公のサポートに徹する作戦と説明されており[17]、おもに敵の行動を妨害することで主人公を援護する。また本作では戦闘中にリアルタイムでAIが行動を決めるようになったため、すばやさが遅いキャラクターが有利になる面もある。AI自体も敵の弱点やHPを最初から見破り、有効かつ最大の攻撃のみを選択するようにプログラムされているため、プレーヤー操作よりも効率よくキャラクターが行動することもある反面、攻撃パターンが機械的になりがちである[注 3]。ただし、本作の強力な敵やボスキャラクターの中には、仲間のAIの能力を上回る判断をするものも存在する[18]。
戦闘終了後、フィールドのBGMは最初に戻らず、戦闘に入る直前の箇所から流れるように変更された(デスタムーアの城は例外)。以後の作品でも、ゲームボーイ版作品とニンテンドーDS版『IV』以外は同様の仕様となる。
サブゲーム・コレクション
- ベストドレッサーコンテスト
- 「かっこよさ」を競うコンテスト。8つのランクがあり、最初はランク1からの挑戦となる。コンテストで1等賞を取れば賞品を獲得でき、ひとつ上のランクのコンテストに挑戦できる。ランクによっては、男性限定・女性限定やモンスター限定のランクもある。上のランクになるほどクリアに必要な「かっこよさ」の値は上昇していく。また、同じ種類の武器・防具を揃えるなど、コーディネイトによってはボーナスポイントが評価点にプラスされる場合もある[19]。主催はカルバン・ジャンポルテという富豪。なお、賞品の中には、入手しないとストーリーを進めることができないキーアイテムもあるので、お楽しみ的要素とは言えども参加する必要がある。
- スライム格闘場
- スライム系の仲間モンスターを参加させることができる格闘場。オーナーはスラッジという老人。各ランクで優勝すれば賞品がもらえる。参加するスライムは1匹で戦い、3連戦勝ち抜きで優勝(ランクHでは3連戦とチャンプ戦に勝てば優勝)となる。格闘場での戦闘中の指示はできず、一定ターンが経過すると疲れ果てて強制敗北となる。「ランクA」が最も弱く「ランクH」が最も強いランクとなっており、「ランクH」以外は2度優勝するまで挑戦することができるが、2度目の挑戦では開始時のHPとMPが半分となるハンデがつく[20]。
- カジノ
- 専用のコインを購入し、それを使ってミニゲームに挑戦し、獲得したコインを景品に交換できる。本作ではポーカーとスロットマシンの2ゲーム。スロットマシンではリーチアクションやボーナスゲームが追加されている。本作からは複数の場所にカジノが存在するようになり、場所によってスロットマシンの台数やレート、ポーカーでのダブルアップのルール、景品が異なる[21]。
- ちいさなメダル
- メダル王に持っていくと褒美がもらえる「ちいさなメダル」は、主人公たちが持っているメダルとアイテムを交換する(交換するとその分のメダルがなくなる)方式であった『ドラゴンクエストIV』『V』とは異なり、集めたメダルの累計が一定枚数に達することにより新たなアイテムが1つずつもらえる方式となっている。以降発売される本編作品でもリメイク版『V』以外は同様の方式となる。
ニンテンドーDS版
ニンテンドーDSでの「天空シリーズ」三部作のリメイク第三弾として、オリジナルのSFC版から約14年1ヶ月振りで2010年1月に発売された。
基本的なシステムやインターフェイスは既にDSリメイク版として発売されている『IV』『V』に準拠しており、シリーズを通しての統一感が図られている。
BGMは内蔵音源だが、タイトル画面の『序曲のマーチ』のみ東京都交響楽団演奏のオーケストラ音源を採用している。
海外でも“Dragon Quest VI: Realms of Revelation”というタイトルで発売が予定されており、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の海外版と同様に任天堂の海外法人が販売を手がける。
大きな変更点・追加要素
- 仲間会話システム
- 移動中のみ、馬車の外に出ている仲間と会話することが出来る。
- 会話記憶システム(おもいだす)の廃止
- 代わって導入された仲間との会話システムによるヒントの充実によってある程度補完されている。
- 仲間モンスターシステムの大幅な変更
- スライム系モンスターを世界中から見つけ出して仲間にする方式に変更された(職業制限はない)。それぞれのスライムに仲間になるための条件があり、条件を満たせば仲間にすることができる。それに伴って、「魔物使い」は「魔物マスター」に名称変更、モンスターを仲間にする能力は失われた。また、仲間となるキャラクターが固定されたことにより、ルイーダの店で加えた仲間と別れる(メンバーから外す)ことは出来なくなった。
- すれちがいの館
- 前2作および『IX』でも採用されたすれちがい通信を用いたシステム。本作では、キャラクターや舞台を選んで「夢告白」を作り、これをすれちがい通信で交換することが出来る。すれちがい人数が特定の人数に達することで、クリア後でないと仲間にできない特定のスライムをゲームクリア前に仲間にできたり、新たな夢告白の舞台を入手できたりする。また、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』と一方通行的な連動をしており、相手側が同作品の挿入された本体の場合、相手側にすれちがいバトルが発生する[22]。
- スライムカーリング
- 前作『V』に続いて導入されたタッチペンを使って遊ぶミニゲームが追加された。BGMは前作『V』と同じく「ずっこけモンスター」が使われている。
- デスコッドの村の選択追加
- SFC版ではデスコッドの村の正体は魔物たちと一部他作品の登場人物たちがいる村だったが、DS版では会話の選択肢によって、魔物たちだけの村、『IV』の登場人物たちだけの村、『V』の登場人物たちだけの村の3通りに変化する。ここで、『IV』が近い未来、『V』が遠い未来の出来事と判明する。なお、一度選択肢を選んだ後は村の内容が固定され、やり直すことは出来ない。
その他細かな変更点
- 「シエーナ」の町の名称が「マルシェ」に変更。
- 『IX』で同名のキャラクターが登場したため、サンマリーノの町長宅のメイド「サンディ」の名前が「メラニィ」に変更[23][注 4]。
- 一部の町やダンジョンで、マップ構造が変更された。
- 一部のキャラクターの台詞や、ナレーションのメッセージなどが一部変更及び追加されている(例:ダーマ神殿に仲間モンスターシステムの変更について説明してくれる女性がいる、フォーン城にてラーの鏡にミラルゴが映るシーンで、SFC版「不気味に笑う魔物の姿が映っている」→DS版「不気味に笑う魔人の姿が映っている」、魔術師の塔の入り口の扉に触れた際のメッセージが SFC版「トビラにはカギがかかっている。持っているカギでは開かなかった」→DS版「なにやら不思議な力で閉ざされているようだ」など)
- 嘆きの牢獄とラストダンジョン周辺が町やダンジョン外観と同じ扱いとなった(フローミ使用時の表記は「デスタムーアの島」)。
- アイテムとしての「せかいちず」「ふしぎなちず」が廃止(フィールドでは上画面に常に表示した状態)、上の世界も最初は白地図で、行った場所に色が付いていく仕様になっており、はざまの世界も同様。それにあわせて「せかいちず」を売ってた店は「盗賊の鍵」に変化している。
- グランマーズの依頼を受けて夢見の洞窟に行く場合、ミレーユが戦闘に参加するようになった。ただし、NPC扱いであるため、レベルは上がらず命令することもできない。また、ミレーユ以外のメンバーが全員戦闘不能になった場合全滅扱いとなる。NPCのミレーユ1人だけが戦闘不能になった場合は、戦闘終了後、残りHP1の黄色表示の状態で自動的に復活する。ゲームストーリーが進み、ミレーユが正式にパーティメンバーとして加わると、自動復活しなくなるが、自由に命令可能となり、レベルも上がる。
- グランマーズがその都度次の目的地などを示してくれるようになった[注 5]。
- 月鏡の塔でバーバラに最初の地点で話しかけた場合、夢見のしずくをかけるところまでがイベント化された。
- テリーの初期ステータス上昇。戦士だけでなく武闘家もマスターした状態で加入する。
- アイテム取得時のSEは『V』準拠となった。
- 戦闘時のエンカウントのSEがなくなった。
- マーメイドハープ使用時のSEが、常にフルバージョンになった。
- 空飛ぶベッド、魔法の絨毯使用時のコマンド使用が不可能になった。
- 空飛ぶベッド、魔法の絨毯で町や城、洞窟などの入り口の上を通過できなくなった。
- イベント参加や一時離脱などの際に装備品以外のアイテムがふくろ送りにされることがなくなった。
- イベントにて、ルーラの行き先に「べっせかいへ」が追加。ルーラで上下世界を行き来できるようになる。イベント後はキメラの翼、風の帽子でも同じく行き来できるようになる。行き先は必ず別世界のダーマ神殿であり、他の場所を指定することはできない。
- 戦闘コマンドの「呪文」と「特技」がDS版『IV』『V』と同様に「特技」コマンド1つに統一された。一覧の表示もSFC版のような穴埋め式ではなく、空欄を詰めて表示するようになった。
- 特技「しのびあし」を使って敵に遭遇した場合、敵からの先制攻撃を受けやすくなった(遭遇率が低下する特性自体は変更なし)。
- レベルアップ時や種などの使用によるステータス上昇値は、常に無職時(ステータス無補正)における上昇値が表示されるようになった。
- 敵のHPなどのステータスが全体的に減少。ただし素早さだけは軒並み上昇傾向に。
- 敵から得られる経験値やゴールドが全体的に上昇。
- マダンテの威力が残りMPの2倍分(『VIII』基準)に弱体化(SFC版では3倍分)。
- SFC版にあった一部の不具合(バグ)が修正された(スライム格闘場などでHP0になり無敵化する現象(条件が整っている状態では出場自体出来なくなった)や、鍛冶屋でオーガシールドを鍛えると能力が伝説の防具化したり(守備力上昇効果は変わらず)、オルゴーの鎧を鍛えると耐性が消える不具合など)が、特定条件下でキャラクターのMPが無限になる等の新たなバグも存在する。
- スライム格闘場のハンディキャップ戦(既にクリアしたランクにもう一度挑戦する場合)はHP、MPの最大値も半減するようになり、半減後の数値は小数点以下切り上げになった(SFC版では最大値には変化がなく、小数点以下は切り捨てだったため、前述の無敵化現象が発生していた)。
- デュラン戦で全滅しても伝説の武器・防具を奪われなくなった。
- カジノのスロットマシーンのシステムは『IV』『V』準拠に変更。
- デスタムーアの城(SFC版では「ムーアの城」)でも戦闘後のBGMが曲の先頭に戻らず、続きから再生される。
- スライムベホマズン等一部モンスターのカラーリングを変更。主に他作品に合わせたものになっている。
- SFC版ではゲームクリア時、最後にセーブした時点の内容のままセーブデータにクリアフラグのみ記録されたが、DS版ではゲームクリア後にセーブが行われ、クリア時点でのデータが上書きされてそのまま引き継がれるようになった。このため、SFC版のようにストーリー序盤でクリア後の特典を得ることはできなくなった。
- クリア後の隠しダンジョンへの到達条件が、「ゲームをクリアすること」のみに変更された。SFC版当時の条件を満たすと、ゴスペルリングを入手できる。
- ダークドレアムのイラストデザインが『IX』基準のデザインに変更され、サタンジェネラルやデュランの色違いではなくなった。
- SFC版では一部の人間キャラクターにも耐性や特殊な回避率が設定されていたが、DS版では全て削除され、すべて一定となった。また、仲間モンスターの持つ耐性は同種の敵モンスターと同じものに変更された(例えば、DS版のドランゴは敵として登場するバトルレックスの耐性に準拠)。そのため、DS版では耐性を持つのは仲間モンスターのみとなっている。
などは、SFC版では屋根がオミットされていたが、DS版では屋根がちゃんとある。逆にトルッカの教会からは屋根が無くなり、水堀も無くなっている。
- ダーマ神殿の大神官、メダル王、ランド、スモック、アモスなどに専用のグラフィックが与えられている。
- はざまの世界は、陸の周りが海でないのがSFC版よりわかりやすくなっている。
- 前述の通り、グラコスの体色が緑から紫(『VII』のグラコス5世と同じ色)に変更された。他、デュランとサタンジェネラルも指の数が4本から5本に変更された。
- カジノの音楽「ハッピーハミング」からイントロが削除された。逆に空飛ぶベッド、魔法の絨毯に乗っている時の音楽「空飛ぶベッド」にはイントロが追加されている。
- サンマリーノではカモメが飛んでいる、事件解決前のマウントスノーは猛吹雪が吹き荒れている、カルベローナはSFC版では水上に水晶玉が設置されていたが、DS版ではその場所にクリスタルの柱が立っていて、その天辺の周りをたくさんの小さな光の粒がゆっくりと回っている、はざまの世界崩壊シーンでは隕石が降り注ぐなど、一部の町やダンジョンなどにSFC版には無かった演出が施されている。
- 月鏡の塔にて、塔と浮いている小部屋を繋いでいる光線が消えるシーン、同じく月鏡の塔で、浮いていた小部屋が落下するシーン、テリーとドランゴの対決シーン、ヘルクラウド城出現シーン、クラウド城(ゼニスの城)復活シーン、マサールとクリムトがデスタムーアの城(SFC版ではムーアの城)の岩山を破壊するシーンが3D化され、ペガサス復活シーンには、ファルシオンが雲の中を駆け上がる映像と、ファルシオン目線で空から見下ろした世界の映像が追加されている。
- デスタムーアの城(ムーアの城)の大魔王の間の背景の空間が赤一色の空間から宇宙空間のような空間に変更されている。また、デスタムーアはSFC版のように宙には浮いておらず、新しく追加された岩の上に腰を下ろしている。
- デスタムーア最終形態戦の音楽「魔王との対決」が『IX』、『バトルロード』でのアレンジと同じように、テンポが遅くなっており、レイドック王が「気がついたらわしは魔王ムドーになっていた」と説明するシーンやフォーン城にてラーの鏡にミラルゴが映し出される瞬間のSEもテンポが遅められている。
- デスタムーア各形態の変身のシークエンスが変更されている。
- 第一形態→第二形態 - SFC版:倒した瞬間第一形態が一旦消滅し、残った2つの玉が合体し、第二形態になる → DS版:SFC版同様に第一形態が一旦消滅し、何もない所から第二形態が湧き出すように出現し、2つの玉を取り込んで変身完了
- 第二形態 → 最終形態 - SFC版:体が消滅し、残った頭と両手が最終形態になる → DS版:変身の前にそれまで乗っていた岩を破壊し、頭と両手を含む体全てが一旦崩壊、異空間に吸収され、空間を引き裂いて最終形態が現れる
- アモス、ドランゴ、仲間スライムを仲間に加えていた場合、EDに加えたメンバー全員が登場する。
- バーバラが一時離脱する際、持ち物を袋に入れるかどうか選択できるようになった。
- マルシェ(SFC版ではシエーナ)の町の銀行の位置が武器屋と道具屋の西隣の地下から宿屋の地下に移動しており、バザーの店も露店ではなくなっている。
- フォーン城にある、ミラルゴがイリカを閉じ込めた鏡の形が、モンスター・あくまのカガミの形から、壁と一体化した大きな四角い普通の鏡に変更されている。これにより、画面に映っているイリカの背後にミラルゴを映し出すことが可能となった。
- 時の砂の使用回数が無制限になった(SFC版では使い捨て)。
- エンディング中は呪文を唱えること、強さを見ること、道具を使うことが出来なくなった(やろうとすると、これまでを振り返るようなメッセージが表示される)また、「しらべる」のコマンドを使用した場合も、メッセージが変化している。
- 壺やタルを調べる際、「しらべる」のコマンドを使って調べた場合はSFC版同様中を覗き込んで調べるが、便利ボタンを使って調べた場合は壊して調べるようになった。
- ダークドレアムがデスタムーアを倒した後のシーンが修正され、SFC版では光るシーンがあったがDS版では画面が揺れるだけになった。
- 通常戦闘のBGM『勇気ある戦い』が牢獄の町のクーデターイベントでも使用されている。
- フィールドイベントで登場する魔物の一部が没用の魔物のグラフィック(翼と尻尾の生えた青鬼のようなグラフィック)ではなくなった(ムドーの部下のきりさきピエロ、アクバーの部下のガーディアンなど)。
- スタッフロールがスクロール式に変更。また、SFC版では天空城が大陸を浮遊しているグラフィックがスタッフロールの背景に表示されるが、DS版は画面が暗転した状態になる。
物語
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
他のシリーズ作品との関連
本作は『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に続く「天空シリーズ」の3作目として位置づけられている。
SFC版では『IV』『V』と本作との繋がりについて特に明らかにされなかったが、DS版ではクリア後のとあるイベントによって『IV』『V』と同一世界の過去の物語であることが明らかになった。
本作の夢の世界に登場する「クラウド城」は、『IV』『V』に登場した「天空城」と構造がほぼ同じであり、堀井雄二も「『VI』は天空城が出来たいわれの物語」と述べている。また、本作にはロトシリーズで登場した精霊と同名のルビスが登場するが、ロトシリーズのルビスと同一の精霊なのかどうかは明らかにされていない。
世界設定
本作ではゲーム開始直後から2つの世界を行き来することができ、ストーリー中盤まではこの2つの世界を何度も行き来しながらシナリオを進めていくこととなる。この2世界は地面に開いた大穴やフィールド上の階段によって行き来でき、物理的に重なっていると捉えることができることから、公式ガイドブックでは上の世界、下の世界と呼ばれているが、ストーリーを進めると上の世界が夢の世界、下の世界が現実の世界であることが判明する。両世界に点在する井戸を利用することによっての世界間移動もでき、イベントで別のものが出入り口になることもある。アモールやライフコッド、クリアベールなど、夢と現実の2つの世界に共通して存在する場所もある。これらの場所では、一方の世界で何か変化が起きると、もう一方の世界でもそれに合わせた変化が起きるようになっている。またこれ以外の場所でも、夢の世界の事件を解決することで現実の世界でトラブルが解消されたり、現実の世界のとある夢を見ている老人の家と夢の世界の町が地図上でほぼ一致する位置に存在することから、プレイヤーが町の正体を推測することができるなど、数々の「発見」をすることができるようになっている。
この2世界のほか、終盤でははざまの世界という第3の世界が登場する。また、下の世界では地上のほかに海底のフィールドマップもあり、本作では実質的に4つのフィールドマップが存在する。
- 夢の世界(上の世界)
- 現実の世界の住人たちが見ている夢である。オープニング終了後、冒険はまずこちらの世界から始まり、後にストーリーが進むと、この世界が夢の世界であるということが判明する。世界地図で見ると大陸全体が丸い形になっていることが特徴で、草原の色が若干暗い。主に現実の世界の人間の願望などによって形作られており、現実の世界の人間との接点はないが、カルベローナの民や魔法使いミラルゴなどの魔道に精通している者であれば、死んだ後に精神を分離させ、現実の世界での意識を持ったまま夢の世界の住人として生活することもできる。
- 現実の世界(下の世界)
- ストーリー上の本来の世界である。物語の初め、夢の世界からは本作のサブタイトルにもなっている「幻の大地」と呼ばれる。夢の世界の者が大穴などを通ってこの世界を訪れた場合は、「ゆめみのしずく」という液体を身体に振り掛けない限り、この世界の人間からは姿が見えない(声は聞こえる)[注 6]。ただし、夢をも侵攻せしめる大魔王デスタムーアの尖兵である魔物は、夢の世界の者も見ることができる。こちらは世界地図で見ると大陸全体が四角くなっていることが特徴で、草原の色は上の世界に比べると明るくなっている。地上や海上のほか、海中に潜ることもできる(海中では「ルーラ」等は使用不可)。
- はざまの世界
- デスタムーアによって作り上げられた、夢と現実の狭間をさまよう暗黒の世界。現実の世界や夢の世界に住んでいた何人もの人々が、大魔王の手によってこの世界に取り込まれている。自らの力で行くには、ペガサスの力を借りなければならない。訪れた人間は絶望によりみな腑抜け状態になるため、初回訪問時はパーティー全員の最大HPが1、ほかの全ステータスが0になる(ストーリーを進めることによって元に戻る)。主人公たちが初め訪れる部分はこの世界の「仮の姿」であり、魔王の幻術を解かない限り「真の姿」を見ることはできない。また、この世界では魔法のじゅうたんや天馬の手綱は使えない。
国家・都市・建造物など
- 2世界に共通して存在する国・都市
- ライフコッド - レイドックから北方の山にある村。村の民芸品は木彫り細工と絹織物。毎年、山の精霊を祭る村祭りが行われる。夢の世界では冒険のスタート地点であり、主人公はここで妹ターニアと一緒に暮らしていることになっている。現実の世界では村人たちはよそ者に対して冷たく、主人公の命を狙うデスタムーアの手先に襲われることとなる。
- レイドック - 世界のほぼ中心にある王国。現実の世界では王子が行方不明となり、王と王妃は一日中眠りから覚めないが、実は主人公がこの国の王子である。夢の世界では、現実のシェーラ王妃がレイドック王となっており、日夜寝ることなく治めている。
- アモール - レイドックから西方、清水の流れる川沿いに作られている町。回復アイテム「アモールのみず」の産地。夢の世界では、岩山で隔てられており、レイドックから徒歩では行けず、現実世界のアモールからイベントにより訪れることになる。現実世界の教会では元盗賊のジーナが手伝いとしてひっそりと暮らしているが、彼女の悪夢が夢の世界にも影響を与えている。なお、以降の作品(『VIII』など)にも「アモールの水」というアイテム自体は登場する。
- クリアベール - 南の大陸にある町。夢の世界では、現実の少年ジョンが夢見る「空飛ぶベッド」が見られ、名物となっていたが、現実世界でジョンが幼くして亡くなったために、見られなくなった。
- グレイス - 世界の南西の果てに位置する廃墟と化した城。毒の沼地に侵食され、城の土台しか残っていない。主人公たちは井戸をのぞき込むことで夢の世界に行き、城が滅びた経緯と伝説の鎧の所在を知ることとなる。この国では伝説の悪魔を呼び出し、魔王を滅ぼさんとしており、「その悪魔に人間が襲われない確証など無い」と召喚の儀式に異を唱える国民を無視し、王の独断で強引に実行された。結果、国民の不安は的中。召喚した悪魔を制御することが出来ず、城は滅ぼされたのであった。ペガサスなどの手段を用いれば、夢の世界で外部からグレイス城に入ることもできるが、入らなくてもストーリーを進められる。外部から夢の世界のグレイス城に入ると、現実世界と同様に城は廃墟となっている。
- 4つの封印 - 下記は、クラウド城を除いて、いずれも現実世界では魔王によって滅ぼされた場所であるが、多くの人の心の中に残ったため夢の世界では存在し続けた。しかし魔王にとっては脅威となるため、建物や町ごと封印され、その跡地は現実の世界に通じる大穴となった。海上に穴のあるカルベローナ以外では、飛び降りることで現実の世界に行くことができる。これらは封印した張本人を倒すことによって穴が塞がり、元の建物・町が復活する。
- ダーマ神殿 - 職をつかさどる神殿。現実世界では廃墟となっている。夢の世界では、勇者となる者が現れるのを防ぐべく、ムドーによって封印された。井戸から夢と現実の世界を移動できる。
- メダル王の城 - シエーナ(マルシェ)の北西にある小さな城。「ちいさなメダル」を集める王がいる。勇者一行が強力な武具を手に入れるのを防ぐべく、ジャミラスによって封印された。
- カルベローナ - クリアベールの西の沖に浮かぶ島の魔法都市であり、バーバラの出身地。伝説の魔法「マダンテ」を使いこなす者が現れるのを防ぐべく、グラコスによって封印された。
- クラウド城[注 7] - 夢の世界を束ねるゼニス王の住まう城。夢の世界の南東部に位置する。勇者一行がはざまの世界へ来るのを防ぐべくデュランによって制圧され、魔物の住む「ヘルクラウド城」として現実世界の空に浮いている。下層には「希望の卵」と呼ばれる巨大な卵があり、この世界の未来が生まれてくるらしい。
- 夢の世界のみに存在する都市・建造物
- シエーナ / マルシェ - ライフコッドの南にある町。年に一度バザーが開催され、期間中は大勢の人で賑わう。またライフコッドの村祭りで使われる「精霊の冠」を作る職人が住んでいる。現実世界に住むある老人の夢。SFC版ではシエーナという名称であったが、DS版ではマルシェという名称になっている。
- カルカド - 世界北東部にある島の砂漠の中の町。井戸が枯れるなど町は困窮状態にある。町の中では「しあわせの国」の噂が絶えず、幸せを求めて多くの人が町を出たという。
- 地底魔城 - レイドックから南東方向にある、夢の世界のムドーが住まう地底の城。
- 占いの館 - SFC版で登場。道に迷った時に助言をくれる占い師が住んでいる。DS版ではその役割はグランマーズが行うことになり、「占いの館」は「すれちがいの館」に置き換えられている。
- すれちがいの館 - DS版で登場。キャラや舞台を選んで「夢告白」を作り、これをすれちがい通信で交換することが出来る。すれちがいの数が増えれば増えるほど、館内に変化が起こる仕組みになっている。
- 魔術師の塔 - クリアベール北の大砂漠にある塔。魔術師ミラルゴが住む。入口の扉は、ある呪文を唱えないと開かない。
- スライム格闘場 - スライムの調教師スラッジの設立した、スライム系モンスターだけが出場できる格闘場。スライム系しか入れない部屋もある。
- 現実の世界のみに存在する国家・都市・建造物
- トルッカ - 世界北西の島にある町。最初に訪れることになる町。誘拐事件が起こっている。
- サンマリーノ - 港町で、ハッサンの出身地でもある。レイドックへの定期船が出ており、カジノもある。近くには夢占い師グランマーズの独居がある。
- ゲントの村 - 癒しの力を持つ「ゲント族」の暮らしている村。チャモロの出身地。村の奥のドックには「神の船」が祀られており、昇降設備により直接水路に出られるようになっている。
- モンストル - 戦士アモスによって魔物から救われた町であり、アモスは町の英雄となっている。
- アークボルト - 世界北東部にある国。王は城の東にある旅の洞窟に巣くう魔物を退治させるため、強い者を募っている。
- ホルストック - 南の大陸にある国。国を治めるホルテン王は、王家のしきたりである洗礼を受けたがらない悪戯好きで臆病な王子ホルスに手を焼いている。城の東には初代ホルストック王が作ったホルコッタの村がある。
- フォーン城 - レイドックの南方にある、フォーン王の治める城。邪悪な魔術師ミラルゴによって姫・イリカが鏡に封じ込められており、彼女が「カガミ姫」として有名になっている。水門の鍵を管理している。
- ペスカニ - 海岸沿いにある漁村で、村には洞窟もある。村に住む凄腕の漁師ロブは、かつて自分を助けた人魚のディーネに届けるために魚屋の残り少ない魚を買い占めたり、彼女が村人に見つかるのを恐れるあまり乱暴な態度を取っている。
- マウントスノー - ザム神官の住む雪国の町。町の人はゴランという老人を除いて、その地を守る雪女ユリナによって氷漬けにされた。北の洞窟には伝説の剣があり、その封印を解く術を知るのは村に住むザム神官のみである。
- ロンガデセオ - ならず者の町。パスがないと入ることができない。劇場やカジノがあり、伝説の鍛冶屋コブレの娘サリイが住んでいる。
- ザクソン - ライフコッドの東方の山奥にある村。防具職人のクラーク・エンデの家があるが、エンデは姿を消してしまっている。店などは全くない。
- ガンディーノ - 世界南東部の島にある国。先代の王は暴君だったが、現在は新たな王によって善政が敷かれている。ミレーユ・テリー姉弟が幼少時を過ごした国であり、現在でも養父母が住んでいる。先代の王の時代、ミレーユはここで奴隷となっていた。城下町の地下にはかつて国を脅かしていたギンドロ組のアジトがある。
- ポセイドン城 - 海の王ポセイドンの城。かつて、大賢者が訪れたこともあるという。ポセイドンは自分に取って代わって海を支配するグラコスを不快に思っている。
- ムドーの城 - 現実世界のムドーの居城。レイドックの東の海に浮かぶ島にそびえている。
- はざまの世界の町・建造物
- 絶望の町 - はざまの世界で最初に訪れる町。大魔王によって現実の世界や夢の世界から取り込まれた人々が住んでおり、ザクソン村のエンデもここに暮らしている。人々は希望を失い、無気力となっている。主人公たちの行動によって活気が蘇った後は、人々から「希望の町」と呼ばれるようになる(正式名称は変化しない)。西には、現実世界への戻り口が隠されたヘルハーブ温泉があるが、強い意志を持たぬ人間は一層無気力になる。
- 欲望の町 - 活気に満ち溢れているが、その正体は「欲望」である。大賢者が付けた名前があったと言われるが、その名を覚えている者は1人もいない。欲望の名の通りカジノもある。ここに住む大富豪モルガンは大賢者の残した宝について詳しいが、情報料として高額な金を要求する。実は牢獄の町の兵士に贈賄しており、密かにデスタムーアに通じている。
- 牢獄の町 - 魔王の右腕アクバーの支配する、牢獄を中心とした建造物。はざまの世界に取り込まれた罪のない人間たちが囚われている。牢獄内には町のような場所があるが、店は兵士に荒らされたため品物は置いていない。囚われている人々はある程度の自治は認められているが、常にギロチンの恐怖に怯えている。奥深くには賢者クリムトが捕らえられている。
- 嘆きの牢獄 - 大魔王デスタムーアの居城のすぐ南にある古い牢獄。大賢者マサールが捕らえられている。
- ムーアの城 / デスタムーアの城 - 大魔王デスタムーアの居城で、本作のラストダンジョン。最初はとても高い岩山の上にあり入れないが、嘆きの牢獄でのイベントでマサール、クリムト兄弟に岩山を破壊してもらい、地上に落ちた時点で初めて入れるようになる。シリーズでは初めてラストダンジョン専用のBGMが使用されている。「ムーアの城」はSFC版、「デスタムーアの城」はDS版での表記。
- お楽しみダンジョン[注 8] - クリア後、特定の条件を満たすと入ることのできるダンジョン。地形は既存のダンジョンからの流用。途中にはライフコッドとほぼ同じ構造のデスコッドの村がある。過去のシリーズ作品に登場したトルネコ、マーニャ、サンチョとグランバニア王子・王女と思われる人物たちが登場し、それ以外の住人はほとんど魔物だが、主人公たちを襲うことはない(DS版ではこちらの行動によって住人が変化する)。ダンジョン最深部にはダークドレアムの祭壇がある。
ストーリー概要
本作ではオープニングにおいていきなり、従来の作品での最終目的であった魔王との対決が行われる。結果、主人公たちは敗れ、その後場面は一転して、主人公は山奥の村ライフコッドのベッドから転げ落ちている。主人公自身は夢と認識するが、これが本当に夢なのか真実なのかはストーリーを進めていくことで明らかになっていく。
主人公は村長の依頼で、年に一度の村祭りに必要な道具を取りに行くことになるが、その道中で大地に開いた大穴に落ちて別の世界へ行く。その世界では奇妙な体験をし、元の世界に戻りライフコッドで話を聞くとその世界が「幻の大地」と言われる存在であることが分かる。村祭りで精霊のお告げを聞いた主人公は、出会った仲間たちとともに魔王ムドー討伐の鍵となる「ラーの鏡」を探索する。そしてラーの鏡を発見して上の世界に戻るとムドーとの対決があり、勝利すると上の世界と下の世界の正体と関係(詳しくは上述)が明かされる。そして現実世界で真のムドーに戦いを挑む。
ムドーを倒した後は、本当の自分自身を見つける旅、いわゆる「自分探しの旅」が始まる。この後はどこへ行けとの指示を出されることは無く、以降しばらくは現在行くことのできる地域を順番に辿り、そこで起きる事件や出来事を解決していく形でストーリーが進む。海底探索が可能になった後は行動範囲が広がり、4つの「伝説の武具」を集めることとなる。その過程で主人公は自分自身を見つけるという目標を達成する。
伝説の武具を全て揃えた後、神の城で大魔王デスタムーアの存在が明かされる。そしてはざまの世界へと向かい、大魔王との最終決戦に挑む。
登場キャラクター
この節では、ゲーム作品本編内で語られる設定を中心に記述する。なお以下の解説文中の呪文についてはドラゴンクエストシリーズの呪文体系、ステータスについてはドラゴンクエストシリーズ#ステータス(かっこよさについては本記事の解説)を参照。
主人公と仲間たち
前作同様、ステータス画面には肩書きが存在しており、ストーリーの進行によって現実世界でのキャラクターの本当の姿が明らかになると肩書きも変化する。説明文中の《 》はそのキャラクターの肩書き(ゲーム中ではかな文字で表記される)。
以下の6人は、物語の中心となる存在で、シナリオ進行上必ずパーティーに加わるキャラクターである。
- 主人公[注 9]
- ライフコッドでターニアという妹と暮らしている17歳の《村の少年》で、両親はすでにいない。村祭りで山の精霊からの啓示を受け、自分、そして世界の本当の姿を知る旅に出る。
- 現実世界での姿は《レイドック王子》。両親がムドーの術により眠りから覚めなくなった後、ハッサンやミレーユと共にムドー討伐に出かける。だが、ムドーの術により、心(意識)が本体から分離。意識だけを夢の世界に飛ばされた。後に現実のライフコッドにて本体と意識体が融合するが、ハッサンやミレーユよりも意識と本体の離れていた時間が長かったため、完全に本来の自分を取り戻すことはできなかった(小説版やCDシアター・4コママンガ劇場などでは、融合前の性格でほぼ統一されている)。かつて幼い頃に実の妹[注 10]を病で亡くしている。
- ルイーダの店に預けることはできない。敵のバシルーラを受けても、100%無効となり、ルイーダの酒場へ飛ばされることがない。HP・ちからがやや高めではあるが、他のステータスも低くはない万能タイプ。レベルアップで、「ホイミ」「ルカニ」「ルーラ」「インパス」の呪文を覚え、イベントで「ライデイン」を思い出す。SFC版では「思い出す」「もっと思い出す」「深く思い出す」「忘れる」など、物語のヒントとなるであろう事を記録する特技も持つ。「ラミアスの剣」を始め伝説の武具を唯一装備可能な他、主人公のみ勇者への転職条件が特別扱いになっている。SFC版では「デイン」系の呪文と特技に耐性を持っていたが、DS版では耐性が削除された。
- 『IX』では、服装が装備品として登場する。
- ハッサン
- 《旅の武闘家》。21歳。
- 現実世界ではサンマリーノの《大工の息子》だが、大工仕事を嫌って家出し、憧れていた武闘家として名を上げようと、魔王ムドーと戦っているというレイドックにやって来て、城の中庭で主人公と出会う。その後主人公やミレーユと共にムドーに挑んだが、本体はムドーの術で石にされ、心(意識)が夢の世界へと飛んだ。後にムドーの城で本体と意識体が融合する。
- 夢の世界では主人公とともにレイドック城の兵士に志願し、兵士の座を賭け試練の塔で主人公と競争するが、その後、主人公と共に旅をする[注 11]。
- 本人は大工仕事を嫌ってはいるが、父親に厳しく教え込まれているらしく、本人の意思に反してひとりでに体が動くほど大工仕事を得意としており、DS版では城など建物を見て品評しているなど感性にも大工の誇りがしっかり根付いている。世界を救った後は原点へと立ち返り、一人前の大工を目指して修行を始める。豪胆かつ他者思いな性格で、DS版の会話コマンドでは、主人公たちの兄貴分として気遣いなどを見せつつ率直な感想を述べることが多く、人情話に弱いことがわかる。また、曲がったことを嫌う性格でもある。
- HPが非常に高く、主人公を上回るちからも持つが、MP・すばやさ・かっこよさが低い。また重装備も可能なため、武闘家というよりは戦士に近い。レベルアップで覚える呪文はないが、「とびひざげり」「すてみ」「におうだち」などの特技を覚え、イベントで「せいけんづき」を思い出し使えるようになる。
- DS版『IV』[注 12]、『IX』では配信キャラクターとして登場した。
- ミレーユ
- 夢占い師の老婆グランマーズのもとで働く22歳の《謎の女性》。サンマリーノで「幻の大地」に落ちて姿を失っていた主人公とハッサンに出会い、彼らを助けた後、仲間に加わる。《テリーの姉さん》(DS版は《テリーの姉》。テリーの名前を変更するとそれも反映される)であることが後に明かされる。
- 両親は既に亡く、弟のテリーと共にガンディーノの老夫婦に育てられていた。ゲーム本編では、SFC版・リメイク版ともに直接の描写はないが、小説版では、かつてのガンディーノの悪政の中、ギンドロ組によって国王の奴隷として献上された。だが、自身の美貌が元で皇太后の嫉妬を買い、国王に引き合わされる前に暗い地下牢へと送られ、囚人同様の暮らしを強いられていたが、同じく囚われの身であった旅芸人パノンの助力により脱獄に成功したという設定となっている(ゲーム中では投獄からの脱走について当時を知る者から断片的に聞ける。なお、DS版の会話コマンドではパノンとの面識が無いことになっている)。その後各地を転々とし、ムドーに挑もうとする主人公達と出逢った。ムドーの城へ潜入する際に金色のドラゴンを呼ぶオカリナを使う。ムドー討伐の際、主人公やハッサン同様にムドーの術にかかったが、唯一ムドー戦の記憶がある様な素振りを見せるなど、直接の描写こそないものの、主人公達と再会する前に実体を取り戻していたことが伺える。
- 後述の混乱耐性のようにどんな場合も自分のペースを崩さず、DS版の会話コマンドでは、冷静に状況を分析しながら的確に回答を行うことが多い。また同会話コマンドから、自身の過去ゆえに平和な生活を愛していることが分かり、他者や動物に対しても常に慈悲深く接している。また「思い出す」系の特技が削除されたためにイベントに関するヒントを語ったりと「説明要員」としての一面も持つ。
- SFC版では混乱の呪文・特技に掛からないという特徴があったが、DS版では削除されており、他キャラと同様、普通に混乱する。「出会う人々が振り返るほど」の美貌で、かっこよさが非常に高い。MP・すばやさ・かしこさも高いが、レベルアップがやや遅く、HP・ちから・みのまもりが低い。また、装備できる盾が少ない。レベルアップで、ベホイミ・スクルトといった回復・防御呪文や、ヒャド・イオといった攻撃呪文を覚える。
- 『IX』では配信キャラクターとして登場した。
- バーバラ
- かつての主人公達と同じく自分の身体が透明になっていた《家出娘》。17歳。月鏡の塔で主人公たちに出会い、夢見のしずくの力で身体が見えるようになり、その後は主人公たちと共に旅をする。《カルベローナの子》であることが後に判明する。
- 魔法都市カルベローナの民の少女で、大魔女バーバレラの血を引いている。現実のカルベローナが大魔王に滅ぼされた際、ほかのカルベローナの住人と同じく魂だけの存在となった。さらに夢の世界のカルベローナが封印されたときバーバラの魔法力が反発し、記憶を失って別の場所へ魂が飛んだ。カルベローナが封印から解かれた後、長からマダンテの極意を受け継ぐ。現実世界にやってきた夢の世界の住人という点では体を取り戻す前の主人公たちと同じであるが、本体が既に滅ぼされているため、最後まで意識体のままである。喜怒哀楽のはっきりとした性格で、DS版の会話コマンドでは、天真爛漫に意見を述べることが多い。
- ムドーの島に入る際、パーティーから強制的に離脱するが、ムドーを倒した後はパーティーに復帰する。ルイーダの店に預けることはできない。敵のバシルーラを受けても、100%無効となり、ルイーダの酒場へ飛ばされることがない。MPとかしこさが高いが、HP・ちから・みのまもりが非常に低い。かっこよさはレベルが上がるとミレーユを上回り、パーティーのキャラクター中で最も高くなる。SFC版では、「メラ」「ギラ」「イオ」「ヒャド」系に若干の耐性を持つなど、呪文攻撃に強いのが特徴であったが、DS版では耐性が削除された。レベルアップで、ベギラマといった攻撃呪文や、ルカナンといった攻撃補助呪文を覚える。またイベントで前述の「マダンテ」を習得する。
- 『IX』では配信キャラクターとして登場した。
- ドラゴンクエストVIの開発者インタビューの映像では解説役として登場している。その際に演じた声優は鶴ひろみ。
- チャモロ
- 癒しの力を持つ《ゲント族》の長老の孫で、本作に登場する人間の仲間では最年少の15歳。ムドー戦の前、ゲントの村で主人公と対面したときに神のお告げを聞き、そのまま主人公の一行に加わる。ムドー戦後もパーティーを抜けることはない。年少者であるが、幼い頃から修行に身を置いていた為、生真面目で大人びた性格で、逆に世俗的なことは苦手である。DS版の会話コマンドでは、要点を取り上げて率直に述べることが多く、他のキャラクターよりも文の量が極めて短い。神に仕える者ゆえか曲がった事に対しては厳しい。
- MP・すばやさ・かしこさは男性キャラクターで一番高く、ほかのステータスも低くはない万能タイプであるが、7人いる人間キャラクターの中で最もレベルアップが遅い。レベルアップで、ベホマといった回復呪文を中心に覚えるが、ザキといった即死呪文も覚える。装備品は前衛・後衛としてもトップクラスの物が揃っており、スライム系の防具も装備できる[注 13]。
- テリー
- 「青い閃光」の異名を持つ《さすらいの剣士》。17歳。ミレーユの弟で、元はガンディーノの住人。幼い頃にミレーユが奴隷として連れて行かれたときに助けられなかった自分の弱さを呪い、世界一の剣を求め力こそ正義と信じる剣士となった。一人旅の最中に何度か主人公たちと出会うが、姉に気づくことはなかった。また伝説の剣を見つけるも錆びていたためその剣をあっさりと見捨ててしまう(これは錆びた剣を見捨てず、それを元に戻す方法を探し求めた主人公との対比になっている)。元々は姉を守るための手段として欲したはずの強さが目的と入れ替わり、強くなりたいという欲望からデュランの下僕となり、主人公、ひいては守るはずの姉と対峙することになるものの敗北し、自暴自棄になっていたところを姉に説得され、主人公の一行に加わる。このため、歴代シリーズのプレイヤーキャラクターの中でも仲間になるタイミングはかなり遅い。前述の経緯のため他者をあまり信じず、常に冷めた捻くれ者で、かつ自分本位な面が強いものの、強さを追い求めていたように本質的には純粋な性格であり、DS版の会話コマンドでも斜に構えつつながら正義感が強い言動を見せる。
- 仲間になった時点で「戦士」をマスター済みで、「バトルマスター」に就いている。本来は「バトルマスター」に就くには「戦士」のみならず「武闘家」もマスターしている必要があるが、テリーの場合、「武闘家」をマスターすることなしに「バトルマスター」になっている(DS版では「武闘家」もマスターしている)。能力値はHP・ちから・みのまもりが主人公・ハッサン・アモス・ドランゴに劣り、MP・かしこさがミレーユ・バーバラ・チャモロに劣る。主人公より多くの戦士系の重装備が可能。SFC版では通常のキャラクターに比べて打撃系攻撃の回避率が高いという特徴があったが、DS版ではこの特性は削除され他の人間キャラクターと同じになった。
- もともとは主人公の没デザインを再利用したもので、初期のストーリー案には無いキャラクターだった[24]。堀井によると、SFC版では終盤に合流することから本来の強さがわかりにくかったため、DS版ではステータスを向上させ強くなった印象を与えたかったという趣旨の発言をしている[25]。
- 外伝的作品である『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』は本作より前の時代の話で、少年時代のテリーが登場する(続編『マルタのふしぎな鍵』にも登場)。「鏡の扉」のイベントは本作のパロディであり、本作を知っていると違った感慨が沸いてくる。また、DS版の会話コマンドではこの要素が活かされており、スライム格闘場でモンスターの目利きが優れていたり、試合を熱心に見るといった様子を見せている。
以下の3キャラクターは、特定のイベントでパーティーに加えることができるが、パーティーに加えなくてもゲームクリアに支障のないキャラクターである。SFC版においては、パーティーに加えた場合であってもエンディングに登場することはない。
- アモス
- モンストルの町を守る《村の英雄》(DS版は《町の英雄》)で、本作に登場する人間の仲間では最年長の30歳。「英雄」と呼ばれるが驕ることなく、気は優しくて力持ちな男戦士。かつて町を襲う魔物を退治したが、その戦いで魔物に尻を噛まれ療養している。そのときの傷がもとで夜になるとモンストラーという魔物に変身してしまう体になってしまい、夜な夜な怪物の姿で町を練り歩き、地響きを起こして住民たちを悩ませるが、本人はそれを記憶していない。住民に危害を加えることはなく、住民たちは町を救った英雄に対する遠慮から誰もこのことをアモスに告げられずにいる。
- 主人公たちが入手した「りせいのタネ」を飲むことによって「変身」をコントロールできるようになり、彼らの仲間に加わる。ただしイベントの選択次第ではパーティーに加わらずに町を去り、二度と会えなくなる場合もある。SFC版では、「バギ」系の呪文と特技に若干の耐性があったが、DS版では耐性が削除された。SFC版ではグラフィックは町などにいる戦士と同一であったが、DS版では一般戦士のグラフィックが変更されたため、実質的に彼専用のグラフィックとなった。また、DS版で追加された仲間会話システムの台詞では、少々情けない三枚目の面やシュールなコメントを残すユーモアのある人物という設定となった。仲間になった後は、魔物に変身してしまう事も自らジョークのネタとしている。
- HP・ちから・みのまもりが高く、MPとすばやさが低い打撃攻撃タイプ。成長はやや遅め。最初から、「ホイミ」の呪文と、「へんしん」の特技を覚えているが、レベルアップで覚える呪文・特技はない。
- ドランゴ
- アークボルトでテリーに退治された《バトルレックス》(オノを持ったドラゴンの魔物)。死体を棺に納められ、アークボルト城の牢屋に置かれていたが、ある日突然棺の中から復活する。自分を打ち負かしたテリーに敬服し、彼を連れていくことで仲間に加わる。
- 初期のレベルアップが非常に遅く、すばやさが低いが、HP・ちからの成長率の高さが凄まじく、後半はレベルアップが早くなる。仲間になった時点で「ドラゴン」の職業に就いている。さらには、レベルアップで「まじんぎり」「メタルぎり」「ザオリク」などの強力な呪文や特技を覚えるため、仲間になる時期の遅さを補って余りあるほどの強さを誇る。
- DS版の会話コマンドでは「ギルル」や「ギルルン」といった鳴き声を混ぜつつ片言でしか喋れないが、仲間になって以降は人の幸福を喜んだり子供や犬を可愛がったりするなど優しい一面を見せる。また自分の外見が怖いことを若干気にしている節がある。さらにテリーを「だんなさん」と呼ぶなど、敬意を通り越し異性としての好意を抱いている(初登場時に卵を産んでおり、メスだと分かる描写は原作版からあった)様子を見せている。なお、牢獄の町における会話によると、巨躯であるが子供のバトルレックスとのことである。
- 『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』にも本作をモデルとしたイベントで同名のバトルレックスが登場し、そちらでも性別は雌ということになっている。また、『VIII』に登場するスカウトモンスター(仲間モンスター)のバトルレックスの名前も「ドランゴ」となっている。
- ルーキー
- スライム格闘場のオーナー・スラッジの《スライム》。スライム格闘場でチャンプに勝つと主人公のパーティーに加わる。人語は喋れず、「プルッ」、「プルルン」などとしか喋れない。レベルをある程度上げると、スラッジからある褒美を送られる。最初から、「スクルト」「ベホイミ」「メラミ」といった呪文を覚えており、初期レベルが20、最大MPもそこそこ上がるといった、通常の仲間モンスターのスライムとは違う点がある。
- DS版では仲間モンスターのシステムが変更されたことに伴い、SFC版の設定そのままでスカウトのスライム系モンスターの1体となったため、DS版で仲間に加えることが可能な普通のスライムはルーキーのみとなった。
以下はDS版の仲間スライム。SFC版でも仲間になった種は、SFC版での1匹目と同じ名前が使用されている。
- ピエール
- ホルス王子のお供をすべく、ホルストックに向かっている《スライムナイト》。ホルストックのストーリー終了後に話しかけると、仲間に加わる。また、彼だけが仲間スライムの装備品の欄で別扱いになっている。
- ホイミン
- 夢の世界のクリアベールで、空飛ぶベッドに乗りたがっている《ホイミスライム》。空飛ぶベッド入手後に話しかけると、空飛ぶベッドに乗せてほしいという理由で仲間に加わる。
- ぶちすけ
- 過去のグレイス城にいる《ぶちスライム》。伝説の悪魔召還の儀式の日の城の様子に悪い予感を抱いており、逃げたがっている。話しかけると無条件で仲間に加わる。馬車の中が気に入っているらしい。SFC版では仲間にならなかったモンスター。
- マリリン
- 「悪いマリンスライム」を自称する《マリンスライム》。メスなのか女性口調で喋る。最初はオープニング直後のライフコッドの井戸の中で出会うこととなるが、話が進むにつれて下の世界のレイドックの東の船着場などに移動し、最終的に下の世界の海底宿屋に居付く。ベホマンとは知り合いらしく、海底にいるのは本人曰く「ベホマンとの約束を破って逃げたため」らしい。SFC版では仲間にならなかったモンスターで、「マリリン」という名は元々はSFC版でのリップスの名前だった。
- ベホマンを連れてくると仲間になる。
- ベホマン
- すれちがいの館で仲間を待っている《ベホマスライム》。話しかけると、仲間であるマリリンを探すべく仲間になる。なお、仲間にするためにはクリア前にすれちがいで10人集めるか、一度クリアする必要がある。SFC版では仲間にならなかったモンスター。
- キングス
- ジャンポルテの館にいる《キングスライム》。ベストドレッサーコンテストのランク7を優勝してから話しかけると、オシャレな旅をするために仲間に加わる。
- はぐりん
- すれちがいの館奥の森にいる《はぐれメタル》。ルーキー同様、人語を喋れない(こちらは「キュル」、「キュルルン」などとしか喋れない)。捕まえることが出来れば、仲間として加わる。SFC版のはぐれメタルとは違い、仲間になった時点で「はぐれメタル」の職業に就いている。なお、仲間にするためにはクリア前にすれちがいで20人集めるか、一度クリアする必要がある。
以下は戦闘には参加しないが、馬車を引く馬としてゲームの最後まで主人公たちに同行する。
- ファルシオン
- 夢の世界のレイドック西の森で暴れていた馬。主人公とハッサンに捕らえられた後に、彼らの馬車を引く馬となる。「ファルシオン」という名はハッサンの命名。
- 本体は空を翔る天馬・ペガサスであるが、デスタムーアの魔力によって、主人公・ハッサン・ミレーユと同じように本体を封印され、精神だけが夢の世界へ飛んだ。暴れていたのは野盗に襲われていた商人を助けるためであり、あの時暴れ馬が居なければ、野盗に命を奪われていたかも知れないと、その商人は後に語る。後に天馬の塔で本体と融合し、空を飛べるようになる。
他にも、ゲントの村の中年男性が神の船の操舵手として、しあわせの国から生還した旅の商人が過去に宿屋を営んでいた経験を活かすべくひょうたん島に残留する形で、それぞれ主人公たちと行動を共にする。
ライフコッドの人物
山奥の村ライフコッドに住む人物たち。
- ターニア
- ライフコッドに住む16歳の少女。両親を亡くしている。ムドーに敗れて倒れていた現実世界の主人公を偶然発見し、匿っていた。以前から兄が欲しいと思っていたため現実の主人公を自分の兄のように慕っている。現実世界の願望のためか、夢の世界では主人公と実の兄妹関係にあり、ライフコッドで一緒に暮らしていたことになっている。年に一度の村祭りで精霊の使い役を務める事となり、その儀式の最中に山の精霊に憑依され、主人公に旅立ちの啓示を下した。
- ランド
- ライフコッドに住む青年。現実世界でも夢の世界でもターニアに思いを寄せている。現実世界では主人公を快く思っておらず、邪魔者扱いしては彼を毎日のように罵っている。夢の世界では主人公がターニアの実兄である上に、精霊の冠を買いに行く役目を任されるなど頼れる兄貴的な存在である為か、彼との仲はそこそこ良い。一方で、ランドは仕事もせずに遊んでばかりで村の子供たちにもあまり好かれていないなど、立場が現実世界と逆になっている。後にバーテン見習いや観光ガイドなど、職を転々とする。
- ジュディ
- ライフコッドに住む少女で村長の娘。ランドの幼馴染でいつも彼のことを気にかけている。一方夢の世界での彼女はランドよりも主人公に対して好意を抱いており、話は結婚するかどうかまで進展していく。しかし、なかなか良い返事をしない主人公に業を煮やし、最終的には自ら彼を振る。
レイドック王国の人物
主人公の本当の故郷であるレイドック城の人物たち。
- レイドック国王
- レイドックの国王で、主人公の父親。ムドー討伐に出かけたが、その道中でムドーの術にかかり、精神が夢の世界のムドーとして仕立て上げられる。そのせいで夢の世界から帰って来られなくなり、現実世界では昼夜とも眠り続けることとなる。現実のムドーが倒れた後は、夢の世界でもレイドック王(以前のシェーラの夢の姿と同様の若い姿)となるが、そこでは気さくで女性好きな振る舞いをする。ムドーが倒れた後の夢の世界では主人公が実の息子であることを認識しており、また妻であるシェーラの視線を気にしている。
- シェーラ
- レイドック王妃で、主人公の母親。夢の世界でムドーとなった夫を助けるために自身の精神も夢の世界へ飛んだため、現実世界で眠り続けていた。現実世界の住人であるが、長らく夢の世界で活動していたこともあって、夢の世界の概念についてある程度認知している様子。主人公が本来の自分自身と記憶を取り戻す前も、彼が自分の息子であると言う確信を持って接する。威厳と気品を併せ持つ。夢の世界でのムドー討伐には主人公達と共に参加。ムドーが倒された後は、夢の世界のレイドック城に貴婦人の姿で現れ、夫の振る舞いを監視している。
- トム
- 現実世界でのレイドックの兵士長。自分の名前が気に入らず、子供の頃の兵隊ごっこで「ソルディ」と名乗っていた。偽王子事件の責をゲバンに追及され、辺境の地に飛ばされ、魔物との戦いで戦死したとされる。のちにフランコが兵士長の後任となる。
- ソルディ
- 夢の世界でのレイドックの兵士長。現実世界のトム兵士長の夢。ムドー討伐の任務中に行方不明となるが、後に牢獄の町で再会する。アクバーの手下として組織に潜り込み、敵の内情を探るとともに、囚われていた「大賢者マサール」と思われる人物を救い出そうとしていた。主人公達に兵士の服を与え、革命時には反乱軍として活躍する。その後のデスタムーアの攻撃からは逃れた。
- フランコ
- 現実世界のレイドックの兵士。主人公が幼い頃から城に仕えていたらしく、ゲバンを快く思っていなかった。ゲバンに異を唱え、任を解かれ城を追われるが、後に呼び戻され兵士長となる。グラフィックはトムやソルディと同じだが、かつては普通の衛兵のグラフィックだった。
- ゲバン
- 現実世界のレイドックの大臣。レイドック王夫妻が眠りに就いていることをいいことに専制政治を行う。ムドー討伐のための兵力増強を謳い、その実自らの私腹を肥やさんと金貨50枚という莫大な税金を掛けるなどの圧政を敷き、国民には嫌われていた。自分を取り戻す前の主人公が王子と偽って城に侵入した際にそれを見破り、主人公を城から追い出す。王夫妻が目覚めた後は追い出されたらしく、城にはいない。夢の世界ではレイドックに来た世界一の富豪であるが、足元を見る性格は変わらず。後に現実世界からやってきた国王によってレイドック城の地下牢に投獄される。本人は現実世界での記憶が無いため納得しておらず、見張りの兵士も首をかしげていたが、物語終盤では「詳しいことは解らないが、自分は本当に悪いことをしたような気がしてきた」と現実世界の自分と記憶が共有され始めたとも取れる発言をしている。
そのほかの人物
ストーリーが真相に迫るにあたり、重要な役割を果たす人物である。
- グランマーズ
- サンマリーノの南に住む夢占い師の老婆。「グラン」が称号で「マーズ」が名前である。現実世界の住人だが、夢の世界の人間の姿を見ることができる。ムドーに敗れて精神体となっていたミレーユを助けたらしい。主人公が自分を取り戻し、レイドック城で一晩過ごした際も城に呼ばれ、完全に元の自分に戻りきれない主人公へ助言を与える。
- ブボール
- カルベローナの長老。伝説の魔法「マダンテ」の継承者。時の砂の結界によって外界から隔絶された小部屋に住まい、時間はおろか、大魔王の魔力からも守られていた。バーバラにマダンテを継承した際、結界が解かれたことでデスタムーアの攻撃を受け、命を落とす。
- カルベ夫妻
- カルベローナに住む老夫婦。バーバラの育ての親で、「魔法の絨毯」を始めに、不思議な力を持つアイテムを作っていた。子供の頃のバーバラに、羽根の生えた服を作ってやった事も。永い間眠りに就いていたが、マダンテ継承の儀をきっかけに目覚める。
- ルビス
- ムドーの島近くの海底の城に住む精霊。様々な場所で主人公達の手助けをする、影なる功労者。時に山の精霊としてターニアに憑依し、仮の姿である主人公に旅立ちを促し、時に神のお告げをチャモロに下し、時に巨人の門番兄弟の心を溶かす。デスタムーアの妖術の標的にならないよう、陰ながら主人公達に加護を与えていたと言う事が、牢獄の町の学者によって明らかになる。『ドラゴンクエストII』や『III』に登場する精霊ルビスとの関連は不明。
- ゼニス
- 夢の世界を束ねる王。クラウド城の主。異世界への扉の鍵を握っている。
- マサール&クリムト
- 旅の扉を生み出す力を持つ大賢者兄弟。マサールが兄、クリムトが弟。その力を欲し、かつ恐れたデスタムーアによってはざまの世界に囚われている。
大魔王とその手下
最終ボスである大魔王、および大魔王の手下であることが作中で示されている魔物たち。
- ムドー
- 四大魔王の一人。2足歩行の怪獣のような姿。ダーマの神殿の封印を司り、さらに現実の世界を支配しようとする。オープニングにて主人公、ハッサン、ミレーユを破り、彼らを夢世界と現実世界に分離、記憶を奪い追放する。世界中の人々にその名を知られており、戦闘の際には専用BGM「敢然と立ち向かう」が流れるなど、物語序盤において最終ボスのような扱いとなっているが、実際には大魔王の手下の一人に過ぎないという『ドラゴンクエストIII』のバラモスと同じ立ち位置。主人公たちと戦う際2連戦となるが、変身などはせず能力のみパワーアップする。なお、夢の世界の地底魔城にもムドーが潜むが、その正体はムドーの術によって夢の世界に引きずり込まれた、現実世界のレイドック王の心(意識)である。
- 『IX』にも隠しボスとして登場するが、戦闘BGMは通常ボスのBGM「魔物出現」が流れる。
- ジャミラス
- 四大魔王の一人。目が3つあり、鳥と獣を合わせたような姿で、メダル王の城の封印を司る。ムドーに代わって人間を支配するべく、夢の世界において「しあわせの国」の話で人心を集めて人々を誘拐していた(チャモロ曰く「魔物にとってのしあわせの国」)。唯一夢の世界に巣食う魔王であり、雄弁家でカリスマ性を持つ。ひょうたん島を所有している。
- 彼との戦闘で全滅すると、それまでのことは夢オチとなり、ゴールドが半分になって砂漠の抜け道の宿屋で全員生きた状態で目覚めることになる。
- 『X』の配信クエストにもボス「魔鳥の頭目」として登場する(部下からは名前を呼ばれる)。本作のジャミラスの子孫であることを匂わす記述がされている。
- グラコス
- 四大魔王の一人。海底神殿に住む半魚人のような姿をした海の魔王で、魔法都市カルベローナの封印を司る。人魚たちからは「海の悪魔」と呼ばれて恐れられており、海の帝王ポセイドンからも目の敵にされている。初対面時は寝ている。本人によると悪い癖で喋りすぎてしまうらしく、主人公たちに起こされたときにはカルベローナの情報を喋った後で口封じのために戦いを挑む。倒すと「グラコスのやり」が手に入る。次回作『VII』にも設定を変更した上で再登場している。『IX』では武器として「グラコスのやり」が登場している(ただし、二又ではなくトライデントの形状になっている)。SFC版では体色が緑色だったが、DS版では紫色に変更されている。
- デュラン
- 四大魔王の一人。人間に近い姿をしており、地上世界の魔王では最強を誇る。クラウド城の封印を司り、封印した城を自らの乗り物にして自在に操る。伝説の武具を集めてヘルクラウド城に乗り込んできた主人公たちを見て「血が騒ぐ」と嬉しがるほど、自分の強さには自信を持っている。しかし、強きを尊び、自分より強い者は敵であっても認める武人のような人格の持ち主でもある。敗れた際も恨み言や負け惜しみなどは一切言わず、デスタムーアの存在を主人公たちに教えた上で「さらに強くなれ」「生まれ変わったらまた主人公に会いたい」と残す。戦闘時は、まずキラーマジンガとランドアーマー、次にテリーを主人公たちと戦わせて主人公たちの強さを窺い、その後主人公一行を全回復させてデュラン本人が戦う。SFC版では指が4本だったが、後の作品では指が5本に差し替えられている。デュランはカルベローナを裏切った元人間である[注 14]。
- アクバー
- デスタムーアの右腕的存在で、牢獄の町の主。囚われている人々の心の拠り所であるシスターアンナに魔物の魂を植えつけ、自身の妻にしようと企む。気に入らない部下を躊躇うことなく処刑する残忍な性格。大賢者兄弟のクリムトを幽閉している。用心棒としてガーディアンを2体引き連れている。
- ゾゾゲル&ドグマ
- 牢獄の町の監視人を務める二人組。ゾゾゲルは町の兵士長で、ドグマは魔法使い。2人ともアクバーの部下で多くの囚人を処刑してきた。戦闘時はドグマが特定のターンで使う「ドグマのにらみ」(DS版では「ムラサキのひとみ」)によって全員が必ず麻痺状態に陥り全滅することになり、いわば事実上の負け戦闘となる(データ上は倒すことが可能だが、たとえ倒してもイベント上は負けたものとみなされて物語が進む)。2人とも革命時に酒を大量に飲まされて眠らされる。ゾゾゲルは眠っているときに話しかけると再戦を挑むことができるが、ドグマは(目を開けたまま)寝ているため挑めない。倒さなくてもクリアは可能。
- 魔王の使い
- デスタムーアの部下。主人公の本体を葬るべく、魔物の軍団を引き連れて現実のライフコッドを襲う。イベント内で戦うタイミングによって、桁外れに強くなったり弱くなったりする。外見では骨は見えていないが骸骨戦士族の魔物で、4本の腕に剣や斧などの武器を持っている。
- ズイカク&ショウカク
- デスタムーアの部下の2人組。間の抜けた言動が目立つ。嘆きの牢獄に捕らえられたマサールの精神に入り込み、弟のクリムトが処刑される映像を見せ続けることでデスタムーアへの忠誠を誓わせようとする。
- デスタムーア
- はざまの世界に住まう大魔王。本編の最終ボス。世界を我が物にしようと企み、障害となり得る場所を攻め落とした。しかし、それが夢の世界に存続していることを知り、夢の世界を実体化させ封印する。配下の四大魔王を封印の要とし、同時に支配。はざまの世界に引きずり込まれた人々の悲しみと絶望を糧にし、欲望に呑まれ堕落していく様を見て愉しむ。それにも負けぬ強く清い心を持つ人間は牢獄の町に送る。後に牢獄の町にてクーデターが起こるものの、凄まじい魔力で一瞬の内に反乱軍を石や動物に変える。
- 3つの姿を持ち、初期形態は自ら「じじいの姿」と呼ぶ老人で、2つの玉を操るなどのさまざまな術・全体攻撃を使う。第2形態は全身にトゲを生やした筋骨逞しい魔物の姿で、「バイキルト」などの強化魔法を駆使して戦う。また、大防御しつつ攻撃するなど、複数回攻撃可能なボスの特権を最大限に活かして攻める。最終形態は本体(顔)・右手・左手に分かれてそれぞれが独立した生物のように動き、「ザオリク」で完全復活を計るなど両手とのコンビネーションを活かした行動を取る。
- なおパッケージイラストの主人公らの背景に初期形態が描かれている。ラストボスがパッケージイラストに登場するのは『ドラゴンクエストII』以来である。
- 『月刊コロコロコミック』(小学館)2009年6月号の『バトえん』のページに、モザイクがかかっていない状態で掲載されていた。また、関連商品のソフビ人形として、他作品の最終ボス共々、堂々とその姿を現している。
- アーケードゲーム『バトルロードII』での大魔王戦では、第2形態の姿で登場する。最終形態はデスタムーアとムドーの「とどめの一撃」のときのみ登場し、本編では使用しない「イオグランデ」を唱える。また、同作では『幻魔王デスタムーア』の異名が与えられている。
- 『IX』でも最終形態の姿で、隠しボスとして登場。ただし、討伐モンスターリストに登録されるのは本体のみであり、右手と左手は登録されない。
そのほかの魔物
大魔王デスタムーアと無関係であるか、その手下であることが作中で示されていない魔物。
- ミラルゴ
- 魔術師の塔に住む邪悪な魔術師。1000年前の人間であり現実世界では既に死んでいるが、魂は夢の世界で生き続けている。イリカに一方的な恋をするも自分のルックスに自信が持てず、ついに真っ当に告白することなく、当時のフォーン城を滅ぼした上でイリカを攫って鏡の中に封印。以後1000年もの間、自分の愛を受け入れるか、鏡の中のイリカに問い続けていた。
- 嘆きの巨人
- 牢獄の町で門番をしている双子の巨人兄弟。特に兄は誰にも負けたことがなく、多くの勇士を葬り去っていた。実は大魔王によって滅ぼされた巨人族の生き残りであり、大魔王に仕えるフリをしながら真の勇者たる人物を待っていた。大革命の際には、兄が事情を知らない住民によって眠らされる。最終的には大魔王の呪いによって兄弟揃って石化させられる。
- ダークドレアム
- 「破壊と殺戮の神」の異名を持つ伝説の大悪魔[26]。空気中を漂う魔物の魂を喰らい、魔王すらその糧とすると伝えられている。人々の見た悪夢 (DarkDream) が形となった存在。その圧倒的な強さはデスタムーアを遥かに凌駕し、何者であってもダークドレアムを完全に滅ぼすことはできない。クリア後に行くことのできる隠しダンジョンでボスとして登場し、全てを無に帰すべく主人公たちに戦いを挑む。彼は「誰の命令も受けぬ」と述べており、かつて自らを利用しようとしたグレイス王の城を滅ぼしたが、強者には敬意を払うようで、ある条件を満たして勝利すると主人公たちの協力者となり、主人公に代わって彼がデスタムーアを倒すという特殊エンディングを見ることができる[注 15]。
- 後に『IX』に隠しボスとして再登場した。ただし、戦闘BGMはデスタムーア最終形態戦と同じ「魔王との対決」に変更されている。また、手にした柄の両側に刃を持つ剣や鎧に模様が描かれ、立ち姿のポーズが変更される、同作品のゾーマ(『III』の魔王)と同様に手の形が4本指から5本指になったなど、デザインに関して若干のアレンジがなされた。他の大魔王と違って唯一隠しボス枠からの出演であり、歴代魔王中最高の強さを持つ。
- 『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』では『II』の第六章から後期限定の大魔王として登場。原典さながらの剣技や呪文のほか、とどめの一撃ではオリジナル技『雷鳴豪断脚』を放つ。
道具
物語を進める上で特に重要な道具について解説する。
- 盗賊の鍵 / 魔法の鍵 / 最後の鍵 / 鏡の鍵 / 水門の鍵 / 牢獄の鍵
- 各地に存在する扉や水門を開く鍵。盗賊の鍵は簡単な扉を、魔法の鍵は盗賊の鍵で開かない特殊な扉を、最後の鍵は鉄格子を含めたほぼすべての扉を、鏡の鍵は月鏡の塔の扉を、水門の鍵は水路を封鎖した水門の扉を、牢獄の鍵ははざまの世界にある牢獄の町の牢獄を、それぞれ開くことができる。本作では盗賊の鍵が店で販売されていて、早期に購入するとストーリーの進行が有利になる。
- 精霊の冠
- 村祭りに必要な冠。ある有名な職人しか作れない。
- 通行証
- 上の世界のレイドックに入るために必要な物。旅立ちの前夜にライフコッドの長老から渡される。
- 夢見のしずく
- 見えないものを見えるようにする不思議な湧き水。夢の世界の住人が現実の世界でこれを使うと、現実の世界の人々に姿が見えるようになる。
- 貴族の服
- 貴族や王族が身につける服。着ると貴族に見えるかもしれない。値段の割には守備力も高い。
- ラーの鏡
- 真実を映し出す鏡。レイドック城兵士として雇われた主人公とハッサンは、これを探し出すように命じられる。上下両世界で対ムドー戦で重要な役割を持つ。戦闘中に使うと味方に化けている敵を元に戻す効果がある。
- 理性の種
- 服用すると、どんなときでも理性を保てるようになる種。
- 黄金のつるはし
- 純金製のつるはし。障害物の岩や薄い壁を砕ける。
- マーメイドハープ
- 人魚たちの力が込められたハープ。下の世界で船に乗っている状態で奏でると、船があわあわ船になり、海底に行くことが出来る。
- きれいなじゅうたん
- 美しい刺繍が施された絨毯。その正体は魔力を失った「魔法のじゅうたん」である。
- 砂の器
- 散らばった時の砂を納める事が出来る器。
- 錆びた剣
- 伝説の剣らしいのだが錆びついて真の力を発揮できない。世界のどこかにいる伝説の剣鍛冶に直してもらえば真の力を発揮できるだろう。
- デセオのパス
- ロンガデセオに入るために必要なパス。装飾品としても非常に高いかっこよさを誇る。
- 天馬の手綱
- ペガサスを制御するための手綱。入手した直後は能力の一部を封じられているが、それが開放されるとき、はざまの世界に突入するための重要な道具となる。
- ラミアスの剣 / オルゴーの鎧 / スフィーダの盾 / セバスの兜
- 『IV』『V』に登場した「天空の武具」に形状が酷似した、伝説の4つの武具。それらとの因果関係や、名前の由来は不明。それぞれに異なる印が刻まれており、武具を揃えた上で印の謎を解き明かすと新たな道が開ける。印の形は移動中に「どうぐ」コマンドで使用するか、道具を鑑定する呪文「インパス」を使用すると確認できる。ラミアスの剣、スフィーダの盾は戦闘中に使うことが可能で、剣はバイキルト、盾はマホターン(ただし対象は持ち主自身のみ)と同じ効果を発揮する。
- 古びたパイプ
- はざまの世界に迷い込んだ防具職人・エンデが愛用しているパイプ。
- エンデの道具
- 防具職人・エンデが愛用している仕事道具一式。彼の妻が欠かさず手入れしており、いつでも使えるようになっている。これを手に入れた事は主人公を含む人々の心に希望を蘇らせるきっかけとなる。
- 兵士の服4つ
- 牢獄の町の兵士たちが身につけている服。
- 真実のオーブ
- はざまの世界の真の姿を映し出すオーブ。ある大賢者が持っている。
音楽
本作の音楽はサウンド面での劇的な向上が図られたのは概要でも述べたとおりである。その楽曲のうち、ダンジョンや戦闘向け等の曲では「悪のモチーフ」と名付けられたひとつのモチーフによる関連付けが成されている。
エンディングテーマは本作品用の新曲が用意されず、『科学忍者隊ガッチャマン』のBGMである楽曲「時の子守唄」[27]がメロディー、タイトル共にそのまま流用された。ただし本作向けの編曲(SFC音源の制約に合わせる、エンディング用に尺を調整する等)はされている。
没案
ファンに人気のある魔族を主人公にするというネタがあったが、没案になった。また、企画当時は鳥山もマンネリ打開に陰のある主人公をデザインしたのだが没案になり、そのデザインはテリーに一部引き継がれたという[28]。
関連商品
ガイドブック
- スーパーファミコン版
- Vジャンプ緊急増刊号 ドラゴンクエストVI (集英社)
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ドラゴンクエストVI 幻の大地 (集英社、ISBN 978-4081080342)
- ドラゴンクエストVI 幻の大地 公式ガイドブック 上巻 世界編 (エニックス、ISBN 978-4870258778)
- ドラゴンクエストVI 幻の大地 公式ガイドブック 下巻 知識編 (エニックス、ISBN 978-4870258785)
- ニンテンドーDS版
- Vジャンプブックスドラゴンクエスト6幻の大地夢幻の書 ニンテンドーDS版 (集英社、ISBN 978-4087795431)
- ドラゴンクエストVI 幻の大地 公式ガイドブック ニンテンドーDS版 (スクウェア・エニックス、ISBN 978-4757527898)
その他の書籍
- 小説 ドラゴンクエストVI-幻の大地-(エニックス刊、久美沙織著)
- ゲームブックドラゴンクエストVI(エニックス刊、全4巻) - ドラゴンクエストシリーズ最後のゲームブック。
- 第1巻 ISBN 978-4870258808
- 第2巻 ISBN 978-4870258815
- 第3巻 ISBN 978-4870258914
- 第4巻 ISBN 978-4870258921
- 調べ学習にやくだつわたしたちの生活と産業10 TVゲームをつくる ドラクエVIができるまで(ポプラ社、ISBN 978-4591047422) - 本作の制作風景を取材した本で、発売約8か月前に発行した児童図書。
CD
†は廃盤。
- † CDシアター ドラゴンクエストVI(書籍扱い)
- † すぎやまこういち 交響組曲「ドラゴンクエストVI」幻の大地(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SRCL2737-SRCL2738、1995年12月21日) - DISC1はオーケストラ版でロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏、DISC2はゲーム音源集。
- † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストVI」幻の大地 オン・ピアノ(ソニー・ミュージックエンタテインメント、1996年2月21日)
- † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストVI」幻の大地 オン・エレクトーン(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SRCL-3561、1996年4月21日)
- † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストVI」幻の大地 イン・ブラス(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SRCL-3562、1996年6月1日)
- † 交響組曲「ドラゴンクエストVI」幻の大地(SPEビジュアルワークス、SVWC-7066、2000年8月23日) - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。
- † 交響組曲「ドラゴンクエストVI」幻の大地(アニプレックス、SVWC-7369、2006年7月19日) - 東京都交響楽団演奏。
- 交響組曲「ドラゴンクエストVI」幻の大地(キングレコード、KICC-6305、2009年8月5日) - 東京都交響楽団演奏。
- 交響組曲「ドラゴンクエストVI」幻の大地(キングレコード、KICC-6319、2009年10月7日) - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。
- 「ドラゴンクエストVI」幻の大地 オン・ピアノ(キングレコード、KICC-6328、2009年10月7日)
ビデオソフト
- Vジャンプ特別編集 ドラゴンクエストVI オリジナルビデオ - バーバラ(声:鶴ひろみ)が案内役となってゲームの概要を紹介する販促品。VHS。『Vジャンプ』の読者全員応募サービスに応募により入手できた非売品。
脚注
- ^ 後のSFC版『ドラゴンクエストIII』以降では改良され、ふくろに入れたまま使うことが可能になった。
- ^ ごく一部の武具はおしゃれな鍛冶屋で「かっこよさ」を上昇させるとその性能も同時に向上する。
- ^ 『ドラゴンクエストVII』以降はやや柔軟に行動するように分析力を弱体化されている。
- ^ また、トルッカ町長の娘「エリザ」も同じく『IX』に同名のキャラクターが登場しているが、こちらは改名されることはなかった。
- ^ そのため、同様の施設であった「占いの館」は「すれちがいの館」に変更されている。
- ^ ゲーム中ではキャラクターが薄く表示される。
- ^ 城自体の名前は「クラウド城」だが、移動呪文「ルーラ」使用時の行先選択ウィンドウおよび公式ガイドブックでは「ゼニスの城」と表記されている。
- ^ SFC版ではフローミを使っても「効果が無い」と表示されるだけでダンジョン名は不明だったが、DS版ではこの名称が使われている
- ^ ゲームスタート時に自由に名前を付けられる。小説版の名前はイザ(正式にはイズュラーヒン)。漫画版の名前はボッツ。CDシアター版の名前はウィル。『ドラゴンクエストモンスターバトルロード』シリーズおよびDS版販売促進映像では勇者レックとして登場する。
- ^ 「ターニア」「セーラ」「クラリス」「バネッサ」のうちから妹の正しい名を尋ねられるイベントがあるが、どれを選んでも誤りとしてイベントが進められる。「ターニア」か「バネッサ」を選ぶと「セーラ」が、「セーラ」を選ぶと「クラリス」が、「クラリス」を選ぶと「バネッサ」が妹の正しい名前として決定される。その後、ゲーム中では回想シーン中に登場し、ここで名前が判明する。
- ^ 試練の塔での主人公の行動により主人公が勝つ場合とハッサンが勝つ場合があるが、どちらが勝っても仲間になり、ストーリー進行にも影響しない。
- ^ ジャンプフェスタ2008ですれちがい大使として配信
- ^ 一部ガイドブックでは「身体が小さいため」の旨の表記がなされている。
- ^ 小説版にその旨の記載がある。詳しくは「小説ドラゴンクエスト」を参照。
- ^ 前作『V』での「隠しボスを特定の条件を満たして倒すと仲間モンスターになる」という都市伝説を堀井自身が面白がり、本作で実装された。
出典
- ^ エンターブレイン調べ。
- ^ a b 集英社『Vジャンプ緊急増刊号 ドラゴンクエストVI』堀井雄二、すぎやまこういちインタビューより。
- ^ 岡部麒仙『二大RPGの分岐点』 講談社出版サービスセンター、p.34
- ^ a b SFC版公式ガイドブック 上巻 p.21
- ^ 1996年初頭の『ファミ通』掲載記事「ドラクエ野郎」での堀井雄二の発言より
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 pp.15,17,19
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.25
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.26
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.25
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.16
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.191
- ^ a b SFC版公式ガイドブック 上巻 p.89, 下巻 pp.160-168
- ^ a b c d SFC版公式ガイドブック 上巻 pp.84-87, 下巻 pp.17-19
- ^ 本作ではキメイラだが、キメラの翼などのアイテム名に変更はない。
- ^ それ以外は左上だが、SFC版の本作でも開発中にでは左上表示であったことがある。
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.18
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.166
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.171
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 pp.191-192
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 p.193
- ^ SFC版公式ガイドブック 上巻 pp.189,190
- ^ 「DQM ジョーカー2」がすれちがいで「DQ IX」「DQ VI」と連動ITmeda Gamez 2010年4月29日閲覧。記載部分は2頁目。
- ^ 『週刊ファミ通』NO.1109「決定!ゲームファンが選ぶ太鼓判ソフト」P48より。
- ^ “社長が訊く『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇 第17回:『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』 1. 「超能力っぽい」”. 任天堂 (2012年5月17日). 2012年5月17日閲覧。
- ^ 『ファミ通』NO.1105(2010年2月25日号)「こちらファミ通 ドラクエ部」P166 - 169より。
- ^ 『IX』や『バトルロード』では『魔神』という呼称が冠されている
- ^ 『交響組曲科学忍者隊ガッチャマン』(発売元:コロムビア)COCC-12585。
- ^ 1997年初頭の『ドラゴンクエストVII』発表直後の『Vジャンプ』での堀井との対談記事より。
外部リンク
- スクウェア・エニックス
- ドラゴンクエストVI 幻の大地 - スーパーファミコン版 ソフト紹介
- ニンテンドーDS版『ドラゴンクエスト』天空シリーズ
- DRAGON QUEST VI - エニックスによるSFC版の旧公式サイト(インターネット・アーカイブ、2001年12月2日時点)
- Vジャンプ WEB - DS版発売に際してのインタビュー