「中野剛志」の版間の差分
m編集の要約なし |
Shuchang39 (会話 | 投稿記録) |
||
(100人を超える利用者による、間の382版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{別人|x1=音楽プロデューサーの|中野雄}} |
|||
{{Infobox 人物 |
|||
{{Infobox 学者 |
|||
|氏名 = 中野 剛志 |
|||
| |
|名前 = {{ruby|中野 剛志|なかの たけし}} |
||
|画像 |
|画像 = |
||
|画像サイズ |
|画像サイズ = |
||
|画像説明 |
|画像代替説明 = |
||
|画像説明 = |
|||
|生年月日 = <!-- {{生年月日と年齢|XXXX|XX|XX}} -->{{Birth year and age|1971}} |
|||
|全名 = |
|||
|生誕地 = {{jpn}} 神奈川県 |
|||
|別名 = 東田 剛<br />{{small|ひがしだ つよし}} |
|||
|没年月日 = <!-- {{死亡年月日と没年齢|XXXX|XX|XX|YYYY|YY|YY}} --> |
|||
|誕生名= |
|||
|死没地 = |
|||
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1971|10|25}}<ref name="生年月日">{{Cite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000005007.html |title=第21回「山本七平賞」受賞作が決定。正賞は川田稔著『昭和陸軍の軌跡』、奨励賞に中野剛志著『日本思想史新論』 |accessdate=2021-08-15}}</ref> |
|||
|職業 = [[官僚]]、[[経済学者]] |
|||
|生誕地 = {{JPN}}・[[神奈川県]] |
|||
|出身校 = 東京大学 |
|||
|没年月日 = <!-- {{死亡年月日と没年齢|YYYY|MM|DD|YYYY|MM|DD}} --> |
|||
|父親 = |
|||
|死没地 = <!-- {{JPN}}・XX都道府県YY市区町村 --> |
|||
|母親 = |
|||
|死因 = |
|||
|配偶者 = |
|||
|居住 = |
|||
|子供 = |
|||
|市民権 = |
|||
|親戚 = |
|||
|国籍 = {{JPN}} |
|||
|出身校 = [[攻玉社中学校・高等学校]]<br />[[東京大学]]([[学士]])<br />[[エディンバラ大学]] ([[:en:Master of Science|M.Sc.]], [[Doctor of Philosophy|Ph.D.]]) |
|||
|配偶者 = |
|||
|両親 = |
|||
|子供 = |
|||
|時代 = [[21世紀]] |
|||
|活動地域 = {{JPN}} |
|||
|学派 = [[保守主義]]<br />[[経済ナショナリズム]]<br />[[表現者グループ]] <br />[[現代貨幣理論]] |
|||
|研究分野 = [[政治史]]・[[経済史]]<br />国際関係史<br />[[政治哲学|政治思想]]・[[経済思想史|経済思想]]<br />[[国際関係論]]<br />[[総合政策学]] |
|||
|研究機関 = [[京都大学]]<br />[[経済産業研究所]] |
|||
|博士課程指導教員 = |
|||
|他の指導教員 = |
|||
|博士課程指導学生 = |
|||
|主な指導学生 = |
|||
|学位 = [[博士(政治学)|Ph.D. in Politics]]([[エジンバラ大学]]) |
|||
|称号 = |
|||
|特筆すべき概念 = [[経済ナショナリズム]]<br />[[地政経済学]] |
|||
|主な業績 = 経済ナショナリズムの定式化<br />[[地政学]]及び[[経済学]]の統一理論の構想 |
|||
|主要な作品 = 『TPP亡国論』(2011年)<br />『日本思想史新論』(2012年)<br />『富国と強兵』(2014年) |
|||
|影響を受けた人物 = [[小林秀雄 (批評家)|小林秀雄]]、[[西部邁]]、[[佐藤誠三郎]]、[[デイヴィッド・ヒューム]]、[[フリードリッヒ・リスト]]、[[マイケル・オークショット]]、[[ロバート・ギルピン]] |
|||
|影響を与えた人物 = |
|||
|学会 = |
|||
|主な受賞歴 = ドミニク・ジャッキン=バーダル論文賞(2003年)<br />[[新書大賞#2012年|新書大賞#2012]]第3位(2012年)<br />第21回[[山本七平賞]]奨励賞(2012年) |
|||
|署名 = |
|||
|公式サイト = |
|||
|脚注 = |
|||
}} |
}} |
||
'''中野 剛志'''(なかの たけし、[[1971年]]〈[[昭和]]46年〉[[10月25日]]<ref name="生年月日"/> - )は、[[経済産業省|通産・経産]][[官僚]]、[[評論家]]、[[思想家]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-720584-8 |title=TPP亡国論/中野 剛志|集英社の本 公式 |accessdate=2021-04-30}}</ref><ref name="toyokeizai">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/list/author/%E4%B8%AD%E9%87%8E+%E5%89%9B%E5%BF%97 |title=中野 剛志|著者ページ|東洋経済オンライン|経済ニュースの新基準 |accessdate=2021-04-27}}</ref>。[[学位]]は[[Doctor of Philosophy|Ph.D.]]([[エディンバラ大学]]・[[2005年]])。[[経済産業省]][[商務情報政策局]]消費・流通政策[[課長]]、同局大規模小売店舗立地法相談[[室長]]、同局物流企画室長<ref>{{Cite web|和書 |url=https://www.meti.go.jp/intro/data/index_leaders.html |title=幹部名簿(METI/経済産業省) |accessdate=2024-06-10 |publisher=経済産業省}}</ref>。筆名に'''東田 剛'''(ひがしだ つよし)がある。 |
|||
'''中野 剛志'''(なかの たけし、[[1971年]] - )は、日本の[[官僚]]である。[[論客]]としても知られ、出向先の[[京都大学]]大学院では[[准教授]]を務める。 |
|||
[[京都大学大学院工学研究科・工学部|京都大学大学院工学研究科]][[准教授]]、[[特許庁]]総務部総務課制度審議室長、経産省商務情報政策局情報技術利用促進課長、経産省[[経済産業省大臣官房|大臣官房]][[参事官]](グローバル産業担当)などを歴任した<ref>{{Cite web|和書|title=中野剛志 {{!}} 著者ページ |url=https://diamond.jp/ud/authors/58abbd697765611bd0200100 |website=ダイヤモンド・オンライン |accessdate=2022-01-30}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=中野 剛志 {{!}} 著者ページ |url=https://toyokeizai.net/list/author/%E4%B8%AD%E9%87%8E+%E5%89%9B%E5%BF%97 |website=東洋経済オンライン |accessdate=2022-01-30}}</ref>。 |
|||
== 来歴 == |
|||
[[神奈川県]]出身<ref name="toyokeizai"/>。実家は[[リサイクル|リサイクル業]]<ref name=":0">{{Cite book|和書 |title=現代の肖像 中野剛志 |year=2014 |publisher=朝日新聞出版 |author=森健}}</ref>。[[攻玉社中学校・高等学校]]卒業<ref name=":0"/>。現役時に[[京都大学]]に落第し<ref>{{Cite web|和書|title=21世紀の「学問の鉄人」シリーズ |url=http://www.milive.jp/学習を楽しく/21世紀の-学問の鉄人-シリーズ/中野剛志4/ |website=「みらいぶ」高校生サイト |accessdate=2022-01-14}}</ref>、[[河合塾]]横浜校を経て<ref name=":0"/>、[[東京大学大学院総合文化研究科・教養学部|東京大学教養学部]]教養学科第三([[国際関係論]]専攻)卒業。[[西部邁]]の私塾・[[表現者塾]]出身<ref>『AERA 2012年6月4日増大号』のインタビュー記事より</ref><ref>「筆者はまことに幸福なことに、十年以上にわたって(西部)先生の薫陶を直接受け、その精緻な思想、強靭な精神、そして生真面目でユーモアのある人生観から少なからざる影響を受けてきた。本書の中に、西部先生の保守思想の痕跡に気づいた読者も少なくないと思う。」『国力論』220頁。</ref>。 |
|||
予備校の講師から「[[国際関係論]]を学ぶには[[佐藤誠三郎]]が良い」という助言を受け、東大入学後に佐藤の講義を受けている<ref name=":0"/>。また、[[ロバート・ギルピン]]の著書を通して、[[自由主義]]および[[マルクス主義]]に次ぐ第3の経済思想たる[[経済ナショナリズム]]を知り、大学卒業後の進路に[[経済産業省|通商産業省]]を選ぶ<ref name=":0"/>。 |
|||
[[1996年]]、通商産業省に入省。[[1999年]]、[[資源エネルギー庁]]長官官房原子力政策課原子力専門職に就任。 |
|||
[[2000年]]、[[エディンバラ大学]]に[[留学#官費留学|官費留学]]し[[政治哲学|政治思想]]を専攻<ref name="Master">{{Cite web|和書|url=http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/archives/102 |title=中野 剛志 准教授 - 京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室 |accessdate=2021-04-27}}</ref>。[[2001年]]、同大学より優等[[修士]] ([[:en:Master of Science|M.Sc.]] with distinction) の[[学位]]を取得<ref name="Master"/>。指導教官はラッセル・キート ([[:en:Russell Keat|Russell Keat]])。 |
|||
帰国後、資源エネルギー庁資源・燃料部政策[[課長補佐]]に就任。[[2004年]]からは同課燃料政策企画室を併任。同年、経済産業省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長補佐に就任。 |
|||
[[2005年]]、エディンバラ大学より[[Doctor of Philosophy|Ph.D.]] in Politics([[博士(政治学)]])を取得<ref name="toyokeizai"/><ref name="PhDthesis">{{Cite web |url=https://era.ed.ac.uk/handle/1842/24190?show=full |title=The power of nations: theoretical foundations for economic nationalism |accessdate=2021-04-27}}</ref>。学位論文は「国家の力:経済ナショナリズムの理論的基礎 (The power of nations: theoretical foundations for economic nationalism)」である<ref name="PhDthesis"/>。 |
|||
経済産業省[[経済産業政策局]]産業構造課長補佐を経て、[[2010年]]6月1日、[[京都大学大学院工学研究科・工学部|京都大学大学院工学研究科]]都市社会工学専攻[[藤井聡]]研究室に退職出向<ref name="chojin20120604"/>。同研究室には[[助教]]として着任し、翌年、[[准教授]]に昇任した。[[経済産業研究所]]コンサルティングフェローを兼任。 |
|||
[[2011年]]3月17日、『TPP亡国論』の印税収入の半分相当を、[[日本赤十字社]]の「東日本大震災義援金」に寄付した<ref>[http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/02/tpp_12.html 中野剛志:「TPP亡国論」発刊にむけて (News Spiral)]</ref>。『TPP亡国論』は20万部を超えるベストセラーとなっている<ref>[http://shinsho.shueisha.co.jp/nakano/prof/ 「TPP黒い条約」目次と執筆者]</ref><ref>[https://books.j-cast.com/2013/06/17001276.html TPP参加は「主権」の投げ売り、黒い条約だ! 『TPP亡国論』中野剛志が放つ最後の警告『TPP 黒い条約』] BOOKウォッチ 2013年6月17日</ref>。 |
|||
[[2012年]]5月31日をもって京都大学を退官し<ref>[http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/nakano/ 中野 剛志 准教授] 京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室</ref>、同年6月1日から経済産業省に復帰<ref name="chojin20120604">中野剛志 「等身大で闘い続けた一年余を振り返る」 Internet TV 『超人大陸』 NPOカルチャーショッククラブ 2012年6月4日号</ref>。[[新エネルギー・産業技術総合開発機構]](NEDO)に出向し、同機構総務企画部主幹、同機構ロボット・機械システム部主幹、同機構戦略的イノベーション創造プログラム『革新的設計生産技術』推進委員会[[オブザーバー]]を務めた<ref>[https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/sekkei_1/1_sekkei_shiryou_2-3.pdf 「推進委員会(第1回)構成員名簿(PDF形式:160KB) 」] 内閣府</ref><ref>[https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/sekkei_1/1_sekkei_gijiyoushi.pdf 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)『革新的設計生産技術』推進委員会(第1回)議事要旨」]内閣府</ref>。[[2014年]]、[[特許庁]]総務部総務課制度審議[[室長]]に就任<ref>[http://www.meti.go.jp/intro/data/kanbu_ichiranj.html 「幹部一覧(METI/経済産業省)」]</ref>。[[2017年]]7月5日、経済産業省[[商務情報政策局]]情報技術利用促進課長に就任<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASKJ05H0C_V00C17A7EE8000/]日本経済新聞</ref>。[[2020年]]7月20日、経済産業省[[経済産業省大臣官房|大臣官房]][[参事官]](グローバル産業担当)に就任<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61739370Q0A720C2EE8000/] 日本経済新聞</ref>。[[2021年]]7月1日、経済産業省 商務情報政策局 消費・流通政策課長 兼 物流企画室長に就任<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOH1019NR0R00C21A7000000/] 日本経済新聞</ref>。2024年6月25日、経済産業省 商務情報政策局 参事官(商務・サービスグループ担当)に就任<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOH1257I30V20C24A6000000/] 日本経済新聞</ref>。 |
|||
== 人物 == |
== 人物 == |
||
* 4人兄弟の長男<ref name=":0"/>。 |
|||
[[神奈川県]]出身。[[東京大学]][[教養学部]]教養学科(国際関係論)卒業。[[博士]](社会科学、[[エディンバラ大学]])。 |
|||
* 東京大学弓道部で同期の女性と結婚している<ref name=":0"/>。 |
|||
== 受賞 == |
|||
主な研究分野は[[経済ナショナリズム]]であり、これは[[自由主義|経済自由主義]]、[[マルクス主義]]のいずれにも属さない思考様式である。 |
|||
*[[2003年]](平成15年) - 論文「経済ナショナリズムを理論化する (Theorising economic nationalism) 」<ref name="論文">{{Cite journal|author=Takeshi Nakano|year=2004|title=Theorising economic nationalism|journal=Nations and Nationalism|volume=10|issue=3|pages=211–229|doi=10.1111/j.1354-5078.2004.00164.x}}</ref>により[[民族性ナショナリズム学会]]のドミニク・ジャッキン=バーダル論文賞 (Dominique Jacquin-Berdal Essay Prize) を受賞<ref name="#1">[http://www2.lse.ac.uk/researchAndExpertise/units/ASEN/Awards/Essay_Prize.aspx Dominique Jacquin-Berdal Essay Prize]{{En icon}}</ref>。 |
|||
*[[2012年]](平成24年) |
|||
**著書『TPP亡国論』により新書大賞2012の第3位を受賞<ref>[http://www.chuko.co.jp/special/shinsho_award/ 新書大賞2012特設ページ(中央公論新社)]</ref>。 |
|||
**著書『日本思想史新論:プラグマティズムからナショナリズムへ』により第21回山本七平賞の奨励賞を受賞<ref>[http://shuchi.php.co.jp/article/1274 書評 第21回 山本七平賞 選評 および 受賞の言葉]PHPビジネスオンライン 衆知 2012年12月19日</ref>。 |
|||
== |
== 主張 == |
||
=== 政治思想・経済思想 === |
|||
大学を卒業した{{jdate|1996}}、[[通商産業省]](当時)に入省、{{jdate|1999}}には[[資源エネルギー庁]]長官官房原子力政策課原子力専門職に就任した。 |
|||
経済ナショナリストによる[[思想]]の再解釈を通して、これらの思想の底流にあるのは、理性と思索により抽象化・単純化した思考ではなく、[[文化]]や社会慣習、常識の蓄積などをあるがままに掴み取ろうとする[[解釈学]]的アプローチであるとする。抽象的な[[数理モデル]]や、経済現象を利己的個人に還元した[[方法論的個人主義]]など、これらに基づく[[経済学|主流派経済学]]の非現実的な抽象論を批判し、これに依拠する[[民営化]]・[[規制緩和]]・[[小さな政府]]などの[[新自由主義]]的な手法が問題解決に対して失効しているばかりか、軋轢や問題の原因でもあると主張している<ref>『国力論』174-175頁、198-200頁。</ref>。 |
|||
また、新自由主義が信奉する自由放任の[[市場経済]]は、家族・共同体といった[[保守]]が重視する価値を破壊するため、国家・道徳のためにも、保守は新自由主義と手を切るべきだと主張している<ref>[https://web.archive.org/web/20131119062145/http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20131105-OYT8T00818.htm 書評 本よみうり堂 『保守とは何だろうか』 中野剛志著、『「リベラル保守」宣言』 中島岳志著、『保守の本分』] [[菅野完|noiehoie]]著、『「常識」としての保守主義』櫻田淳著、YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年11月11日</ref>。 |
|||
翌{{jdate|2000}}より、イギリスの[[エディンバラ大学]]に留学。同大学留学中に執筆した論文、『経済ナショナリズムを理論化する<ref>原題: Theorising Economic Nationalism</ref>』は{{jdate|2003}}、[[民族性ナショナリズム学会]]の「ネイションズ・アンド・ナショナリズム賞」を受賞した<ref>[http://www.lse.ac.uk/collections/ASEN/dominique_jacquin_berdal_prize.html Nations and Nationalism Prize in the Memory of Dominique Jaquin-Berdal]{{ref-en}}</ref>。その後、エディンバラ大学からの[[博士号]](Ph.D)は、{{jdate|2005}}に授与されている。 |
|||
=== 経済史 === |
|||
日本に帰国後の{{jdate|2003}}、[[経済産業省]]資源エネルギー庁資源・燃料部政策課課長補佐となり、翌年からは同課燃料政策企画室併任となった。また同年、経済産業省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課課長補佐に就任した。 |
|||
[[イギリス経験論]]の代表的人物である[[デイヴィッド・ヒューム]]を[[経済ナショナリズム|経済ナショナリスト]]とし<ref>『国力論』53-110頁。</ref>、ヒュームからアメリカの経済ナショナリストである[[アレクサンダー・ハミルトン]]への流れ<ref>『国力論』19-31頁。</ref>、ハミルトンを経由して経済ナショナリストの一大学派である[[ドイツ歴史学派]]の創始者[[フリードリッヒ・リスト]]までの思潮を辿り<ref>『国力論』32-52頁。</ref><ref>若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159頁。</ref>、ヒュームから[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]を経て<ref>『国力論』111-142頁。</ref>、[[新古典派経済学]]の創始者の一人とされる[[アルフレッド・マーシャル]]が実は経済ナショナリストであることを論証しようと試みた<ref>『国力論』143-171頁。</ref>。また、混同されがちな経済ナショナリズムと[[重商主義]]はその立場が異なることを、「ネイション」([[国民]]あるいは人々の社会的・文化的・心理的紐帯)と「ステイト」([[政府]]あるいは政治的・法的制度)の両者の基盤の違いを軸に論じた<ref>『国力論』35-38頁、46-54頁、107-110頁。</ref>。 |
|||
[[経済思想史]]の流れで経済が順調ではない時の傾向として、通常の経済学の議論で見落とされていたものに注目する動きが出てくるとし、危機の時はオーソドックスから逸脱できた国だけが生き残れるとする<ref>中野剛志・柴山桂太『グローバル恐慌の真相』166-167頁。</ref>。 |
|||
{{jdate|2010}}、[[京都大学]][[大学院]][[工学研究科]](都市社会工学専攻)[[藤井聡|藤井]]研究室に[[助教]]として出向。翌年、同研究科の[[准教授]]に就任し、現在に至る。 |
|||
=== |
=== 経済政策 === |
||
[[デフレーション]]を解決することが最優先課題であるとし、内需拡大こそ重要であるとしている<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/8976 売国奴に告ぐ! 中野剛志、三橋貴明著]東洋経済オンライン 2012年04月17日</ref>。[[外需]]促進は貿易黒字の拡大を伴うが、これは円高を促し国際競争力を失う自殺行為であると指摘する。むしろ、財政出動により[[内需]]を拡大することで[[輸入]]が増加し、これが円を安くし国際競争力を高めることにつながるとする。すなわち、財政出動による内需拡大こそが円高を止めるとする。[[マンデルフレミングモデル]]に対して、デフレ下では金利の大幅な上昇はありえないため、自国通貨高にはならないと主張している<ref>[https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10656537835.html] [[内需]]拡大が[[円高]]を止める</ref>。 |
|||
[[イギリス経験論]]の代表的人物である[[デイヴィッド・ヒューム]]が経済ナショナリストであるとする。このヒュームから、アメリカの経済ナショナリストである[[アレクサンダー・ハミルトン]]への流れ、ついで、このハミルトンを経由して経済ナショナリストの一大学派である[[ドイツ歴史学派]]の創始者[[フリードリッヒ・リスト]]までの思潮を辿り、さらにヒュームから[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]を経て、[[新古典派経済学]]の創始者の一人とされる[[アルフレッド・マーシャル]]が実は経済ナショナリストであることを解き明かす。また、しばしば混同されがちである経済ナショナリズムと[[重商主義]]とは、その立場が異なることも、「ネイション」([[国民]]あるいは人々の社会的・文化的・心理的紐帯)と「ステイト」([[政府]]あるいは政治的・法的制度)と両者の拠って立つ基盤の違いを軸に解き明かす。 |
|||
「くたばれ[[グローバル資本主義]]」が[[座右の銘]]であり<ref>[http://www.news-postseven.com/archives/20111225_77892.html TPP反対の中野剛志 グローバル化を喜ぶ人は「ほとんど反民主主義者」] NEWSポストセブン 2011年12月25日</ref>、海外からの需要取り込みや国際分業の伸展により経済活性化を目指す[[グローバル]]成長戦略論には否定的である<ref>[https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10656537835.html 内需拡大が円高を止める|] [[三橋貴明]]オフィシャル[[ブログ]]「新世紀のビッグブラザーへ blog」への寄稿</ref>。 |
|||
彼らの思想の再解釈を通して、これら思想の底流にあるのは、理性と思索により抽象化・単純化した思考ではなく、文化や社会慣習、常識の蓄積などをあるがままに掴み取ろうとする[[解釈学]]的アプローチであるとする。そして、抽象的な数理モデルや、経済現象を利己的個人に還元した[[方法論的個人主義]]など、これらに基づく[[経済学|主流派経済学]]の非現実的な抽象論を批判し、これに依拠する[[民営化]]・[[規制緩和]]・[[小さな政府]]などの[[新自由主義]]的な手法が問題解決に対して失効しているばかりか、軋轢や問題の原因だとも指摘する<ref>『国力論』より</ref> 。 |
|||
元[[日本銀行]]副総裁で経済学者の[[若田部昌澄]]は、中野が経済学を理解した上で、自説に適した理論を的確に選び<ref>若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159頁。 </ref>、「そう言われればそうかな」と思ってしまうような論を展開しているとして、「[[トレード]]」を教える反面教材としては悪くないとしている<ref>若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、172頁。</ref>。若田部は「いろいろな人が反TPP論を繰り出したが、どれも中野のバリエーションのようなものだった。彼の議論をあらためて確認しておくことにはまだ意義がある」と述べている<ref>若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159-160頁。</ref>。 |
|||
[[マンデルフレミングモデル]]に対して、デフレ下では金利の大幅な上昇はありえないため自国通貨高にはならないと主張している<ref>[http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10656537835.html 内需拡大が円高を止める]</ref>。 |
|||
海外からの需要取り込みや国際分業の伸展により経済活性化を目指すグローバル成長戦略論には否定的である<ref>[http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10656537835.html 内需拡大が円高を止める|三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」への寄稿]</ref>。外需促進は貿易黒字の拡大を伴うが、これは円高を促し国際競争力を失う自爆行為であると指摘する。むしろ、財政出動により内需を拡大することで輸入が増加し、これが円を安くし国際競争力を高めることにつながるとする。すなわち、財政出動による内需拡大こそが円高を止めるとの意見である<ref>「[[円相場]]」を参照。</ref>。 |
|||
社会経済学者の[[松原隆一郎]]は最初に景気回復は赤字財政による公共投資で可能になるという中野の主張を聞いて疑問を持ったと述べている。政府が国民の貯金を上回る累積赤字を背負うなら、その国家は財政破綻するのではないかと問うた。中野は銀行制度において、預金通貨は振り込まれる預金が転送されて生まれるのではなく、資金を求める人の口座に返済可能と判断し準備預金を積む限りで貸出額を記帳するだけで預金通貨は発生するので、政府も国債を政府紙幣を発行して「受領」されさえすれば通貨になるのだから、不況期には政府は支出を無限に増やせると主張した。松原はこの貨幣論はその国家がどこまで「信用」されるかにかかっているため、中野の軍事技術・費用逓減産業・地理的差異など、長期にわたって富を生み出す仕組みの説明で理論の筋が見えたと述べている<ref>https://mainichi.jp/articles/20170319/ddm/015/070/013000c</ref>。 |
|||
=== TPPについて === |
|||
[[環太平洋戦略的経済連携協定]](TPP)参加は日本の国益にならないとする<ref name="wa-dan20110225">[http://www.wa-dan.com/ustarc/2011/02/2011225.php?1 週刊朝日UST劇場アーカイブ、2011年2月25日]</ref><ref>[http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10722440426.html ドミナントストーリー(優先される物語)|三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」への寄稿]</ref>。国内市場の大きい大国である米国だけが主導権をもってルールの策定を行えることに加えて、安全保障上の問題から日本は米国に対して弱い立場にあるため日本に有利なルール策定はより困難で米国に妥協するしかないこと、その米国がドル安により輸出振興政策を志向すればTPPに参加しても日本の輸出は伸びない一方で関税という防波堤を失えば日本の農業は壊滅的な打撃を受けること、ISD条項に基づく訴訟によって国民皆保険制度など日本の社会制度が変えられてしまう恐れがあること、などを理由として挙げている。 |
|||
== 批判 == |
|||
また、安い外国の製品が輸入されるようになったことをデフレの要因として挙げ、TPPに反対する最大の理由は、価格の低い商品が今以上に輸入されてデフレがさらに進んでしまうからだとしている<ref>朝日新聞、争論 第三の開国、2011年1月18日</ref><ref>[http://www.nsk-network.co.jp/sisandefure03.htm#1 地価下落・不良債権・デフレ負の連鎖]</ref>。 |
|||
=== TPP === |
|||
[[環太平洋パートナーシップ協定|TPP]]反対派の代表<ref>[http://synodos.jp/economy/1610 TPPの憂鬱 ―― 誤解と反感と不信を超えて]SYNODOS -シノドス- 2011年11月9日</ref>、TPP反対の急先鋒<ref>[http://www.zaikaisapporo.co.jp/kigyou/intervew/88.shtml インタビュー 「道民はもっと怒れ、エセ龍馬たちの言いなりになるな!」] 財界さっぽろ 2011年3月</ref>とも言われており、反TPP論者として注目されている<ref>[https://nikkan-spa.jp/87816 「TPPはアメリカの雇用対策」田中康夫と中野剛志が指摘]日刊SPA! 2011年11月8日</ref>。TPPについて中野は「日本はすでに開国している」「TPPで輸出は増えない」「TPPは日米貿易だ」と持論を展開している<ref>[http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html 中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる] News Spiral 2011年1月14日</ref>。 |
|||
[[森健]]は、中野の『TPP亡国論』(2011年)について「著者はまずTPPは[[国内総生産]]比率で事実上、日米2カ国の[[自由貿易協定]](FTA)に過ぎないことを示した上で、アメリカはなりふり構わぬ輸出強化策に出ていることを証明する。冷静な論考の過程で見えてくるのは、国民を幸せにしない[[グローバル経済]]の問題だ。TPPだけに終わっていないのが本書の深みだ」と評している<ref>[http://book.asahi.com/business/TKY201104050314.html 【レビュー・評価】:TPP亡国論 著 中野剛志] asahi.com(朝日新聞社)2011年4月3日</ref>。[[祖田修]]は、『反・自由貿易論』について「本書はTPPに関し、最も信頼しうる著作の一つである」と評している<ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2013072802000171.html 反・自由貿易論 中野剛志 著] 東京新聞 Chunichi Bookweb (TOKYO Web) 2013年7月28日</ref>。 |
|||
=== エピソード === |
|||
{{雑多な内容の箇条書き|date=2011年11月}} |
|||
=== 藤井聡 === |
|||
* 『[[発言者 (雑誌)|発言者]]』、『[[表現者 (雑誌)|表現者]]』に評論を連載。『発言者』誌上において[[佐伯啓思]]と「[[近代]]」の解釈をめぐって論争を展開した。 |
|||
2021年には、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、藤井聡氏の一連の言動を批判した。 |
|||
*{{jdate|2011}}3月17日、「TPP亡国論」の印税収入の半分相当を、[[日本赤十字社]]の「東日本大震災義援金」に寄付した<ref>[http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/02/tpp_12.html 中野剛志:「TPP亡国論」発刊にむけて (News Spiral)]</ref>。 |
|||
*「そう言えば、アーレントだ何だと哲学者ぶって大衆社会批判や全体主義批判をしながら、統計学的な手法を振り回している変な学者がいますが、おそらく彼は何も分かっていないのでしょう。もっとも、その人は、その統計ですらインチキして大衆を煽動しようとしているから、論外ですけれどね。[…]ちょび髭とか生やして、まなじり吊り上げて怒鳴っているような顔には気をつけましょう[…]最近だと、「◎◎である疑義が濃厚である」を連発する科学者ぶった偉そうな文章。見るたびに吐きそうになる。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/895344/1/|title=なぜ政治家は顔で判断されるべきなのか?【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-03-31|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「「ボクは自粛で山ほど嫌な思いをしています」とか駄々をこね、「自粛に賛成している者は社交を知らないガキ」だなどと書き連ねていた……。彼(藤井聡)の文章は、文体からして酷かった。前回の対談で話題になりましたが、やっぱり出るもんですね、文体に。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/917509/3/|title=成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか?【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-04-15|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「残念ながら、信じてはいけない教授、指導を受けてはいけない教授もいることが、このコロナ禍で明らかになってしまいました。あれだけデタラメな言論を展開していれば、研究室の学生にもデタラメを教えているに決まっている。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/959139/4/|title=「直観」でものごとを判断するということ【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-05-22|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「藤井氏の『表現者クライテリオン』には、個別の問題に関して意見が同じだったら、どんな低劣な言論人でも登場する。藤井氏は、消費税反対の徒党を組むため、あるいは緊急事態宣言反対の徒党を組むためだったら、誰とでも手を組み、利用しようとするのです。思想運動を「徒党」と言い、「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」を学問の「社交」と言うなら、徒党と社交は、全くの別物です。徒党を組みたがる連中は、社交を知らないガキですね(笑)。[…]世の中には、思想運動や学派という猿山のボス猿になりたいという野心をもっている大学教授や知識人がいるわけですよ。よく学生や助教に対して威張ったり、いたぶったり、怒鳴り散らしたりする大学教授がいますが、そういう手合いですね。そういう学者のクズは、「思想」ではなく、学界や言論界の「政治」をやっているのです。/そんな学者のクズを不運にも師匠として信じてしまった結果、その師匠に操られ、師匠に追従していくうちに、有望な学生の思想の芽が潰れてしまう。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/962649/4/|title=コロナ禍は「歴史を学ぶ」チャンスでもある【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-05-25|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「今回の新型コロナを巡っては、いろいろ奇妙な議論が出てきたのは事実ですが、あそこまで変な言論を展開したのは、彼(藤井聡)だけですよ。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/624143/2/|title=新型コロナがあぶり出した「狂った学者と言論人」【中野剛志×佐藤健志×適菜収:第1回】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-08-01|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「国民の不満につけ込み、うまい話をぶら下げ、数字を操作し、特定の敵を設定して執拗に攻撃し、メディアを多用して煽動し、自分の主張だけを一方的に押し通すが、論理的一貫性などおかまいなし。これは全体主義の典型的な手法で、かつて藤井氏は、橋下徹・元大阪市長が「大阪都構想」でそれをやっていると批判した。ところが、今回は、自分が「半自粛」でそれをやっている。越えてはならぬ一線をあっさり越えましたね、彼は。[…]吊り上がった眉と血走った目で「僕は、日本のために命をかけてるんですよぉ! 」などと怒鳴られると、それだけで「ああ、こいつがかけている命は、日本のためにはならんなあ」「正義を振りかざす自分に酔っているだけだなあ」と分かりますね。[…]相模原障碍者殺傷事件の加害者は、重度障碍者は生きる意味がないだの、抹殺するのが日本のためだのといった危険思想をもっていた。それと同種の危険思想を、[…](藤井)氏は持っているのです。しかし、[…](藤井)氏は、SNS上では、その危険思想を科学めかした理屈で隠しつつ、専門家会議や西浦先生を攻撃していました。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/641232/2/|title=現実を直視できない日本と新型コロナのゆくえ【中野剛志×佐藤健志×適菜収:最終回】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-08-06|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「藤井氏は去年の6月のある討論番組で「僕が間違っていたら、筆を折って人前に出ないようにしますよ」などと口走っていました。あの時点で、世界中の感染症や公衆衛生の専門家が苦戦している未知のウイルスについて、専門外なのに、そう断言してしまった。信じ難い傲慢さです。でも、そんな大見えを切ってしまったもんだから、その後、修正できなくなっている。これはもう救いようがないなと。[…](藤井聡は)善人面しますね。怒って叫んでみせたり、ため息ついて悲しんでみせたりの三文芝居。[…](藤井聡は)善人面しているうちに、本気で「俺は正義の味方だ」と自己陶酔に陥ったようにも見える。[…]第4波の緊急事態宣言の前後、大阪や東京で感染者数が増え続ける中で、藤井氏は、感染者数の「増加率」が減ったのを勝手に「収束」という言葉で定義して、「収束に向かっているから緊急事態宣言は必要なかった」とツイッターで主張していました。/しかし、言うのも馬鹿々々しいですが、増加率が減少しようが100%以下にならない限り、感染者数は増加しているわけですから、普通はそれを「収束」に向かっているとは言わない。特に大阪は医療崩壊しかかっていたんですから、少なくとも、対策を強化する必要がないなどという結論になるはずがない。[…]緊急事態宣言は不要と唱える藤井氏や宮沢孝幸氏は「目、口、鼻さえ触らなければ大丈夫」って言っていましたが、人間は日常生活の中で無意識に目、鼻、口を触るわけですから、絶対触るなと言われてもできません。そんな無理筋の提案をしておきながら、それが受け入れられないからって「大嫌い」って言われてもね。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/947320/4/|title=人を説得することは可能なのか?【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-08-07|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
*「京都大学大学院教授の藤井聡氏はなんて言ったのか。昨年の6月に「もし僕が間違っていたら人前には出ません。筆を折ります」と言ったわけですよ。それで筆を折るのが嫌なもんだから、今は事実や論理をバキバキ折っているところです(笑)。[…]藤井氏は、2020年12月、「WeRise」という団体のイベントに参加し、講演で「コロナがあったら、飲んでもいい」などと発言しています。コロナって、ビールのコロナじゃないですよ。挙句の果てには、ギターをかき鳴らし、飛沫飛ばして「Oh,Yeah,Oh,Yeah」などと叫んでいるのです。ツイッターで流れて来たその動画を見た時は、言葉を失いました。/これは、さすがに限度を超えているでしょう。藤井氏が「Oh, Yeah, Oh, Yeah」と歌っていた頃、すでに大阪の医療機関は逼迫していました。そして、その後、大阪は、医療崩壊状態になったんですよ! 藤井氏とつるんでいる連中は、この「Oh,Yeah, Oh, Yeah」の動画を見ても平気なんですか?[…]あんな「Oh,Yeah」男に「MMT! 」とか言われると、MMTまでトンデモ扱いされてしまうから、迷惑です。[…]藤井氏は、MMTを唱えていたにもかかわらず、昨年7月、「財政政策が行われるとは思わない」と断じ、さらに感染症の専門家でもないのに「半自粛」を唱え、挙句の果てに、尾身先生と西浦先生を公開質問状で断罪するという挙にでた。[…]感染拡大を防ぐために、感染症の専門家や医師たちが必死に警鐘を鳴らしていたというのに、藤井氏は警鐘ではなくギターを鳴らして「Oh,Yeah, Oh, Yeah」とマスクもしないで叫んでいたわけです。それで感染が拡大して医療崩壊したら「病床増やせって、言っただろ」って、いったい何なんですか、この人は。[…]深刻そうな顔にチョビ髭つけて、大学教授か何かの肩書を振り回し、やたら「アウフヘーベン」とか哲学用語・外国語を口走ってもったいつけ、人前で葉巻を吸って見せたりする。権力者にはペコペコするのに、学生や飲食店の店員とかには威張り散らし、講演ではすぐに興奮して「僕は、そういう日本人にムカついているんですよ~! 」とか叫んで大演説。」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/971993/1/|title=議論の勝敗だけにこだわる「知識人ごっこ」の輩を実名で糾弾する【中野剛志×適菜収】|publisher=ベストセラーズ|date=2021-08-07|accessdate=2023-02-24}}</ref> |
|||
== TV出演 == |
|||
* [[超人大陸]]([[インターネットテレビ]])- 2011年・2012年に出演。 |
|||
* [[日本文化チャンネル桜]] - 2011年・2012年に出演。 |
|||
* [[視点・論点]]([[NHK総合テレビジョン|NHKテレビ]])- 2011年に出演<ref>[http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/99077.html 視点・論点 「TPP参加の是非」]NHK 2011年10月21日</ref>。 |
|||
* [[情報プレゼンター とくダネ!|とくダネ!]]([[フジテレビジョン|フジテレビ]])- 2011年に出演<ref>[https://web.archive.org/web/20111111083356/http://wpb.shueisha.co.jp/2011/11/10/7913/ TPP反対派の急先鋒・中野剛志「メディアが報じないアメリカの本音。やはり日本は狙われている」] 週プレNEWS 2011年11月10日</ref>。 |
|||
== 著書 == |
== 著書 == |
||
=== 単著 === |
=== 単著 === |
||
* {{Cite book|和書|year=2008|title=国力論|publisher=以文社}} |
* {{Cite book|和書|year=2008|title=国力論|publisher=以文社|isbn=4753102610}} |
||
* {{Cite book|和書|year=2008|title=経済はナショナリズムで動く|publisher=[[PHP研究所]]}} |
* {{Cite book|和書|year=2008|title=経済はナショナリズムで動く|publisher=[[PHP研究所]]|isbn=4569703186}} |
||
* {{Cite book|和書|year= |
** 改訂版:{{Cite book|和書|year=2011|title=国力とは何か:経済ナショナリズムの理論と政策|publisher=[[講談社]]([[講談社現代新書]])|isbn=4062881152}} |
||
* {{Cite book|和書|year=2009|title= |
* {{Cite book|和書|year=2009|title=恐慌の黙示録|publisher=[[東洋経済新報社]]|isbn=4492395148}} |
||
* {{Cite book|和書|year= |
** 改訂版:{{Cite book|和書|year=2015|title=資本主義の預言者たち:ニュー・ノーマルの時代へ|publisher=[[KADOKAWA]]([[角川新書]])|isbn=4047317357}} |
||
* {{Cite book|和書|year= |
* {{Cite book|和書|year=2009|title=自由貿易の罠|publisher=[[青土社]]|isbn=4791765117}} |
||
* {{Cite book|和書|year= |
* {{Cite book|和書|year=2010|title=考えるヒントで考える|publisher=[[幻戯書房]]|isbn=4901998579}} |
||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=TPP亡国論|publisher=[[集英社]]([[集英社新書]])|isbn=4087205843}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=日本思想史新論:プラグマティズムからナショナリズムへ|publisher=[[筑摩書房]]([[ちくま新書]])|isbn=4480066543}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=レジーム・チェンジ:恐慌を突破する逆転の発想|publisher=[[NHK出版]]([[NHK出版新書]])|isbn=4140883731}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=反官反民:中野剛志評論集|publisher=[[幻戯書房]]|isbn=4864880018}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=官僚の反逆|publisher=[[幻冬舎]]([[幻冬舎新書]])|isbn=4344982908}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=日本防衛論:グローバル・リスクと国民の選択|publisher=[[角川マガジンズ]]([[角川SSC新書]])|isbn=4047315923}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=反・自由貿易論|publisher=[[新潮社]]([[新潮新書]])|isbn=4106105268}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=保守とは何だろうか|publisher=NHK出版(NHK出版新書)|isbn=4140884185}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2014|title=世界を戦争に導くグローバリズム|publisher=集英社(集英社新書)|isbn=4087207552}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2016|title=富国と強兵:地政経済学序説|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4492444382}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2017|title=真説・企業論:ビジネススクールが教えない経営学|publisher=講談社(講談社現代新書)|isbn=978-4-06-288425-9}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2017|title=経済と国民:フリードリヒ・リストに学ぶ|publisher=[[朝日新聞出版]]([[朝日新書]])|isbn=978-4022737342}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2019|title=目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】|publisher=[[ベストセラーズ]]|isbn=978-4584138953}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2019|title=全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】|publisher=ベストセラーズ|isbn=978-4584139066}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2020|title=日本経済学新論|publisher=筑摩書房(ちくま新書)|isbn=978-4480073143}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2021|title=小林秀雄の政治学|publisher=[[文藝春秋]]([[文春新書]])|isbn=978-4-16-661306-9}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2022|title=楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】|publisher=ベストセラーズ|isbn=978-4584139837}} |
|||
* 『世界インフレと戦争―恒久戦時経済への道』幻冬舎、2022年。ISBN 978-4344986787。 |
|||
* {{Cite book|和書|year=2023|title=どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組|publisher=[[祥伝社]]([[祥伝社新書]])|isbn=978-4396116767}} |
|||
* 『入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才』[[PHP新書]]、2024年。ISBN 978-4569856186。 |
|||
=== 共著 === |
=== 共著 === |
||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=亡国最終兵器:TPP問題の真実|author1=(関岡英之|authorlink1=関岡英之|author2=長尾たかし|authorlink2=長尾敬|author3=東谷暁|authorlink3=東谷暁|author4=藤井孝男|authorlink4=藤井孝男|coauthors=[[三橋貴明]]、[[山田俊男]]、[[水島総]])|publisher=[[青林堂]](チャンネル桜叢書)|isbn=4792604354}} |
|||
* 『グローバル恐慌の真相』[[柴山桂太]]、[[集英社]][[[集英社新書]]]、2011年。 |
|||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=それでも日本は原発を止められない|author1=(山名元|author2=森本敏)|authorlink2=森本敏|publisher=[[産経新聞出版]]|isbn=4819111450}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=自由貿易という幻想:リストとケインズから「保護貿易」を再考する|author1=(エマニュエル・トッド|authorlink1=エマニュエル・トッド|author2=フリードリッヒ・リスト|authorlink2=フリードリッヒ・リスト|author3=ダヴィッド・トッド|author4=ジャン=リュック・グレオ|coauthors=ジャック・サピール、松川周二、[[西部邁]]、[[関曠野]]、[[太田昌国]]、関良基、[[山下惣一]])|publisher=[[藤原書店]]|isbn=4894348284}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=グローバル恐慌の真相|author=(柴山桂太)|authorlink=柴山桂太|publisher=[[集英社]]([[集英社新書]])|isbn=4087206203}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=危機の思想|author1=(西部邁|authorlink1=西部邁|author2=佐伯啓思|authorlink2=佐伯啓思|author3=柴山桂太|authorlink3=柴山桂太|author4=中島岳志|authorlink4=中島岳志|coauthors=[[東谷暁]]、[[藤井聡]]、[[富岡幸一郎]]、[[原洋之介]])|publisher=[[NTT出版]]|isbn=4757142765}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=文明の宿命|author1=(西部邁|authorlink1=西部邁|author2=佐伯啓思|authorlink2=佐伯啓思|author3=富岡幸一郎|authorlink3=富岡幸一郎|author4=柴山桂太|authorlink4=柴山桂太|coauthors=[[中島岳志]]、[[原洋之介]]、[[東谷暁]]、[[藤井聡]])|publisher=[[NTT出版]]|isbn=4757142889}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=売国奴に告ぐ!:いま日本に迫る危機の正体|author=(三橋貴明)|authorlink=三橋貴明|publisher=[[徳間書店]]|isbn=4198633592}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2012|title=日本破滅論|author=(藤井聡)|authorlink=藤井聡|publisher=[[文藝春秋]]([[文春新書]])|isbn=4166608711}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=TPP 黒い条約|author1=(関岡英之|authorlink1=関岡英之|author2=岩月浩二|author3=東谷暁|authorlink3=東谷暁|author4=施光恒|authorlink4=施光恒|coauthors=[[村上正泰]]、[[柴山桂太]])|publisher=[[集英社]]([[集英社新書]])|isbn=4087206955}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=反動世代:日本の政治を取り戻す|author=(三橋貴明、柴山桂太、施光恒、森健)|publisher=[[講談社]]|isbn=4062183307}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2013|title=まともな日本再生会議:グローバリズムの虚妄を撃つ|author=(柴山桂太、施光恒)|publisher=[[アスペクト (企業)|アスペクト]]|isbn=4757222572}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2014|title=国家のツジツマ:新たな日本への筋立て|author=(佐藤健志)|authorlink=佐藤健志|publisher=VNC|isbn=4434190598}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2014|title=国家のツジツマ:新たな日本への筋立て デラックス版|author=(佐藤健志)|publisher=VNC|isbn=4434189395}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2014|title=グローバリズムが世界を滅ぼす|author=(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、藤井聡、堀茂樹)|publisher=文藝春秋(文春新書)|isbn=4166609742}} |
|||
* {{Cite book|和書|year=2017|title=グローバリズム その先の悲劇に備えよ|author=(柴山桂太)|publisher=集英社(集英社新書)|isbn=978-4087208863}} |
|||
=== 編著 === |
=== 編著 === |
||
* {{Cite book|和書|year=2010|title=成長なき時代の「国家」を構想する|publisher=[[ナカニシヤ出版]]}} |
* {{Cite book|和書|year=2010|title=成長なき時代の「国家」を構想する:経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン|author1=(佐藤方宣|author2=柴山桂太|authorlink2=柴山桂太|author3=施光恒|authorlink3=施光恒|author4=五野井郁夫|coauthors=安高啓朗、松永和夫、松永明、久米功一、安藤馨、浦山聖子、[[大屋雄裕]]、[[谷口功一 (法哲学者)|谷口功一]]、河野有理、黒籔誠、[[山中優]]、[[萱野稔人]])|publisher=[[ナカニシヤ出版]]|isbn=4779505135}} |
||
* {{Cite book|和書|year=2011|title=「TPP開国論」のウソ |
* {{Cite book|和書|year=2011|title=「TPP開国論」のウソ:平成の黒船は泥舟だった|author1=(東谷暁|authorlink1=東谷暁|author2=三橋貴明)|authorlink2=三橋貴明|publisher=[[飛鳥新社]]|isbn=4864100802}} |
||
=== 共訳書 === |
=== 共訳書 === |
||
* |
* {{Cite book|和書|year=2011|title=〈起業〉という幻想:アメリカン・ドリームの現実|author=スコット・A・シェーン|translator=[[谷口功一 (法哲学者)|谷口功一]]、中野剛志、[[柴山桂太]]|publisher=[[白水社]]|isbn=4560081646}} |
||
* エマニュエル・ドッド『自由貿易という幻想 リストとケインズから「保護貿易」を再考する』[[松川周二]]他、[[藤原書店]]、2011年。 |
|||
== |
=== 監修 === |
||
* {{Cite book|和書|year=2021|title=あした、この国は崩壊する:ポストコロナとMMT|author=黒野伸一|authorlink=黒野伸一|publisher=ライブパブリッシング|isbn=4910519009}} |
|||
* 時折、『[[西部邁ゼミナール]]』([[東京メトロポリタンテレビジョン]])に出演している。 |
|||
{| class="wikitable" |
|||
|- style="text-align:center;" |
|||
! style="background:#B0C4DE;"| 放送日 |
|||
! style="background:#B0C4DE;"| タイトル |
|||
|- |
|||
|2009年3月21日 |
|||
|国民経済を守れ!若き国士役人たちよ! |
|||
|- |
|||
|2010年10月2日 |
|||
|いつまで官僚バッシングを続けるのか |
|||
|- |
|||
|2010年12月18日 |
|||
|怪談TPP |
|||
|- |
|||
|2011年3月16日 |
|||
| TPP賛成論者の詭弁を論駁す |
|||
|- |
|||
|2011年4月16日 |
|||
|復興をめぐる要は国家ヴィジョン TPP賛成論者の詭弁を論駁す |
|||
|- |
|||
|2011年4月23日 |
|||
|TPP亡国論【2】 TPP参加したとき起こる現実 |
|||
|- |
|||
|2011年4月30日 |
|||
|TPP亡国論【3】 経済自由主義を撃つ |
|||
|} |
|||
=== 論文 === |
|||
* しばしば『[[超人大陸]]』([[インターネットテレビ]])に出演している。 |
|||
* [[藤井聡]]、中野剛志「[http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201110-201112/research/fujii_publicworks.pdf マクロ経済への影響を踏まえた公共事業関係費の水準と調達方法の裁量的調整についての基礎的考察]」土木学会論文集 |
|||
{| class="wikitable" |
|||
* 藤井聡、久米功一、松永明、中野剛志「[https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/12040009.html 経済の強靭性(Economic Resilience)に関する研究の展望]」経済産業研究所、2012年4月 |
|||
|- style="text-align:center;" |
|||
! style="background:#B0C4DE;"| 配信日 |
|||
! style="background:#B0C4DE;"| タイトル |
|||
|- |
|||
|2011年2月7日 |
|||
|TPPで日本が滅ぶ |
|||
|- |
|||
|2011年3月14日 |
|||
|日本のデフレは必ず解決できる |
|||
|- |
|||
|2011年4月18日 |
|||
|グローバル化を進めた結果 民営化、無駄削減で非常事態がさらに泥沼化 |
|||
|- |
|||
|2011年5月23日 |
|||
|被災地の復興ビジョンは被災者が一番望む「元の生活に戻す」ことだ |
|||
|- |
|||
|2011年7月11日 |
|||
|国家崩壊のエネルギー政策 電力自由化は無能無策の極地 |
|||
|- |
|||
|2011年8月15日 |
|||
|脱原発論者に浮かぶ反国家思想 左翼啓蒙の手段に原発議論を持ち込むな!! |
|||
|- |
|||
|2011年9月12日 |
|||
|参加したら終わってしまう 国を売られる瀬戸際のTPP問題 |
|||
|- |
|||
|2011年10月24日 |
|||
|ルール策定は政治力で決まる 米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう |
|||
|} |
|||
== 参考文献 == |
|||
* {{jdate|2011}}10月27日、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系[[情報番組]]『[[情報プレゼンター とくダネ!|とくダネ!]]』に[[コメンテーター]]として出演した。 |
|||
* [http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/introductionjp 研究室紹介](京都大学都市社会工学専攻藤井研究室) |
|||
* [http://www.keiomcc.net/terakoya/2012/12/sekigaku118.html 中野 剛志「異端の思想 経済ナショナリズムとは何か」](慶應MCC通信【てらこや】、2012年12月11日) |
|||
* [[森健]]「現代の肖像 中野剛志」(eAERA) |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{Reflist|2}} |
|||
<references/> |
|||
== 関連項目 == |
|||
* [[藤井聡]] |
|||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
* [http:// |
* [http://chokumaga.com/author/?mid=124 中野剛志/無双!中野学校] - ちょくマガ |
||
* [http://www.mitsuhashitakaaki.net/category/higashida/ 東田 剛(中野剛志のペンネーム)] - 三橋貴明の「新」日本経済新聞 |
|||
{{Normdaten}} |
|||
{{DEFAULTSORT:なかの たけし}} |
{{DEFAULTSORT:なかの たけし}} |
||
[[Category:日本の評論家]] |
|||
[[Category:日本の経産官僚]] |
[[Category:日本の経産官僚]] |
||
[[Category:京都大学の教員]] |
[[Category:京都大学の教員]] |
||
[[Category:日本の経済評論家]] |
|||
[[Category:日本のナショナリスト]] |
|||
[[Category:『表現者』塾の人物]] |
|||
[[Category:環太平洋パートナーシップ協定]] |
|||
[[Category:Doctor of Philosophy取得者]] |
|||
[[Category:東京大学出身の人物]] |
|||
[[Category:攻玉社中学校・高等学校出身の人物]] |
|||
[[Category:神奈川県出身の人物]] |
[[Category:神奈川県出身の人物]] |
||
[[Category:1971年生]] |
[[Category:1971年生]] |
2024年12月17日 (火) 10:33時点における最新版
人物情報 | |
---|---|
別名 |
東田 剛 ひがしだ つよし |
生誕 |
1971年10月25日(53歳)[1] 日本・神奈川県 |
国籍 | 日本 |
出身校 |
攻玉社中学校・高等学校 東京大学(学士) エディンバラ大学 (M.Sc., Ph.D.) |
学問 | |
時代 | 21世紀 |
活動地域 | 日本 |
学派 |
保守主義 経済ナショナリズム 表現者グループ 現代貨幣理論 |
研究分野 |
政治史・経済史 国際関係史 政治思想・経済思想 国際関係論 総合政策学 |
研究機関 |
京都大学 経済産業研究所 |
学位 | Ph.D. in Politics(エジンバラ大学) |
特筆すべき概念 |
経済ナショナリズム 地政経済学 |
主な業績 |
経済ナショナリズムの定式化 地政学及び経済学の統一理論の構想 |
主要な作品 |
『TPP亡国論』(2011年) 『日本思想史新論』(2012年) 『富国と強兵』(2014年) |
影響を受けた人物 | 小林秀雄、西部邁、佐藤誠三郎、デイヴィッド・ヒューム、フリードリッヒ・リスト、マイケル・オークショット、ロバート・ギルピン |
主な受賞歴 |
ドミニク・ジャッキン=バーダル論文賞(2003年) 新書大賞#2012第3位(2012年) 第21回山本七平賞奨励賞(2012年) |
中野 剛志(なかの たけし、1971年〈昭和46年〉10月25日[1] - )は、通産・経産官僚、評論家、思想家[2][3]。学位はPh.D.(エディンバラ大学・2005年)。経済産業省商務情報政策局消費・流通政策課長、同局大規模小売店舗立地法相談室長、同局物流企画室長[4]。筆名に東田 剛(ひがしだ つよし)がある。
京都大学大学院工学研究科准教授、特許庁総務部総務課制度審議室長、経産省商務情報政策局情報技術利用促進課長、経産省大臣官房参事官(グローバル産業担当)などを歴任した[5][6]。
来歴
[編集]神奈川県出身[3]。実家はリサイクル業[7]。攻玉社中学校・高等学校卒業[7]。現役時に京都大学に落第し[8]、河合塾横浜校を経て[7]、東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論専攻)卒業。西部邁の私塾・表現者塾出身[9][10]。
予備校の講師から「国際関係論を学ぶには佐藤誠三郎が良い」という助言を受け、東大入学後に佐藤の講義を受けている[7]。また、ロバート・ギルピンの著書を通して、自由主義およびマルクス主義に次ぐ第3の経済思想たる経済ナショナリズムを知り、大学卒業後の進路に通商産業省を選ぶ[7]。
1996年、通商産業省に入省。1999年、資源エネルギー庁長官官房原子力政策課原子力専門職に就任。
2000年、エディンバラ大学に官費留学し政治思想を専攻[11]。2001年、同大学より優等修士 (M.Sc. with distinction) の学位を取得[11]。指導教官はラッセル・キート (Russell Keat)。
帰国後、資源エネルギー庁資源・燃料部政策課長補佐に就任。2004年からは同課燃料政策企画室を併任。同年、経済産業省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長補佐に就任。
2005年、エディンバラ大学よりPh.D. in Politics(博士(政治学))を取得[3][12]。学位論文は「国家の力:経済ナショナリズムの理論的基礎 (The power of nations: theoretical foundations for economic nationalism)」である[12]。
経済産業省経済産業政策局産業構造課長補佐を経て、2010年6月1日、京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻藤井聡研究室に退職出向[13]。同研究室には助教として着任し、翌年、准教授に昇任した。経済産業研究所コンサルティングフェローを兼任。
2011年3月17日、『TPP亡国論』の印税収入の半分相当を、日本赤十字社の「東日本大震災義援金」に寄付した[14]。『TPP亡国論』は20万部を超えるベストセラーとなっている[15][16]。
2012年5月31日をもって京都大学を退官し[17]、同年6月1日から経済産業省に復帰[13]。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に出向し、同機構総務企画部主幹、同機構ロボット・機械システム部主幹、同機構戦略的イノベーション創造プログラム『革新的設計生産技術』推進委員会オブザーバーを務めた[18][19]。2014年、特許庁総務部総務課制度審議室長に就任[20]。2017年7月5日、経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課長に就任[21]。2020年7月20日、経済産業省大臣官房参事官(グローバル産業担当)に就任[22]。2021年7月1日、経済産業省 商務情報政策局 消費・流通政策課長 兼 物流企画室長に就任[23]。2024年6月25日、経済産業省 商務情報政策局 参事官(商務・サービスグループ担当)に就任[24]。
人物
[編集]受賞
[編集]- 2003年(平成15年) - 論文「経済ナショナリズムを理論化する (Theorising economic nationalism) 」[25]により民族性ナショナリズム学会のドミニク・ジャッキン=バーダル論文賞 (Dominique Jacquin-Berdal Essay Prize) を受賞[26]。
- 2012年(平成24年)
主張
[編集]政治思想・経済思想
[編集]経済ナショナリストによる思想の再解釈を通して、これらの思想の底流にあるのは、理性と思索により抽象化・単純化した思考ではなく、文化や社会慣習、常識の蓄積などをあるがままに掴み取ろうとする解釈学的アプローチであるとする。抽象的な数理モデルや、経済現象を利己的個人に還元した方法論的個人主義など、これらに基づく主流派経済学の非現実的な抽象論を批判し、これに依拠する民営化・規制緩和・小さな政府などの新自由主義的な手法が問題解決に対して失効しているばかりか、軋轢や問題の原因でもあると主張している[29]。
また、新自由主義が信奉する自由放任の市場経済は、家族・共同体といった保守が重視する価値を破壊するため、国家・道徳のためにも、保守は新自由主義と手を切るべきだと主張している[30]。
経済史
[編集]イギリス経験論の代表的人物であるデイヴィッド・ヒュームを経済ナショナリストとし[31]、ヒュームからアメリカの経済ナショナリストであるアレクサンダー・ハミルトンへの流れ[32]、ハミルトンを経由して経済ナショナリストの一大学派であるドイツ歴史学派の創始者フリードリッヒ・リストまでの思潮を辿り[33][34]、ヒュームからヘーゲルを経て[35]、新古典派経済学の創始者の一人とされるアルフレッド・マーシャルが実は経済ナショナリストであることを論証しようと試みた[36]。また、混同されがちな経済ナショナリズムと重商主義はその立場が異なることを、「ネイション」(国民あるいは人々の社会的・文化的・心理的紐帯)と「ステイト」(政府あるいは政治的・法的制度)の両者の基盤の違いを軸に論じた[37]。
経済思想史の流れで経済が順調ではない時の傾向として、通常の経済学の議論で見落とされていたものに注目する動きが出てくるとし、危機の時はオーソドックスから逸脱できた国だけが生き残れるとする[38]。
経済政策
[編集]デフレーションを解決することが最優先課題であるとし、内需拡大こそ重要であるとしている[39]。外需促進は貿易黒字の拡大を伴うが、これは円高を促し国際競争力を失う自殺行為であると指摘する。むしろ、財政出動により内需を拡大することで輸入が増加し、これが円を安くし国際競争力を高めることにつながるとする。すなわち、財政出動による内需拡大こそが円高を止めるとする。マンデルフレミングモデルに対して、デフレ下では金利の大幅な上昇はありえないため、自国通貨高にはならないと主張している[40]。
「くたばれグローバル資本主義」が座右の銘であり[41]、海外からの需要取り込みや国際分業の伸展により経済活性化を目指すグローバル成長戦略論には否定的である[42]。
元日本銀行副総裁で経済学者の若田部昌澄は、中野が経済学を理解した上で、自説に適した理論を的確に選び[43]、「そう言われればそうかな」と思ってしまうような論を展開しているとして、「トレード」を教える反面教材としては悪くないとしている[44]。若田部は「いろいろな人が反TPP論を繰り出したが、どれも中野のバリエーションのようなものだった。彼の議論をあらためて確認しておくことにはまだ意義がある」と述べている[45]。
社会経済学者の松原隆一郎は最初に景気回復は赤字財政による公共投資で可能になるという中野の主張を聞いて疑問を持ったと述べている。政府が国民の貯金を上回る累積赤字を背負うなら、その国家は財政破綻するのではないかと問うた。中野は銀行制度において、預金通貨は振り込まれる預金が転送されて生まれるのではなく、資金を求める人の口座に返済可能と判断し準備預金を積む限りで貸出額を記帳するだけで預金通貨は発生するので、政府も国債を政府紙幣を発行して「受領」されさえすれば通貨になるのだから、不況期には政府は支出を無限に増やせると主張した。松原はこの貨幣論はその国家がどこまで「信用」されるかにかかっているため、中野の軍事技術・費用逓減産業・地理的差異など、長期にわたって富を生み出す仕組みの説明で理論の筋が見えたと述べている[46]。
批判
[編集]TPP
[編集]TPP反対派の代表[47]、TPP反対の急先鋒[48]とも言われており、反TPP論者として注目されている[49]。TPPについて中野は「日本はすでに開国している」「TPPで輸出は増えない」「TPPは日米貿易だ」と持論を展開している[50]。
森健は、中野の『TPP亡国論』(2011年)について「著者はまずTPPは国内総生産比率で事実上、日米2カ国の自由貿易協定(FTA)に過ぎないことを示した上で、アメリカはなりふり構わぬ輸出強化策に出ていることを証明する。冷静な論考の過程で見えてくるのは、国民を幸せにしないグローバル経済の問題だ。TPPだけに終わっていないのが本書の深みだ」と評している[51]。祖田修は、『反・自由貿易論』について「本書はTPPに関し、最も信頼しうる著作の一つである」と評している[52]。
藤井聡
[編集]2021年には、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、藤井聡氏の一連の言動を批判した。
- 「そう言えば、アーレントだ何だと哲学者ぶって大衆社会批判や全体主義批判をしながら、統計学的な手法を振り回している変な学者がいますが、おそらく彼は何も分かっていないのでしょう。もっとも、その人は、その統計ですらインチキして大衆を煽動しようとしているから、論外ですけれどね。[…]ちょび髭とか生やして、まなじり吊り上げて怒鳴っているような顔には気をつけましょう[…]最近だと、「◎◎である疑義が濃厚である」を連発する科学者ぶった偉そうな文章。見るたびに吐きそうになる。」[53]
- 「「ボクは自粛で山ほど嫌な思いをしています」とか駄々をこね、「自粛に賛成している者は社交を知らないガキ」だなどと書き連ねていた……。彼(藤井聡)の文章は、文体からして酷かった。前回の対談で話題になりましたが、やっぱり出るもんですね、文体に。」[54]
- 「残念ながら、信じてはいけない教授、指導を受けてはいけない教授もいることが、このコロナ禍で明らかになってしまいました。あれだけデタラメな言論を展開していれば、研究室の学生にもデタラメを教えているに決まっている。」[55]
- 「藤井氏の『表現者クライテリオン』には、個別の問題に関して意見が同じだったら、どんな低劣な言論人でも登場する。藤井氏は、消費税反対の徒党を組むため、あるいは緊急事態宣言反対の徒党を組むためだったら、誰とでも手を組み、利用しようとするのです。思想運動を「徒党」と言い、「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」を学問の「社交」と言うなら、徒党と社交は、全くの別物です。徒党を組みたがる連中は、社交を知らないガキですね(笑)。[…]世の中には、思想運動や学派という猿山のボス猿になりたいという野心をもっている大学教授や知識人がいるわけですよ。よく学生や助教に対して威張ったり、いたぶったり、怒鳴り散らしたりする大学教授がいますが、そういう手合いですね。そういう学者のクズは、「思想」ではなく、学界や言論界の「政治」をやっているのです。/そんな学者のクズを不運にも師匠として信じてしまった結果、その師匠に操られ、師匠に追従していくうちに、有望な学生の思想の芽が潰れてしまう。」[56]
- 「今回の新型コロナを巡っては、いろいろ奇妙な議論が出てきたのは事実ですが、あそこまで変な言論を展開したのは、彼(藤井聡)だけですよ。」[57]
- 「国民の不満につけ込み、うまい話をぶら下げ、数字を操作し、特定の敵を設定して執拗に攻撃し、メディアを多用して煽動し、自分の主張だけを一方的に押し通すが、論理的一貫性などおかまいなし。これは全体主義の典型的な手法で、かつて藤井氏は、橋下徹・元大阪市長が「大阪都構想」でそれをやっていると批判した。ところが、今回は、自分が「半自粛」でそれをやっている。越えてはならぬ一線をあっさり越えましたね、彼は。[…]吊り上がった眉と血走った目で「僕は、日本のために命をかけてるんですよぉ! 」などと怒鳴られると、それだけで「ああ、こいつがかけている命は、日本のためにはならんなあ」「正義を振りかざす自分に酔っているだけだなあ」と分かりますね。[…]相模原障碍者殺傷事件の加害者は、重度障碍者は生きる意味がないだの、抹殺するのが日本のためだのといった危険思想をもっていた。それと同種の危険思想を、[…](藤井)氏は持っているのです。しかし、[…](藤井)氏は、SNS上では、その危険思想を科学めかした理屈で隠しつつ、専門家会議や西浦先生を攻撃していました。」[58]
- 「藤井氏は去年の6月のある討論番組で「僕が間違っていたら、筆を折って人前に出ないようにしますよ」などと口走っていました。あの時点で、世界中の感染症や公衆衛生の専門家が苦戦している未知のウイルスについて、専門外なのに、そう断言してしまった。信じ難い傲慢さです。でも、そんな大見えを切ってしまったもんだから、その後、修正できなくなっている。これはもう救いようがないなと。[…](藤井聡は)善人面しますね。怒って叫んでみせたり、ため息ついて悲しんでみせたりの三文芝居。[…](藤井聡は)善人面しているうちに、本気で「俺は正義の味方だ」と自己陶酔に陥ったようにも見える。[…]第4波の緊急事態宣言の前後、大阪や東京で感染者数が増え続ける中で、藤井氏は、感染者数の「増加率」が減ったのを勝手に「収束」という言葉で定義して、「収束に向かっているから緊急事態宣言は必要なかった」とツイッターで主張していました。/しかし、言うのも馬鹿々々しいですが、増加率が減少しようが100%以下にならない限り、感染者数は増加しているわけですから、普通はそれを「収束」に向かっているとは言わない。特に大阪は医療崩壊しかかっていたんですから、少なくとも、対策を強化する必要がないなどという結論になるはずがない。[…]緊急事態宣言は不要と唱える藤井氏や宮沢孝幸氏は「目、口、鼻さえ触らなければ大丈夫」って言っていましたが、人間は日常生活の中で無意識に目、鼻、口を触るわけですから、絶対触るなと言われてもできません。そんな無理筋の提案をしておきながら、それが受け入れられないからって「大嫌い」って言われてもね。」[59]
- 「京都大学大学院教授の藤井聡氏はなんて言ったのか。昨年の6月に「もし僕が間違っていたら人前には出ません。筆を折ります」と言ったわけですよ。それで筆を折るのが嫌なもんだから、今は事実や論理をバキバキ折っているところです(笑)。[…]藤井氏は、2020年12月、「WeRise」という団体のイベントに参加し、講演で「コロナがあったら、飲んでもいい」などと発言しています。コロナって、ビールのコロナじゃないですよ。挙句の果てには、ギターをかき鳴らし、飛沫飛ばして「Oh,Yeah,Oh,Yeah」などと叫んでいるのです。ツイッターで流れて来たその動画を見た時は、言葉を失いました。/これは、さすがに限度を超えているでしょう。藤井氏が「Oh, Yeah, Oh, Yeah」と歌っていた頃、すでに大阪の医療機関は逼迫していました。そして、その後、大阪は、医療崩壊状態になったんですよ! 藤井氏とつるんでいる連中は、この「Oh,Yeah, Oh, Yeah」の動画を見ても平気なんですか?[…]あんな「Oh,Yeah」男に「MMT! 」とか言われると、MMTまでトンデモ扱いされてしまうから、迷惑です。[…]藤井氏は、MMTを唱えていたにもかかわらず、昨年7月、「財政政策が行われるとは思わない」と断じ、さらに感染症の専門家でもないのに「半自粛」を唱え、挙句の果てに、尾身先生と西浦先生を公開質問状で断罪するという挙にでた。[…]感染拡大を防ぐために、感染症の専門家や医師たちが必死に警鐘を鳴らしていたというのに、藤井氏は警鐘ではなくギターを鳴らして「Oh,Yeah, Oh, Yeah」とマスクもしないで叫んでいたわけです。それで感染が拡大して医療崩壊したら「病床増やせって、言っただろ」って、いったい何なんですか、この人は。[…]深刻そうな顔にチョビ髭つけて、大学教授か何かの肩書を振り回し、やたら「アウフヘーベン」とか哲学用語・外国語を口走ってもったいつけ、人前で葉巻を吸って見せたりする。権力者にはペコペコするのに、学生や飲食店の店員とかには威張り散らし、講演ではすぐに興奮して「僕は、そういう日本人にムカついているんですよ~! 」とか叫んで大演説。」[60]
TV出演
[編集]- 超人大陸(インターネットテレビ)- 2011年・2012年に出演。
- 日本文化チャンネル桜 - 2011年・2012年に出演。
- 視点・論点(NHKテレビ)- 2011年に出演[61]。
- とくダネ!(フジテレビ)- 2011年に出演[62]。
著書
[編集]単著
[編集]- 『国力論』以文社、2008年。ISBN 4753102610。
- 『経済はナショナリズムで動く』PHP研究所、2008年。ISBN 4569703186。
- 改訂版:『国力とは何か:経済ナショナリズムの理論と政策』講談社(講談社現代新書)、2011年。ISBN 4062881152。
- 『恐慌の黙示録』東洋経済新報社、2009年。ISBN 4492395148。
- 改訂版:『資本主義の預言者たち:ニュー・ノーマルの時代へ』KADOKAWA(角川新書)、2015年。ISBN 4047317357。
- 『自由貿易の罠』青土社、2009年。ISBN 4791765117。
- 『考えるヒントで考える』幻戯書房、2010年。ISBN 4901998579。
- 『TPP亡国論』集英社(集英社新書)、2011年。ISBN 4087205843。
- 『日本思想史新論:プラグマティズムからナショナリズムへ』筑摩書房(ちくま新書)、2012年。ISBN 4480066543。
- 『レジーム・チェンジ:恐慌を突破する逆転の発想』NHK出版(NHK出版新書)、2012年。ISBN 4140883731。
- 『反官反民:中野剛志評論集』幻戯書房、2012年。ISBN 4864880018。
- 『官僚の反逆』幻冬舎(幻冬舎新書)、2012年。ISBN 4344982908。
- 『日本防衛論:グローバル・リスクと国民の選択』角川マガジンズ(角川SSC新書)、2013年。ISBN 4047315923。
- 『反・自由貿易論』新潮社(新潮新書)、2013年。ISBN 4106105268。
- 『保守とは何だろうか』NHK出版(NHK出版新書)、2013年。ISBN 4140884185。
- 『世界を戦争に導くグローバリズム』集英社(集英社新書)、2014年。ISBN 4087207552。
- 『富国と強兵:地政経済学序説』東洋経済新報社、2016年。ISBN 978-4492444382。
- 『真説・企業論:ビジネススクールが教えない経営学』講談社(講談社現代新書)、2017年。ISBN 978-4-06-288425-9。
- 『経済と国民:フリードリヒ・リストに学ぶ』朝日新聞出版(朝日新書)、2017年。ISBN 978-4022737342。
- 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』ベストセラーズ、2019年。ISBN 978-4584138953。
- 『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』ベストセラーズ、2019年。ISBN 978-4584139066。
- 『日本経済学新論』筑摩書房(ちくま新書)、2020年。ISBN 978-4480073143。
- 『小林秀雄の政治学』文藝春秋(文春新書)、2021年。ISBN 978-4-16-661306-9。
- 『楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】』ベストセラーズ、2022年。ISBN 978-4584139837。
- 『世界インフレと戦争―恒久戦時経済への道』幻冬舎、2022年。ISBN 978-4344986787。
- 『どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組』祥伝社(祥伝社新書)、2023年。ISBN 978-4396116767。
- 『入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才』PHP新書、2024年。ISBN 978-4569856186。
共著
[編集]- (関岡英之、長尾たかし、東谷暁、藤井孝男、三橋貴明、山田俊男、水島総)『亡国最終兵器:TPP問題の真実』青林堂(チャンネル桜叢書)、2011年。ISBN 4792604354。
- (山名元、森本敏)『それでも日本は原発を止められない』産経新聞出版、2011年。ISBN 4819111450。
- (エマニュエル・トッド、フリードリッヒ・リスト、ダヴィッド・トッド、ジャン=リュック・グレオ、ジャック・サピール、松川周二、西部邁、関曠野、太田昌国、関良基、山下惣一)『自由貿易という幻想:リストとケインズから「保護貿易」を再考する』藤原書店、2011年。ISBN 4894348284。
- (柴山桂太)『グローバル恐慌の真相』集英社(集英社新書)、2011年。ISBN 4087206203。
- (西部邁、佐伯啓思、柴山桂太、中島岳志、東谷暁、藤井聡、富岡幸一郎、原洋之介)『危機の思想』NTT出版、2011年。ISBN 4757142765。
- (西部邁、佐伯啓思、富岡幸一郎、柴山桂太、中島岳志、原洋之介、東谷暁、藤井聡)『文明の宿命』NTT出版、2012年。ISBN 4757142889。
- (三橋貴明)『売国奴に告ぐ!:いま日本に迫る危機の正体』徳間書店、2012年。ISBN 4198633592。
- (藤井聡)『日本破滅論』文藝春秋(文春新書)、2012年。ISBN 4166608711。
- (関岡英之、岩月浩二、東谷暁、施光恒、村上正泰、柴山桂太)『TPP 黒い条約』集英社(集英社新書)、2013年。ISBN 4087206955。
- (三橋貴明、柴山桂太、施光恒、森健)『反動世代:日本の政治を取り戻す』講談社、2013年。ISBN 4062183307。
- (柴山桂太、施光恒)『まともな日本再生会議:グローバリズムの虚妄を撃つ』アスペクト、2013年。ISBN 4757222572。
- (佐藤健志)『国家のツジツマ:新たな日本への筋立て』VNC、2014年。ISBN 4434190598。
- (佐藤健志)『国家のツジツマ:新たな日本への筋立て デラックス版』VNC、2014年。ISBN 4434189395。
- (エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、藤井聡、堀茂樹)『グローバリズムが世界を滅ぼす』文藝春秋(文春新書)、2014年。ISBN 4166609742。
- (柴山桂太)『グローバリズム その先の悲劇に備えよ』集英社(集英社新書)、2017年。ISBN 978-4087208863。
編著
[編集]- (佐藤方宣、柴山桂太、施光恒、五野井郁夫、安高啓朗、松永和夫、松永明、久米功一、安藤馨、浦山聖子、大屋雄裕、谷口功一、河野有理、黒籔誠、山中優、萱野稔人)『成長なき時代の「国家」を構想する:経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン』ナカニシヤ出版、2010年。ISBN 4779505135。
- (東谷暁、三橋貴明)『「TPP開国論」のウソ:平成の黒船は泥舟だった』飛鳥新社、2011年。ISBN 4864100802。
共訳書
[編集]- スコット・A・シェーン 著、谷口功一、中野剛志、柴山桂太 訳『〈起業〉という幻想:アメリカン・ドリームの現実』白水社、2011年。ISBN 4560081646。
監修
[編集]- 黒野伸一『あした、この国は崩壊する:ポストコロナとMMT』ライブパブリッシング、2021年。ISBN 4910519009。
論文
[編集]- 藤井聡、中野剛志「マクロ経済への影響を踏まえた公共事業関係費の水準と調達方法の裁量的調整についての基礎的考察」土木学会論文集
- 藤井聡、久米功一、松永明、中野剛志「経済の強靭性(Economic Resilience)に関する研究の展望」経済産業研究所、2012年4月
参考文献
[編集]- 研究室紹介(京都大学都市社会工学専攻藤井研究室)
- 中野 剛志「異端の思想 経済ナショナリズムとは何か」(慶應MCC通信【てらこや】、2012年12月11日)
- 森健「現代の肖像 中野剛志」(eAERA)
脚注
[編集]- ^ a b “第21回「山本七平賞」受賞作が決定。正賞は川田稔著『昭和陸軍の軌跡』、奨励賞に中野剛志著『日本思想史新論』”. 2021年8月15日閲覧。
- ^ “TPP亡国論/中野 剛志|集英社の本 公式”. 2021年4月30日閲覧。
- ^ a b c “中野 剛志|著者ページ|東洋経済オンライン|経済ニュースの新基準”. 2021年4月27日閲覧。
- ^ “幹部名簿(METI/経済産業省)”. 経済産業省. 2024年6月10日閲覧。
- ^ “中野剛志 | 著者ページ”. ダイヤモンド・オンライン. 2022年1月30日閲覧。
- ^ “中野 剛志 | 著者ページ”. 東洋経済オンライン. 2022年1月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g 森健『現代の肖像 中野剛志』朝日新聞出版、2014年。
- ^ “21世紀の「学問の鉄人」シリーズ”. 「みらいぶ」高校生サイト. 2022年1月14日閲覧。
- ^ 『AERA 2012年6月4日増大号』のインタビュー記事より
- ^ 「筆者はまことに幸福なことに、十年以上にわたって(西部)先生の薫陶を直接受け、その精緻な思想、強靭な精神、そして生真面目でユーモアのある人生観から少なからざる影響を受けてきた。本書の中に、西部先生の保守思想の痕跡に気づいた読者も少なくないと思う。」『国力論』220頁。
- ^ a b “中野 剛志 准教授 - 京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室”. 2021年4月27日閲覧。
- ^ a b “The power of nations: theoretical foundations for economic nationalism”. 2021年4月27日閲覧。
- ^ a b 中野剛志 「等身大で闘い続けた一年余を振り返る」 Internet TV 『超人大陸』 NPOカルチャーショッククラブ 2012年6月4日号
- ^ 中野剛志:「TPP亡国論」発刊にむけて (News Spiral)
- ^ 「TPP黒い条約」目次と執筆者
- ^ TPP参加は「主権」の投げ売り、黒い条約だ! 『TPP亡国論』中野剛志が放つ最後の警告『TPP 黒い条約』 BOOKウォッチ 2013年6月17日
- ^ 中野 剛志 准教授 京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室
- ^ 「推進委員会(第1回)構成員名簿(PDF形式:160KB) 」 内閣府
- ^ 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)『革新的設計生産技術』推進委員会(第1回)議事要旨」内閣府
- ^ 「幹部一覧(METI/経済産業省)」
- ^ [1]日本経済新聞
- ^ [2] 日本経済新聞
- ^ [3] 日本経済新聞
- ^ [4] 日本経済新聞
- ^ Takeshi Nakano (2004). “Theorising economic nationalism”. Nations and Nationalism 10 (3): 211–229. doi:10.1111/j.1354-5078.2004.00164.x.
- ^ Dominique Jacquin-Berdal Essay Prize
- ^ 新書大賞2012特設ページ(中央公論新社)
- ^ 書評 第21回 山本七平賞 選評 および 受賞の言葉PHPビジネスオンライン 衆知 2012年12月19日
- ^ 『国力論』174-175頁、198-200頁。
- ^ 書評 本よみうり堂 『保守とは何だろうか』 中野剛志著、『「リベラル保守」宣言』 中島岳志著、『保守の本分』 noiehoie著、『「常識」としての保守主義』櫻田淳著、YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年11月11日
- ^ 『国力論』53-110頁。
- ^ 『国力論』19-31頁。
- ^ 『国力論』32-52頁。
- ^ 若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159頁。
- ^ 『国力論』111-142頁。
- ^ 『国力論』143-171頁。
- ^ 『国力論』35-38頁、46-54頁、107-110頁。
- ^ 中野剛志・柴山桂太『グローバル恐慌の真相』166-167頁。
- ^ 売国奴に告ぐ! 中野剛志、三橋貴明著東洋経済オンライン 2012年04月17日
- ^ [5] 内需拡大が円高を止める
- ^ TPP反対の中野剛志 グローバル化を喜ぶ人は「ほとんど反民主主義者」 NEWSポストセブン 2011年12月25日
- ^ 内需拡大が円高を止める| 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」への寄稿
- ^ 若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159頁。
- ^ 若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、172頁。
- ^ 若田部昌澄・栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、159-160頁。
- ^ https://mainichi.jp/articles/20170319/ddm/015/070/013000c
- ^ TPPの憂鬱 ―― 誤解と反感と不信を超えてSYNODOS -シノドス- 2011年11月9日
- ^ インタビュー 「道民はもっと怒れ、エセ龍馬たちの言いなりになるな!」 財界さっぽろ 2011年3月
- ^ 「TPPはアメリカの雇用対策」田中康夫と中野剛志が指摘日刊SPA! 2011年11月8日
- ^ 中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる News Spiral 2011年1月14日
- ^ 【レビュー・評価】:TPP亡国論 著 中野剛志 asahi.com(朝日新聞社)2011年4月3日
- ^ 反・自由貿易論 中野剛志 著 東京新聞 Chunichi Bookweb (TOKYO Web) 2013年7月28日
- ^ “なぜ政治家は顔で判断されるべきなのか?【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年3月31日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか?【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年4月15日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “「直観」でものごとを判断するということ【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年5月22日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “コロナ禍は「歴史を学ぶ」チャンスでもある【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年5月25日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “新型コロナがあぶり出した「狂った学者と言論人」【中野剛志×佐藤健志×適菜収:第1回】”. ベストセラーズ (2021年8月1日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “現実を直視できない日本と新型コロナのゆくえ【中野剛志×佐藤健志×適菜収:最終回】”. ベストセラーズ (2021年8月6日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “人を説得することは可能なのか?【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年8月7日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ “議論の勝敗だけにこだわる「知識人ごっこ」の輩を実名で糾弾する【中野剛志×適菜収】”. ベストセラーズ (2021年8月7日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ 視点・論点 「TPP参加の是非」NHK 2011年10月21日
- ^ TPP反対派の急先鋒・中野剛志「メディアが報じないアメリカの本音。やはり日本は狙われている」 週プレNEWS 2011年11月10日
外部リンク
[編集]- 中野剛志/無双!中野学校 - ちょくマガ
- 東田 剛(中野剛志のペンネーム) - 三橋貴明の「新」日本経済新聞